(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088503
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】車両用空調装置
(51)【国際特許分類】
B60H 1/32 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
B60H1/32 613M
B60H1/32 613L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203283
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 圭司
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA26
3L211DA09
(57)【要約】
【課題】車両用空調装置の空調ケースにおける凝縮水受け面の構造を改善して、凝縮水受け面に落ちた凝縮水を、車体が傾斜した場合であっても、円滑に排水口に導けるようにする。
【解決手段】車両用空調装置は、送風機を備えると共に、送風機によって車室内に送風される空気を冷却する冷却器と冷却器を収容する空調ケースを備え、空調ケースは、冷却器の重力方向に沿って下方に、傾斜面を有する凝縮水受部と、凝縮水受部で受けた凝縮水を外部に排水する排水口を備え、凝縮水受部における傾斜面は、排水口に向かって重力方向下方に沿って傾斜し、冷却器を通過する空気の通風方向と直交する方向の断面で、重力方向に沿って上方に凸状の山部を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機を備えると共に、前記送風機によって車室内に送風される空気を冷却する冷却器と該冷却器を収容する空調ケースを備える車両用空調装置であって、
前記空調ケースは、前記冷却器の重力方向に沿って下方に、傾斜面を有する凝縮水受部と、該凝縮水受部で受けた凝縮水を外部に排水する排水口を備え、
前記凝縮水受部における前記傾斜面は、前記排水口に向かって重力方向下方に沿って傾斜し、前記冷却器を通過する空気の通風方向と直交する方向の断面で、重力方向に沿って上方に凸状の山部を有することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記傾斜面は、前記通風方向の下流側から上流側に向けて重力方向下方に沿って傾斜し、
前記排水口は、前記凝縮水受部における前記通風方向の上流側に設けられることを特徴とする請求項1記載の車両空調装置。
【請求項3】
前記傾斜面は、前記山部によって形成される複数の谷部を備え、前記複数の谷部は、前記排水口から離れた谷部が前記排水口に近い谷部よりも重力方向に沿って上方に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記凝縮水受部は、前記通風方向に直交して延在し、前記傾斜面の前記通風方向上流側と下流側を仕切る仕切り壁を備え、
前記仕切り壁には、前記傾斜面を前記通風方向の上流側と下流側で連通させる連通部が設けられ、
前記連通部は、前記山部によって形成される谷部に対応した位置に設けられることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記仕切り壁を前記通風方向に沿って複数設け、
前記通風方向の下流側の前記仕切り壁に設けられた前記連通部の幅が、前記通風方向の上流側の前記仕切り壁に設けられた前記連通部の幅より大きいことを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
【請求項6】
1つの前記仕切り壁に設けられる前記連通部の位置は、それに隣接する他の前記仕切り壁に設けられる前記連通部の位置に対して前記通風方向に直交する方向にずらして配置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置は、HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)と呼ばれるユニット化された空調システムを備えており、送風機によって空調ケース内に送り込まれる空気が、空調ケース内に配備されている冷却器(蒸発器)と加熱器(凝縮器)により冷却又は加熱されて車室内に送風される。
【0003】
車両用空調装置の空調ケース内では、水分を含む空気が冷却器に触れることで凝縮水が発生する。この凝縮水は、重力で冷却器から下方に落下した後、空調ケースの底に形成された排水口から外部に排水される。この際、送風によって凝縮水が飛散しない排水構造が提案されている。
【0004】
この排水構造は、冷却器を収容する空調ケースの底部に排水口を設け、空調ケースの底部における冷却器の下方に、排水口に向けて低くなる傾斜面を有する凝縮水受け面を形成しており、この凝縮水受け面に、上方へ突出すると共に送風の方向と直交する方向に延びる板状ガイド部材を配置し、凝縮水受け面上で、板状ガイド部材に、凝縮水を通過させる隙間部を設けている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来技術によると、板状ガイド部材の隙間部を通った風の通り抜けを抑制するために、1つの板状ガイド部材の隙間部を通る風は、隣の板状ガイド部材のガイド面に当たるようになっている。このため、隙間部を通って排水口に向かう凝縮水の流れも、1つの板状ガイド部材の隙間部を通った後は、一旦隣の板状ガイド部材のガイド面で堰止められることになる。
【0007】
このため、円滑に凝縮水を排水口に導くためには、隣り合った板状ガイド部材間で凝縮水を板状ガイド部材に沿った方向に分散して流す必要があり、傾斜面の傾斜角度を板状ガイド部材に沿った方向では大きく傾斜させることができない。しかしながら、板状ガイド部材に沿った傾斜面の傾斜角度を小さくした場合には、車体の傾斜によって、重力方向に対する傾斜面の角度が変わった場合に、隙間部を通過した凝縮水を排水口に向けて流すことができなくなる場合が生じる。
【0008】
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものであり、車両用空調装置において、車体が傾斜した場合にも、凝縮水受部で受けた凝縮水を傾斜によって円滑に排水口に流せるようにすること、が本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
送風機を備えると共に、前記送風機によって車室内に送風される空気を冷却する冷却器と該冷却器を収容する空調ケースを備える車両用空調装置であって、前記空調ケースは、前記冷却器の重力方向に沿って下方に、傾斜面を有する凝縮水受部と、該凝縮水受部で受けた凝縮水を外部に排水する排水口を備え、前記凝縮水受部における前記傾斜面は、前記排水口に向かって重力方向下方に沿って傾斜し、前記冷却器を通過する空気の通風方向と直交する方向の断面で、重力方向に沿って上方に凸状の山部を有することを特徴とする車両用空調装置。
【発明の効果】
【0010】
このような特徴を備えた車両用空調装置によると、凝縮水受部の傾斜面に前述した山部を設けることで、山部の稜線に沿った急峻な傾斜を形成することができ、車体が傾斜した場合にも、凝縮水受部で受けた凝縮水を傾斜によって円滑に排水口に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両用空調装置の全体平面図。
【
図2】本発明の実施形態に係る車両用空調装置の全体側面図。
【
図4】下部ケースにおける凝縮水受部を示した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。なお、図示の矢印は、一例として、矢印X1が車両前側方向、矢印X2が車両後側方向、矢印Y1,Y2が車両の幅方向、矢印Z1が重力方向に沿った上方向、矢印Z2が重力方向に沿った下方向をそれぞれ指している。
【0013】
図1及び
図2に示すように、車両用空調装置1は、送風機2を備えると共に、空調ケース3を備える。空調ケース3は、図示の例では、送風機2が収容された送風機ケース3A、第1上部ケース3B、第2上部ケース3C、下部ケース3Dに分割されている。
【0014】
このような空調ケース3の内部には、送風機2によって送られてきた空気を冷却する冷却器4と、送られてきた空気を加熱するヒータコア5が配備されている。また、空調ケース3の内部には、図示省略した風向の切り替え又は風の遮断装置などが配置される。
【0015】
冷却器4とヒータコア5は熱交換器であり、例えば、ヒートポンプサイクルにおける蒸発器(吸熱器)を冷却器4とし、凝縮器(放熱器)をヒータコア5とすることができる。また、これに限らず、冷水や温水を流す熱媒体回路における熱交換器を冷却器4やヒータコア5にすることができる。そして、冷房のみを行う場合には、ヒータコア5を省いて冷却器4のみにすることもできる。
【0016】
空調ケース3は、適宜の吹出口3E,3F,3Gを備えている。吹出口3Eは、例えば、フロンガラスの曇りを晴らすデフロスタ吹出口であり、送風口3Fは、乗員の顔に向けて吹き出すフェイス吹出口であり、吹出口3Fは、乗員の足元に吹き出すフット吹出口である。
【0017】
空調ケース3内では、送風機2から送風された矢印Y2方向の風向きW1が図示の風向きW2のように矢印X2の方向に向けて略直角に向きを変えて送風される。そして、風向きW2の空気は、冷却器4を通過することで冷却され、ヒータコア5を通過することで加熱される。ここで、冷却器4を通過する空気は、矢印X2方向に通風されることになり、以下の説明での通風方向は、冷却器4を風が通過する方向であって、図示の矢印X2方向になる。
【0018】
以下、
図3~
図8にて、空調ケース3の下部ケース3Dを具体的に説明する。下部ケース3Dは、
図3に示すように、送風機2の下方に位置する送風部3D1と冷却器4やヒータコア3が配置される空調部3D2を有しており、空調部3D2には、水分を含む空気が冷却器4に触れることで発生する凝縮水を受ける凝縮水受部6が設けられ、この凝縮水受部6には、受けた凝縮水を空調ケース3の外に排水するための排水口7が設けられている。
【0019】
図4及び
図5に示すように、凝縮水受部6は、冷却器4で発生する凝縮水を受けるために、冷却器4の重力方向に沿って下方に設けられている。また、図示の例では、排水口7は、凝縮水受部6における前述した通風方向の上流側に設けられているが、排水口7の位置は特にこれに限定されない。凝縮水受部6は、受けた凝縮水を凝縮水受部6における排水口7に向けて流すために、排水口7に向かって重力方向下方に沿って傾斜した傾斜面(受け面)10を有している。
【0020】
また、凝縮水受部6は、仕切り壁8,9を備えている。仕切り壁8,9は、凝縮水受部6において、前述した通風方向(図示矢印X2方向)に直交する方向(図示矢印Y1,Y2方向)に延在して設けられ、前述した傾斜面10を前述した通風方向の上流側と下流側に仕切っている。この仕切り壁8,9によって、凝縮水受部6の傾斜面10は、3つの区画(第1区画10A,第2区画10B,第3区画10C)に仕切られている。3つの区画(第1区画10A,第2区画10B,第3区画10C)は、それぞれ前述した通風方向と直交する方向(図示矢印Y1,Y2方向)に延在して設けられる。
【0021】
そして、仕切り壁8,9には、傾斜面10を前述した通風方向の上流側と下流側で連通させる連通部8A,9Aが設けられている。連通部8A,9Aは、傾斜面10で受けた凝縮水を排水口7に向けて流すための流路になっており、連通部8A,8Bを通る傾斜面10は、全体として、前述した通風方向の下流側から上流側に向けて重力方向に沿って下方に傾斜している。
【0022】
また、仕切り壁8,9の頂部には、冷却器4の下端を支持する支持突起8B,9Bが設けられている。このような支持突起8B,9Bを設けることで、冷却器4の下方を通過する風(空気)を抑制することができる。
【0023】
仕切り壁8の前述した通風方向の上流側に形成される第1区画10Aは、排水口7が形成されている区画である。第1区画10Aにおける傾斜面10は、前述した通風方向に直交する(図示矢印Y1,Y2方向)断面で、
図6に示すように、排水口7に向けて低くなる急峻な傾斜面11,12が形成されている。また、傾斜面11の外側(排水口7から離れた側)には、傾斜の緩やかな傾斜が形成されている。
【0024】
第2区画10Bは、仕切り壁8と仕切り壁9の間の区画であり、
図7に示すように、傾斜面10は、前述した通風方向に直交する(図示矢印Y1,Y2方向)断面で、1つの山部20とその山部20によって形成された2つの谷部21,22を有している。山部20は、重力方向に沿って上方に凸状の傾斜面10であり、谷部21,22は、重力方向に沿って下方に凸状の傾斜面10である。
【0025】
そして、山部20には、谷部21に向けて低くなる傾斜面23と谷部22に向けて低くなる傾斜面24が形成され、谷部21から排水口7に対して離れる方向(図示矢印Y2方向)に、その方向に向けて徐々に高くなる傾斜面25が形成され、谷部22から排水口7に対して離れる方向(図示矢印Y1方向)に、その方向に向けて徐々に高くなる傾斜面26が形成されている。ここで、傾斜面23~26は、いずれも第1区画10Aにおける傾斜面11と同等の急峻さを備えている。
【0026】
また、仕切り壁8の連通部8Aは、谷部21,22に対応した位置に設けられており、谷部21,22においては、連通部8Aに向けて凝縮水を流す傾斜が形成されている。これにより、谷部21,22に溜められた凝縮水は、連通部8Aを通って、第1区画10Aに流れ落ちる。
【0027】
第3区画10Cは、仕切り壁9の前述した通風方向の下流側の区画であり、
図8に示すように、傾斜面10は、前述した通風方向に直交する(図示矢印Y1,Y2方向)断面で、1つの山部30とその山部30によって形成された2つの谷部31,32を有している。山部30は、重力方向に沿って上方に凸状の傾斜面10であり、谷部31,32は、重力方向に沿って下方に凸状の傾斜面10である。
【0028】
そして、山部30には、谷部31に向けて低くなる傾斜面33と谷部32に向けて低くなる傾斜面34が形成され、谷部31から排水口7に対して離れる方向(図示矢印Y2方向)に、その方向に向けて徐々に高くなる傾斜面35が形成され、谷部32から排水口7に対して離れる方向(図示矢印Y1方向)に、その方向に向けて徐々に高くなる傾斜面36が形成されている。ここで、傾斜面33~36は、車両の傾斜を考慮したとしても十分に凝縮水が流れる傾斜角度になっている。
【0029】
また、仕切り壁9の連通部9Aは、谷部31,32に対応した位置に設けられており、谷部31,32において、連通部9Aに向けて凝縮水を流す傾斜が形成されている。これにより、谷部31,32に溜められた凝縮水は、連通部9Aを通って、第2区画10Bに流れ落ちる。
【0030】
このように、傾斜面10は、複数の谷部21,22,31,32を備えているが、この複数の谷部21,22,31,32は、排水口7から離れたものが排水口7に近いものよりも重力方向に沿って上方に位置している。これによって、各谷部21,22,31,32に溜った凝縮水は円滑に連通部8A,9Aを通って排水口7に向かって流れる。
【0031】
また、前述した通風方向に沿って複数設けられた仕切り壁8,9は、前述した通風方向の下流側の仕切り壁9に設けられた連通部9Aの幅が、前述した通風方向の上流側の仕切り壁8に設けられた連通部8Aの幅より大きい。これによると、前述した通風方向の上流側の仕切り壁8の連通部8Aの幅を狭くすることで、冷却器4の下側を通過する風を効果的に抑制することができる。
【0032】
また、前述した通風方向の上流側の仕切り壁9の連通部9Aの幅を広くすることで、連通部9Aを通過して流れる風が存在する場合にも連通部9Aを通過する風速を低く抑えることでき、凝縮水受部6に溜る凝縮水が送風で飛散してしまうのを抑止することができる。また、連通部8Aの幅を狭くすることで、連通部9Aを通過する風の風速をより低く抑えることができるため、凝縮水受部6に溜る凝縮水が風で飛散してしまうことを効果的に抑止することができる。
【0033】
この際、仕切り壁8に設けられる連通部8Aの位置を、それに隣接する他の仕切り壁9に設けられる連通部9Aの位置に対して、前述した通風方向に直交する方向にずらして配置することで、連通部9Aから連通部8Aに至る風の経路を屈折させて、更に、風の勢いを低減させることができるので、より効果的に、凝縮水受部6に溜る凝縮水が送風で飛散してしまうのを抑止することができる。
【0034】
このように、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1は、凝縮水受部6の傾斜面10に山部20,30を設けることで、山部20,30の稜線に沿った急峻な傾斜を形成することができ、仕切り壁8,9の風下側に滞留する凝縮水を円滑に排水口7へ導くことができる。更に、車体が傾斜した場合であっても、排水口7から離れた位置に凝縮水が滞留することを抑制し、凝縮水受部6で受けた凝縮水を傾斜によって円滑に排水口7に導くことができる。
【0035】
傾斜面10に前述した山部20,30を設けると、その山部20,30によって谷部21,22,31,32が形成させることにある。この際、谷部21,22,31,32の高さを順次排水口7に向けて低くしているので、凝縮水の流れが谷部21,22,31,32で滞ることがない。
【0036】
更に、本発明の実施形態に係る車両空調装置1は、仕切り壁8,9を備えると共に、仕切り壁8,9に連通部8A,9Aを設けていて、この連通部8A,9Aを谷部21,22,31,32に対応させているので、仕切り壁8,9で凝縮水受部6を通過する風を抑制し、凝縮水受部6で受けた凝縮水の飛散を抑止しながら、前述した山部20,30と谷部21,22,31,32による凝縮水の流れを確保することができる。なお、図示の例では、仕切り壁8,9を備える例を示しているが、仕切り壁8,9を省いて傾斜面10に山部20,30を設ける構成することもできる。
【0037】
なお、前述した実施形態では、送風機2が冷却器4の風上側に配置されているが、これに限らず、送風機2を冷却器4の風下側に配置してもいい。また、前述した実施形態では、排水口7を凝縮水受部6の風上側に設けているが、これに限らず、凝縮水受部6風下側に排水口7を設けてもよい。その場合、連通部8Aと連通部9Aの幅の関係は前述した例と同様にすることができ、風上側において幅が狭く、風下側において幅を広くする。更に、前述した実施形態では、第2区画10Bと第3区画10Cにそれぞれ山部20,30を1つ設けているが、これに限らず複数の山部を設けてもよい。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:車両用空調装置,2:送風機,3:空調ケース,3A:送風機ケース,
3B:第1上部ケース,3C:第2上部ケース,3D:下部ケース,
3D1:送風部,3D2:空調部,3E,3F,3G:吹出口,
4:冷却器,5:ヒータコア,6:凝縮水受部,7:排水口,
8,9:仕切り壁,8A,9A:連通部,8B,9B:支持突起,
10,11,12:傾斜面,
10A:第1区画,10B:第2区画,10C:第3区画,
20,30:山部,21,22,31,32:谷部,
23,24,25,26,33,34,35,36:傾斜面