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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088740
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】包装箱および包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/02 20060101AFI20230620BHJP
   B65D 5/43 20060101ALI20230620BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
B65D3/02 B
B65D5/43
B65D5/52 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203657
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 雅教
(72)【発明者】
【氏名】竹内 悠太
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AA13
3E060BA05
3E060CA02
3E060CB06
3E060CB16
3E060CE07
3E060DA04
3E060DA15
3E060EA13
(57)【要約】
【課題】収容された容器を視認可能にして消費者の購買意欲を掻き立てると共に、当該容器が抜き取られる可能性を低減できる。
【解決手段】包装箱(1)は、前面片(11)と、背面片(13)と、容器(100)の底部(104)を支持する底部片(14)と、容器の天頂部(103)の位置において背面片から前面片へと延在し、収容領域(20)において天頂部を底部片側に押さえる押え片(18)と、を備える。前面片には窓部(12)が形成されている。包装箱は、少なくとも押え片と底部片とにより、少なくとも天頂部の一部を窓部から露出させた状態で、容器を保持可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面片と、
前記前面片と共に収容対象の容器を収容する収容領域を形成する背面片と、
前記容器の底部を支持する底部片と、
前記容器の天頂部の位置において前記背面片から前記前面片へと延在し、前記収容領域において前記天頂部を前記底部片側に押さえる押え片と、を備え、
前記前面片には、窓部が設けられており、
少なくとも前記押え片と前記底部片とにより、少なくとも前記天頂部の一部を前記窓部から露出させた状態で、前記容器を保持可能である、包装箱。
【請求項2】
前記前面片の上辺に接続され、前記前面片と前記背面片とを接続する接続片を備え、
前記押え片は、
前記背面片の上辺に接続され、折り曲げられることにより前記天頂部を押さえる押え部と、
前記押え部と接続され、折り曲げられることにより前記前面片の裏面に当接する当接部を備え、
前記前面片の裏面に前記当接部が当接し、かつ、前記接続片が前記前面片と前記背面片とを接続した状態において、前記押え部が前記天頂部を押さえた状態が維持される、請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記包装箱を側方から見たとき、前記押え部の長さは、前記底部片の長さよりも短い、請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記前面片の上辺に接続され、前記前面片と前記背面片とを接続する接続片を備え、
前記接続片の先端部には、差込片が設けられており、
前記背面片の上辺には、前記差込片が差し込まれる切込部が設けられており、
前記差込片が前記切込部に差し込まれた状態において、前記接続片は前記前面片と前記背面片とを接続する、請求項1から3の何れか1項に記載の包装箱。
【請求項5】
前記接続片の先端部には、差込片が設けられており、
前記当接部には、前記差込片が差し込まれる切込部が設けられており、
前記差込片が前記切込部に差し込まれることにより、前記接続片が前記前面片と前記背面片とを接続する、請求項2または3に記載の包装箱。
【請求項6】
前記前面片は、前記窓部の前方から見たときに、前記容器の外形の一部に重なる重畳部を有する、請求項1から5の何れか1項に記載の包装箱。
【請求項7】
前記前面片の側辺と前記背面片の側辺とを接続したときの水平断面がオーバル形状である、請求項1から6の何れか1項に記載の包装箱。
【請求項8】
前記容器は、前記天頂部を有するキャップと、前記窓部から露出する側の中央部分が膨出した容器本体部と、を有し、
請求項1から7の何れか1項に記載の包装箱に、前記容器を収容した包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を包装する包装箱、および、包装箱に容器を収容した包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の収容箱では、蓋板の前側辺が正面板に連結され、蓋板の後側辺に支持板が連結されている。支持板は、背面板から突出する突出部と、突出部の前面を覆うカバー板との間に配置されている。例えば、蓋板を押圧すると、蓋板が収容箱本体の内部に押し込まれるのに伴って、支持板も収容箱の内部に入り込んでいく。これにより、蓋板と背面板との間が支持板によって塞がれるため、この間に指などが挿入され、収容箱本体に収容される物品が抜き取られるのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6951880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、特許文献1の収容箱は、物品の抜き取り防止の観点から、支持板が収容箱の内部に入り込んでいくように構成されている。そのため、蓋板と、収容箱に収容される物品の天頂部との間には、支持板の内部への入り込みが可能な程度の空間が存在している。すなわち、特許文献1の収容箱では、物品を高さ方向から保持することについては考慮されていないため、正面板側に物品を視認可能な窓部が形成された場合に、窓部の大きさによっては窓部から物品が抜き取られてしまう可能性がある。
【0005】
本発明の一態様は、収容された容器を視認可能にして消費者の購買意欲を掻き立てると共に、当該容器が抜き取られる可能性を低減できる包装箱等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る包装箱は、前面片と、前記前面片と共に収容対象の容器を収容する収容領域を形成する背面片と、前記容器の底部を支持する底部片と、前記容器の天頂部の位置において前記背面片から前記前面片へと延在し、前記収容領域において前記天頂部を前記底部片側に押さえる押え片と、を備え、前記前面片には、窓部が形成されており、少なくとも前記押え片と前記底部片とにより、少なくとも前記天頂部の一部を前記窓部から露出させた状態で、前記容器を保持可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、消費者の購買意欲を掻き立てると共に、収容された容器が抜き取られる可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る包装箱の展開図である。
図2】本発明の実施形態1に係る包装箱を組み立てた状態を示す概略図である。
図3】本発明の実施形態2に係る包装箱の展開図である。
図4】本発明の実施形態2に係る包装箱を組み立てた状態を示す概略図である。
図5】本発明の実施形態3に係る包装箱の展開図である。
図6】本発明の実施形態3に係る包装箱を組み立てた状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
実施形態1に係る包装箱1について、図1および図2を用いて説明する。図1は、実施形態1に係る包装箱1の展開図である。図1において、包装箱1の表面側を示している。また、図1において、破線は山折りを示し、一点鎖線は谷折りを示す。図2は、実施形態1に係る包装箱1を組み立てた状態を示す概略図である。図2の符号1001は、前面片11側から見たときの包装箱1の斜視図である。図2の符号1002は、背面片13側から見たときの包装箱1の斜視図である。図2の符号1003は、包装箱1の側面図である。
【0010】
なお、図2では、包装箱1を組み立てた状態の概略図を示すものであって、包装箱1の大きさおよび形状は厳密には正確なものではないことに留意されたい。例えば、図2に示す容器100との関係から、包装箱1の厚み(例:長さL1、L2およびL3)は、実際には図示よりも短い。実施形態2および3で説明する図4および図6についても、包装箱2および3の大きさおよび形状は厳密には正確なものではないことに留意されたい。
【0011】
(包装箱1の構成)
図2に示すように、包装箱1は、容器100を包装(収容)するものである。本実施形態では、包装箱1の材質は紙である。具体的には、包装箱1として厚紙が用いられる。厚紙としては、例えば、ボール紙、コートボール紙、蒸着紙およびホイル紙が挙げられる。また、包装箱1の前面片11となる部分には、図示しないが、商品名およびデザイン等が印刷されてよい。包装箱1の材質は、これに限らず、プラスチック製シートまたは合成紙(合成樹脂を主原料とする紙状のもの)であってもよい。また、プラスチック製シートとしては、例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレート等からなる厚さ0.2mm~0.8mm程度のクリアケース素材から構成されてもよい。
【0012】
但し、後述するように、包装箱1の前面片11には窓部12が設けられており、消費者は、包装箱1に収容された容器100について、窓部12を介して視認できる。そのため、容器100を視認可能な包装箱1として、プラスチック等の透明性を有する材質のものを用いなくてもよい。換言すれば、容器100を視認可能な包装箱1に、紙等の不透明性を有する材質を用いることができる。包装箱1の材質を紙とすることにより、石油原料を使用するプラスチックを使用することなく、プラスチック廃棄物を生じないため、環境に優しい包装箱を提供できる。
【0013】
包装箱1が収容対象とする容器100は、図2に示すように、容器本体部101と、キャップ102と、を有する。本実施形態の容器100には、液状の食品(例:はちみつ)が収容されているが、当該食品以外の液状の物質が収容されてよい。また、容器100には、液状の物質に限らず、粉体または粒体等が収容されてもよい。
【0014】
容器本体部101は、液状の物質、粉体または粒体等が収容される部分である。本実施形態では、容器本体部101は、水平面に容器100を載置した状態において、水平断面が略円形状である。これに限らず、容器本体部101は、水平断面が略楕円状であってもよい。また、容器本体部101は、水平断面において、2つの側辺が略直線状であり、かつ、2つの側辺の両端部をそれぞれ結ぶ2つの線が、中央付近において若干膨出している形状であってもよい。本明細書では、容器本体部101の水平断面における当該形状を、略矩形状と称する。
【0015】
これらの形状のように、容器本体部101は、窓部12から露出する側の中央部分が膨出した形状となっている。すなわち、容器本体部101は、水平断面において、前面側(窓部12から露出する側)の中央部分が膨出した形状となっている。容器本体部101の背面は、水平断面において、直線状であっても、凹んだ形状であってもよい。このような形状の容器100を包装箱1に収容したときに、容器本体部101の外縁を重畳部113(後述)に当接させた状態で、容器本体部101の中央部分を窓部12から露出させることができる。
【0016】
キャップ102は、容器本体部101の頭頂部を開閉可能に、当該頭頂部に設けられる。本実施形態のキャップ102は、ノズル型のキャップである。これに限らず、キャップ102は、球体状のキャップ、または円筒形状のキャップであってよい。ノズル型のキャップとは、頭頂部がノズル状の容器本体部101に適用されるキャップである。キャップ102は、キャップ102の周方向に回動可能されることにより開栓される構成であっても、ヒンジにより開栓される構成でもよい。また、キャップ102は、ポンプ構造を内装し、側面に吐出口を有する構成であってもよい。
【0017】
図1に示すように、包装箱1は、前面片11および背面片13を備える。前面片11および背面片13は共通の側辺において接続されている。当該側辺は、折曲線BL2として機能する。前面片11および背面片13は略矩形状であるが、これに限られない。前面片11および背面片13は、包装箱1が収容対象とする容器100を収容可能な形状および大きさを有していればよい。
【0018】
前面片11には、窓部12が設けられている。本実施形態では、窓部12は、水平断面が略円形状の容器本体部101およびノズル型のキャップ102を有する容器100の外縁に沿った形状に設計されている。これにより、消費者は、窓部12の前方から、包装箱1に収容された容器100の外縁の略全体形状を視認できる。但し、窓部12は、窓部12の一部が容器100の外縁よりも小さくなるように形成されている。従って、消費者は、窓部12の前方から見て、容器100の外縁のうち、窓部12の一部(後述の重畳部113)により隠れた部分以外の形状を視認できる。
【0019】
窓部12は、キャップ露出部121と、本体露出部122とを有する。キャップ露出部121は、キャップ102の少なくとも一部が露出可能な部分である。容器100の天頂部103(キャップ102の天頂部103)(図2参照)は、キャップ102の露出方向における天頂部103の最長部分L0の、例えば1/3以上かつ1/2以下程度、キャップ露出部121から露出してよい。上記キャップ102の露出方向とは、背面片13から前面片11に向かう方向(図2の符号1003における矢印方向)を指す。また、本実施形態では、キャップ露出部121は、キャップ102の外縁にあわせた形状を有する。
【0020】
本体露出部122は、容器本体部101の少なくとも一部が露出可能な部分である。また、本実施形態では、本体露出部122は、容器100の底部104を除く部分において、容器本体部101の外縁に沿った形状を有する。本実施形態では、例えば、本体露出部122の、包装箱1を組み立てた状態における水平方向の長さL11は、容器本体部101の直径よりも僅かに小さい。例えば、本体露出部122の長さL11は、容器本体部101の直径の数%程度(例:3~5%程度)小さい。
【0021】
本実施形態では、図2に示すように、容器100の底部104(容器本体部101の底部)は窓部12から露出していないが、容器本体部101の底部以外の部分については、窓部12を介して視認可能な状態となっている。窓部12の大きさおよび形状は、少なくともキャップ102が窓部12から露出するように規定されている。そして、後述するように、少なくとも押え片18と底部片14とにより、少なくとも天頂部103の一部を窓部12から露出させた状態で容器100を保持する。そのため、包装箱1に収容された容器100の少なくとも天頂部103の一部を窓部12から露出させることができる。なお、上述した底部104とは、容器100の底面と、当該底面に隣接する容器本体部101の側面の一部分と、を含む領域を指す。
【0022】
本実施形態では、本体露出部122の長さL11が容器本体部101の直径よりも僅か小さく、かつ、容器100の高さよりも小さくなるように、本体露出部122が前面片11に形成されている。すなわち、前面片11は、窓部12の前方から見たときに、容器100の外形の一部に重なる重畳部113を有する形状となっている。
【0023】
本実施形態では、上述したように本体露出部122が形成されることにより、図1および図2に示すように、重畳部113は、本体露出部122の2つの側辺124のそれぞれに沿って設けられる。そのため、収容された容器100の容器本体部101の両側部は、重畳部113に当接する。従って、容器本体部101の両側部の、窓部12の内部から外部への移動は、重畳部113により遮断される。なお、容器本体部101の側部とは、容器本体部101の側辺と、当該側辺に隣接する容器本体部101の側面の一部分とを含む領域を指す。
【0024】
また、上述したように本体露出部122が形成されることにより、図1および図2に示すように、重畳部113は、窓部12の底辺123の下側に設けられる。すなわち、重畳部113は、収容された容器100の底部104と対応する位置に設けられる。そのため、収容された容器100の底部104は、窓部12より前方側へ移動しないように重畳部113に当接する。従って、底部104の、窓部12の内部から外部への移動は、重畳部113により遮断される。
【0025】
このように、前面片11が重畳部113を有することにより、収容された容器100が窓部12から脱落する可能性を低減できる。また、容器100が窓部12から抜き取られる可能性をより低減できる。また、重畳部113と背面片13とにより、容器100を挟持して保持できる。
【0026】
上述した重畳部113が設けられる位置は一例である。すなわち、容器本体部101の中央部分の全体を窓部12から露出でき、かつ、窓部12からの容器100の脱落の可能性が低減されるのであれば、重畳部113は前面片11のどの位置に設けられてもよい。例えば、重畳部113は、窓部の底辺123(特に底辺123の両端部)と容器100の上方の縁部(キャップ露出部121の外縁および容器本体部101の上方の両端部)にのみ設けられてもよいし、窓部12の縁部の全体に亘って設けられてもよい。重畳部113(すなわち窓部12)は、前面から見た容器100全体のうちの70%以上、特に80%以上を視認できる程度に、設けられていてよい。この場合、容器本体部101に設けられるデザインについて、窓部12を介して、消費者に視認させることができる。
【0027】
また、窓部12は、容器100の外縁にあわせた形状に設計されていてもよい。すなわち、窓部12が容器100の外縁と略同一形状を有し、前面片11に重畳部113が設けられない構成であってもよい。包装箱2および3についても同様である。
【0028】
キャップ102は、容器100において特徴的な形状を有する部分の1つであって、消費者が着脱作業または内容物の吐出(注ぎ出し等)を行うために注視する部分である。そのため、天頂部103の一部を窓部12から露出させることにより、消費者に、キャップ102の外縁を、天頂部103と共に、視認させることができる。従って、容器100の包装箱として包装箱1を用いることにより、容器100に対する消費者の購買意欲を掻き立てることができる。
【0029】
背面片13は、包装箱1を組み立てた状態において、前面片11と共に収容領域20(図2参照)を形成する片である。収容領域20は、収容対象の容器100を収容する、組み立てた状態の包装箱1の内部領域を指す。前面片11の、背面片13との接続部分と反対側の側辺には、第1糊代片21が接続されている。当該側辺は折曲線BL1として機能する。折曲線BL1およびBL2を山折りに折り曲げ、折り曲げた状態で対向する背面片13の裏面の一部と第1糊代片21とを貼り合わせることにより、前面片11と背面片13とが収容領域20を形成するように接続される。
【0030】
また、包装箱1は、収容対象の容器100の底部104を支持する底部片14を備える。底部片14は、前面片11の底辺112に接続されており、前面片11と接続された部分と反対側の辺に第2糊代片22が接続されている。底部片14と底辺112との接続部分は折曲線BL3として機能し、底部片14と第2糊代片22との接続部分は折曲線BL5として機能する。また底部片14の略中央部分には、折曲線BL4が設けられている。
【0031】
折曲線BL3およびBL5を山折りに折り曲げ、かつ、折曲線BL4を谷折りに折り曲げ、折り曲げた状態で対向する背面片13の裏面の一部と第2糊代片22の表面とを貼り合わせる。具体的には、折曲線BL5が背面片13の底辺132と重なるように、背面片13と第2糊代片22とを貼り合わせる。これにより、底部片14は、前面片11および背面片13と共に収容領域20を形成するように背面片13に接続される。また、背面片13と第2糊代片22との貼り合わせにより、底部片14は、収容された容器100の底部104を支持する、包装箱1の底部として機能できる。
【0032】
また、折曲線BL3、BL4およびBL5で折り曲げられる構成のため、背面片13と第2糊代片22とを貼り合わせた状態において、底部片14の第1部分141および第2部分142の間の距離を調節できる。当該距離の調節により、容器100の大きさまたは重量にあわせて、収容領域20の厚みおよび高さを調節できる。収容領域20の厚みは、包装箱1を組み立てた状態における前面片11と背面片13との間の長さ(図2に示すL3)を示す。収容領域20の高さは、包装箱1を組み立てた状態における前面片11の底辺112から押え片18の押え部181までの長さ(図2に示すH0)を指す。
【0033】
底部片14は、容器100の大きさ又は重量に依らず、少なくとも折曲線BL4が、収容された容器100に当接することにより、容器100を支持する。容器100がある程度の重量を有する場合には、底部片14は、折曲線BL4によって折り曲げられず略平面状となる。この場合、底部片14は、第1部分141および第2部分142の全体で、収容された容器100を支持する。そして、上述したように、容器100の底部104は、窓部12から露出していない状態となる。すなわち、上述したように、本実施形態では、前面片11の、底部104に対応する位置が、重畳部113として機能する。
【0034】
また、包装箱1は、押え片18を備える。押え片18は、包装箱1を組み立てた状態において、収容される容器100の天頂部103の位置において背面片13から前面片11へと延在し、収容領域20において天頂部103を底部片14側に押さえる片である。押え片18が収容領域20において天頂部103を押さえることにより、底部片14と共に、容器100の高さ方向から容器100を保持できる。
【0035】
具体的には、少なくとも天頂部103の一部を窓部12から露出させた状態において、押え片18は天頂部103の視認できない部分(窓部12から露出していない収容領域20側の部分)を押さえることにより、底部片14と共に容器100を保持できる。そのため、窓部12を介して、収容された容器100の外縁の略全体を視認させた状態であっても、容器100の購入前に容器100が窓部12から抜き取られてしまう可能性を低減できる。すなわち、包装箱1を用いることにより、容器100が盗難される可能性を低減できる。
【0036】
なお、上述したように、天頂部103の窓部12からの露出量は、キャップ102の露出方向における天頂部103の最長部分において、例えば1/3以上かつ1/2以下であってよい。この露出量は、押え片18が天頂部103の視認できない部分を底部片14側に押さえることが可能なように決定されていればよい。
【0037】
また、押え片18が、底部片14と共に、容器100の高さ方向から容器100を押さえることにより、より強固に容器100を保持できる。そのため、容器100が窓部12から脱落したり、抜き取られたりする可能性を低減できる。さらに、押え片18により天頂部103を押さえることにより、窓部12の縁部によりキャップ102を押さえる必要は必ずしもない。そのため、キャップ露出部121の大きさに余裕を持たせることができる。従って、消費者が注視するキャップ102の視認性を向上させることができる。
【0038】
本実施形態では、押え片18は、押え部181と、当接部182と、を備える。押え部181は、背面片13の上辺131に接続されている。押え部181と上辺131との接続部分は折曲線BL8として機能する。押え部181は、折曲線BL8が山折りに折り曲げられることにより、収容される容器100の天頂部103を押さえる部分である。
【0039】
当接部182は、押え部181と接続されている。当接部182と押え部181との接続部分は折曲線BL9として機能する。当接部182は、折曲線BL8が折り曲げられた状態で折曲線BL9が谷折りに折り曲げられることにより、前面片11の裏面に当接する部分である。
【0040】
つまり、上記のように折曲線BL8およびBL9を折り曲げることにより、押え部181および当接部182は、包装箱1を側方から見たとき、L字型を形成する。そのため、簡単な構成により、押え片18を、収容された容器100の天頂部103を押さえることが可能な状態とすることができる。
【0041】
押え片18は、収容された容器100の天頂部103を押さえることができる構成であればよい。例えば、包装箱1を側方から見たとき、押え部181の表面と当接部182の表面とのなす角が略直角であってよい。当該なす角が鋭角である場合、当接部182が窓部12から視認できる状態となる。当該なす角を略直角(例:80度~95度程度)とすることにより、当接部182を窓部12からほとんど視認できないようにすることができる。そのため、包装箱1の見栄えを向上させることができる。なお、この点を考慮しなければ、当該なす角が鋭角であってもよい。この場合、押え片18がより底部片14側において、容器100を押さえる。そのため、収容された容器100を、窓部12からより抜き取りにくくすることができる。
【0042】
なお、押え片18は、包装箱1を組み立てた状態において、収容される容器100の天頂部103の位置において前面片11から背面片13へと延在し、収容領域20において天頂部103を底部片14側に押さえる片であってもよい。すなわち、押え片18は、前面片11の上辺111に接続されていてもよい。
【0043】
前面片11、背面片13および底部片14により収容領域20が形成された状態において、折曲線BL8を山折りに折り曲げると共に、折曲線BL9を谷折りに折り曲げ、折り曲げた状態で、当接部182の裏面を前面片11の裏面の上部位置に当接させる。収容領域20に容器100を収容した後、当接部182を前面片11に当接させることにより、押え部181により天頂部103を押さえることが可能な状態とすることができる。また、押え片18は、収容領域20の蓋片として機能してよい。
【0044】
また、包装箱1は、接続片15および差込片16を備える。接続片15は、前面片11の上辺111に接続され、前面片11と背面片13とを接続する片である。接続片15と上辺111との接続部分は折曲線BL6として機能する。また、接続片15の先端部には、差込片16が設けられている。接続片15と差込片16との接続部分は折曲線BL7として機能する。
【0045】
また、背面片13の上辺131には、差込片16が差し込まれる切込部17が設けられている。そして、差込片16が切込部17に差し込まれた状態において、接続片15は前面片11と背面片13とが接続された状態となる。差込片16と切込部17との位置関係、および、接続片15の大きさは、差込片16が切込部17に差し込み可能なように規定されていればよい。特に、当該位置関係および当該大きさは、差込片16が切込部17に差し込まれた状態において、差込片16が切込部17から容易に抜けないように固定されるように規定されてよい。この場合、包装箱1に収容された容器100の取出しを可能とすべく、包装箱1を開封するための切込みまたはミシン目が設けられてよい。
【0046】
差込片16を切込部17に差し込む前に、前面片11、背面片13および底部片14により収容領域20が形成され、かつ、押え片18の当接部182が前面片11の裏面に当接された状態となっている。折曲線BL6およびBL7を山折りに折り曲げることにより、差込片16を切込部17に差し込むことができる。これにより、接続片15は、図2の符号1002および1003に示すように、包装箱1を組み立てた状態において、押え片18の上方において前面片11と背面片13とを接続できる。
【0047】
このように、前面片11の裏面に当接部182が当接し、かつ、接続片15が前面片11と背面片13とを接続した状態において、押え部181が天頂部103を押さえた状態が維持される。具体的には、接続片15により前面片11と背面片13とが接続されることにより、天頂部103に当接させた押え片18が、底部片14側に押さえつけられる。そして、差込片16が抜き取られないように切込部17に差し込まれることにより、押え片18により天頂部103の押えつけた状態が維持される。これにより、押え片18により天頂部103を押さえることができ、包装箱1は、収容される容器100を保持できる。
【0048】
押え片18により天頂部103を押さえた状態を維持することが可能なように、接続片15および押え片18の大きさが規定される。具体的には、当接部182における折曲線BL9から開放片183までの長さL21と、前面片11の上辺111から、収容される容器100の天頂部103までの長さとが、略同一となるように設計される。前面片11の上辺111から、収容される容器100の天頂部103までの長さは、前面片11の上辺111から窓部12の上辺125までの長さL22と略同一の長さである。これにより、接続片15が折曲線BL6で折り曲げられ、差込片16が切込部17に差し込まれて固定された状態において、押え片18が天頂部103を押さえた状態を維持できる。
【0049】
また、上記のように接続片15および押え片18の大きさが規定されることにより、包装箱1を組み立てた状態において、押え部181の表面と当接部182の表面とのなす角が略直角または鋭角となるように、押え片18の形状を維持できる。すなわち、押え片18は、包装箱1を組み立てた状態において、安定的に天頂部103を押さえることができる。
【0050】
また、この接続により、前面片11と背面片13との間隔が広がらないように、前面片11と背面片13との位置を保持できる。また、包装箱1の上方から、収容された容器100を抜き取らせないようにすることができる。
【0051】
上記のように、差込片16が接続された接続片15が前面片11の上辺111に設けられ、切込部17が背面片13の上辺131に設けられている。そのため、差込片16は、背面片13側において切込部17に差し込まれる。従って、包装箱1に容器100が収容された状態においては、切込部17に差し込まれた差込片16を、消費者が窓部12から視認できない状態とすることができる。すなわち、容器100が収容された包装箱1の見栄えを向上させることができる。なお、切込部17は、背面片13の上辺131よりも下方の背面片13の面上に設けられてよく、このように設けられた切込部17に届く差込片16を差し込む等でもよい。
【0052】
(組み立て工程)
包装箱1(包装体201)の組み立て工程の一例について説明する。まず、折曲線BL1およびBL2を折り曲げ、第1糊代片21の表面を背面片13の裏面と貼り合わせることにより、前面片11と背面片13とを接続する。このとき、折曲線BL3、BL4およびBL5を折り曲げ、第2糊代片22の表面を背面片13の裏面と貼り合わせることにより、底部片14を背面片13と接続する。これにより、前面片11、背面片13および底部片14によって、容器100を収容する収容領域20が形成される。
【0053】
次に、底部片14と反対側に形成された開口部から、収容領域20に容器100を挿入する。収容領域20に容器100が収容された状態において、折曲線BL8およびBL9を折り曲げ、当接部182の裏面を前面片11の裏面に当接させることにより、押え部181が、収容された容器100の天頂部103を底部片14側に押さえることが可能な状態とする。その状態において、折曲線BL6およびBL7を折り曲げ、差込片16を切込部17に差し込むことにより、押え片18の上方において前面片11と背面片13とが接続された状態となる。そして、この接続により、押え片18が天頂部103を押さえると共に、その押さえた状態を維持できる。
【0054】
(組み立てた状態の包装箱)
上記のように組み立てることにより、図2に示すような包装箱1が完成する。図2では、組み立てた状態の包装箱1に容器100を収容した包装体201を示している。なお、包装箱1と容器100とを明確に区別すべく、図2では、容器100を点線にて表している。
【0055】
本実施形態の包装箱1は、図2に示すように、前面片11の側辺と背面片13の側辺とを接続したときの水平断面がオーバル形状である。オーバル形状とは、組み立てた状態の包装箱1の水平断面において、互いに反対向きに湾曲状に膨出した2つの曲線が、当該曲線の両端部において接続されている形状、および、当該形状に類似した形状を指す。包装箱1がオーバル形状を有する場合、包装箱が側面片を有し、水平断面が略矩形状の包装箱よりも材料を節約できる。
【0056】
また、包装体201は、包装体201を陳列したときの前面片11側の容器100の面積(商品の表示面積)を確保しつつ、容器100が窓部12から露出するように、容器100を収容したものである。そのような包装体201を構成する包装箱1がオーバル形状を有することにより、複数の包装体201を陳列したときの省スペース化を図ることができる。
【0057】
また、収容領域20の大きさが収容対象の容器100と同等の大きさとなるように、前面片11、背面片13および底部片14の大きさを規定することにより、包装箱1を、収容対象の容器100の大きさにあわせてコンパクトに設計できる。
【0058】
また、図2に示すように、包装箱1は、窓部12の前方から、重畳部113と対向する部分を除く容器100の外縁の形状が視認できる程度に、容器100を窓部12から露出させることができる。また、包装箱1は、包装箱1の側方から、底部104を除く容器100の一部を視認できる程度に、容器100を窓部12から露出させることができる。包装箱1は、特に天頂部103の一部を視認できる程度に、容器100を窓部12から露出させることができる。そのため、特徴的な形状を有し、かつ消費者が注視する部分であるキャップ102の天頂部103を、キャップ102の外縁と共に、視認させることができる。従って、容器100の包装箱として包装箱1を用いることにより、容器100に対する消費者の購買意欲を掻き立てることができる。なお、窓部12からの容器100の露出は、上述したように、少なくとも押え片18および底部片14により容器100を保持することにより実現される。
【0059】
また、図2の符号1003に示すように、包装箱1を側方から見たとき、押え部181の長さL1は、底部片14の長さL2よりも短い(L1<L2)。包装箱1は、容器100の下方側(底部104側)の、窓部12からの露出度が小さくなるように設計されることにより、容器100を確実に保持できる。また、包装箱1は、容器100の上方側の露出度が大きくなるように設計されることにより、消費者が注視するキャップ102を強調して窓部12から露出させることができる。包装箱1は、例えば、容器100の上方側が、包装箱1の厚み方向(図2の符号1003に示す矢印方向)において、容器100の厚みの1/2程度露出するように、設計されてよい。
【0060】
但し、少なくとも天頂部103を窓部12から露出でき、かつ、押え片18が天頂部103を押さえることができるのであれば、L1=L2またはL1>L2であってもよい。長さL1およびL2の関係は、図1の包装箱1の展開図において、例えば、下記(1)および(2)に示す距離により規定されてよい。
(1)切込部17と、押え部181および当接部182の接続部分(折曲線BL9)との距離。
(2)底部片14および前面片11の接続部分(折曲線BL3)と、底部片14および第2糊代片22の接続部分(折曲線BL5)との距離。
【0061】
なお、包装箱1は、1枚の厚紙から構成されている。これに限らず、上述した各片の少なくとも一部が異なる厚紙から構成されていてもよい。この場合、各片を貼り合わせることにより、包装箱1が形成されてよい。後述する包装箱2および3についても同様である。
【0062】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。以降の実施形態についても同様である。
【0063】
実施形態2に係る包装箱2について、図3および図4を用いて説明する。図3は、実施形態2に係る包装箱2の展開図である。図3において、包装箱2の表面側を示している。また、図3において、破線は山折りを示し、一点鎖線は谷折りを示す。図4は、実施形態2に係る包装箱2を組み立てた状態を示す概略図である。図4の符号2001は、前面片11側から見たときの包装箱2の斜視図である。図4の符号2002は、背面片13側から見たときの包装箱2の斜視図である。図4の符号2003は、包装箱2の側面図である。
【0064】
(包装箱2の構成)
図4に示すように、包装箱2は、容器100を包装(収容)するものである。包装箱2の材質は、包装箱1と同様であり、例えば紙であってよい。本実施形態において、包装箱2が収容対象とする容器100は、水平断面が略楕円状の容器本体部101および球体状のキャップ102を有する容器である。本実施形態の容器100には、化粧品が収容されているが、化粧品以外の液状の物質、粉体または粒体等が収容されてよい。
【0065】
図3に示すように、包装箱2は、前面片11および背面片13を備える。包装箱1と同様、折曲線BL1およびBL2で山折りに折り曲げ、折り曲げた状態で第1糊代片21を背面片13の裏面に貼り付けることにより、前面片11と背面片13とにより収容領域20(図4参照)が形成される。
【0066】
また、包装箱2は、底部片14と第3糊代片23とを備える。包装箱2の底部片14には、包装箱1の底部片14のように第2糊代片22が設けられていない。その代わりに、背面片13の底辺132の略中央部分に、折曲線BL10によって山折りに折れ曲がり可能なように第3糊代片23が設けられている。
【0067】
折曲線BL3を山折りに折り曲げ、折曲線BL4を谷折りに折り曲げると共に、折曲線BL10を山折りに折り曲げる。その状態で折曲線BL2を山折りに折り曲げ、折り曲げた状態で対向する底部片14の第2部分142の裏面と第3糊代片23の表面とを貼り合わせる。具体的には、底部片14の、前面片11との接続部分(折曲線BL3)と反対側の開放片143が、背面片13と第3糊代片23との接続部分(折曲線BL10)と重なるように、底部片14と第3糊代片23とを貼り合わせる。
【0068】
これにより、底部片14は、前面片11と背面片13と共に収容領域20を形成するように背面片13に接続される。そのため、包装箱1と同様、底部片14は、少なくとも折曲線BL4の部分で、収容された容器100の底部を支持できる。また、折曲線BL3、BL4およびBL10で折り曲げられる構成のため、底部片14は、包装箱1と同様、収容される容器100の大きさまたは重量にあわせて、収容領域20の厚みおよび高さを調節できる。
【0069】
本実施形態では、前面片11に設けられた窓部12は、水平断面が略楕円状の容器本体部101および球体状のキャップ102を有する容器100の外縁に沿った形状に設計されている。包装箱1と同様、窓部12は、窓部12の一部が容器100の外縁よりも小さくなるように形成されている。従って、消費者は、窓部12の前方から見て、容器100の外縁のうち、窓部12の一部により隠れた部分以外の形状を視認できる。
【0070】
本実施形態では、図4に示すように、天頂部103だけでなく底部104も窓部12から露出するように、包装箱2に容器100を収容可能である。すなわち、窓部12は、窓部12の底辺123によって容器100の底部104を支持可能な形状となっている。
【0071】
これにより、包装箱2は、容器100の底部104まで視認可能なように、収容された容器100を保持できる。また、上記形状の容器100が包装箱2に収容される場合、底部片14は、折曲線BL4によって折れ曲がっており、底部片14の高さは、前面片11の底辺112から窓部12の底辺123までの高さH1(図4参照)と略同一となっている。そのため、底部片14の折曲線BL4と窓部12の底辺123とにより容器100の底部104を支持できるため、収容された容器100をより強固に保持できる。
【0072】
つまり、包装箱2は、窓部12から、天頂部103から底部104に亘って容器100の一部を露出させるように、押え片18および底部片14と窓部12とによって、容器100の高さ方向から容器100を保持できる。
【0073】
なお、実施形態1では、底部片14が略平面状となって容器100を支持する例(容器100の底部が窓部12から視認できない例)について説明した。但し、実施形態1の包装箱1においても、窓部12の底辺123が、底部片14の折曲線BL4と共に、容器100を支持してもよい。すなわち、包装箱1は、窓部12の底辺123において支持可能な容器100を収容してもよい。この場合、包装箱1は、天頂部103だけでなく底部104を含めて容器100の一部を窓部12から露出できる。
【0074】
また、包装箱1と同様、包装箱2の前面片11は、窓部12の前方から見たときに、容器100の外形の一部に重なる重畳部113を有している。
【0075】
本実施形態では、図3および図4に示すように、重畳部113は、窓部12のキャップ露出部121の縁部に沿って設けられている。本実施形態では、キャップ露出部121の大きさは、キャップ102の大きさよりも僅かに小さい。例えば、キャップ露出部121の大きさは、キャップ102の大きさの数%程度(例:3~5%程度)小さい。そのため、収容された容器100のキャップ102は、重畳部113に当接する。従って、キャップ102の、窓部12の内部から外部への移動は、重畳部113により遮断される。
【0076】
また、重畳部113は、窓部12の底辺123に両端部に設けられている。そのため、収容された容器100の底部104の両端部は、重畳部113に当接する。従って、当該両端部の、窓部12の内部から外部への移動は、重畳部113により遮断される。
【0077】
このように、前面片11が重畳部113を有することにより、収容された容器100が窓部12から脱落する可能性を低減できる。また、容器100が窓部12から抜き取られる可能性をより低減できる。
【0078】
また、窓部12を構成する2つの側辺のそれぞれには、側方支持片31が設けられている。2つの側辺のそれぞれは、折曲線BL11およびBL12として機能する。包装箱2を組み立てた状態において、折曲線BL11およびBL12を山折りに折り曲げることにより、側方支持片31を収容領域20側に延在させることができる。その状態で容器100を包装箱2に収容することにより、包装箱2は、容器100の両側部を保持することにより、当該両側部の位置(容器100の横方向の位置)を維持できる。また、容器100の両側部の位置を維持した状態で、重畳部113と背面片13とにより容器100を挟持できる。そのため、収容された容器100が窓部12から脱落したり、抜き取られたりする可能性をより低減できる。なお、包装箱1に、側方支持片31が設けられてもよい。
【0079】
本実施形態においても、上述した重畳部113が設けられる位置は一例である。すなわち、容器本体部101の中央部分の全体を窓部12から露出でき、かつ、窓部12からの脱落の可能性が低減されるのであれば、重畳部113は前面片11のどの位置に設けられてもよい。重畳部113は、例えば、前面片11の、側方支持片31との接続部分(折曲線BL11およびBL12)に設けられてもよい。また、重畳部113は、窓部12の縁部の全体に亘って設けられてもよい。これらの場合、側方支持片31が前面片11に接続されていなくてもよい。また例えば、重畳部113は、窓部12の底辺123(特に底辺123の両端部)と容器100の上方の縁部(キャップ露出部121の外縁および容器本体部101の上方の両端部)とにのみ設けられてもよい。
【0080】
本実施形態においても、重畳部113(すなわち窓部12)は、容器本体部101に設けられるデザインを消費者に視認させることを考慮して、前面から見た容器100全体のうちの70%以上、特に80%以上を視認できる程度に、設けられていてよい。
【0081】
また、側方支持片31のみを備え、重畳部113が設けられていなくてもよい。すなわち、窓部12の形状が、容器100の外形と略同一であってもよい。また、押え片18と底部片14とによって、または、押え片18と底部片14と窓部12の底辺123とによって、窓部12から脱落しない程度に容器100を保持可能であれば、重畳部113および側方支持片31が設けられていなくてもよい。
【0082】
また本実施形態では、押え片18の当接部182に、差込片16が差し込まれる切込部17が設けられている。前面片11、背面片13および底部片14により収容領域20が形成され、かつ、当接部182が前面片11の裏面に当接された状態となっている。折曲線BL6を山折りに折り曲げることにより、当接部182の表面に接続片15および差込片16の裏面が当接する。その状態において、折曲線BL7を山折りに折り曲げつつ、差込片16を切込部17に差し込むことができる。
【0083】
このように、本実施形態においても、前面片11の裏面に当接部182が当接し、かつ、接続片15が前面片11と背面片13とを接続した状態において、押え部181が天頂部103を押さえた状態が維持される。具体的には、接続片15により前面片11と背面片13とが接続されることにより、天頂部103に当接させた押え片18が、底部片14側に押さえつけられる。そして、差込片16が抜き取られないように切込部17に差し込まれることにより、押え片18により天頂部103の押えつけた状態が維持される。これにより、押え片18により天頂部103を押さえることができ、包装箱2は、収容される容器100を保持できる。
【0084】
本実施形態では、図4の符号2002に示すように、包装箱2を組み立てた状態において、当接部182の開放片183の中央部分は、押え部181が天頂部103を押さえた状態で、前面片11の上辺111とほぼ重なる。その状態において、折曲線BL6が山折りに折り曲げられることにより、当該中央部分は、接続片15と前面片11との間に位置することになる。この状態で差込片16が切込部17に差し込まれることにより、押え片18により天頂部103を押えつけた状態が維持される。
【0085】
また本実施形態では、接続片15は、図4の符号2002および2003に示すように、包装箱2を組み立てた状態において、前面片11の裏面において押え片18と接続することにより、前面片11と背面片13とについて、押え片18を介して接続できる。また、この接続により、包装箱1と同様、包装箱2の上方から、収容された容器100を抜き取らせないようにすることができる。
【0086】
なお、包装箱1において、包装箱2と同様、切込部17が当接部182に設けられ、当該切込部17に差込片16が差し込まれる構成であってもよい。すなわち、包装箱1において、接続片15が、前面片11の裏面において押え片18と接続することにより、前面片11と背面片13とについて、押え片18を介して接続する構成であってもよい。
【0087】
また、後述する包装箱3は、包装箱1と同様、背面片13の上辺131に切込部17が設けられており(図5参照)、接続片15は、押え片18の上方において前面片11と背面片13とを接続する(図6参照)。包装箱3においても、包装箱2と同様、切込部17が当接部182に設けられ、当該切込部17に差込片16が差し込まれる構成であってもよい。
【0088】
一方、包装箱2において、包装箱1および3と同様、背面片13の上辺131に切込部17が設けられており、接続片15が、押え片18の上方において前面片11と背面片13とを接続する構成であってもよい。
【0089】
また、前面片11の上辺111側には、貫通孔35が設けられている。接続片15には、折曲線BL6を山折りに折り曲げ、前面片11の裏面と接続片15の裏面とが当接した状態において貫通孔35と重なる位置に、貫通孔36が設けられている。押え部18の当接部182には、折曲線BL8を山折りに折り曲げ、折曲線BL9を谷折りに折り曲げ、前面片11の裏面と当接部182の裏面とが当接した状態において貫通孔35と重なる位置に、貫通孔37が設けられている。すわなち、包装箱2を組み立てた状態において、貫通孔35~37は互いに重なり、1つの貫通孔を形成する。当該貫通孔に陳列用のフックを通すことにより、フックに吊下げて包装箱2に収容した容器100を陳列できる。
【0090】
但し、包装箱2に収容した容器100を、フックに吊下げず棚等に載置して陳列する場合、包装箱2に貫通孔35~37を設ける必要は必ずしもない。一方、包装箱1および3に貫通孔を設け、収容した容器100をフックに吊下げて陳列できるようにしてもよい。この場合、例えば、包装箱1および3において、前面片11の上辺111側に第1貫通孔が設けられると共に、包装箱1および3を組み立てた状態において、接続片15の、第1貫通孔と対向する位置に、第2貫通孔が設けられてもよい。
【0091】
(組み立て工程)
包装箱2(包装体202)の組み立て工程の一例について説明する。まず、折曲線BL1およびBL2を折り曲げ、第1糊代片21の表面を背面片13の裏面と貼り合わせることにより、前面片11と背面片13とを接続する。このとき、折曲線BL3、BL4およびBL10を折り曲げ、第3糊代片23の表面を底部片14の第2部分142の裏面と貼り合わせることにより、底部片14を背面片13と接続する。これにより、前面片11、背面片13および底部片14によって、容器100を収容する収容領域20が形成される。
【0092】
次に、底部片14と反対側に形成された開口部から、収容領域20に容器100を挿入する。収容領域20に容器100が収容された状態において、折曲線BL8およびBL9を折り曲げ、当接部182の裏面を前面片11の裏面に当接させることにより、押え部181が、収容された容器100の天頂部103を底部片14側に押さえることが可能な状態とする。その状態において、折曲線BL6およびBL7を折り曲げ、差込片16を切込部17に差し込むことにより、前面片11と背面片13とが押え片18を介して接続された状態となる。そして、この接続により、押え片18が天頂部103を押さえると共に、その押さえた状態を維持できる。
【0093】
(組み立てた状態の包装箱)
上記のように組み立てることにより、図4に示すような包装箱2が完成する。図2では、組み立てた状態の包装箱2に容器100を収容した包装体202を示している。なお、包装箱2と容器100とを明確に区別すべく、図4では、容器100を点線にて表している。
【0094】
本実施形態の包装箱2は、図4に示すように、包装箱1と同様、前面片11の側辺と背面片13の側辺とを接続したときの水平断面がオーバル形状である。そのため、包装箱1と同様、包装箱2についても、材料を節約できる。また、包装体202は、包装体202を陳列したときの前面片11側の容器100の面積を確保しつつ、容器100が窓部12から露出するように、容器100を収容したものである。そのような包装体202を構成する包装箱2がオーバル形状を有することにより、複数の包装体202を陳列したときの省スペース化を図ることができる。
【0095】
また、包装箱1と同様、収容領域20の大きさが収容対象の容器100と同等の大きさとなるように、前面片11、背面片13および底部片14の大きさを規定することにより、包装箱2を、収容対象の容器100の大きさにあわせてコンパクトに設計できる。
【0096】
また、図4に示すように、包装箱2は、包装箱1と同様、窓部12の前方から、重畳部113と対向する部分を除く容器100の外縁の形状が視認できる程度に、容器100を窓部12から露出させることができる。また、包装箱2は、包装箱2の側方から、天頂部103から底部104に亘って容器100の一部を視認できる程度に、容器100を窓部12から露出させることができる。包装箱2は、特に天頂部103の一部を視認できる程度に、容器100を窓部12から露出させることができる。そのため、包装箱2は、包装箱1と同様、コンパクトな形状において、容器100に対する消費者の購買意欲を掻き立てることができる。
【0097】
また、図4の符号2003に示すように、包装箱1と同様、包装箱2を側方から見たとき、押え部181の長さL1は、底部片14の長さL2よりも短い(L1<L2)。そのため、包装箱2は、包装箱1と同様、容器100の上方側の露出度が大きくなるように設計されることにより、消費者が注視するキャップ102を強調して露出させることができる。包装箱2は、例えば、容器100の上方側が、包装箱1の厚み方向(図4の符号2003に示す矢印方向)において、容器100の厚みの1/2程度露出するように、設計されてよい。
【0098】
但し、包装箱2においても、少なくとも天頂部103を窓部12から露出でき、かつ、押え片18が天頂部103を押さえることができるのであれば、L1=L2またはL1>L2であってもよい。
【0099】
〔実施形態3〕
実施形態3に係る包装箱3について、図5および図6を用いて説明する。図5は、実施形態3に係る包装箱3の展開図である。図5において、包装箱3の表面側を示している。また、図5において、破線は山折りを示し、一点鎖線は谷折りを示す。図6は、実施形態3に係る包装箱3を組み立てた状態を示す概略図である。図6の符号3001は、前面片11側から見たときの包装箱3の斜視図である。図6の符号3002は、背面片13側から見たときの包装箱3の斜視図である。図6の符号3003は、包装箱3の側面図である。
【0100】
(包装箱3の構成)
図5に示すように、包装箱3は、容器100を包装(収容)するものである。包装箱3の材質は、包装箱1と同様であり、例えば紙であってよい。本実施形態において、包装箱3が収容対象とする容器100は、水平断面が略矩形状の容器本体部101(中央部分が若干膨出した形状の容器本体部101)および略円筒形状のキャップ102を有する容器である。本実施形態の容器100には、化粧品が収容されているが、化粧品以外の液状の物質、粉体または粒体等が収容されてよい。
【0101】
図5に示すように、包装箱3は、前面片11および背面片13に加えて、第1側面片41および第2側面片42を備える。第1側面片41は、前面片11と共通の側辺において接続されている。当該側辺は、折曲線BL22として機能する。また、第1側面片41は、背面片13と共通の側辺において接続されている。当該側辺は、折曲線BL21として機能する。第2側面片42は、前面片11と共通の側辺において接続されている。当該側辺は、折曲線BL23として機能する。また、第2側面片42は、第4糊代片26と共通の側辺において接続されている。当該側辺は、折曲線BL24として機能する。
【0102】
折曲線BL21、BL22、BL23、およびBL24を山折りに折り曲げ、折り曲げた状態で対向する背面片13の裏面と第4糊代片26の表面とを貼り合わせる。このとき、(1)背面片13の、第1側面片41との接続部分(折曲線BL21)とは反対側の側辺133と、(2)第4糊代片26の、第2側面片42との接続部分(折曲線BL24)とは、背面片13と第2側面片42とに共通の側辺となる。
【0103】
従って、背面片13と第4糊代片26とを貼り合わせた状態において、第1側面片41および第2側面片42は、それぞれ前面片11および背面片13に接続された状態となる。換言すれば、包装箱3を組み立てた状態において、第1側面片41および第2側面片42は、それぞれ前面片11および背面片13に接続されている。そして、背面片13と第4糊代片26との貼り合わせにより、前面片11、背面片13、第1側面片41および第2側面片42により、収容領域20(図6参照)が形成される。
【0104】
本実施形態では、前面片11の上辺111および底辺112の長さと、背面片13の上辺131および底辺132の長さとは略同一である。また、第1側面片41の上辺411および底辺412の長さと、第2側面片42の上辺421および底辺422の長さとは略同一である。そのため、収容領域20は、略直方体形状となる。従って、水平断面が略矩形状の容器本体部101を備える容器100にあわせた形状の包装箱3を提供できる。
【0105】
第1側面片41の上辺411および底辺412の長さと、第2側面片42の上辺421および底辺422の長さとは、収容対象の容器100の容器本体部101およびキャップ102の前面側を窓部12より前方へ露出可能な寸法となっている。つまり、これらの長さは、中央部分が膨出した容器本体部101の当該中央部分が窓部12から突出可能な寸法となっている。そのため、これらの長さは、容器本体部101の中央部分の厚み(容器100の前後方向の寸法)よりも短い。従って、中央部分が膨出した容器本体部101を備える容器100にあわせた形状の包装箱3を提供できる。
【0106】
なお、例えば、前面片11の上辺111および底辺112の長さと、背面片13の上辺131および底辺132の長さとを異ならせてもよい。また、例えば、第1側面片41の上辺411および底辺412の長さと、第2側面片42の上辺421および底辺422の長さとを異ならせてもよい。これらの長さは、包装箱3が収容対象とする容器100の形状にあわせて設定されればよい。
【0107】
また、第1側面片41の上辺411には第1返し辺43が接続されている。上辺411は、折曲線BL25として機能する。第2側面片42の上辺421には第2返し辺44が接続されている。上辺421は、折曲線BL26として機能する。
【0108】
背面片13と第4糊代片26とを貼り合わせた状態において、折曲線BL25およびBL26を山折りに折り曲げることにより、第1返し片43および第2返し片44は、押え片18の押え部181を支持できる。また、折曲線BL25およびBL26を折り曲げた状態において、第1返し片43および第2返し片44が押え部181を支持することにより、押え部181と第1側面片41および第2側面片42との間に隙間が生じない。そのため、包装箱3は、第1返し片43および第2返し片44が無い構成に比べ、強固に,包装箱3の形態を維持できる。
【0109】
また、包装箱3は、底部片34と第5糊代片27とを備える。本実施形態では、底部片34は、第4糊代片26の底辺262に沿って設けられている。第4糊代片26の、第2側面片42との接続部分とは反対側の側辺261から、底辺262と略平行に切り込みを入れることにより、略矩形状の底部片34が設けられる。底部片34の一方の側辺343は、底辺262の略中央部分において第4糊代片26と接続されており、折曲線BL27として機能する。底部片34の他方の側辺344には、第5糊代片27が接続されており、折曲線BL28として機能する。
【0110】
本実施形態では、底部片34の底辺342の長さは、第1側面片41の底辺412および第2側面片42の底辺422の長さと略同一である。そのため、包装箱3を組み立てた状態において、底部片34は、第1側面片41および第2側面片42と略同一方向に延在する。但し、底辺342の長さは、包装箱3を組み立てたときに、側辺344が背面片13の裏面に当接するように設定されていればよい。
【0111】
第4糊代片26を背面片13に貼り合わせるときに、折曲線BL27およびBL28を山折りに折り曲げておく。第4糊代片26を背面片13に貼り付けた状態において、折曲線BL27およびBL28を折り曲げた状態で対向する前面片11の裏面の一部と第5糊代片27の表面とを貼り合わせる。具体的には、第5糊代片27の底辺272が前面片11の底辺112と重なるように、背面片13と第5糊代片27とを貼り合わせる。
【0112】
これにより、底部片34は、底辺342が第1側面片41および第2側面片42と略同一方向を向くように延在する。その結果、底部片34は、前面片11と背面片13と共に収容領域20を形成するように背面片13に接続される。また、底部片34は、収容された容器100の底部104を支持する、包装箱3の底部として機能できる。
【0113】
本実施形態では、前面片11に設けられた窓部12は、水平断面が略矩形状の容器本体部101および略円筒形状のキャップ102を有する容器100の外縁に沿った形状に設計されている。包装箱1と同様、窓部12は、窓部12の一部が容器100の外縁よりも小さくなるように形成されている。従って、消費者は、窓部12の前方から見て、容器100の外縁のうち、窓部12の一部により隠れた部分以外の形状を視認できる。
【0114】
本実施形態では、包装箱2と同様、図6に示すように、天頂部103だけでなく底部104も窓部12から露出するように、包装箱3に容器100を収容可能である。すなわち、窓部12は、窓部12の底辺123によって、容器100の、中央部分が膨出した底部104を支持可能な形状となっている。
【0115】
これにより、包装箱3は、容器100の底部104まで視認可能なように、収容された容器100を保持できる。また、本実施形態では、底部片34の高さ(側辺343および344の長さ)は、前面片11の底辺112から窓部12の底辺123までの高さH2(図6参照)と略同一に設定されている。そのため、底部片34の上辺341と窓部12の底辺123とにより容器100の底部104を支持できるため、収容された容器100をより強固に保持できる。
【0116】
つまり、包装箱3は、包装箱2と同様、窓部12から、天頂部103から底部104に亘って容器100の一部を露出させるように、押え片18および底部片34と窓部12とによって、容器100の高さ方向から容器100を保持できる。
【0117】
底部片34の高さは適宜変更できる。本実施形態では、第4糊代片26への切込位置を調節することにより、底部片34の高さを適宜変更できる。例えば、窓部12の高さよりも長い容器100を収容可能とするために、底部片34の高さを、高さH2よりも短くしてもよい。また、底部片34の上辺341と底辺342とが略平行でなくてもよい。本実施形態では、第4糊代片26への切込角度を調節することにより、底部片34の上辺341と底辺342との位置関係を適宜変更できる。これにより、水平面上に傾斜した状態で載置される容器100を、収容領域20において略垂直に延在するように包装箱3に収容できる。
【0118】
本実施形態においても、包装箱1および2と同様、収容領域20の大きさが収容対象の容器100と同等の大きさとなるように、前面片11、背面片13、第1側面片41、第2側面片42および底部片34の大きさを規定している。これにより、包装箱3を、収容対象の容器100の大きさにあわせてコンパクトに設計できる。そのため、本実施形態では、折曲線BL22およびBL23として機能する前面片11の2つの側辺の一部が、窓部12を構成する2つの側辺として機能する。
【0119】
また、包装箱2と同様、窓部12を構成する2つの側辺のそれぞれには、側方支持片31が設けられている。包装箱3を組み立てた状態において、折曲線BL22およびBL23を山折りに折り曲げることにより、側方支持片31を収容領域20側に延在させることができる。その状態で容器100を包装箱3に収容することにより、包装箱3は、容器100の側方を保持できる。
【0120】
また、包装箱2と同様、前面片11は重畳部113を有する。そのため、収容された容器100が窓部12から脱落したり、抜き取られたりする可能性を低減できる。本実施形態では、包装箱2と同様、重畳部113は、窓部12のキャップ露出部121の縁部、および、窓部12の底辺123に両端部に設けられている。
【0121】
但し、容器本体部101の中央部分の全体を窓部12から露出でき、かつ、窓部12からの脱落の可能性が低減されるのであれば、重畳部113は、前面片11のどの位置に設けられてもよい。包装箱2と同様、重畳部113は、例えば、前面片11の、側方支持片31との接続部分(折曲線BL22およびBL23)に設けられてもよい。また、重畳部113は、窓部12の縁部の全体に亘って設けられてもよい。また例えば、重畳部113は、窓部の底辺123(特に底辺123の両端部)と容器100の上方の縁部(キャップ露出部121の外縁および容器本体部101の上方の両端部)とにのみ設けられてもよい。
【0122】
本実施形態においても、重畳部113(すなわち窓部12)は、容器本体部101に設けられるデザインを消費者に視認させることを考慮して、前面から見た容器100全体のうちの70%以上、特に80%以上を視認できる程度に、設けられていてよい。また、包装箱2と同様、側方支持片31および重畳部113の何れかのみが設けられていてもよいし、側方支持片31および重畳部113が設けられていなくてもよい。
【0123】
その他、包装箱1と同様、前面片11の上辺111に、差込片16が接続された接続片15が設けられている。また、背面片13の上辺131には切込部17が設けられている。そのため、接続片15は、図6の符号3002および3003に示すように、包装箱1と同様、包装箱3を組み立てた状態において、押え片18の上方において前面片11と背面片13とを接続できる。
【0124】
具体的には、包装箱1と同様、前面片11の裏面に当接部182が当接し、かつ、接続片15が前面片11と背面片13とを接続した状態において、押え部181が天頂部103を押さえた状態が維持される。具体的には、接続片15により前面片11と背面片13とが接続されることにより、天頂部103に当接させた押え片18が、底部片34側に押さえつけられる。そして、差込片16が抜き取られないように切込部17に差し込まれることにより、押え片18により天頂部103の押えつけた状態が維持される。これにより、押え片18により天頂部103を押さえることができ、包装箱3は、収容される容器100を保持できる。
【0125】
押え片18により天頂部103を押さえた状態を維持することが可能なように、接続片15および押え片18の大きさが規定される。具体的には、当接部182における折曲線BL9から開放片183までの長さL21と、前面片11の上辺111から、収容される容器100の天頂部103までの長さとが、略同一となるように設計される。これにより、接続片15が折曲線BL6で折り曲げられ、差込片16が切込部17に差し込まれて固定された状態において、押え片18が天頂部103を押さえた状態を維持できる。
【0126】
(組み立て工程)
包装箱3(包装体203)の組み立て工程の一例について説明する。まず、折曲線BL21、BL22、BL23およびBL24を折り曲げ、第4糊代片26の表面を背面片13の裏面と貼り合わせることにより、前面片11と背面片13とを接続する。このとき、折曲線BL27およびBL28を折り曲げておく。前面片11と背面片13とを接続した状態において、第5糊代片27の表面を前面片11の裏面の一部に貼り合わせることにより、底部片34を前面片11に接続する。これにより、前面片11、背面片13、第1側面片41、第2側面片42および底部片34によって、容器100を収容する収容領域20が形成される。
【0127】
次に、底部片34と反対側に形成された開口部から、収容領域20に容器100を挿入する。収容領域20に容器100が収容された状態において、折曲線BL25およびBL26を折り曲げることにより、第1返し片41および第2返し片42を底部片34側に向けた状態とする。この状態において、折曲線BL8およびBL9を折り曲げ、当接部182の裏面を前面片11の裏面に当接させる。これにより、押え部181が、第1返し片43、第2返し片44、および収容領域20に収容された容器100の天頂部103を、底部片34側に押さえることが可能な状態とする。その状態において、折曲線BL6およびBL7を折り曲げ、差込片16を切込部17に差し込むことにより、押え片18の上方において前面片11と背面片13とが接続された状態となる。そして、この接続により、押え片18が天頂部103を押さえると共に、その押さえた状態を維持できる。
【0128】
(組み立てた状態の包装箱)
上記のように組み立てることにより、図6に示すような包装箱3が完成する。図6では、組み立てた状態の包装箱3に容器100を収容した包装体203を示している。なお、包装箱3と容器100とを明確に区別すべく、図6では、容器100を点線にて表している。本実施形態では、図6に示すように、略直方体形状の収容領域20を有する包装箱3が組み立てられる。
【0129】
また、図6に示すように、包装箱3は、包装箱2と同様、容器100を窓部12から露出させることができる。そのため、包装箱3は、包装箱2と同様、コンパクトな形状において、容器100に対する消費者の購買意欲を掻き立てることができる。
【0130】
なお、図6の符号3003に示すように、包装箱3を側方から見たとき、押え部181の長さL1と、底部片34の長さL2とはほぼ同じである。但し、包装箱1および2と同様、包装箱3においても、少なくとも天頂部103を窓部12から露出でき、かつ、押え片18が天頂部103を押さえることができる構成であればよい。例えば、押え部181の長さL1を、底部片34の長さL2より短くしてもよいし(L1<L2)、L1>L2としてもよい。
【0131】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0132】
例えば、容器100の形状は上述した以外の形状であってよい。例えば、上述した容器本体部101とキャップ102との組合せを、上述した以外の組合せとしてもよい。一例として、水平断面が略矩形状の容器本体部101と円筒形状のキャップ102とを有する容器100であってもよい。本発明の一態様に係る包装箱は、どのような形状の容器100であっても、容器100の外縁に沿った形状の窓部12が設けられた前面片11を備えていればよい。そして、本発明の一態様に係る包装箱は、少なくとも押え片18と底部片14または34とにより、図2図4または図6に示すように、少なくとも容器100の天頂部103の一部を窓部12から露出させた状態で、容器100を保持可能であればよい。また、底部片14および34の構成は、各実施形態で説明した構成に限らず、容器100の底部104を支持可能な構成であれば、種々の構成を採用できる。
【符号の説明】
【0133】
1、2、3 包装箱
11 前面片
12 窓部
13 背面片
14、34 底部片
15 接続片
16 差込片
17 切込部
18 押え片
20 収容領域
41 第1側面片
42 第2側面片
100 容器
102 キャップ
101 容器本体部
103 天頂部
104 底部
111 前面片の上辺
113 重畳部
123 窓部の底辺
131 背面片の上辺
181 押え部
182 当接部
201、202、203 包装体
L1 押え部の長さ
L2 底部片の長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6