(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088633
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】蓋部材
(51)【国際特許分類】
A61M 11/00 20060101AFI20230620BHJP
A61J 1/05 20060101ALI20230620BHJP
A61F 9/02 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
A61M11/00 K
A61J1/05 313H
A61F9/02 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203483
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】506159699
【氏名又は名称】株式会社ジンズホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】513077162
【氏名又は名称】株式会社坪田ラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】浅田 敬一
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA40
4C047BB24
4C047CC24
4C047DD03
4C047DD05
4C047DD22
(57)【要約】
【課題】液体収容部の蓋部材を介しての安定的な液体の補給を可能とする液体収容部の蓋部材を提供する。
【解決手段】蓋部材は、アイウエアに設けられる噴霧機構内の液体収容部の開口をカバーする蓋部と、蓋部の平面に設けられる、液体収容部に液体を補給可能とする補給口と、蓋部の平面から液体収容部側に延伸し、液体収容部の内壁に沿う延伸部と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイウエアに設けられる噴霧機構内の液体収容部の開口をカバーする蓋部と、
前記蓋部の平面に設けられる、前記液体収容部に液体を補給可能とする補給口と、
前記蓋部の平面から前記液体収容部側に延伸し、前記液体収容部の内壁に沿う延伸部と、
を備える蓋部材。
【請求項2】
前記噴霧機構は、アイウエアに対して着脱可能なカートリッジである、請求項1記載の蓋部材。
【請求項3】
前記延伸部は、前記液体収容部の内壁の周方向に沿って形成される壁体を含む、請求項1又は2に記載の蓋部材。
【請求項4】
前記壁体は、前記液体収容部内の液体を外部に通過させる開口を有する、請求項3に記載の蓋部材。
【請求項5】
前記壁体は、前記液体収容部内の液体の量を確認可能にする窓部を有する、請求項3又は4に記載の蓋部材。
【請求項6】
前記延伸部は、前記液体収容部の底辺まで延伸する、請求項1から5のいずれか一項に記載の蓋部材。
【請求項7】
前記液体収容部の底面が傾斜している場合、前記傾斜に沿って前記延伸部の延伸方向の端部が形成される、請求項6に記載の蓋部材。
【請求項8】
前記延伸部の厚さは、前記蓋部の厚さよりも薄い、請求項1から7のいずれか一項に記載の蓋部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、霧状物を眼部に向けて噴霧する装置をアイウエアに取り付けて、目のケアを行う技術がある。例えば、微小液滴を射出する装置をアイウエアに取り付ける技術(例えば特許文献1参照)や、目薬液を霧化して噴射する装置をアイウエアに取り付ける技術(例えば特許文献2参照)、眼部に対し霧の噴流を発射する保健器(例えば特許文献3参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-510668号公報
【特許文献2】実登第3055480号公報
【特許文献3】実登第3104861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、液体を収容する液体収容部の蓋については特に検討がなされていなかった。ここで、発明者は、シリコンなどの弾性を有するような軟質素材を用いて液体収容部の蓋を形成し、蓋に液体の補給口を設けて液体を補給する実験を行った。このとき、蓋の形状、材質等によっては、液体の補給時に蓋が変形し、外れてしまうという新たな課題が発明者により見出された。
【0005】
そこで、本発明は、液体収容部の蓋部材を介しての安定的な液体の補給を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様における蓋部材は、アイウエアに設けられる噴霧機構内の液体収容部の開口をカバーする蓋部と、前記蓋部の平面に設けられる、前記液体収容部に液体を補給可能とする補給口と、前記蓋部の平面から前記液体収容部側に延伸し、前記液体収容部の内壁に沿う延伸部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、液体収容部の蓋部材を介しての安定的な液体の補給を可能とする液体収容部の蓋部材を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るメガネの前方からの一例を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るカートリッジの一例を示す分解斜視図(その1)である。
【
図3】実施形態に係るカートリッジの一例を示す外観斜視図である。
【
図4】実施形態に係るカートリッジの一例を示す分解斜視図(その2)である。
【
図5】実施形態に係るカートリッジ及び蓋部材の一例を示す上面図である。
【
図6】実施形態に係るカートリッジの取付例1(その1)を示す図である。
【
図7】実施形態に係る液体収容部及び延伸部の分解例を側面から示す図である。
【
図8】実施形態に係る液体収容部及び延伸部の分解例の一例を示す斜視図である。
【
図9】実施形態にかかる蓋部材を裏方向から見た一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0010】
[実施形態]
<アイウエア>
図1は、実施形態に係るメガネ100の前方からの一例を示す斜視図である。
図1に示すように、メガネ100は、アイウエアの一例であり、一対のレンズ110と、フレーム120とを備えている。なお、本実施の形態では、レンズ110を一対のものとして説明するが、必ずしも一対である必要はない。また、実施形態では、レンズ110をメガネ100の構成として説明するが、レンズ110自体は、必ずしもメガネ100に必要な構成ではない。
【0011】
フレーム120は、例えば、フロント140と、フロント140の左右側の両端に回転可能に連結されている一対のテンプル180と、一対のテンプル180の後方側に取り付けられている一対のモダン160とを備えている。また、フレーム120は、一対のレンズ110を保持するとともに、使用者の目および頭部に対してレンズ110およびフロント140を適切な姿勢に保持する。
【0012】
フロント140は、一対のレンズ110を支持する。テンプル180は、モダン160とともに使用者の側頭部を押圧して、この部位を挟持する。また、モダン160は、使用者の耳の上部および後方に接触して、メガネ100の落下を防止する。なお、モダン160は、必ずしもメガネ100に必要な構成ではない。
【0013】
以下の説明では、便宜上のために、
図1に示すフロント140の長手方向を「左右方向」とする。また、メガネ100が着用される際に、使用者から見た左側を「左側」(X2)とし、使用者から見た右側を「右側」(X1)とする。さらに、フロント140の短手方向を「上下方向」とし、頭の上方向を「上方」(Z1)とし、頭の下方向を「下方」(Z2)とする。また、フロント140の厚み方向を「前後方向」とし、フロント140側を「前方」(Y1)とし、モダン160側を「後方」(Y2)する。
【0014】
なお、本実施形態が適用されるメガネ100は、眉間部(ブリッジ)142を中心として左右対称に形成されている。このため、以下の説明では、左右対称の構成について左右を区別せず、図面の何れかの一方側にある構成にのみ符号を付して説明する。
【0015】
フロント140は、例えば、左右方向に沿って伸びる板状構成であり、使用者の顔面に沿うように前方に突出するように湾曲している。また、フロント140は、中央にある眉間部142と、眉間部142の裏面の左右両側に取り付けられている一対のノーズパッド144と、眉間部142の左右両端に形成されている一対のリム146と、一対のリム146の各端部に形成されている一対のヨロイ147と、一対のヨロイ147の裏面に取り付けられている一対の第1丁番部分(不図示)とを有している。
【0016】
眉間部142は、フロント140(メガネ100)の左部分および右部分を繋ぐ。また、眉間部142は、例えば、湾曲した板状部材であり、樹脂等によって形成されてもよい。
【0017】
ノーズパッド144は、使用者の鼻を両脇から挟むことでフロント140を支持し、このフロント140の使用者の目に対する高さ等を維持する。また、ノーズパッド144は、例えば、樹脂のパッド部および金属の支持部を有するクリングスタイプである。なお、パッド部および支持部の変形によって、フロント140が使用者の鼻および目に対する姿勢(例えば、角膜頂点間距離)を微調整することが可能になる。
【0018】
リム146は、レンズ110を保持する。また、リム146は、例えば、レンズ110の形状を沿うように形成されているリング状部材であり、樹脂等によって形成されている。
【0019】
ヨロイ147には、第1丁番部分(不図示)が形成されている。また、ヨロイ147は、例えば、湾曲した板状部材であり、樹脂等によって形成されている。
【0020】
第1丁番部分は、連結部の一例として機能し、テンプル180側に形成されている板状形状を有する第2丁番部分(不図示)と組み合わせることで、テンプル180をフロント140に対して回転可能に連結している。すなわち、第1丁番部分と第2丁番部分とは、丁番を構成している。
【0021】
テンプル180は、側頭部にフィットするように湾曲しているL字状の部材である。また、テンプル180は、フロント140と挟む角度が最も小さい折畳位置からこのフロント140と挟む角度が最も大きい開き位置までの範囲において回転可能に連結されている。
【0022】
また、ヨロイ147又はテンプル180に対し、噴霧機構が設けられている。実施形態では、噴霧機構の一例として、ヨロイ147又はテンプル180に対し着脱可能なカートリッジ200について説明する。カートリッジ200は、テンプル180の長手方向に沿って装着される例を示すが、この例に限られない。また、カートリッジ200は、霧状物の液体を収容する液体収容部、液体を用いて霧状物を噴霧する噴霧素子、及び噴霧素子を制御する制御回路基板を有する。また、カートリッジ200は、噴霧素子や制御回路基板を設けずに、液体収容部内の液体が蒸発等して気体となり、この気体が外部に放出されるような構成でもよい。
【0023】
<カートリッジ>
図2~4を用いて、カートリッジ200の一例について説明する。
図2は、実施形態に係るカートリッジ200の一例を示す分解斜視図(その1)である。
図2に示す例では、霧状物を噴霧するための部品が収容されるエリア側の上方からの分解斜視図を示す。カートリッジ200は、本体収容部220と、噴霧部品カバー部(又は本体蓋部)210と、蓋部材222とを有する。カートリッジ200は例えば樹脂などにより形成されてもよい。また、蓋部材222は、弾性を有するシリコン、ゴムなどの軟質素材により形成されてもよい。
図2~4に示すカートリッジ200は、例えば、右側(X1)のテンプル180に装着する例を示し、眼側に噴霧するタイプを示す。
【0024】
図2に示す例では、本体収容部220内の液体収容部230の開口に蓋部材222が嵌め込まれ、噴霧素子300及び制御回路基板400の噴霧部品側の面に噴霧部品カバー部210が取り付けられ、カバーされる。また、本体収容部220に、蓋部材222、噴霧部品カバー部210が取り付けられた状態の場合、これらを一体的に本体収容部と称してもよい。なお、カートリッジ200は、アイウエアに設けられるが、字義の通り取り付け可能に接続されて設けられてもよいし、アイウエアのテンプル180又はヨロイ147などの一部と一体的に形成され取り外しができない噴霧機構として設けられてもよい。一例として、本体収容部220は、後述するように、アイウエアのテンプル180又はヨロイ147に着脱可能に接続される接続機構を有する。アイウエアのテンプル180又はヨロイ147に対して着脱可能なカートリッジ200とすることで、液体の補給時にフレーム120が邪魔になることがなく、補給作業がやりやすくなる。
【0025】
噴霧部品カバー部210は、噴霧素子300の配置位置に対応する位置に1つの開口202を有する。この開口202を通じて、噴霧素子300により噴霧された霧状物が外部に放出される。蓋部材222には、2つの開口204があり、1つが液体の補給口(例えば注入口)の機能を有し、他方が液体収容部230内の圧力を調整する通気口の機能を有する。なお、蓋部材222には、1つの開口のみがあり、この1つの開口が補給口と通気口との機能を果たしてもよい。また、蓋部材222には、延伸部2221が設けられる。延伸部2221の詳細は後述する。
【0026】
カートリッジ200は、幅方向、高さ方法、奥行き方向を有し、多面体形状(例、六面体形状)を有する。例えば、カートリッジ200は、略直方体のような形状である。また、カートリッジ200は、その幅方向が長手方向となる本体収容部220を含む。例えば、テンプル180の展開時(装着時)において、カートリッジ200の幅方向は、テンプル180の長手方向に沿い、奥行き方向は、フロント140の左右方向に沿い、高さ方向は、顔の上下方向に沿う。
図2に示す本体収容部220の形状は一例であって、略直方体形状でなくてもよく、幅方向及び高さ方向による平面視が台形形状などでもよく、アイウエア100本体に取り付けられる位置に応じて適宜形状を決めればよい。
【0027】
また、噴霧部品カバー部210は、取り付け時に本体収容部220の開口260(
図3参照)を形成する壁212を有する。例えば、壁212は、噴霧部品カバー部210側から突出するようにU字形状をしてもよい。開口260は、本体収容部220からテンプル180又はヨロイ147への凸形状の接続機構が突出されてもよいし、テンプル180又はヨロイ147に設けられる凸形状の接続機構を受け入れる凹部が形成されてもよい。
【0028】
また、噴霧部品カバー部210は、4つの角部にそれぞれ凸部214(
図4参照)を有し、それぞれ対応する本体収容部220の凹部224(
図2参照)に圧入されることで、噴霧部品カバー部210が本体収容部220に固定される(
図3参照)。凸部214は、例えばボスなどを含む。また、凸部214は、それぞれ長さや形状が異なるものでもよく、また、制御回路基板400を収容する収容エリア250側の凸部214と凹部224は、ビス止めの構造に代替されてもよい。
【0029】
図3は、実施形態に係るカートリッジ200の一例を示す外観斜視図である。カートリッジ200には、霧状物を外部に通過させる開口部202と、液体収容部230に対する液体の補給口や通気口となる開口部204と、テンプル180やヨロイ147との接続機構を形成する開口部260とが形成される。開口部260からは、電源供給にも適用可能な接続端子(例、USBコネクタ)が突出されてもよい。
【0030】
図4は、実施形態に係るカートリッジ200の一例を示す分解斜視図(その2)である。
図4に示す例では、
図2と異なり、液体収容部230側の上方からの分解斜視図を示す。
図4に示す例では、噴霧部品カバー部210の裏側の角部に、凸部214がそれぞれ形成される。また、開口260を形成する壁212から内側に向けて延伸するように1又は複数のリブ216が設けられてもよい。例えば、このリブ216により、開口260から突出される接続端子が押さえつけられ、接続端子が安定的に位置決めされるようにしてもよい。
【0031】
<噴霧素子>
噴霧素子300は、液体収容部230に収容された液体を霧状物にして噴霧する素子である。霧状物は、例えばモイスチャーミストであり、少なくとも微小液体を含む。噴霧素子300としては、液体を振動させて少なくとも微小液体を発生させることができる超音波発振素子、気流を利用した減圧状態を発生させて液体を霧状の微小液体にすることができる霧吹き素子、等のいずれかである。
【0032】
噴霧素子300の構造や形態は特に限定されないが、薄型の平面形状のものが好ましい。また、噴霧素子300は、その装着箇所に応じた大きさと形状にすることが望ましい。また、噴霧素子300は、液体収容部230に並列に配置される収容エリア240に収容される。
【0033】
<液体収容部>
液体収容部230は、噴霧素子300で霧状物にするための液体を収容する部分である。液体収容部230は、液体を噴霧素子300に供給できる機能を有するように構成されていれば、その構造や形状は特に限定されない。
図2~4に示す例では、カートリッジ200内に液体収容部230が設けられる。
【0034】
液体収容部230には、液体がそのまま入っていてもよいし、液体を染みこませたスポンジやフェルト等の吸液材又は保液材が入っていてもよい。また、液体収容部230の底部には、噴霧素子300に液体を供給する供給口を有するように構成してもよい。
【0035】
<蓋部材>
図5~9を用いて、蓋部材222の一例について説明する。蓋部材222は、アイウエア100に取り付け可能なカートリッジ200に設けられる液体収容部230の開口をカバーする蓋部(上面の平面部分)2220と、蓋部2220の平面に設けられる、液体収容部230に液体を補給可能とする補給口(又は開口)204と、蓋部2220の平面(例えば裏面)から液体収容部側に延伸し、液体収容部230の内壁に沿う延伸部2221と、を備える。例えば、蓋部2220は、所定の厚さを有する略平面であり、その形状は、液体収容部230の開口により定められるため、特に問わない。なお、カートリッジ200は、アイウエア100に一体的に設けられてもよい。
【0036】
図5は、実施形態に係るカートリッジ200及び蓋部材222の一例を示す上面図である。
図5に示す例では、蓋部材222の蓋部2220の上面に、十字の切り込みが補給口204として形成される。例えば、十字の切り込みのクロス部分に、液体が入ったボトルの注入口を挿し込み、液体注入が行われる。このとき、ボトルの注入口を補給口204に挿し込むことにより、蓋部2220が変形して陥没したり、蓋部材222が外れたりすることを防止する必要がある。そこで、実施形態にかかる蓋部材222には、例えば、蓋部2220の平面(例えば裏面)から略垂直方向に延伸し、液体収容部230の内壁に沿う延伸部2221が設けられる。
【0037】
図6は、実施形態に係る蓋部材222が液体収容部230に嵌め込まれた際のカートリッジ200の一例を示す斜視図である。
図6に示すように、蓋部材222の延伸部2221は、液体収容部230の内壁に沿うように形成される。これにより、延伸部2221が液体収容部230の内壁に接することで摩擦力が生じる。その結果、蓋部2220の変形に伴う蓋部2220の周縁部に係る力が延伸部2221に分散され、この変形に係る力が、内壁との摩擦力および抗力(反発力)により相殺されることを可能にする。よって、蓋部2220が変形して陥没したり、外れたりすることを防止することができ、安定的な液体の補給が可能となる。さらに、上述した構成によれば、蓋部材222の部品点数を増やす必要がない。さらに、蓋部材222は、シンプルな構成とし、一体成型することも可能である。
【0038】
また、延伸部2221は、液体収容部230の内壁の周方向に沿って延伸する壁体により形成されてもよい。また、延伸部2221は、
図6に示すように、筒状に形成されてもよい。これにより、延伸部2221と液体収容部230の内壁との摩擦力が均一になり、摩擦力の最大化を図ることができ、より安定的な液体の補給が可能となる。
【0039】
また、
図6に示すように、蓋部2220の開口204を含む所定領域の蓋部2220の厚さは、他の領域の蓋部2220の厚さより薄くてもよい。例えば、他の領域の蓋部2220の厚さが2mmの場合、所定の領域の蓋部2220の厚さは1mmとしてもよい。これにより、ボトルの注入口を開口204に挿し込む際の抵抗を小さくすることができ、蓋部2220にかかる力を軽減することができる。
【0040】
図7は、実施形態に係る液体収容部230及び延伸部2221の分解例を側面から示す図である。
図7に示す例では、カートリッジ200内部の液体収容部230と、噴霧素子300への供給口232との位置関係を点線で示す。また、
図7に示す例では、噴霧素子300への供給口232が最深部となるように、液体収容部230の底部に傾斜が設けられるとよい。液体収容部230には、噴霧素子300に液体を供給する供給口232が設けられ、この供給口232に向かって液体が流れるように、液体収容部230の底面には傾斜が設けられる。
【0041】
また、液体収容部230の底面の傾斜に伴い、延伸部2221の延伸方向の端部も、液体収容部230の傾斜に沿って傾斜する。例えば、延伸部2221の延伸方向の長さが、蓋部2220の長手方向の一方の端部から他方の端部に向かって徐々に長くなる。また、延伸方向の長さは、液体収容部230の底面の傾斜によって定められるため、延伸部2221の延伸方向の長さが最も長くなる位置は、液体収容部230の最深部の位置であり、この最深部の位置は、蓋部2220の長手方向の任意の位置でもよい。
【0042】
図8は、実施形態に係る液体収容部230及び延伸部2221の分解例の一例を示す斜視図である。なお、
図8においては、説明の便宜上、液体収容部230及び延伸部2221ではない噴霧素子300等を省略する。
図8に示す例では、延伸部2221を示す壁体は、液体収容部230内の液体を外部に通過させる開口2222を有してもよい。例えば、開口2222は、カートリッジ200の開口202に対応する位置にあり、カートリッジ200の開口202のサイズに応じて、延伸部2221の開口2222のサイズが決定されるとよい。これにより、壁体内部に収容される液体は、開口2222を介して通過し、最終的にカートリッジ200の開口202を介して気体となって空間上に放出される。なお、この延伸部2221の開口2222のサイズ又は位置により、液体の流出量を調整することが可能である。
【0043】
また、延伸部2221の壁体は、液体収容部230内の液体の量を確認可能にする窓部を有してもよい。例えば、窓部は、延伸部2221の先端からのスリット、矩形状の開口などであり、液体収容部230内の液体の量を確認可能であればよいので、その形状は特に問わない。この場合、カートリッジ200は、この窓部を外部から視認できるよう、少なくとも窓部に対応する部分が透明な部材で形成されている。これにより、ユーザは、液体収容部230内の液体の量を外部から確認することができ、液体の補給のタイミングを知ることができる。なお、蓋部222は、透明な軟質素材で形成することで、窓部を不要とすることもできる。この場合、カートリッジ200には、窓部に対応する部分に透明部材やスリット、開口などが設けられ、液体収容部230内部の一部を外部から視認できるようになっている。
【0044】
また、延伸部2221は、
図6~8に示すように、液体収容部230の底辺まで延伸してもよい。これにより、延伸部2221の底面が液体収容部230の底面に接することで、ボトルの注入口を挿し込むことによる蓋部2220上面からの押す力が、液体収容部230の底面からの反発力で相殺可能となり、より安定的に液体を補給することが可能になる。また、延伸部2221の底面が液体収容部230の底面に接することで、蓋部材222が、液体収容部230内に陥没することを防止することができる。また、液体収容部230の底面が傾斜している場合(例えば
図7参照)、この傾斜に沿って延伸部2221の延伸方向の端部が形成されてもよい。これにより、液体収容部230の底面が傾斜している場合でも、延伸部2221の延伸方向の長さが傾斜に沿って底面まで延伸しており、蓋部材222は傾斜面からも反発力を受けることができる。
【0045】
図8に示す蓋部2220の厚さをW1とする。
図9は、実施形態にかかる蓋部材222を裏方向から見た一例を示す図である。
図9に示す延伸部2221の厚さをW2とする。このとき、延伸部2221の厚さW2は、蓋部2220の厚さW1より薄くてもよい。これにより、液体収容部230内(延伸部2221内)に収容される液体の量をより多く確保することができる。なお、延伸部2221の厚さW2は一様である必要はなく、少なくとも所定領域の厚さW2が蓋部2220の厚さW1よりも薄くなっていればよい。
【0046】
なお、蓋部2220の開口204は、
図2~4の開口と、
図5~9に示す開口とに限られない。例えば、サイズ、形状は、適宜変更可能である。また、延伸部2221の形状は、
図9等に示す筒状の形状に限られない。例えば、液体収容部230の角に配置される柱状の形状でもよいし、格子状の形状でもよい。また、延伸部2221の延伸方向の長さは、内壁と十分な摩擦力および抗力(反発力)を有するのであれば、液体収容部230の底部まで延伸していなくてもよい。
【0047】
以上、本発明について各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0048】
100 メガネ
120 フレーム
140 フロント
147 ヨロイ
180 テンプル
200 カートリッジ
202、204、260 開口
206 接続機構
220 本体収容部
222 蓋部材
230 液体収容部
2220 蓋部
2221 延伸部
2222 開口