IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エービービー・オーワイの特許一覧

<>
  • 特開-推進ユニットの排水装置 図1
  • 特開-推進ユニットの排水装置 図2
  • 特開-推進ユニットの排水装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088268
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】推進ユニットの排水装置
(51)【国際特許分類】
   B63H 21/38 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
B63H21/38
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022175242
(22)【出願日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】21214224
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】505074182
【氏名又は名称】エービービー・オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ユッカ・ライネ
(72)【発明者】
【氏名】スベン・ウィルグレン
(72)【発明者】
【氏名】トニ・ニスカ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】船舶の推進ユニットの排水装置を提供する。
【解決手段】推進ユニット1は、シェル構造3を備える。シェル構造3は、液体を受け入れるように構成された少なくとも1つの底部セクション5を境界付ける。排水装置は、シェル構造3内の中間タンク8と、中間タンク8に機能的に接続され、中間タンク8内に真空を、又は中間タンク8内に過剰圧力を選択的に提供するように構成された加圧装置9と、中間タンク8と前記少なくとも1つの底部セクション5との間に設けられた第1の液体ライン10と、中間タンク8と船舶2の船体4内の収集装置7との間に設けられた第2の液体ライン12とを備える、空気圧作動式排水装置を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶(2)のアジマス推進ユニットなどの推進ユニット(1)の排水装置であって、前記推進ユニット(1)が、前記船舶(2)が水中に浮いているときに少なくとも部分的に水中に浸漬されるように、前記船舶(2)の船体(4)の下方に装着された、シェル構造(3)を備え、
前記シェル構造(3)が、前記シェル構造(3)内に形成された液体及び/又は前記シェル構造(3)の外側から前記シェル構造(3)に入る液体を受け入れるように構成された少なくとも1つの底部セクション(5)を境界付け、
前記排水装置が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)と流体接続する空気圧作動式排水装置(6)を備え、前記空気圧作動式排水装置(6)が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から少なくとも部分的に排水し、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた収集装置(7)に液体を移送するように構成される、排水装置において、
前記空気圧作動式排水装置(6)が、
前記シェル構造(3)内の中間タンク(8)と、ここで、前記中間タンク(8)が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)の上方のある垂直高さに位置しており、
前記中間タンク(8)に機能的に接続され、前記中間タンク(8)内に真空を、又は前記中間タンク(8)内に過剰圧力を選択的に提供するように構成された加圧装置(9)と、
前記中間タンク(8)と前記少なくとも1つの底部セクション(5)との間に設けられた第1の液体ライン(10)と、ここで、前記第1の液体ライン(10)には、前記中間タンク(8)から前記少なくとも1つの底部セクション(5)に液体が流れるのを防止するように構成された第1の逆止弁(11)であって、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から前記中間タンク(8)に液体が流れるのを可能にするように構成された第1の逆止弁(11)が設けられており、
前記中間タンク(8)と前記船舶(2)の前記船体(4)内の前記収集装置(7)との間に設けられた第2の液体ライン(12)と、ここで、前記第2の液体ライン(12)には、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)から前記中間タンク(8)に液体が流れるのを防止するように構成された第2の逆止弁(13)であって、中間タンク(8)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた収集装置(7)に液体が流れるのを可能にするように構成された第2の逆止弁(13)が設けられており、
を備えることを特徴とする、排水装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの底部セクション(5)が、プロペラシャフト(31)の下方のある垂直レベルに位置することを特徴とする、請求項1に記載の排水装置。
【請求項3】
前記加圧装置(9)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた空気圧システム(15)と流体接続し、前記中間タンク(8)と流体接続する空気圧回路(14)を備え、前記空気圧回路(14)が、前記中間タンク(8)に真空を加える真空モードと、前記中間タンク(8)に圧力を加える圧力モードとで動作するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の排水装置。
【請求項4】
前記空気圧回路(14)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)によって駆動され、第1のガスライン(25)によって前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)と流体接続する、アスピレータポンプ(16)を備え、
前記空気圧回路(14)が、(i)前記空気圧回路(14)を前記真空モードで動作させ、前記第1のガスライン(25)内に真空を提供するために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から、第2のガスライン(27)において前記アスピレータポンプ(16)に加圧ガスを供給すること、又は(ii)前記空気圧回路(14)を前記圧力モードで動作させるために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から、第3のガスライン(28)において前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)に加圧ガスを供給すること、を選択的に行うための弁装置(26)を備え、
前記弁装置(26)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された弁制御手段(29)に機能的に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載の排水装置。
【請求項5】
前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の収集タンク(17)が、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)の一部を形成し、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)が、前記アスピレータポンプ(16)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間に配置された前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)内にあることを特徴とする、請求項4に記載の排水装置。
【請求項6】
前記空気圧回路(14)の前記第3のガスライン(28)が、前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の接続点(30)において、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)と流体接続し、それにより、前記第1のガスライン(25)及び前記第3のガスライン(28)は、前記接続点(30)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間で共通の配管を有するようになり、
第3の弁(20)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)と前記接続点(30)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)内にあり、
前記第3の弁(20)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された前記弁制御手段(29)に機能的に接続されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の排水装置。
【請求項7】
前記弁装置(26)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記アスピレータポンプ(16)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第2のガスライン(27)内に、第1の弁(18)を備え、
前記弁装置(26)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第3のガスライン(28)内に、第4の弁(21)を備え、
前記第1の弁(18)及び前記第4の弁(21)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された前記弁制御手段(29)に機能的に接続されるていことを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載の排水装置。
【請求項8】
前記弁制御手段(29)が、前記第1の液体ライン(10)において、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から前記中間タンク(8)への液体の吸い込みをもたらすために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)及び前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)内に真空を生成するために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から前記アスピレータポンプ(16)に加圧流体を供給するために、前記第4の弁(21)を閉じ、前記第1の弁(18)を開くことによって、前記真空モードをオンに切り替えるように構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の排水装置。
【請求項9】
前記弁制御手段(29)が、前記第2の液体ライン(12)において、少なくとも1つの底部セクション(5)にある前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)への液体の押し込みをもたらすために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)に加圧流体を供給するために、前記第1の弁(18)を閉じ、前記第4の弁(21)を開くことによって、前記圧力モードをオンに切り替えるように構成されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の排水装置。
【請求項10】
第2の弁(19)が、前記アスピレータポンプ(16)と、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)との間の、前記空気圧回路(14)内にあり、
前記弁制御手段(29)が、前記真空モードに切り替えるとき、前記第2の弁(19)を開くように構成され、
前記弁制御手段(29)が、前記圧力モードに切り替えるとき、前記第2の弁(19)を閉じるように構成されていることを特徴とする、請求項4から9のいずれか一項に記載の排水装置。
【請求項11】
圧力調節弁(22)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の、前記空気圧回路14内にあることを特徴とする、請求項4から10のいずれか一項に記載の排水装置。
【請求項12】
第5の弁(23)が、前記第2の液体ライン(12)内にあり、
前記弁制御手段(29)が、前記真空モードに切り替えるとき、前記第5の弁(23)を閉じるように構成され、
前記弁制御手段(29)が、前記圧力モードに切り替えるとき、前記第5の弁(23)を開くように構成されていることを特徴とする、請求項4から11のいずれか一項に記載の排水装置。
【請求項13】
前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)には、前記収集タンク(17)の内側の圧力を調節するように構成された逆止弁(24)が設けられていることを特徴とする、請求項4から12のいずれか一項に記載の排水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1のプリアンブルにおいて定義されるような推進ユニットの排水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプなどの空気圧作動式排水装置に関する問題は、その最大の理論上の吸い込み揚程能力であり、これは海抜約10.33mに相当する。これは、吸い込み揚程が約7メートルである場合、吸い込み能力(毎分リットル)は、非常に低くなることを意味する。これにより、推進ユニットのシェル構造の高さが8メートルを超え得る船舶用の大型推進ユニットの底部セクションを排水する際に、問題が引き起こされ、これは、推進ユニットのシェル構造の底部セクションからの液体が、推進ユニットから外へ移動され、船舶の船体内の所定の場所に移動されなければならないとき、推進ユニットのシェル構造の底部セクションからの液体を8メートル以上持ち上げる必要があることを意味する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、上記で特定された問題を解決する排水装置を提供することである。
【0004】
排水装置は、独立請求項1の定義によって特徴付けられる。
【0005】
排水装置の好ましい実施形態は、従属請求項において定義される。
【0006】
本発明は、推進ユニットのシェル構造内に、2段階で推進ユニットの排水を実行することができる中間タンクを提供することに基づく。第1の段階では、液体が、推進ユニットのシェル構造の底部セクションから、推進ユニットのシェル構造内に設けられた中間タンク内に吸い込まれる。これは、吸い込み揚程を低くすることができ、吸い込み能力が高くなることを意味する。第2の段階では、中間タンク内に吸い込まれた液体は、中間タンクから押し出されて推進ユニットを出て、船舶の船体内に設けられた収集装置に至る。
【0007】
以下において、本発明は、図を参照することによって、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】排水装置の第1の実施形態を示す図。
図2】排水装置の第2の実施形態を示す図。
図3】排水装置の第3の実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、船舶2のアジマス推進ユニットなどの推進ユニット1の排水装置、ならびにそのいくつかの実施形態及び変形形態が、より詳細に説明される。
【0010】
推進ユニット1は、船舶2が水中に浮いているときに少なくとも部分的に水中に浸漬されるように船舶の船体4の下方に装着された、シェル構造3を備える。
【0011】
シェル構造3は、シェル構造3内に形成された液体及び/又はシェル構造3の外側からシェル構造3に入る液体を受け入れるように構成された少なくとも1つの底部セクション5を境界付ける。
【0012】
排水装置は、前記少なくとも1つの底部セクション5と流体接続する空気圧作動式排水装置6を備える。
【0013】
空気圧作動式排水装置6は、前記少なくとも1つの底部セクション5から少なくとも部分的に排水し、前記少なくとも1つの底部セクション5から収集装置7、好ましくは船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17内に液体を移送するように構成される。
【0014】
空気圧作動式排水装置6は、推進ユニット1のシェル構造3内に中間タンク8を備える。
【0015】
中間タンク8は、前記少なくとも1つの底部セクション5の上方のある垂直高さに位置する。
【0016】
空気圧作動式排水装置6は、中間タンク8に機能的に接続され、中間タンク8内に真空を、又は中間タンク8内に過剰圧力を選択的に提供するように構成された、加圧装置を備える。
【0017】
空気圧作動式排水装置6は、中間タンク8と推進ユニット1のシェル構造3の前記少なくとも1つの底部セクション5との間に設けられた第1の液体ライン10を備える。
【0018】
第1の液体ライン10には、中間タンク8から前記少なくとも1つの底部セクション5に液体が流れるのを防止するように構成され、前記少なくとも1つの底部セクション5から中間タンク8に液体が流れるのを可能にするように構成された第1の逆止弁11が、設けられる。
【0019】
空気圧作動式排水装置6は、中間タンク8と船舶2の船体4内の収集装置7との間に設けられた第2の液体ラインを備える。第2の液体ライン12は、好ましくは、ただし必ずしもそうではないが、図に示すように、中間タンク8からのより良好な排出を確実にするために中間タンク8の底部と船舶2の船体4内の収集装置7との間を延びる。
【0020】
第2の液体ライン12には、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7から中間タンク8に液体が流れるのを防止するように構成され、中間タンク8から、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7に液体が流れるのを可能にするように構成された第2の逆止弁13が、設けられる。
【0021】
前記少なくとも1つの底部セクション5は、好ましくは、ただし必ずしもそうではないが、プロペラシャフト31の下方のある垂直高さに位置する。
【0022】
シェル構造3内の中間タンク8は、プロペラシャフト31の上方又は下方のある垂直高さに、又はプロペラシャフトのある垂直高さに位置することができる。
【0023】
加圧装置9は、好ましくは、ただし必ずしもそうではないが、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15と流体接続し、中間タンク8と流体接続する、空気圧回路14を備える。空気圧回路14は、推進ユニット1のシェル構造3の前記少なくとも1つの底部セクション5から、第1の液体ライン10において、推進ユニット1のシェル構造3内の中間タンク8内への液体の吸い込みをもたらすために中間タンク8に真空を加える真空モードと、中間タンク8から第2の液体ライン12内への、そして第2の液体ライン12において、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7内への液体の押し込みをもたらすために中間タンク8に圧力を加える圧力モードとで動作するように構成される。
【0024】
加圧装置9が、提示されるように接続され、動作可能である空気圧回路14を備える場合、空気圧回路14は、排水装置のいくつかの実施形態では、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15によって駆動され、第1のガスライン25によって推進ユニット1のシェル構造3内の中間タンク8と流体接続する、アスピレータポンプ16又は真空噴出器などを備える。排水装置のそのような実施形態では、空気圧回路14は、(i)空気圧回路14を真空モードで動作させるために、また、推進ユニット1のシェル構造3の前記少なくとも1つの底部セクション5から、第1の液体ライン10において、推進ユニット1のシェル構造3内の中間タンク8内への液体の吸い込みをもたらすために第1のガスライン25内及び中間タンク8内及び第1の液体ライン10内に真空を提供するために、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15から、第2のガスライン27においてアスピレータポンプ16に加圧ガスを供給すること、又は(ii)中間タンク8から第2の液体ライン12内への、そして第2の液体ライン12において、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7内への液体の押し込みをもたらすために空気圧回路14を圧力モードで動作させるために、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15から、第3のガスライン28においてシェル構造3内の中間タンク8に加圧ガスを供給することを選択的に行うための弁装置26を備える。排水装置のそのような実施形態では、弁装置は、空気圧回路を真空モードと圧力モードとの間で切り替えるように構成された弁制御手段29に機能的に接続される。
【0025】
加圧装置9が、提示されるように接続され、動作可能である空気圧回路14を備え、空気圧回路14が、提示されるような第1のガスライン25を備える場合、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7は、排水装置のいくつかの実施形態では、収集タンク17を備え、この収集タンクは、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17が、アスピレータポンプ16とシェル構造3内の中間タンク8との間に配置された空気圧回路14の第1のガスライン25内にあるように、空気圧回路14の第1のガスライン25の一部を形成する。
【0026】
排水装置の空気圧回路14が、提示されるように、第1のガスライン25と、第2のガスライン27と、第3のガスライン28とを備え、収集タンク17が、提示されるように空気圧回路14の第1のガスライン25の一部を形成する場合、空気圧回路14の第3のガスライン28は、図2に示されるように、収集装置7の収集タンク17とシェル構造3内に設けられた中間タンク8との間の接続点30において、空気圧回路14の第1のガスライン25と流体接続することができ、それにより、第1のガスライン25及び第3のガスライン28は、接続点30とシェル構造3内の中間タンク8との間で共通の配管を有するようになる。そのような実施形態では、第3の弁20が、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17と接続点30との間の、空気圧回路14の第1のガスライン25内に設けられ、第3の弁20は、空気圧回路14を真空モードと圧力モードとの間で切り替えるように構成された弁制御手段29に機能的に接続される。弁制御手段29は、第1のガスライン25内及び中間タンク8内に真空を形成することを可能にするために空気圧回路14を真空モードで動作させるときに、第3の弁20を開くように構成される。弁制御手段29は、空気圧回路14の第3のガスライン28から収集装置7の収集タンク17に加圧流体が入るのを防止するために空気圧回路14を圧力モードで動作させるときに、第3の弁20を閉じるように構成される。
【0027】
加圧装置9が、提示されるように接続され、動作可能である空気圧回路14を備え、排水装置の空気圧回路14が、提示されるように、第1のガスライン25と、第2のガスライン27と、第3のガスライン28とを備える場合、弁装置26は、図2に示されるように、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15とアスピレータポンプ16との間の、空気圧回路14の第2のガスライン27内に、第1の弁18を備えることができ、弁装置26は、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15とシェル構造3内の中間タンク8との間の、空気圧回路14の第3のガスライン28内に、第4の弁21を備えることができ、第1の弁18及び第4の弁21は、空気圧回路14を真空モードと圧力モードとの間で切り替えるように構成された弁制御手段29に機能的に接続され得る。弁制御手段29は、第1の液体ライン10において前記少なくとも1つの底部セクション5から中間タンク8への液体の吸い込みをもたらすために、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17内に真空を生成し、第1のガスライン25内に真空を生成し、シェル構造3内の中間タンク8内に真空を生成するために、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15からアスピレータポンプ16に加圧流体を供給するために、第4の弁21を閉じ、第2のガスライン27内の第1の弁18を開くことによって、真空モードをオンに切り替えるように構成され得る。弁制御手段29は、第2の液体ライン12において、少なくとも1つの底部セクション5にあるシェル構造3内の中間タンク8から、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17への液体の押し込みをもたらすために、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15から、第3のガスライン28及び第1のガスライン25において、シェル構造3内の中間タンク8に加圧流体を供給するために、第2のガスライン27内の第1の弁18を閉じ、第3のガスライン28内の第4の弁21を開くことによって、圧力モードをオンに切り替えるように構成され得る。
【0028】
排水装置の空気圧回路14が、提示されるように、第1のガスライン25と、第2のガスライン27と、第3のガスライン28とを備え、収集タンク17が、提示されるように空気圧回路14の第1のガスライン25の一部を形成する場合、空気圧回路14は、アスピレータポンプ16と船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17との間の空気圧回路14内に、第2の弁19を備えることができ、弁制御手段29は、真空モードに切り替えるときに第2の弁19を開くように構成され、弁制御手段29は、圧力モードに切り替えるときに第2の弁19を閉じるように構成される。
【0029】
加圧装置9が、提示されるように接続され、動作可能である空気圧回路14を備える場合、圧力調節弁22が、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15とシェル構造3内の中間タンク8との間の空気圧回路14内に設けられ得る。
【0030】
加圧装置9が、提示されるように接続され、動作可能である空気圧回路14を備える場合、第5の弁23が、第2の液体ライン12内に設けられることが可能であり、弁制御手段29は、真空モードに切り替えるとき、第5の弁23を閉じるように構成され、弁制御手段29は、圧力モードに切り替えるとき、第5の弁23を開くように構成される。
【0031】
船舶2の船体4内に設けられた収集装置7が、収集タンク17を備える場合、収集タンク17には、収集タンク17の内側の圧力を調節するように構成された逆止弁24が、設けられ得る。
【0032】
図3に示される排水装置の実施形態の空気圧作動式排水装置は、中間タンク8に加えて、シェル構造3内に配置され、別の底部セクション5’の上方のある垂直高さに位置する補助中間タンク8’を備え、この別の底部セクションは、シェル構造3によって境界付けされ、シェル構造3内で形成された液体及び/又はシェル構造3の外側からシェル構造3に入る液体を受け入れるように構成される。図3では、中間タンク8は、推進ユニット1の非駆動端部に配置され、補助中間タンク8’は、推進ユニット1の駆動端部に配置される。図3に示される実施形態では、加圧装置9は、追加的に、補助中間タンク8’内に真空を、又は補助中間タンク8’内に過剰圧力を選択的に提供するように構成されるように、補助中間タンク8’に機能的に接続される。図3に示される実施形態では、第1の補助液体ライン10’が、補助中間タンク8’と前記別の底部セクション5’との間に設けられ、また、補助中間タンク8’から前記別の底部セクション5’に液体が流れるのを防止するように構成され、前記別の底部セクション5’から補助中間タンク8’に液体が流れるのを可能にするように構成された第1の補助逆止弁11’が、第1の補助液体ライン10’内に設けられる。図3に示される実施形態では、第2の補助液体ライン12’が、補助中間タンク8’と第2の液体ライン12との間に設けられ、また、第2の液体ライン12から補助中間タンク8’に液体が流れるのを防止し、補助中間タンク8’から第2の液体ライン12に液体が流れるのを可能にするように構成された第2の補助逆止弁13’が、第1の補助液体ライン12’内に設けられる。第2の補助液体ライン12’は、好ましくは、ただし必ずしもそうではないが、図に示されるように、補助中間タンク8’からのより良好な排出を確実にするために、補助中間タンク8’の底部と船舶2の船体4内の収集装置7との間を延びる。図3に示される実施形態では、第3の補助ガスライン28’が、圧力モードにおいて、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15から、第3のガスライン28を介して第3の補助ガスライン25’に、そして第3の補助ガスライン25’において補助中間タンク8’に加圧ガスを供給するのを可能にするために、第3のガスライン28と補助中間タンク8’との間に設けられる。第4の補助弁21’が第3の補助ガスライン28’内に設けられ、第4の補助弁21’は、空気圧回路14を真空モードと圧力モードとの間で切り替えるように構成された弁制御手段29に機能的に接続される。図3に示される実施形態では、空気圧回路14の第3の補助ガスライン28’は、収集装置7の収集タンク17とシェル構造3内の補助中間タンク8’との間の補助接続点30’において、空気圧回路14の第1の補助ガスライン25’と流体接続しており、それにより、第1の補助ガスライン25’及び第3の補助ガスライン28’は、補助接続点30’とシェル構造3内の補助中間タンク8’との間で共通の配管を有するようになる。図3に示される実施形態では、第3の補助弁20’が、補助接続点30’と、船舶の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17との間の第1の補助ガスライン25’内に設けられる。第3の補助弁20’は、空気圧回路14を真空モードと圧力モードとの間で切り替えるように構成された弁制御手段29に機能的に接続される。弁制御手段29は、第1の補助ガスライン25’及び補助中間タンク8’内に真空を形成することを可能にするために補助中間タンク8’のための真空モードで空気圧回路14を動作させるときに、第3の補助弁20’を開くように構成される。弁制御手段29は、空気圧回路14の第3の補助ガスライン28’から収集装置7の収集タンク17に加圧流体が入るのを防止するために補助中間タンク8’のための圧力モードで空気圧回路14を動作させるときに、第3の補助弁20’を閉じるように構成される。
【0033】
図3に示される実施形態では、弁制御手段29は、第1の液体ライン10において底部セクション5から中間タンク8への液体の吸い込みをもたらすために、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17内に真空を生成し、第1のガスライン25内に真空を生成し、シェル構造3内の中間タンク8内に真空を生成するために、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15からアスピレータポンプ16に加圧流体を供給するために、第3のガスライン28内の第4の弁21を閉じ、第3の補助ガスライン28’内の第4の補助弁21’を閉じ、第1のガスライン25内の第3の弁20を開き、第2のガスライン27内の第1の弁18を開くことによって、中間タンク8のための真空モードをオンに切り替えるように構成され得る。
【0034】
図3に示される実施形態では、弁制御手段29は、第1の補助液体ライン10’において、前記別の底部セクション5’から補助中間タンク8’への液体の吸い込みをもたらすために、船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17内に真空を生成し、第1の補助ガスライン25’内に真空を生成し、シェル構造3内の補助中間タンク8’内に真空を生成するために、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15からアスピレータポンプ16に加圧流体を供給するために、第3のガスライン28内の第4の弁21を閉じ、第3の補助ガスライン28’内の第4の補助弁21’を閉じ、第1の補助ガスライン25’内の第3の補助弁20’を開き、第2のガスライン27内の第1の弁18を開くことによって、補助中間タンク8’のための真空モードをオンに切り替えるように構成され得る。
【0035】
図3に示される実施形態では、弁制御手段29は、第2の液体ライン12において、底部セクション5にあるシェル構造3内の中間タンク8から船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17への液体の押し込みをもたらすために、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15から、第3のガスライン28及び第1のガスライン25において、シェル構造3内の中間タンク8に加圧流体を供給するために、第2のガスライン27内の第1の弁18を閉じ、第1のガスライン25内の第3の弁20を閉じ、第3のガスライン28内の第4の弁21を開くことによって、中間タンク8のための圧力モードをオンに切り替えるように構成され得る。
【0036】
図3に示される実施形態では、弁制御手段29は、第2の補助液体ライン12’及び第2の液体ライン12において、前記別の底部セクション5’にあるシェル構造3内の補助中間タンク8’から船舶2の船体4内に設けられた収集装置7の収集タンク17への液体の押し込みをもたらすために、船舶2の船体4内に設けられた空気圧システム15から、第3の補助ガスライン28’及び第1の補助ガスライン25’においてシェル構造3内の補助中間タンク8’に加圧流体を供給するために、第2のガスライン27内の第1の弁18を閉じ、第1の補助ガスライン25’内の第3の補助弁20’を閉じ、第3の補助ガスライン28’内の第4の補助弁21’を開くことによって、補助中間タンク8’のための圧力モードをオンに切り替えるように構成され得る。
【0037】
技術の進歩に伴って、本発明の基本的な着想がさまざまな方法で実施され得ることが、当業者に明らかである。したがって、本発明及びその実施形態は、上記の例に制限されず、特許請求の範囲内でさまざまになり得る。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶(2)のアジマス推進ユニットなどの推進ユニット(1)の排水装置であって、前記推進ユニット(1)が、前記船舶(2)が水中に浮いているときに少なくとも部分的に水中に浸漬されるように、前記船舶(2)の船体(4)の下方に装着された、シェル構造(3)を備え、
前記シェル構造(3)が、前記シェル構造(3)内に形成された液体及び/又は前記シェル構造(3)の外側から前記シェル構造(3)に入る液体を受け入れるように構成された少なくとも1つの底部セクション(5)を境界付け、
前記排水装置が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)と流体接続する空気圧作動式排水装置(6)を備え、前記空気圧作動式排水装置(6)が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から少なくとも部分的に排水し、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた収集装置(7)に液体を移送するように構成される、排水装置において、
前記空気圧作動式排水装置(6)が、
前記シェル構造(3)内の中間タンク(8)と、ここで、前記中間タンク(8)が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)の上方のある垂直高さに位置しており、
前記中間タンク(8)に機能的に接続され、前記中間タンク(8)内に真空を、又は前記中間タンク(8)内に過剰圧力を選択的に提供するように構成された加圧装置(9)と、
前記中間タンク(8)と前記少なくとも1つの底部セクション(5)との間に設けられた第1の液体ライン(10)と、ここで、前記第1の液体ライン(10)には、前記中間タンク(8)から前記少なくとも1つの底部セクション(5)に液体が流れるのを防止するように構成された第1の逆止弁(11)であって、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から前記中間タンク(8)に液体が流れるのを可能にするように構成された第1の逆止弁(11)が設けられており、
前記中間タンク(8)と前記船舶(2)の前記船体(4)内の前記収集装置(7)との間に設けられた第2の液体ライン(12)と、ここで、前記第2の液体ライン(12)には、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)から前記中間タンク(8)に液体が流れるのを防止するように構成された第2の逆止弁(13)であって、中間タンク(8)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた収集装置(7)に液体が流れるのを可能にするように構成された第2の逆止弁(13)が設けられており、
を備えることを特徴とする、排水装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの底部セクション(5)が、プロペラシャフト(31)の下方のある垂直レベルに位置することを特徴とする、請求項1に記載の排水装置。
【請求項3】
前記加圧装置(9)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた空気圧システム(15)と流体接続し、前記中間タンク(8)と流体接続する空気圧回路(14)を備え、前記空気圧回路(14)が、前記中間タンク(8)に真空を加える真空モードと、前記中間タンク(8)に圧力を加える圧力モードとで動作するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の排水装置。
【請求項4】
前記空気圧回路(14)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)によって駆動され、第1のガスライン(25)によって前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)と流体接続する、アスピレータポンプ(16)を備え、
前記空気圧回路(14)が、(i)前記空気圧回路(14)を前記真空モードで動作させ、前記第1のガスライン(25)内に真空を提供するために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から、第2のガスライン(27)において前記アスピレータポンプ(16)に加圧ガスを供給すること、又は(ii)前記空気圧回路(14)を前記圧力モードで動作させるために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から、第3のガスライン(28)において前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)に加圧ガスを供給すること、を選択的に行うための弁装置(26)を備え、
前記弁装置(26)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された弁制御手段(29)に機能的に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載の排水装置。
【請求項5】
前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の収集タンク(17)が、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)の一部を形成し、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)が、前記アスピレータポンプ(16)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間に配置された前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)内にあることを特徴とする、請求項4に記載の排水装置。
【請求項6】
前記空気圧回路(14)の前記第3のガスライン(28)が、前記収集装置(7)の収集タンク(17)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の接続点(30)において、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)と流体接続し、それにより、前記第1のガスライン(25)及び前記第3のガスライン(28)は、前記接続点(30)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間で共通の配管を有するようになり、
第3の弁(20)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)と前記接続点(30)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)内にあり、
前記第3の弁(20)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された前記弁制御手段(29)に機能的に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の排水装置。
【請求項7】
前記弁装置(26)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記アスピレータポンプ(16)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第2のガスライン(27)内に、第1の弁(18)を備え、
前記弁装置(26)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第3のガスライン(28)内に、第4の弁(21)を備え、
前記第1の弁(18)及び前記第4の弁(21)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された前記弁制御手段(29)に機能的に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の排水装置。
【請求項8】
前記弁制御手段(29)が、前記第1の液体ライン(10)において、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から前記中間タンク(8)への液体の吸い込みをもたらすために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の収集タンク(17)及び前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)内に真空を生成するために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から前記アスピレータポンプ(16)に加圧流体を供給するために、前記第4の弁(21)を閉じ、前記第1の弁(18)を開くことによって、前記真空モードをオンに切り替えるように構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の排水装置。
【請求項9】
前記弁制御手段(29)が、前記第2の液体ライン(12)において、少なくとも1つの底部セクション(5)にある前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の収集タンク(17)への液体の押し込みをもたらすために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)に加圧流体を供給するために、前記第1の弁(18)を閉じ、前記第4の弁(21)を開くことによって、前記圧力モードをオンに切り替えるように構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の排水装置。
【請求項10】
第2の弁(19)が、前記アスピレータポンプ(16)と、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の収集タンク(17)との間の、前記空気圧回路(14)内にあり、
前記弁制御手段(29)が、前記真空モードに切り替えるとき、前記第2の弁(19)を開くように構成され、
前記弁制御手段(29)が、前記圧力モードに切り替えるとき、前記第2の弁(19)を閉じるように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の排水装置。
【請求項11】
圧力調節弁(22)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の、前記空気圧回路(14)内にあることを特徴とする、請求項4に記載の排水装置。
【請求項12】
第5の弁(23)が、前記第2の液体ライン(12)内にあり、
前記弁制御手段(29)が、前記真空モードに切り替えるとき、前記第5の弁(23)を閉じるように構成され、
前記弁制御手段(29)が、前記圧力モードに切り替えるとき、前記第5の弁(23)を開くように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の排水装置。
【請求項13】
前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の収集タンク(17)には、前記収集タンク(17)の内側の圧力を調節するように構成された逆止弁(24)が設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の排水装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
技術の進歩に伴って、本発明の基本的な着想がさまざまな方法で実施され得ることが、当業者に明らかである。したがって、本発明及びその実施形態は、上記の例に制限されず、特許請求の範囲内でさまざまになり得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 船舶(2)のアジマス推進ユニットなどの推進ユニット(1)の排水装置であって、前記推進ユニット(1)が、前記船舶(2)が水中に浮いているときに少なくとも部分的に水中に浸漬されるように、前記船舶(2)の船体(4)の下方に装着された、シェル構造(3)を備え、
前記シェル構造(3)が、前記シェル構造(3)内に形成された液体及び/又は前記シェル構造(3)の外側から前記シェル構造(3)に入る液体を受け入れるように構成された少なくとも1つの底部セクション(5)を境界付け、
前記排水装置が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)と流体接続する空気圧作動式排水装置(6)を備え、前記空気圧作動式排水装置(6)が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から少なくとも部分的に排水し、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた収集装置(7)に液体を移送するように構成される、排水装置において、
前記空気圧作動式排水装置(6)が、
前記シェル構造(3)内の中間タンク(8)と、ここで、前記中間タンク(8)が、前記少なくとも1つの底部セクション(5)の上方のある垂直高さに位置しており、
前記中間タンク(8)に機能的に接続され、前記中間タンク(8)内に真空を、又は前記中間タンク(8)内に過剰圧力を選択的に提供するように構成された加圧装置(9)と、
前記中間タンク(8)と前記少なくとも1つの底部セクション(5)との間に設けられた第1の液体ライン(10)と、ここで、前記第1の液体ライン(10)には、前記中間タンク(8)から前記少なくとも1つの底部セクション(5)に液体が流れるのを防止するように構成された第1の逆止弁(11)であって、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から前記中間タンク(8)に液体が流れるのを可能にするように構成された第1の逆止弁(11)が設けられており、
前記中間タンク(8)と前記船舶(2)の前記船体(4)内の前記収集装置(7)との間に設けられた第2の液体ライン(12)と、ここで、前記第2の液体ライン(12)には、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)から前記中間タンク(8)に液体が流れるのを防止するように構成された第2の逆止弁(13)であって、中間タンク(8)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた収集装置(7)に液体が流れるのを可能にするように構成された第2の逆止弁(13)が設けられており、
を備えることを特徴とする、排水装置。
[2] 前記少なくとも1つの底部セクション(5)が、プロペラシャフト(31)の下方のある垂直レベルに位置することを特徴とする、[1]に記載の排水装置。
[3] 前記加圧装置(9)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた空気圧システム(15)と流体接続し、前記中間タンク(8)と流体接続する空気圧回路(14)を備え、前記空気圧回路(14)が、前記中間タンク(8)に真空を加える真空モードと、前記中間タンク(8)に圧力を加える圧力モードとで動作するように構成されていることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の排水装置。
[4] 前記空気圧回路(14)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)によって駆動され、第1のガスライン(25)によって前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)と流体接続する、アスピレータポンプ(16)を備え、
前記空気圧回路(14)が、(i)前記空気圧回路(14)を前記真空モードで動作させ、前記第1のガスライン(25)内に真空を提供するために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から、第2のガスライン(27)において前記アスピレータポンプ(16)に加圧ガスを供給すること、又は(ii)前記空気圧回路(14)を前記圧力モードで動作させるために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から、第3のガスライン(28)において前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)に加圧ガスを供給すること、を選択的に行うための弁装置(26)を備え、
前記弁装置(26)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された弁制御手段(29)に機能的に接続されていることを特徴とする、[3]に記載の排水装置。
[5] 前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の収集タンク(17)が、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)の一部を形成し、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)が、前記アスピレータポンプ(16)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間に配置された前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)内にあることを特徴とする、[4]に記載の排水装置。
[6] 前記空気圧回路(14)の前記第3のガスライン(28)が、前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の接続点(30)において、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)と流体接続し、それにより、前記第1のガスライン(25)及び前記第3のガスライン(28)は、前記接続点(30)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間で共通の配管を有するようになり、
第3の弁(20)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)と前記接続点(30)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第1のガスライン(25)内にあり、
前記第3の弁(20)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された前記弁制御手段(29)に機能的に接続されていることを特徴とする、[4]又は[5]に記載の排水装置。
[7] 前記弁装置(26)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記アスピレータポンプ(16)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第2のガスライン(27)内に、第1の弁(18)を備え、
前記弁装置(26)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の、前記空気圧回路(14)の前記第3のガスライン(28)内に、第4の弁(21)を備え、
前記第1の弁(18)及び前記第4の弁(21)が、前記空気圧回路(14)を前記真空モードと前記圧力モードとの間で切り替えるように構成された前記弁制御手段(29)に機能的に接続されるていことを特徴とする、[4]から[6]のいずれか一項に記載の排水装置。
[8] 前記弁制御手段(29)が、前記第1の液体ライン(10)において、前記少なくとも1つの底部セクション(5)から前記中間タンク(8)への液体の吸い込みをもたらすために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)及び前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)内に真空を生成するために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から前記アスピレータポンプ(16)に加圧流体を供給するために、前記第4の弁(21)を閉じ、前記第1の弁(18)を開くことによって、前記真空モードをオンに切り替えるように構成されていることを特徴とする、[7]に記載の排水装置。
[9] 前記弁制御手段(29)が、前記第2の液体ライン(12)において、少なくとも1つの底部セクション(5)にある前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)から、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)への液体の押し込みをもたらすために、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)から前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)に加圧流体を供給するために、前記第1の弁(18)を閉じ、前記第4の弁(21)を開くことによって、前記圧力モードをオンに切り替えるように構成されていることを特徴とする、[7]又は[8]に記載の排水装置。
[10] 第2の弁(19)が、前記アスピレータポンプ(16)と、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)との間の、前記空気圧回路(14)内にあり、
前記弁制御手段(29)が、前記真空モードに切り替えるとき、前記第2の弁(19)を開くように構成され、
前記弁制御手段(29)が、前記圧力モードに切り替えるとき、前記第2の弁(19)を閉じるように構成されていることを特徴とする、[4]から[9]のいずれか一項に記載の排水装置。
[11] 圧力調節弁(22)が、前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記空気圧システム(15)と前記シェル構造(3)内の前記中間タンク(8)との間の、前記空気圧回路14内にあることを特徴とする、[4]から[10]のいずれか一項に記載の排水装置。
[12] 第5の弁(23)が、前記第2の液体ライン(12)内にあり、
前記弁制御手段(29)が、前記真空モードに切り替えるとき、前記第5の弁(23)を閉じるように構成され、
前記弁制御手段(29)が、前記圧力モードに切り替えるとき、前記第5の弁(23)を開くように構成されていることを特徴とする、[4]から[11]のいずれか一項に記載の排水装置。
[13] 前記船舶(2)の前記船体(4)内に設けられた前記収集装置(7)の前記収集タンク(17)には、前記収集タンク(17)の内側の圧力を調節するように構成された逆止弁(24)が設けられていることを特徴とする、[4]から[12]のいずれか一項に記載の排水装置。
【外国語明細書】