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特開2023-88600コミュニケーションシステム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088600
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】コミュニケーションシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230620BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203431
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】721008408
【氏名又は名称】藤井 幹雄
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】藤井 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】藤井 鏡子
(72)【発明者】
【氏名】藤井 淳匡
(72)【発明者】
【氏名】藤井 克英
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブロックチェーン技術等に詳しくないユーザー層であっても容易にユーザーが作成した電子コンテンツデータに非代替性トークンNFTを付与し、これらの相互交換を行うことが可能なコミュニケーションシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】システムにおいて、分散型台帳部は、分散型台帳技術で構成され、ユーザー情報端末からの指示に応じて、代替性トークン及び非代替性トークンの生成、保存及びユーザー間の送受信を行う。ユーザー情報端末は、代替性トークン及び非代替性トークンの管理を行うためのウォレット部を有し、ユーザーからの入力に応じて、分散型台帳部に代替性トークン及び非代替性トークンのトークンの生成、保存及び送受信の指示を送信する。コミュニケーション管理部は、分散型台帳部における代替性トークン及び/又は非代替性トークンの処理結果に関する情報を取得、集計・分析及びこれを出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信技術により互いに接続された、分散型台帳部、コミュニケーション管理部、及び複数のユーザー情報端末を有する複数ユーザー間のコニュニケーションシステムであって、
分散型台帳部は、分散型台帳技術により構成されており、ユーザー情報端末を介したユーザーからの指示に応じて、代替性トークン及び非代替性トークンの生成、保存、及びユーザー間の代替性トークン、及び/又は非代替性トークンの送受信を行うよう構成されており、
ユーザー情報端末は、代替性トークン、及び非代替性トークンの管理を行うための各ユーザー個別のウォレット部を有し、ユーザーからの入力に応じて、分散型台帳部に代替性トークン及び/又は非代替性トークンの生成、保存、及びユーザー間の代替性トークン、及び/又は非代替性トークンの送受信の指示を送信可能に構成されており、
コミュニケーション管理部は、分散型台帳部における代替性トークン及び/又は非代替性トークンの処理結果に関する情報を取得、集計・分析、及びこれを出力可能に構成されていることを特徴とするコミュニケーションシステム。
【請求項2】
ユーザー情報端末のウォレット部に認証部が設けられており、当該認証部によりユーザーの認証情報の登録、認証情報の保存、及び認証情報の照会の管理が行われることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項3】
分散型台帳部によって生成される代替性トークンが、当該コミュニケーションシステム内においてのみ使用可能な電子的暗号資産としてユーザーに販売又は配布されるよう構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項4】
ユーザー情報端末が、ユーザー本人が作成した電子的コンテンツデータを保存を管理可能に構成されており、ウォレット部が、当該電子的コンテンツデータに対して個別識別情報として付与される非代替性トークンの生成、電子的コンテンツデータに対する非代替性トークンの付与、非代替性トークンが付与された電子的コンテンツデータの公開、非代替性トークンが付与された電子的コンテンツデータのユーザー間における交換を管理可能に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項5】
コミュニケーション管理部が、分散型台帳部における代替性トークン及び/又は非代替性トークンの処理結果に関する情報を取得し、取得した情報から、代替性トークン及び/又は非代替性トークンの生成、送信、受信に関するランキングを生成し、及び当該ランキングをユーザー情報端末を通じて出力を管理可能に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項6】
ウォレット部が、代替性トークン及び/又は非代替性トークン受信用のウェブページ、及び当該ウェブページへのリンクを生成可能に構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のコミュニケーションシステムにおいて実行可能に構成されたプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数ユーザー間の相互コミュニケーションを実現するためのコミュニケーションシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように非代替性トークン(ノンファンジブルトークン、NFT)の活用が広がっている。非代替性トークンとは、ブロックチェーン技術上などに記録される一意的で代替不可能なトークンをいう。画像・動画・音声やその他の任意のデジタルファイル、デジタルデータは容易に複製可能な特性を有するが、これらデジタルデータにNFTを付与することにより、一意なアイテムとして取り扱うことが可能となる。
【0003】
そこで、例えば特許文献1では、ゲームアイテムキャラクター等のいわゆるゲーム内資産に非代替性トークンNFTを付与することによって、ゲーム内のみならずゲーム外へこれらゲーム内資産を容易に送信し、及び/又はゲーム外から別のゲームにおけるゲーム内資産を受信可能とすることを可能とする試みが行われている。
【0004】
他方、昨今、動画配信型SNS、画像添付型SNSなど多様なSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が広がりを見せているが、このようなSNSにおいて送受信されるデジタルコンテンツは、発信者本人が作成したものであるかどうかの管理は利用規約等によって管理されるにとどまっている。
【0005】
このようなコンテンツ配信・コンテンツ添付型のSNSによって、多様なクリエイターに活躍の場が与えられ、特に低年齢層の才能あるクリエイター(低年齢ユーチューバーなど)の早期発掘が進んでいるという現状も存在する。
【0006】
今後、ブロックチェーン技術や非代替性トークンNFTのさらなる活用が進むことが予想される現状を考慮すると、そのような低年齢層のユーザーがブロックチェーン技術(代替性トークン、非代替性トークン)の活用・習熟を早期に開始することが望まれているが、利用開始にあたっての口座の開設の必要性などから、低年齢層ユーザーにとって利用開始が容易なシステムは現時点では存在していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-152815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、ブロックチェーン技術等に詳しくないユーザー層、特に低年齢層ユーザーであっても容易に利用することができるシステムであって、ユーザーが作成した電子コンテンツデータに非代替性トークンNFTを付与し、これらの相互交換を行うことを可能とし、更に、その活用を促進するコミュニケーションシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、情報通信技術により互いに接続された、分散型台帳部、コミュニケーション管理部、及び複数のユーザー情報端末を有する複数ユーザー間のコニュニケーションシステムにより解決される。このコミュニケーションシステムにおいては、分散型台帳部は、分散型台帳技術により構成されており、ユーザー情報端末を介したユーザーからの指示に応じて、代替性トークン及び非代替性トークンの生成、保存、及びユーザー間の代替性トークン、及び/又は非代替性トークンの送受信を行うよう構成されており、ユーザー情報端末は、代替性トークン、及び非代替性トークンの管理を行うための各ユーザー個別のウォレット部を有し、ユーザーからの入力に応じて、分散型台帳部に代替性トークン及び/又は非代替性トークンの生成、保存、及びユーザー間の代替性トークン、及び/又は非代替性トークンの送受信の指示を送信可能に構成されており、コミュニケーション管理部は、分散型台帳部における代替性トークン及び/又は非代替性トークンの処理結果に関する情報を取得、集計・分析、及びこれを出力可能に構成されている。
【0010】
別の実施形では、ユーザー情報端末のウォレット部に認証部が設けられており、当該認証部によりユーザーの認証情報の登録、認証情報の保存、及び認証情報の照会が行われる。
【0011】
別の実施形においては、分散型台帳部によって生成される代替性トークンが、当該コミュニケーションシステム内においてのみ使用可能な電子的暗号資産としてユーザーに販売又は配布されるよう構成されている。つまり、当該電子的暗号資産は、本発明にかかるコミュニケーションシステムという仮想空間内で、いわば「電子的玩具コイン」、「電子的トイコイン」として機能する。
【0012】
更に別の実施形においては、ユーザー情報端末が、ユーザー本人が作成した電子的コンテンツデータを保存可能に構成されており、ウォレット部が、当該電子的コンテンツデータに対して個別識別情報として付与される非代替性トークンの生成、電子的コンテンツデータに対する非代替性トークンの付与、非代替性トークンが付与された電子的コンテンツデータの公開、非代替性トークンが付与された電子的コンテンツデータのユーザー間における交換を管理可能に構成されている。
【0013】
コミュニケーション管理部は、分散型台帳部における代替性トークン及び/又は非代替性トークンの処理結果に関する情報を取得し、取得した情報から、代替性トークン及び/又は非代替性トークンの生成、送信、受信に関するランキングを生成し、及び当該ランキングをユーザー情報端末を通じて出力可能に構成されていることが可能である。
【0014】
また、ウォレット部は、代替性トークン及び/又は非代替性トークン受信用のウェブページ、及び当該ウェブページへのリンクを生成可能に構成されていることも考えられる。
【0015】
これらコミュニケーションシステムは、当該システムにおいて実行可能に構成されたプログラムに実現される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明にかかるコミュニケーションシステムの全体図。
図2】本発明にかかるコミュニケーションシステムにおいて用いられるユーザー情報端末の図。
図3】本発明にかかるコミュニケーションプログラムのためのフローチャート
図4】本発明にかかるコミュニケーションプログラムのためのフローチャート
図5】本発明にかかるコミュニケーションプログラムのためのフローチャート
図6】本発明にかかるコミュニケーションシステムにおいて用いられるコミュニケーション管理部の図
図7】本発明にかかるコミュニケーションシステムの稼働状態におけるユーザー情報端末における表示画面の例(ランキング表示状態及び受籠設置状態)
【発明を実施するための形態】
【0017】
[コミュニケーションシステム・概要]
図1は、本発明にかかるコミュニケーションシステムの全体図を示す。図1に示されるように、本発明にかかるコミュニケーションシステムは、分散型台帳部、コミュニケーション管理部、及び複数のユーザー情報端末からなる。これら分散型台帳部、コミュニケーション管理部、及び複数のユーザー情報端末は情報通信技術(インターネット通信網など)により互いに接続されており、相互のデータ・情報の送受信が可能に構成されている。
【0018】
[分散型台帳部・概要]
最初に分散型台帳部について説明する。分散型台帳部は、例えばDAG構造分散型台帳技術、つまり有効非巡回グラフ(Directed acyclic graph)と呼ばれる分散型台帳技術等を活用し構成されている。頂点から発生する有向辺(=矢印)で表現され、頂点から発生したひとつ若しくは幾つかの有向辺は頂点を繋ぐが、戻る動きはしない。ブロックチェーンでは前後各一つずつのブロックが連続する構造である、DAG構造では向きはあるが前後のブロック数に限りはない。つまりDAG構造において前後間の関係は、特別な制約を受けない。また、マイナーによるマイニングを必要とせず、ユーザー自身によるトランザクション個別PoW(Proof of Work)が実施されるなどの特徴を有する。これによって、ブロックチェーン技術におけるスケーラビリティの問題、トランザクション処理速度の問題、マイニング手数料(取引手数料)の問題を克服している。結果、暗号資産を所有したり、そのための口座を開設したりといったことが不要となる。特に、本発明にかかるコミュニケーションシステムにおいてはタングル型DAG構造分散型台帳技術等を採用しており、低年齢層のユーザーでも容易に利用を開始することができる。
【0019】
分散型台帳部は、ユーザー情報端末と接続されており、ユーザー情報端末からの指示により代替性トークンFT(ファンジブルトークン)を生成・交換(送受信)を可能とする機能を備えている。分散型台帳部は、更に、ユーザー情報端末からの指示により非代替性トークンNFT(ノンファンジブルトークン)を生成・交換(送受信)を可能とする機能を備えている。代替性トークン、非代替性トークンの生成・交換の態様については各ユーザー情報端末に設けられるウォレット部の機能と関連して後述する。
【0020】
[ユーザー情報端末・概要]
図1に示されるように、本発明にかかるコミュニケーションシステムには複数のユーザー情報端末が含まれている。図1には、ユーザー情報端末1~ユーザー情報端末nまで合計n台のユーザー情報端末が表されている。これらユーザー情報端末は、スマートフォン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、非携帯型ゲーム機、テレビ受信機、PC端末、その他電子情報通信端末など多様なデバイスであることが可能である。
【0021】
ユーザー情報端末は、分散型台帳部と通信可能に構成されている。各ユーザー情報端末と分散型台帳部との間の通信は、インターネット通信網などの情報通信網を通じて無線的、有線的に行われることが可能である。図示されているように各ユーザー情報端末は、分散型台帳部に情報・データを送信し、かつ分散型台帳部から情報・データを受信可能に構成されている。
【0022】
更に、ユーザー情報端末は、コミュニケーション管理部とも通信可能に構成されている。各ユーザー情報端末とコミュニケーション管理部との間の通信は、同様に、インターネット通信網などの情報通信網を通じて無線的、有線的に行われることが可能である。図示されているように各ユーザー情報端末は、コミュニケーション管理部に情報・データを送信し、かつコミュニケーション管理部から情報・データを受信可能に構成されている。
【0023】
[コミュニケーション管理部・概要]
図1に示されるように、本発明にかかるコミュニケーションシステムにはコミュニケーション管理部が設けられている。コミュニケーション管理部は、上述したとおり、各ユーザー情報端末、分散型台帳部と通信可能に構成されている。つまり、各ユーザー情報端末・分散型台帳部との間で情報・データを送受信可能に構成されている。
【0024】
[ユーザー情報端末・詳細]
次に図2に基づいてユーザー情報端末の詳細、及び各部の機能・動作について説明する。図2に示される通り、ユーザー情報端末には、基本機能部、入力部、出力部、そしてウォレット部が設けられている。
【0025】
[ユーザー情報端末・基本機能部]
基本機能部は、ユーザー情報端末としての基本的な機能、つまり情報処理機能、情報保存・読込機能、通信機能等を実現するための構成部分である。例えば、ユーザー情報端末がスマートフォン・タブレット端末・PC等である場合、これはCPUなどの情報の演算を行う手段、揮発性・不揮発性メモリ、HDD、SSDなどの情報の記憶を可能とするための手段、そして他のデバイス・サブシステム等、つまり分散型台帳部やコミュニケーション管理部との情報通信を実現する通信インターフェース等の通信手段を含んでいる。
【0026】
[ユーザー情報端末・ウォレット部]
図2に示されるようにユーザー情報端末は、ウォレット部(電子ウォレット、電子ウォレット部とも称す)を有している。このウォレット部は、ユーザー情報端末にダウンロード及びインストールして使用されるアプリケーションとして構成されていることが可能である。ウォレット部は、通信技術を介して分散型台帳部へアクセスし、分散型台帳部上で種々の処理を実現、当該処理の結果に関する情報を分散型台帳部から受信するためのツールとして機能するよう構成されている。
【0027】
このためウォレット部は、認証部、交換処理技術部、FT管理部、NFT管理部、受籠管理部、決済部等を有している。
【0028】
なおウォレット部は、ユーザー情報端末にダウンロード・インストールして使用されるアプリケーションとして構成される以外に、オンラインで利用可能な形式で構成されていることももちろん考えられる。
【0029】
[ユーザー情報端末・ウォレット部・認証部]
認証部は、本発明にかかるコミュニケーションシステムを利用するユーザーのいわゆる認証に関する処理を行う構成部分である。本発明にかかるコミュニケーションシステムのユーザーとしては、個人、法人、団体等が考えられる。認証部は、ユーザーが個人の場合には認証情報としての個人情報(氏名、所属、属性、生体情報、その他)の登録を、当該ユーザーの初回利用時に処理し、以後、当該ユーザーが本コミュニケーションシステムを利用するごとのログイン時の認証を処理するよう構成されている。ユーザーが法人、団体である場合には、認証情報として電子認証、電子証明等の情報が初回利用時に登録され、以後、当該団体が、本コミュニケーションシステムを利用するごとの認証に使用されることが可能であるよう、認証部は構成されている。
【0030】
よって認証部は、これら情報の登録(初回利用時など)及び認証(以後のログイン時など)を実現可能な構成要素を有している。具体的には初回利用時には、認証部は、ユーザーが入力した認証情報を後述するコミュニケーション管理部に引き渡す。コミュニケーション管理部においては当該認証情報の記録・保存が行われる。当該処理の詳細は後述する。そしてユーザーが以後、本コミュニケーションシステムを利用する際のログイン時には、認証部は、ユーザーから認証情報の入力を受け付けるとともに、コミュニケーション管理部に記録・保存された認証情報を照会し、両者を照合、ログイン可否を判断するよう構成されている。認証部による認証は、コミュニケーション管理部との協働に替えて、分散型台帳部との協働のもと行われるよう構成されていることも可能である。なお認証情報の記録・管理は、この態様に限られないことは当然である。
【0031】
参考に初回利用時、以後のログイン時のより詳細な処理のフローチャートを図3に示す。初回利用時の認証登録、及び以後のログイン時の認証はこれらフローチャートに従い行われることも当然可能である。
【0032】
[ユーザー情報端末・ウォレット部・交換処理技術部]
ウォレット部は交換処理技術部を有している。交換処理技術部は、DEXやレイヤー2技術によってウォレット部を通じて、各ユーザーアカウント間での代替性トークン、非代替性トークンの送受信を直接、P2Pで行うことを可能とする。このため、各トークンの秘密鍵は各ユーザーアカウントで個別管理されている。
【0033】
[ユーザー情報端末・ウォレット部・FT管理部]
ウォレット部には更に代替性トークンFT管理部が設けられている。代替性トークン管理部は、代替性トークンの生成(購入)、送受信(交換)、およびそれら履歴・結果の確認を管理するよう構成されている。
【0034】
FT管理部を通じた代替性トークンの購入(生成)は以下のように行われる。ユーザー情報端末は、後述する入力部を介して購入したい代替性トークンの数量の入力を受け付けるよう構成されており、かつユーザーがこれに対する対価の支払を行うことが可能であるよう構成されている。対価の支払は決済部を通じて行われるよう構成されている。決済部を通じて決済が行われたことが確認されると、FT管理部は、分散型台帳部を通じて代替性トークンの生成処理を行う。具体的には、各ウォレット部に割り当てられたウォレット識別情報、認証部を通じて各ウォレット部に登録された登録情報(個人又は法人情報)、及びこれらに付随する情報を代替性トークンの所有、所属情報として暗号化処理を実施し、分散型台帳部に記録、保存し、そして秘密鍵の発行を行う。これにより代替性トークンの所有、所属が保証され証明される。代替性トークンの生成は、例えばDAG構造分散型台帳技術等により行われるのでこれにともなう手数料は発生しない。
【0035】
代替性トークンは、本発明にかかるコミュニケーションシステムの初回利用時(上述した初回認証時など)には、一定量だけ無料発行されるよう構成されていることも可能である。
【0036】
また、代替性トークンは、発行総量に上限が設けられていることが可能である。発行総量の上限は、例えば、その年の世界のGDPに相当する量に対応させることなどが考えられる。
【0037】
FT管理部による代替性トークンの交換(送受信)は以下のように行われる。ユーザーによる代替性トークンを送信する旨の指示が、ユーザー情報端末の入力部により入力されると、FT管理部は、まず、ウォレット部の認証部によりユーザー認証を行う。ユーザー認証には、登録された個人・法人・団体の認証情報が使用される。これにより、代替性トークンの送信元が特定される。次に代替性トークンの受信側の所属情報の特定が行われる。受信側の所属情報の特定は、受信側ユーザーのウォレット識別情報、代替性トークン受信者の認証情報(個人情報、法人情報、団体情報)、及びそれらに付随する情報が用いられる。ついでこれらの情報が暗号化処理され、分散型台帳部に記録、保存され、そして秘密鍵が発行されることによって、代替性トークンの所有、所属を保証、証明し、代替性トークンの送受信処理が完了する。
【0038】
参考に、代替性トークンの購入、送信、交換処理に関するプログラムの詳細なフローチャートを図3に示す。代替性トークンの購入、送信、交換処理は、このフローチャートに従い行われることももちろん可能である。
【0039】
[ユーザー情報端末・ウォレット部・NFT管理部]
更に、ウォレット部には非代替性トークンNFT管理部が設けられている。非代替性トークン管理部は、非代替性トークンの生成、電子コンテンツデータに対する非代替性トークンの付与、非代替性トークンの保管、及び非代替性トークンに関する情報掲示板の管理を行うよう構成されている。
【0040】
[NFTの生成及び付与]
NFT管理部を通じた非代替性トークンの生成は、以下のように行われる。ユーザーは、まず自ら作成した任意の電子コンテンツデータを用意し、当該電子コンテンツデータに関する情報をNFT管理部に与える。NFT管理部は、与えられた電子データ情報、各ウォレット部に割り当てられたウォレット識別情報、認証部を通じて各ウォレット部に登録された登録情報(個人又は法人情報)、タイムスタンプ情報(NFT生成付与日時情報)、及びこれらに付随する情報を非代替性トークン情報として暗号化処理し、分散型台帳部に記録、保存し、そして秘密鍵の発行を行う。これによって、非代替性トークンが生成され、電子コンテンツデータに付与されるので、当該電子コンテンツデータが、当該ユーザーによる代替不可能な唯一無二のものであること、及び、その所有・所属が保証・証明される。非代替性トークンの生成付与は、例えばDAG構造分散型台帳技術等により行われるのでこれにともなう手数料は発生しない。NFTの生成・付与の実際のアプリケーションソフトウェアへの実装は種々の方法が考えられる(ユーザー情報端末で使用するアプリケーションソフトウェア中にNFT生成付与ツールボタンを設けるなど)。
【0041】
[NFTの保管]
NFT管理部には、電子コンテンツデータ保存用のスペースが設けられていることが可能である。このスペースは、例えば半導体素子メモリなどの電子的情報記録手段として構成されている。当該スペースは、上述した方法によって非代替性トークンNFTが付与された電子コンテンツデータが保存可能に構成されている。なお当該スペースは、NFT管理部外に設けられることももちろん可能である。NFTの保管の実際のアプリケーションソフトウェアへの実装は種々の方法が考えられる(ユーザー情報端末で使用するアプリケーションソフトウェア中にNFT保管庫ボタンを設けるなど)。
【0042】
[NFTの公開、管理]
NFT管理部は、非代替性トークンNFTが付与された電子コンテンツデータの公開可否を管理する機能を有している。具体的には、当該機能は後述する受籠管理部との協働のもと実現される。例えばNFT管理部は、非代替性トークンNFTを付与した電子データのための公開欄(公開ウェブページ等)と当該公開欄へのリンクを形成する機能を有することが可能である。当該公開欄及びリンクは、後述する受籠管理部による電子的掲示板上に公開されることが考えられる。NFTの公開の実際のアプリケーションソフトウェアへの実装は種々の方法が考えられる(ユーザー情報端末で使用するアプリケーションソフトウェア中にNFT掲示板ボタンを設けるなど)。
【0043】
[非代替性トークンNFTと代替性トークンFTの交換]
上述した非代替性トークンNFT付与済みの電子データ公開欄には、後述する「受籠」にアクセスするためのリンクが設けられることが可能である。これにより、非代替性トークンNFT付与済み電子データと受籠が関連づけられる。受籠は、交換により受け取る非代替性トークンNFT付与済み電子データの対価に相当する代替性トークンの数量(非代替性トークンNFT付与済み電子データを受け取りたいユーザーが提供しなければならない代替性トークンの数量)を指定することが可能に構成されている。非代替性トークンNFT付与済み電子データを受け取りたいユーザーにより、当該指定数量に相当する代替性トークンの数量の入力が行われると、認証部によりユーザー認証処理が実施され、非代替性トークン、代替性トークンの所有者が特定される。その後、交換処理技術部は、分散型台帳部へ、代替性トークン・非代替性トークンの送受信(交換)を指示する。分散型台帳部は、代替性トークン・非代替性トークンの所有者変更処理を実施し、結果を、各ユーザーのウォレット部に返す。これにより、非代替性トークンと代替性トークンの交換が成立する。
【0044】
参考に、非代替性トークンNFTと代替性トークンFTの交換のためのプログラムのフローチャートを図4図5に示す。非代替性トークンNFTと代替性トークンFTの交換は、これらフローチャートに従い行われることも当然可能である。
【0045】
[ユーザー情報端末・ウォレット部・受籠管理部]
ウォレット部には、更に受籠管理部が設けられている。この場合の「受籠」の用語は、少なくとも、代替性トークン及び/又は非代替性トークンを受け取り、及び/又は代替性トークンと非代替性トークンの交換を行うための機能を有する構成部分を意味する用語として用いられている。つまり、「受籠」は、他のユーザーから代替性トークンFT及び/又は非代替性トークンを受け取る機能を有し、このような受籠は、各ユーザーに固有の受籠として設定されている。
【0046】
例えば受籠管理部は、「受籠」としての機能を有するウェブページを作成する機能を有している。当該ウェブページは、後述するコミュニケーション管理部内、又は他の任意のウェブ上のスペースに作成されることが可能である。受籠管理部は、当該受籠ウェブページを作成するとともに、当該ページへのハイパーリンクURL、リンクボタン、及び/又は二次元マトリックスコードを生成するよう構成されていることも可能である。これらハイパーリンクURL、リンクボタン、及び/又は二次元マトリックスコードは、各ユーザーが利用するSNS、動画配信サービス、ブログや、それらのコメント欄等に設置されることが可能である。
【0047】
受籠管理部は、受籠を、受籠の使用目的を明示する表示とともに生成する機能を有して構成されていることが可能である。例えば、受籠がウェブページとして作成される場合、当該ウェブページには、受籠の使用目的、つまりユーザーが当該受籠を介して受籠の所有者に送信する代替性トークンの送信目的が表示される。送信目的は、(1)受籠所有者の活動を支援する目的で、代替性トークンを送信する目的(応援目的)と、(2)受籠を所有するユーザーが所有する非代替性トークンを付与された電子データとの交換を目的とした送信(交換目的)、(3)最も多くの代替性トークンを提供しようとするものに、受籠を所有するユーザーが所有する非代替性トークンを付与された電子データを提供する形態の交換のための送信(競争送信目的)の三通りが考えられる。つまり、代替性トークンを送信するユーザーは、これら3つの目的のいずれで代替性トークンを送信したいのか選択可能であるよう、当該ウェブページが構成されていることが可能である。
【0048】
受籠管理部は、受籠へのハイパーリンクURL、リンクボタン、及び/又は二次元マトリックスコードの誤設置を防止する機能を有して構成されていることが可能である。
【0049】
受籠として形成されたウェブページには、当該受籠が設置された電子データ(電子コンテンツデータ)が公開されるウェブページへのリンクが設けられていることが可能である。
【0050】
受籠管理部は、FT管理部と接続されており、当該受籠管理部を介して代替性トークンの交換処理が実現されるよう構成されている。具体的には、受籠管理部は、他のユーザーから受信する代替性トークンの数量を、他のユーザーが入力することが可能であるよう構成されている。つまり、当該入力機能により受信側(受籠設置者)が受信すべき代替性トークンの数量が入力されると、上述した代替性トークンの交換処理が実施されるよう構成されている。
【0051】
[受籠管理部によるコメント・メッセージ交換]
受籠管理部は、更に、他のユーザーとのコメント・メッセージの交換を実現する機能を有していることが可能である。コメント・メッセージの交換は、例えば、文字、絵、写真、音、ムービー等や、コメント、メッセージを掲載可能な電子的掲示板を介して実現されることが考えられる。当該掲示板は、他のユーザーによる悪意の投稿や、当該悪意の投稿を行う投稿者自身を排除できる機能を有していることが可能である。
【0052】
[受籠管理部によるお気に入り利用者登録]
受籠管理部は、お気に入りの他のユーザーを登録(いわゆる「フォロー」)したり、ユーザー自身が他のユーザーからお気に入りの利用者として登録(フォロー)されたりする際の設定、ユーザー間で直接メッセージを交換すること(ダイレクトメッセージ)に関する設定、お気に入り利用者(フォロー・フォロワー)イベント通知に関する設定を行う機能を有していることが可能である。
【0053】
[受籠管理部による言語フリー環境]
受籠管理部は、外部の自動翻訳システムとの協働により、言語フリー環境が実現されていることが可能である。これにより、上述した電子掲示板によるメッセージ・コメントの交換、お気に入り登録者間でのダイレクトメッセージの交換が言語によらず可能となる。なお参考に受籠による処理のためのプログラムのフローチャートを図4及び図5に示す。受籠の種々の処理はこれらフローチャートに従い行われることももちろん可能である。
【0054】
[コミュニケーション管理部]
続いて図6に基づいて、本発明にかかるコミュニケーションシステムのコミュニケーション管理部について説明する。図6に示されるように、コミュニケーション管理部は、基本機能部、ユーザー管理部、コミュニケーション機能部、そしてランキング機能部から成っていることが可能である。なおここでは、コミュニケーション管理部が、分散型台帳部と別の構成要素として構成される例を説明しているが、以下の説明で記載されるコミュニケーション管理部の機能・構造は、分散型台帳部によってその一部、又は全部を担うことももちろん考えられる。
【0055】
[コミュニケーション管理部・基本機能部]
基本機能部は、コミュニケーション管理部の基本的機能を担う部分である。例えばコミュニケーション管理部はウェブ上のサーバーとして構成されることが可能である。この場合、基本機能部には、サーバーとしての基本的な機能を担う構成要素、つまりCPUなどの情報の演算・処理を行う手段、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSDなど、情報の記憶を可能とするための手段、ユーザー情報端末及び分散型台帳部との情報のやり取りを行うための情報通信手段等を含む。
【0056】
[コミュニケーション管理部・ユーザー管理部]
コミュニケーション管理部には、ユーザー管理部が設けられている。このユーザー管理部は、本発明にかかるコミュニケーションシステムを利用するユーザーに関する情報の管理を行うよう構成されていることが可能である。例えばユーザー管理部は、各ユーザーの認証情報の管理を行う。各ユーザーが本発明にかかるコミュニケーションシステムを初回に利用する際に、ユーザー情報端末の認証部を通じて登録する認証情報は、このユーザー管理部に保存・記録されることが可能である。この場合、ユーザー管理部は、各ユーザーが二回目以降の利用を行う際には、ユーザー情報端末の認証部からの認証情報の参照に応答するよう構成されている。
【0057】
[コミュニケーション管理部・ランキング機能部]
コミュニケーション管理部には、更に、ランキング機能部が設けられている。ランキング機能部は、各種ランキングの生成、公開を行う。このランキングは、代替性トークン・非代替性トークンの送受信情報より生成される。このため、ランキング機能部は、情報取得部を有している。この情報取得部は、例えば、一般的なエクスプローラ(探索)スクリプトとして形成されていることが可能である。つまり情報取得部は、分散型台帳部と情報通信技術的に接続されることが可能に構成されており、分散型台帳部に保存・記録された代替性トークン・非代替性トークンに関する情報、特にその送受信に関する情報及びそれに付随する情報の取得を行う。
【0058】
ランキング機能部には、更に情報集計部が設けられている。情報集計部は、情報取得部と接続されており情報取得部によって取得された情報を受取り、それら情報にもとづき各種ランキングの集計を行う。
【0059】
情報集計部によって集計・分析されるランキングとしては、例えば、以下のようなものが考えられる:代替性トークンの送受信量の順位、受籠への代替性トークン送信人数が多い順位、寄付・投資により代替性トークンを購入し法人・個人による購入した代替性トークン量の順位、総代替性トークン保有量(獲得量+購入量)の順位、カテゴリ別、所属別、属性別などの代替性トークンに関する順位。その他、ユーザーによって指定・カスタマイズされたランキング順位。つまり、情報集計部により集計・分析されるランキングが、上述したようなコミュニケーションシステムによって設定・提供される順位・ランキングに限定されず、ユーザーの好みに応じた種々のランキングの集計・分析が可能である。
【0060】
ランキング機能部には、更に、情報出力部が設けられている。情報出力部は、情報集計部によって集計・分析されたランキング情報を受け取り、これをユーザー情報端末からの指示に従い、ユーザー情報端末に出力・送信するよう構成されている。なお参考にランキング生成、出力のためのプログラムのフローチャートを図4に示す。このフローチャートに従い、ランキング生成・出力が行われることももちろん可能である。
【0061】
ランキング機能部の情報出力部は、更に、ランキング情報以外の情報も出力可能に構成さされていることが可能である。つまり情報出力部は、例えば以下のような情報を、ユーザー情報端末に出力・送信可能に構成されている:本発明にかかるコミュニケーションシステムの全運営費用、代替性トークンの発行総量、代替性トークンの購入による発行総量、主要通貨(円、ドル、ユーロ、元、その他主要国の法定通貨)による代替性トークンの購入レート、リアルタイムでの代替性トークンの全使用量(例えば5分毎に自動更新など)。
【0062】
本発明に係るコミュニケーションシステムにより、ユーザーは、システムの提供者からシステム内で使用可能な暗号資産として機能する代替性トークンの配布を受けることが可能であり、又はこれを購入することができる。またユーザーは、本発明に係るコミュニケーションシステムを使用することにより、非代替性トークンを生成し、これを自身が創作したデジタルコンテンツ(電子的コンテンツデータ)に付与した上で、他のユーザーに譲渡(送信)することが可能となる。付与された非代替性トークンにより電子的コンテンツデータの一意性が保証される。ユーザーは更に、非代替性トークンを付与された電子的コンテンツデータと暗号資産としての代替性トークンを交換することが容易に可能となる。更にユーザーは、単に応援の気持ち・支援の気持ちから、デジタルコンテンツ(電子的コンテンツデータ)の製作者たるユーザーに代替性トークンを贈ることが可能となる。そして代替性トークンと非代替性トークンの送受信の履歴は管理・集計されランキング化されることが可能となるので、優秀なクリエイター、優れた創作物、そのようなクリエイターをより多く支援している者の発見が早期に可能となる。
【0063】
玩具である暗号資産代替性トークンToyCoin投銭やNFT非代替性トークンや電子式ウォレットToyBasket受籠を利用し、老若男女を問わずユーザーが、「コミュニケーション・表現物等のやり取り・応援と感謝・ときめき・才能発見と育成スポンサー・企業アピール・NFT簡便入手」等を実現し、リアルな課税や金銭トラブルを気に懸けず自由にバーチャルリアリティー(メタバース)の領域で、現実の暗号資産・NFT・電子式ウォレットについて、これ等に潜在する危険事象との遭遇の予行演習を含めた体験学習を行う事を可能にする。
【0064】
上述のように実施形態を通じて本発明の内容を開示した。この開示の一部をなす記載及び図面は、本発明をこれに限定するものではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって本発明の技術的範囲は、上述の記載から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によって定められるものである。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7