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特開2023-8819循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板及びその作製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008819
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20230112BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20230112BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
H01L23/36 C
H01L23/12 J
H01L23/46 Z
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081713
(22)【出願日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】202110763517.6
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】洪 業 傑
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA02
5F136BB01
5F136CB07
5F136CB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板及びその作製方法を提供する。
【解決手段】循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、誘電材料体010と、チップ120と、第1金属面310と、第2金属面320と、第1配線210とを含む。誘電材料体にはパッケージキャビティが設けられる。チップは、パッケージキャビティ内にパッケージされる。第1金属面は、誘電材料体内に埋め込まれ、チップの放熱面121に被覆して接続される。第2金属面は、誘電材料体内に埋め込まれ、第1金属面上に接続され、冷却チャネル322を形成するための第1冷却チャネルパターン321を有する。第1配線は、誘電材料体の表面に設けられるか又は誘電材料体内に埋め込まれ、第1導電性構造132を介してチップの活性面122における対応する端子に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージキャビティが設けられた誘電材料体と、
放熱面と活性面を有し、前記パッケージキャビティ内にパッケージされるチップと、
前記誘電材料体に設けられ、前記チップの放熱面に被覆して接続された第1金属面と、
前記第1金属面上に設けられ、冷却チャネルを形成するための第1冷却チャネルパターンが設けられた第2金属面と、
前記誘電材料体の表面又は前記誘電材料体内に設けられ、第1導電性構造を介して前記チップの活性面における対応する端子に接続された第1配線とを含む、ことを特徴とする循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項2】
前記誘電材料体内に層間導電性構造が設けられ、前記第1配線は前記層間導電性構造を介して隣り合う層の間の第2配線に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項3】
前記第2金属面に接続され、かつ前記第1冷却チャネルパターンに覆われ、前記冷却チャネルに連通している第1開口部及び第2開口部が設けられた第3金属面をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項4】
前記第3金属面に、前記第1冷却チャネルパターンに適合する前記第2冷却チャネルパターンが設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項5】
前記第2金属面上には、第1金属表面処理層が設けられている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項6】
前記第3金属面上には、第2金属表面処理層が設けられている、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項7】
パッケージキャビティに設けられた誘電材料体と、
放熱面と活性面を有し、前記パッケージキャビティ内にパッケージされるチップと、
前記誘電材料体に設けられ、前記チップの放熱面に覆われた第1金属面と、
前記第1金属面と前記チップの放熱面との間に接続され、面積が前記第1金属面の面積以下である熱伝導性金属表面と、
前記第1金属面上に設けられ、冷却チャネルを形成するための第1冷却チャネルパターンが設けられた第2金属面と、
前記誘電材料体の表面又は前記誘電材料体内に設けられ、前記チップの活性面における対応する端子に接続された第1配線とを含む、ことを特徴とする循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項8】
前記誘電材料体内に層間導電性構造が設けられ、前記第1配線は前記層間導電性構造を介して隣り合う層の間の第2配線に接続されている、ことを特徴とする請求項7に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項9】
前記第2金属面に接続され、かつ前記第1冷却チャネルパターンに覆われ、前記冷却チャネルに連通している第1開口部及び第2開口部が設けられた第3金属面をさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項10】
前記第3金属面に、前記第1冷却チャネルパターンに適合する前記第2冷却チャネルパターンが設けられる、ことを特徴とする請求項9に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板。
【請求項11】
第1誘電体層としての支持枠を提供するステップであって、前記支持枠にはパッケージキャビティが設けられるとともに、対向する第1面及び第2面を有するステップと、
前記パッケージキャビティの底部で仮担持面を提供し、前記チップの放熱面が前記仮担持面に接触して接続されるようにパッケージ対象のチップを前記パッケージキャビティ内に実装するステップと、
パッケージ材料を用いて前記チップをパッケージした後、前記パッケージ材料に、前記チップの活性面における対応する端子に連通している第1ビアを加工するステップと、
前記仮担持面を除去するステップと、
前記第1ビア内に第1導電性構造を加工するとともに、前記支持枠の第1面及び第2面のそれぞれに、前記第1導電性構造に接続された第1配線が設けられた第1ライン層、及び前記チップの放熱面に被覆して接続された第1金属面が設けられた第2ライン層を加工するステップと、
前記第1金属面上に、冷却チャネルを形成するための第1冷却チャネルパターンが設けられた第2金属面を加工するステップと、を含む、ことを特徴とする作製方法。
【請求項12】
前記支持枠には、層間導電性構造としての第1ビアポストが設けられ、前記第2ライン層には、第1機能ラインがさらに設けられ、前記第1ビアポストの第1端は前記第1配線に接続され、前記第1ビアポストの第2端は前記第1機能ラインに接続されている、ことを特徴とする請求項11に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法。
【請求項13】
前記支持枠の第2面に第2誘電体層を作製し、前記第2誘電体層のうち前記第1冷却チャネルパターンに対応する第1領域、及び前記第1ビアポスト又は前記第1機能ラインのうちの少なくとも1つに対応する第2領域に対して窓開け処理を行うステップと、
前記第2領域内に、層間導電性構造としての第1導通孔を加工するステップと、
前記第2誘電体層の表面に、前記第1導通孔に接続された第2機能ラインを加工するステップとをさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法。
【請求項14】
前記支持枠の第1面に第3誘電体層を作製するステップと、
前記第3誘電体層に、前記第1配線に接続された層間導電性構造としての第2導通孔を加工するステップと、
前記第3誘電体層の表面に、前記第2導通孔に接続された第3機能ラインを加工するステップとをさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法。
【請求項15】
前記第1冷却チャネルパターン上に第1金属表面処理層を加工するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法。
【請求項16】
金属基材を提供するステップと、
前記金属基材に、前記第1冷却チャネルパターンに適合する第2冷却チャネルパターンを加工するステップと、
前記金属基材に、前記冷却チャネルの入口としての第1開口部及び前記冷却チャネルの出口としての第2開口部を加工するステップと、
前記第2冷却チャネルパターンが加工された前記金属基材を前記第1冷却チャネルパターンに被覆して接続するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項11~15のいずれか1項に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法。
【請求項17】
前記第2冷却チャネルパターンが加工された前記金属基材を前記第1冷却チャネルパターンに被覆して接続する前記ステップの前、
前記金属基材及び前記第2冷却チャネルパターンに第2金属表面処理層を加工するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項16に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法。
【請求項18】
第1誘電体層としての支持枠を提供するステップであって、前記支持枠にはパッケージキャビティが設けられるとともに、対向する第1面及び第2面を有するステップと、
前記パッケージキャビティの底部で仮担持面を提供し、前記チップの活性面が前記仮担持面に接触して接続されるようにパッケージ対象のチップを前記パッケージキャビティ内に実装するステップと、
パッケージ材料を用いて前記チップをパッケージした後、前記パッケージ材料に、前記チップの放熱面に対応する第1窓開け部を加工するテップと、
前記第1窓開け部内に熱伝導性金属表面を加工するステップと、
前記仮担持面を除去するステップと、
前記支持枠の第1面には、前記熱伝導性金属表面に被覆して接続された第1金属面が設けられた第1ライン層を加工するとともに、前記支持枠の第2面には、前記チップの活性面における対応する端子に接続された第1配線が設けられた第2ライン層を加工するステップと、
前記第1金属面上に、冷却チャネルを形成するための第1冷却チャネルパターンが設けられた第2金属面を加工するステップと、を含む、ことを特徴とする循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法。
【請求項19】
金属基材を提供するステップと、
前記金属基材に、前記第1冷却チャネルパターンに適合する第2冷却チャネルパターンを加工するステップと、
前記金属基材に、前記冷却チャネルの入口としての第1開口部及び前記冷却チャネルの出口としての第2開口部を加工するステップと、
前記第2冷却チャネルパターンが加工された前記金属基材を前記第1冷却チャネルパターンに被覆して接続するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項18に記載の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージの技術分野に関し、特に循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展及び進歩に伴い、電子製品は、小型化、薄型化、軽量化している一方、電子製品の機能への要求はますます高くなり、これにより、電子製品のパッケージ構造の高度集積化、小型化が促進され、チップなどのデバイスの埋め込みパッケージが登場し、また、電子素子の応用も高周波化、高速化、高出力化しており、単位面積あたりの熱流束密度が急速に増加することを招いた。
【0003】
動作環境温度の上昇に伴い、電子素子の動作速度が低下し、損失が上昇するとともに、高温環境下で長時間動作することにより、電子製品の信頼性が低下することが知られている。そのため、高周波・高速・高出力電子素子から発生した熱を適時に放散できなければ、電子製品の性能や信頼性はある程度の影響を受けることになる。そのため、高周波化、高速化、高出力化の傾向では、どのように合理的に埋め込み型パッケージ基板、パッケージ体の設計を最適化し、埋め込み型パッケージ構造の放熱性能を高めるかは、現在の重要な課題となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従来技術に存在する技術的課題の1つを少なくとも解決することを目的とする。このため、本発明は、埋め込み型パッケージ基板の放熱性能を高めることができる循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板及びその作製方法を提案している。
【0005】
第1態様では、本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、
パッケージキャビティが設けられた誘電材料体と、
放熱面と活性面を有し、前記パッケージキャビティ内にパッケージされるチップと、
前記誘電材料体に設けられ、前記チップの放熱面に被覆して接続された第1金属面と、
前記第1金属面上に設けられ、冷却チャネルを形成するための第1冷却チャネルパターンが設けられた第2金属面と、
前記誘電材料体の表面又は前記誘電材料体内に設けられ、第1導電性構造を介して前記チップの活性面における対応する端子に接続された第1配線とを含む。
【0006】
本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、少なくとも下記の有益な効果を有する。
【0007】
本発明の実施例では、チップの放熱面に第1金属面及び第2金属面が設けられることにより、冷却チャネルが形成され、放熱性能を高めるのに有利であり、しかも、冷却チャネルはパッケージ基板の加工中に形成可能であるので、加工のステップが簡素化し、生産コストが低下する。
【0008】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記誘電材料体内に層間導電性構造が設けられ、前記第1配線は前記層間導電性構造を介して隣り合う層の間の第2配線に接続されている。
【0009】
本発明のいくつかの実施例によれば、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、前記第2金属面に接続され、かつ前記第1冷却チャネルパターンに覆われ、前記冷却チャネルに連通している第1開口部及び第2開口部が設けられた第3金属面をさらに含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第3金属面に、前記第1冷却チャネルパターンに適合する前記第2冷却チャネルパターンが設けられる。
【0011】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第2金属面上には、第1金属表面処理層が設けられている。
【0012】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第3金属面上には、第2金属表面処理層が設けられている。
【0013】
第2態様では、本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、
パッケージキャビティに設けられた誘電材料体と、
放熱面と活性面を有し、前記パッケージキャビティ内にパッケージされるチップと、
前記誘電材料体に設けられ、前記チップの放熱面に覆われた第1金属面と、
前記第1金属面と前記チップの放熱面との間に接続され、面積が前記第1金属面の面積以下である熱伝導性金属表面と、
前記第1金属面上に設けられ、冷却チャネルを形成するための第1冷却チャネルパターンが設けられた第2金属面と、
前記誘電材料体の表面又は前記誘電材料体内に設けられ、前記チップの活性面における対応する端子に接続された第1配線とを含む。
【0014】
本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、少なくとも下記の有益な効果を有する。
【0015】
本発明の実施例では、チップの放熱面に第1金属面及び第2金属面が設けられることにより、冷却チャネルが形成され、放熱性能を高めるのに有利であり、しかも、冷却チャネルはパッケージ基板の加工中に形成可能であるので、加工のステップが簡素化し、生産コストが低下する。
【0016】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記誘電材料体内に層間導電性構造が設けられ、前記第1配線は前記層間導電性構造を介して隣り合う層の間の第2配線に接続されている。
【0017】
本発明のいくつかの実施例によれば、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、前記第2金属面に接続され、かつ前記第1冷却チャネルパターンに覆われ、前記冷却チャネルに連通している第1開口部及び第2開口部が設けられた第3金属面をさらに含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第3金属面に、前記第1冷却チャネルパターンに適合する前記第2冷却チャネルパターンが設けられる。
【0019】
第3態様では、本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、
第1誘電体層としての支持枠を提供するステップであって、前記支持枠にはパッケージキャビティが設けられるとともに、対向する第1面及び第2面を有するステップと、
前記パッケージキャビティの底部で仮担持面を提供し、前記チップの放熱面が前記仮担持面に接触して接続されるようにパッケージ対象のチップを前記パッケージキャビティ内に実装するステップと、
パッケージ材料を用いて前記チップをパッケージした後、前記パッケージ材料に、前記チップの活性面における対応する端子に連通している第1ビアを加工するステップと、
前記仮担持面を除去するステップと、
前記第1ビア内に第1導電性構造を加工するとともに、前記支持枠の第1面及び第2面のそれぞれに、前記第1導電性構造に接続された第1配線が設けられた第1ライン層、及び前記チップの放熱面に被覆して接続された第1金属面が設けられた第2ライン層を加工するステップと、
前記第1金属面上に、冷却チャネルを形成するための第1冷却チャネルパターンが設けられた第2金属面を加工するステップと、を含む。
【0020】
本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、少なくとも下記の有益な効果を有する。
【0021】
本発明の実施例では、チップの放熱面に第1金属面及び第2金属面が加工されることにより、冷却チャネルが形成され、放熱性能を高めるのに有利であり、しかも、冷却チャネルはパッケージ基板の加工中に形成可能であるので、加工のステップが簡素化し、生産コストが低下する。
【0022】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記支持枠には、層間導電性構造としての第1ビアポストが設けられ、前記第2ライン層には、第1機能ラインがさらに設けられ、前記第1ビアポストの第1端は前記第1配線に接続され、前記第1ビアポストの第2端は前記第1機能ラインに接続されている。
【0023】
本発明のいくつかの実施例によれば、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、
前記支持枠の第2面に第2誘電体層を作製し、前記第2誘電体層のうち前記第1冷却チャネルパターンに対応する第1領域、及び前記第1ビアポスト又は前記第1機能ラインのうちの少なくとも1つに対応する第2領域に対して窓開け処理を行うステップと、
前記第2領域内に、層間導電性構造としての第1導通孔を加工するステップと、
前記第2誘電体層の表面に、前記第1導通孔に接続された第2機能ラインを加工するステップとをさらに含む。
【0024】
本発明のいくつかの実施例によれば、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、
前記支持枠の第1面に第3誘電体層を作製するステップと、
前記第3誘電体層に、前記第1配線に接続された層間導電性構造としての第2導通孔を加工するステップと、
前記第3誘電体層の表面に、前記第2導通孔に接続された第3機能ラインを加工するステップとをさらに含む。
【0025】
本発明のいくつかの実施例によれば、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、前記第1冷却チャネルパターン上に第1金属表面処理層を加工するステップをさらに含む。
【0026】
本発明のいくつかの実施例によれば、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、
金属基材を提供するステップと、
前記金属基材に、前記第1冷却チャネルパターンに適合する第2冷却チャネルパターンを加工するステップと、
前記金属基材に、前記冷却チャネルの入口としての第1開口部及び前記冷却チャネルの出口としての第2開口部を加工するステップと、
前記第2冷却チャネルパターンが加工された前記金属基材を前記第1冷却チャネルパターンに被覆して接続するステップと、をさらに含む。
【0027】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第2冷却チャネルパターンが加工された前記金属基材を前記第1冷却チャネルパターンに被覆して接続する前記ステップの前、
前記金属基材及び前記第2冷却チャネルパターンに第2金属表面処理層を加工するステップをさらに含む。
【0028】
第4態様では、本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、
第1誘電体層としての支持枠を提供するステップであって、前記支持枠にはパッケージキャビティが設けられるとともに、対向する第1面及び第2面を有するステップと、
前記パッケージキャビティの底部で仮担持面を提供し、前記チップの活性面が前記仮担持面に接触して接続されるようにパッケージ対象のチップを前記パッケージキャビティ内に実装するステップと、
パッケージ材料を用いて前記チップをパッケージした後、前記パッケージ材料に、前記チップの放熱面に対応する第1窓開け部を加工するテップと、
前記第1窓開け部内に熱伝導性金属表面を加工するステップと、
前記仮担持面を除去するステップと、
前記支持枠の第1面には、前記熱伝導性金属表面に被覆して接続された第1金属面が設けられた第1ライン層を加工するとともに、前記支持枠の第2面には、前記チップの活性面における対応する端子に接続された第1配線が設けられた第2ライン層を加工するステップと、
前記第1金属面上に、冷却チャネルを形成するための第1冷却チャネルパターンが設けられた第2金属面を加工するステップと、を含む。
【0029】
本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、少なくとも下記の有益な効果を有する。
【0030】
本発明の実施例では、チップの放熱面に第1金属面及び第2金属面が加工されることにより、冷却チャネルが形成され、放熱性能を高めるのに有利であり、しかも、冷却チャネルはパッケージ基板の加工中に形成可能であるので、加工のステップが簡素化し、生産コストが低下する。
【0031】
本発明のいくつかの実施例によれば、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、
金属基材を提供するステップと、
前記金属基材に、前記第1冷却チャネルパターンに適合する第2冷却チャネルパターンを加工するステップと、
前記金属基材に、前記冷却チャネルの入口としての第1開口部及び前記冷却チャネルの出口としての第2開口部を加工するステップと、
前記第2冷却チャネルパターンが加工された前記金属基材を前記第1冷却チャネルパターンに被覆して接続するステップと、をさらに含む。
【0032】
第5態様では、本発明の実施例に係る循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、上記の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法によって製造される。
【0033】
本発明の付加の態様及び利点は以下の説明において一部記載され、一部は以下の説明から明らかになるか、又は本発明を実施することにより把握できる。
【0034】
本発明の上記及び/又は付加の態様及び利点は、以下の図面を参照しながら実施例を説明することにより、明らかになりかつ理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の一例の模式図である。
図2図1において丸が付けられた位置Aの底面模式図である。
図3】本発明の実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の別の模式図である。
図4図3において丸が付けられた位置Bの底面模式図である。
図5】本発明の実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板のまた別の模式図である。
図6】本発明の実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板のさらに別の模式図である。
図7】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図8】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図9】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図10】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図11】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図12】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図13】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図14】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図15】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図16】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図17】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図18】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図19】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図20】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図21】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図22】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図23】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図24】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図25】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図26】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図27】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図28】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図29】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図30】本発明の実施例3の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図31】本発明の実施例4の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図32】本発明の実施例4の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
図33】本発明の実施例4の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の中間工程の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施例について詳細に説明し、前記実施例は図面に例示的に示され、図面を通じて、同一又は類似の構成要素、又は同一又は類似の機能を有する構成要素は同一又は類似の符号を付して図示する。以下、図面を参照して説明する実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するためにのみ使用され、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0037】
なお、本発明の説明においては、方位の説明に関連して、例えば、上方、下方などにより示される方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、単に発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、指示された装置又は構成要素が特定の方位を有したり、特定の方位で構成、動作したりしなければならないことを指示又は示唆するものではなく、従って、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0038】
本発明の説明において、「いくつか」とは、1つ又は複数の意味であり、「複数」とは、2つ以上の意味であり、「よりも大きい」、「よりも小さい」、「超える」などは、これらの前に記載の数を含まないものとし、「以上」、「以下」、「以内」などは、これらの前に記載の数を含むものとして理解される。「第1」、「第2」などは単に技術的特徴を区別することを目的として記載されており、相対的重要性を指示又は示唆するか、指示された技術的特徴の数を示唆するか、又は指示された技術的特徴の優先関係を示唆するかのいずれかであると理解すべきではない。
【0039】
本発明の説明において、特に明確な限定がない限り、「設けられる」、「接続」などの用語は広義に理解されるべきであり、当業者は技術的解決手段の具体的な内容に合わせて本発明における上記の用語の具体的な意味を合理的に確定することができる。
【0040】
本発明の実施例の説明において、方法のステップの連続した符号は、審査や理解を容易にするためのものであり、本発明の技術的解決手段全体及びステップ同士の論理的な関係を参照してステップ間の実施順序を調整することは、本発明の技術的解決手段によって達成される技術的効果に影響を与えるものではない。本実施例に係るいくつかの作製ステップ、例えば、シード層の加工、パターン転写やパターンメッキなどのステップは、これらのステップにおける材料及びプロセスの手順が当分野の公知技術であるので、ここでは詳細に説明されていない。具体的には、ある特定の製品のための、対応するステップを設計する際には、当業者は、例えば、生産ロット、基板の複雑さやデバイスの解像度などのパラメータに対する明確な認識に基づいて、様々な代替可能な材料や作製の手順の中から適切なものを選択することができる。
【0041】
実施例1
図1を参照して、本実施例は、誘電材料体010と、チップ120と、第1金属面310と、第2金属面320と、第1配線210とを含む循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板を開示する。誘電材料体010には、パッケージキャビティ101(図7又は図8参照)が設けられ、チップ120はパッケージキャビティ101内にパッケージされ、チップ120は放熱面121と活性面122を有し、チップ120の活性面122には、外部と信号を交換するいくつかの端子が設けられ、第1金属面310は誘電材料体010に設けられ、チップ120の放熱面121に被覆して接続され、第2金属面320は第1金属面310上に設けられ、冷却チャネル322を形成するための第1冷却チャネルパターン321が設けられる。第1冷却チャネルパターン321は、実際の生産の資料に従って、対応する形状、例えば、櫛状パターンや図2に示す蛇行状パターンとしてもよい。誘電材料体010の層数によって、第1配線210は誘電材料体010の表面又は誘電材料体010内に設けられる。例えば、図1に示すように、第1配線210を外層ラインとする場合、第1配線210は誘電材料体010の表面に設けられ、また例えば、図3に示すように、第1配線210を内層ラインとする場合、第1配線210は誘電材料体010内に設けられる。第1配線210は第1導電性構造132を介してチップ120の活性面122における対応する端子に接続され、これにより、チップ120の信号が第1配線210を介して伝送され、ここで、第1導電性構造132はビアポスト、導通孔、レーザによるブラインドビアや埋め込みビアとしてもよい。なお、加工層数及び使用される材料によって、誘電材料体010の組成が異なり、例えば、図1に示す誘電材料体010は、第1誘電体層110に位置する重合体材料と、チップ120をパッケージするためのパッケージ材料130とを含み、パッケージ材料130として感光性材料が使用されてもよい。また例えば、図3に示す誘電材料体010は、第1誘電体層110に位置する重合体材料と、第2誘電体層410に位置する第1感光性絶縁材料と、第3誘電体層510に位置する第2感光性絶縁材料と、チップ120をパッケージするためのパッケージ材料130とを含み、パッケージ材料130としては、感光性材料が使用されてもよい。
【0042】
本発明の実施例では、チップ120の放熱面121に第1金属面310及び第2金属面320が設けられることにより、冷却チャネル322が形成され、放熱性能を高めるのに有利であり、しかも、冷却チャネル322はパッケージ基板の加工中に形成可能であるので、加工のステップが簡素化し、生産コストが低下する。
【0043】
各層の間での信号伝送を可能とするために、誘電材料体010内に層間導電性構造が設けられ、第1配線210は層間導電性構造を介して隣り合う層の間の第2配線に接続される。例えば、図3を参照して、第1配線210は第1誘電体層110の第1面に設けられ、第1誘電体層110内に層間導電性構造としての第1ビアポスト150が設けられ、第1誘電体層110の第2面に第2配線としての第1機能ライン330が設けられ、第1ビアポスト150の両端はそれぞれ第1配線210及び第1機能ライン330に接続され、これにより、第1配線210は層間導電性構造を介して隣り合う層の間の第2配線に接続される。また例えば、第1配線210は第1誘電体層110の第1面に設けられ、第1誘電体層110の第1面上には第3誘電体層510がさらに設けられ、第3誘電体層510には、層間導電性構造としての第2導通孔520及び第2配線としての第3機能ライン530が設けられ、第2導通孔520の両端はそれぞれ第1配線210及び第3機能ライン530に接続され、これにより、第1配線210は層間導電性構造を介して隣り合う層の間の第2配線に接続される。
【0044】
図4を参照して、本発明の実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、第2金属面320に接続され、かつ第1冷却チャネルパターン321に覆われ、冷却チャネル322に連通している第1開口部720及び第2開口部730が設けられた第3金属面700をさらに含む。第3金属面700が第2金属面320に覆われると、比較的密閉させた冷却チャネル322が形成され、使用に際して、冷却液が外部の油圧ポンプによって冷却チャネル322内に圧送され、チップ120の作動により生じた熱が放散され、放熱性能が大幅に向上する。ここで、第1開口部720は冷却チャネル322の入口として機能し、第2開口部730は冷却チャネル322の出口として機能し、第1開口部720及び第2開口部730は、いずれもビアや切り欠き溝としてもよい。
【0045】
なお、第3金属面700は表面が平坦な金属板としてもよい。これに加えて、冷却チャネル322の内部空間を増大するために、第3金属面700には、第2冷却チャネルパターン702がさらに設けられてもよく、第2冷却チャネルパターン702は第1冷却チャネルパターン321に適合する。例えば、図3を参照して、第1冷却チャネルパターン321及び第2チャネルパターンは全て同一サイズの蛇行状パターンであり、第1冷却チャネルパターン321及び第2冷却チャネルパターン702のパターン厚さをhとすれば、両者は組み合わせられて冷却チャネル322を形成し、この冷却チャネル322の高さは2*hとなり、冷却チャネル322の内部空間の増大に有利でありながら、第1冷却チャネルパターン321の厚さを小さくし、生産や加工の過程におけるパターンのメッキに有利である。
【0046】
さらに図3を参照して、いくつかの例では、第3金属面700の縁部に逃し凹部740がさらに設けられてもよい。逃し凹部740は、第3金属面700と第2金属面320が密着するように、第3金属面700の縁部の外側にある誘電材料体010を避けるものである。
【0047】
本発明の実施例では、冷却チャネル322は、回路基板の加工プロセスにより製造されてもよい(具体的には、下記実施例3の作製方法を参照)。この特性に基づいて、生産において、第2金属面320上に、例えば、抗酸化層、ニッケル・パラジウム・ゴールド化学的堆積層、錫メッキ層や銀化学的堆積層など、第1金属表面処理層620が加工されてもよい。即ち、第2金属面320上に第1金属表面処理層620が設けられることにより、第2金属面320を保護する役割が果たされ、製品の信頼性向上に有利である。
【0048】
同様に、第3金属面700上に、例えば、抗酸化層、ニッケル・パラジウム・ゴールド化学的堆積層、錫メッキ層や銀化学的堆積層など、第2金属表面処理層750が加工されてもよく、これにより、第3金属面700を保護する役割が果たされ、製品の信頼性向上に有利である。
【0049】
実施例2
図5を参照して、本発明の実施例は、誘電材料体010と、チップ120と、第1金属面310と、熱伝導性金属表面160と、第2金属面320と、第1配線210とを含む循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板を開示する。誘電材料体010には、パッケージキャビティ101が設けられ、チップ120は放熱面121と活性面122を有し、チップ120の活性面122には、外部と信号を交換するいくつかの端子が設けられ、チップ120はパッケージキャビティ101内にパッケージされ、第1金属面310は誘電材料体010内に埋め込まれ、かつチップ120の放熱面121に覆われ、熱伝導性金属表面160は第1金属面310とチップ120の放熱面121との間に接続され、熱伝導性金属表面160の面積が第1金属面310の面積以下である。第2金属面320は誘電材料体010内に埋め込まれ、かつ第1金属面310上に接続され、冷却チャネル322を形成するための第1冷却チャネルパターン321が設けられる。第1冷却チャネルパターン321は、実際の生産の資料に応じて、対応する形状、例えば、櫛状パターンや図2に示す蛇行状パターンとしてもよい。誘電材料体010の層数によって、第1配線210は誘電材料体010の表面(図5参照)又は誘電材料体010内(図6参照)に設けられ、第1配線210はチップ120的活性面122における対応する端子に接続され、重複な説明をしないように、具体的には、実施例1を参照すればよい。実施例1に比べて、本実施例では、チップ120の向きが異なる。図5又は図6を参照して、チップ120の活性面122は図示した下方に、チップ120の放熱面121は図示した上方に面しており、チップ120の活性面122における端子は対応する第1配線210に直接接続され、これにより、実施例1における第1導電性構造132が省略されてもよい。
【0050】
本発明の実施例では、チップ120の放熱面121に第1金属面310及び第2金属面320が設けられることにより、冷却チャネル322が形成され、放熱性能を高めるのに有利であり、しかも、冷却チャネル322はパッケージ基板の加工中に形成可能であるので、加工のステップが簡素化し、生産コストが低下する。
【0051】
実施例1と同様に、各層の間の信号伝送を可能とするために、誘電材料体010内に層間導電性構造が設けられ、第1配線210は層間導電性構造を介して隣り合う層の間の第2配線に接続される。重複な説明をしないように、層間導電性構造の例及び技術的な効果に関して、実施例1を参照すればよい。
【0052】
また、実施例1と同様に、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板は、第2金属面320に接続され、第1冷却チャネルパターン321に覆われ、冷却チャネル322に連通している第1開口部720及び第2開口部730が設けられた第3金属面700をさらに含む。第3金属面700には、第2冷却チャネルパターン702が設けられ、第2冷却チャネルパターン702は第1冷却チャネルパターン321に適合する。第2金属面320上には第1金属表面処理層620が設けられ、第3金属面700上には第2金属表面処理層750が設けられている。重複な説明をしないように、本実施例で記載されていない内容に関しては、実施例1を参照すればよい。
【0053】
実施例3
本発明の実施例は、ステップS310~S360を含む循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法を開示する。以下、本実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法の各ステップを詳細に説明する。
【0054】
S310:図7を参照して、第1誘電体層110としての支持枠100を提供し、支持枠100にはパッケージキャビティ101が設けられるとともに、対向する第1面及び第2面を有する。ここで、支持枠100には重合体材料が使用され、重合体材料は、FR4、味の素社製のビルドアップ材料、ポリイミド、ガラス布を含有するプリプレグ半硬化シートやこれらの組み合わせであってもよい。なお、パッケージキャビティ101の数は1つ又は複数としてもよく、説明の便宜上、本実施例では、1つのパッケージキャビティ101を例として説明する。
【0055】
S320:図8を参照して、パッケージキャビティ101の底部で担持面102を提供し、チップ120の放熱面121が仮担持面102に接触して接続されるようにパッケージ対象のチップ120をパッケージキャビティ101内に実装する。
【0056】
具体的には、パッケージキャビティ101は支持枠100の第1面及び第2面を貫通する空洞であり、このため、チップ120を実装するに先立って支持枠100の第2面に粘着テープ、ガム引き紙やガムテープなどを貼り付ける必要があり、これにより、パッケージキャビティ101の底部で仮担持面102を提供するような目的が達成され、チップ120はパッケージキャビティ101内に実装され、チップ120の放熱面121が仮担持面102に接触して接続されることにより、チップ120の放熱面121と支持枠100の第2面とが面一になり、後続の第1金属面310の加工が容易になる。
【0057】
S330:図9を参照して、パッケージ材料130を用いてチップ120をパッケージした後、パッケージ材料130に、チップ120の活性面122における対応する端子に連通している第1ビア131を加工する。ここで、パッケージ材料130は加工方式によって異なる材料としてもよく、例えば、本実施例では、パッケージ材料130として感光性材料が使用され、チップ120をパッケージした後、露光、現像などにより第1ビア131は加工され、また例えば、パッケージ材料130として誘電体材料(例えば、半硬化シート)が使用される場合、レーザ穴あけにより第1ビア131は加工されてもよい。
【0058】
S340:仮担持面102を除去し、チップ120の放熱面121を支持枠100の第2面から露出させ、後続の加工を容易にする。
【0059】
S350:図10を参照して、第1ビア131内に第1導電性構造132を加工するとともに、支持枠100の第1面及び第2面のそれぞれに、第1導電性構造132に接続された第1配線210が設けられた第1ライン層200、及びチップ120の放熱面121に被覆して接続された第1金属面310が設けられた第2ライン層300を加工する。
【0060】
本実施例では、第1導電性構造132、第1ライン層200及び第2ライン層300は全て、パターン転写やパターンメッキによって加工されてもよい。例えば、第1ライン層200上に第1フォトレジスト材料201を付与し、第2ライン層300上に第2フォトレジスト材料301を付与し、第1フォトレジスト材料201及び第2フォトレジスト材料301を露光、現像して、対応するラインパターンを得る。実際の生産プロセスのパラメータに応じて、パターンメッキは1回のメッキ又は複数回のメッキにより行われる。なお、メッキ金属と支持枠100との結合力を向上させるために、支持枠100の第1面及び第2面に第1金属シード層141を予めメッキしておき、加工完了後、第1金属シード層141を除去してもよい。
【0061】
S360:図11及び図12を参照して、第1金属面310上に、冷却チャネル322を形成するための第1冷却チャネルパターン321が設けられた第2金属面320を加工する。同様に、第2金属面320は、パターン転写やパターンメッキによって加工されてもよく、例えば、第1ライン層200上に第3フォトレジスト材料202を付与し、第2ライン層300上に第4フォトレジスト材料302を付与し、第4フォトレジスト材料302を露光、現像して、対応するラインパターンを得る。ここで、生産の資料に従って、第1冷却チャネルパターン321はさまざまな構造のパターン、例えば、櫛状パターンや蛇行状パターンなどとしてもよい。
【0062】
本発明の実施例では、チップ120の放熱面121に第1金属面310及び第2金属面320が加工されることにより、冷却チャネル322が形成され、放熱性能を高めるのに有利であり、しかも、冷却チャネル322はパッケージ基板の加工中に形成可能であるので、加工のステップが簡素化し、生産コストが低下する。
【0063】
実際の適用では、第1ライン層200及び第2ライン層300内に、対応する機能ラインがさらにそれぞれ設けられてもよく、機能ラインは信号伝送用のものである。第1ライン層200と第2ライン層300の機能ラインの間の信号伝送を可能とするために、作製の際には、層間導電性構造を有する支持枠100を使用してもよい。例えば、図13~18に示す支持枠100には、層間導電性構造としての第1ビアポスト150が設けられており、ステップS310~S360により加工されることで、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板が得られる。ここで、図18を参照して、第2ライン層300には第1機能ライン330がさらに設けられ、第1ビアポスト150の第1端は第1配線210に接続され、第1ビアポスト150の第2端は第1機能ライン330に接続され、このようにして、チップ120の信号は第1配線210、第1ビアポスト150及び第1機能ライン330の順で伝送される。
【0064】
上記の作製方法では、2層基板の加工例が示されており、適用では、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板としては、2層板を基として層をさらに追加することにより、多層板が得られてもよい。このため、本実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、ステップS371~S373をさらに含む。
【0065】
S371:図19を参照して、支持枠100の第2面に第2誘電体層410を作製し、第2誘電体層410のうち第1冷却チャネルパターン321に対応する第1領域、及び第1ビアポスト150又は第1機能ライン330のうちの少なくとも1つに対応する第2領域に対して窓開け処理を行う。
【0066】
具体的には、本実施例の第2誘電体層410は、材料として感光性絶縁材料を使用し、貼着、被覆や印刷などにより支持枠100の第2面に作製され、露光、現像により第1領域及び第2領域に対して窓開け処理は行われる。ここで、第1領域に対する窓開け処理は第1冷却チャネルパターン321を露出させるためであり、第2領域に対する窓開け処理は第2ビア421を形成するためである。これに加えて、第2誘電体層410の材料は、誘電体材料、例えば、半硬化シートとしてもよく、この場合、窓開け処理の方式としては、保護用粘着テープの貼着、ラミネート、アンカバーリング(Uncovering)、穴あけなどの工程により窓開け処理が行われ得る。
【0067】
S372:図20及び図21を参照して、第2領域内に層間導電性構造としての第1導通孔420を加工する。
【0068】
具体的には、ステップS371において窓開け処理により第2ビア421が形成され、金属メッキにより第2ビア421は第1導通孔420として加工されてもよい。なお、金属と第2誘電体層410との間の結合力を向上させるために、金属をメッキするに先立って第2誘電体層410上に第2金属シード層422を予め加工しておき、メッキ完了後、第2金属シード層422を除去してもよい。
【0069】
S373:図21及び図22を参照して、第2誘電体層410の表面に、第1導通孔420に接続された第2機能ライン430を加工する。
【0070】
具体的には、第2機能ライン430の加工方式は第1機能ライン330の加工方式と同様であり、即ち、第2誘電体層410上に第5フォトレジスト材料431を付与し、パターン転写やパターンメッキによって第2機能ライン430を加工したものであり、ただし、生産の資料に従って、第2機能ライン430及び第1機能ライン330のラインパターンが異なる。
【0071】
生産において、支持枠100の第2面に層を付加するに加えて、支持枠100の第1面に層を付加してもよい。このため、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、ステップS381~S383をさらに含む。
【0072】
S381:図18及び図19を参照して、支持枠100の第1面に第3誘電体層510を作製する。第2誘電体層410と同様に、第3誘電体層510の材料も感光性絶縁材料又は誘電体材料を採用してもよい。第2誘電体層410及び第3誘電体層510は同一工程において同期して加工してもよいので、工程や材料を節約するのに有利である。
【0073】
S382:図19及び図20を参照して、第3誘電体層510に、第1配線210に接続された層間導電性構造としての第2導通孔520を加工する。
【0074】
例えば、第3誘電体層510の材料として感光性絶縁材料が使用される場合、露光、現像により第3ビア521が加工され、金属をメッキすることにより第3ビア521は第2導通孔520として加工される。また例えば、第3誘電体層510の材料として誘電体材料が使用される場合、レーザ穴あけにより第3ビア521が加工され、金属をメッキすることにより第3ビア521は第2導通孔520として加工される。なお、金属と第3誘電体層510との間の結合力を向上するために、金属をメッキするに先立って第3誘電体層510上に第3金属シード層522を予め加工しておき、メッキ完了後、第3金属シード層522を除去してもよい。
【0075】
S383:図21及び図22を参照して、第3誘電体層510の表面に、第2導通孔520に接続された第3機能ライン530を加工する。第3誘電体層510上に第6フォトレジスト材料531を付与し、パターン転写やパターンメッキによって第3機能ライン530を加工し、第3機能ライン530及び第2機能ライン430は、同一工程においてパターンメッキを行われてもよく、これにより、工程や材料を節約するのに有利である。
【0076】
図23を参照して、多層板構成では、外層ラインの加工が完了した後、外層ライン上にソルダーマスク610や金属表面処理を施してもよい。例えば、第2機能ライン430が外層ラインであるとすれば、第2機能ライン430上に第1ソルダーマスク層を作製する。第1ソルダーマスク層の作製が完了した後、本実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、ステップS384をさらに含む。
【0077】
S384:第1冷却チャネルパターン321に第1金属表面処理層620を加工し、第1金属表面処理層620は、抗酸化層、ニッケル・パラジウム・ゴールド化学的堆積層、錫メッキ層や銀化学的堆積層などであってもよく、第1金属表面処理層620は第1金属面310及び第2金属面320の抗酸化能力を向上させることができる。
【0078】
第2機能ライン430又は第3機能ライン530のうちの少なくとも1つが加工された場合、第1金属表面処理層620は、加工中、第2機能ライン430又は第3機能ライン530を覆うことができる。
【0079】
上記例示的な作製方法では、第1金属面310及び第2金属面320を介して、チップ120の放熱面121に冷却チャネル322を加工してもよい。所望のデザインによって、冷却チャネル322上にリアカバーを施すことで、比較的密閉させた冷却チャネル322としてもよい。このようにして、冷却液が外部の油圧ポンプによって冷却チャネル322に圧送され、チップ120の作動により生じた熱が放散され、放熱性能が大幅に向上する。
【0080】
従って、本実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、ステップS391~S394をさらに含む。
【0081】
S391:図24を参照して、金属基材701を提供し、金属基材701は銅板であってもよい。
【0082】
S392:図25を参照して、金属基材701に、第1冷却チャネルパターン321に適合する第2冷却チャネルパターン702を加工する。
【0083】
具体的には、第2冷却チャネルパターン702は、金属基材701上に第7フォトレジスト材料711を付与し、パターン転写やパターンメッキによって加工され、第2冷却チャネルパターン702の加工が完了した後、第7フォトレジスト材料711は除去される。図26及び図27に示すように、第2冷却チャネルパターン702の形状は第1冷却チャネルパターン321の形状と同じであり、第2冷却チャネルパターン702の厚さは、第1冷却チャネルパターン321の厚さと同等にするか、又は必要に応じて増減し、これにより、冷却チャネル322の内部空間を増大し、かつ第1冷却チャネルパターン321の厚さをある程度減少させ、パターンのメッキを容易なものとする。
【0084】
S393:図29を参照して、金属基材701に、冷却チャネル322の入口としての第1開口部720及び冷却チャネル322の出口としての第2開口部730を加工する。第1開口部720及び第2開口部730はビアや切り欠き溝としてもよい。第1開口部720及び第2開口部730は、機械的穴あけやレーザー穴あけによって加工されてもよい。
【0085】
生産の資料に従って、第1開口部720及び第2開口部730を加工する前に、図28及び図29を参照して、金属基材701の縁部に、逃し凹部740を加工するステップをさらに含んでもよい。逃し凹部740は、金属基材701と第2金属面320を接続したときに第3誘電体層510の材料を避けるものである。具体的には、逃し凹部740は、金属基材701上に第8フォトレジスト材料712を付与し、パターンをエッチングすることによって得られる。
【0086】
S394:第2冷却チャネルパターン702が加工された金属基材701を第2金属面320に被覆して接続し、第3金属面700を形成し、接続後の構成については図3及び図4を参照すればよい。ここで、金属基材701は粘着材料で第1冷却チャネルパターン321に接続されてもよく、粘着材料は熱伝導性接着剤や銀ペーストなどとしてもよい。
【0087】
金属基材701及び第2冷却チャネルパターン702の抗酸化性能を向上させるために、第2冷却チャネルパターン702が加工された金属基材701を第1冷却チャネルパターン321に被覆して接続するステップS394の前に、ステップS395をさらに含んでもよい。
【0088】
S395:図30を参照して、金属基材701及び第2冷却チャネルパターン702に第2金属表面処理層750を加工し、第2金属表面処理層750は、抗酸化層、ニッケル・パラジウム・ゴールド化学的堆積層、錫メッキ層や銀化学的堆積層などとしてもよい。
【0089】
本発明の実施例はまた、上記の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法によって製造された循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板を提供する。
【0090】
実施例4
本発明の実施例は、ステップS410~S470を含む循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法を開示する。
【0091】
S410:図13を参照して、第1誘電体層110としての支持枠100を提供し、支持枠100にはパッケージキャビティ101が設けられるとともに、対応する第1面及び第2面を有する。ここで、支持枠100には重合体材料が使用され、重合体材料は、FR4、味の素社製のビルドアップ材料、ポリイミド、ガラス布を含有するプリプレグ半硬化シートやこれらの組み合わせであってもよい。なお、パッケージキャビティ101の数は1つ又は複数としてもよく、説明の便宜上、本実施例では、1つのパッケージキャビティ101を例として説明する。
【0092】
S420:図31を参照して、パッケージキャビティ101の底部で仮担持面102を提供し、チップ120の活性面122が仮担持面102に接触して接続されるようにパッケージ対象のチップ120をパッケージキャビティ101内に実装する。
【0093】
具体的には、パッケージキャビティ101は支持枠100の第1面及び第2面を貫通する空洞であり、このため、チップ120を実装するに先立って支持枠100の第2面に粘着テープ、ガム引き紙やガムテープなどを貼り付ける必要があり、これにより、パッケージキャビティ101の底部で仮担持面102を提供するような目的が達成され、チップ120はパッケージキャビティ101内に実装され、チップ120の活性面122が仮担持面102に接触して接続されることにより、チップ120の活性面122におけるピンと支持枠100の第2面とが面一になり、後続の第1配線210の加工が容易になる。
【0094】
S430:さらに図31を参照して、パッケージ材料130を用いてチップ120をパッケージした後、パッケージ材料130に、チップ120の放熱面121に対応する第1窓開け部133を加工する。チップ120のパッケージが完了した後、チップ120の放熱面121はパッケージ材料130に埋め込まれ、このため、第1窓開け部133を介してチップ120の放熱面121を露出させる必要がある。本実施例では、パッケージ材料130として感光性材料が使用され、露光、現像によりパッケージ材料130に第1窓開け部133が加工される。パッケージ材料130として誘電体材料(例えば、半硬化シート)が使用されてもよく、この場合、レーザ切断により第1窓開け部133が得られる。
【0095】
S440:図32を参照して、第1窓開け部133内に熱伝導性金属表面160を加工する。
【0096】
具体的には、熱伝導性金属表面160はパターン転写やパターンメッキによって加工されてもよいが、熱伝導性金属表面160とパッケージ材料130の表面とが面一になるように、熱伝導性金属表面160の表面に平坦化処理がさらに施される。
【0097】
S450:仮担持面102を除去し、チップ120の活性面122における端子を露出させ、後続の第1配線210の接続を容易にする。
【0098】
S460:図33を参照して、支持枠100の第1面には、熱伝導性金属表面160に被覆して接続された第1金属面310が設けられた第1ライン層200を加工するとともに、支持枠100の第2面には、チップ120の活性面122における対応する端子に接続された第1配線210が設けられた第2ライン層300を加工する。
【0099】
具体的には、第1ライン層200及び第2ライン層300は全てパターン転写やパターンメッキによって加工されてもよい。チップ120の活性面122における端子が支持枠100の第2面に露出しているので、支持枠100に第2ライン層300が加工されると、第2ライン層300の第1配線210はチップ120の活性面122における対応する端子に接続され、実施例3に比べて、第1導電性構造132が省略される。
【0100】
S470:さらに図33を参照して、第1金属面310に、冷却チャネル322を形成するための第1冷却チャネルパターン321が設けられた第2金属面320を加工する。
【0101】
本発明の実施例では、チップ120の放熱面121に第1金属面310及び第2金属面320が加工されることにより、冷却チャネル322が形成され、放熱性能を高めるのに有利であり、しかも、冷却チャネル322はパッケージ基板の加工中に形成可能であるので、加工のステップが簡素化し、生産コストが低下する。
【0102】
実施例3と同様に、本実施例では、2層板を基として層を付加して、多層板としてもよい。このため、図19図23を参照して、本実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、ステップS481~S483をさらに含む。
【0103】
S481:支持枠100の第1面に第2誘電体層410を作製し、第2誘電体層410のうち第1冷却チャネルパターン321に対応する第1領域、及び第1ビアポスト150又は第1機能ライン330のうちの少なくとも1つに対応する第2領域に対して窓開け処理を行う。
【0104】
S482:第2領域内に、層間導電性構造としての第1導通孔420を加工する。
S483:第2誘電体層410の表面に、第1導通孔420に接続された第2機能ライン430を加工する。
【0105】
生産において、支持枠100の第2面に層を付加することに加えて、支持枠100の第2面に層を付加してもよい。このため、循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、ステップS491~S493をさらに含む。
【0106】
S491:支持枠100の第2面に第3誘電体層510を作製する。第2誘電体層410と同様に、第3誘電体層510の材料も感光性材料又は誘電体材料を採用してもよい。第2誘電体層410及び第3誘電体層510は同一工程において同期して加工してもよいので、工程や材料を節約するのに有利である。
【0107】
S492:第3誘電体層510に、第1配線210に接続された層間導電性構造としての第2導通孔520を加工する。
【0108】
S493:第3誘電体層510の表面に、第2導通孔520に接続された第3機能ライン530を加工する。第3機能ライン530及び第2機能ライン430は、同一工程においてパターンメッキを行われてもよいので、工程や材料を節約するのに有利である。
【0109】
多層板の構成では、外層ラインの加工が完了した後、外層ライン上にソルダーマスクや金属表面処理を施してもよい。例えば、第2機能ライン430が外層ラインであるとすれば、第2機能ライン430上に第1ソルダーマスク層を作製する。第1ソルダーマスク層の作製が完了した後、本実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、ステップS494をさらに含む。
【0110】
S494、第1冷却チャネルパターン321に第1金属表面処理層620を加工し、第1金属表面処理層620は、抗酸化層、ニッケル・パラジウム・ゴールド化学的堆積層、錫メッキ層や銀化学的堆積層などであってもよく、第1金属表面処理層620は第1金属面310及び第2金属面320の抗酸化能力を向上させることができる。
【0111】
本実施例の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法は、ステップS501~S504をさらに含む。
【0112】
S501:図24を参照して、金属基材701を提供する。
S502:図25図27を参照して、金属基材701に、第1冷却チャネルパターン321に適合する第2冷却チャネルパターン702を加工する。
【0113】
S503:図29を参照して、金属基材701に、冷却チャネル322の入口としての第1開口部720及び冷却チャネル322の出口としての第2開口部730を加工する。
【0114】
S504:第2冷却チャネルパターン702が加工された金属基材701を、第1冷却チャネルパターン321に被覆して接続し、加工後の構成に関しては図6を参照すればよい。
【0115】
なお、重複な説明をしないように、本実施例で記載されていない技術的効果については、実施例3を参照すればよい。
【0116】
本発明の実施例はまた、上記の循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板の作製方法によって製造された循環冷却可能な埋め込み型パッケージ基板を開示する。
【0117】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、当業者が有する知識に基づいて、本発明の主旨を逸脱することなくさまざまな変化を加えることができる。
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