(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088541
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20230620BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203342
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】397062641
【氏名又は名称】野村アセットマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】今村 光良
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】金融商品に対するユーザのリスク許容度を、リスク許容度の変化要因に応じて算出すること。
【解決手段】コンピュータに、金融商品の属性情報と、金融商品が参照する金融ベンチマークの変動傾向と金融商品の価格の変動傾向との類似度を示す類似度情報と、金融商品の価格変動に基づいて算出される金融商品のリスク情報とを含む商品情報を取得し、類似度情報とリスク情報とに基づいて、金融商品に分類情報を割り当てし、属性情報に基づいて、金融商品に関連付けられた文章情報及び文章情報に対する評価情報を取得し、属性情報と、文章情報と、評価情報とに基づいて、分類情報に関する質問文をユーザに提示させ、分類情報に対するユーザの選好を示す選好情報をユーザから取得し、選好情報に基づいて、分類情報に対するユーザのリスク許容度を算出する処理を実行させるプログラム。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
金融商品の属性情報と、前記金融商品が参照する金融ベンチマークの変動傾向と前記金融商品の価格の変動傾向との類似度を示す類似度情報と、前記金融商品の価格変動に基づいて算出される前記金融商品のリスク情報とを含む商品情報を取得する商品情報取得処理と、
前記類似度情報と前記リスク情報とに基づいて、前記金融商品に分類情報を割り当てる分類情報割当処理と、
前記属性情報に基づいて、前記金融商品に関連付けられた文章情報及び前記文章情報に対する評価情報を取得する文章情報取得処理と、
前記文章情報と、前記評価情報とに基づいて、前記分類情報に関する質問文をユーザに提示する質問文提示処理と、
前記分類情報に対する前記ユーザの選好を示す選好情報を前記ユーザから取得する選好情報取得処理と、
前記選好情報に基づいて、前記分類情報に対する前記ユーザのリスク許容度を算出するリスク許容度算出処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記商品情報取得処理は、前記商品情報として、第1金融商品の第1商品情報及び第2金融商品の第2商品情報のそれぞれを取得することを含み、
前記分類情報割当処理は、前記第1金融商品に第1分類情報を割り当て、前記第2金融商品に第2分類情報を割り当てることを含み、
前記文章情報取得処理は、前記第1金融商品の前記属性情報に基づいて、前記第1金融商品に関連付けられた前記文章情報及び前記評価情報を取得し、前記第2金融商品の前記属性情報に基づいて、前記第2金融商品に関連付けられた前記文章情報及び前記評価情報とを取得することを含み、
前記質問文提示処理は、前記文章情報及び前記評価情報に基づいて、前記第1分類情報に関する第1質問文を前記ユーザに提示し、前記文章情報及び前記評価情報に基づいて、前記第2分類情報に関する第2質問文を前記ユーザに提示することを含み、
前記選好情報取得処理は、前記第1分類情報及び前記第2分類情報に対する前記ユーザの選好を示す選好情報を前記ユーザから取得することを含み、
前記リスク許容度算出処理は、前記選好情報に基づいて、前記第1分類情報及び前記第2分類情報のそれぞれに対する前記ユーザのリスク許容度を算出することを含む、プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記商品情報取得処理は、前記商品情報として、第1金融商品の第1商品情報及び第2金融商品の第2商品情報をそれぞれ取得することを含み、
前記分類情報割当処理は、前記第1金融商品及び前記第2金融商品に前記分類情報を割り当てることを含み、
前記文章情報取得処理は、前記第1金融商品の前記属性情報及び前記第2金融商品の前記属性情報に基づいて、前記第1金融商品の前記文章情報及び前記評価情報と、前記第2金融商品の前記文章情報及び前記評価情報とを取得することを含み、
前記質問文提示処理は、前記第1金融商品の前記属性情報、前記文章情報及び前記評価情報に基づいて、前記分類情報に関する第1質問文を前記ユーザに提示し、前記第2金融商品の前記属性情報、前記文章情報及び前記評価情報に基づいて、前記分類情報に関する第2質問文を前記ユーザに提示することを含み、
前記選好情報取得処理は、前記第1質問文及び前記第2質問文のそれぞれに対する前記ユーザの選好を示す選好情報を前記ユーザから取得することを含み、
前記リスク許容度算出処理は、前記選好情報に基づいて、前記分類情報に含まれる前記金融商品に対する前記ユーザのリスク許容度を算出することを含む、プログラム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記質問文提示処理は、前記分類情報に関する複数の前記質問文を前記ユーザに提示することを含み、
前記リスク許容度算出処理は、前記複数の前記質問文を通じて取得された前記選好情報に基づいて、前記リスク許容度を算出することを含む、プログラム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記分類情報及び前記リスク許容度に基づいて、前記分類情報に対する前記リスク許容度を前記ユーザに提示するリスク許容度表示画面の情報を生成する、画面情報生成処理、をさらに実行させる、プログラム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記リスク許容度が所定の条件を満たす前記分類情報に含まれる金融商品候補を前記ユーザに提示する商品候補画面の情報を生成する、候補画面情報生成処理、をさらに実行させる、プログラム。
【請求項7】
金融商品の属性情報と、前記金融商品が参照する金融ベンチマークの変動傾向と前記金融商品の価格の変動傾向との類似度を示す類似度情報と、前記金融商品の価格変動に基づいて算出される前記金融商品のリスク情報とを含む商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記類似度情報と前記リスク情報とに基づいて、前記金融商品に分類情報を割り当てる分類情報割当部と、
前記属性情報に基づいて、前記金融商品に関連付けられた文章情報及び前記文章情報に対する評価情報を取得する文章情報取得部と、
前記文章情報と、前記評価情報とに基づいて、前記分類情報に関する質問文をユーザに提示する質問文提示部と、
前記分類情報に対する前記ユーザの選好を示す選好情報を前記ユーザから取得する選好情報取得部と、
前記選好情報に基づいて、前記分類情報に対する前記ユーザのリスク許容度を算出するリスク許容度算出部と、を備える、情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
金融商品の属性情報と、前記金融商品が参照する金融ベンチマークの変動傾向と前記金融商品の価格の変動傾向との類似度を示す類似度情報と、前記金融商品の価格変動に基づいて算出される前記金融商品のリスク情報とを含む商品情報を取得することと、
前記類似度情報と前記リスク情報とに基づいて、前記金融商品に分類情報を割り当てることと、
前記属性情報に基づいて、前記金融商品に関連付けられた文章情報及び前記文章情報に対する評価情報を取得することと、
前記文章情報と、前記評価情報とに基づいて、前記分類情報に関する質問文をユーザに提示することと、
前記分類情報に対する前記ユーザの選好を示す選好情報を前記ユーザから取得することと、
前記選好情報に基づいて、前記分類情報に対する前記ユーザのリスク許容度を算出することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
資産運用などを目的として購入される金融商品をユーザに販売する場合には、ユーザのリスク許容度を取得することが行われる。リスク許容度とは、金融商品のそれぞれが持つリスク(価値の変動)をどの程度許容できるのかを示す尺度である。リスク許容度は、ユーザの資産運用に対する運用スタイルの決定に用いられる。特許文献1には、社会情勢の変動や需要の変化に応じて運用スタイルを変更又は追加することができる運用スタイル決定システムが示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リスク許容度は、ユーザの価値観、運用経験、及び経済状況という変化要因によって変化することがある。特許文献1に記載の運用スタイル決定システムでは、既にリスク許容度の取得が済んだユーザから、リスク許容度に関する質問への回答を取得し、取得された回答に基づいてリスク許容度を変更する。変更されたリスク許容度に基づいて、運用スタイルが決定される。回答を取得するためにユーザに質問される内容は、一定の文章であり変化することがない。この場合、リスク許容度の変化要因に応じた質問がなされず、ユーザのリスク許容度を精度よく算出することが難しくなり得る。
【0005】
そこで、本発明は、金融商品に対するユーザのリスク許容度を、リスク許容度の変化要因に応じて算出することを可能とするプログラム、情報処理装置、及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、金融商品の属性情報と、金融商品が参照する金融ベンチマークの変動傾向と金融商品の価格の変動傾向との類似度を示す類似度情報と、金融商品の価格変動に基づいて算出される金融商品のリスク情報とを含む商品情報を取得する商品情報取得処理と、類似度情報とリスク情報とに基づいて、金融商品に分類情報を割り当てる分類情報割当処理と、属性情報に基づいて、金融商品に関連付けられた文章情報及び文章情報に対する評価情報を取得する文章情報取得処理と、属性情報と、文章情報と、評価情報とに基づいて、分類情報に関する質問文をユーザに提示する質問文提示処理と、分類情報に対するユーザの選好を示す選好情報をユーザから取得する選好情報取得処理と、選好情報に基づいて、分類情報に対するユーザのリスク許容度を算出するリスク許容度算出処理と、を実行させる。
【0007】
上記態様において、商品情報取得処理は、商品情報として、第1金融商品の第1商品情報及び第2金融商品の第2商品情報のそれぞれを取得することを含み、分類情報割当処理は、第1金融商品に第1分類情報を割り当て、第2金融商品に第2分類情報を割り当てることを含み、文章情報取得処理は、第1金融商品の属性情報に基づいて、第1金融商品に関連付けられた文章情報及び評価情報を取得し、第2金融商品の属性情報に基づいて、第2金融商品に関連付けられた文章情報及び評価情報とを取得することを含み、質問文提示処理は、文章情報及び評価情報に基づいて、第1分類情報に関する第1質問文をユーザに提示し、文章情報及び評価情報に基づいて、第2分類情報に関する第2質問文をユーザに提示することを含み、選好情報取得処理は、第1分類情報及び第2分類情報に対するユーザの選好を示す選好情報をユーザから取得することを含み、リスク許容度算出処理は、選好情報に基づいて、第1分類情報及び第2分類情報のそれぞれに対するユーザのリスク許容度を算出することを含んでもよい。
【0008】
上記態様において、商品情報取得処理は、商品情報として、第1金融商品の第1商品情報及び第2金融商品の第2商品情報をそれぞれ取得することを含み、分類情報割当処理は、第1金融商品及び第2金融商品に分類情報を割り当てることを含み、文章情報取得処理は、第1金融商品の属性情報及び第2金融商品の属性情報に基づいて、第1金融商品の文章情報及び評価情報と、第2金融商品の文章情報及び評価情報とを取得することを含み、質問文提示処理は、第1金融商品の属性情報、文章情報及び評価情報に基づいて、分類情報に関する第1質問文をユーザに提示し、第2金融商品の属性情報、文章情報及び評価情報に基づいて、分類情報に関する第2質問文をユーザに提示することを含み、選好情報取得処理は、第1質問文及び第2質問文のそれぞれに対するユーザの選好を示す選好情報をユーザから取得することを含み、リスク許容度算出処理は、選好情報に基づいて、分類情報に含まれる金融商品に対するユーザのリスク許容度を算出することを含んでもよい。
【0009】
上記態様において、質問文提示処理は、分類情報に関する複数の質問文をユーザに提示することを含み、リスク許容度算出処理は、複数の質問文を通じて取得された選好情報に基づいて、リスク許容度を算出することを含んでもよい。
【0010】
上記態様において、コンピュータに、分類情報及びリスク許容度に基づいて、分類情報に対するリスク許容度をユーザに提示するリスク許容度表示画面の情報を生成する、画面情報生成処理、をさらに実行させてもよい。
【0011】
上記態様において、コンピュータに、リスク許容度が所定の条件を満たす分類情報に含まれる金融商品候補をユーザに提示する商品候補画面の情報を生成する、候補画面情報生成処理、をさらに実行させてもよい。
【0012】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、金融商品の属性情報と、金融商品が参照する金融ベンチマークの変動傾向と金融商品の価格の変動傾向との類似度を示す類似度情報と、金融商品の価格変動に基づいて算出される金融商品のリスク情報とを含む商品情報を取得する商品情報取得部と、類似度情報とリスク情報とに基づいて、金融商品に分類情報を割り当てる分類情報割当部と、属性情報に基づいて、金融商品に関連付けられた文章情報及び文章情報に対する評価情報を取得する文章情報取得部と、属性情報と、文章情報と、評価情報とに基づいて、分類情報に関する質問文をユーザに提示する質問文提示部と、分類情報に対するユーザの選好を示す選好情報をユーザから取得する選好情報取得部と、選好情報に基づいて、分類情報に対するユーザのリスク許容度を算出するリスク許容度算出部と、を備える。
【0013】
本発明の一態様に係る方法は、コンピュータが、金融商品の属性情報と、金融商品が参照する金融ベンチマークの変動傾向と金融商品の価格の変動傾向との類似度を示す類似度情報と、金融商品の価格変動に基づいて算出される金融商品のリスク情報とを含む商品情報を取得することと、類似度情報とリスク情報とに基づいて、金融商品に分類情報を割り当てることと、属性情報に基づいて、金融商品に関連付けられた文章情報及び文章情報に対する評価情報を取得することと、属性情報と、文章情報と、評価情報とに基づいて、分類情報に関する質問文をユーザに提示することと、分類情報に対するユーザの選好を示す選好情報をユーザから取得することと、選好情報に基づいて、分類情報に対するユーザのリスク許容度を算出することと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金融商品に対するユーザのリスク許容度を、リスク許容度の変化要因に応じて算出することを可能とするプログラム、情報処理装置、及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係るリスク許容度算出システムの概略を示す図である。
【
図2】金融商品が参照する金融ベンチマークと金融商品について説明する図である。
【
図3】本実施形態に係るリスク許容度算出システムにおける質問文生成の手順を説明する図である。
【
図4】本実施形態に係るリスク許容度算出装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る商品情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る金融ベンチマーク情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るリスク許容度マップの一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る金融商品ごとの分類情報の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る文章情報及び評価情報の一例である。
【
図10】本実施形態に係る共起表現情報の一例である。
【
図11】本実施形態に係るリスク許容度算出装置における処理のフローチャートである。
【
図12】本実施形態に係るリスク許容度マップに分類された金融商品の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係るリスク許容度算出装置による質問文の生成及びリスク許容度算出の一例を説明する図である。
【
図14】本実施形態に係るリスク許容度算出装置による質問文の生成の一例を説明する図である。
【
図15】本実施形態に係るリスク許容度算出装置による質問文の生成の他の一例を説明する図である。
【
図16】本実施形態に係るリスク許容度算出装置による、分類情報に対する質問文の生成の一例を説明する図である。
【
図17】本実施形態に係る質問文提示画面の一例を示す図である。
【
図18】本実施形態に係るリスク許容度算出装置による、質問文が生成される分類情報の選択手順を説明する図である。
【
図19】本実施形態に係るリスク許容度算出装置による、質問文が生成される分類情報の選択手順を説明する図である。
【
図20】本実施形態に係るリスク許容度の一例を示す図である。
【
図21】本実施形態に係るリスク許容度表示画面の一例を示す図である。
【
図22】本実施形態に係る商品候補画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0017】
図1には、本実施形態に係るリスク許容度算出システム10の概略図が示される。リスク許容度算出システム10は、リスク許容度算出装置101、ユーザ端末102a,102b・・・102n、及び文章情報提供装置103を備える。なお、特に区別の必要がない場合、ユーザ端末102a~102nをユーザ端末102という。
【0018】
リスク許容度算出装置101は、所定のプログラムを実行することによって、後述する処理を行い、ユーザのリスク許容度を算出するサーバ等の情報処理装置である。ユーザ端末102は、自身のリスク許容度を算出するユーザが操作するコンピュータやスマートフォン等の情報処理装置である。文章情報提供装置103は、例えば、経済に関するニュースを提供する事業者がニュースの配信に用いるサーバである。
【0019】
リスク許容度算出装置101は、ユーザ端末102及び文章情報提供装置103とネットワークNを通じて通信可能に接続される。
【0020】
図2を参照して、本実施形態に係る金融ベンチマーク及び金融商品それぞれのリスクと、金融ベンチマークと金融商品との類似度について説明する。ここで、金融ベンチマークとは、金融市場の商品価格などに基づいて算出される指標である。金融ベンチマークは、例えば、株式市場においては、市場に上場する銘柄から選択された銘柄の価格及び銘柄ごとの構成割合に基づいて算出される値である。金融ベンチマークは、債券市場においても、債券価格及び金融ベンチマークを構成する債券の構成割合に応じて算出される。金融ベンチマークが算出される金融商品は、株式や債券に限られず、例えば、金,石油,農作物に関する金融商品や、原資産を対象とする先物取引に関する金融商品、及び暗号資産に関する金融商品がある。また、金融ベンチマークには、運用時に参照する指数、例えば環境等に関するESG指数や、ダイバーシティに関する指数等を用いることもできる。
【0021】
また、金融ベンチマークは、金融ベンチマークを算出する機関それぞれが独自に算出する値であり、複数種類の金融ベンチマークが存在する。金融ベンチマークは、例えば、その構成銘柄の株価の平均として算出されてもよく、金融ベンチマークを算出する機関が独自に設ける指標として算出されてもよい。
【0022】
資産運用において、ユーザが購入する金融商品には、例えば、投資信託、ETF(Exchange Traded Fund)、債券などがある。これらの金融商品には、金融ベンチマークが関連付けられ、金融ベンチマークに対する価格変動に応じて、その運用成績が測定される。
【0023】
図2には、金融ベンチマークBMa,BMbの値の時間変動及び、金融商品FPa,FPb,FPc,FPdの価格の時間変動が示される。
【0024】
金融ベンチマークBMa,BMb及び金融商品FPa,FPb,FPc,FPdのそれぞれに対してリスクが算出される。金融ベンチマークのリスクは、所定の期間における金融ベンチマークの標準偏差として表される。リスクが大きいことは、金融ベンチマークの値の変動が大きいことを示す。
図2では、金融ベンチマークBMaが,金融ベンチマークBMbよりもリスクが大きい。金融商品についても同様に、リスクが大きいことは、金融商品の価格の変動が大きいことを示す。
図2では、金融商品FPa,FPbのリスクは、金融商品FPc,FPdのリスクと比較して小さい。
【0025】
金融商品に対しては、それぞれの金融商品が参照する金融ベンチマークとの類似度という概念を導入する。類似度とは、金融ベンチマークと当該金融ベンチマークを参照する金融商品との関係に基づいて算出される情報である。類似度は、例えば、金融ベンチマークと金融商品のそれぞれの変動傾向や、金融ベンチマークと金融商品のそれぞれの構成銘柄等を用いて算出される情報である。類似度は、変動傾向や構成銘柄等がどの程度類似するかを示す情報である。
【0026】
類似度は、例えば、時系列データの類似度を算出するための手法の一つである動的時間伸縮法(Dynamic Time Warping:DTW)を用いて算出される。この場合、金融商品の時系列データと金融ベンチマークの時系列データとを用いて類似度が算出される。例えば、金融商品FPa,FPbが金融ベンチマークBMaを参照する金融商品であるとする。このとき、
図2に示されるように、金融商品FPaは、金融ベンチマークBMaと似通った価格変動を、時間のずれを伴いつつ行う。したがって、金融商品FPaと金融ベンチマークBMaとの類似度は高くなる。また、金融商品FPbは、金融ベンチマークBMaとは異なる価格変動を行う。この場合、リスクという観点では、金融商品FPbは金融ベンチマークBMaと同様に大きいリスクを有しているが、金融ベンチマークBMaとの類似度という観点では、金融商品FPbと金融ベンチマークBMaとの類似度は小さくなる。
【0027】
同様に、金融商品FPc,FPdが金融ベンチマークBMbを参照する金融商品であるとする。この場合、金融商品FPcは金融ベンチマークBMbと同様に小さいリスクであるが、互いに異なる価格変動をするので、金融商品FPcと金融ベンチマークBMbとの類似度は小さくなる。また、金融商品FPdは、金融商品FPdと同様に小さいリスクであるが、金融ベンチマークBMbとやや似通った価格変動をするので、類似度は中程度となる。
【0028】
金融商品と金融ベンチマークとの類似度は、リスクの近さの程度を基準とする類似度や時系列データに基づく類似度以外に、金融商品と金融ベンチマークそれぞれの構成銘柄の重複の程度によって算出されてもよい。この場合、集合の類似度を示す尺度であるJaccard係数、Dice係数又はSimpson係数を用いて、類似度が算出される。本実施形態では、金融商品と金融ベンチマークとの類似度として、上記方法によって算出される、リスクの近さの程度を基準とする類似度以外の類似度を用いる。
【0029】
金融商品は、それぞれの金融商品のリスクと、それぞれの金融商品が参照する金融ベンチマークとの類似度に応じて分類することができる。例えば、
図2の金融商品FPaは、リスクが大きく、類似度が高い金融商品として分類される。
【0030】
図3を参照して、リスク許容度算出システムにおける質問文生成の手順を説明する。ステップ(A)において、金融商品及び金融ベンチマークが、リスク及び金融ベンチマークとの類似度に応じて分類される。金融商品は、ベンチマークとの類似度及びリスクに応じて、
図3に示すように、横軸にベンチマークとの類似度、縦軸にリスク情報を有するリスク許容度マップMに対応するように分類される。ここで、リスク情報とは、リスクの数値に基づくリスクの分位を示す情報である。金融ベンチマークの分類では、自身との類似度を同一(きわめて高い)として、リスク許容度マップMの左端の列にリスク順に金融ベンチマークが分類される。共通の類似度及びリスクに分類される金融商品は複数あってもよい。つまり、ある類似度及びリスク情報には、当該類似度及びリスク情報を有すると分類される金融商品が複数含まれる。
【0031】
ステップ(B)において、金融商品の情報、例えば、金融商品に含まれる銘柄の業種を示す情報や銘柄の地域等の情報に基づいて、金融商品がニュース等の文章情報に関連付けられる。ステップ(C)において、リスク許容度算出装置101によって、ある金融商品及び当該金融商品に関連付けられる文章情報に基づいて、ベンチマークとの類似度及びリスクごとに分類される金融商品に関するリスク許容度を算出するための質問文が生成される。
【0032】
質問文は、例えば、
図3に示されるように、いくつかの文章を含み、かつ選択肢を伴う文章として生成される。質問文はユーザに提示され、ユーザが自身の運用傾向に合う選択肢が選択される。例えば、
図3では、あるテーマXについて、「A:活用の期待が大きい」、「B:規制の懸念が大きい」、「C:わからない」という選択肢を含む質問文が提示される。例えば、ユーザがAの選択肢を選んだ場合、ユーザは、当該類似度及びリスクに分類される金融商品に対しては好意的な見方を有しており、それらの金融商品に対するリスク許容度を高めてもよいと判断される。Bの選択肢の場合は、逆に金融商品に対して好意的でない見方をしており、リスク許容度を下げる必要があると判断される。Cの選択肢の場合は、リスクを具体的な数値として判断することができないので、安全をとり、リスク許容度がゼロ、つまりリスクを一切許容しないものとして判断される。
【0033】
このように金融商品を分類し、ある分類に関する質問文を生成することで、個々の金融商品に対して、例えば年齢や収入等に基づく均一的なリスク許容度ではなく、共通の分類に属する金融商品に対するより総合的なリスク許容度を取得できる。また、ユーザのリスク許容度の変化要因ともなり得る金融商品に関連するニュース等の文章情報に基づいて質問文を生成するので、変化要因を反映した質問によってリスク許容度を取得することができる。
【0034】
図4を参照して、リスク許容度算出装置101の各部について説明する。
図4には、リスク許容度算出装置101のブロック図が示される。リスク許容度算出装置101は、記憶部401、通信部402、商品情報取得部403、分類情報割当部404、文章情報取得部405、質問文提示部406、選好情報取得部407、リスク許容度算出部408、画面情報生成部409、及び候補画面情報生成部410を備える。
【0035】
リスク許容度算出装置101の各部における情報処理は、例えば、リスク許容度算出装置101において、メモリ等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることによって、実現することができる。
【0036】
記憶部401は、リスク許容度算出装置101での処理に用いられる各種の情報を記憶する。記憶部401は、金融商品DB4011、ベンチマークDB4012、及び質問文生成情報DB4013を有する。
【0037】
金融商品DB4011には、
図5に示されるように、リスク許容度算出装置101によるリスク許容度の算出に用いられる金融商品の商品情報が記憶される。
【0038】
商品情報は、「金融商品名」、「金融ベンチマーク」、「金融商品ID」、「金融ベンチマークID」、「属性情報」、「類似度情報」、「リスク」、「リスク情報」の項目を有する。
【0039】
「金融商品名」は、金融商品の名称を示す情報である。金融商品は、例えば、「A投資信託(新興国)」(第1金融商品)や「B投資信託(米国)」(第2金融商品)のように、国や地域を絞った金融商品や、「C投資信託(テーマ:半導体)」,「C投資信託(テーマ:自動車)」のように、銘柄の産業上のテーマが設けられた金融商品がある。また、「D投資信託(全世界株式)」のように、国や地域を限定しない金融商品や、「E債券(X国)」のように、取り扱う資産が債券である金融商品がある。また、「F投資信託(インデックス型)」や「G投資信託(新興国(インデックス)型)」のように、それぞれが参照するベンチマークに沿った価格変動を目的とする金融商品がある。なお、金融商品は上記の例に限られず、投資信託や債券の他に不動産投資に関するリート(REIT)などを含み得る。また、金融商品は、対応する金融ベンチマークを有する金融商品であれば様々な種類の金融商品を含み得る。例えば、金,石油,農作物に関する金融商品や、原資産を対象とする先物取引に関する金融商品、及び暗号資産に関する金融商品が含まれ得る。また、例えばESG指数や、ダイバーシティに関する指数等に関連付けられる金融商品が含まれ得る。
【0040】
「金融ベンチマーク」の項目は、それぞれの金融商品が参照する金融ベンチマークを示す情報である。金融ベンチマークは金融商品同士で共通であってもよく、異なっていてもよい。
【0041】
「金融商品ID」及び「金融ベンチマークID」の項目は、金融商品及び金融ベンチマークを識別するための情報である。
【0042】
「属性情報」は、金融商品に関する様々な情報を含む。属性情報は、例えば、「資産クラス」、「銘柄」、「業種」、「地域」、「国」及び「テーマ」の項目を有する。「資産クラス」の項目は金融商品の資産の種類を示す情報であり、株式や債券などの情報が記録される。「銘柄」の項目は、投資信託が投資対象とする株式の銘柄を示す情報が記録される。例えば、AA投資信託では、「A001」,「A002」等の銘柄が投資対象であることが記録される。「業種」の項目は、例えば、金融商品がある業種に投資対象を限っている場合に、投資対象となる業種が記録される。例えば、C投資信託では、半導体をテーマとしているため、業種に「製造業」という情報が記録される。「地域」及び「国」の項目は、金融商品の投資先となる銘柄等がある地域及び国を示す情報が記憶される。例えば、A投資信託では、地域が「アジア」、国が「タイ、マレーシア、インドネシア等」として記録される。「テーマ」の項目は、金融商品の投資対象となる産業上のテーマを示す情報が記録される。例えば、C投資信託ではテーマが「半導体」として記録される。他の例として、テーマは、自動車や医療など、任意のテーマが採用され得る。なお、図示は省略されているが、他の金融商品に対してもそれぞれ属性情報が記録される。また、新しく金融商品が追加される場合には、追加される金融商品に応じた属性情報が記録される。また、属性情報の項目自体も、金融商品に応じて適宜追加され得る。
【0043】
「類似度情報」は、例えばDTW距離やJaccard係数等に基づいて算出された金融商品と金融ベンチマークとの類似度に応じて、類似度のレベルを示す情報である。例えば、規格化された類似度をいくつかの区分に分け、各金融商品と各金融ベンチマークとの類似度に応じて、各金融商品に対する類似度情報が関連付けられる。
図5の例では、(BM,1,2,3,4)という5つの類似度の区分が設けられた場合が示される。類似度情報がBMとは、金融商品と金融ベンチマークとの類似度が非常に高く、金融商品の価格はベンチマーク(Bench Mark:BM)と同様の変化をすることを意味する。類似度が小さくなるにつれて、「4」の類似度情報から「1」の類似度情報が関連付けられる。類似度情報の数値が小さいほど、金融商品の価格は金融ベンチマークとは異なった変化をする。
【0044】
「リスク」の項目は、金融商品の所定期間におけるリスクを示す情報である。所定期間は例えば1年である。「リスク情報」の項目は、リスクの値に応じたリスクのレベルの情報である。リスク情報は、いくつかの区分を有する。例えば、5つの区分を設ける場合には、リスクをrと表記すると、0%<r≦3%の場合は「1」,3%<r≦5%の場合は「2」、5%<r≦7%の場合は「3」、7%<r≦10%の場合は「4」、10%<rの場合は「5」のように、リスク情報の区分がなされる。
【0045】
「類似度情報」、「リスク」、及び「リスク情報」に記録される各情報は、リスク許容度算出装置101によって算出されて記録されてもよく、リスク許容度算出装置101とは異なる情報処理装置によって算出された情報が、リスク許容度算出装置101にて取得されて記録されてもよい。
【0046】
ベンチマークDB4012には、
図6に示されるように、商品情報にて各金融商品が参照する金融ベンチマークのリスク及び商品情報と同じ区分を有するように、金融ベンチマークのリスクに応じて関連付けられたリスク情報が記録される。また、ベンチマークDB4012には、各ベンチマークに関する様々な情報が記録される。例えば、各ベンチマークを構成する銘柄及びその構成比率を示す情報や、ベンチマークが対象とする地域、構成銘柄の業種比、又は各構成銘柄に対して判断されるバリューやグロース等に基づくファクター比等の情報が記録される。
【0047】
金融商品に関連付けられる「類似度情報」及び「リスク情報」に基づいて、金融商品を、
図7に示されるようなリスク許容度マップMのいずれかの領域に分類することができる。つまり、リスク許容度マップMは、分類情報=(類似度情報、リスク情報)で指定される領域を有する。
図7では、類似度情報及びリスク情報がいずれも5区分である場合の例が示される。なお、類似度情報及びリスク情報の区分数は、必要に応じてそれぞれ適宜増減され得る。また、リスク許容度マップMには、リスク情報が「0」である区分が、類似度情報に関しては区分されることなく設けられている。リスク情報「0」の区分は、リスク許容度が0の場合に、広義の金融商品としての預金に対応して設けられる区分である。なお、リスク情報が「0」である区分は、リスク許容度マップMと一体的に表示されるように設けられる以外に、リスク許容度マップMと分離して、例えば1つのマス目を有する分離したマップとして設けられてもよい。
【0048】
図8には、
図6の類似度情報及びリスク情報に基づいて、金融商品のそれぞれに分類情報が割り当てられた状態が示される。分類情報は、金融商品ID等に関連付けられて記憶部401に記憶される。金融商品は、それぞれの分類情報に基づいて、リスク許容度マップM上の領域に関連付けられる。例えば、金融商品ID「ASSET001」の金融商品であるA投資信託は、分類情報が(類似度情報,リスク情報)=(BM,5)(第1分類情報)なので、リスク許容度マップMのちょうど左上の領域に関連付けられる。また、金融商品ID「ASSET002」の金融商品であるB投資信託は、分類情報が(類似度情報,リスク情報)=(BM,2)(第2分類情報)なので、リスク許容度マップMの左側中段の領域に関連付けられる。
【0049】
質問文生成情報DB4013には、リスク許容度算出装置101による質問文の生成に用いられる文章情報及び評価情報が記録される。質問文生成情報DB4013に記録される情報は、「文章情報」、「文章ID」、「キーワード情報」、及び「評価情報」の項目を有する。
【0050】
「文章情報」の項目は、リスク許容度算出装置101が文章情報提供装置103から取得した文章の情報である。「文章ID」の項目は各文章を識別するための情報である。「キーワード情報」の項目は、例えば、後述の文章情報取得部405による自然言語処理によって抽出された文章中のキーワードを示す情報である。
【0051】
「評価情報」の項目は、文章情報取得部405による自然言語処理によって生成され、文章の経済的な評価を示す情報(センチメント情報)である。評価情報は、例えば、「肯定的」、「否定的」、及び「中立」という3つの値を有する。評価情報の生成には、入力を文章、出力を評価情報とした学習データを用いて事前学習された、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)などの深層学習モデルを用いることができる。評価情報が肯定的であることは、文章が経済的に明るいニュースであることを意味し、評価情報が否定的であることは、文章が経済的に好ましくないニュースであることを意味する。評価情報が中立であることは、文章がいずれの評価にも適さないことを意味する。
【0052】
例えば、文章ID「S001」の文章は、「東南アジア諸国では、景気拡大の傾向」という文章であり、キーワード情報は「東南アジア」及び「景気拡大」である。この場合、評価情報は「肯定的」となる。一方、文章ID「S002」の文章は、「マレーシアでの消費は抑制傾向」という文章であり、キーワード情報は「マレーシア」、「消費」及び「抑制」である。この場合、評価情報は「否定的」となる。質問文生成情報DB4013では、他の文章についても、同様にキーワード情報及び評価情報が関連付けられて記録される。
【0053】
図10には、質問文生成情報DB4013に記録される、各金融商品の共起表現の一例が示される。共起表現は、金融商品の属性情報に基づいて生成される単語の組である。なお、共起表現で組み合わせられる単語の数は任意に決定することができ、3単語異常の組み合わせが共起表現とされてもよい。例えば、金融商品ID「ASSET001」の金融商品に対しては、(東南アジア,景気)、(タイ,経済)、(マレーシア,消費)などの共起表現が予め関連付けられて記録される。例えば、文章情報取得部405は、これらの共起表現及びキーワード情報に基づいて、金融商品に文章を関連付ける。
図10では、金融商品ID「ASSET001」の金融商品に対しては、文章ID「S001」及び「S002」の文章が関連付けられている。また、米国を対象とする金融商品である金融商品ID「ASSET002」の金融商品に対しては、文章ID「S003」及び「S004」の文章が関連付けられている。
【0054】
質問文生成情報DB4013に記録される各種の情報は、リスク許容度算出装置101によって生成されてもよく、あるいは、他の情報処理装置によって生成された情報がリスク許容度算出装置101によって取得され、記録されてもよい。
【0055】
通信部402は、リスク許容度算出装置101とユーザ端末102及び文章情報提供装置103との間の通信の制御を行う。
【0056】
商品情報取得部403は、例えば、リスク許容度マップMの作成要求があった場合などにおいて、金融商品DB4011を参照し、商品情報を取得する。
【0057】
分類情報割当部404は、取得した商品情報に含まれる類似度情報とリスク情報とに基づいて、金融商品に、例えば、
図8に示されるような分類情報を割り当てる。
【0058】
文章情報取得部405は、例えば、質問文生成情報DB4013を参照し、属性情報に基づいて金融商品に関連付けられた文章情報及び文章情報に対する評価情報を取得する。
【0059】
質問文提示部406は、文章情報と、評価情報とに基づいて、金融商品の分類情報に関する質問文を生成し、ユーザに提示する。質問文の生成処理については後述する。
【0060】
選好情報取得部407は、質問文に対するユーザの選好を示す選好情報をユーザから取得する。選好情報は、例えば、選択肢を含む質問文においてユーザが好む選択肢であると回答した選択肢を示す情報である。
【0061】
リスク許容度算出部408は、選好情報に基づいて、質問文が生成された分類情報に対するユーザのリスク許容度を算出する。例えば、リスク許容度算出部408は、ユーザが好むと回答した選択肢に対応する分類情報へのリスク許容度を100とし、他方の選択肢に対応する分類情報へのリスク許容度を0とする。リスク許容度算出部408は、同じ分類情報に対してユーザの選択を複数受け付けた場合には、リスク許容度の平均値を当該分類情報に対するリスク許容度とする。例えば、ある分類情報に対して1つ目の選好情報によって、リスク許容度が100となり、2つ目の選好情報によって、リスク許容度が0となった場合には、平均値50をリスク許容度とする。なお、リスク許容度の算出の際は、他の分類情報への回答に基づく重みを考慮してもよい。
【0062】
リスク許容度マップの各分類情報に対して、文章情報取得部405による文章情報及び評価情報の取得、質問文提示部406による質問文の提示、選好情報取得部407による選好情報の取得、及びリスク許容度算出部408によるリスク許容度の算出が繰り返されて、リスク許容度マップの全ての分類情報に対するリスク許容度が算出される。
【0063】
画面情報生成部409は、分類情報及び分類情報のリスク許容度に基づいて、分類情報に対するリスク許容度をユーザに提示するリスク許容度表示画面の情報を生成する。
【0064】
候補画面情報生成部410は、リスク許容度が所定の条件を満たす分類情報に含まれる金融商品の候補をユーザに提示する商品候補画面の情報を生成する。リスク許容度表示画面及び商品候補画面については後述する。
【0065】
図11を参照して、リスク許容度算出装置101による処理について説明する。
【0066】
ステップS1101において、リスク許容度算出装置101は、ユーザ端末102を通じて、ユーザからリスク許容度算出要求を取得する。
【0067】
ステップS1102において、商品情報取得部403は、金融商品DB4011を参照して金融商品の商品情報を取得する。
【0068】
ステップS1103において、分類情報割当部404は、金融商品の属性情報に基づいて、金融商品に分類情報を割り当てる。分類情報が割り当てられた金融商品は、例えば、
図12に示されるように、リスク許容度マップMにそれぞれ分類され得る。
【0069】
ステップS1104において、質問文提示部406は、質問文を生成する対象となる分類情報を決定する。質問文の生成は、複数の分類情報に対して行われるため、質問文の提示と、提示された質問文に対する選好情報の取得及びリスク許容度の算出とが繰り返し行われる。どの分類情報に対しても質問文が生成されていない初回の段階にて質問文を生成する場合は、類似度情報がBMでありリスク情報が最大となる分類情報及び類似度情報がBMでありリスク情報が最小となる分類情報が決定される。例えば、
図13(a)に斜線で示されるように、初回では、(類似度情報,リスク情報)=(BM,5)の分類情報と、(類似度情報,リスク情報)=(BM,1)の分類情報を、質問文の生成対象となる分類情報として決定する。以降のループにおける分類情報の決定については後述する。
【0070】
ステップS1105において、質問文提示部406は、ある分類情報について、分類情報に含まれる金融商品に関連付けられた、文章情報及び評価情報を取得する。例えば、初回の場合は、質問文提示部406は、
図12の(類似度情報,リスク情報)=(BM,5)の分類情報について、この分類情報が割り当てられるA投資信託に関連付けられた、文章情報及び評価情報を取得する。また、質問文提示部406は、
図12の(類似度情報,リスク情報)=(BM,1)の分類情報について、この分類情報が割り当てられるF投資信託に関連付けられた、文章情報及び評価情報を取得する。
【0071】
ステップS1106において、質問文提示部406は、
図13(b)に示されるような分類情報に関する質問文を生成し、ユーザ端末に送信する。例えば、分類情報(BM,5)について、質問文提示部406は、
図14(a)に示されるようなステップで質問文を生成する。
【0072】
図14(a)のステップ(1)において、質問文提示部406は、質問文生成情報DB4013を参照し、A投資信託に関連付けられた文章のうち、評価情報が肯定的である文章及び否定的である文章を取得する。質問文提示部406は、各文章のキーワード情報を参照し、キーワードによって文章が生成可能に、語の空白箇所がある文章を生成する。
図14(a)のステップ(2)において、質問文提示部406は、肯定的な評価情報を有する文章のキーワードに基づく文の文末に「の期待がある一方」という資産価値の上昇に関して肯定的な表現を追加し、否定的な評価情報を有する文章のキーワードに基づく文の文末に「の懸念がある」という資産価値の上昇に関して否定的な表現を追加する。なお、質問文提示部406が生成する肯定的な文章と否定的な文章の組は、必ずしも「…期待がある」、「一方」、「…懸念がある」というテンプレートを用いる必要はない。例えば、「…が好調であり」、「その反面」、「…が不調である」であるテンプレートや、「…が緩和され」、「数年後には」、「…が規制される」といったテンプレートがあってもよい。また、キーワード間の表現を、質問文提示部406を用いて補完する。例えば質問文提示部406は、入力を任意の単語の組み合わせとし、出力を主辞とした学習データを用いて、助詞または複合詞の穴埋め問題を解くように学習されたBERT等の深層学習モデルを用いて、補完を行う。
図14(a)のステップ(3)において、質問文提示部406は、各単語が結合された一文を生成する。
図14(b)に示されるように、質問文提示部406は、他の投資信託、例えばB投資信託についても同様に一文を生成することができる。
【0073】
また、質問文提示部406は、他の質問文の生成方法として、ある金融商品の属性情報又は金融ベンチマークの情報に基づく質問文を生成することもできる。ある金融商品について、金融商品の構成銘柄、金融商品が対象とする地域、又は構成銘柄の産業分野等の属性情報に基づく質問文が生成される。例えば、「Xの金融商品があるとき、運用期待に対して懸念を許容できるか、A.『…の期待がある一方で』、『…の懸念がある』、B.わからない」という質問文が生成される。質問文Aは、Xの金融商品の属性情報に基づいて、肯定的文章と否定的文章とが組み合わされて生成される。他の例として、例えば、
図6に示される金融ベンチマーク「ベンチマークBM1」の構成銘柄A1社について、
図15(a)に示されるように、肯定的な表現と否定的な表現とを含む一文を生成することもできる。また、金融ベンチマーク「ベンチマークBM1」の他の構成銘柄であるA2社に関する文章情報及び評価情報に基づいて、肯定的な表現と否定的な表現とを含む一文を生成することもできる。両者を対比させてユーザに選択させることで、ユーザが好む銘柄を知ることが可能となる。
【0074】
また、質問文提示部406は、他の質問文の生成方法として、ある技術テーマを有する金融商品が含まれる分類情報への選好を取得するための質問文を生成することもできる。例えば、C投資信託が含まれる分類情報に関して、C投資信託そのものに対するリスク許容度を取得するために、
図15(b)に示されるような質問文を生成することができる。このとき、質問文提示部406は、C投資信託の属性情報の地域、国、及びテーマに基づいて「米国における半導体技術について」という見出しを生成し、「半導体技術」に関して肯定的な「活用」という単語と、否定的な「規制」という単語を含む文を生成する。質問文提示部406は、例えば、「半導体技術」等の分野に、「活用」などの肯定的な単語及び「規制」などの否定的な単語が関連付けられた情報に基づいて、上記のような文を生成することができる。質問文提示部406は、肯定的な単語を含む文の文末に「の期待がある一方」という資産価値の上昇に関して肯定的な表現を追加し、否定的な単語を含む文の文末に「の懸念がある」という資産価値の上昇に関して否定的な表現を追加することで、質問文を生成する。
【0075】
質問文提示部406は、例えば、
図13(b)に示されるように、(類似度情報,リスク情報)=(BM,5)の分類情報に対する文(第1質問文)と、(類似度情報,リスク情報)=(BM,1)の分類情報に対する文(第2質問文)とが組になった質問文を、ユーザ端末102に送信する。具体的には、質問文提示部406は、(類似度情報,リスク情報)=(BM,5)の分類情報及び(類似度情報,リスク情報)=(BM,1)の分類情報に対するリスク許容度を取得するために、「AとBの商品があるとき、運用期待と懸念が自分の趣向に合うのはどちらか、A.:(A投資信託に基づく質問文)、B.:(F投資信託に基づく質問文)、C:わからない」という質問文を生成することができる。ここで、「C:わからない」という選択肢は、預金に対応して設けられる選択肢である。
【0076】
ステップS1107において、選好情報取得部407は、質問文への回答を通じて、分類情報に対するユーザの選好をユーザ端末102から取得する。
【0077】
ステップS1108において、リスク許容度算出部408は、選好情報に基づいて、分類情報に対するユーザのリスク許容度を算出する。例えば、リスク許容度算出部408は、分類情報へのリスク許容度を、分類情報が好ましいとされた場合は100、選択されない場合は0という値を合計して得られる、リスク許容度合計値の回答回数に対する平均値をリスク許容度として算出する。
【0078】
図13(c)には、リスク許容度が算出された分類情報が塗りつぶされたリスク許容度マップMが示される。
図13(b)の質問文に対して、ユーザがAの商品が自身の趣向に合うと回答した場合、
図13(c)に示されるように、(類似度情報,リスク情報)=(BM,5)の分類情報に対するリスク許容度は100(=100÷1)とされる。また、(類似度情報,リスク情報)=(BM,1)の分類情報に対するリスク許容度は0(=0÷1)とされる。また、リスク情報0の預金に対するリスク許容度は0(=0÷1)とされる。仮に、以降の繰り返しにおいて、(類似度情報,リスク情報)=(BM,1)の分類情報に対して、リスク許容度の算出が行われる場合、この分類情報に基づく質問文の方がユーザの趣向に合うと回答されると、リスク許容度は50(=100÷2)とされる。
【0079】
ステップS1109において、リスク許容度算出部408は、リスク許容度マップの各分類情報についてリスク許容度の算出が終了したか否かを判断する。例えば、ステップS1108において、否定判断された場合、ステップS1104に戻り、質問文提示部406は、他の分類情報について、分類情報に含まれる金融商品に関連付けられた文章情報及び評価情報を取得する。
【0080】
初回の質問文の生成及びリスク許容度の算出が終了している場合の、以降のリスク許容度算出のための繰り返し処理について説明する。
【0081】
ステップS1104において、質問文提示部406は、質問文を生成する対象となる分類情報を決定する。例えば、(1)類似度情報は共通であり、リスク情報が異なる分類情報のうち、リスク許容度が未算出な分類情報について、リスク許容度が最大の分類情報と最小の分類情報とが対象の分類情報として決定される。また、(2)初回の質問への回答で、趣向に合うと選択された選択済み分類情報と共通のリスク情報を有し、類似度情報が異なる分類情報のうち、類似度情報が未算出な分類情報について、類似度情報が最大の分類情報と最小の分類情報とが対象の分類情報として決定される。また、(3)初回の質問への回答で、趣向に合うと選択された選択済み分類情報の、リスク許容度マップMにおける対角位置にあり、かつリスク許容度が未算出である分類情報について、選択済み分類情報とのリスク許容度マップM上での距離が最大の分類情報と最小の分類情報とが対象の分類情報として決定される。
【0082】
例えば、
図13(b)の質問文に対して、ユーザがAの商品が自身の趣向に合うと回答した場合、上記(1)の決定方法によって、
図16(a)に示されるように、(類似度情報,リスク情報)=(BM,4)の分類情報と、(類似度情報,リスク情報)=(BM,2)の分類情報が、質問文の生成対象となる分類情報として決定される。また、上記(2)の決定方法によって、
図16(b)に示されるように、(類似度情報,リスク情報)=(4,5)の分類情報と、(類似度情報,リスク情報)=(1,5)の分類情報が、質問文の生成対象となる分類情報として決定される。また、上記(3)の決定方法によって、
図16(c)に示されるように、(類似度情報,リスク情報)=(1,1)の分類情報と、(類似度情報,リスク情報)=(4,4)の分類情報が、質問文の生成対象となる分類情報として決定される。ここでは、上記(1)から(3)の分類情報の決定はまとめて行われ、以降はそれぞれの分類情報に対するリスク許容度の算出もまとめて行われるとする。なお、分類情報の決定及び分類情報へのリスク許容度の算出は、一括ではなく個別に繰り返して行われてもよい。
【0083】
ステップS1105において、質問文提示部406は、それぞれの分類情報について、分類情報に含まれる金融商品に関連付けられた、文章情報及び評価情報を取得する。
【0084】
ステップS1106において、質問文提示部406は、各分類情報に関する質問文を生成し、ユーザ端末に送信する。例えば、
図16(a)で示される分類情報の組についての質問文S1、
図16(b)で示される分類情報の組についての質問文S2、
図16(c)で示される分類情報の組についての質問文S3を生成する。
【0085】
さらに、ステップS1106において、質問文提示部406は、質問文S1~S3の複数の質問文を含む質問文グループSGをユーザ端末102に表示するための情報をユーザ端末102に送信する。ユーザ端末102には、
図17に示されるような質問文提示画面1701が表示される。このように複数の質問文S1からS4をまとめて送信することで、ユーザの回答負担を低減することができ、利便性が向上する。
【0086】
ステップS1107において、選好情報取得部407は、各質問文に基づいて、各質問文が対応する分類情報に対するユーザの選好情報をユーザ端末102から取得する。
【0087】
ステップS1108において、各選好情報に基づいて、各分類情報に対するリスク許容度が算出される。一回の画面提示によって、複数の分類情報に対するリスク許容度を取得できるので、質問の提示数を少なくすることができる。これにより、リスク許容度マップMにおいて十分な回答を得るまでの繰り返し回数を短くすることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0088】
ステップS1109において、リスク許容度算出部408は、リスク許容度マップの各分類情報についてリスク許容度の算出が終了したか否かを判断する。例えば、ステップS1108において、否定判断された場合、ステップS1104に戻り、上述の処理と同様の処理が繰り返される。例えば、
図16(a)~(c)の質問文に対する回答に基づいて、各分類情報のリスク許容度が算出されたとする。この場合繰り返し処理では、
図18(a)に示される初期状態から、上記(1)~(3)の方法による分類情報の決定が行われ、
図18(b)~
図18(d)に示される分類情報に対する質問文の生成及びリスク許容度が算出される。なお、
図18(b)のように、分類情報が1つのみ決定される場合、質問文提示部406は、「Aの商品があるとき、運用期待と懸念が自分の趣向に合うのはどちらか、A.:(対象の分類情報に属する金融商品に基づく質問文)、B:わからない」という質問文を生成する。これにより、対象の分類情報が1つである場合でも、リスク許容度が算出され得る。
【0089】
ステップS1108までの処理が繰り返された結果、
図18(b)~
図18(d)に示される分類情報に対するリスク許容度の算出が終了したリスク許容度マップMが
図18(e)に示される。
【0090】
ステップS1109において、さらに繰り返し処理が必要と判断された場合の例が
図19に示される。つまり、同じ
図19(a)の初期状態から、上記(1)~(3)の方法による分類情報の決定が行われ、
図19(b)~
図19(d)に示される分類情報に対する質問文の生成及びリスク許容度が算出される。この場合のリスク許容度マップMが
図19(e)に示される。
【0091】
このように、質問文の生成及びリスク許容度の算出対象となる分類情報を、上記(1)~(3)の方法によって決定することで、効率的にリスク許容度マップMの各分類情報に対するリスク許容度を算出することができる。
【0092】
なお、上述の3回の繰り返しにおいて、預金に対するリスク許容度は、初回の1回と繰り返しの9回を合わせた10回の回答を取得することができる一方で、各分類情報に対するリスク許容度は1回のみ算出されている。
【0093】
このような場合、例えば、リスク許容度の算出を最初からもう一度行うなどして、各分類情報に対して複数回のリスク許容度の算出が行われてもよい。
【0094】
また、ある分類情報がユーザによって好ましいと選択された場合に、当該分類情報にリスク許容度マップにおいて隣接する分類情報のリスク許容度が、一定の重みがかけられつつ上昇するようにしてもよい。
【0095】
例えば、(類似度情報,リスク情報)=(BM,5)の分類情報に基づく質問をユーザが好んだ場合、その周囲の、(類似度情報,リスク情報)=(BM,4),(4,5),(4,4)の各分類情報に、重みを加えつつリスク許容度が算出されるようにしてもよい。例えば、(類似度情報,リスク情報)=(BM,5)の分類情報のリスク許容度合計値に100が加えられる場合、(類似度情報,リスク情報)=(BM,4)の分類情報のリスク許容度合計値に50が加えられるようにしてもよい。このとき、重み付けされてリスク許容度が算出された分類情報は、以降の処理において、別途質問文が生成されてリスク許容度が算出されるようにしてもよい。重み付けを行うことで、1つの質問文で複数の分類情報に対するリスク許容度を取得できるので、質問の提示数を少なくすることができ、リスク許容度の算出速度が向上する。
【0096】
なお、質問文提示画面1701には、選好情報の取得対象となる分類情報のリスク許容度マップ上における位置が合わせて表示されてもよい。これにより、ユーザは自身がどの分類情報について回答しているかを把握することができ、より慎重あるいは適切な判断を行うことで、リスク許容度の算出精度が向上する。
【0097】
リスク許容度の取得が繰り返して行われ、ステップS1109において肯定判断されたとする。このときの分類情報に対するリスク許容度の一例が
図20に示される。
【0098】
ステップS1110において、画面情報生成部409は、分類情報及びリスク許容度に基づいて、
図21に示されるような、リスク許容度表示画面2101を生成するための情報を生成する。リスク許容度表示画面2101は、可視化されたリスク許容度マップ21011,解説情報欄21012,許容度拡張示唆情報欄21013を有する。可視化されたリスク許容度マップ21011は、リスク許容度マップの各領域が、例えば、ユーザのリスク許容度に応じて色分けされるなどして、リスク許容度の程度がわかるように表示される。これにより、ユーザが自身のリスク許容度の傾向を一覧的に把握することが可能となる。
【0099】
解説情報欄21012には、例えば、可視化されたリスク許容度マップ21011のうち、最も金融ベンチマークへの類似度が高く、最もリスクが小さい分類情報に対するリスク許容度に応じて、リスク許容度の幅を解説する文章が表示される。文章は、リスク許容度の幅が「やや小さい」、「小さい」、「中間位置」、「やや大きい」、「大きい」などの情報を表示する。また、解説情報欄21012には、リスク許容度の幅を視覚的に示す図表が表示されてもよい。
【0100】
許容度拡張示唆情報欄21013には、リスク許容度が所定の条件を満たすことを条件として選択された金融商品について、その金融商品のキーワード又はテーマに関する情報が表示される。許容度拡張示唆情報欄21013に表示されるキーワード又はテーマを含む金融商品は、ユーザがよりリスクを許容する可能性があるとして、示唆表示がなされる。これにより、ユーザは目標の収益を達成するために組み込み可能な金融商品について、検討や販売者へ相談が可能となる。
【0101】
ステップS1121において、候補画面情報生成部410は、リスク許容度が所定の条件を満たす金融商品の候補をユーザに提示する商品候補画面を表示するための情報を生成する。
図22には、一例として、商品候補画面2201が表示される。商品候補画面2201では、一例として、リスク許容度が所定の条件を満たすような分類情報に割り当てられた金融商品の情報が表示される。
【0102】
なお、
図21のリスク許容度表示画面2101と商品候補画面2201とを1つの画面として表示させることで、ユーザが結果をより確認しやすくしてもよい。あるいは、ユーザが可視化されたリスク許容度マップ21011のマス目をユーザ端末102において選択することで、選択されたマス目の分類情報に対応する金融商品の情報が候補画面のように表示されてもよい。
【0103】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0104】
10…リスク許容度算出システム、101…リスク許容度算出装置、102…ユーザ端末、103…文章情報提供装置、403…商品情報取得部、404…分類情報割当部、405…文章情報取得部、406…質問文提示部、407…選好情報取得部、408…リスク許容度算出部、409…画面情報生成部、410…候補画面情報生成部