(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088620
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】産業用ロボットおよび産業用ロボットの制御方法
(51)【国際特許分類】
B25J 9/06 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
B25J9/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203464
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】細川 正己
(72)【発明者】
【氏名】村田 渉
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707AS24
3C707BS15
3C707BS26
3C707ES17
3C707EV23
3C707HS14
3C707HS27
3C707KV12
3C707NS13
(57)【要約】
【課題】2個の搭載部が上下方向で重なっている状態で、搬送対象物を保持する一方の搭載部が水平方向を回動の軸方向として回動しても、他方の搭載部に搭載される搬送対象物と一方の搭載部に保持される搬送対象物との干渉を防止しつつ、上下方向における2個の搭載部の間隔を狭めることが可能な産業用ロボットを提供する。
【解決手段】産業用ロボット1では、ハンド4は、搭載部37に搬送対象物2が搭載されているのか否かを検知するための検知機構を備えている。この産業用ロボット1では、搬送対象物2を保持する搭載部17がハンド基部18に対して水平方向を回動の軸方向として回動するときに、搭載部37は、搬送対象物2が搭載される側の面が上側を向いた状態で停止している。また、搭載部37に搬送対象物2が搭載されていないことが検知機構によって検知されると、搭載部17を回動させて搭載部17が保持する搬送対象物2を上下反転させている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物を搬送するための産業用ロボットであって、
前記搬送対象物が搭載される第1ハンドおよび第2ハンドと、前記産業用ロボットを制御するための制御部とを備え、
前記第1ハンドは、前記搬送対象物が搭載可能になっているとともに搭載された前記搬送対象物を保持可能な第1搭載部と、前記第1ハンドの基端側部分を構成する第1ハンド基部と、水平方向を回動の軸方向として前記第1ハンド基部に対して前記第1搭載部を少なくとも180°回動させる回動機構とを備え、
前記第2ハンドは、前記搬送対象物が搭載可能な第2搭載部と、前記第2搭載部に前記搬送対象物が搭載されているのか否かを検知するための検知機構とを備え、
前記第1搭載部および前記第2搭載部のいずれか一方は、前記第1搭載部および前記第2搭載部のいずれか他方の上側に配置され、
前記第2搭載部の、前記搬送対象物が搭載される側の面を搭載面とすると、
前記搬送対象物を保持する前記第1搭載部が前記第1ハンド基部に対して回動するときに、前記第2搭載部は、前記搭載面が上側または下側を向いた状態で停止しており、
前記制御部は、前記第2搭載部に前記搬送対象物が搭載されていないことが前記検知機構によって検知されると、前記第1搭載部を回動させて前記第1搭載部が保持する前記搬送対象物を上下反転させることを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
前記第1ハンドが先端側に回動可能に連結される第1アームと、前記第2ハンドが先端側に回動可能に連結される第2アームと、前記第1アームの基端側および前記第2アーム部の基端側が回動可能に連結される本体部とを備え、
前記第1ハンドは、上下方向を回動の軸方向として前記第1アームに対して回動可能になっており、
前記第2ハンドは、上下方向を回動の軸方向として前記第2アームに対して回動可能になっており、
前記第1アームおよび前記第2アームは、上下方向を回動の軸方向として前記本体部に対して回動可能になっており、
前記第1アームは、前記第1ハンドの先端が前記本体部に近づく方向と前記第1ハンドの先端が前記本体部から遠ざかる方向とに伸縮可能になっており、
前記第2アームは、前記第2ハンドの先端が前記本体部に近づく方向と前記第2ハンドの先端が前記本体部から遠ざかる方向とに伸縮可能になっており、
前記第1アームが縮むとともに前記第2アームが縮んでいる所定の基準状態になっているときに、前記第1搭載部と前記第2搭載部とは上下方向で重なっており、
前記制御部は、前記基準状態にあるときに、前記第2搭載部に前記搬送対象物が搭載されていないことが前記検知機構によって検知されると、前記第1搭載部を回動させて前記第1搭載部が保持する前記搬送対象物を上下反転させることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記搬送対象物は、円板状に形成され、
前記第1搭載部および前記第2搭載部は、前記搬送対象物が搭載される直線状の2個の搭載部本体を備え、
2個の前記搭載部本体は、互いに平行に配置されるとともに、前記搭載部本体の長手方向に直交する方向において間隔をあけた状態で配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の産業用ロボット。
【請求項4】
前記第2搭載部は、前記搬送対象物の端面が当接する当接面を有する端面当接部材を備え、
前記第2ハンドは、前記当接面に向かって前記搬送対象物を押し付ける押付部材と、前記押付部材を移動させる移動機構とを備え、
前記検知機構は、前記当接面に前記搬送対象物を押し付ける方向に前記押付部材が移動したときの前記押付部材の位置を検知することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項5】
搬送対象物が搭載される第1ハンドおよび第2ハンドを備え、
前記第1ハンドは、前記搬送対象物が搭載可能になっているとともに搭載された前記搬送対象物を保持可能な第1搭載部と、前記第1ハンドの基端側部分を構成する第1ハンド基部と、水平方向を回動の軸方向として前記第1ハンド基部に対して前記第1搭載部を少なくとも180°回動させる回動機構とを備え、
前記第2ハンドは、前記搬送対象物が搭載可能な第2搭載部と、前記第2搭載部に前記搬送対象物が搭載されているのか否かを検知するための検知機構とを備え、
前記第1搭載部および前記第2搭載部のいずれか一方は、前記第1搭載部および前記第2搭載部のいずれか他方の上側に配置され、
前記第2搭載部の、前記搬送対象物が搭載される側の面を搭載面とすると、
前記搬送対象物を保持する前記第1搭載部が前記第1ハンド基部に対して回動するときに、前記第2搭載部は、前記搭載面が上側または下側を向いた状態で停止している産業用ロボットの制御方法であって、
前記第2搭載部に前記搬送対象物が搭載されていないことが前記検知機構によって検知されると、前記第1搭載部を回動させて前記第1搭載部が保持する前記搬送対象物を上下反転させることを特徴とする産業用ロボットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物を搬送するための産業用ロボットに関する。また、本発明は、搬送対象物を搬送するための産業用ロボットの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円板状に形成される基板と、基板を水蒸気アニール処理する際に使用される円環状のシート状部材とを把持して搬送する搬送ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の搬送ロボットは、基板およびシート状部材を把持する把持ハンドと、把持ハンドを三次元的に移動させる移動機構とを備えている。移動機構は、基台と、基台に昇降可能に設けられた昇降機構と、昇降機構に回動可能かつ伸縮自在に設けられた多関節アームとを備えている。また、移動機構は、水平方向に平行な水平軸心を中心に把持ハンドを回動させて、把持ハンドが把持する基板およびシート状部材を上下反転させる方向変更機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、半導体ウエハ等の搬送対象物を搬送するための産業用ロボットとして、搬送対象物が搭載される2個のハンドを備える産業用ロボットを開発している。2個のハンドは、搬送対象物が搭載される搭載部を備えている。本願発明者は、この産業用ロボットにおいて、2個のハンドのうちの一方のハンドの搭載部が他方のハンドの搭載部の上側に配置されるように2個の搭載部を上下方向に間隔をあけた状態で配置することを検討している。また、本願発明者は、この産業用ロボットにおいて、2個の搭載部のうちの少なくとも一方の搭載部を、特許文献1に記載された把持ハンドのように、水平方向を回動の軸方向として回動させることを検討している。
【0005】
この産業用ロボットの場合、2個の搭載部が上下方向で重なっている状態で、搬送対象物が搭載される一方の搭載部が水平方向を回動の軸方向として回動したときに、他方の搭載部に搭載される搬送対象物と一方の搭載部に搭載される搬送対象物とが干渉しないようにする必要がある。一方で、2個の搭載部が上下方向で重なっている状態で、搬送対象物が搭載される一方の搭載部が水平方向を回動の軸方向として回動したときに、他方の搭載部に搭載される搬送対象物と一方の搭載部に搭載される搬送対象物とが干渉しないように、上下方向における2個の搭載部の間隔を設定すると、上下方向における2個の搭載部の間隔が広くなって、産業用ロボットが大型化するとともに、2個の搭載部の動作領域が広くなるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、搬送対象物を搭載可能な搭載部を有する2個のハンドを備える産業用ロボットにおいて、2個の搭載部が上下方向で重なっている状態で、搬送対象物を保持する一方の搭載部が水平方向を回動の軸方向として回動しても、他方の搭載部に搭載される搬送対象物と一方の搭載部に保持される搬送対象物との干渉を防止しつつ、上下方向における2個の搭載部の間隔を狭めることが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【0007】
また、本発明の課題は、搬送対象物を搭載可能な搭載部を有する2個のハンドを備える産業用ロボットにおいて、2個の搭載部が上下方向で重なっている状態で、搬送対象物を保持する一方の搭載部が水平方向を回動の軸方向として回動しても、他方の搭載部に搭載される搬送対象物と一方の搭載部に保持される搬送対象物との干渉を防止しつつ、上下方向における2個の搭載部の間隔を狭めることが可能となる産業用ロボットの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、搬送対象物を搬送するための産業用ロボットであって、搬送対象物が搭載される第1ハンドおよび第2ハンドと、産業用ロボットを制御するための制御部とを備え、第1ハンドは、搬送対象物が搭載可能になっているとともに搭載された搬送対象物を保持可能な第1搭載部と、第1ハンドの基端側部分を構成する第1ハンド基部と、水平方向を回動の軸方向として第1ハンド基部に対して第1搭載部を少なくとも180°回動させる回動機構とを備え、第2ハンドは、搬送対象物が搭載可能な第2搭載部と、第2搭載部に搬送対象物が搭載されているのか否かを検知するための検知機構とを備え、第1搭載部および第2搭載部のいずれか一方は、第1搭載部および第2搭載部のいずれか他方の上側に配置され、第2搭載部の、搬送対象物が搭載される側の面を搭載面とすると、搬送対象物を保持する第1搭載部が第1ハンド基部に対して回動するときに、第2搭載部は、搭載面が上側または下側を向いた状態で停止しており、制御部は、第2搭載部に搬送対象物が搭載されていないことが検知機構によって検知されると、第1搭載部を回動させて第1搭載部が保持する搬送対象物を上下反転させることを特徴とする。
【0009】
また、上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットの制御方法は、搬送対象物が搭載される第1ハンドおよび第2ハンドを備え、第1ハンドは、搬送対象物が搭載可能になっているとともに搭載された搬送対象物を保持可能な第1搭載部と、第1ハンドの基端側部分を構成する第1ハンド基部と、水平方向を回動の軸方向として第1ハンド基部に対して第1搭載部を少なくとも180°回動させる回動機構とを備え、第2ハンドは、搬送対象物が搭載可能な第2搭載部と、第2搭載部に搬送対象物が搭載されているのか否かを検知するための検知機構とを備え、第1搭載部および第2搭載部のいずれか一方は、第1搭載部および第2搭載部のいずれか他方の上側に配置され、第2搭載部の、搬送対象物が搭載される側の面を搭載面とすると、搬送対象物を保持する第1搭載部が第1ハンド基部に対して回動するときに、第2搭載部は、搭載面が上側または下側を向いた状態で停止している産業用ロボットの制御方法であって、第2搭載部に搬送対象物が搭載されていないことが検知機構によって検知されると、第1搭載部を回動させて第1搭載部が保持する搬送対象物を上下反転させることを特徴とする。
【0010】
本発明では、第2ハンドは、第2搭載部に搬送対象物が搭載されているのか否かを検知するための検知機構を備えている。また、本発明では、第2搭載部に搬送対象物が搭載されていないことが検知機構によって検知されると、第1搭載部を回動させて第1搭載部が保持する搬送対象物を上下反転させている。
【0011】
そのため、本発明では、上下方向における第1搭載部と第2搭載部との間隔を狭めても、第1搭載部と第2搭載部とが上下方向で重なっている状態で、搬送対象物を保持する第1搭載部が水平方向を回動の軸方向として回動したときに、第2搭載部に搭載される搬送対象物と第1搭載部に保持される搬送対象物とが干渉することはない。すなわち、本発明では、第1搭載部と第2搭載部とが上下方向で重なっている状態で、搬送対象物を保持する第1搭載部が水平方向を回動の軸方向として回動しても、第2搭載部に搭載される搬送対象物と第1搭載部に保持される搬送対象物との干渉を防止しつつ、上下方向における第1搭載部と第2搭載部との間隔を狭めることが可能になる。
【0012】
本発明において、たとえば、産業用ロボットは、第1ハンドが先端側に回動可能に連結される第1アームと、第2ハンドが先端側に回動可能に連結される第2アームと、第1アームの基端側および第2アーム部の基端側が回動可能に連結される本体部とを備え、第1ハンドは、上下方向を回動の軸方向として第1アームに対して回動可能になっており、第2ハンドは、上下方向を回動の軸方向として第2アームに対して回動可能になっており、第1アームおよび第2アームは、上下方向を回動の軸方向として本体部に対して回動可能になっており、第1アームは、第1ハンドの先端が本体部に近づく方向と第1ハンドの先端が本体部から遠ざかる方向とに伸縮可能になっており、第2アームは、第2ハンドの先端が本体部に近づく方向と第2ハンドの先端が本体部から遠ざかる方向とに伸縮可能になっており、第1アームが縮むとともに第2アームが縮んでいる所定の基準状態になっているときに、第1搭載部と第2搭載部とは上下方向で重なっており、制御部は、基準状態にあるときに、第2搭載部に搬送対象物が搭載されていないことが検知機構によって検知されると、第1搭載部を回動させて第1搭載部が保持する搬送対象物を上下反転させる。
【0013】
本発明において、たとえば、搬送対象物は、円板状に形成され、第1搭載部および第2搭載部は、搬送対象物が搭載される直線状の2個の搭載部本体を備え、2個の搭載部本体は、互いに平行に配置されるとともに、搭載部本体の長手方向に直交する方向において間隔をあけた状態で配置されている。この場合には、第1搭載部が保持する搬送対象物を上下反転させる過程で、第1搭載部が保持する搬送対象物の一部が第2搭載部の2個の搭載部本体の間に一時的に配置される。
【0014】
本発明において、たとえば、第2搭載部は、搬送対象物の端面が当接する当接面を有する端面当接部材を備え、第2ハンドは、当接面に向かって搬送対象物を押し付ける押付部材と、押付部材を移動させる移動機構とを備え、検知機構は、当接面に搬送対象物を押し付ける方向に押付部材が移動したときの押付部材の位置を検知する。この場合には、当接面に向かって搬送対象物を押し付ける押付部材を利用して、第2搭載部に搬送対象物が搭載されているのか否かを検知することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明では、搬送対象物を搭載可能な搭載部を有する2個のハンドを備える産業用ロボットにおいて、2個の搭載部が上下方向で重なっている状態で、搬送対象物を保持する一方の搭載部が水平方向を回動の軸方向として回動しても、他方の搭載部に搭載される搬送対象物と一方の搭載部に保持される搬送対象物との干渉を防止しつつ、上下方向における2個の搭載部の間隔を狭めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの斜視図である。
【
図3】
図2に示す第1搭載部が回動しているときの側面図である。
【
図5】
図1に示す第1ハンドおよび第2ハンドの構成を説明するためのブロック図である。
【
図6】
図1に示す第2ハンドに搬送対象物が搭載されているのか否かを検知する際の検知方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(産業用ロボットの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の斜視図である。
図2は、
図1に示す産業用ロボット1の側面図である。
図3は、
図2に示す搭載部17が回動しているときの側面図である。
図4は、
図1に示す産業用ロボット1の平面図である。
【0019】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、搬送対象物である半導体ウエハ2(以下、「ウエハ2」とする。)を搬送するための水平多関節ロボットである。ウエハ2は、円板状に形成されている。ロボット1は、ウエハ2が搭載される2個のハンド3、4と、ハンド3が先端側に回動可能に連結されるアーム5と、ハンド4が先端側に回動可能に連結されるアーム6とを備えている。本形態のハンド3は第1ハンドであり、ハンド4は第2ハンドであり、アーム5は第1アームであり、アーム6は第2アームである。
【0020】
また、ロボット1は、アーム5の基端側およびアーム6の基端側が回動可能に連結される本体部7と、本体部7が回動可能に連結される昇降部8と、昇降部8を昇降可能に保持する保持部9とを備えている。アーム5、6は、互いに回動可能に連結されるアーム部12とアーム部13との2個のアーム部12、13によって構成されている。アーム部12の基端側は、本体部7に回動可能に連結されている。アーム部12の先端側には、アーム部13の基端側が回動可能に連結されている。アーム部13の先端側には、ハンド3、4が回動可能に連結されている。
【0021】
本体部7は、上下方向(鉛直方向)を回動の軸方向として昇降部8に対して回動可能となっている。アーム部12は、上下方向を回動の軸方向として本体部7に対して回動可能となっている。すなわち、アーム5、6は、上下方向を回動の軸方向として本体部7に対して回動可能となっている。アーム部13は、上下方向を回動の軸方向としてアーム部12に対して回動可能となっている。
【0022】
ハンド3、4は、上下方向を回動の軸方向としてアーム部13に対して回動可能となっている。すなわち、ハンド3は、上下方向を回動の軸方向としてアーム5に対して回動可能となっており、ハンド4は、上下方向を回動の軸方向としてアーム6に対して回動可能となっている。アーム部12は、本体部7よりも上側に配置されている。アーム部13は、アーム部12よりも上側に配置されている。ハンド3、4は、アーム部13よりも上側に配置されている。
【0023】
アーム5は、ハンド3の先端が本体部7に近づく方向とハンド3の先端が本体部7から遠ざかる方向とに伸縮可能になっており、水平方向において伸縮動作をする。また、アーム5は、ハンド3が一定の方向を向いた状態で直線的に移動するように伸縮する。同様に、アーム6は、ハンド4の先端が本体部7に近づく方向とハンド4の先端が本体部7から遠ざかる方向とに伸縮可能になっており、水平方向において伸縮動作をする。また、アーム6は、ハンド4が一定の方向を向いた状態で直線的に移動するように伸縮する。
【0024】
ロボット1は、本体部7に対してアーム5を伸縮させるアーム駆動機構と、本体部7に対してアーム6を伸縮させるアーム駆動機構と、昇降部8に対して本体部7を回動させる回動機構と、保持部9に対して昇降部8を昇降させる昇降機構とを備えている。また、ロボット1は、ロボット1を制御するための制御部14(
図5参照)を備えている。ロボット1は、ハンド3、4の先端が本体部7から遠ざかる方向にアーム5、6が伸びているときに、ハンド3、4に搭載されたウエハ2を、ウエハ2が収容されるウエハ収容部に置く。また、ロボット1は、ハンド3、4の先端が本体部7から遠ざかる方向にアーム5、6が伸びているときに、ウエハ収容部に収容されたウエハ2をハンド3、4に搭載する。
【0025】
(ハンドの構成)
図5は、
図1に示すハンド3、4の構成を説明するためのブロック図である。
図6は、
図1に示すハンド4にウエハ2が搭載されているのか否かを検知する際の検知方法を説明するための図である。
【0026】
ハンド3は、ウエハ2が搭載可能な搭載部17と、ハンド3の基端側部分を構成するハンド基部18と、水平方向を回動の軸方向としてハンド基部18に対して搭載部17を少なくとも180°回動させる回動機構19とを備えている。ハンド基部18は、アーム部13の先端側に回動可能に連結されている。本形態の搭載部17は第1搭載部であり、ハンド基部18は第1ハンド基部である。
【0027】
搭載部17は、搭載部17の基端側部分を構成する搭載基端部20と、ウエハ2が搭載される直線状の2個の搭載部本体21と、ウエハ2の端面が当接する当接面22aを有する2個の端面当接部材22と、搭載部本体21に固定される2個のウエハ載置部材23と、当接面22aに向かってウエハ2を押し付ける押付部材24と、押付部材24を移動させる移動機構25とを備えている。
【0028】
搭載部本体21は、平板状に形成されている。また、搭載部本体21は、上述のように直線状に形成されている。搭載部本体21の基端は、搭載基端部20に固定されており、搭載部本体21は、搭載基端部20から水平方向に向かって伸びている。2個の搭載部本体21は、互いに平行に配置されるとともに、搭載部本体21の長手方向に直交する方向において間隔をあけた状態で配置されており、同じ方向に伸びている。搭載部17の、ウエハ2が搭載される側の面を搭載面17aとすると、搭載面17aが上側を向いているときに、搭載部17にウエハ2が搭載される。搭載面17aが上側または下側を向いているときには、平板状に形成される搭載部本体21の厚さ方向と上下方向とが一致している。
【0029】
端面当接部材22は、搭載部本体21の先端部に固定されている。ウエハ載置部材23は、搭載部本体21の基端側に固定されている。具体的には、端面当接部材22は、搭載部本体21の先端部の、搭載面17aの側の面に固定され、ウエハ載置部材23は、搭載部本体21の基端側の、搭載面17aの側の面に固定されている。ウエハ2は、2個の端面当接部材22と2個のウエハ載置部材23とに搭載される。
【0030】
押付部材24は、ウエハ2の端面に接触する2個のローラ28と、2個のローラ28を回転可能に保持するローラ保持部材29とを備えている。ローラ28は、ローラ保持部材29の先端部に取り付けられている。移動機構25は、搭載基端部20の内部に配置されるエアシリンダ30(
図4参照)を備えている。エアシリンダ30には、ローラ保持部材29の基端が連結されている。押付部材24およびエアシリンダ30は、搭載部本体21の長手方向に直交する方向において搭載部17の中心位置に配置されている。エアシリンダ30は、搭載部本体21の長手方向に押付部材24を直線的に移動させる。移動機構25は、制御部14に電気的に接続されている。具体的には、エアシリンダ30の配管経路に配置される電磁弁等が制御部14に電気的に接続されている。
【0031】
回動機構19は、搭載部本体21の長手方向と平行な方向を回動の軸方向としてハンド基部18に対して搭載部17を回動させる。回動機構19は、モータ31を備えている。モータ31は、ハンド基部18に取り付けられている。モータ31の出力軸には、搭載基端部20が連結されている。具体的には、搭載部本体21の長手方向に直交する方向における搭載基端部20の中心部がモータ31の出力軸に連結されている。回動機構19は、制御部14に電気的に接続されている。具体的には、モータ31等が制御部14に電気的に接続されている。回動機構19は、搭載部17に搭載されたウエハ2を上下反転させるために、ハンド基部18に対して搭載部17を回動させる。
【0032】
搭載部17では、ウエハ2の端面に接触する2個の端面当接部材22と2個のローラ28とによってウエハ2を保持することが可能になっている。すなわち、搭載部17は、搭載されたウエハ2を保持可能となっている。そのため、水平方向を回動の軸方向としてハンド基部18に対して搭載部17を回動させても、搭載部17からウエハ2は落下しない。
【0033】
ハンド4は、ウエハ2が搭載可能な搭載部37と、ハンド4の基端側部分を構成するハンド基部38とを備えている。搭載部37は、ハンド基部38に固定されている。ハンド基部38は、アーム部13の先端側に回動可能に連結されている。搭載部37は、ウエハ2が搭載される直線状の2個の搭載部本体41と、ウエハ2の端面が当接する当接面42aを有する2個の端面当接部材42と、搭載部本体41に固定される2個のウエハ載置部材43とを備えている。また、ハンド4は、当接面42aに向かってウエハ2を押し付ける押付部材44と、押付部材44を移動させる移動機構45と、押付部材44の位置を検知するための3個のセンサ46~48とを備えている。本形態の搭載部37は第2搭載部である。
【0034】
搭載部本体41は、搭載部本体21と同様に形成されている。搭載部本体41の基端は、ハンド基部38に固定されており、搭載部本体41は、ハンド基部38から水平方向に向かって伸びている。2個の搭載部本体41は、互いに平行に配置されるとともに、搭載部本体41の長手方向に直交する方向において間隔をあけた状態で配置されており、同じ方向に伸びている。また、搭載部本体41は、搭載部本体21と同じ方向に伸びている。平板状に形成される搭載部本体41の厚さ方向は、上下方向と一致している。搭載部37の、ウエハ2が搭載される側の面を搭載面37aとすると、搭載面37aは上側を向いている。
【0035】
端面当接部材42は、搭載部本体41の先端部の上面に固定されている。ウエハ載置部材43は、搭載部本体41の基端側の上面に固定されている。ウエハ2は、2個の端面当接部材42と2個のウエハ載置部材43とに搭載される。押付部材44は、押付部材24と同様に構成されており、ウエハ2の端面に接触する2個のローラ58と、2個のローラ58を回転可能に保持するローラ保持部材59とを備えている。ローラ保持部材59には、センサ46~48によって検知される検知板61(
図6(D)~(F)参照)が固定されている。検知板61は、ハンド基部38の内部に配置されている。
【0036】
移動機構45は、ハンド基部38の内部に配置されるエアシリンダ60(
図4参照)を備えている。エアシリンダ60には、ローラ保持部材59の基端が連結されている。押付部材44およびエアシリンダ60は、搭載部本体41の長手方向に直交する方向においてハンド4の中心位置に配置されている。エアシリンダ60は、搭載部本体41の長手方向に押付部材44を直線的に移動させる。移動機構45は、制御部14に電気的に接続されている。具体的には、エアシリンダ60の配管経路に配置される電磁弁等が制御部14に電気的に接続されている。ハンド4では、ウエハ2の端面に接触する2個の端面当接部材42と2個のローラ58とによってウエハ2を保持することが可能になっている。
【0037】
センサ46~48は、たとえば、互いに対向配置される発光部と受光部とを有する透過型の光学式センサである。センサ46~48は、制御部14に電気的に接続されている。センサ46~48は、ハンド基部38の内部に配置されている。センサ46~48は、搭載部本体41の長手方向に配列されている。また、センサ46~48は、ハンド4の先端側に向かってこの順番で配列されている。
【0038】
本形態では、
図6(A)に示すように、2個のローラ58がウエハ2の端面から離れるように押付部材44が後退しているとき(すなわち、押付部材44がハンド4の基端側に移動しているとき)に、
図6(D)に示すように、センサ46の発光部と受光部との間が検知板61によって遮られる。また、このときには、センサ47の発光部と受光部との間、および、センサ48の発光部と受光部との間は、検知板61によって遮られていない。
【0039】
また、
図6(B)に示すように、搭載部37にウエハ2が搭載されている状態で2個のローラ58がウエハ2の端面に接触するように押付部材44が前進しているとき(すなわち、当接面42aにウエハ2を押し付ける方向であるハンド4の先端側に押付部材44が移動しているとき)には、
図6(E)に示すように、センサ47の発光部と受光部との間が検知板61によって遮られる。また、このときには、センサ46の発光部と受光部との間、および、センサ48の発光部と受光部との間は、検知板61によって遮られていない。
【0040】
さらに、
図6(C)に示すように、搭載部37にウエハ2が搭載されていない状態で押付部材44が前進しているとき(すなわち、ハンド4の先端側に押付部材44が移動しているとき)には、
図6(F)に示すように、センサ47の発光部と受光部との間、および、センサ48の発光部と受光部との間が検知板61によって遮られる。また、このときには、センサ46の発光部と受光部との間は、検知板61によって遮られていない。
【0041】
そのため、本形態では、センサ47の発光部と受光部との間が検知板61によって遮られていて、センサ47がオン状態となり、かつ、センサ48の発光部と受光部との間が検知板61によって遮られておらず、センサ48がオフ状態になると、搭載部37にウエハ2が搭載されていることが検知され、センサ47、48がともにオン状態となると、搭載部37にウエハ2が搭載されていないことが検知される。すなわち、本形態では、センサ47、48の検知結果に基づいて、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを検知することが可能になっている。
【0042】
本形態では、センサ47、48および検知板61によって、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを検知するための検知機構62が構成されている。すなわち、ハンド4は、検知機構62を備えている。検知機構62は、当接面42aにウエハ2を押し付ける方向に押付部材44が移動したときの押付部材44の位置を検知している。また、検知機構62は、押付部材44の位置を検知することで、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを検知する。
【0043】
なお、ハンド3も、押付部材24の位置を検知するための3個のセンサ66~68を備えている。センサ66~68は、制御部14に電気的に接続されている。ローラ保持部材29には、検知板61と同様の検知板が固定されている。そのため、本形態では、搭載部17にウエハ2が搭載されているのか否かを検知することも可能になっている。
【0044】
搭載部17は、搭載部37の上側に配置されている。また、アーム5が縮むとともにアーム6が縮んでいる所定の基準状態になっているとき(
図1、
図2参照)に、搭載部17と搭載部37とは上下方向で重なっている。
図3に示すように、ハンド基部18に対する搭載部17の回動中心と搭載部本体41の上面との上下方向の距離は、円板状に形成されるウエハ2の半径よりも短くなっている。上述のように、搭載部37は、ハンド基部38に固定されており、搭載部37の搭載面37aは上側を向いている。そのため、本形態では、ウエハ2を保持する搭載部17がハンド基部18に対して回動するときに、搭載部37は、搭載面37aが上側を向いた状態で停止している。
【0045】
(ウエハ反転時のロボットの動作)
ロボット1は、たとえば、ハンド3を用いてウエハ収容部から搬出したウエハ2を上下反転させてから、他のウエハ収容部にウエハ2を搬入する。ウエハ2を上下反転させるときには、制御部14は、搭載部17にウエハ2が搭載されて保持されている状態で、搭載部37にウエハ2が搭載されていないことが検知機構62によって検知されると(すなわち、センサ47の発光部と受光部との間、および、センサ48の発光部と受光部との間が検知板61によって遮られていると)、回動機構19を起動し、搭載部17を回動させて搭載部17が保持するウエハ2を上下反転させる。
【0046】
具体的には、制御部14は、アーム5、6が縮んでいる基準状態(
図1、
図2参照)にあるときに、搭載部17にウエハ2が搭載されて保持されている状態で、搭載部37にウエハ2が搭載されていないことが検知機構62によって検知されると、搭載部17を回動させて搭載部17が保持するウエハ2を上下反転させる。一方、制御部14は、搭載部17にウエハ2が搭載されて保持されている状態で、搭載部37にウエハ2が搭載されていることが検知機構62によって検知されると(すなわち、センサ47の発光部と受光部との間のみが検知板61によって遮られていると)、搭載部17を回動させない。
【0047】
搭載部17が保持するウエハ2を上下反転させる過程においては、搭載部17が保持するウエハ2の下端部が2個の搭載部本体41の間に一時的に配置される。本形態では、搭載部17が保持するウエハ2を上下反転させるときに、搭載部本体41とウエハ2とが干渉しないように2個の搭載部本体41の間隔が設定されており、2個の搭載部本体41の間隔は比較的広くなっている。
【0048】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ハンド4は、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを検知するための検知機構62を備えている。また、本形態では、制御部14は、搭載部37にウエハ2が搭載されていないことが検知機構62によって検知されると、搭載部17を回動させて搭載部17が保持するウエハ2を上下反転させている。
【0049】
そのため、本形態では、上下方向における搭載部17と搭載部37との間隔を狭めても、搭載部17と搭載部37とが上下方向で重なっている状態で、ウエハ2を保持する搭載部17が水平方向を回動の軸方向として回動したときに、搭載部37に搭載されるウエハ2と搭載部17に保持されるウエハ2とが干渉することはない。すなわち、本形態では、搭載部17と搭載部37とが上下方向で重なっている状態で、ウエハ2を保持する搭載部17が水平方向を回動の軸方向として回動しても、搭載部37に搭載されるウエハ2と搭載部17に保持されるウエハ2との干渉を防止しつつ、上下方向における搭載部17と搭載部37との間隔を狭めることが可能になる。
【0050】
本形態では、検知機構62は、端面当接部材42の当接面42aにウエハ2を押し付ける方向に押付部材44が移動したときの押付部材44の位置を検知しており、押付部材44の位置を検知することで搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを検知している。すなわち、本形態では、当接面42aに向かってウエハ2を押し付ける押付部材44を利用して、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを検知している。そのため、本形態では、ハンド4の構成を簡素化することが可能になる。
【0051】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0052】
上述した形態において、ハンド4は、センサ48を備えていなくても良い。この場合には、たとえば、搭載部37にウエハ2が搭載されている状態で2個のローラ58がウエハ2の端面に接触するように押付部材44が前進しているときに(
図6(B)参照)、センサ46の発光部と受光部との間、および、センサ47の発光部と受光部との間が検知板61によって遮られるように、検知板61が形成されるとともに検知板61およびセンサ46、47が配置されている。
【0053】
また、搭載部37にウエハ2が搭載されていない状態で押付部材44が前進しているときに(
図6(C)参照)、センサ47の発光部と受光部との間が検知板61によって遮られるとともに、センサ46の発光部と受光部との間は検知板61によって遮られないように、検知板61が形成されるとともに検知板61およびセンサ46、47が配置されている。この場合には、センサ46、47および検知板61によって検知機構62が構成されており、センサ46、47の検知結果に基づいて、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを検知することが可能になる。
【0054】
上述した形態において、検知機構62は、透過型の光学式センサであるセンサ47、48に代えて、たとえば、反射型の光学式センサを備えていても良いし、光学式以外のセンサを備えていても良い。また、上述した形態では、押付部材44を利用して、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを間接的に検知しているが、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを検知するために、押付部材44を利用しなくても良い。たとえば、搭載部本体41の上面側に配置されるセンサによって、搭載部37にウエハ2が搭載されているのか否かを直接的に検知しても良い。
【0055】
上述した形態において、搭載部37がハンド基部38に対して水平方向を回動の軸方向として回動可能となっていても良い。この場合には、ハンド4は、水平方向を回動の軸方向としてハンド基部38に対して搭載部37を少なくとも180°回動させる回動機構を備えている。また、この場合には、押付部材44および移動機構45は搭載部37に取り付けられている。また、ハンド3は、搭載部17にウエハ2が搭載されているのか否かを検知するための検知機構を備えている。
【0056】
搭載部37がハンド基部38に対して水平方向を回動の軸方向として回動可能となっている場合には、搭載部17がハンド基部18に固定されていても良いし(すなわち、搭載部17がハンド基部18に対して回動可能になっていなくても良いし)、上述した形態と同様に、搭載部17がハンド基部18に対して水平方向を回動の軸方向として回動可能となっていても良い。
【0057】
搭載部37が回動可能となっているとともに搭載部17が固定されている場合には、制御部14は、搭載部37にウエハ2が搭載されて保持されている状態で、搭載部17にウエハ2が搭載されていないことがハンド3の検知機構によって検知されると、搭載部37を回動させて搭載部37が保持するウエハ2を上下反転させる。この場合には、ハンド3が第2ハンドとなり、ハンド4が第1ハンドとなり、搭載部17が第2搭載部となり、搭載部37が第1搭載部となり、ハンド基部38が第1ハンド基部となる。この場合には、第2搭載部である搭載部17が第1搭載部である搭載部37の上側に配置されている。
【0058】
また、搭載部37が回動可能となっているとともに搭載部17が回動可能となっている場合には、ウエハ2を保持する搭載部17がハンド基部18に対して回動するときに、搭載部37は、搭載面37aが上側または下側を向いた状態で停止している。また、この場合には、ウエハ2を保持する搭載部37がハンド基部38に対して回動するときに、搭載部17は、搭載面17aが上側または下側を向いた状態で停止している。
【0059】
また、この場合には、制御部14は、搭載部17にウエハ2が搭載されて保持されている状態で、搭載部37にウエハ2が搭載されていないことが検知機構62によって検知されると、搭載部17を回動させて搭載部17が保持するウエハ2を上下反転させ、搭載部37にウエハ2が搭載されて保持されている状態で、搭載部17にウエハ2が搭載されていないことがハンド3の検知機構によって検知されると、搭載部37を回動させて搭載部37が保持するウエハ2を上下反転させる。
【0060】
搭載面37aが上側または下側を向いた状態で搭載部37が停止している状態で、ウエハ2を保持する搭載部17がハンド基部18に対して回動する場合には、ハンド3が第1ハンドとなり、ハンド4が第2ハンドとなり、搭載部17が第1搭載部となり、ハンド基部18が第1ハンド基部となり、搭載部37が第2搭載部となる。一方、搭載面17aが上側または下側を向いた状態で搭載部17が停止している状態で、ウエハ2を保持する搭載部37がハンド基部38に対して回動する場合には、ハンド3が第2ハンドとなり、ハンド4が第1ハンドとなり、搭載部17が第2搭載部となり、搭載部37が第1搭載部となり、ハンド基部38が第1ハンド基部となる。
【0061】
上述した形態において、アーム5、6は、互いに回動可能に連結される3個以上のアーム部によって構成されても良い。また、上述した形態において、ロボット1は、多関節アームであるアーム5、6に代えて、ハンド3、4の水平方向への直線的なスライドが可能となるようにハンド3、4を保持するアームを備えていても良い。また、上述した形態において、ロボット1は、ウエハ2以外の搬送対象物を搬送しても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 ロボット(産業用ロボット)
2 ウエハ(半導体ウエハ、搬送対象物)
3 ハンド(第1ハンド)
4 ハンド(第2ハンド)
5 アーム(第1アーム)
6 アーム(第2アーム)
7 本体部
14 制御部
17 搭載部(第1搭載部)
18 ハンド基部(第1ハンド基部)
19 回動機構
21 搭載部本体
37 搭載部(第2搭載部)
37a 搭載面
41 搭載部本体
42 端面当接部材
42a 当接面
44 押付部材
45 移動機構
62 検知機構