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特開2023-88368口座管理装置および口座管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088368
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】口座管理装置および口座管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230620BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203032
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓三
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB04
5L055BB24
(57)【要約】
【課題】名義人が死亡した口座を効率的に凍結することができる。
【解決手段】口座管理装置10は、公共機関で管理される個人番号に関する情報を公共機関のサーバ1から取得する。口座管理装置10は、個人番号に関する情報に基づいて、個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定する。そして、口座管理装置10は、人物が死亡していると判定した場合、個人番号と対応付けて記憶された口座の利用を制限する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共機関で管理される個人番号と口座とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記個人番号に関する情報を前記公共機関のサーバから取得し、前記個人番号に関する情報に基づいて、前記個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定し、前記人物が死亡していると判定した場合、前記口座の利用を制限する処理部と、
を有する口座管理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記口座の利用履歴に基づいて、直近の所定の第1期間内に前記口座の利用があるか否かを判定し、直近の前記第1期間内に前記口座の利用がない場合、前記個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定する、
請求項1記載の口座管理装置。
【請求項3】
前記処理部は、第2期間おきに定期的な入出金がされる前記口座の利用履歴に基づいて、直近の前記第2期間内に前記定期的な入出金があるか否かを判定し、直近の前記第2期間内に前記定期的な入出金がない場合、前記個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定する、
請求項1または2記載の口座管理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記口座の利用履歴に基づいて、前記口座が利用される頻度を算出し、直近の前記頻度に基づく第3期間内に前記口座の利用があるか否かを判定し、直近の前記第3期間内に前記口座の利用がない場合、前記個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定する、
請求項1記載の口座管理装置。
【請求項5】
コンピュータに、
公共機関で管理される個人番号に関する情報を前記公共機関のサーバから取得し、
前記個人番号に関する情報に基づいて、前記個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定し、
前記人物が死亡していると判定した場合、前記個人番号と対応付けて記憶された口座の利用を制限する、
処理を実行させる口座管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口座管理装置および口座管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行は、口座の名義人の死亡が確認されたときに、当該口座を凍結させる。銀行は、例えば、銀行に提出される死亡届や新聞のお悔やみ欄の記載、渉外員による聞き込み等から名義人が死亡したことを把握する。
【0003】
口座管理に関する技術としては、例えば、公的機関から付与される所定の識別情報により口座情報を一元的に管理できる金融取引実行支援装置が提案されている。また、例えば、利用期限を経過した不稼働口座の管理負担を軽減する技術を提供する情報処理装置が提案されている。また、人物の死亡に関する技術としては、例えば、戸籍データベースに対して行われた追加・更新を住民記録データベースにも反映させる戸籍情報と住民記録との連動システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-215700号公報
【特許文献2】特開2018-165910号公報
【特許文献3】特開平7-219998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
名義人が死亡したとしても、遺族が銀行への死亡届を出し忘れることや、口座を把握していないこともあり、銀行に対して死亡届が提出されないことがある。また、新聞のお悔やみ欄の記載、渉外員による聞き込み等では、名義人の死亡を把握しきれないこともある。このように、名義人の死亡を把握できずに口座を有効なままにしておくと、口座維持のための負担が増大する。
【0006】
1つの側面では、本件は、名義人が死亡した口座を効率的に凍結することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、記憶部と処理部とを有する情報処理装置が提供される。記憶部は、公共機関で管理される個人番号と口座とを対応付けて記憶する。処理部は、個人番号に関する情報を公共機関のサーバから取得し、個人番号に関する情報に基づいて、個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定し、人物が死亡していると判定した場合、口座の利用を制限する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、名義人が死亡した口座を効率的に凍結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る口座管理装置の一例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図3】銀行サーバのハードウェアの一構成例を示す図である。
図4】銀行サーバおよびマイナンバー管理サーバの機能例を示すブロック図である。
図5】顧客管理テーブルの一例を示す図である。
図6】口座管理テーブルの一例を示す図である。
図7】入出金履歴テーブルの一例を示す図である。
図8】現況情報テーブルの一例を示す図である。
図9】口座凍結処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図10】口座利用判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11】年金振込判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12】公共料金支払判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図13】所定期間利用判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14】利用頻度判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る口座管理装置の一例を示す図である。第1の実施の形態は、個人番号と紐づいた情報に基づいて口座名義人が死亡したかを判定するものである。
【0012】
口座管理装置10は、銀行口座を管理するコンピュータである。口座管理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、口座管理装置10が実行する処理に用いられるデータを記憶する。記憶部11は、例えば、口座管理装置10が有するメモリまたはストレージ装置である。記憶部11は、対応情報11aを記憶する。
【0013】
対応情報11aには、公共機関で管理される個人番号と口座とが対応付けて登録される。個人番号は、例えば、マイナンバーである。なお、第1の実施の形態では、対応情報11aに登録された口座を単に口座ということがある。対応情報11aは、例えば、口座番号の項目と個人番号の項目とを有する。口座番号の項目には、口座の口座番号が登録される。個人番号の項目には、口座の名義人の個人番号が登録される。
【0014】
処理部12は、口座管理装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、口座管理装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。まず、処理部12は、口座の利用履歴に基づいて利用の有無を判定する。口座の利用履歴は、口座に対する入出金の日時および内容を記録したものである。
【0015】
例えば、処理部12は、直近の所定の第1期間内に口座の利用があるか否かを判定する。第1期間は、1ヶ月や1年等、口座を管理する銀行が定めた所定の期間である。また、例えば、口座に第2期間おきに定期的な入出金がされる場合、処理部12は、直近の第2期間内に定期的な入出金があるか否かを判定する。定期的な入出金は、例えば、年金振込、給与振込、公共料金支払、クレジットカードや携帯電話料金の支払等である。例えば、処理部12は、直近の第1期間内に口座の利用がないまたは直近の第2期間内に定期的な入出金がない場合、口座の利用なしと判定する。また、例えば、処理部12は、直近の第1期間内に口座の利用がないかつ直近の第2期間内に定期的な入出金がない場合、口座の利用なしと判定する。
【0016】
処理部12は、口座の利用なしと判定した場合、個人番号に関する情報をサーバ1から取得する。サーバ1は、個人番号を管理する公共機関のサーバコンピュータである。個人番号に関する情報は、例えば、個人番号に対応する人物の氏名および住所を含む。また、個人番号に関する情報は、例えば、個人番号を示すためのカードに含まれる電子証明書が失効しているか否かおよび電子証明書の失効原因を含む。
【0017】
処理部12は、個人番号に関する情報に基づいて、個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定する。例えば、処理部12は、個人番号に関する情報に、個人番号の電子証明書が失効していることおよび電子証明書の失効原因が個人番号に対応する人物が死亡したことが含まれる場合、個人番号に対応する人物が死亡していると判定する。
【0018】
そして、処理部12は、個人番号に対応する人物が死亡していると判定した場合、口座の利用を制限する。例えば、処理部12は、口座から資金を引き出せないよう設定する(つまり、口座を凍結する)。
【0019】
第1の実施の形態によれば、口座管理装置10の記憶部11は、公共機関で管理される個人番号と口座とを対応付けて記憶する。口座管理装置10の処理部12は、個人番号に関する情報を公共機関のサーバ1から取得し、個人番号に関する情報に基づいて、個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定し、人物が死亡していると判定した場合、口座の利用を制限する。
【0020】
このように、口座管理装置10は、公共機関で管理されている情報に基づいて、名義人の死亡を判定し、名義人が死亡した口座の利用を制限する。これにより、口座管理装置10は、銀行への届出なしに名義人の死亡を把握し、口座を凍結できる。よって、口座管理装置10は、名義人が死亡した口座を効率的に凍結することができる。
【0021】
また、処理部12は、口座の利用履歴に基づいて、直近の所定の第1期間内に口座の利用があるか否かを判定し、直近の第1期間内に口座の利用がない場合、個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定する。これにより、口座管理装置10は、名義人が死亡している可能性が高い口座についてのみ、個人番号に関する情報をサーバ1から取得するため、処理負荷を軽減できる。
【0022】
また、処理部12は、第2期間おきに定期的な入出金がされる口座の利用履歴に基づいて、直近の第2期間内に定期的な入出金があるか否かを判定し、直近の第2期間内に定期的な入出金がない場合、個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定する。定期的な入出金は、名義人が死亡すると停止する可能性が高いため、口座管理装置10は、名義人が死亡している可能性が高い口座を精度良く絞り込むことができる。
【0023】
なお、処理部12は、口座の利用履歴に基づいて、口座が利用される頻度を算出し、頻度に基づく第3期間内に口座の利用があるか否かを判定し、第3期間内に口座の利用がない場合、個人番号に対応する人物が死亡しているか否かを判定してもよい。口座が利用される頻度は、それぞれ異なることが多いため、口座管理装置10は、口座が利用される頻度に基づく第3期間内に口座の利用があるか否かを判定することで、名義人が死亡している可能性が高い口座を精度良く絞り込むことができる。
【0024】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、口座名義人のマイナンバーについて現況確認をすることで、口座名義人が死亡したか否かを判定するものである。
【0025】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、自治体サーバ20と、銀行サーバ100と、マイナンバー管理サーバ200とを有する。自治体サーバ20と、銀行サーバ100と、マイナンバー管理サーバ200とは、ネットワーク30に接続されている。ネットワーク30は、インターネット等の広域ネットワークである。
【0026】
自治体サーバ20は、市役所や区役所等で運用されるサーバコンピュータである。自治体サーバ20は、自治体に提出される届出を管理する。例えば、自治体サーバ20は、住人の死亡届が自治体に提出されると、当該住人の死亡をマイナンバー管理サーバ200に通知する。
【0027】
銀行サーバ100は、銀行の口座を管理するサーバコンピュータである。銀行サーバ100は、口座番号と口座名義人のマイナンバーとを対応付けて管理する。銀行サーバ100は、マイナンバー管理サーバ200からマイナンバーに関する情報を取得する現況確認を実行し、現況確認によって取得した情報から、口座名義人が死亡したか否かを判定し、名義人が死亡した口座を凍結する。
【0028】
マイナンバー管理サーバ200は、マイナンバーを管理する公共機関のサーバコンピュータである。マイナンバー管理サーバ200は、マイナンバーとマイナンバーに関する情報とを管理する。例えば、マイナンバー管理サーバ200は、マイナンバーに対応する人物の氏名、住所、マイナンバーカードに含まれる電子証明書が失効しているか否か、電子証明書の失効原因等の情報を管理する。
【0029】
マイナンバー管理サーバ200は、自治体サーバ20から住人の死亡が通知されると、当該住人のマイナンバーカードに含まれる電子証明書を失効させ、電子証明書の失効原因が死亡であることを登録する。また、マイナンバー管理サーバ200は、銀行サーバ100から現況確認を受けたマイナンバーに関する情報を銀行サーバ100に送信する。
【0030】
図3は、銀行サーバのハードウェアの一構成例を示す図である。銀行サーバ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0031】
メモリ102は、銀行サーバ100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0032】
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0033】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0034】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0035】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0036】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0037】
機器接続インタフェース107は、銀行サーバ100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0038】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0039】
銀行サーバ100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示したサーバ1および口座管理装置10も、図3に示した銀行サーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、自治体サーバ20およびマイナンバー管理サーバ200も銀行サーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。また、メモリ102またはストレージ装置103は、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。
【0040】
銀行サーバ100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。銀行サーバ100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、銀行サーバ100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また銀行サーバ100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0041】
次に、銀行サーバ100およびマイナンバー管理サーバ200の機能について詳細に説明する。
図4は、銀行サーバおよびマイナンバー管理サーバの機能例を示すブロック図である。マイナンバー管理サーバ200は、記憶部210を有する。記憶部210は、マイナンバー管理サーバ200が有するメモリまたはストレージ装置の記憶領域を用いて実現される。記憶部210は、現況情報テーブル211を記憶する。現況情報テーブル211は、マイナンバー管理サーバ200が管理するマイナンバーに関する情報(マイナンバーの現況情報)を管理するテーブルである。
【0042】
銀行サーバ100は、記憶部110、現況確認部120、利用判定部130および口座凍結部140を有する。記憶部110は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。現況確認部120、利用判定部130および口座凍結部140は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。記憶部110は、顧客管理テーブル111、口座管理テーブル112および入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・を記憶する。
【0043】
顧客管理テーブル111は、口座の名義人である顧客のマイナンバーと、口座の口座番号とを対応付けて管理するテーブルである。口座管理テーブル112は、銀行サーバ100が管理する各口座の情報を管理するテーブルである。例えば、口座管理テーブル112には、各口座が年金の振込先として設定された口座(年金振込口座)であるか否かを示す情報が登録される。また、例えば、口座管理テーブル112には、各口座が公共料金を支払うための引落口座(公共料金支払口座)であるか否かを示す情報が登録される。入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・は、対応する口座の入出金履歴を記録したテーブルである。
【0044】
現況確認部120は、口座管理テーブル112に登録された口座のうち、利用判定部130による口座利用判定処理の総合結果において、口座利用ありと判定された口座について現況確認を実行する。現況確認部120は、口座利用ありと判定された口座の口座番号に紐づいたマイナンバーを顧客管理テーブル111から取得する。現況確認部120は、取得したマイナンバーをマイナンバー管理サーバ200に通知し、通知したマイナンバーの現況情報を送信するよう依頼することで、現況情報を取得する。例えば、現況確認部120は、現況情報テーブル211に登録された、取得したマイナンバーに関する情報を取得する。
【0045】
そして、現況確認部120は、取得したマイナンバーについての電子証明書が失効したか否かおよび電子証明書の失効理由が死亡であるか否かを、現況情報に基づいて判定する。現況確認部120は、取得したマイナンバーについての電子証明書が失効し、電子証明書の失効理由が死亡であると判定した場合、当該マイナンバーに紐づいた口座番号の口座を口座凍結部140に凍結させる。
【0046】
利用判定部130は、口座管理テーブル112に登録された各口座を対象として口座利用判定処理を実行する。利用判定部130は、口座利用判定処理として、年金振込判定処理、公共料金支払判定処理および所定期間利用判定処理を実行する。
【0047】
利用判定部130は、対象の口座が年金振込口座である場合、年金振込判定処理を実行する。利用判定部130は、入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・のうち、対象の口座の入出金履歴テーブルから直近2ヶ月の情報を取得する。そして、利用判定部130は、直近2ヶ月に年金振込があったか否かを判定する。利用判定部130は、直近2ヶ月に年金振込があった場合、年金振込判定処理における口座利用ありを出力する。利用判定部130は、直近2ヶ月に年金振込がなかった場合、年金振込判定処理における口座利用なしを出力する。
【0048】
また、利用判定部130は、対象の口座が公共料金支払口座である場合、公共料金支払判定処理を実行する。利用判定部130は、入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・のうち、対象の口座の入出金履歴テーブルから直近1ヶ月の情報を取得する。そして、利用判定部130は、直近1ヶ月に公共料金支払があったか否かを判定する。利用判定部130は、直近1ヶ月に公共料金支払があった場合、公共料金支払判定処理における口座利用ありを出力する。利用判定部130は、直近1ヶ月に公共料金支払がなかった場合、公共料金支払判定処理における口座利用なしを出力する。
【0049】
また、利用判定部130は、対象の口座について所定期間利用判定処理を実行する。利用判定部130は、入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・のうち、対象の口座の入出金履歴テーブルから直近の所定期間(例えば、6ヶ月)の情報を取得する。そして、利用判定部130は、直近6ヶ月に入出金があったか否かを判定する。利用判定部130は、直近6ヶ月に入出金があった場合、所定期間利用判定処理における口座利用ありを出力する。利用判定部130は、直近6ヶ月に入出金がなかった場合、所定期間利用判定処理における口座利用なしを出力する。
【0050】
そして、利用判定部130は、年金振込判定処理、公共料金支払判定処理および所定期間利用判定処理の出力から、利用有無の総合結果を判定する。例えば、利用判定部130は、年金振込判定処理、公共料金支払判定処理および所定期間利用判定処理のいずれかの出力が利用ありの場合、総合結果は利用ありと判定し、すべての出力が利用なしまたは出力なしの場合、総合結果は利用なしと判定してもよい。また、例えば、利用判定部130は、年金振込判定処理、公共料金支払判定処理および所定期間利用判定処理のいずれかの出力が利用なしの場合、総合結果は利用なしと判定し、すべての出力が利用ありまたは出力なしの場合、総合結果は利用ありと判定してもよい。
【0051】
口座凍結部140は、現況確認部120によって、紐づいたマイナンバーについての電子証明書が失効し、電子証明書の失効理由が死亡であると判定された口座番号の口座を凍結する。なお、図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部110および記憶部210に記憶されるテーブルについて詳細に説明する。
【0052】
図5は、顧客管理テーブルの一例を示す図である。顧客管理テーブル111は、口座の名義人である顧客のマイナンバーと、口座の口座番号とを対応付けて管理するテーブルである。顧客管理テーブル111の各レコードは、顧客管理番号、氏名、住所、口座番号およびマイナンバーの項目を有する。顧客管理番号の項目には、銀行の顧客を識別するための当該銀行における番号が設定される。氏名の項目には、顧客の氏名が設定される。住所の項目には、顧客の住所が設定される。口座番号の項目には顧客の口座の口座番号が設定される。マイナンバーの項目には、顧客のマイナンバーが設定される。
【0053】
図6は、口座管理テーブルの一例を示す図である。口座管理テーブル112は、銀行サーバ100が管理する各口座の情報を管理するテーブルである。口座管理テーブル112の各レコードは、口座番号、預金種別、残高、年金振込、公共料金支払および凍結の項目を有する。口座番号の項目には、口座の口座番号が設定される。預金種別の項目には、口座の預金種別が設定される。残高の項目には、口座の残高が設定される。
【0054】
年金振込の項目には、年金振込口座であるか否かを示す情報が設定される。例えば、年金振込口座のレコードの年金振込の項目には、「1」が設定される。また、年金振込口座ではない口座のレコードの年金振込の項目には、「0」が設定される。公共料金支払の項目には、公共料金支払口座であるか否かを示す情報が設定される。例えば、公共料金支払口座のレコードの公共料金支払の項目には、「1」が設定される。また、公共料金支払口座ではない口座のレコードの公共料金支払の項目には、「0」が設定される。なお、口座管理テーブル112の年金振込および公共料金支払の項目に代えて年金振込口座の口座番号が登録されたテーブルや公共料金支払口座のレコードが登録されたテーブルが用いられてもよい。
【0055】
凍結の項目には、凍結された口座であるか否かを示す情報が設定される。銀行サーバ100は、凍結された口座からの入出金を制限する。例えば、凍結された口座のレコードの凍結の項目には、「1」が設定される。また、凍結されていない口座のレコードの凍結の項目には、「0」が設定される。銀行サーバ100は、凍結の項目が「1」の口座について入出金ができないよう制限する。
【0056】
図7は、入出金履歴テーブルの一例を示す図である。入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・は、対応する口座の入出金履歴を記録したテーブルである。図7では、入出金履歴テーブル113-1について説明するが、入出金履歴テーブル113-2,・・・も入出金履歴テーブル113-1と同様の構成である。
【0057】
入出金履歴テーブル113-1には、対応する口座の口座番号が設定される。また、入出金履歴テーブル113-1の各レコードは、日付、入出金内容および金額の項目を有する。日付の項目には、入出金が行われた日付が設定される。入出金内容の項目には、入出金の内容が設定される。金額の項目には、入出金の金額が設定される。
【0058】
図8は、現況情報テーブルの一例を示す図である。現況情報テーブル211は、マイナンバーの現況情報を管理するテーブルである。現況情報テーブル211の各レコードは、マイナンバー、氏名、住所、失効および失効理由の項目を有する。マイナンバーの項目には、マイナンバーが設定される。氏名の項目には、マイナンバーに対応する人物の氏名が設定される。住所の項目には、マイナンバーに対応する人物の住所が設定される。
【0059】
失効の項目にはマイナンバーカードの電子証明書が失効したか否かを示す情報が設定される。例えば、電子証明書が失効したマイナンバーのレコードの失効の項目には、「1」が設定される。また、電子証明書が失効したマイナンバーのレコードの失効の項目には、「0」が設定される。
【0060】
失効理由の項目には、電子証明書が失効した理由(例えば、電子証明書の期限切れや死亡)が設定される。例えば、マイナンバーに対応する人物の死亡により、電子証明書が失効したマイナンバーのレコードの失効理由の項目には、「死亡」が設定される。
【0061】
次に、口座凍結処理の手順について説明する。
図9は、口座凍結処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0062】
[ステップS11]現況確認部120は、口座管理テーブル112から、口座凍結処理において取得していない口座番号を取得する。例えば、現況確認部120は、口座管理テーブル112の口座凍結処理において未選択のレコードのいずれかを選択し、選択したレコードの口座番号の項目に設定された口座番号を取得する。
【0063】
[ステップS12]利用判定部130は、ステップS11で取得した口座番号の口座を対象として、直近の口座利用の有無について判定する口座利用判定処理を実行する。口座利用判定処理の詳細については後述する(図10参照)。
【0064】
[ステップS13]現況確認部120は、口座利用判定処理の総合結果において、口座利用ありと判定されたか否かを判定する。現況確認部120は、口座利用ありと判定された場合、処理をステップS20に進める。また、現況確認部120は、口座利用なしと判定された場合、処理をステップS14に進める。
【0065】
[ステップS14]現況確認部120は、ステップS11で取得した口座番号に紐づいたマイナンバーを取得する。例えば、現況確認部120は、顧客管理テーブル111の口座番号の項目にステップS11で取得した口座番号が設定されたレコードを特定し、特定したレコードのマイナンバーの項目に設定されたマイナンバーを取得する。
【0066】
[ステップS15]現況確認部120は、マイナンバー管理サーバ200に現況確認を依頼する。例えば、現況確認部120は、ステップS14で取得したマイナンバーをマイナンバー管理サーバ200に通知し、通知したマイナンバーの現況情報を送信するよう依頼する。
【0067】
[ステップS16]現況確認部120は、現況情報を取得する。例えば、現況確認部120は、現況情報テーブル211のマイナンバーの項目にステップS14で取得したマイナンバーが設定されたレコードを取得する。
【0068】
[ステップS17]現況確認部120は、ステップS14で取得したマイナンバーについての電子証明書が失効したか否かを判定する。例えば、現況確認部120は、ステップS16で取得した現況情報テーブル211のレコードの失効の項目に「1」が設定されている場合、マイナンバーについての電子証明書が失効したと判定する。また、例えば、現況確認部120は、ステップS16で取得した現況情報テーブル211のレコードの失効の項目に「0」が設定されている場合、マイナンバーについての電子証明書が失効していないと判定する。現況確認部120は、マイナンバーについての電子証明書が失効したと判定した場合、処理をステップS18に進める。また、現況確認部120は、マイナンバーについての電子証明書が失効していないと判定した場合、処理をステップS20に進める。
【0069】
[ステップS18]現況確認部120は、ステップS14で取得したマイナンバーについての電子証明書の失効理由が死亡であるか否かを判定する。例えば、現況確認部120は、ステップS16で取得した現況情報テーブル211のレコードの失効理由の項目に「死亡」が設定されている場合、マイナンバーについての電子証明書の失効理由が死亡であると判定する。また、例えば、現況確認部120は、ステップS16で取得した現況情報テーブル211のレコードの失効理由の項目に「死亡」が設定されていない場合、マイナンバーについての電子証明書の失効理由が死亡ではないと判定する。現況確認部120は、マイナンバーについての電子証明書の失効理由が死亡であると判定した場合、処理をステップS19に進める。また、現況確認部120は、マイナンバーについての電子証明書の失効理由が死亡ではないと判定した場合、処理をステップS20に進める。
【0070】
[ステップS19]口座凍結部140は、ステップS11で取得した口座番号の口座を凍結する。例えば、口座凍結部140は、ステップS11で選択したレコードの凍結の項目に「1」を設定する。
【0071】
[ステップS20]現況確認部120は、口座管理テーブル112に登録されたすべての口座番号を取得したか否かを判定する。現況確認部120は、口座管理テーブル112に登録されたすべての口座番号を取得したと判定した場合、処理を終了する。また、現況確認部120は、口座管理テーブル112に登録されたすべての口座番号を取得していないと判定した場合、処理をステップS11に進める。
【0072】
このように、現況確認部120は、マイナンバー管理サーバ200に現況確認を依頼することで、マイナンバーの現況情報を取得する。現況確認部120は、取得した現況情報から、マイナンバーに対応する人物が死亡しているか否かを判定する。そして、口座凍結部140は、現況確認部120によって死亡していると判定された口座を凍結する。
【0073】
ここで、名義人が死亡したとしても役所への死亡届は提出されるが、銀行への死亡届は提出されないことがある。そこで、現況確認部120は、自治体サーバ20から死亡届に基づく情報を取得しているマイナンバー管理サーバ200からマイナンバーの現況情報を取得し、マイナンバーの現況情報に基づいて、名義人の死亡を判定する。これにより、現況確認部120は、銀行への届出等なしに名義人が死亡した口座を特定することができる。よって、口座凍結部140は、名義人が死亡した口座を効率的に凍結することができる。
【0074】
また、名義人が死亡した場合、口座が利用されなくなる。現況確認部120は、利用判定部130によって直近の口座利用なしと判定された口座について、マイナンバー管理サーバ200に現況確認を依頼する。これにより、現況確認部120は、名義人が死亡している可能性が高い口座についてのみ、マイナンバー管理サーバ200に現況確認を依頼するため、処理負荷を軽減できる。
【0075】
次に、口座利用判定処理の手順について説明する。
図10は、口座利用判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0076】
[ステップS31]利用判定部130は、対象の口座に対して、年金振込判定処理を実行する。年金振込判定処理の詳細については後述する(図11参照)。利用判定部130は、対象の口座が年金振込口座の場合、利用ありまたは利用なしを出力する。
【0077】
[ステップS32]利用判定部130は、対象の口座に対して、公共料金支払判定処理を実行する。公共料金支払判定処理の詳細については後述する(図12参照)。利用判定部130は、対象の口座が公共料金支払口座の場合、利用ありまたは利用なしを出力する。
【0078】
[ステップS33]利用判定部130は、対象の口座に対して、所定期間利用判定処理を実行する。所定期間利用判定処理の詳細については後述する(図13参照)。利用判定部130は、対象の口座について、利用ありまたは利用なしを出力する。
【0079】
[ステップS34]利用判定部130は、年金振込判定処理、公共料金支払判定処理および所定期間利用判定処理の出力から、利用有無の総合結果を判定する。例えば、利用判定部130は、年金振込判定処理、公共料金支払判定処理および所定期間利用判定処理のいずれかの出力が利用ありの場合、総合結果は利用ありと判定し、すべての出力が利用なしまたは出力なしの場合、総合結果は利用なしと判定してもよい。また、例えば、利用判定部130は、年金振込判定処理、公共料金支払判定処理および所定期間利用判定処理のいずれかの出力が利用なしの場合、総合結果は利用なしと判定し、すべての出力が利用ありまたは出力なしの場合、総合結果は利用ありと判定してもよい。
【0080】
このようにして、利用判定部130は、年金振込判定処理、公共料金支払判定処理および所定期間利用判定処理を実行し、それぞれの出力から、利用有無の総合結果を判定する。次に、年金振込判定処理の手順について説明する。
【0081】
図11は、年金振込判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS41]利用判定部130は、対象の口座が年金振込口座であるか否かを判定する。例えば、利用判定部130は、口座管理テーブル112の対象の口座のレコードの年金振込の項目に「1」が設定されている場合、対象の口座が年金振込口座であると判定し、「0」が設定されている場合、対象の口座が年金振込口座ではないと判定する。利用判定部130は、対象の口座が年金振込口座であると判定した場合、処理をステップS42に進める。また、利用判定部130は、対象の口座が年金振込口座ではないと判定した場合、処理を終了する。
【0082】
[ステップS42]利用判定部130は、入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・のうち、対象の口座の入出金履歴テーブルから直近2ヶ月の情報を取得する。例えば、利用判定部130は、対象の口座の入出金履歴テーブルの日付の項目に直近2ヶ月の日付が設定されたレコードを抽出する。
【0083】
[ステップS43]利用判定部130は、直近2ヶ月に年金振込があったか否かを判定する。例えば、利用判定部130は、ステップS42で抽出したレコードに、入出金内容の項目に年金振込の入金がされたことを示す情報が設定されたレコードが含まれる場合、直近2ヶ月に年金振込があったと判定する。利用判定部130は、直近2ヶ月に年金振込があったと判定した場合、処理をステップS44に進める。利用判定部130は、直近2ヶ月に年金振込がなかったと判定した場合、処理をステップS45に進める。
【0084】
[ステップS44]利用判定部130は、口座利用ありと判定し、年金振込判定処理における口座利用ありを出力する。そして、処理が終了する。
[ステップS45]利用判定部130は、口座利用なしと判定し、年金振込判定処理における口座利用なしを出力する。
【0085】
このようにして、利用判定部130は、2ヶ月おきの年金の入金が年金振込口座の入出金履歴テーブルに記録されているか否かに応じて、口座利用の有無を判定する。年金は受給している人物が死亡すると停止するため、年金の入金が止まった口座の名義人は死亡した可能性がある。よって、利用判定部130は、名義人が死亡している可能性が高い口座を精度良く絞り込むことができる。
【0086】
次に、公共料金支払判定処理の手順について説明する。
図12は、公共料金支払判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0087】
[ステップS51]利用判定部130は、対象の口座が公共料金支払口座であるか否かを判定する。例えば、利用判定部130は、口座管理テーブル112の対象の口座のレコードの公共料金支払の項目に「1」が設定されている場合、対象の口座が公共料金支払口座であると判定し、「0」が設定されている場合、対象の口座が公共料金支払口座ではないと判定する。利用判定部130は、対象の口座が公共料金支払口座であると判定した場合、処理をステップS52に進める。また、利用判定部130は、対象の口座が公共料金支払口座ではないと判定した場合、処理を終了する。
【0088】
[ステップS52]利用判定部130は、入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・のうち、対象の口座の入出金履歴テーブルから直近1ヶ月の情報を取得する。例えば、利用判定部130は、対象の口座の入出金履歴テーブルの日付の項目に直近1ヶ月の日付が設定されたレコードを抽出する。
【0089】
[ステップS53]利用判定部130は、直近1ヶ月に公共料金支払があったか否かを判定する。例えば、利用判定部130は、ステップS52で抽出したレコードに、入出金内容の項目に公共料金支払の出金がされたことを示す情報が設定されたレコードが含まれる場合、直近1ヶ月に公共料金支払があったと判定する。利用判定部130は、直近1ヶ月に公共料金支払があったと判定した場合、処理をステップS54に進める。利用判定部130は、直近1ヶ月に公共料金支払がなかったと判定した場合、処理をステップS55に進める。
【0090】
[ステップS54]利用判定部130は、口座利用ありと判定し、公共料金支払判定処理における口座利用ありを出力する。そして、処理が終了する。
[ステップS55]利用判定部130は、口座利用なしと判定し、公共料金支払判定処理における口座利用なしを出力する。
【0091】
このようにして、利用判定部130は、1ヶ月おきの公共料金支払の出金が公共料金支払口座の入出金履歴テーブルに記録されているか否かに応じて、口座利用の有無を判定する。公共料金の支払は公共サービスを受けている人物が死亡すると停止するため、公共料金支払の出金が止まった口座の名義人は死亡した可能性がある。よって、利用判定部130は、名義人が死亡している可能性が高い口座を精度良く絞り込むことができる。
【0092】
次に、所定期間利用判定処理の手順について説明する。
図13は、所定期間利用判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0093】
[ステップS61]利用判定部130は、入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・のうち、対象の口座の入出金履歴テーブルから直近6ヶ月の情報を取得する。例えば、利用判定部130は、対象の口座の入出金履歴テーブルの日付の項目に直近6ヶ月の日付が設定されたレコードを抽出する。
【0094】
[ステップS62]利用判定部130は、直近6ヶ月に入出金があったか否かを判定する。例えば、利用判定部130は、ステップS61でレコードが1つ以上抽出された場合、直近6ヶ月に入出金があったと判定する。利用判定部130は、直近6ヶ月に入出金があったと判定した場合、処理をステップS63に進める。利用判定部130は、直近6ヶ月に入出金がなかったと判定した場合、処理をステップS64に進める。
【0095】
[ステップS63]利用判定部130は、口座利用ありと判定し、所定期間利用判定処理における口座利用ありを出力する。そして、処理が終了する。
[ステップS64]利用判定部130は、口座利用なしと判定し、所定期間利用判定処理における口座利用なしを出力する。
【0096】
このようにして、利用判定部130は、6ヶ月以内の利用が口座の入出金履歴テーブルに記録されているか否かに応じて、口座利用の有無を判定する。名義人が死亡した場合、口座は利用されなくなるため、利用判定部130は、名義人が死亡している可能性が高い口座を絞り込むことができる。なお、上記の例では、利用判定部130は、6ヶ月以内の利用について判定したが、他の所定の期間(例えば、1ヶ月や1年等)以内の利用について判定してもよい。
【0097】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、所定期間の口座の利用の有無が判定されていた。しかし、口座を利用する頻度は、名義人ごとに異なることが多い。
【0098】
そこで、第3の実施の形態では、第2の実施の形態の所定期間利用判定処理に代えて、以下の利用頻度判定処理が実行される。なお、第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様の符号を用いることがある。
【0099】
図14は、利用頻度判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS71]利用判定部130は、入出金履歴テーブル113-1,113-2,・・・のうち、対象の口座の入出金履歴テーブルから直近1年の情報を取得する。例えば、利用判定部130は、対象の口座の入出金履歴テーブルの日付の項目に直近1年の日付が設定されたレコードを抽出する。
【0100】
[ステップS72]利用判定部130は、平均利用頻度を算出する。例えば、利用判定部130は、ステップS71で抽出したレコードの、日付の項目に設定された日付の間隔の平均を算出する
[ステップS73]利用判定部130は、最後の利用が平均利用頻度内か否かを判定する。例えば、利用判定部130は、ステップS71で抽出したレコードの日付の項目に設定された日付のうち、最も新しい日付と現在までの期間がステップS72で算出した平均利用頻度以下である場合、最後の利用が平均利用頻度内と判定する。利用判定部130は、最後の利用が平均利用頻度内と判定した場合、処理をステップS74に進める。利用判定部130は、最後の利用が平均利用頻度外と判定した場合、処理をステップS75に進める。
【0101】
[ステップS74]利用判定部130は、口座利用ありと判定し、利用頻度判定処理における口座利用ありを出力する。そして、処理が終了する。
[ステップS75]利用判定部130は、口座利用なしと判定し、利用頻度判定処理における口座利用なしを出力する。
【0102】
このようにして、利用判定部130は、最後の利用が平均利用頻度内か否かに応じて、口座利用の有無を判定する。これにより、利用判定部130は、名義人が口座を頻繁に利用する場合、名義人が利用していない期間が短期間であっても平均利用頻度よりも長ければ現況確認部120によるマイナンバー管理サーバ200への現況確認の対象とすることができる。よって、現況確認部120は、頻繁に口座を利用する名義人が死亡したことを効率的に特定できる。
【0103】
また、利用判定部130は、名義人が口座をほとんど利用しない場合、名義人が利用していない期間が長期間であっても平均利用頻度よりも短ければ現況確認部120によるマイナンバー管理サーバ200への現況確認の対象から除外できる。これにより、現況確認部120は、名義人が死亡している可能性が低い口座についてのマイナンバー管理サーバ200への現況確認の依頼を削減し、処理負荷を軽減できる。このように、利用判定部130は、名義人が死亡している可能性が高い口座を精度良く絞り込むことができる。
【0104】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 サーバ
10 口座管理装置
11 記憶部
11a 対応情報
12 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14