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特開2023-88502ゲームプログラムおよびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088502
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/825 20140101AFI20230620BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20230620BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/69 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203282
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(57)【要約】
【課題】素材媒体を利用することできる利用権の取引を管理する。
【解決手段】進行部201は、第1仮想媒体を利用して行われる第1イベントと、第1仮想媒体と関連のある素材媒体と第3仮想媒体とを利用して第2仮想媒体を生成する第2イベントとを含むゲームを進行する。管理部202は、分散型台帳技術に基づいて、第2イベントにおいて素材媒体を利用することができる利用権と、その利用権を利用するユーザとを対応付ける。生成部203は、第2イベントにおいて、利用権を利用するユーザの指示に応じて第2仮想媒体の生成を行う。第2仮想媒体の生成は、素材媒体と関連のある第1仮想媒体の第1イベントにおけるゲーム結果の影響を受ける。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、進行部と、管理部と、生成部として機能させ、
前記進行部は、第1仮想媒体を利用して行われる第1イベントと、第2仮想媒体を生成する第2イベントとを含むゲームを進行し、
前記第2仮想媒体は、前記第1仮想媒体と関連のある素材媒体と第3仮想媒体とを利用して生成される仮想媒体であり、
前記管理部は、分散型台帳技術に基づいて、前記第2イベントにおいて前記素材媒体を利用することができる利用権と、その利用権を利用するユーザとを対応付け、
前記利用権は、利用可能な母数に上限があり、利用を要求して承認された複数のユーザが個別に利用可能な権利であり、
前記生成部は、前記第2イベントにおいて、前記利用権を利用するユーザの指示に応じて、前記素材媒体と前記第3仮想媒体とを利用した前記第2仮想媒体の生成を行い、
前記生成は、前記素材媒体と関連のある前記第1仮想媒体の前記第1イベントにおけるゲーム結果の影響を受ける
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1のゲームプログラムにおいて、
前記生成部は、前記第1仮想媒体に基づいて、複数の前記素材媒体を生成し、
前記素材媒体は、前記第2イベントにおける利用により消費される仮想媒体である
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1のゲームプログラムにおいて、
前記素材媒体は、前記第2イベントにおける利用が許可された前記第1仮想媒体であり、前記第2イベントにおいて前記利用権の利用数に応じた回数の利用が可能である
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記素材媒体は、前記第1イベントにおける利用が制限された前記第1仮想媒体と関連のある仮想媒体である
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記第3仮想媒体は、前記第1イベントにおいて利用可能であり、
前記第2仮想媒体の生成は、前記素材媒体と関連のある前記第1仮想媒体の前記第1イベントにおけるゲーム結果および前記第3仮想媒体の前記第1イベントにおけるゲーム結果の影響を受ける
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記第2仮想媒体は、所定の成功確率に応じて生成されるか否かが決定される
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項6のゲームプログラムにおいて、
前記成功確率は、時間経過または前記第2イベントにおける前記素材媒体の利用回数に応じて変化する
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記利用権は、所定期間毎に利用可能な母数が決定され、
前記第2イベントにおける前記利用権の母数は、時間経過または前記第2イベントにおける前記素材媒体の利用回数に応じて変化する
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記第1仮想媒体のパラメータは、時間経過に応じて変化し、前記パラメータが前記第1イベントにおけるゲーム結果に影響する
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記第1イベント中に前記第1仮想媒体について利用不可条件が成立すると、前記第1イベントにおいて前記第1仮想媒体が利用不可となり、且つ、前記第2イベントにおける前記素材媒体の利用に関して所定の制限が付与される
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記第2イベント中に前記素材媒体について利用不可条件が成立すると、前記第2イベントにおいて前記素材媒体が利用不可となる
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記第2仮想媒体は、前記第1イベントにおいて利用可能であり、
前記素材媒体の価値は、前記第2イベントにおける前記素材媒体の実績、および、前記素材媒体を利用して生成された前記第2仮想媒体の前記第1イベントにおける実績の少なくとも一方に応じて変化する
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記第1仮想媒体は、前記第1イベントにおいて報酬を得ることができ、
前記管理部は、
前記第1仮想媒体により得られた報酬の一部を受け取ることできる報酬受取権を複数のユーザに設定し、
前記分散型台帳技術に基づいて、前記報酬受取権と、その報酬受取権を所有するユーザとを対応付ける
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記管理部は、
前記利用権の利用を要求して承認されたユーザから所定の対価を消費させ、
前記対価の一部を受け取ることができる対価受取権を複数のユーザに設定し、
前記分散型台帳技術に基づいて、前記対価受取権と、その対価受取権を所有するユーザとを対応付ける
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項15】
請求項14のゲームプログラムにおいて、
前記対価受取権を所有するユーザには、前記利用権が設定される
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記管理部は、前記分散型台帳技術に基づいて、前記第1仮想媒体を前記第1イベントにおいて利用することができる所有権と、その所有権を利用するユーザとを対応付ける
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記管理部は、前記分散型台帳技術に基づいて、前記第2仮想媒体を前記第1イベントにおいて利用することができる所有権と、その所有権を利用するユーザとを対応付ける
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1つのゲームプログラムにおいて、
前記第1仮想媒体と前記素材媒体と前記第2仮想媒体の少なくとも1つは、複製可能であり、複製により生成された仮想媒体は、前記ゲームにおいて制限を受ける
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1つのゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行するコンピュータとを備える
ことを特徴とするゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像の表示装置と、入力装置と、制御装置とを備えたゲームシステムが開示されている。入力装置は、プレイヤの操作に応じた信号を出力する。制御装置は、入力装置の出力を参照しつつ、競走馬を生産および育成するゲームを進行させ、その進行状況に応じた画像を表示装置の画面上に表示させる。
【0003】
また、このゲームシステムは、評価値記憶手段と、制御手段と、評価値更新手段と、種牡馬指定手段と、産駒能力決定手段と、産駒能力補正手段を備える。評価値記憶手段は、複数の種牡馬について、各種牡馬の評価値を記憶する。制御手段は、評価値に基づいてゲームを進行させる。評価値更新手段は、ゲームの進行における一定の周期毎に、各種牡馬についての評価値を更新する。
【0004】
種牡馬指定手段は、プレイヤによる種牡馬の指定を受ける。産駒能力決定手段は、指定された種牡馬の血統データに基づいて、産駒の基礎的能力値を決定する。産駒能力補正手段は、指定された種牡馬について、更新による評価値の変動量に基づいて産駒の基礎的能力値を補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3315678号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のようなゲームでは、素材となる仮想媒体である素材媒体(特許文献1では種牡馬)を利用して新たな仮想媒体(特許文献1では産駒)を生成するイベントが行われる。しかしながら、特許文献1には、上記の素材媒体を利用することができる権利(利用権)の取引については、何ら開示も示唆もない。
【0007】
本発明の目的は、素材媒体を利用することができる利用権の取引を管理することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様は、コンピュータを、進行部と、管理部と、生成部として機能させ、
前記進行部は、第1仮想媒体を利用して行われる第1イベントと、第2仮想媒体を生成する第2イベントとを含むゲームを進行し、
前記第2仮想媒体は、前記第1仮想媒体と関連のある素材媒体と第3仮想媒体とを利用して生成される仮想媒体であり、
前記管理部は、分散型台帳技術に基づいて、前記第2イベントにおいて前記素材媒体を利用することができる利用権と、その利用権を利用するユーザとを対応付け、
前記利用権は、利用可能な母数に上限があり、利用を要求して承認された複数のユーザが個別に利用可能な権利であり、
前記生成部は、前記第2イベントにおいて、前記利用権を利用するユーザの指示に応じて、前記素材媒体と前記第3仮想媒体とを利用した前記第2仮想媒体の生成を行い、
前記生成は、前記素材媒体と関連のある前記第1仮想媒体の前記第1イベントにおけるゲーム結果の影響を受ける
ことを特徴とするゲームプログラムである。
【0009】
また、第1の態様において、
前記生成部は、前記第1仮想媒体に基づいて、複数の前記素材媒体を生成してもよく、
前記素材媒体は、前記第2イベントにおける利用により消費される仮想媒体であってもよい。
【0010】
また、第1の態様において、
前記素材媒体は、前記第2イベントにおける利用が許可された前記第1仮想媒体であってもよく、前記第2イベントにおいて前記利用権の利用数に応じた回数の利用が可能であってもよい。
【0011】
また、第1の態様において、
前記素材媒体は、前記第1イベントにおける利用が制限された前記第1仮想媒体と関連のある仮想媒体であってもよい。
【0012】
また、第1の態様において、
前記第3仮想媒体は、前記第1イベントにおいて利用可能であってもよく、
前記第2仮想媒体の生成は、前記素材媒体と関連のある前記第1仮想媒体の前記第1イベントにおけるゲーム結果および前記第3仮想媒体の前記第1イベントにおけるゲーム結果の影響を受けてもよい。
【0013】
また、第1の態様において、
前記第2仮想媒体は、所定の成功確率に応じて生成されるか否かが決定されてもよい。
ことを特徴とするゲームプログラム。
【0014】
また、第1の態様において、
前記成功確率は、時間経過または前記第2イベントにおける前記素材媒体の利用回数に応じて変化してもよい。
【0015】
また、第1の態様において、
前記利用権は、所定期間毎に利用可能な母数が決定されてもよく、
前記第2イベントにおける前記利用権の母数は、時間経過または前記第2イベントにおける前記素材媒体の利用回数に応じて変化してもよい。
【0016】
また、第1の態様において、
前記第1仮想媒体のパラメータは、時間経過に応じて変化し、前記パラメータが前記第1イベントにおけるゲーム結果に影響してもよい。
【0017】
また、第1の態様において、
前記第1イベント中に前記第1仮想媒体について利用不可条件が成立すると、前記第1イベントにおいて前記第1仮想媒体が利用不可となり、且つ、前記第2イベントにおける前記素材媒体の利用に関して所定の制限が付与されてもよい。
【0018】
また、第1の態様において、
前記第2イベント中に前記素材媒体について利用不可条件が成立すると、前記第2イベントにおいて前記素材媒体が利用不可となってもよい。
【0019】
また、第1の態様において、
前記第2仮想媒体は、前記第1イベントにおいて利用可能であってもよく、
前記素材媒体の価値は、前記第2イベントにおける前記素材媒体の実績、および、前記素材媒体を利用して生成された前記第2仮想媒体の前記第1イベントにおける実績の少なくとも一方に応じて変化してもよい。
【0020】
また、第1の態様において、
前記第1仮想媒体は、前記第1イベントにおいて報酬を得ることができてもよく、
前記管理部は、
前記第1仮想媒体により得られた報酬の一部を受け取ることできる報酬受取権を複数のユーザに設定してもよく、
前記分散型台帳技術に基づいて、前記報酬受取権と、その報酬受取権を所有するユーザとを対応付けてもよい。
【0021】
また、第1の態様において、
前記管理部は、
前記利用権の利用を要求して承認されたユーザから所定の対価を消費させてもよく、
前記対価の一部を受け取ることができる対価受取権を複数のユーザに設定してもよく、
前記分散型台帳技術に基づいて、前記対価受取権と、その対価受取権を所有するユーザとを対応付けてもよい。
ことを特徴とするゲームプログラム。
【0022】
また、第1の態様において、
前記対価受取権を所有するユーザには、前記利用権が設定されてもよい。
ことを特徴とするゲームプログラム。
【0023】
また、第1の態様において、
前記管理部は、前記分散型台帳技術に基づいて、前記第1仮想媒体を前記第1イベントにおいて利用することができる所有権と、その所有権を利用するユーザとを対応付けてもよい。
【0024】
また、第1の態様において、
前記管理部は、前記分散型台帳技術に基づいて、前記第2仮想媒体を前記第1イベントにおいて利用することができる所有権と、その所有権を利用するユーザとを対応付けてもよい。
【0025】
また、第1の態様において、
前記第1仮想媒体と前記素材媒体と前記第2仮想媒体の少なくとも1つは、複製可能であり、複製により生成された仮想媒体は、前記ゲームにおいて制限を受けてもよい。
【0026】
第2の態様は、
第1の態様のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行するコンピュータとを備える
ことを特徴とするゲームシステムである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、素材媒体を利用することができる利用権の取引を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態1のゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
図2】ゲーム装置の構成を例示するブロック図である。
図3】実施形態1における処理の要部を例示する概念図である。
図4】分散型台帳に記憶されるデータの構造を例示する概念図である。
図5】実施形態1の利用権情報を例示する概念図である。
図6】実施形態1の売買処理を例示するフローチャートである。
図7】実施形態1の出走処理を例示するフローチャートである。
図8】実施形態1の牡馬変換処理を例示するフローチャートである。
図9】実施形態1の牝馬変換処理を例示するフローチャートである。
図10】実施形態1の配合処理を例示するフローチャートである。
図11】実施形態1の変形例1のゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
図12】実施形態2における処理の要部を例示する概念図である。
図13】実施形態2の利用権情報を例示する概念図である。
図14】実施形態2の牡馬変換処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して実施の形態を詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0030】
(ゲームの説明)
以下の説明における「ゲーム」は、ユーザの操作に応答して進行するビデオゲームである。このゲームには、第1仮想媒体を利用して行われる第1イベントと、第2仮想媒体を生成する第2イベントとが含まれる。第2仮想媒体は、第1仮想媒体と関連のある素材媒体と第3仮想媒体とを利用して生成される仮想媒体である。
【0031】
なお、以下の例では、素材媒体は、第1イベントにおける利用が制限された第1仮想媒体と関連のある仮想媒体である。素材媒体は、第1仮想媒体に基づいて生成される仮想媒体である。または、素材媒体は、第2イベントにおける利用が許可された第1仮想媒体である。第3仮想媒体は、第1イベントおよび第2イベントにおいて利用可能である。
【0032】
また、第2仮想媒体は、所定条件を満たすことにより、第1イベントにおいて利用可能な第1仮想媒体または第3仮想媒体に変化する。
【0033】
以下の説明では、仮想空間において馬(仮想媒体)の売買や育成などを体験することができるシミュレーションゲームを例に挙げる。このシミュレーションゲームでは、まず、初期設定が行われる。初期設定では、牧場、牧場長、調教師、秘書などの選択および設定が行われる。初期設定が完了すると、ゲームが進行する。このシミュレーションゲームには、売買イベント、調教イベント、レースイベント、配合イベントなどのイベントが含まれる。
【0034】
なお、このシミュレーションゲームに登場する馬(仮想媒体)は、「牡馬」と「牝馬」とに大別される。牡馬には、「競走牡馬」と「種牡馬」とが含まれる。競走牡馬は、レースイベントにおいて利用可能な牡馬である。種牡馬は、配合イベントにおいて利用可能な牡馬である。これと同様に、牝馬には、レースイベントにおいて利用可能な「競走牝馬」と、配合イベントにおいて利用可能な「繁殖牝馬」とが含まれる。競走牝馬は、レースイベントにおいて利用可能な牝馬であり、繁殖牝馬は、配合イベントにおいて利用可能な牝馬である。
【0035】
例えば、競走牡馬は、レースイベントにおいて引退すると、レースイベントにおいて競走馬としては利用できなくなり、配合イベントにおいて利用可能な種牡馬になる。競走牝馬は、レースイベントにおいて引退すると、レースイベントにおいて競走馬としては利用できなくなり、配合イベントにおいて利用可能な繁殖牝馬になる。種牡馬は、図3に示すように「競走牡馬と関連のある牡馬種(種牡馬の種)」として取り扱われる。または、種牡馬は、図12に示すように「配合イベントにおける利用が許可された牡馬(種牡馬)」として取り扱われる。
【0036】
また、以下の説明では、競走牡馬と競走牝馬の総称を「競走馬」と記載する。種牡馬と繁殖牝馬との配合(種付)により誕生する馬を「産駒」と記載する。産駒には、牡馬の産駒と、牝馬の産駒とが含まれる。
【0037】
〔売買イベント〕
売買イベントでは、馬の売買が行われる。例えば、馬のセリ(競り売り)が行われる。この売買が成立すると、馬を所有することができる権利である「所有権」が売主から買主に譲渡され、その対価が買主から売主に支払われる。売買の対象となる馬の例としては、競走馬(産駒を含む)、繁殖牝馬、種牡馬が挙げられる。
【0038】
また、売買イベントでは、配合イベントにおいて種牡馬(種牡馬の種)を利用することができる権利である「利用権」の売買も行われる。この売買が成立すると、利用権が売主から買主に譲渡され、その対価が買主から売主に支払われる。
【0039】
〔調教イベント〕
調教イベントでは、競走馬の調教が行われる。例えば、競走馬の調教を担当させる調教師の選択、調教メニューの決定などが行われる。競走馬の調教により、競走馬のパラメータ(能力値)を変化させることが可能である。例えば、競走馬のパラメータを向上させることができる。
【0040】
〔レースイベント〕
レースイベントでは、競走馬がレースに出走し、競走馬による競走が行われる。競走馬による競走が完了すると、競走馬のレースの結果に応じた賞金がその競走馬の所有者に付与される。また、レースイベントにおける戦績は、そのレースイベントにおいてレースに出走した競走馬に対応付けて記憶される。
【0041】
〔配合イベント〕
配合イベントでは、種牡馬と繁殖牝馬との配合(種付)が行われる。種牡馬と繁殖牝馬との配合が成功すると、産駒が誕生する。産駒は、予め定められた基準年齢(具体的には2歳)になるまで、牧場において牧場長により育成される。
【0042】
なお、産駒は、基準年齢になった後に、調教イベントにより競走馬としての調教が行われ、レースイベントにおいて利用可能となる。具体的には、産駒は、育成により、次の世代の競走馬になり得る。言い換えると、第n世代の競走牡馬および競走牝馬に対応する「第n世代の種牡馬および繁殖牝馬」の配合により誕生した産駒は、育成により、「第n-1世代の競走馬」になり得る。
【0043】
〔時間の流れ〕
また、このシミュレーションゲームでは、所定の時間の流れが存在する。この時間の流れは、現実世界における時間の流れと同様であってもよいし、ゲーム内で進行する時間の流れ(現実世界における時間の流れとは異なる時間の流れ)であってもよい。そして、上記の各種のイベントは、予め定められた期間に行われる。例えば、レースイベントは、週末(土曜日と日曜日)に行うことが可能であり、レースイベントを除く他のイベントは、平日(月曜日から金曜日まで)に行うことが可能である。なお、配合イベントは、5月と6月にのみ行うことが可能である。配合イベントが成功すると、所定の期間(例えば3月~5月)に産駒が誕生する。
【0044】
〔用語の対応関係〕
レースイベントは、「第1仮想媒体を利用して行われる第1イベント」の一例である。配合イベントは、「第2仮想媒体を生成する第2イベント」の一例である。牡馬(具体的には競走牡馬)は、「第1仮想媒体」の一例である。産駒は、「第2仮想媒体の一例」である。
【0045】
牝馬は、「第3仮想媒体」の一例である。具体的には、競走牝馬は、「第1イベントにおいて利用可能な第3仮想媒体」の一例であり、繁殖牝馬は、「第2イベントにおいて利用可能な第3仮想媒体」の一例である。例えば、繁殖牝馬は、1年に1回、1頭の産駒を出産可能である。
【0046】
種牡馬は、「第1仮想媒体と関連のある素材媒体」の一例である。具体的には、競走牡馬と関連のある牡馬種(種牡馬の種)は、「第1仮想媒体に基づいて生成される素材媒体」の一例であり、配合イベントにおける利用が許可された牡馬(種牡馬)は、「第2イベントにおける利用が許可された第1仮想媒体である素材媒体」の一例である。
【0047】
(実施形態1)
図1は、実施形態1のゲームシステム1の構成を例示する。ゲームシステム1は、サーバ装置10と、複数のゲーム装置20とを備える。ゲームシステム1では、サーバ装置10と複数のゲーム装置20とが通信ネットワーク5を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク5の例としては、インターネット、LANなどが挙げられる。
【0048】
〔ゲームシステムの概要〕
サーバ装置10は、ユーザおよびゲームの管理を行う。複数のゲーム装置20の各々には、ディスプレイ31と、スピーカ32と、ゲームコントローラ33とが接続される。ゲーム装置20は、ゲームを実行する。例えば、ゲーム装置20は、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、Nintendo Switch(登録商標)などの市販の装置である。また、クラウド型のゲームの場合、ゲーム装置20は、例えば、ゲームサーバなどの装置である。この場合、通信ネットワーク5を介して接続されたディスプレイ31にゲーム画面が表示される。
【0049】
サーバ装置10とゲーム装置20は、通信ネットワーク5を介して互いに通信する。例えば、サーバ装置10は、必要に応じて(例えばゲーム装置20からの要求に応じて)ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびゲームデータを送信する。ゲーム装置20は、サーバ装置10から通信ネットワーク5を介してゲームプログラムおよびゲームデータを受信(ダウンロード)してインストールする。
【0050】
例えば、複数のユーザ(プレイヤ)が同時に参加するゲームでは、サーバ装置10とゲーム装置20とが協調して動作することで、ゲームが進行する。この場合、ゲームの進行は、サーバ装置10により管理される。
【0051】
具体的には、サーバ装置10は、ゲームを実行するためのゲームデータをゲーム装置20に送信する。ゲーム装置20は、サーバ装置10から送信されたゲームデータに基づいて、ゲームに関連する画像および音声をディスプレイ31およびスピーカ32に出力させる。ユーザは、ディスプレイ31およびスピーカ32から出力される画像および音声に応じて、ゲームコントローラ33を操作する。
【0052】
ゲーム装置20は、ゲームコントローラ33に入力された操作を示す操作情報をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、ゲーム装置20から送信された操作情報に基づいて、その操作情報が反映されたゲームデータを生成し、そのゲームデータをゲーム装置20に送信する。
【0053】
以上の処理が繰り返し行われることにより、ゲームが進行していく。
【0054】
また、この例では、ゲーム装置20の各々は、分散型台帳(いわゆるブロックチェーン)を構成する複数のノードの1つである。複数のノード(通信端末)の各々は、分散型台帳データを共有する。なお、「分散型台帳データ」と「分散型台帳に記憶される情報」については、後で詳しく説明する。
【0055】
〔サーバ装置のハードウェア構成〕
図1に示すように、サーバ装置10は、ネットワークインターフェース11と、記憶部12と、制御部13とを備える。ネットワークインターフェース11と記憶部12は、バス14を介して制御部13と電気的に接続される。
【0056】
ネットワークインターフェース11は、通信ネットワーク5を介して複数のゲーム装置20と通信可能に接続される。
【0057】
記憶部12は、各種の情報およびデータを記憶する。記憶部12は、HDD、SSD、RAM、ROMなどで構成される。例えば、記憶部12は、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびゲームデータを記憶する。なお、記憶部12に記憶される情報については、後で詳しく説明する。
【0058】
制御部13は、サーバ装置10の動作を制御する。制御部13は、各種の情報およびデータを送受信し、各種の情報およびデータを処理する。制御部13は、CPU(マイクロコンピュータ)と半導体メモリとを有する。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納される。
【0059】
〔ゲーム装置のハードウェア構成〕
図2に示すように、ゲーム装置20は、ネットワークインターフェース21と、グラフィック処理部22と、オーディオ処理部23と、操作部24と、記憶部25と、制御部26とを備える。ネットワークインターフェース21とグラフィック処理部22とオーディオ処理部23と操作部24と記憶部25は、バス27を介して制御部26と電気的に接続される。
【0060】
ネットワークインターフェース21は、通信ネットワーク5を介してサーバ装置10と通信可能に接続される。
【0061】
グラフィック処理部22には、ディスプレイ31が接続される。グラフィック処理部22は、制御部26から出力されるゲーム画像情報に従って、仮想空間に関する各種オブジェクションを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ31に表示される。
【0062】
オーディオ処理部23には、スピーカ32が接続される。オーディオ処理部23は、制御部26の指示に従って、ゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部23により再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ32から出力される。
【0063】
操作部24には、ゲームコントローラ33が接続される。操作部24は、操作入力に関するデータをゲームコントローラ33との間で送受信する。そして、操作部24は、ゲームコントローラ33に入力された操作を示す操作情報を制御部26に送信する。
【0064】
例えば、ゲームコントローラ33には、ボタンなどの各種操作子が設けられる。ユーザは、ゲームコントローラ33の各種操作子を操作することで、ゲーム装置20に操作信号を入力する。すなわち、ゲームコントローラ33は、ユーザにより操作が与えられると、ユーザによる操作に応じた操作信号を操作部24に送信する。操作部24は、操作信号に基づいて操作情報を生成し、その操作情報を制御部26に送信する。
【0065】
記憶部25は、各種の情報およびデータを記憶する。記憶部25は、HDD、SSD、RAM、ROMなどで構成される。例えば、記憶部25は、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびゲームデータを記憶する。なお、記憶部25に記憶される情報については、後で詳しく説明する。
【0066】
制御部26は、ゲーム装置20の動作を制御する。制御部26は、各種の情報およびデータを送受信し、各種の情報およびデータを処理する。制御部26は、CPU(マイクロコンピュータ)と半導体メモリとを有する。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納される。
【0067】
〔ゲーム装置における制御部の機能的構成〕
ゲーム装置20の制御部26は、進行部201と、管理部202と、生成部203とを有する。具体的には、制御部26は、そのCPUが各種のプログラムを実行することにより、進行部201、管理部202、生成部203として機能する。
【0068】
〈進行部〉
進行部201は、ゲームを進行する。ゲームは、競走馬を利用して行われるレースイベントと、産駒を生成する配合イベントとを含む。図3に示すように、産駒は、競走牡馬と関連のある牡馬種(種牡馬の種)と繁殖牝馬とを利用して生成される仮想媒体である。牡馬種は、競走牡馬に基づいて生成される仮想媒体であり、配合イベントにおける利用により消費される仮想媒体である。
【0069】
この例では、ゲームは、レースイベントと配合イベントの他に、売買イベント、調教イベントなどを含む。牡馬種は、レースイベントにおける利用が制限された牡馬(種牡馬)と関連のある仮想媒体である。
【0070】
〈管理部〉
管理部202は、ゲーム内において利用される権利(例えば馬の所有権など)の管理を行う。また、管理部202は、台帳登録処理を行う。台帳登録処理は、ゲーム内における各種の取引を処理し、その結果を分散型台帳に登録(記憶および承認、以下同様)するための処理である。台帳登録処理については後で詳しく説明する。
【0071】
この例では、管理部202は、分散型台帳技術に基づいて、牡馬種(種牡馬の種)に関する「利用権」と、その利用権を利用する「ユーザ」とを対応付ける。具体的には、管理部202は、利用権に関する取引が行われると、その取引の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。
【0072】
なお、牡馬種に関する利用権は、配合イベントにおいて牡馬種を利用することができる権利である。利用権は、利用可能な母数(利用可能数)に上限がある権利である。また、利用権は、利用を要求して承認された複数のユーザが個別に利用可能な権利である。
【0073】
この例では、利用権は、利用可能回数が設定された権利である。利用権が1回利用されると、その利用権の利用可能回数が1つ減る。利用権の利用可能回数がゼロになると、その利用権を利用することができなくなる。
【0074】
実施形態1では、利用権の移転は、牡馬種の移転とともに行われる。例えば、10回分の牡馬種AがユーザAに付与されると、利用可能回数が10回に設定された利用権(牡馬種Aの利用権)がユーザAに付与される。また、ユーザAからユーザBに5回分の牡馬種Aが譲渡されると、ユーザAに付与された利用権(牡馬種Aの利用権)の利用可能回数が10回から5回に減少し、利用可能回数が5回に設定された利用権(牡馬種Aの利用権)がユーザBに付与される。
【0075】
また、利用権の「利用可能な母数」は、その利用権により利用することができる牡馬種(素材媒体)の配合イベントにおける総利用可能回数(利用権の発行最大数)に相当する。具体的には、上記の「利用可能な母数」は、種牡馬の生涯における配合可能回数(種付可能回数)に相当する。
【0076】
実施形態1では、牡馬種に関する利用権の「利用可能な母数」は、後述する牡馬変換処理において競走牡馬に基づいて生成される牡馬種の総数と同数である。また、牡馬種に関する全ての利用権の利用可能回数の合計は、その牡馬種の残数と同数である。
【0077】
また、管理部202は、分散型台帳技術に基づいて、競走牡馬に関する「所有権」と、その所有権を利用する「ユーザ」とを対応付ける。具体的には、管理部202は、所有権に関する取引が行われると、その取引の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。なお、競走牡馬に関する所有権は、競走牡馬を第1イベントにおいて利用することができる権利である。
【0078】
また、管理部202は、分散型台帳技術に基づいて、産駒に関する「所有権」と、その所有権を利用する「ユーザ」とを対応付ける。具体的には、管理部202は、所有権に関する取引が行われると、その取引の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。なお、産駒に関する所有権は、産駒を第1イベントにおいて利用することができる権利である。
【0079】
〈生成部〉
生成部203は、ゲーム内において利用される仮想媒体(例えば牡馬種など)の生成を行う。また、生成部203は、ゲーム内において利用される権利(例えば馬の所有権など)の付与(設定)を行う。
【0080】
図3に示すように、生成部203は、牡馬変換処理において、競走牡馬に基づいて複数の牡馬種を生成する。牝馬変換処理は、競走牡馬を種牡馬に変換するとともに牡馬種を生成するための処理である。牡馬変換処理については、後で詳しく説明する。
【0081】
また、図3に示すように、生成部203は、牝馬変換処理において、競走牝馬を繁殖牝馬に変換する。牝馬変換処理は、競走牝馬を繁殖牝馬に変換するための処理である。牝馬変換処理については、後で詳しく説明する。
【0082】
また、図3に示すように、生成部203は、配合イベントにおいて行われる配合処理において、利用権を利用するユーザの指示に応じて、牡馬種と繁殖牝馬とを用いた産駒の生成を行う。配合処理は、牡馬種と繁殖牝馬とを用いて産駒を生成するための処理である。配合処理については、後で詳しく説明する。
【0083】
なお、上記の産駒の生成は、「牡馬種と関連のある競走牡馬のレースイベントにおけるゲーム結果」の影響を受ける。この例では、上記の産駒の生成は、「牡馬種と関連のある競走牡馬のレースイベントにおけるゲーム結果」だけでなく、「繁殖牝馬のレースイベントにおけるゲーム結果(競走牝馬であったときのレースイベントのゲーム結果)」の影響も受ける。
【0084】
また、配合イベントにおいて、産駒は、所定の成功確率に応じて生成されるか否かが決定される。言い換えると、配合イベントにおける配合(種付)は、所定の成功確率に応じて成功する。配合が成功すると、産駒が誕生し、配合が失敗すると、産駒が誕生しない。
【0085】
〔分散型台帳データ〕
次に、図4を参照して、分散型台帳を構成する複数のノードの各々に共有される分散型台帳データ(ブロックチェーンデータ)について説明する。
【0086】
図4に示すように、分散型台帳データは、数珠繋ぎにされた複数のブロックにより構成される。ブロックは、ハッシュ値、ナンス値、トランザクション(トークン)などを含むデータである。トランザクションは、取引の結果を示す履歴データを含む。履歴データには、取引の対象を特定するための情報、取引の当事者を特定するための情報などが含まれる。
【0087】
図4の例では、第k番目のブロックのトランザクションは、「牡馬種A」に関する利用権が「ユーザA」から「ユーザB」に譲渡され、その利用権の譲渡に関する対価が「ユーザB」から「ユーザA」に支払われたことを示している。
【0088】
〔台帳登録処理〕
次に、管理部202による台帳登録処理について説明する。台帳登録処理において、管理部202は、取引の結果を示す履歴データを生成し、その履歴データを含むトランザクションを生成する。そして、管理部202は、その生成されたトランザクションを分散型台帳(具体的には分散型台帳を構成する複数のノード)に送信する。
【0089】
分散型台帳では、新たに生成されたトランザクションを含む新たなブロックを分散型台帳データ(ブロックチェーンデータ)に追加するための処理が行われる。この処理には、周知の分散型台帳技術を採用することが可能である。このような処理が行われることにより、取引が承認され、分散型台帳を構成する複数のノードに共有される分散型台帳データは、新たなブロックが追加された新たな分散型台帳データに更新される。
【0090】
〔分散型台帳に記憶される情報〕
図1に示すように、分散型台帳には、戦績情報60と、所在情報61と、利用権情報62とが記憶される。これらの情報は、分散型台帳データ(図4参照)に含まれる各ブロックのトランザクションに示された取引結果に基づいて取得可能である。
【0091】
〈戦績情報〉
戦績情報60は、馬のレースイベントにおける戦績を管理するための情報である。例えば、戦績情報60は、馬毎に、その馬のレースイベントにおける結果などを示す。なお、馬のレースイベントにおける結果には、レース名、着順、タイム、馬場状態、天候、レース展開、枠順、騎手、オッズなどが含まれる。また、馬のレースイベントにおける結果には、その馬とともにレースに出走した他の馬の情報、その馬と予め定められたライバル馬との対決の結果が含まれる。
【0092】
〈所在情報〉
所在情報61は、馬の所在(所有者および所在地)を管理するための情報である。例えば、所在情報61は、馬毎に、その馬の現在の所有者(馬の所有権を有するユーザ)の履歴、その馬を育成する牧場の履歴などを示す。馬の所有者の履歴には、馬の現在の所有者と、馬の以前の所有者とが含まれる。馬を育成する牧場の履歴には、馬が現在育成されている牧場と、馬が以前に育成されていた牧場とが含まれる。
【0093】
〈利用権情報〉
利用権情報62は、牡馬種に関する利用権を管理するための情報である。例えば、利用権情報62は、牡馬種毎に、その牡馬種の利用権の内容、その利用権を有するユーザなどを示す。図5に示すように、この例では、利用権情報62は、牡馬種毎に、その牡馬種を利用することができる利用権の利用可能回数と、その利用権を有するユーザとを示す。
【0094】
〔サーバ装置の記憶部に記憶される情報〕
図1に示すように、サーバ装置10の記憶部12には、馬特徴情報51と、馬血統情報52とが記憶される。
【0095】
〈馬特徴情報〉
馬特徴情報51は、馬の特徴を示す情報である。例えば、馬特徴情報51は、馬毎に、その馬のパラメータなどを示す。馬のパラメータの例としては、能力値、特性、適性、脚質、気性、成長タイプ、年齢、外観、モーション(走り方)などが挙げられる、能力値の例としては、レースイベントにおいて反映される速さ、粘り強さ、勢い、力強さ、丈夫さ、賢明さなどが挙げられる。
【0096】
〈馬血統情報〉
馬血統情報52は、馬の血統(先祖)を管理するための情報である。例えば、馬血統情報52は、馬毎に、その馬の先祖との血縁的な関係を表す血統表、その馬の血統の特徴などを示す。
【0097】
馬血統情報52に含まれる血統表には、各世代の馬の情報が含まれる。例えば、血統表は、5代前までの各世代の馬の情報が含まれる5代血統表である。この血統表には、母方の系図である牝系図が含まれる。また、この血統表には、母方が同一の兄弟の馬に関する情報、近親である馬に関する情報なども含まれる。
【0098】
なお、血統には、産駒のパラメータに大きな影響を与える組合せ(配合理論)がある。このような組合せの例として、インブリード、アウトブリード、ラインブリード、ニックスなどがある。馬血統情報52には、このような組合せ(配合理論)に関する情報が含まれる。
【0099】
《インブリード》
インブリードとは、血統表において5代前までに同一の祖先が存在する配合(血統の組合せ)のことである。インブリードは、クロス、近親交配などと称されることもある。インブリードにより、同一の祖先の馬の血(特徴、遺伝子)をより濃くすることができ、その祖先の馬の特徴(例えば能力)を強く引き継ぐ産駒が産まれやすくなる。
【0100】
また、馬血統情報52には、同一の祖先の馬の血がどの世代に含まれているのかを示すインブリード情報が含まれる。例えば、同一の祖先の馬が「馬A」であり、その馬の血が「4代前」と「3代前」に含まれている場合、「馬A」と「4×3」とが関連付けて示される。
【0101】
また、インブリード情報には、同一の祖先の馬の血量も示される。例えば、1世代前の血量は「50%」、2世代前の血量は「25%」、3世代前の血量は「12.5%」、4世代前の血量は「6.25%」、5世代前の血量は「3.125%」に設定される。そして、同一の祖先の馬である「馬A」の血が「4代前」と「3代前」に含まれている場合、「馬A」の血量は、4代前の血量「6.25%」と3代前の血量「12.5%」との合計である「18.75%」となる。この同一の祖先の馬の血量に応じて産駒のパラメータが決定される。
【0102】
なお、同一の祖先の馬の血量が多くなり過ぎると、配合に悪影響を与える可能性が高くなる。このような悪影響の例としては、受精率の低下、産駒の出産成功率の低下、産駒のパラメータの劣化(例えば体力の低下)などが挙げられる。インブリードによる恩恵と悪影響のバランスを考慮すると、同一の祖先の馬の血量が「18.75%」である場合が最適である。
【0103】
《アウトブリード》
アウトブリードとは、血統表において5代前までに同一の祖先が存在しない配合(血統の組合せ)のことである。アウトブリードにより、同一の祖先の馬の血量が多くなり過ぎることを避けることができる。
【0104】
《ラインブリード》
ラインブリードとは、同じ系統の種牡馬と繁殖牝馬の配合(血統の組合せ)のことである。ラインブリードは、5世代前までに同一の祖先の馬が存在していない場合であっても成立する。馬血統情報52には、各世代の馬の系統を示す系統情報が含まれる。例えば、系統情報に示される系統の名称には、産駒の成績に大きな影響を与えた種牡馬の名称が引用される。ラインブリードにより、その馬の系統の特徴(例えば能力)を強く引き継ぐ産駒が産まれやすくなる。
【0105】
《ニックス》
ニックスとは、優秀な競走馬の産まれる可能性が高い配合(血統の組合せ)のことである。ニックスとなる配合は、予め定められている。また、ニックスとなる配合は、繰り返し行われる配合により産まれた産駒の活躍(成績)などの統計に基づいて更新される。
【0106】
このように、馬血統情報52には、上記のような配合理論(血統の組合せ)に関する情報が含まれる。これにより、ユーザは、馬の血統を吟味しながら、配合する牡馬種(種牡馬)および繁殖牝馬を選択することができる。このような配合により、先祖の馬の特徴(能力値、特性、適性、脚質、気性、成長タイプ、年齢、外観、モーション(走り方)など)を引き継いだ産駒を生産することができる。そして、これらの配合を繰り返すことで、世代を重ね、産駒が活躍する新たな配合(系統の組合せ)が現れる。
【0107】
〔売買処理〕
次に、図6を参照して、実施形態1のゲームシステムにおいて行われる売買処理について説明する。売買処理は、売買の対象を売主ユーザ(売主となるユーザ)から買主ユーザ(買主となるユーザ)に譲渡し、その対価を買主ユーザから売主ユーザに支払うための処理である。売買の対象としては、馬の所有権、牡馬種の利用権などが挙げられる。以下では、売買の対象が「利用権」である場合を例に挙げる。
【0108】
〈ステップS11〉
まず、買主ユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、購入しようとする利用権を指定する。例えば、買主ユーザのゲーム装置20の管理部202は、利用権情報62(図5参照)に示された利用権のうち「売却を希望する利用権」が掲載された売買画面の画像をディスプレイ31に表示させる。そして、買主ユーザは、売買画面の中から購入しようとする利用権を指定するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。
【0109】
〈ステップS12〉
次に、買主ユーザのゲーム装置20の管理部202は、ステップS11において指定された利用権の購入を買主ユーザが希望していることを、その利用権を有する売主ユーザに通知する。例えば、利用権情報62には、利用権を有する売主ユーザのゲーム装置20を特定するための連絡先情報(例えばIPアドレス)が含まれる。そして、買主ユーザのゲーム装置20の管理部202は、連絡先情報を参照し、利用権の購入を買主ユーザが希望することを示す購入希望情報を、売主ユーザのゲーム装置20に送信する。
【0110】
売主ユーザが買主ユーザからの要求に応じて利用権の売買に同意すると、その利用権の売買が成立する。例えば、売主ユーザのゲーム装置20の管理部202は、買主ユーザのゲーム装置20から送信された購入希望情報を受信すると、その購入希望情報を示す画像をディスプレイ31に表示させる。
【0111】
売主ユーザは、利用権の売買に同意すると、利用権の売買に同意するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。売主ユーザのゲーム装置20の管理部202は、その操作に応答し、売主ユーザが利用権の売買に同意することを示す売買同意情報を、買主ユーザのゲーム装置20に送信する。買主ユーザのゲーム装置20の管理部202は、売主ユーザのゲーム装置20から送信された売買同意情報を受信すると、利用権の売買が成立したと判定する。
【0112】
そして、利用権の売買が成立すると、その利用権が売主ユーザから買主ユーザに譲渡され、その対価が買主ユーザから売主ユーザに支払われる。なお、買主ユーザは、利用権の利用を要求して承認されたユーザの一例である。
【0113】
〈ステップS13〉
次に、買主ユーザのゲーム装置20の管理部202は、ステップS12において成立した取引の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。これにより、分散型台帳には、「ステップS11において指定された利用権が売主ユーザから買主ユーザに譲渡され、その対価が買主ユーザから売主ユーザに支払われた」という取引の結果が登録される。なお、実施形態1では、利用権の譲渡とともに、その利用権により利用することができる牡馬種の譲渡が行われる。
【0114】
また、実施形態1の売買処理において、利用権の売買(譲渡)の代わりに、牡馬種の売買(譲渡)が行われてもよい。この場合、ステップS11においてディスプレイ31に表示される売買画面の画像には、「売却することができる利用権」の代わりに、「売却することができる牡馬種」が掲載される。また、この場合、牡馬種の譲渡とともに、その牡馬種を利用することができる利用権の譲渡が行われる。
【0115】
〔出走処理〕
次に、図7を参照して、実施形態1のゲームシステムにおいて行われる出走処理について説明する。出走処理は、レースイベントに競走馬を出走させるための処理である。レースイベントの開始前の期間(具体的にはレースイベントの受付期間)において、以下の処理が行われる。
【0116】
〈ステップS21〉
まず、レースイベントに競走馬を出走させようとするユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、レースイベントにおいて出走させる競走馬を指定する。例えば、ゲーム装置20の管理部202は、所在情報61を参照し、ユーザが所有する競走馬が掲載された出走画面の画像をディスプレイ31に表示させる。そして、ユーザは、出走画面の中からレースイベントに出走させる競走馬を指定するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。
【0117】
また、ユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、レースイベントに出走させる競走馬に騎乗させる騎手を指定する。例えば、ユーザは、騎手を指定するための操作をゲームコントローラ33に入力する。
【0118】
〈ステップS22〉
次に、ゲーム装置20の進行部201は、ステップS21において指定された競走馬がレースイベントに出走するように、ゲームを進行する。例えば、進行部201は、サーバ装置10の記憶部12に記憶された馬特徴情報51の中から、ステップS21において指定された競走馬のパラメータを検出し、その競走馬のパラメータに応じてレースイベントのゲームデータ(ゲーム画像およびゲーム音声)を生成する。そして、進行部201は、ゲーム画像およびゲーム音声をディスプレイ31およびスピーカ32にそれぞれ再生させる。
【0119】
そして、レースイベントにおいて競走馬による競走が完了すると、その競走馬(具体的にはその競走馬の所有者)に対し、その競走馬のレースイベントにおける結果に応じた賞金(報酬)が付与される。
【0120】
〈ステップS23〉
次に、管理部202は、ステップS23において完了したレースイベントにおける結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。これにより、分散型台帳には、競走馬のレースイベントにおける結果が登録される。競走馬のレースイベントにおける結果には、競走馬の勝敗、競走馬の着順、予め定められたライバルとの対決の結果(勝敗)、競走馬に付与された賞金などが含まれる。
【0121】
〔牡馬変換処理〕
次に、図8を参照して、実施形態1のゲームシステムにおいて行われる牡馬変換処理について説明する。牡馬変換処理は、競走牡馬を種牡馬に変換するとともに牡馬種を生成するための処理である。
【0122】
〈ステップS31〉
ユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、種牡馬に変換しようとする競走牡馬を指定する。例えば、ゲーム装置20の管理部202は、所在情報61を参照し、ユーザが所有する競走牡馬が掲載された競走牡馬画面の画像をディスプレイ31に表示させる。そして、ユーザは、競走牡馬画面の中から種牡馬に変換しようとする競走牡馬を指定するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。
【0123】
〈ステップS32〉
次に、ゲーム装置20の生成部203は、ステップS31において指定された競走牡馬に基づいて、複数の牡馬種を生成する。複数の牡馬種の各々は、配合イベントにおける利用により消費される仮想媒体である。競走牡馬に基づいて生成される牡馬種の数は、予め定められた数(この例では利用権の利用可能な母数)となる。なお、競走牡馬に基づいて生成される牡馬種の数は、競走牡馬のパラメータに応じて変化し得る。
【0124】
例えば、牡馬種の数は、抽選で決定されてもよい。また、牡馬種の数は、その牡馬種の元となる競走牡馬のレースイベントにおける戦績(競走成績)、その競走牡馬が引退するとき(すなわち種牡馬になるとき)の年齢、その競走牡馬のレースイベントにおける出走数、その競走牡馬の血統、または、これらの組合せに応じて決定されてもよい。
【0125】
生成部203により生成された牡馬種は、その牡馬種の元となる競走牡馬を所有していたユーザに付与される。また、生成部203は、牡馬種の付与とともに、その牡馬種の利用することができる利用権を、牡馬種の元となる競走牡馬を所有していたユーザに付与する。なお、その牡馬種の元となる競走牡馬は、レースイベントにおいて利用不可となり、その馬の競走牡馬としての所有権は消滅する。また、牡馬種の元となる競走牡馬を所有していたユーザには、その馬の種牡馬(牡馬種)としての所有権が付与される。このようにして、競走牡馬に基づいて牡馬種が生成されるとともに、その競走牡馬が種牡馬に変換される。
【0126】
なお、牡馬種の一部(または全部)の譲渡を予約するユーザが存在する場合、生成部203により生成された牡馬種の一部(または全部)は、その牡馬種を利用することができる利用権とともに、そのユーザに付与される。牡馬種の一部(または全部)の譲渡を予約するユーザは、利用権の利用を要求して承認されたユーザの一例である。
【0127】
〈ステップS33〉
次に、ゲーム装置20の管理部202は、ステップS23において成立した取引(利用権の譲渡)の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。これにより、分散型台帳には、「ステップS31において指定された競走牡馬に基づいて複数の牡馬種と利用権(その牡馬種に関する利用権)が生成され、その生成された牡馬種の利用権が所定のユーザに付与され、その馬の競走牡馬としての所有権が消滅し、その馬の種牡馬(牡馬種)としての所有権がユーザ(競走牡馬を所有していたユーザ)に付与された」という取引の結果が登録される。
【0128】
〔牝馬変換処理〕
次に、図9を参照して、実施形態1のゲームシステムにおいて行われる牝馬変換処理について説明する。牝馬変換処理は、競走牝馬を繁殖牝馬に変換するための処理である。言い換えると、牝馬変換処理は、牝馬の属性を「レースイベントにおいて利用可能な競走牝馬」から「配合イベントにおいて利用可能な繁殖牝馬」に変換するための処理である。
【0129】
〈ステップS41〉
ユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、繁殖牝馬に変換しようとする競走牝馬を指定する。例えば、ゲーム装置20の管理部202は、所在情報61を参照し、ユーザが所有する競走牝馬が掲載された競走牝馬画面の画像をディスプレイ31に表示させる。そして、ユーザは、競走牝馬画面の中から繁殖牝馬に変換しようとする競走牝馬を指定するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。
【0130】
〈ステップS42〉
次に、ゲーム装置20の生成部203は、ステップS41において指定された競走牝馬を繁殖牝馬に変換する。言い換えると、生成部203は、ステップS41において指定された牝馬の属性を「レースイベントにおいて利用可能な競走牝馬」から「配合イベントにおいて利用可能な繁殖牝馬」に変換する。
【0131】
生成部203の変換により得られた繁殖牝馬の所有権は、その繁殖牝馬に変換される前の競走牝馬の所有者(所有権を有するユーザ)に付与される。また、その繁殖牝馬に変換される前の競走牝馬は、レースイベントにおいて利用不可となり、その馬の競走牝馬としての所有権は消滅する。また、繁殖牝馬に変換される前の競走牝馬を所有していたユーザには、その馬の繁殖牝馬としての所有権が付与される。
【0132】
〈ステップS43〉
次に、ゲーム装置20の管理部202は、ステップS33において成立した取引(所有権の譲渡)の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。これにより、分散型台帳には、「ステップS31において指定された競走牝馬が繁殖牝馬に変換され、その繁殖牝馬の所有権が競走牝馬(その繁殖牝馬に変換される前の競走牝馬)の所有者に付与され、その競走牝馬の所有権が消滅し、その馬の繁殖牝馬としての所有権がユーザ(競走牝馬を所有していたユーザ)に付与された」という取引の結果が登録される。
【0133】
〔配合処理〕
次に、図10を参照して、実施形態1のゲームシステムにおいて行われる配合処理について説明する。配合処理は、牡馬種と繁殖牝馬とを用いて産駒を生成するための処理である。配合イベントにおいて、以下の処理が行われる。
【0134】
〈ステップS51〉
配合をしようとするユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、配合イベントにおいて利用する牡馬種を指定する。例えば、ゲーム装置20の管理部202は、利用権情報62を参照し、ユーザが所有する牡馬種(具体的にはユーザが利用権を有する牡馬種)が掲載された牡馬種画面の画像をディスプレイ31に表示させる。そして、ユーザは、牡馬種画面の中から配合イベントにおいて利用する牡馬種を指定するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。
【0135】
または、ゲーム装置20の管理部202は、ユーザの操作に応答して、ユーザが購入することが可能な牡馬種(ユーザが所有していない牡馬種)が掲載された購入リストの画像をディスプレイ31に表示させる。そして、ユーザは、購入リストの中から配合イベントにおいて利用するために購入する牡馬種を指定するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。これにより、配合イベントにおいて利用しようとする牡馬種を購入することができる。そして、配合イベントにおいて購入された牡馬種を即座に利用することができる。
【0136】
また、配合をしようとするユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、配合イベントにおいて利用する繁殖牝馬を指定する。例えば、ゲーム装置20の管理部202は、所在情報61を参照し、ユーザが所有する繁殖牝馬(具体的にはユーザが所有権を有する繁殖牝馬)が掲載された繁殖牝馬画面の画像をディスプレイ31に表示させる。そして、ユーザは、繁殖牝馬画面の中から配合イベントにおいて利用する繁殖牝馬を指定するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。
【0137】
または、ゲーム装置20の管理部202は、ユーザの操作に応答して、ユーザがレンタル可能な繁殖牝馬(ユーザが所有していない繁殖牝馬)が掲載されたレンタルリストの画像をディスプレイ31に表示させる。そして、ユーザは、レンタルリストの中から配合イベントにおいて利用するためにレンタルする繁殖牝馬を指定するための操作を、ゲームコントローラ33に入力する。これにより、配合イベントにおいてユーザが所有していない繁殖牝馬を利用することができる。そして、レンタル可能な繁殖牝馬を所有するユーザには、その繁殖牝馬をレンタルしたユーザから対価が支払われる。
【0138】
〈ステップS52〉
次に、生成部203は、馬特徴情報51と馬血統情報52と戦績情報60と所在情報61の各々からステップS51において指定された牡馬種と関連のある情報を抽出する。
【0139】
具体的には、馬特徴情報51から、牡馬種の元となる競走牡馬のパラメータが抽出される。馬血統情報52から、牡馬種の元となる競走牡馬の血統表、その競走牡馬の血統の特徴、その競走牡馬の配合理論(血統の組合せ)に関する情報などが抽出される。戦績情報60から、牡馬種の元となる競走牡馬のレースイベントにおける結果、牡馬種を利用して生成された産駒(具体的には産駒から成長した競走馬)のレースイベントにおける結果などが抽出される。所在情報61から、牡馬種の元となる競走牡馬の所有者の履歴、その競走牡馬を育成する牧場の履歴などが抽出される。
【0140】
また、生成部203は、馬特徴情報51と馬血統情報52と戦績情報60と所在情報61の各々からステップS51において指定された繁殖牝馬と関連のある情報を抽出する。
【0141】
具体的には、馬特徴情報51から、繁殖牝馬のパラメータが抽出される。馬血統情報52から、繁殖牝馬の血統表、その繁殖牝馬の血統の特徴、その繁殖牝馬の配合理論(血統の組合せ)に関する情報などが抽出される。戦績情報60から、繁殖牝馬(具体的には繁殖牝馬に変換される前の競走牝馬)のレースイベントにおける結果、繁殖牝馬を利用して生成された産駒のレースイベントにおける結果などが抽出される。所在情報61から、繁殖牝馬の所有者の履歴、その繁殖牝馬を育成する牧場の履歴などが抽出される。
【0142】
以上の抽出された情報は、配合により生成される産駒のパラメータの決定に利用可能な情報である。
【0143】
〈ステップS53〉
次に、生成部203は、ステップS52において得られた情報に基づいて、牡馬種と繁殖牝馬とを利用した産駒の生成を行う。牡馬種は、利用により消費される。また、牡馬種に関する利用権の利用可能回数が1つ減る。
【0144】
管理部202は、牡馬種が利用により消費されて利用権の利用可能回数が1つ減ったことを分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。これにより、分散型台帳には、「ステップS51において指定された牡馬種が利用により消費され、その牡馬種に関する利用権の利用可能回数が1つ減った」という取引の結果が登録される。その結果、利用権情報62に示された牡馬種(ステップS51において指定された牡馬種)に関する利用権の利用可能回数が1つ減る。
【0145】
なお、産駒の生成は、ステップS52において得られた情報の少なくとも1つに影響を受ける。具体的には、生成部203は、ステップS52において得られた情報の少なくとも1つに基づいて、産駒のパラメータを決定する。
【0146】
例えば、生成部203は、「ステップS52において得られる情報(配合により生成される産駒のパラメータの決定に利用可能な情報)の組合せ」と「産駒のパラメータ」との対応関係を示す産駒生成テーブルを有する。そして、生成部203は、ステップS52において実際に得られた情報の組合せに対応する産駒のパラメータを、産駒生成テーブルの中から検出し、その検出された産駒のパラメータを「配合により生成される産駒のパラメータ」に決定する。
【0147】
この例では、産駒の生成は、ステップS51において指定された牡馬種と関連のある競走牡馬のレースイベントにおける結果の影響を受ける。例えば、競走牡馬のレースイベントにおける結果が良好になるほど、産駒のパラメータが良好になるように、産駒のパラメータが決定(補正)される。
【0148】
これと同様に、産駒の生成は、ステップS51において指定された繁殖牝馬(具体的には繁殖牝馬に変換される前の競走牝馬)のレースイベントにおける結果の影響を受ける。例えば、競走牝馬のレースイベントにおける結果が良好になるほど、産駒のパラメータが良好になるように、産駒のパラメータが決定(補正)される。
【0149】
また、ステップS51において指定された牡馬種と関連のある競走牡馬のパラメータの一部(例えば「特性」)は、その牡馬種を利用して生成された産駒に引き継がれる。例えば、このような特性の引き継ぎは、予め定められた引継確率で発生する。これと同様に、ステップS51において指定された繁殖牝馬のパラメータの一部(例えば「特性」)は、その繁殖牝馬を利用して生成された産駒に引き継がれる。
【0150】
また、産駒の生成は、ステップS51において指定された牡馬種と関連のある競走牡馬のライバルとの対決の結果に影響を受ける。例えば、ライバルとの対決における勝利回数が多くなるほど、産駒のパラメータが良好になるように、産駒のパラメータが決定(補正)される。これと同様に、ステップS51において指定された繁殖牝馬(具体的には繁殖牝馬に変換される前の競走牝馬)のライバルとの対決の結果に影響を受ける。
【0151】
また、産駒の生成は、ステップS51において指定された牡馬種と繁殖牝馬との関係に影響を受ける。例えば、「牡馬種と関連のある競走牡馬」と「繁殖牝馬に変換される前の競走牝馬」とがライバル関係である場合、産駒のパラメータが良好になるように、産駒のパラメータが決定(補正)される。
【0152】
また、産駒の生成は、ステップS51において指定された牡馬種と繁殖牝馬との間に成立する配合理論(系統の組合せ)に影響を受ける。例えば、牡馬種と繁殖牝馬との間にインブリードが成立する場合、同一の祖先の馬の血量に応じて産駒のパラメータが決定(補正)される。
【0153】
〈ステップS54〉
次に、生成部203は、ステップS53における配合(牡馬種と繁殖牝馬とを利用した産駒の生成)が成功しているか否かを判定する。ステップS53における配合が成功すると、ステップS55の処理が行われ、ステップS53における配合が失敗すると、ステップS56の処理が行われる。
【0154】
〈ステップS55〉
ステップS53における配合が成功すると、産駒が誕生する。産駒の所有権は、その産駒の生成のために利用された繁殖牝馬の所有者(繁殖牝馬の所有権を有するユーザ)に付与される。また、産駒は、繁殖牝馬が育成される牧場に配置され、その牧場において育成される。
【0155】
管理部202は、産駒に関する情報を、馬特徴情報51および馬血統情報52の各々に追加する。具体的には、馬特徴情報51に、産駒のパラメータが追加される。馬血統情報52に、産駒の血縁表が追加される。このようにして、馬特徴情報51と馬血統情報52が更新される。
【0156】
また、管理部202は、配合の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。これにより、分散型台帳には、「ステップS51において指定された牡馬種と繁殖牝馬との配合により産駒が誕生し、その産駒の所有権が繁殖牝馬(産駒の生成のために利用された繁殖牝馬)の所有者に付与され、その繁殖牝馬が育成される牧場において育成される」という結果が登録される。
【0157】
〈ステップS56〉
一方、ステップS53における配合が失敗すると、産駒は誕生しない。この場合、管理部202は、ステップS53における配合が失敗したことをユーザに通知する。例えば、管理部202は、配合が失敗したことを示す画像をディスプレイ31に表示させる。
【0158】
〔牡馬種の価値〕
なお、牡馬種の価値は、配合イベントにおける牡馬種の実績、および、牡馬種を利用して生成された産駒(具体的には産駒から成長した競走馬)のレースイベントにおける実績の少なくとも一方に応じて変化する。具体的には、配合イベントにおける牡馬種の実績(例えば利用回数)が多くなるほど、牡馬種の価値が高くなる。また、牡馬種を利用して生成された産駒のレースイベントにおける実績(例えば勝利回数)が多くなるほど、牡馬種の価値が高くなる。
【0159】
〔実施形態1の総括〕
以上を纏めると、実施形態1のゲームプログラムは、制御部26(コンピュータ)を、進行部201と、管理部202と、生成部203として機能させる。
【0160】
進行部201は、競走牡馬(第1仮想媒体)を利用して行われるレースイベント(第1イベント)と、産駒(第2仮想媒体)を生成する配合イベント(第2イベント)とを含むゲームを進行する。産駒(第2仮想媒体)は、競走牡馬(第1仮想媒体)と関連のある牡馬種(素材媒体)と繁殖牝馬(第3仮想媒体)とを利用して生成される仮想媒体である。
【0161】
管理部202は、分散型台帳技術に基づいて、繁殖イベント(第2イベント)において牡馬種(素材媒体)を利用することができる利用権と、その利用権を利用するユーザとを対応付ける。利用権は、利用可能な母数に上限があり、利用を要求して承認された複数のユーザが個別に利用可能な権利である。
【0162】
生成部203は、配合イベント(第2イベント)において、利用権を利用するユーザの指示に応じて、牡馬種(素材媒体)と繁殖牝馬(第3仮想媒体)とを利用した産駒(第2仮想媒体)の生成を行う。産駒(第2仮想媒体)の生成は、牡馬種(素材媒体)と関連のある競走牡馬(第1仮想媒体)のレースイベント(第1イベント)におけるゲーム結果の影響を受ける。
【0163】
〔実施形態1の効果〕
以上のように、実施形態1では、利用権とユーザとを対応付けることにより、利用権に関する取引(例えば、ユーザに対する利用権の付与、ユーザ間における利用権の売買など)を分散型台帳で管理することができる。
【0164】
また、利用権に関する取引を分散型台帳で管理することにより、利用権に関する取引を一箇所(例えばサーバ装置10)で管理する場合よりも、利用権に関する取引の信頼性を向上させることができる。
【0165】
また、実施形態1では、産駒の生成は、牡馬種と関連のある競走牡馬のレースイベントにおけるゲーム結果の影響を受ける。このようにすることにより、単に種牡馬および繁殖牝馬の各々の特徴のみに基づいて産駒の特徴が決定される場合よりも、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0166】
(実施形態1の変形例1)
図11は、実施形態1の変形例1のゲームシステム1の構成を例示する。実施形態1の変形例1のゲームシステム1は、「管理部202の動作」と「分散型台帳に記憶される情報」が実施形態1のゲームシステム1と異なる。実施形態1の変形例1のゲームシステム1のその他の構成は、実施形態1のゲームシステム1の構成と同様である。
【0167】
なお、上述のとおり、競走牡馬は、レースイベントにおいて賞金(報酬)を得ることができる。具体的には、レースイベントにおけるゲーム結果に応じた賞金(報酬)が競走牡馬の所有者に付与される。
【0168】
〔管理部〕
実施形態1の変形例1では、管理部202は、競走牡馬に関する「報酬受取権」を、複数のユーザに設定する。競走牡馬に関する報酬受取権は、競走牡馬により得られた報酬の一部を受け取ることできる権利である。また、管理部202は、分散型台帳技術に基づいて、報酬受取権と、その報酬受取権を所有するユーザとを対応付ける。具体的には、管理部202は、報酬受取権に関する取引が成立すると、その取引の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。
【0169】
また、上述のとおり、管理部202は、利用権の利用を要求して承認されたユーザから所定の対価を消費させる。具体的には、管理部202は、利用権の売買が成立すると、利用権を売主から買主に譲渡し、その対価を買主から売主に支払わせる。
【0170】
実施形態1の変形例1では、管理部202は、利用権に関する「対価受取権」を複数のユーザに設定する。利用権に関する対価受取権は、利用権の譲渡に対する対価(利用権の売買に関する対価)の一部を受け取ることができる権利である。また、管理部202は、分散型台帳技術に基づいて、対価受取権と、その対価受取権を所有するユーザとを対応付ける。具体的には、管理部202は、対価受取権に関する取引が成立すると、その取引の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。
【0171】
また、実施形態1の変形例1では、対価受取権を所有するユーザには、利用権が設定される。具体的には、対価受取権には、対価受取権により受け取ることができる対価に対応する利用権(その対価と交換される利用権)が付随する。管理部202は、対価受取権を所有するユーザと、その対価受取権に付随する利用権とを対応付ける。
【0172】
〔分散型台帳に記憶される情報〕
図11に示すように、実施形態1の変形例1では、分散型台帳は、戦績情報60と所在情報61と利用権情報62に加えて、報酬受取権情報65と、対価受取権情報66とを記憶する。報酬受取権情報65および対価受取権情報66は、分散型台帳データ(図4参照)に含まれる各ブロックのトランザクションに示された取引結果に基づいて取得可能である。
【0173】
〈報酬受取権情報〉
報酬受取権情報65は、報酬受取権を管理するための情報である。例えば、報酬受取権情報65は、馬毎に、その馬と関連のある報酬受取権、その報酬受取権を所有するユーザなどを示す。
【0174】
〈対価受取権情報〉
対価受取権情報66は、対価受取権を管理するための情報である。例えば、対価受取権情報66は、牡馬種毎に、その牡馬種と関連のある対価受取権、その対価受取権を所有するユーザなどを示す。
【0175】
〔実施形態1の変形例1の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例1では、報酬受取権を複数のユーザに設定することにより、複数のユーザに対してゲームをプレイしようとする意欲を向上させることができる。
【0176】
また、実施形態1の変形例1では、対価受取権を複数のユーザに設定することにより、複数のユーザに対してゲームをプレイしようとする意欲を向上させることができる。
【0177】
(実施形態1の変形例2)
実施形態1の変形例2のゲームシステム1は、「配合イベントにおける配合の成功確率」と「配合イベントにおける産駒の生成」が実施形態1のゲームシステム1と異なる。実施形態1の変形例2のゲームシステム1のその他の構成は、実施形態1のゲームシステム1と同様である。
【0178】
実施形態1の変形例2では、配合イベントにおける配合の成功確率は、「時間経過」または「配合イベントにおける牡馬種の利用回数」に応じて変化する。具体的には、時間の経過が長くなるほど、配合イベントにおける配合の成功確率が低くなる。また、配合イベントにおける牡馬種の利用回数が多くなるほど、配合イベントにおける配合の成功確率が低くなる。
【0179】
また、実施形態1の変形例2では、配合イベントにおける産駒の生成は、配合イベントにおける配合の成功確率の影響を受ける。具体的には、配合イベントにおける配合の成功確率が閾値を下回らない場合に、配合処理において第1配合理論テーブル(各種の情報の組合せと産駒のパラメータとの対応関係を示す情報テーブル)が用いられ、配合イベントにおける配合の成功確率が閾値を下回る場合に、配合処理において第2配合理論テーブルが用いられる。第2配合理論テーブルは、第1配合理論テーブルとは異なる特殊な情報テーブル(例えば産駒の突然変異を表現する情報テーブル)である。
【0180】
〔実施形態1の変形例2の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例2では、「時間経過」または「配合イベントにおける牡馬種の利用回数」に応じて配合イベントにおける配合の成功確率を変化させることにより、種牡馬の衰えを表現することができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0181】
また、実施形態1の変形例2では、配合イベントにおける産駒の生成が配合イベントにおける配合の成功確率の影響を受けるようにすることにより、種牡馬の衰えに起因する産駒の突然変異を表現することができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0182】
(実施形態1の変形例3)
実施形態1の変形例3のゲームシステム1は、「利用権に関する設定」と「配合イベントにおける産駒の生成」が実施形態1のゲームシステム1と異なる。実施形態1の変形例3のゲームシステム1のその他の構成は、実施形態1のゲームシステム1と同様である。
【0183】
実施形態1の変形例3では、利用権は、所定期間毎(例えば1年毎)に利用可能な母数が決定されている。具体的には、所定期間毎に、その所定期間内における利用権の利用回数がカウントされ、その所定期間内における利用権の利用回数が予め定められた上限回数(その所定期間における利用可能な母数と同数の回数)に到達すると、その所定期間内において利用権の利用が禁止される。例えば、所定期間内における牡馬種Aに関する利用権の利用回数が上限回数に到達すると、その所定期間内において牡馬種Aに関する利用権の利用が禁止される。
【0184】
また、実施形態1の変形例3では、配合イベントにおける利用権の利用可能な母数は、「時間経過」または「配合イベントにおける牡馬種の利用回数」に応じて変化する。具体的には、時間の経過が長くなるほど、配合イベントにおける利用権の利用可能な母数が少なくなる。配合イベントにおける牡馬種の利用回数が多くなるほど、配合イベントにおける利用権の利用可能な母数が少なくなる。
【0185】
また、実施形態1の変形例3では、配合イベントにおける産駒の生成は、配合イベントにおける利用権の利用可能な母数の影響を受ける。具体的には、配合イベントにおける利用権の利用可能な母数が閾値を下回らない場合に、配合処理において第1配合理論テーブル(各種の情報の組合せと産駒のパラメータとの対応関係を示す情報テーブル)が用いられ、配合イベントにおける利用権の利用可能な母数が閾値を下回る場合に、配合処理において第2配合理論テーブルが用いられる。第2配合理論テーブルは、第1配合理論テーブルとは異なる特殊な情報テーブル(例えば産駒の突然変異を表現する情報テーブル)である。
【0186】
〔実施形態1の変形例3の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例3では、「時間経過」または「配合イベントにおける牡馬種の利用回数」に応じて配合イベントにおける利用権の利用可能な母数を変化させることにより、種牡馬の衰えを表現することができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0187】
また、実施形態1の変形例2では、配合イベントにおける産駒の生成が配合イベントにおける利用権の利用可能な母数の影響を受けるようにすることにより、種牡馬の衰えに起因する産駒の突然変異を表現することができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0188】
(実施形態1の変形例4)
実施形態1の変形例4のゲームシステム1は、「競走牡馬のパラメータ」と「競走牝馬のパラメータ」が実施形態1のゲームシステム1と異なる。実施形態1の変形例4のゲームシステム1のその他の構成は、実施形態1のゲームシステム1と同様である。
【0189】
実施形態1の変形例4では、競走牡馬のパラメータは、時間経過に応じて変化する。なお、競走牡馬のパラメータは、レースイベントにおけるゲーム結果に影響する。具体的には、競走牡馬のパラメータが良好になるほど、その競走牡馬のレースイベントにおけるゲーム結果が良好となりやすい。
【0190】
これと同様に、実施形態1の変形例4では、競走牝馬のパラメータは、時間経過に応じて変化する。なお、競走牝馬のパラメータは、レースイベントにおけるゲーム結果に影響する。具体的には、競走牝馬のパラメータが良好になるほど、その競走牝馬のレースイベントにおけるゲーム結果が良好となりやすい。
【0191】
〔実施形態1の変形例4の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例4では、時間経過に応じて競走牡馬(または競走牝馬)のパラメータを変化させることにより、競走牡馬(または競走牝馬)の加齢による衰えを表現することができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0192】
(実施形態1の変形例5)
実施形態1の変形例5のゲームシステム1は、「競走牡馬および牡馬種の取り扱い」と「競走牡馬および繁殖牝馬の取り扱い」が実施形態1のゲームシステム1と異なる。実施形態1の変形例5のゲームシステム1のその他の構成は、実施形態1のゲームシステム1と同様である。
【0193】
実施形態1の変形例5では、レースイベント中に競走牡馬について利用不可条件が成立すると、レースイベントにおいてその競走牡馬が利用不可となり、且つ、配合イベントにおける牡馬種(その競走牡馬と関連のある牡馬種)の利用に関して所定の制限が付与される。
【0194】
なお、競走牡馬に関する利用不可条件の例としては、競走牡馬の怪我、病気、死亡などが挙げられる。また、配合イベントにおける牡馬種の利用に関する所定の制限の例としては、配合イベントにおける牡馬種の利用の禁止、配合イベントにより誕生する産駒の劣化(例えば怪我や病気や死亡など)の発生率の上昇、配合イベントにおける配合の成功確率の低下、利用権の利用可能な母数の減少、牡馬種の劣化(例えば母数の減少や配合の成功確率の低下)の発生率の上昇などが挙げられる。
【0195】
これと同様に、実施形態1の変形例5では、レースイベント中に競走牝馬について利用不可条件が成立すると、レースイベントにおいてその競走牝馬が利用不可となり、且つ、配合イベントにおける繁殖牝馬(その競走牝馬と関連のある繁殖牝馬)の利用に関して所定の制限が付与される。
【0196】
なお、競走牡馬に関する利用不可条件の例としては、競走牝馬の怪我、病気、死亡などが挙げられる。また、配合イベントにおける繁殖牝馬の利用に関する所定の制限の例としては、配合イベントにおける繁殖牝馬の利用の禁止、配合イベントにより誕生する産駒の劣化の発生率の上昇、配合イベントにおける配合の成功確率の低下、繁殖牝馬の劣化(例えば配合の成功確率の低下)の発生率の上昇などが挙げられる。
【0197】
〔実施形態1の変形例5の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例5では、レースイベント中に競走牡馬について利用不可条件が成立すると、レースイベントにおいてその競走牡馬が利用不可となり、且つ、配合イベントにおける牡馬種(その競走牡馬と関連のある牡馬種)の利用に関して所定の制限が付与される。これにより、競走牡馬の劣化(例えば怪我や病気や死亡など)を表現することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0198】
また、実施形態1の変形例5では、レースイベント中に競走牝馬について利用不可条件が成立すると、レースイベントにおいてその競走牝馬が利用不可となり、且つ、配合イベントにおける繁殖牝馬(その競走牝馬と関連のある繁殖牝馬)の利用に関して所定の制限が付与される。これにより、競走牝馬の劣化(例えば怪我や病気や死亡など)を表現することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0199】
(実施形態1の変形例6)
実施形態1の変形例6のゲームシステム1は、「牡馬種の取り扱い」と「繁殖牝馬の取り扱い」が実施形態1のゲームシステム1と異なる。実施形態1の変形例6のゲームシステム1のその他の構成は、実施形態1のゲームシステム1と同様である。
【0200】
実施形態1の変形例6では、配合イベント中に牡馬種について利用不可条件が成立すると、配合イベントにおいてその牡馬種が利用不可となる。また、配合イベント中に繁殖牝馬について利用不可条件が成立すると、配合イベントにおいてその繁殖牝馬が利用不可となる。
【0201】
なお、牡馬種に関する利用不可条件の例としては、牡馬種と関連のある牡馬(種牡馬)の怪我、病気、死亡などが挙げられる。また、繁殖牝馬に関する利用不可条件の例としては、繁殖牝馬の怪我、病気、死亡などが挙げられる。
【0202】
〔実施形態1の変形例6〕
以上のように、実施形態1の変形例6では、配合イベント中に牡馬種について利用不可条件が成立すると、配合イベントにおいてその牡馬種が利用不可となる。これにより、種牡馬の劣化(例えば怪我や病気や死亡など)を表現することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0203】
また、実施形態1の変形例6では、配合イベント中に繁殖牝馬について利用不可条件が成立すると、配合イベントにおいてその繁殖牝馬が利用不可となる。これにより、繁殖牝馬の劣化(例えば怪我や病気や死亡など)を表現することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0204】
(実施形態1の変形例7)
実施形態1の変形例7のゲームシステム1は、仮想媒体の取り扱いが実施形態1のゲームシステム1と異なる。実施形態1の変形例7のゲームシステム1のその他の構成は、実施形態1のゲームシステム1と同様である。
【0205】
実施形態1の変形例7では、競走牡馬、競走牝馬、牡馬種、繁殖牝馬、産駒の少なくとも1つは、複製可能である。具体的には、生成部203は、ユーザの指示に応じて、競走牡馬、競走牝馬、牡馬種、繁殖牝馬、産駒の少なくとも1つを複製する。そして、複製により生成された仮想媒体は、ゲームにおいて制限を受ける。
【0206】
なお、複製により生成された仮想媒体がゲームにおいて付与される制限の例としては、レースイベント(特にeスポーツなどの公式戦)における利用の禁止、配合イベントにおける利用の禁止、配合イベントにより誕生する産駒の劣化の発生率の上昇、配合イベントにおける配合の成功確率の低下などが挙げられる。
【0207】
〔実施形態1の変形例7の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例7では、複製により生成された仮想媒体がゲームにおいて制限を受けるようにすることにより、仮想媒体の複製により複製元の仮想媒体の価値が低下することを抑制することができる。
【0208】
(実施形態2)
実施形態2のゲームシステム1は、競走牡馬と関連のある素材媒体が実施形態1のゲームシステム1と異なる。実施形態2のゲームシステム1のその他の構成は、実施形態1のゲームシステム1の構成と同様である。
【0209】
図12に示すように、実施形態2では、競走牡馬と関連のある素材媒体は、配合イベントにおける利用が許可された牡馬(種牡馬)である。この種牡馬(素材媒体)は、配合イベントにおいて利用権の利用数に応じた回数の利用が可能である。具体的には、実施形態2では、生成部203は、競走牡馬を種牡馬に変換する。
【0210】
実施形態2では、利用権の移転は、種牡馬とは独立して行われる。例えば、利用可能回数が10回に設定された利用権を有するユーザAからユーザBに「利用可能回数が5回に設定された利用権」が譲渡されると、ユーザAが有する利用権の利用可能回数が10回から5回に減少する。
【0211】
また、実施形態2では、種牡馬に関する利用権の「利用可能な母数」は、後述する牡馬変換処理において競走牡馬から変換された種牡馬の配合イベントにおける総利用可能回数(種牡馬の生涯における配合可能回数)に相当する。また、種牡馬に関する全ての利用権の利用可能回数の合計は、その種牡馬の配合イベントにおける総利用可能回数の残数と同数である。
【0212】
〔利用権情報〕
図13に示すように、実施形態2では、利用権情報62は、種牡馬毎に、その種牡馬を利用することができる利用権の利用可能回数と、その利用権を有するユーザとを示す。
【0213】
〔ゲームシステムにおいて行われる処理〕
実施形態1と同様に、実施形態2のゲームシステムでは、売買処理、出走処理、牡馬変換処理、牝馬変換処理、配合処理が行われる。実施形態2の売買処理、出走処理、牝馬変換処理は、実施形態1の売買処理、出走処理、牝馬変換処理と同様である。
【0214】
〔牡馬変換処理〕
次に、図14を参照して、実施形態2の牡馬変換処理について説明する。
【0215】
〈ステップS35〉
ステップS31と同様に、ユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、種牡馬に変換しようとする競走牡馬を指定する。
【0216】
〈ステップS36〉
次に、ゲーム装置20の生成部203は、ステップS35において指定された競走牡馬を種牡馬に変換する。言い換えると、生成部203は、ステップS35において指定された牡馬の属性を「レースイベントにおいて利用可能な競走牡馬」から「配合イベントにおいて利用可能な種牡馬」に変換する。
【0217】
生成部203により競走牡馬から変換された種牡馬の所有権は、その種牡馬に変換される前の競走牡馬を所有していたユーザに付与される。また、生成部203は、種牡馬の所有権の付与とともに、その種牡馬の利用することができる利用権を、その種牡馬に変換される前の競走牡馬を所有していたユーザに付与する。なお、その種牡馬の元となる競走牡馬は、レースイベントにおいて利用不可となり、その馬の競走牡馬としての所有権は消滅する。
【0218】
なお、種牡馬に関する利用権の一部(または全部)の譲渡を予約するユーザが存在する場合、生成部203により競走牡馬から変換された種牡馬に関する利用権の一部(または全部)は、そのユーザに付与される。種牡馬に関する利用権の一部(または全部)の譲渡を予約するユーザは、利用権の利用を要求して承認されたユーザの一例である。
【0219】
〈ステップS37〉
次に、ステップS33と同様に、ゲーム装置20の管理部202は、ステップS23において成立した取引(利用権の譲渡)の結果を分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。これにより、分散型台帳には、「ステップS35において指定された競走牡馬が種牡馬に変換され、その種牡馬の利用権が所定のユーザに付与され、その種牡馬の所有権が競走牡馬(その種牡馬の元となる競走牡馬)を所有していたユーザに付与され、その馬の競走牡馬としての所有権が消滅した」という取引の結果が登録される。
【0220】
〔配合処理〕
実施形態2の配合処理は、図10に示した実施形態1の配合処理と同様である。実施形態2の配合処理では、牡馬種の代わりに、種牡馬が利用される。実施形態2の配合処理では、種牡馬と繁殖牝馬とを用いて産駒が生成される。
【0221】
〈ステップS51〉
実施形態2のステップS51では、配合をしようとするユーザは、ゲームコントローラ33を操作し、配合イベントにおいて利用する種牡馬(ユーザが利用権を有する種牡馬)および繁殖牝馬を指定する。
【0222】
〈ステップS52〉
実施形態2のステップS52では、生成部203は、馬特徴情報51と馬血統情報52と戦績情報60と所在情報61の各々から、ステップS51において指定された種牡馬および繁殖牝馬と関連のある情報を抽出する。
【0223】
〈ステップS53〉
実施形態2のステップS53では、生成部203は、ステップS52において得られた情報に基づいて、種牡馬と繁殖牝馬とを利用した産駒の生成を行う。なお、種牡馬は、利用により消費されない。また、種牡馬に関する利用権の利用可能回数が1つ減る。
【0224】
管理部202は、種牡馬に関する利用権の利用可能回数が1つ減ったことを分散型台帳に登録するために、台帳登録処理を行う。これにより、分散型台帳には、「ステップS51において指定された種牡馬が配合に利用されて、その種牡馬に関する利用権の利用可能回数が1つ減った」という取引の結果が登録される。その結果、利用権情報62に示された種牡馬(ステップS51において指定された種牡馬)に関する利用権の利用可能回数が1つ減る。
【0225】
〈ステップS54~S56〉
なお、実施形態2のステップS54~S56は、実施形態1のステップS54~S56と同様である。
【0226】
〔実施形態2の効果〕
実施形態2のゲームシステム1では、実施形態1のゲームシステム1の効果と同様の効果を得ることができる。
【0227】
(その他の実施形態)
以上の説明では、利用権の付与が牡馬変換処理において一括で行われる場合を例に挙げたが、これに限定されない。利用権の付与は、所定期間毎(例えば1年毎)に行われてもよい。この場合、所定期間毎に付与される利用権の利用可能回数の合計(例えば牡馬種の総数)が「利用権の利用可能な母数」に到達すると、利用権の付与が終了するようになっていてもよい。または、所定期間の到来回数(利用権の付与の回数)が所定回数に到達すると、利用権の付与が終了するようになっていてもよい。実施形態1の牡馬種についても同様である。
【0228】
以上のような設定により、種牡馬としての寿命を表現することができる。例えば、牡馬種の総数(または牡馬種の付与の回数)が所定数に到達すると、種牡馬としての寿命を迎え、その種牡馬に関連のある牡馬種の付与が終了し、その牡馬種に関する利用権の付与も終了する。
【0229】
また、利用権の付与が所定期間毎(例えば1年毎)に行われる場合、所定期間毎に付与される利用権の利用可能回数の合計は、同一であってもよいし、それぞれ異なる回数であってもよい。例えば、所定期間の到来回数(利用権の付与の回数)が多くなるに連れて、その所定期間において付与される利用権の利用可能回数の合計が少なくなってもよい。実施形態1の牡馬種についても同様である。
【0230】
以上のような設定により、種牡馬の加齢による繁殖力の衰えを表現することができる。例えば、種牡馬の年齢が高くなるに連れて、所定期間において付与される牡馬種(種牡馬と関連のある牡馬種)の数が少なくなり、その所定期間において付与される利用権(その牡馬種に関する利用権)の利用可能回数の合計も少なくなる。
【0231】
また、以上の説明では、利用権が「利用可能回数が設定された権利」である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、利用権は、1回の利用により消費される権利であってもよい。この場合、利用権の利用可能な母数と同数の利用権が付与される。
【0232】
また、以上の説明において、利用権に利用可能期間が設定されてもよい。利用権の利用可能期間内では、その利用権を利用することができ、利用権の利用可能期間外では、その利用権を利用することができない。例えば、1年毎に利用権が付与される場合、利用権の利用可能期間は、その利用権が付与された日から1年間に設定されてもよい。
【0233】
また、以上の説明において、利用権に有効期限が設定されてもよい。利用権の有効期限が切れると、その利用権を利用することができなくなる。例えば、利用権の有効期限は、種牡馬としての寿命を迎える期日に設定されてもよい。
【0234】
また、以上の説明では、牡馬種が1回の利用により消費される仮想媒体である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、牡馬種は、複数回の利用により消費される仮想媒体であってもよい。具体的には、牡馬種は、利用可能回数が設定された仮想媒体であってもよい。この場合、牡馬種が1回利用されると、その牡馬種の利用可能回数が1つ減る。牡馬種の利用可能回数がゼロになると、その牡馬種を利用することができなくなる。
【0235】
また、以上の説明において、種牡馬の所有者が上限を超えない範囲内で利用権の流通量(発行量)を決定することができるようになっていてもよい。これにより、例えば、利用権の流通量を少なくし、且つ、その利用権により優秀な産駒が産まれた場合に、利用権の価値を高めることができる。
【0236】
また、以上の説明において、利用権の利用回数(すなわち種牡馬として利用回数)が上限よりも少なくなるほど、その利用権により利用される種牡馬(牡馬種に関連する種牡馬)がゲームにおいて有利となるようになっていてもよい。種牡馬がゲームにおいて有利となる例としては、その種牡馬を利用した配合により優秀な産駒が産まれやすくなる(優秀な産駒が産まれる確率が高くなる)、その種牡馬を利用した配合の受精率が高くなる、その種牡馬の寿命が長くなる、その種牡馬の利用権の上限数の時間経過による減少が抑制されるなどが挙げられる。
【0237】
また、以上の説明において、ゲームをプレイするユーザ(プレイヤ)には、競走牡馬の所有者を担当するユーザ、競走牡馬の育成者(例えば調教師)を担当するユーザ、レースイベントにおいて競走牡馬を操作する操作者(例えば騎手)を担当するユーザ、牡馬種(または種牡馬)の所有者を担当するユーザ、競走牝馬の所有者を担当するユーザ、競走牝馬の育成者を担当するユーザ、レースイベントにおいて競走牝馬を操作する操作者を担当するユーザ、繁殖牝馬の所有者の少なくとも1つが含まれてもよい。
【0238】
また、以上の説明では、ゲームシステム1において行われるゲームの例として「仮想空間において馬の売買や育成を体験することができるシミュレーションゲーム」を例に挙げたが、これに限定されない。
【0239】
例えば、上記のゲームは、「ゲームプレイ用のキャラクタ」と「育成用のキャラクタ」とが登場するゲームであってもよい。このゲームでは、キャラクタの属性が「ゲームプレイ用」から「育成用」に変換される。なお、ゲームプレイ用のキャラクタは、第1仮想媒体の一例であり、育成用のキャラクタは、第1仮想媒体と関連のある素材媒体の一例である。
【0240】
また、上記のゲームは、「現役選手キャラクタ」と「引退後キャラクタ」とが登場するゲームであってもよい。このゲームでは、キャラクタの属性が「現役選手」から「引退後」に変換される。なお、現役選手キャラクタは、第1仮想媒体の一例であり、引退後キャラクタは、第1仮想媒体と関連のある素材媒体の一例である。
【0241】
また、上記のゲームは、「デッキ編成可能なキャラクタ」と「デッキ編成不可のキャラクタ」とが登場するゲームであってもよい。このゲームでは、キャラクタの属性が「デッキ編成可能」から「デッキ編成不可」に変換される。なお、デッキ編成可能なキャラクタは、第1仮想媒体の一例であり、デッキ編成不可のキャラクタは、第1仮想媒体と関連のある素材媒体の一例である。
【0242】
また、以上の説明では、ユーザにより使用される機器がゲーム装置20である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、ユーザにより使用される機器は、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報端末であってもよい。
【0243】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0244】
以上説明したように、本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムとして有用である。
【符号の説明】
【0245】
1 ゲームシステム
10 サーバ装置
20 ゲーム装置
25 記憶部
26 制御部
201 進行部
202 管理部
203 生成部
図1
図2
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