(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088424
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】自律型ロボットシステムおよび施設管理方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230620BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20230620BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
G05D1/02 H
G06Q50/00
B25J5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203120
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平澤 園子
(72)【発明者】
【氏名】安慶 武志
(72)【発明者】
【氏名】堀内 孝治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康
(72)【発明者】
【氏名】久郷 紀之
(72)【発明者】
【氏名】石橋 達矢
【テーマコード(参考)】
3C707
5H301
5L049
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707CS08
3C707JS07
3C707JU03
3C707KS11
3C707KT01
3C707KT04
3C707WA16
3C707WA28
3C707WL02
3C707WL06
3C707WM06
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG09
5H301KK02
5H301KK08
5H301KK18
5H301KK19
5L049CC60
(57)【要約】
【課題】施設内において発生する多様な要対応状態を、自律型ロボットを活用することで、適切にかつ効率的に検知して処理することで、施設に滞在して作業を実施する人物の負担を軽減できるようにする。
【解決手段】オフィス内における人物の在席状況を管理する在席管理サーバ4と、オフィス内を自律走行すると共に対象地点の状態を検出するセンサを有するロボット1と、ロボットの動作を制御するロボット制御サーバ2と、を備え、ロボット制御サーバは、対象地点に移動するようにロボットを制御し、対象地点におけるカメラの撮影画像に基づいて、対象地点の要対応状態を検知する状態確認を実施し、要対応状態を検知した場合には、在席管理サーバから取得した滞在者情報に基づいて、施設内に滞在している人物の中から、要対応状態に必要な作業を依頼する対象者を選定して、その対象者に作業を依頼する処理を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型ロボットを制御して、施設内における要対応状態を検知して、その要対応状態に必要な作業を、施設内に滞在する人物に依頼する自律型ロボットシステムであって、
施設内における人物の滞在状況を管理する滞在管理サーバと、
施設内を自律走行すると共に対象地点の状態を検出するセンサを有する前記自律型ロボットと、
前記自律型ロボットの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記対象地点に移動するように前記自律型ロボットを制御し、
前記対象地点における前記センサの検出結果に基づいて、前記対象地点の要対応状態を検知する状態確認を実施し、
前記要対応状態を検知した場合には、前記滞在管理サーバから取得した滞在者情報に基づいて、施設内に滞在している人物の中から、前記要対応状態に必要な作業を依頼する対象者を選定して、その対象者に作業を依頼する処理を行うことを特徴とする自律型ロボットシステム。
【請求項2】
前記自律型ロボットが、前記要対応状態に必要な一部の作業を実施する機能を有し、
前記制御部は、
検知した前記要対応状態で必要な作業を前記自律型ロボットが実施できるか否かを判定し、
必要な作業を前記自律型ロボットが実施できない場合に、前記対象者を選定することを特徴とする請求項1に記載の自律型ロボットシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
所定のタイミングで前記状態確認のための移動を前記自律型ロボットに指示することを特徴とする請求項1に記載の自律型ロボットシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
複数の前記対象地点に順に移動するように前記自律型ロボットを制御し、
複数の前記対象地点における前記状態確認を順に実施することを特徴とする請求項1に記載の自律型ロボットシステム。
【請求項5】
前記制御部は、
予め設定された当番表に基づいて、施設内に滞在する人物の中から前記対象者を選定することを特徴とする請求項1に記載の自律型ロボットシステム。
【請求項6】
前記制御部は、
過去における人物ごとの作業の実施状況に関する過去実績情報に基づいて、施設内に滞在する人物の中から前記対象者を選定することを特徴とする請求項1に記載の自律型ロボットシステム。
【請求項7】
前記制御部は、
施設内に滞在する人物の中から前記対象者を無作為に選定することを特徴とする請求項1に記載の自律型ロボットシステム。
【請求項8】
前記制御部は、
対象者の位置まで移動して対象者に対する対面での作業依頼の動作を行うように前記自律型ロボットを制御することを特徴とする請求項1に記載の自律型ロボットシステム。
【請求項9】
前記制御部は、
SNSを介して対象者に対する作業依頼の通知を行うことを特徴とする請求項1に記載の自律型ロボットシステム。
【請求項10】
自律型ロボットを制御して、施設内における要対応状態を検知して、その要対応状態に必要な作業を、施設内に滞在する人物に依頼する処理を情報処理装置により行う施設管理方法であって、
対象地点に移動するように前記自律型ロボットを制御し、
前記自律型ロボットに設けられて前記対象地点の状態を検出するセンサの検出結果に基づいて、前記対象地点の要対応状態を検知する状態確認を実施し、
前記要対応状態を検知した場合には、施設内における人物の滞在状況を管理する滞在管理サーバから取得した滞在者情報に基づいて、施設内に滞在している人物の中から、前記要対応状態に必要な作業を依頼する対象者を選定して、その対象者に作業を依頼する処理を行うことを特徴とする施設管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律型ロボットを制御して、施設内における要対応状態を検知して、その要対応状態に必要な作業を、施設内に滞在する人物に依頼する自律型ロボットシステムおよび施設管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスでは、ゴミ捨て、会議室の清掃、電気製品のメンテナンスや電源のオンオフ、メールボックスに投函された郵送物の受け取りなどのように、担当業務以外の種々の作業(雑務)がある。このような作業は、出社している人物が実施するが、人物に代わって自律型ロボットが代行すると、人物の負担を軽減することができる。
【0003】
このようなオフィスにおいて必要な作業を、人物に代わって自律型ロボットが代行する技術として、従来、荷物の配送を自律型ロボットが実施する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、従来の技術は、荷物の配送を自律型ロボットが代行するものであるが、オフィス内おいて何らかの対応が必要な要対応状態は多様である。また、ゴミ捨てや会議室の清掃などのように自律型ロボットが代行することが難しい作業もある。このため、作業そのものを自律型ロボットに実施させる以外に、自律型ロボットを活用することで、施設内において発生する多様な要対応状態を、適切にかつ効率的に検知して処理することができる技術が望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、施設内において発生する多様な要対応状態を、自律型ロボットを活用することで、適切にかつ効率的に検知して処理することで、施設に滞在して作業を実施する人物の負担を軽減することができる自律型ロボットシステムおよび施設管理方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の自律型ロボットシステムは、自律型ロボットを制御して、施設内における要対応状態を検知して、その要対応状態に必要な作業を、施設内に滞在する人物に依頼する自律型ロボットシステムであって、施設内における人物の滞在状況を管理する滞在管理サーバと、施設内を自律走行すると共に対象地点の状態を検出するセンサを有する前記自律型ロボットと、前記自律型ロボットの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記対象地点に移動するように前記自律型ロボットを制御し、前記対象地点における前記センサの検出結果に基づいて、前記対象地点の要対応状態を検知する状態確認を実施し、前記要対応状態を検知した場合には、前記滞在管理サーバから取得した滞在者情報に基づいて、施設内に滞在している人物の中から、前記要対応状態に必要な作業を依頼する対象者を選定して、その対象者に作業を依頼する処理を行う構成とする。
【0008】
また、本発明の施設管理方法は、自律型ロボットを制御して、施設内における要対応状態を検知して、その要対応状態に必要な作業を、施設内に滞在する人物に依頼する処理を情報処理装置により行う施設管理方法であって、対象地点に移動するように前記自律型ロボットを制御し、前記自律型ロボットに設けられて前記対象地点の状態を検出するセンサの検出結果に基づいて、前記対象地点の要対応状態を検知する状態確認を実施し、前記要対応状態を検知した場合には、施設内における人物の滞在状況を管理する滞在管理サーバから取得した滞在者情報に基づいて、施設内に滞在している人物の中から、前記要対応状態に必要な作業を依頼する対象者を選定して、その対象者に作業を依頼する処理を行う構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施設内において発生する多様な要対応状態を、自律型ロボットを活用することで、適切にかつ効率的に検知して処理することで、施設に滞在して作業を実施する人物の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る施設管理システムの全体構成図
【
図5】ロボットおよびロボット制御サーバの概略構成を示すブロック図
【
図6】管理者端末に表示される設定画面を示す説明図
【
図7】管理者端末に表示される設定画面を示す説明図
【
図8】管理者端末に表示される設定画面を示す説明図
【
図9】管理者端末に表示される設定画面を示す説明図
【
図10】管理者端末に表示される設定画面を示す説明図
【
図11】管理者端末に表示される設定画面を示す説明図
【
図12】ロボット制御サーバで行われる処理の手順を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、自律型ロボットを制御して、施設内における要対応状態を検知して、その要対応状態に必要な作業を、施設内に滞在する人物に依頼する自律型ロボットシステムであって、施設内における人物の滞在状況を管理する滞在管理サーバと、施設内を自律走行すると共に対象地点の状態を検出するセンサを有する前記自律型ロボットと、前記自律型ロボットの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記対象地点に移動するように前記自律型ロボットを制御し、前記対象地点における前記センサの検出結果に基づいて、前記対象地点の要対応状態を検知する状態確認を実施し、前記要対応状態を検知した場合には、前記滞在管理サーバから取得した滞在者情報に基づいて、施設内に滞在している人物の中から、前記要対応状態に必要な作業を依頼する対象者を選定して、その対象者に作業を依頼する処理を行う構成とする。
【0012】
これによると、施設内において発生する多様な要対応状態を、自律型ロボットを活用することで、適切にかつ効率的に検知して処理することで、施設に滞在して作業を実施する人物の負担を軽減することができる。なお、制御部は、自律型ロボットに一体的に構成されてもよく、また、ロボット制御用のサーバ装置として自律型ロボットとは別体に構成されてもよい。
【0013】
また、第2の発明は、前記自律型ロボットが、前記要対応状態に必要な一部の作業を実施する機能を有し、前記制御部は、検知した前記要対応状態で必要な作業を前記自律型ロボットが実施できるか否かを判定し、必要な作業を前記自律型ロボットが実施できない場合に、前記対象者を選定する構成とする。
【0014】
これによると、必要な作業を自律型ロボットが実施できる場合には、自律型ロボットが作業を実施するため、施設内に滞在する人物の負担を軽減することができる。
【0015】
また、第3の発明は、前記制御部は、所定のタイミングで前記状態確認のための移動を前記自律型ロボットに指示する構成とする。
【0016】
これによると、適切なタイミングで状態確認を実施することができる。なお、管理者や他のシステムからの状態確認のリクエストに応じて、状態確認のための移動を自律型ロボットに指示するものとしてもよい。
【0017】
また、第4の発明は、前記制御部は、複数の前記対象地点に順に移動するように前記自律型ロボットを制御し、複数の前記対象地点における前記状態確認を順に実施する構成とする。
【0018】
これによると、複数の対象地点を通るように自律型ロボットを巡回させることで、複数の対象地点の状態確認を効率よく実施することができる。
【0019】
また、第5の発明は、前記制御部は、予め設定された当番表に基づいて、施設内に滞在する人物の中から前記対象者を選定する構成とする。
【0020】
これによると、当番表に基づいて適切な対象者を選定することができ、一部の人物に負担が偏るのを防ぐことができる。
【0021】
また、第6の発明は、前記制御部は、過去における人物ごとの作業の実施状況に関する過去実績情報に基づいて、施設内に滞在する人物の中から前記対象者を選定する構成とする。
【0022】
これによると、過去実績に基づいて適切な対象者を選定することができ、一部の人物に負担が偏るのを防ぐことができる。
【0023】
また、第7の発明は、前記制御部は、施設内に滞在する人物の中から前記対象者を無作為に選定する構成とする。
【0024】
これによると、対象者を簡易に選定すると共に、一部の人物に負担が偏るのを防ぐことができる。
【0025】
また、第8の発明は、前記制御部は、対象者の位置まで移動して対象者に対する対面での作業依頼の動作を行うように前記自律型ロボットを制御する構成とする。
【0026】
これによると、対象者に作業を確実に依頼することができる。この場合、自律型ロボットでは、作業依頼の画面をディスプレイに表示させたり、作業依頼の音声をスピーカーから出力させたりすることができる。
【0027】
また、第9の発明は、前記制御部は、SNSを介して対象者に対する作業依頼の通知を行う構成とする。
【0028】
これによると、対象者に作業を確実に依頼することができる。この場合、例えばSNSのチャットサービスを利用することができる。また、電子メールを利用してもよい。
【0029】
また、第10の発明は、自律型ロボットを制御して、施設内における要対応状態を検知して、その要対応状態に必要な作業を、施設内に滞在する人物に依頼する処理を情報処理装置により行う施設管理方法であって、対象地点に移動するように前記自律型ロボットを制御し、前記自律型ロボットに設けられて前記対象地点の状態を検出するセンサの検出結果に基づいて、前記対象地点の要対応状態を検知する状態確認を実施し、前記要対応状態を検知した場合には、施設内における人物の滞在状況を管理する滞在管理サーバから取得した滞在者情報に基づいて、施設内に滞在している人物の中から、前記要対応状態に必要な作業を依頼する対象者を選定して、その対象者に作業を依頼する処理を行う構成とする。
【0030】
これによると、第1の発明と同様に、施設内において発生する多様な要対応状態を、自律型ロボットを活用することで、適切にかつ効率的に検知して処理することで、施設に滞在して作業を実施する人物の負担を軽減することができる。
【0031】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る施設管理システムの全体構成図である。
【0033】
本システム(自律型ロボットシステム)は、オフィス(施設)内において、何らかの対応が必要な要対応状態を、ロボット1(自律型ロボット)を利用して検知して、その要対応状態に必要な作業を、オフィス内に滞在する人物に依頼するものである。本システムは、ロボット1と、ロボット制御サーバ2(制御部、情報処理装置)と、カメラ3と、在席管理サーバ4(滞在管理サーバ)と、顔照合サーバ5と、クラウドサーバ6と、ユーザ端末7と、管理者端末8を備えている。ロボット制御サーバ2、カメラ3、在席管理サーバ4、顔照合サーバ5、クラウドサーバ6、ユーザ端末7、および管理者端末8はネットワークを介して接続されている。
【0034】
ロボット1は、自律走行可能に構成される。ロボット1は、ロボット制御サーバ2の指示に応じてオフィス内を移動する。ロボット1は、カメラ11(センサ)を備える。カメラ11は、ロボット1の周囲を撮影する。
【0035】
ロボット制御サーバ2は、ロボット1の動作を制御する。ロボット制御サーバ2は、所定のトリガ事象が検知されると、オフィス内の所定の対象地点にロボット1が移動して、カメラ11により対象地点を撮影するようにロボット1に指示する。ロボット制御サーバ2は、ロボット1から取得したカメラ画像に基づいて、対象地点における要対応状態を検知する状態確認を行う。ロボット制御サーバ2は、要対応状態が検知された場合に、その要対応状態に必要な作業を実施する対象者を、オフィス内に滞在する人物の中から選定して、その対象者に対して作業を依頼する。
【0036】
カメラ3は、オフィス内の適所(例えば入口や天井)に設置され、オフィス内に滞在する人物を撮影する。カメラ3の撮影画像は在席管理サーバ4で利用され、カメラ3は、在席管理サーバ4と共に在席管理システムを構成する。
【0037】
在席管理サーバ4は、カメラ3の撮影画像に基づいて、オフィス内での人物の在席状況を管理する。また、在席管理サーバ4は、配信サーバの機能を有し、オフィス内における人物の在席状況に関する在席情報(在席マップ等)をユーザ端末7に配信する。これにより、人物がどこに席をとったか、また、人物が今在席しているかどうかを、別の人物が確認することができる。なお、在席管理の対象とするオフィスは、人物が執務席を自由に選択して執務を行うフリーアドレス制のオフィスであってもよく、また、固定席のオフィスであってもよい。
【0038】
顔照合サーバ5は、カメラ3による撮影画像に基づいて、オフィスに在席している人物を特定する顔照合を行う。顔照合サーバ5で行われる顔照合の結果を用いて在席管理サーバ4においてオフィス内に在席中の人物が特定される。なお、ロボット1が、オフィスに在席している人物を撮影し、その撮影画像を用いて顔照合サーバ5で行われる顔照合の結果が在席管理サーバ4で利用されるようにしてもよい。
【0039】
クラウドサーバ6は、SNSを提供するものである。ユーザは、ユーザ端末7を利用してSNSに参加することができる。ユーザ端末7にはSNSアプリケーションがインストールされている。クラウドサーバ6は、ユーザ端末7と共に、SNSシステムを構成する。具体的には、クラウドサーバ6は、ユーザ端末7を利用したチャットサービスを制御する。
【0040】
ユーザ端末7は、オフィス内に滞在する人物、特にオフィス内の執務席に在席する人物(ユーザ)が操作する。ユーザ端末7は、PCやタブレット端末などで構成される。ユーザ端末7では、クラウドサーバ6により提供されるチャットサービスを利用することができる。
【0041】
管理者端末8は、管理者が操作する。管理者端末8には、ロボット制御サーバ2や在席管理サーバ4などに関する設定画面が表示され、管理者が各種の設定操作を行うことができる。
【0042】
なお、本実施形態では、ロボット1を制御する制御部として、ロボット制御サーバ2が設けられた構成について説明するが、ロボット1自身が、自装置を制御する制御部を備える、すなわち、ロボット制御サーバ2の機能を備える構成であってもよい。
【0043】
また、本実施形態では、在席管理サーバ4が、オフィス内での人物の在席状況を管理するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、オフィスに対する人物の入室(出社)および退室(退社)を管理する入退管理サーバでもよい。さらに、オフィス内での人物の滞在状況、すなわち、オフィス内に滞在している人物を管理する滞在管理サーバでもよい。
【0044】
また、本実施形態では、顔照合サーバ5を設けて、オフィス内に在席する人物を特定する顔照合を行うものとしたが、顔照合以外の認証、例えば、ICカードによる認証などにより、オフィス内に在席する人物が特定されるものとしてもよい。また、ロボット制御サーバ2や在席管理サーバ4が顔照合サーバ5を兼用する構成でもよい。
【0045】
次に、ロボット1の概略構成について説明する。
図2は、ロボット1の概略構成を示す説明図である。
【0046】
ロボット1は、カメラ11と、スピーカー12と、ディスプレイ13と、走行部14と、コントローラ15とを備えている。
【0047】
カメラ11は、コントローラ15の制御にしたがって、ロボット1の周辺を撮影する。
【0048】
スピーカー12は、コントローラ15の制御にしたがって、各種の案内や通知などの音声を出力する。
【0049】
ディスプレイ13は、コントローラ15の制御にしたがって、各種の案内や通知などの画面を表示する。
【0050】
走行部14は、車輪およびモータなどを備える。走行部14は、コントローラ15の制御にしたがって、目的地に移動するために自律走行を行う。
【0051】
コントローラ15は、ロボット制御サーバ2からの動作指示に基づいて、ロボット1の各部を制御する。
【0052】
ここで、本実施形態では、
図2(A)に示すように、オフィス内において予め指定された対象地点が、ロボット1のカメラ11により撮影され、状態確認処理として、カメラ画像に基づいて対象地点が要対応状態であるか否かが判定される。
図2(A)に示す例では、ゴミ箱が対象地点に設定されている。この対象地点では、状態確認処理として、ゴミ捨ての作業の要否が判定され、要対応状態として、ゴミ箱があふれてゴミ捨てが必要な状態が検知される。
【0053】
この他に、オフィス内で執務を行う人物によるメンテナンスが必要な電気製品が対象地点に設定されてもよい。この場合、例えばコピー機などの事務機器であれば、用紙の補充やトナーの交換などの作業が必要な要対応状態が検知される。また、空気清浄機であれば、水の補充やフィルターの清掃などの作業が必要な要対応状態が検知される。
【0054】
また、電源のオンオフ操作が必要な電気製品(例えばエアコンやPC)が対象地点に設定されてもよい。この場合、オフィスで執務を行う人物がいるか否かに応じて、電源のオンオフ操作の作業が必要な要対応状態が検知される。
【0055】
また、メールボックスが対象地点に設定されてもよい。この場合、投函された郵送物の受け取りが必要な要対応状態が検知される。
【0056】
また、会議室が対象地点に設定されてもよい。この場合、テーブルや床などの清掃が必要な要対応状態が検知される。
【0057】
また、本実施形態では、要対応状態が検知されて、作業を実施する対象者が選定されると、
図2(B)に示すように、ロボット1が対象者のところに移動して、ロボット1が対面で対象者に作業を依頼することができる。このとき、作業依頼の画面がディスプレイ13に表示される。また、作業依頼の音声がスピーカー12から出力される。
【0058】
なお、本実施形態では、対象地点の状態を検出するセンサとしてカメラ11がロボット1に設けられて、検出結果としてのカメラ画像に基づいて対象地点の要対応状態を検知するようにしたが、対象地点の状態を検出するセンサはカメラ11に限定されない。
【0059】
また、ロボット1は、コントローラ15の制御にしたがって、物体を保持するマニピュレーターを備えていてもよい。これにより、ロボット1が人物と協働で作業を行うことができる。例えば、ゴミ捨ての作業が必要な場合には、人物が、ゴミ箱のゴミをゴミ袋に詰め込む作業を行い、ロボット1が、ゴミ袋をゴミ置き場に運ぶ作業を行うことができる。
【0060】
次に、本システムの概要について説明する。
図3,
図4は、本システムの概要を示す説明図である。
【0061】
ロボット制御サーバ2は、対象地点の状態確認のために、ロボット1がホームポジション(待機位置)から予め指定された対象地点(チェックポイント)に移動するようにロボット1を制御し、ロボット1が対象地点に到着すると、対象地点をカメラ11で撮影するようにロボット1を制御して、対象地点のカメラ画像を取得し、その対象地点のカメラ画像に基づいて対象地点における要対応状態を検知する。
【0062】
また、ロボット制御サーバ2は、所定のトリガ事象を検知すると、状態確認のための移動をロボット1に指示する。本実施形態では、トリガ事象として、状態確認のリクエストを受信した場合に、状態確認のための移動をロボット1に指示する。また、トリガ事象として、指定された時刻になった場合に、状態確認のための移動をロボット1に指示する。トリガ事象は管理者により設定される。なお、トリガ事象は1つのみが設定されてもよく、また、複数のトリガ事象が設定されて、いずれかのトリガ事象が検知されると、ロボット1に対する状態確認のための移動が指示されてもよい。
【0063】
ここで、トリガ事象となる状態確認のリクエストは、例えば、管理者が管理者端末8において状態確認を指示する操作を行った場合に、管理者端末8からロボット制御サーバ2に送信される。また、管理者以外の人物がユーザ端末7を操作することで、状態確認のリクエストがユーザ端末7からロボット制御サーバ2に送信されるようにしてもよい。また、状態確認のリクエストは、別の監視システムで所定の事象を検知した場合に出力されるものであってもよい。
【0064】
一方、指定された時刻になったことがトリガ事象となる場合には、ロボット1の出動のスケジュールが設定される。スケジュールには、出動の時刻、および出動先としての対象地点などが登録される。スケジュールは、管理者により設定される。これにより、ロボット制御サーバ2は、スケジュールに基づいて状態確認のための移動をロボット1に指示し、指定された時刻に指定された対象地点の状態確認を実施する。
【0065】
また、本実施形態では、ロボット制御サーバ2が、ロボット1がオフィス内を巡回して1回の出動機会に複数の対象地点を通るようにするロボット1を制御する。すなわち、複数の対象地点を順に移動するようにロボット1を制御して、複数の対象地点におけるカメラ画像に基づいて、複数の対象地点の要対応状態を検知する状態確認を順に実施する。
【0066】
なお、ロボット1の1回の出動機会に1つの対象地点だけの状態確認が行われてもよい。また、トリガ事象としての状態確認のリクエストにおいて対象地点が指定されてもよい。
【0067】
ロボット制御サーバ2は、対象地点を撮影したカメラ画像をロボット1から取得して、そのカメラ画像に基づいて、要対応状態を検知する。ロボット制御サーバ2は、要対応状態が検知されると、その要対応状態の改善に必要な作業をロボット1が実施できるか否かを判定し、必要な作業をロボット1が実施できる場合には、人物に代わってロボット1が作業を実施する。
【0068】
例えば、オフィスに設置された電気製品(エアコンや空気清浄機など)の電源のオンオフが必要な場合に、ロボット1が、電気製品を操作するリモコンの信号を送信できる機能を備えていれば、ロボット1単体で電気製品の電源のオンオフが可能である。また、電気製品(例えばコピー機などの事務機器)において表示パネル(操作パネル)の表示状態から、オフィスで執務を行う人物で対応できない故障が検知された場合には、ロボット1が、適宜な通信手段を用いて、担当の事業所に保守サービスの要請を行うことができる。
【0069】
ロボット制御サーバ2は、検知された要対応状態の改善に必要な作業をロボット1が実施できない場合には、作業依頼の対象者を選定する。このとき、ロボット制御サーバ2は、在席管理サーバ4から提供される在席者情報(滞在者情報)に基づいて、オフィスに在席している人物(出社している人物)の中から対象者を選定する。
【0070】
ロボット制御サーバ2は、対象者が選定されると、対象者に作業を依頼する。本実施形態では、SNSを利用して対象者に作業を依頼することができる。この場合、
図3に示すように、ロボット制御サーバ2から作業依頼の通知がクラウドサーバ6を経由して対象者のユーザ端末7に送信される。
【0071】
ユーザ端末7には、SNSアプリケーションによる作業依頼の画面(チャットサービスの画面)が表示される。作業依頼の画面には、作業依頼のメッセージが表示される。これにより、対象者が、作業依頼の内容を把握することができる。また、作業依頼の画面には、対象地点(例えばゴミ箱)を撮影したカメラ画像が表示される。これにより、対象者が、現場の位置や状況を容易に確認することができる。また、作業依頼の画面では、対象者が、作業依頼を承諾する場合には、その旨のメッセージを入力して返信し、作業依頼を断る場合には、その旨のメッセージを入力して返信する。これにより、ロボット制御サーバ2が、対象者が作業依頼を承諾したか否かを確認することができる。
【0072】
なお、SNSを利用した作業依頼は、チャットサービスを利用して行われる他に、電子メールなどの別のサービスを利用して行われてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、ロボット1が対面で対象者に作業を依頼することができる。この場合、
図4に示すように、ロボット制御サーバ2から作業依頼の指示がロボット1に送信される。作業依頼の指示では、ロボット1が対象者の場所に移動して、対象者に対して対面で対応依頼の動作を行うようにロボット1が制御される。
【0074】
ロボット1では、作業依頼の画面がディスプレイ13に表示される。作業依頼の画面では、作業依頼の文字が表示される。これにより、対象者が、作業依頼の内容を把握することができる。また、作業依頼の画面には、対象地点(例えばゴミ箱)を撮影したカメラ画像が表示される。これにより、対象者が、現場の位置や状況を容易に確認することができる。また、作業依頼の画面には、「承諾する」のボタンと「断る」のボタンとが設けられている。対象者は、作業依頼を承諾する場合には、「承諾する」のボタンを操作し、作業依頼を断る場合には、「断る」のボタンを操作する。これにより、ロボット制御サーバ2が、対象者が作業依頼を承諾したか否かを確認することができる。なお、作業依頼の画面には、対象地点や作業内容を詳細に説明する文字が表示されてもよい。
【0075】
また、ロボット1では、作業依頼の音声がスピーカー12から出力される。これにより、対象者が、作業依頼の内容を素早く把握することができる。なお、作業依頼を承諾するか断るかの返事の音声を対象者に発話させて、その返事の音声に対する音声認識により、ロボット制御サーバ2が、対象者が作業依頼を承諾したか否かを確認してもよい。
【0076】
なお、管理者による設定に応じて、SNSを利用して対象者に作業を依頼する方法と、ロボット1が対面で対象者に作業を依頼する方法とのいずれかが実施されるものとしてもよい。
【0077】
また、複数の対象地点の状態確認を効率よく実施するため、複数の対象地点に順に移動するようにロボット1にオフィス内を巡回させることができるが、巡回の途中、すなわち、次の対象地点に移動している最中に、状態確認が行われてもよい。この場合、例えば、カメラ画像に対する画像認識処理により、フロアに倒れている急病人や怪我人を、要対応状態として検知することができる。また、急病人や怪我人が検知された場合には、ロボット1が適宜な通信手段を利用して警備員に通報してもよい。
【0078】
次に、ロボット1およびロボット制御サーバ2の概略構成について説明する。
図5は、ロボット1およびロボット制御サーバ2の概略構成を示すブロック図である。
【0079】
ロボット1は、前記のように、カメラ11と、スピーカー12と、ディスプレイ13と、走行部14と、コントローラ15とを備えている(
図2参照)。コントローラ15は、通信部16と、記憶部17と、プロセッサ18と、を備えている。
【0080】
通信部16は、ロボット制御サーバ2と通信を行う。
【0081】
記憶部17は、プロセッサ18で実行されるプログラムなどを記憶する。
【0082】
プロセッサ18は、記憶部17に記憶されたプログラムを実行することで各種の処理を行う。本実施形態では、プロセッサ18が、自律走行制御処理などを行う。
【0083】
自律走行制御処理は、プロセッサ18が、カメラ11の撮影画像や図示しない距離センサの検出結果などに基づいて、障害物を回避する進路を決定しながら、ロボット制御サーバ2から指示された目的地に向かって進行するように走行部14を制御する。
【0084】
この他に、プロセッサ18が、カメラ11を制御して、カメラ11にロボット1の周辺を撮影させる。また、プロセッサ18が、スピーカー12を制御して、各種の案内や通知などの音声をスピーカー12から出力させる。また、プロセッサ18が、ディスプレイ13を制御して、各種の案内や通知などの画面をディスプレイ13に表示させる。
【0085】
ロボット制御サーバ2は、通信部21と、記憶部22と、プロセッサ23と、を備えている。
【0086】
通信部21は、ロボット1、在席管理サーバ4、クラウドサーバ6、および管理者端末8と通信を行う。
【0087】
記憶部22は、プロセッサ23で実行されるプログラムなどを記憶する。また、記憶部22は、在席者情報、メンバ情報、グループ情報、当番表情報、および過去実績情報を記憶する。
【0088】
ここで、在席者情報は、オフィスに在席している人物に関する情報である。メンバ情報は、作業依頼の対象者となり得る人物(メンバ)に関する情報である。グループ情報は、各メンバが属するグループに関する情報である。当番表情報は、所定期間(例えば1週間)ごとに当番となるグループを規定した情報である。過去実績情報は、過去における人物ごとの作業の実施状況に関する情報である。在席者情報は、在席管理サーバ4から取得される。メンバ情報、グループ情報、および当番表情報は、予め管理者により設定される。過去実績情報は、作業実績管理処理P6で生成される。
【0089】
プロセッサ23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することで各種の処理を行う。本実施形態では、プロセッサ23が、走行制御処理P1、状態確認処理P2、ロボット代行判定処理P3、対象者選定処理P4、作業依頼処理P5、作業実績管理処理P6、および設定管理処理P7などを行う。
【0090】
走行制御処理P1では、プロセッサ23が、ロボット1の動作を制御する。具体的には、状態確認のための対象地点や、作業依頼の対象者の位置を目標位置に設定して、ホームポジション(待機位置)から目標位置に移動するようにロボット1を制御し、また、ホームポジションに戻るようにロボット1を制御する。
【0091】
状態確認処理P2では、プロセッサ23が、ロボット1にカメラ11で対象地点を撮影するように指示し、ロボット1から取得したカメラ画像に基づいて、対象地点の要対応状態を検知する。状態確認処理P2では、ディープラーニングなどの機械学習により構築された画像認識エンジン(機械学習モデル)が用いられるようにしてもよい。また、状態確認処理P2は、所定のトリガ事象を検知した場合、すなわち、状態確認のリクエストを受信した場合や、指定された時刻になった場合に、実施される。なお、電気製品を対象にした状態確認処理P2では、電気製品の表示パネル(操作パネル)が撮影された画像に対する画像認識処理により、エラーランプの点灯やディスプレイのエラー表示から要対応状態を検知することができる。
【0092】
ロボット代行判定処理P3では、プロセッサ23が、要対応状態が検知された場合に、その要対応状態の改善に必要な作業をロボット1が実施できるか否かを判定する。必要な作業をロボット1が実施できる場合には、人物に代わってロボット1が作業を実施するようにロボット1が制御される。
【0093】
対象者選定処理P4では、プロセッサ23が、在席管理サーバ4から取得した在席者情報に基づいて、オフィスに在席している人物(出社している人物)の中から、作業依頼の対象者を選定する。本実施形態では、管理者による設定に応じて、当番表選定処理P11と抽選選定処理P12と過去実績選定処理P13とのいずれかが実施される。なお、ここでは、対象者選定処理P4として、オフィスに在席している人物の中から一人の対象者を選定することが想定されるが、複数人の対象者を選定できるものとしてもよい。
【0094】
当番表選定処理P11では、プロセッサ23が、オフィスに在席している人物の中から、当番表に基づいて対象者を選定する。当番表には、所定期間(例えば1週間)ごとに当番となるグループが規定されており、当日に当番となるグループに属する人物で、かつオフィスに在席している人物が対象者として選定される。
【0095】
抽選選定処理P12では、プロセッサ23が、オフィスに在席している人物の中から対象者を無作為(任意)に選定する。また、抽選選定処理では、人物ごとに優先度が設定され、優先度の高い人物が優先して選定される。
【0096】
過去実績選定処理P13では、プロセッサ23が、過去における人物ごとの作業の実施状況に関する過去実績情報に基づいて、オフィスに在席している人物の中から、実施頻度の低い人物(所定期間における実施回数が少ない人物)を対象者として選定する。また、過去実績選定処理では、人物ごとに優先度が設定され、優先度の高い人物が優先して選定される。
【0097】
作業依頼処理P5では、プロセッサ23が、選定された対象者のユーザ端末7に対して、作業依頼の通知を、クラウドサーバ6を経由して送信する。また、作業依頼処理P5では、プロセッサ23が、ロボット1に対して、対象者のところに移動して、対象者に対して対面で対応依頼の動作を行うように制御する。対象者は、ユーザ端末7で作業依頼の通知を受信し、また、ロボット1による対面での作業依頼を受けると、作業依頼を承諾するか否かの返事を行う。これにより、対象者が作業依頼を承諾したか否かを確認することができる。
【0098】
作業実績管理処理P6では、プロセッサ23が、人物に作業を依頼する度に、その人物が作業を実施したか否かに関する情報を収集して、その情報に基づいて、過去における人物ごとの作業の実施状況に関する過去実績情報(過去実績データベース)を更新する。
【0099】
設定管理処理P7では、プロセッサ23が、管理者の操作に応じて各種の設定情報を管理する。本実施形態では、管理者端末8に各種の設定画面(
図6~
図11参照)が表示され、この設定画面上での管理者の操作に応じて、各種の設定情報(メンバ情報、グループ情報、当番表情報など)が管理される。
【0100】
なお、本実施形態では、ロボット制御サーバ2が、ロボット1の動作以外の制御、すなわち、状態確認処理P2、ロボット代行判定処理P3、対象者選定処理P4、作業依頼処理P5、作業実績管理処理P6、および設定管理処理P7を行うものとしたが、これらの処理が、ロボット制御サーバ2とは別の装置(施設管理サーバ)で行われる構成も可能である。
【0101】
次に、管理者端末8に表示される設定画面について説明する。
図6~
図11は、管理者端末8に表示される設定画面を示す説明図である。
【0102】
まず、管理者端末8では、ロボット制御サーバ2にアクセスして対象者選定に関する設定項目を選択すると、
図6に示すメニュー画面101(初期画面)が表示される。
【0103】
図6に示すメニュー画面101には、当番表のボタン102と、抽選のボタン103と、過去実績のボタン104とが設けられている。管理者が、当番表のボタン102を操作すると、当番表選定に関する設定画面、具体的には、編集対象選択画面111(
図7(A)参照)に遷移する。また、管理者が、抽選のボタン103を操作すると、抽選選定に関する設定画面、具体的には、メンバ編集画面171(
図10(A)参照)に遷移する。また、管理者が、過去実績のボタン104を操作すると、過去実績選定に関する設定画面、具体的には、メンバ編集画面191(
図11(A)参照)に遷移する。
【0104】
次に、
図7,
図8,
図9に示す当番表選定に関する設定画面について説明する。メニュー画面101(
図6参照)において、管理者が、当番表のボタン102を操作すると、当番表選定に関する設定画面として、まず、
図7(A)に示す編集対象選択画面111に遷移する。
【0105】
図7(A)に示す編集対象選択画面111には、当番表のボタン112と、グループのボタン113と、メンバのボタン114とが設けられている。管理者が、当番表のボタン112を操作すると、
図7(B)に示す当番表編集画面121に遷移する。管理者が、グループのボタン113を操作すると、
図8(A)に示すグループ編集画面131に遷移する。管理者が、メンバのボタン114を操作すると、
図9(A)に示すメンバ編集画面151に遷移する。
【0106】
図7(B)に示す当番表編集画面121には、当番表122と、グループ選択部123とが表示される。当番表122には、各月の各週のセルが設けられている。グループ選択部123には、グループアイコン124が表示されている。管理者は、ドラッグ&ドロップの操作により、グループ選択部123のグループアイコン124を選択して、そのグループアイコン124を当番表122の各月の各週のセルのいずれかに配置する。これにより、選択したグループが所定月の所定週の当番に割り振られる。
【0107】
当番表122には、送りボタン125が設けられている。管理者が、送りボタン125を操作すると、当番表122がスクロール表示され、未表示の月のセルを表示させることができる。また、グループ選択部123には、送りボタン126が設けられている。管理者が、送りボタン126を操作すると、グループ選択部123がスクロール表示され、未表示のグループアイコン124を表示させることができる。
【0108】
また、当番表編集画面121には、ゴミ箱アイコン127が設けられている。管理者は、ドラッグ&ドロップの操作により、当番表122に配置されたグループアイコン124をゴミ箱アイコン127上に移動することで、当番表122に割り振られたグループを削除することができる。
【0109】
また、当番表編集画面121には、確定ボタン128が設けられている。管理者が、確定ボタン128を操作すると、当番表122の入力内容、すなわち、当番表122におけるグループアイコン124の配置状況に応じて各月の各週の当番に割り振られたグループに関する情報が登録される。
【0110】
図8(A)に示すグループ編集画面131には、グループ一覧表132が表示される。グループ一覧表132には、グループごとに、グループ名称、エリア、およびメンバ人数が表示されている。
【0111】
また、グループ編集画面131には、追加ボタン133と削除ボタン134とが設けられている。グループ一覧表132には、グループごとにチェックボックス135が設けられている。管理者が、チェックボックス135にチェックを入れる操作を行った上で、削除ボタン134を操作すると、該当するグループを削除することができる。
【0112】
管理者が、追加ボタン133を操作すると、
図8(B)に示すグループ登録画面141(ダイアログボックス)が表示される。グループ登録画面141には、グループ名称入力部142と、エリア入力部143と、確定ボタン144とが設けられている。管理者が、グループ名称入力部142およびエリア入力部143で入力の操作を行った上で確定ボタン144を操作すると、各部の入力内容に基づいてグループが登録され、
図8(A)に示すグループ編集画面131のグループ一覧表132にグループが追加される。
【0113】
図9(A)に示すメンバ編集画面151には、メンバ一覧表152と、検索ボックス153と、グループ選択部154とが表示される。メンバ一覧表152には、メンバごとに、名前、ドメイン、およびアドレスが表示されている。管理者が、グループ選択部154でグループを選択する操作を行うと、該当するグループに属する人物の情報がメンバ一覧表152に表示される。また、管理者が、検索ボックス153にキーワード(人物の名前など)を入力して検索を指示すると、該当するメンバの情報がメンバ一覧表152に表示される。
【0114】
また、メンバ編集画面151には、追加ボタン155と削除ボタン156とが設けられている。メンバ一覧表152には、メンバごとにチェックボックス157が設けられている。管理者が、チェックボックス157にチェックを入れる操作を行った上で、削除ボタン156を操作すると、該当するメンバを削除することができる。
【0115】
管理者が、追加ボタン155を操作すると、
図9(B)に示すメンバ登録画面161(ダイアログボックス)が表示される。メンバ登録画面161には、名前入力部162と、ドメイン入力部163と、アドレス入力部164と、確定ボタン165とが設けられている。管理者が、名前入力部162、ドメイン入力部163、およびアドレス入力部164で入力の操作を行った上で確定ボタン165を操作すると、各部の入力内容に基づいてメンバが登録され、
図9(A)に示すメンバ編集画面151のメンバ一覧表152にメンバが追加される。
【0116】
なお、管理者が、最初に当番表選定に関する設定を行う際には、まず、グループ編集画面131(
図8(A)参照)においてグループを登録し、次に、メンバ編集画面151(
図9(A)参照)においてグループごとのメンバを登録し、次に、当番表編集画面121(
図7(B)参照)において当番表にグループを登録するようにするとよい。
【0117】
次に、
図10(A),(B)に示す抽選選定に関する設定画面について説明する。この設定画面では、管理者が、抽選選定方式で作業依頼の対象者を選定する際に選定の対象となる人物を登録することができる。メニュー画面101(
図6参照)において、管理者が、抽選のボタン103を操作すると、抽選選定に関する設定画面として、まず、
図10(A)に示すメンバ編集画面171に遷移する。
【0118】
図10(A)に示すメンバ編集画面171には、メンバ一覧表172と、検索ボックス173と、が表示される。メンバ一覧表172には、メンバごとに、名前、ドメイン、アドレス、およびエリアが記載されている。管理者が、検索ボックス173にキーワード(人物の名前など)を入力して検索を指示すると、該当するメンバの情報がメンバ一覧表172に表示される。
【0119】
また、メンバ編集画面171には、追加ボタン174と削除ボタン175とが設けられている。メンバ一覧表172には、メンバごとにチェックボックス176が設けられている。管理者が、チェックボックス176にチェックを入れる操作を行った上で、削除ボタン175を操作すると、該当するメンバを削除することができる。
【0120】
管理者が、追加ボタン174を操作すると、
図10(B)に示すメンバ登録画面181(ダイアログボックス)が表示される。メンバ登録画面181には、名前入力部182と、ドメイン入力部183と、アドレス入力部184と、エリア入力部185と、優先度入力部186と、確定ボタン187とが設けられている。管理者が、名前入力部182、ドメイン入力部183、アドレス入力部184、エリア入力部185、および優先度入力部186で入力の操作を行った上で確定ボタン187を操作すると、各部の入力内容に基づいてメンバが登録され、
図10(A)に示すメンバ編集画面171のメンバ一覧表172にメンバが追加される。
【0121】
ここで、優先度は、作業依頼の対象者を選定する際の順番を決めるものであり、優先度の高い人物が優先して選定される。このため、管理者は、人物ごとに優先度を設定することで、人物ごとに選定の頻度を調整することができる。
【0122】
次に、
図11(A),(B)に示す過去実績選定に関する設定画面について説明する。この設定画面では、管理者が、過去実績選定方式で作業依頼の対象者を選定する際に選定の対象となる人物を登録することができる。メニュー画面101(
図6参照)において、管理者が、過去実績のボタン104を操作すると、過去実績選定に関する設定画面として、まず、
図11(A)に示すメンバ編集画面191に遷移する。
【0123】
図11(A)に示すメンバ編集画面191は、
図10(A)に示す抽選選定に関するメンバ編集画面171と同様に、メンバ一覧表192、検索ボックス193、追加ボタン194、削除ボタン195、およびチェックボックス196が設けられている。また、
図11(B)に示すメンバ登録画面201も、
図10(B)に示すメンバ登録画面181と同様に、名前入力部202、ドメイン入力部203、アドレス入力部204、エリア入力部205、優先度入力部206、および確定ボタン207が設けられている。
【0124】
次に、ロボット制御サーバ2で行われる処理の手順について説明する。
図12は、ロボット制御サーバ2で行われる処理の手順を示すフロー図である。
【0125】
ロボット制御サーバ2は、まず、トリガ事象を検知すると(ST101でYes)、ホームポジション(待機位置)から対象地点に移動するようにロボット1を制御する(ST102)。このとき、本実施形態では、管理者による設定に応じて、状態確認のリクエストを受信した場合と、指定された時刻になった場合とのいずれか一方または双方がトリガ事象となる。
【0126】
次に、ロボット制御サーバ2は、対象地点が要対応状態か否かを判定する(ST103)。
【0127】
ここで、対象地点が要対応状態でない場合には(ST103でNo)、ロボット制御サーバ2は、対応が不要である旨の結果を登録する(ST113)。そして、ロボット制御サーバ2は、ホームポジションに戻るようにロボット1を制御する(ST114)。なお、指定された時刻になったことをトリガ事象とした場合には、対応が不要である旨の結果の登録(ST113)は省略される。
【0128】
一方、対象地点が要対応状態である場合には(ST103でYes)、次に、ロボット制御サーバ2は、検知された要対応状態の改善に必要な作業をロボット1が実施できるか否かを判定する(ST104)。
【0129】
ここで、必要な作業をロボット1が実施できる場合には(ST104でYes)、次に、ロボット制御サーバ2は、ロボット1に必要な作業を実施するように指示する(ST105)。次に、ロボット制御サーバ2は、対応が実施済みである旨の結果を登録する(ST114)。そして、ロボット制御サーバ2は、ホームポジションに戻るようにロボット1を制御する(ST116)。
【0130】
一方、必要な作業をロボット1が実施できない場合には(ST104でNo)、次に、ロボット制御サーバ2は、予め設定された選定方法が、当番表選定、抽選選定、および過去実績選定のいずれであるかを判定する(ST106)。
【0131】
ここで、予め設定された選定方法が当番表選定である場合には(ST106で「当番表」)、ロボット制御サーバ2は、当番表選定処理を実施する(ST107)。また、予め設定された選定方法が抽選選定である場合には(ST106で「抽選」)、ロボット制御サーバ2は、抽選選定処理を実施する(ST108)。また、予め設定された選定方法が過去実績選定である場合には(ST106で「過去実績」)、ロボット制御サーバ2は、過去実績選定処理を実施する(ST109)。
【0132】
次に、ロボット制御サーバ2は、作業依頼の対象者が見つかったか否かを判定する(ST110)。
【0133】
ここで、作業依頼の対象者が見つからない場合には(ST110でNo)、ロボット制御サーバ2は、対応が未実施である旨の結果を登録する(ST113)。そして、ロボット制御サーバ2は、ホームポジションに戻るようにロボット1を制御する(ST116)。
【0134】
一方、作業依頼の対象者が見つかった場合には(ST110でYes)、対象者に対して作業を依頼する(ST111)。このとき、本実施形態では、管理者による設定に応じて、SNS経由で対象者のユーザ端末7に対して作業依頼の通知を行い、または、ロボット1が対象者の位置に移動して、対象者に対して対面で対応依頼の動作を行うようにロボット1を制御する。
【0135】
次に、ロボット制御サーバ2は、対象者から対応の可否に関する返事を受け取り、対象者から対応できる旨の返事を受けたか否かを判定する(ST112)。
【0136】
ここで、対象者から対応できる旨の返事を受けた場合には(ST112でYes)、ロボット制御サーバ2は、対応が実施済みである旨の結果を登録する(ST112)。そして、ロボット制御サーバ2は、ホームポジションに戻るようにロボット1を制御する(ST116)。
【0137】
一方、対象者から対応できない旨の返事を受けた場合には(ST112でNo)、ロボット制御サーバ2は、対応が未実施である旨の結果を登録する(ST113)。そして、ロボット制御サーバ2は、ホームポジションに戻るようにロボット1を制御する(ST116)。
【0138】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明に係る自律型ロボットシステムおよび施設管理方法は、施設内において発生する多様な要対応状態を、自律型ロボットを活用することで、適切にかつ効率的に検知して処理することで、施設に滞在して作業を実施する人物の負担を軽減することができる効果を有し、自律型ロボットを制御して、施設内における要対応状態を検知して、その要対応状態に必要な作業を人物に依頼する自律型ロボットシステムおよび施設管理方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0140】
1 ロボット(自律型ロボット)
2 ロボット制御サーバ(制御部、情報処理装置)
3 カメラ
4 在席管理サーバ(滞在管理サーバ)
5 顔照合サーバ
6 クラウドサーバ
7 ユーザ端末
8 管理者端末
11 カメラ(センサ)