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特開2023-88654タスク分析システムおよびタスク分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088654
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】タスク分析システムおよびタスク分析方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20230620BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203524
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】野添 賢彦
(72)【発明者】
【氏名】中道 功
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 悠介
(72)【発明者】
【氏名】眞田 和枝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】電子会議を含めて作業状況を正確に把握することを可能とする。
【解決手段】タスク分析システム10(タスク分析装置100)は、端末で利用される第1種別アプリケーションの利用状況を取得する第1履歴取得部(会議履歴取得部113)と、端末で利用される第2種別アプリケーションの利用状況を取得する第2履歴取得部(操作履歴取得部112)と、第1種別アプリケーションが利用されている時間帯における第2種別アプリケーションの利用状況を示す第1画面を出力する分析部114とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末で利用される第1種別アプリケーションの利用状況を取得する第1履歴取得部と、
前記端末で利用される第2種別アプリケーションの利用状況を取得する第2履歴取得部と、
前記第1種別アプリケーションが利用されている時間帯における前記第2種別アプリケーションの利用状況を示す第1画面を出力する分析部とを備える
ことを特徴とするタスク分析システム。
【請求項2】
前記第1画面は、
前記端末の利用者ごとに、第1種別アプリケーションが利用されている時間帯を示す図形と、第2種別アプリケーションが利用されている時間帯を示す図形とを、時間軸に沿って並べたグラフを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項3】
前記第1画面は、
前記端末の利用者ごとに、第1種別アプリケーションが利用されている時間帯おける、第2種別アプリケーションが利用されている時間または時間の比率を示すグラフまたは表を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項4】
前記第1種別アプリケーションは、遠隔会議のアプリケーションであり、
前記第1履歴取得部は、
前記遠隔会議の管理サーバから前記端末の利用者の遠隔会議への参加状況を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項5】
前記端末で実行されるアプリケーションに対する操作を取得する操作取得部、および当該アプリケーションの利用状況を前記第1履歴取得部に送信する操作履歴送信部をさらに備え、
前記第1種別アプリケーションは、遠隔会議のアプリケーションであり、
前記操作取得部は、当該アプリケーションに対する前記遠隔会議に参加する操作と、退出する操作を取得して当該遠隔会議の参加時間帯を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項6】
前記第1種別アプリケーションは、遠隔会議のアプリケーションであり、
前記第1履歴取得部は、前記遠隔会議における前記端末の利用者の発言時間および投影時間を取得し、
前記分析部は、前記遠隔会議における前記端末の利用者の発言時間および投影時間を示す第2画面を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項7】
前記第1種別アプリケーションは、遠隔会議のアプリケーションであり、
前記第1履歴取得部は、前記遠隔会議における前記端末の利用者の発言時間を取得し、
前記分析部は、
前記遠隔会議において前記発言時間が所定時間以上である発言者の数と、前記発言時間が前記所定時間未満である非発言者の数とを算出し、
前記遠隔会議の参加者のなかで前記発言者の比率が所定値以上である遠隔会議の累計時間と、前記発言者の比率が前記所定値未満である遠隔会議の累計時間とを示す第3画面を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項8】
前記第1種別アプリケーションは、遠隔会議のアプリケーションであり、
前記第1履歴取得部は、前記遠隔会議における前記端末の利用者の発言時間を取得し、
前記分析部は、
前記遠隔会議において前記発言時間が所定時間以上である発言者の数と、前記発言時間が前記所定時間未満である非発言者の数とを算出し、
前記遠隔会議の参加者のなかで前記発言者の比率が低い遠隔会議を示す第4画面を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項9】
前記第1種別アプリケーションは、遠隔会議のアプリケーションであり、
前記分析部は、
1つの前記遠隔会議に対応する前記第1種別アプリケーションの利用帯における前記第2種別アプリケーションの利用時間が所定時間以上である内職者の数と、当該利用時間が前記所定時間未満である非内職者の数とを算出し、
前記遠隔会議の参加者のなかで前記非内職者の比率が所定値以上である遠隔会議の累計時間と、前記非内職者の比率が前記所定値未満である遠隔会議の累計時間とを示す第5画面を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項10】
前記第1種別アプリケーションは、遠隔会議のアプリケーションであり、
前記分析部は、
1つの前記遠隔会議に対応する前記第1種別アプリケーションの利用帯における前記第2種別アプリケーションの利用時間が所定時間以上である内職者の数と、当該利用時間が前記所定時間未満である非内職者の数とを算出し、
前記遠隔会議の参加者のなかで前記内職者の比率が高い遠隔会議を示す第6画面を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のタスク分析システム。
【請求項11】
タスク分析システムが、
端末で利用される第1種別アプリケーションの利用状況を取得するステップと、
前記端末で利用される第2種別アプリケーションの利用状況を取得するステップと、
前記第1種別アプリケーションが利用されている時間帯における前記第2種別アプリケーションの利用状況を示す第1画面を出力するステップとを実行する
ことを特徴とするタスク分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計算機の利用状況を分析するタスク分析システムおよびタスク分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タスクマイニングとは、作業者のパソコン操作を分析することで、非効率な業務や繰り返される業務を見つけ出す手法である。業務に係る操作を分析することで、業務の進め方を明らかにしたり、効率化/自動化可能な作業を見つけ出したりすることができる。
タスクマイニングに係る技術として、特許文献1に記載の情報処理装置がある。この情報処理装置を用いることで、作業者の思考に要する時間を考慮した作業状況の管理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-056967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の情報処理装置によれば、単位時間当たりの操作量や操作対象、操作時間が表示され(特許文献1の図6図8参照)作業者の作業状況や思考に費やされている時間を把握することができる。しかしながら、作業者が電子会議(遠隔会議)に参加しているときに、他のアプリケーションを操作した時間は当該アプリケーションの作業時間となり、電子会議のアプリケーションを操作しない時間は思考時間となる。例えば、文書作成アプリケーションで電子会議の議事録を作成している場合には電子会議アプリケーションを利用していないことになる。このように、作業者が電子会議に参加した時間を正確に取得できない。
【0005】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたのであり、電子会議を含めて作業状況を正確に把握することを可能とするタスク分析システムおよびタスク分析方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するため本発明に係るタスク分析システムは、端末で利用される第1種別アプリケーションの利用状況を取得する第1履歴取得部と、前記端末で利用される第2種別アプリケーションの利用状況を取得する第2履歴取得部と、前記第1種別アプリケーションが利用されている時間帯における前記第2種別アプリケーションの利用状況を示す第1画面を出力する分析部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子会議を含めて作業状況を正確に把握することを可能とするタスク分析システムおよびタスク分析方法を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るタスク分析システムの全体構成図である。
図2】本実施形態に係る端末の機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係る端末操作履歴データベースのデータ構成図である。
図4】本実施形態に係るタスク分析装置の機能ブロック図である。
図5】本実施形態に係る分析対象者データベースのデータ構成図である。
図6】本実施形態に係る操作履歴データベースのデータ構成図である。
図7】本実施形態に係る会議履歴データベースのデータ構成図である。
図8】本実施形態に係る日・作業者別利用アプリケーション画面の画面構成図である。
図9】本実施形態に係る作業者別アプリケーション利用時間集計画面の画面構成図である。
図10】本実施形態に係る作業者別会議寄与時間画面の画面構成図である。
図11】本実施形態に係る対象者登録処理のフローチャートである。
図12】本実施形態に係るタスク分析処理のフローチャートである。
図13】本実施形態に係るタスク分析メニュー画面の画面構成図である。
図14】本実施形態の変形例に係る会議の発言者比率分析画面の画面構成図である。
図15】本実施形態の変形例に係る会議の内職者比率分析画面の画面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明を実施するための形態(実施形態)におけるタスク分析システムについて説明する。タスク分析システムは、端末の操作履歴を当該端末から、端末利用者(作業者)の電子会議の参加履歴(会議履歴)を会議サーバから取得する。またタスク分析システムは、電子会議アプリケーションの利用時間帯と他のアプリケーションの利用時間帯とを分けて並行して表示する(後記する図8参照)。
【0010】
このようにすることでタスク分析システムの利用者(分析者)は、作業者が電子会議に参加している時間帯における他のアプリケーションを利用(使用、操作)している時間帯を確認することができ、正確な作業状況を把握することができる。既存システムでは、電子会議に参加しながら議事録を取得している時間を文書作成アプリケーションの利用時間、操作していない場合には思考時間とカウントしており、正確ではなかった。
【0011】
≪タスク分析システムの全体構成≫
図1は、本実施形態に係るタスク分析システム10の全体構成図である。タスク分析システム10は、タスク分析装置100を含んで構成される。会議サーバ400は、作業者が参加する電子会議(Web会議、ビデオ会議、遠隔会議)のサーバであって、端末300で取得した音声や映像、会議資料の画像などを他の端末300に配信する。また、会議サーバ400は、会議の開始時刻、終了時刻、参加者である作業者、会議で発言した作業者とその発言時間、参加者が共有する会議資料の画像を提供(投影)した作業者とその提供時間(共有時間)などを会議履歴として蓄積する。
【0012】
≪端末の構成≫
図2は、本実施形態に係る端末300の機能ブロック図である。端末300は、作業者が操作してタスク(作業、業務)を実行するコンピュータ(パソコン)であり、制御部310、記憶部320、および入出力部380を備える。
入出力部380には、ディスプレイやキーボード、マウス、カメラ、マイク、スピーカなどのユーザインターフェイス機器が接続される。また入出力部380には通信デバイスが接続され、会議サーバ400やタスク分析装置100とのデータ送受信が可能である。
【0013】
≪端末:記憶部≫
記憶部320は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)などの記憶機器を含んで構成される。記憶部320には、端末操作履歴データベース330(後記する図3参照)が記憶される。
【0014】
図3は、本実施形態に係る端末操作履歴データベース330のデータ構成図である。端末操作履歴データベース330は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は連続する1つのアプリケーションに対する操作履歴を示し、アカウント331、アクティブアプリケーション332、開始日時333、および終了日時334の列(属性)を含む。連続するとは、1つのアプリケーションに対するキーボードやマウスなどの操作が連続しており、操作の間隔が所定時間以下であるということである。
【0015】
アカウント331は、端末300における作業者の識別情報である。同一の作業者でも端末300によってアカウント331が異なってもよい。本実施形態では説明を簡単にするために、端末300に依らず各作業者のアカウント331は同一であるとする。
アクティブアプリケーション332は、作業者が利用(使用、操作)しているアプリケーションを示す。開始日時333および終了日時334は、アクティブアプリケーション332に対する操作の開始日時と終了日時である。図3の開始日時333および終了日時334は、日時のうち日付を記載していない。
なお端末操作履歴データベース330は、アクティブアプリケーション332に対するキー入力・メニュー操作・カーソル操作など個々の操作とその日時を含んでもよい。
【0016】
≪端末:制御部≫
図2に戻って制御部310の説明を続ける。制御部310は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、登録部311、操作取得部312、操作履歴送信部313、およびアプリケーション処理部314が備わる。アプリケーション処理部314は、電子会議(電子会議クライアント)のアプリケーション(第1種別アプリケーション)の処理を行う。またアプリケーション処理部314は、電子会議以外のメール(メールクライアント)や文書作成、表計算、プレゼンテーション、コミュニケーション(チャットなど)などのアプリケーション(第2種別アプリケーション)の処理を行う。
【0017】
登録部311は、タスク分析の対象者(作業者)に係る情報を作業者から取得して、タスク分析装置100に送信する。
操作取得部312は、アプリケーションに対する操作を取得し、端末操作履歴データベース330に格納する。このアプリケーションに対する操作は、アプリケーション処理部314によって処理される。
操作履歴送信部313は、端末操作履歴データベース330にある操作履歴を所定の時間間隔(後記する図5の取得時間間隔137参照)でタスク分析装置100に送信する。
【0018】
≪タスク分析装置の構成≫
図4は、本実施形態に係るタスク分析装置100の機能ブロック図である。タスク分析装置100は、コンピュータであって、制御部110、記憶部120、および入出力部180を備える。
入出力部180には、ディスプレイやキーボード、マウスなどのユーザインターフェイス機器が接続される。また入出力部180には通信デバイスが接続され、会議サーバ400や端末300とのデータ送受信が可能である。
【0019】
記憶部120は、ROMやRAM、SSDなどの記憶機器を含んで構成される。記憶部120には、分析対象者データベース130(後記する図5参照)、操作履歴データベース140(後記する図6参照)、会議履歴データベース150(後記する図7参照)、およびプログラム128が記憶される。プログラム128は、タスク分析処理(後記する図12参照)の処理手順の記述を含む。
【0020】
≪タスク分析装置:分析対象者データベース≫
図5は、本実施形態に係る分析対象者データベース130のデータ構成図である。分析対象者データベース130は例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)はタスク分析の対象者を示し、識別情報131(図5ではIDと記載)、アカウント132、端末識別情報133(図5では端末IDと記載)、会議アカウント134、会議認証情報135、氏名136、および取得時間間隔137の列(属性)を含む。
【0021】
識別情報131は、タスク分析対象者の識別情報である。タスク分析対象者とは、作業員者であり、分析対象者データベース130ではアカウント132および端末識別情報133の組み合わせで識別される。端末識別情報133は、端末300の識別情報である。アカウント132は、端末300における作業者の識別情報であり、アカウント331(図3参照)に対応する。1人の作業員のアカウント132が同じであっても端末識別情報133が異なると、分析対象者データベース130では異なるタスク分析対象である。
本実施形態では説明を簡単にするために、端末300に依らず各作業者のアカウント331は同一であり、各作業者はそれぞれ特定の端末300を利用するとする。この場合、識別情報131は作業者の識別情報と見なすことができる。
【0022】
会議アカウント134と会議認証情報135は、タスク分析対象者(作業者)が電子会議に参加するときのアカウント名と認証情報であり、会議サーバ400にアクセスするときのアカウント名と認証情報である。認証情報とは、認証に用いる例えばパスワードや公開鍵(公開鍵証明書)である。
氏名136は、タスク分析対象者(作業者)の氏名である。
取得時間間隔137は、端末300から操作履歴を取得する時間間隔(単位は分)である。
【0023】
≪タスク分析装置:操作履歴データベース≫
図6は、本実施形態に係る操作履歴データベース140のデータ構成図である。操作履歴データベース140は例えば表形式のデータであって、端末300から取得した操作履歴(アプリケーションの利用状況)が格納される。アカウント141、アクティブアプリケーション143、開始日時144、および終了日時145の列(属性)は、端末操作履歴データベース330(図3参照)のアカウント331、アクティブアプリケーション332、開始日時333、および終了日時334の列にそれぞれ対応する。端末識別情報(図6では端末IDと記載)は、操作が取得された端末300の識別情報である。
【0024】
≪タスク分析装置:会議履歴データベース≫
図7は、本実施形態に係る会議履歴データベース150のデータ構成図である。会議履歴データベース150は例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は電子会議ごとの参加者(作業者)に係る情報であり、会議アカウント151、会議識別情報152(図7では会議IDと記載)、開始日時153、終了日時154、発言時間155、投影時間156、および会議名157の列(属性)を含む。
【0025】
会議アカウント151は、電子会議の参加者のアカウント名であり、会議アカウント134(図5参照)に対応する。会議識別情報152は電子会議の識別情報であり、会議名157は会議の名称である。開始日時153および終了日時154は、会議識別情報152で識別される電子会議の開始時刻および終了時刻である。
発言時間155および投影時間156は、会議アカウント151で識別される参加者の会議識別情報152で識別される電子会議における発言時間、および当該参加者が提供した資料の投影時間(資料が参加者間で共有された時間)である。各レコードは、電子会議のアプリケーションの利用状況を示し、発言時間155および投影時間156が長いほど、電子会議における参加者の寄与が高いと見なせる。
【0026】
≪タスク分析装置:制御部≫
図4に戻って、制御部110の説明を続ける。制御部110は、CPUを含んで構成され、対象者登録部111、操作履歴取得部112、会議履歴取得部113、および分析部114を備える。
対象者登録部111は、タスク分析対象者を分析対象者データベース130(図5参照)に登録する(後記する図11に記載の対象者登録処理を参照)。
【0027】
操作履歴取得部112は、端末300の操作履歴送信部313が送信する操作履歴を取得して、操作履歴データベース140(図6参照)に格納する。取得する間隔は、取得時間間隔137(図5参照)に示される。なお端末識別情報142は、送信元の端末300の識別情報である。
会議履歴取得部113は、会議サーバ400から電子会議の履歴を取得して会議履歴データベース150に格納する。会議履歴取得部113は、作業者のアカウント(図5記載の会議アカウント134、会議認証情報135参照)で会議サーバ400にアクセスして、当該作業者が参加した電子会議の履歴を取得する。取得する間隔は、取得時間間隔137に示される。
【0028】
分析部114は、作業者別や日別、月別に作業者のタスク(アプリケーションの利用状況)を分析して出力する。例えば分析部114は、操作履歴データベース140から指定された日(指定日)の作業者の操作履歴を取得し、時系列に操作しているアプリケーション(アクティブアプリケーション143参照)を特定する。また分析部114は、会議履歴データベース150から指定日に作業者が参加した電子会議の開始日時と終了日時とを取得する。分析部114は、これらの履歴情報から指定日における作業者別のアプリケーションの利用状況(後記する図8参照)や指定期間における作業者別のアプリケーションの利用時間(後記する図9参照)、会議への寄与の度合い(後記する図10)を出力する。
【0029】
≪タスク分析装置:日・作業者別利用アプリケーション画面≫
図8は、本実施形態に係る日・作業者別利用アプリケーション画面650の画面構成図である。日・作業者別利用アプリケーション画面650には、作業者別に指定日である2021年10月12日のアプリケーションの利用状況が示されている。領域651には、作業者Lが電子会議に参加した時間帯が示されている。また領域652には、作業者Lが利用したアプリケーションの利用時間帯が示されている。例えば、作業者Lは、13時から14時の間に電子会議に参加すると同時にメールやプレゼンテーションのアプリケーションを利用していたことが示されている。
【0030】
電子会議の参加時間帯を示す領域651と他のアプリケーションの利用時間帯を示す領域652とは異なり、時間軸に沿って並行するように配置されている。換言すれば日・作業者別利用アプリケーション画面650は、端末300の利用者(作業者)ごとに、電子会議のアプリケーション(第1種別アプリケーション)が利用されている時間帯を示す図形と、電子メール・表計算などのアプリケーション(第2種別アプリケーション)が利用されている時間帯を示す図形とを、時間軸に沿って並べたグラフを含む。このため、電子会議に参加中における他のアプリケーションの利用状況が可視化され把握しやすくなる。
【0031】
≪タスク分析装置:作業者別アプリケーション利用時間集計画面≫
図9は、本実施形態に係る作業者別アプリケーション利用時間集計画面660の画面構成図である。作業者別アプリケーション利用時間集計画面660には、作業者別に指定月である2021年10月のアプリケーション別利用累計時間が示されている。例えば作業者Nのメールの利用累計時間は20時間である。
【0032】
≪タスク分析装置:作業者別会議寄与時間画面≫
図10は、本実施形態に係る作業者別会議寄与時間画面670の画面構成図である。作業者別会議寄与時間画面670には、作業者別に指定月である2021年10月に開催された会議における投影時間、発言時間、他のアプリケーションの利用時間、非アクティブ時間が示されている。非アクティブ時間とは、電子会議時間から投影時間、発言時間、他のアプリケーションの利用時間を除いた時間である。図10によれば、作業者Mは電子会議に参加している時間が作業者L,Nより長く、投影時間・発言時間も長く、会議への寄与が高いことが窺える。
【0033】
作業者別会議寄与時間画面670は、電子会議のアプリケーション(第1種別アプリケーション)が利用されている時間帯おける、電子メール・表計算などのアプリケーション(第2種別アプリケーション)が利用されている時間または時間の比率を示すグラフまたは表を含む画面であってもよい。また作業者別会議寄与時間画面670は、電子会議における作業者の発言時間および投影時間を示している。
【0034】
≪対象者登録処理≫
図11は、本実施形態に係る対象者登録処理のフローチャートである。図11を参照しながら端末300を利用する対象者(作業者)をタスク分析システム10に登録する処理を説明する。
ステップS11において端末300の登録部311は、端末300を利用する作業者の情報として、端末300のアカウントや電子会議のアカウント(図5記載の会議アカウント134参照)、認証情報(会議認証情報135参照)、氏名を問い合わせて取得する。
【0035】
ステップS12において登録部311は、ステップS11で取得した作業者の情報、端末300の識別情報をタスク分析装置100に送信する。
ステップS13においてタスク分析装置100の対象者登録部111は、作業者の電子会議のアカウントと認証情報を会議サーバ400に送信する。
ステップS14において会議サーバ400は、アカウントと認証情報とが対応しているか否かの認証結果(OK/NG)をタスク分析装置100に送信する。
【0036】
ステップS15において対象者登録部111は、認証結果がOKであれば(ステップS15→OK)ステップS16に進み、NGであれば(ステップS15→NG)ステップS17に進む。
ステップS16において対象者登録部111は、ステップS12で受信した作業者の情報と端末300の識別情報とを分析対象者データベース130(図5参照)に格納する。次に対象者登録部111は、アカウント132および端末識別情報133から生成した識別情報を識別情報131に、既定の操作履歴取得時間間隔を取得時間間隔137に格納する。
【0037】
ステップS17において対象者登録部111は、ステップS14で取得した認証結果を端末300に送信する。
ステップS18において登録部311は、認証結果がOKであれば(ステップS18→OK)対象者登録処理を終了し、NGであれば(ステップS18→NG)ステップS11に戻る。
【0038】
≪タスク分析処理≫
図12は、本実施形態に係るタスク分析処理のフローチャートである。
ステップS31において分析部114は、タスク分析メニュー画面610(後記する図13参照)を表示する。例えば分析部114は、タスク分析者が利用する端末300のディスプレイ、または入出力部180に接続されたディスプレイにタスク分析メニュー画面610(後記する図13参照)を表示する。
【0039】
図13は、本実施形態に係るタスク分析メニュー画面610の画面構成図である。タスク分析メニュー画面610の左側には、「日・作業者別利用アプリ」ボタン611、「タスク・作業者別時間集計」ボタン612、「作業者別会議寄与時間」ボタン613、および「タスク別時間集計」ボタン614が配置される。
「日・作業者別利用アプリ」ボタン611が押下されると、日・作業者別利用アプリケーション画面650(図8参照)が表示される。日・作業者別利用アプリケーション画面650における指定日は「日・作業者別利用アプリ」ボタン611の左側に表示される指定日である。指定日は、カレンダアイコン615が押下されて表示されるカレンダ(不図示)を用いて指定可能である。
【0040】
「タスク・作業者別時間集計」ボタン612が押下されると、作業者別アプリケーション利用時間集計画面660(図9参照)が表示される。作業者別アプリケーション利用時間集計画面660における指定月は「タスク・作業者別時間集計」ボタン612の左側に表示される指定月である。指定月は、カレンダアイコン616が押下されて表示されるカレンダ(不図示)を用いて指定可能である。
「作業者別会議寄与時間」ボタン613が押下されると、作業者別会議寄与時間画面670(図10参照)が表示される。作業者別会議寄与時間画面670における指定月は「作業者別会議寄与時間」ボタン613の左側に表示される指定月である。指定月は、カレンダアイコン617が押下されて表示されるカレンダ(不図示)を用いて指定可能である。
【0041】
「タスク別時間集計」ボタン614が押下されると、アプリケーション利用時間集計画面(不図示)が表示される。アプリケーション利用時間集計画面では、指定月における予め設定されたグループに属する作業者のアプリケーション別利用累計時間が示されている。指定月は「タスク別時間集計」ボタン614の左側に表示される指定月である。指定月は、カレンダアイコン618が押下されて表示されるカレンダ(不図示)を用いて指定可能である。
【0042】
図12に戻ってタスク分析処理の説明を続ける。ステップS32において分析部114は、「日・作業者別利用アプリ」ボタン611が押下されると(ステップS32→日・作業者別利用アプリ)ステップS33に進み、「タスク・作業者別時間集計」ボタン612が押下されると(ステップS32→タスク・作業者別時間集計)ステップS34に進み、「作業者別会議寄与時間」ボタン613が押下されると(ステップS32→作業者別会議寄与時間)ステップS35に進み、「タスク別時間集計」ボタン614が押下されると(ステップS32→タスク別時間集計)ステップS36に進み、「終了」ボタン619が押下されると(ステップS32→終了)タスク分析処理を終える。
【0043】
ステップS33において分析部114は、日・作業者別利用アプリケーション画面650(図8参照)を表示してステップS32に戻る。
ステップS34において分析部114は、作業者別アプリケーション利用時間集計画面660(図9参照)を表示してステップS32に戻る。
ステップS35において分析部114は、作業者別会議寄与時間画面670(図10参照)を表示してステップS32に戻る。
ステップS36において分析部114は、アプリケーション利用時間集計画面(不図示)を表示してステップS32に戻る。
【0044】
≪タスク分析処理の特徴≫
タスク分析装置100は、端末300における作業者の操作履歴、および電子会議の履歴を取得して、日・作業者別利用アプリケーション画面650(図8参照)や作業者別会議寄与時間画面670(図10参照)を表示する。
日・作業者別利用アプリケーション画面650では、作業者が電子会議に参加した時間帯と、電子会議以外のアプリケーション利用時間帯とが、異なる領域651,652に時間軸に沿って変更して表示される。このため、電子会議に参加中における他のアプリケーションの利用状況が可視化され、電子会議中の作業状況が把握しやすくなる。
【0045】
作業者別会議寄与時間画面670では、作業者が参加した電子会議に対する参加者の投影時間や発言時間が表示される。例えば、投影時間や発言時間が少ない作業者については、参加不要の電子会議に参加している可能性があり、参加の必要性を検討する端緒となる。
またタスク分析装置100は、電子会議の履歴を会議サーバ400から取得している。通常使用している端末300とは異なるスマートフォンなどの端末から電子会議に参加した場合であっても、電子会議の参加状況や寄与度を表示することができる。
【0046】
≪変形例:電子会議の分析≫
作業者別会議寄与時間画面670(図10参照)によれば、電子会議参加時における作業者の作業状況の分析が可能である。さらにタスク分析装置100は、電子会議の分析を行うようにしてもよい。
【0047】
図14は、本実施形態の変形例に係る会議の発言者比率分析画面680の画面構成図である。分析部114は、指定月に開催された電子会議について、参加者のなかで発言時間155(図7参照)が所定時間(例えば5秒)以上である参加者(発言者)数と、発言時間155が当該所定時間未満である参加者(非発言者)数とを算出する。次に分析部114は、参加者のなかで発言者の比率が5割以上の会議の累計開催時間と、5割未満の会議の累計開催時間とを算出して、領域681にグラフとして表示する。なお5割という数値は例であって、他の比率であってもよい。続いて分析部114は、参加者のなかで発言者の比率が低い電子会議を発言者数・非発言者数を示すグラフとともに領域682に表示する。
【0048】
発言者比率分析画面680によれば、発言者比率が低く一方向のコミュニケーションとなっている電子会議の累計時間や個別の電子会議が把握でき、個々の電子会議の開催や参加者を見直す契機とすることができる。
【0049】
図15は、本実施形態の変形例に係る会議の内職者比率分析画面690の画面構成図である。分析部114は、指定月に開催された電子会議について、参加者のなかで内職時間が所定時間(例えば15分)以下である参加者(非内職者)数と、内職時間が当該所定時間を超える参加者(内職者)数とを算出する。ここで内職時間とは、会議開催時間中(開始日時153から終了日時154まで)に、電子会議のアプリケーションとは異なるアプリケーション(第2種別アプリケーション)を利用した時間であり、電子会議以外の業務を行っていたと想定される時間である。
【0050】
次に分析部114は、参加者のなかで非内職者の比率が5割以上の会議の累計開催時間と、5割未満の会議の累計開催時間とを算出して、領域691にグラフとして表示する。なお5割という数値は例であって、他の比率であってもよい。続いて分析部114は、参加者のなかで内職者の比率が高い電子会議を内職者数・非内職者数を示すグラフとともに領域692に表示する。
【0051】
内職者比率分析画面690によれば、内職者比率が高く出席不要の参加者の割合が高い電子会議の累計時間や個別の電子会議が把握でき、個々の電子会議の開催や参加者を見直す契機とすることができる。
【0052】
≪変形例:投影・発言時間帯を含めた分析≫
会議サーバ400からは、作業者が参加した電子会議の時間帯(開始日時と終了日時)、発言時間、投影時間が取得されて会議履歴データベース150(図7参照)格納される。発言・投影について、その時間帯(開始日時と終了日時)を取得するようにしてもよい。
【0053】
また、この情報を参照して分析部114は、日・作業者別利用アプリケーション画面650(図8参照)の領域651に表示される電子会議に参加した時間帯を、発言時間帯、投影時間帯、その他の時間帯が区別できるように表示してもよい。さらに分析部114は、電子会議に参加した時間帯内で、発言時間帯でも投影時間帯でもないその他の時間帯における電子会議アプリケーション以外のアプリケーションの利用時間帯を集計した画面を表示するようにしてもよい。
このような画面を参照することで、投影も発言もしていない電子会議の参加時間帯における作業者の状況を把握しやすくなる。
【0054】
≪変形例:端末での会議履歴取得≫
上記した実施形態において会議履歴取得部113は、会議サーバ400から会議の履歴を取得している。これに対して端末300の操作取得部312が電子会議のアプリケーションに対する操作を取得して、会議履歴取得部113は端末300から会議の履歴を取得するようにしてもよい。
【0055】
例えば操作取得部312(図2参照)は、電子会議のアプリケーションの参加ボタンが押された日時を開始日時、退出ボタンが押された日時を終了日時として、端末操作履歴データベース330に記録する。また、操作取得部312は、開始日時と終了日時の間でマイクがオンの状態であって、入出力部380に接続されたマイクが取得する音声量が所定値以上であれば、発言時間と判断する。他に操作取得部312は、開始日時と終了日時の間で画面共有ボタンが押されて、画面共有停止ボタンが押されるまでの時間を、投影時間と判断する。
【0056】
このように操作取得部312が取得し、端末操作履歴データベース330に記録された会議の履歴は、操作履歴送信部313がタスク分析装置100に送信し、会議履歴取得部113により会議履歴データベースに格納される。
このような操作取得部312によれば、会議サーバ400からの会議履歴取得ができない場合であっても、タスク分析が可能となる。
【0057】
≪その他変形例≫
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。例えば上記した変形例において操作取得部312が、電子会議のアプリケーションに対する操作を取得して、開始日時、終了日時、発言時間および投影時間を算出している。これに対して、操作取得部312は電子会議のアプリケーションに対する操作のみを取得し、会議履歴取得部113または分析部114が、当該操作とその日時に基づいて開始日時、終了日時、発言時間および投影時間を算出するようにしてもよい。
【0058】
本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
10 タスク分析システム
100 タスク分析装置
112 操作履歴取得部(第2履歴取得部)
113 会議履歴取得部(第1履歴取得部)
114 分析部
300 端末
312 操作取得部
313 操作履歴送信部
650 日・作業者別利用アプリケーション画面(第1画面)
660 作業者別アプリケーション利用時間集計画面
670 作業者別会議寄与時間画面(第1画面、第2画面)
680 発言者比率分析画面(第3画面、第4画面)
690 内職者比率分析画面(第5画面、第6画面)
図1
図2
図3
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図6
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