(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088760
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】クレイドル
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230620BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01R31/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203690
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】遠矢 正一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 聖師
(72)【発明者】
【氏名】笹田 基弘
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
(57)【要約】
【課題】端子における安全性を向上する技術を提供する。
【解決手段】外郭ケース220は、蓄電池パックを上側から挿入可能な窪み部224を有する。差込端子は、窪み部224内に設けられ、かつ窪み部224に蓄電池パックを挿入した場合に蓄電池パックの底面に設けられた差込口に差込可能である。電源基板300は、外郭ケース220の内部において差込端子の下側に配置され、かつ差込端子に接続される。第3第1種部品320cは、電源基板300の下側面に搭載される。金属製の底板400は、電源基板300を下側から支持する。第3熱伝導性材料420cは、底板400の上側面と第3第1種部品320cとの間に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池パックを上側から挿入可能な窪み部を有する外郭ケースと、
前記外郭ケースの前記窪み部内に設けられ、かつ前記窪み部に前記蓄電池パックを挿入した場合に前記蓄電池パックの底面に設けられた差込口に差込可能な差込端子と、
前記外郭ケースの内部において前記差込端子の下側に配置され、かつ前記差込端子に接続される電源基板と、
前記電源基板の下側面に搭載される部品と、
前記電源基板を下側から支持する金属製の底板と、
前記底板の上側面と前記部品との間に配置される熱伝導性材料と、
を備えるクレイドル。
【請求項2】
前記電源基板の下側面と前記底板の上側面とのうちの少なくとも1つに嵌合し、前記部品に対する前記熱伝導性材料の位置決めを行う樹脂製の支持板をさらに備える請求項1に記載のクレイドル。
【請求項3】
前記支持板は、前記熱伝導性材料が貫通可能な貫通孔を有する請求項2に記載のクレイドル。
【請求項4】
前記部品を第1種部品と呼ぶ場合、前記電源基板の上側面に搭載される第2種部品をさらに備え、
前記第1種部品の発熱量は、前記第2種部品の発熱量よりも大きい請求項1から3のいずれか1項に記載のクレイドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電池パックを差込可能なクレイドルに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池パックはコネクタを有し、コネクタが充放電装置に接続されることによって、蓄電池パックに対する充放電がなされる。コネクタには複数の端子が含まれ、例えば、正極端子、負極端子、情報送信端子、情報受信端子、信号接地端子(SG:Signal Ground)、保安用接地端子(FG:Frame Ground)である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電池パックから放電される電力が大きくなる場合、蓄電池パックの差込口と充放電装置(クレイドル)の差込端子との接触圧が大きくされる。接触圧が大きくなると、蓄電池パックをクレイドルから引き抜く際に蓄電池パックにクレイドルがついてくる現象が発生し、ユーザの利便性が低下する。また、蓄電池パックにおいて充放電される電力が大きくなる場合、クレイドルでの電力変換時に電源基板の部品からの発熱が原因でクレイドルの外郭ケースの温度が高温になる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、蓄電池パックから放電される電力が大きくなる場合であっても、蓄電池パックを引き抜きやすく、かつ外郭ケースの温度の上昇を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様のクレイドルは、蓄電池パックを上側から挿入可能な窪み部を有する外郭ケースと、外郭ケースの窪み部内に設けられ、かつ窪み部に蓄電池パックを挿入した場合に蓄電池パックの底面に設けられた差込口に差込可能な差込端子と、外郭ケースの内部において差込端子の下側に配置され、かつ差込端子に接続される電源基板と、電源基板の下側面に搭載される部品と、電源基板を下側から支持する金属製の底板と、底板の上側面と部品との間に配置される熱伝導性材料と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、蓄電池パックから放電される電力が大きくなる場合であっても、蓄電池パックを引き抜きやすく、かつ外郭ケースの温度の上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(a)-(c)は、実施例に係る充放電システムの構造を示す図である。
【
図2】
図2(a)-(d)は、
図1(a)のクレイドルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、蓄電池パックをクレイドルに接続することによって、蓄電池パックに対する充放電を実行可能にする充放電システムに関する。クレイドルは、充放電装置であるとともに、電力変換機能を備えてもよい。クレイドルには複数の差込端子が設けられるとともに、蓄電池パックには複数の差込口が設けられており、1対1で差込端子が差込口に差し込まれることによって蓄電池パックがクレイドルに接続される。複数の差込端子には、例えば、蓄電池パックとクレイドルとの接続を検出するための検出端子と、蓄電池パックとクレイドル間で電力を伝送可能な正極端子と負極端子と、蓄電池パックとクレイドル間でデータを伝送可能な第1通信端子と第2通信端子とが含まれる。
【0010】
検出端子には電圧が印加されており、差込口に差し込まれてクレイドルに接続されると、クレイドルのグランドに接続されて電流が流れる。また、電流の検出の検出によって、蓄電池パックとクレイドルとの接続が検出される。さらに、蓄電池パックとクレイドルとの接続が検出されると、正極端子と負極端子において電力が伝送され、第1通信端子と第2通信端子においてデータが伝送される。ここで、検出端子や通信端子は金属等の導電性物質により形成される。一方、蓄電池パックの底面は、樹脂等の絶縁性物質により形成される。
【0011】
前述のごとく、蓄電池パックから放電される電力が大きくなる場合、蓄電池パックの差込口とクレイドルの差込端子との接触圧が大きくされる。接触圧が大きくなると、蓄電池パックをクレイドルから引き抜く際に蓄電池パックにクレイドルがついてくる現象が発生する。また、蓄電池パックにおいて充放電される電力が大きくなる場合、クレイドルでの電力変換時に電源基板の部品からの発熱が原因でクレイドルの外郭ケースの温度が高温になる。
【0012】
これらに対応するために、本実施例に係るクレイドルは、金属製の底板を使用する。金属製の底板を使用することによってクレイドルの重量が増加するので、蓄電池パックをクレイドルから引き抜く際に蓄電池パックにクレイドルがついてくる現象が発生しにくくなる。また、クレイドル内の電源基板における下側面に発熱の大きな部品が配置されるとともに、発熱の大きな部品と金属材の底板間に熱伝導性材料(熱伝導性シリコン材)が挟まれる。発熱の大きな部品の熱が熱伝導性材料を介して金属材の底板に放熱されるので、外郭ケースの温度が高温になりにくくなる。
【0013】
図1(a)-(c)は、充放電システム1000の構造を示す。
図1(a)-(c)に示すように、x軸、y軸、z軸を含む直交座標系が規定される。x軸、y軸は、水平面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、高さ(垂直)方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、
図1(a)-(c)における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、x軸の正方向側を「前側」、x軸の負方向側を「後側」、y軸の正方向側を「右側」、y軸の負方向側を「左側」、z軸の正方向側を「上側」、z軸の負方向側を「下側」ということもある。そのため、z軸は上下方向に延びる軸であり、x軸は前後方向に延びる軸であり、y軸は左右方向に延びる軸である。
【0014】
図1(a)は、充放電システム1000の構造を示す斜視図である。蓄電池パック100は上下方向に長い箱形形状を有し、クレイドル200は箱形形状を有する。クレイドル200の上側の面に蓄電池パック100が挿入されることによって、蓄電池パック100がクレイドル200に接続される。蓄電池パック100は、例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池を内部に含み、クレイドル200に接続されることによって二次電池に対する充放電がなされる。
【0015】
図1(b)は、蓄電池パック100の構造を示す。これは、蓄電池パック100の底面102を含む斜視図である。底面102は樹脂により形成される。蓄電池パック100の下側の面が底面102であり、底面102には、第1差込口110a、第2差込口110b、第3差込口110c、第4差込口110d、第5差込口110eが左右方向に並べられる。第1差込口110a、第2差込口110b、第3差込口110c、第4差込口110d、第5差込口110eは差込口110と総称される。また、蓄電池パック100の底面102には、ガイド用差込口140と総称される第1ガイド用差込口140a、第2ガイド用差込口140bが設けられる。例えば、第1ガイド用差込口140a、第1差込口110aから第5差込口110e、第2ガイド用差込口140bが順に並べられる。
【0016】
図1(c)は、
図1(a)の状態から蓄電池パック100を取り外したクレイドル200の構造を示す斜視図である。クレイドル200は、箱形形状の外郭ケース220を含む。外郭ケース220の天面222には、蓄電池パック100の形状に応じた形状を有し、かつ蓄電池パック100を上側から挿入可能な窪み部224が設けられる。窪み部224は、第1側面226a、第2側面226b、第3側面226c、第4側面226dに囲まれるとともに、x-y平面に広がる支持面228を下側に配置する。
【0017】
支持面228には、第1差込端子210a、第2差込端子210b、第3差込端子210c、第4差込端子210d、第5差込端子210eが左側から右側に向かって並べられる。第1差込端子210aから第5差込端子210eは、検出端子、正極端子、負極端子、第1通信端子、第2通信端子である。第1差込端子210a、第2差込端子210b、第3差込端子210c、第4差込端子210d、第5差込端子210eは、差込端子210と総称され、各差込端子210は上側に向かって突出する板形形状を有する。差込端子210は、金属により形成される。
【0018】
また、支持面228には、ガイド用棒240と総称される第1ガイド用棒240a、第2ガイド用棒240bが設けられてもよい。例えば、第1ガイド用棒240a、第1差込端子210aから第5差込端子210e、第2ガイド用棒240bが順に並べられる。ガイド用棒240は、ガイド用棒は樹脂により形成されており、支持面228に支持される。
【0019】
窪み部224に蓄電池パック100を挿入した場合に、差込口110には差込端子210が1対1で差込可能であり、ガイド用差込口140にはガイド用棒240が1対1で差込可能である。例えば、第1差込口110aには第1差込端子210aが差し込まれ、第1ガイド用差込口140aには第1ガイド用棒240aが差し込まれる。差込端子210とガイド用棒240を差込口110とガイド用差込口140に差し込んだ状態において、支持面228は底面102を下側から支持する。
【0020】
ここで、ガイド用棒240が設けられる場合には、その高さは差込端子210よりも高くされる。本実施例においては、ガイド用棒240は、前後方向に延びる矩形状の前側端に、左右方向に延びる矩形状が接続される形状の断面を有する。このようなガイド用棒240の形状により、蓄電池パック100の前後方向の向きを誤ってクレイドル200に接続しようとしても、底面102と差込端子210とが接触する前に、底面102とガイド用棒240とが接触する。その際、ガイド用差込口140の開口形状とガイド用棒240の断面形状とが異なるので、ガイド用棒240がガイド用差込口140に挿入されない。また、底面102とガイド用棒240とはいずれも樹脂により形成される。そのため、底面102の変形が抑制される。ガイド用棒240を上から見た際に、左右方向に突出した部分がない形状(例:円形、矩形など)とする場合には、ガイド用棒240を設ける位置を調整して、誤った方向での差込を防止するようにしてもよい。
【0021】
外郭ケース220の天面222には、放電スイッチ230と放電表示部232が設けられる。放電スイッチ230は、
図1(a)のようにクレイドル200に蓄電池パック100が接続された状態において押し下げられることにより、蓄電池パック100を放電させるためのスイッチである。放電表示部232は、例えばLED(Light Emitting Diode)であり、放電中に点灯する。外郭ケース220の側面には、第1シリアルバス端子差込口234aから第4シリアルバス端子差込口234dが設けられるとともに、第5シリアルバス端子差込口234e(図示せず)、第6シリアルバス端子差込口234f(図示せず)も設けられる。第1シリアルバス端子差込口234aから第6シリアルバス端子差込口234fはシリアルバス端子差込口234と総称され、シリアルバス端子差込口234は、例えば、USB(Universal Serial Bus)(登録商標)の端子の差込口である。シリアルバス端子差込口234は、放電された電力を出力する。つまり、蓄電池パック100から放電された電力は差込端子210が受け、クレイドル200が電力を変換してシリアルバス端子差込口234から出力する。
【0022】
図2(a)-(d)は、クレイドル200の分解斜視図である。
図2(a)は、
図1(c)の外郭ケース220を取り外したクレイドル200を示す。電源基板300は、外郭ケース220の内部において差込端子210の下側に配置され、かつ差込端子210に接続される。電源基板300には、第1種部品と第2種部品とが搭載されるが、
図2(a)において第1種部品と第2種部品は省略される。電源基板300は、差込端子210を介して蓄電池パック100から入力された電力を、シリアルバス端子差込口234から出力するために変換する。電源基板300、差込端子210、放電スイッチ230(図示せず)等は第1支持板310により支持される。
【0023】
底板400は、電源基板300を下側から支持する。底板400は金属製である。底板400は、蓄電池パック100をクレイドル200から引き抜く際に蓄電池パック100にクレイドル200がついていないように重くされる。また、底板400は電源基板300を放熱する。底板400と電源基板300との間には、シリアルバス端子差込口234が配置される。
【0024】
図2(b)は、
図2(a)から差込端子210、ガイド用棒240、第1支持板310を取り外したクレイドル200を示す。
図2(c)は、
図2(b)から電源基板300を取り外したクレイドル200を示し、
図2(d)は、
図2(c)から第2支持板410を取り外したクレイドル200を示す。底板400の上側面には、樹脂製の第2支持板410が嵌合される。第2支持板410には、第1貫通孔412aから第6貫通孔412fが設けられる。第1貫通孔412aは第1熱伝導性材料420aを貫通可能であり、第2貫通孔412bは第2熱伝導性材料420bを貫通可能であり、第3貫通孔412cは第3熱伝導性材料420cを貫通可能である。また、第4貫通孔412dは第4熱伝導性材料420dを貫通可能であり、第5貫通孔412eは第5熱伝導性材料420eを貫通可能であり、第6貫通孔412fは第6熱伝導性材料420fを貫通可能である。第1貫通孔412aから第6貫通孔412fは貫通孔412と総称され、第1熱伝導性材料420aから第6熱伝導性材料420fは熱伝導性材料420と総称される。貫通孔412は、熱伝導性材料420の寸法形状に適合する。貫通孔412は、底板400の上側面に嵌合されるが、電源基板300の下側面に嵌合されてもよい。
【0025】
熱伝導性材料420は、底板400の上側面と、電源基板300(図示せず)の下側面に搭載された第1種部品(図示せず)との間に配置される。そのため、第2支持板410の各貫通孔412により、第1種部品に対する熱伝導性材料420の位置決めがなされるといえる。
【0026】
図3は、
図1の(c)のA-A’線に沿って切断した場合のクレイドル200の断面図である。電源基板300の下側面には、第3第1種部品320cと第4第1種部品320dが搭載される。第3第1種部品320cは第3シリアルバス端子差込口234c(図示せず)に対応して設けられ、第4第1種部品320dは第4シリアルバス端子差込口234d(図示せず)に対応して設けられる。そのため、電源基板300の下側面には、第1シリアルバス端子差込口234a(図示せず)、第2シリアルバス端子差込口234b(図示せず)にそれぞれ対応した第1第1種部品320a(図示せず)、第2第1種部品320b(図示せず)も設けられる。また、電源基板300の下側面には、第5シリアルバス端子差込口234e(図示せず)、第6シリアルバス端子差込口234f(図示せず)にそれぞれ対応した第5第1種部品320e(図示せず)、第6第1種部品320f(図示せず)も設けられる。第1第1種部品320aから第6第1種部品320fは第1種部品320と総称される。
【0027】
第1種部品320は、例えば、DC(Direct Current)/DC変換器である。例えば、第3第1種部品320cは、蓄電池パック100の放電時に、蓄電池パック100からの電流を変換して第3シリアルバス端子差込口234cから出力する。他の第1種部品320も同様に動作する。
【0028】
電源基板300の上側面には、第1第2種部品330a、第2第2種部品330bが搭載される。第1第2種部品330a、第2第2種部品330bは第2種部品330と総称される。電源基板300に搭載される第2種部品330の数は「2」に限定されない。第2種部品330は、例えば、クレイドル200を制御するためのマイクロコンピュータ、放電表示部232の表示を制御するためのマイクロコンピュータ、電解コンデンサである。
【0029】
第3第1種部品320cと底板400の上側面との間には第3熱伝導性材料420cが配置される。このような配置により、第3第1種部品320cは第3熱伝導性材料420cに接触し、第3熱伝導性材料420cは底板400に接触する。他の第1種部品320と他の熱伝導性材料420も同様に配置される。つまり、1つの熱伝導性材料420は1つの第1種部品320に接触する位置に配置される。
【0030】
ここで、第1種部品320の発熱量は、第2種部品330の発熱量よりも大きい。第1種部品320において生じた熱は熱伝導性材料420を伝わり、底板400から放熱される。一方、第2種部品330において生じた熱は、外郭ケース220と電源基板300との間の空間を伝わり、外郭ケース220から放熱される。第2種部品330において生じた熱は大きくないので、外郭ケース220から放熱されても、外郭ケース220の温度向上は抑制される。
【0031】
本実施例によれば、クレイドル200における底板400を金属製とするので、クレイドル200の重量を増加させることができる。また、クレイドル200の重量が増加するので、クレイドル200から蓄電池パック100を引き抜く場合においてクレイドル200が蓄電池パック100についていくことを防止できる。また、クレイドル200から蓄電池パック100を引き抜く場合においてクレイドル200が蓄電池パック100についていくことが防止されるので、蓄電池パック100から放電される電力が大きくなる場合であっても蓄電池パックを引き抜きやすくできる。
【0032】
また、第1種部品320に熱伝導性材料420を接触させ、熱伝導性材料420に底板400を接触させるので、第1種部品320において生じた熱を底板400から放熱できる。また、第1種部品320において生じた熱が底板400から放熱されるので、蓄電池パック100から放電される電力が大きくなる場合であっても、外郭ケース220の温度の上昇を抑制できる。さらに、発熱量がより大きい第1種部品320の配置位置を外郭ケース220の床側(すなわちz方向のマイナス側)とすることで、クレイドル200に接続される蓄電池パック100との距離を大きくすることができる。第1種部品320と蓄電池パック100の距離を大きくすることができるので、熱が蓄電池パック100に伝わりにくくなり、安全に使用でき、かつ蓄電池パック100の寿命を短くするリスクを低くすることができる。
【0033】
また、第2支持板410を使用して熱伝導性材料420の位置決めを行うので、第1種部品320に接触位置に熱伝導性材料420を配置できる。また、第1種部品320に接触位置に熱伝導性材料420が配置されるので、第1種部品320において生じた熱を底板400に伝えることができる。また、熱伝導性材料420が貫通可能な貫通孔412が備えられるので、熱伝導性材料420の位置決めを容易にできる。また、電源基板300の反対側の面に第1種部品320と第2種部品330とをそれぞれ配置するので、第1種部品320において生じた熱の影響を第2種部品330において低減できる。また、第1種部品320において生じた熱の影響が第2種部品330において低減されるので、第2種部品330の製品の寿命を長くできる。
【0034】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様のクレイドル(200)は、蓄電池パック(100)を上側から挿入可能な窪み部(224)を有する外郭ケース(220)と、外郭ケース(220)の窪み部(224)内に設けられ、かつ窪み部(224)に蓄電池パック(100)を挿入した場合に蓄電池パック(100)の底面(102)に設けられた差込口(110)に差込可能な差込端子(210)と、外郭ケース(220)の内部において差込端子(210)の下側に配置され、かつ差込端子(210)に接続される電源基板(300)と、電源基板(300)の下側面に搭載される部品(320)と、電源基板(300)を下側から支持する金属製の底板(400)と、底板(400)の上側面と部品(320)との間に配置される熱伝導性材料(420)と、を備える。
【0035】
電源基板(300)の下側面と底板(400)の上側面とのうちの少なくとも1つに嵌合し、部品(320)に対する熱伝導性材料(420)の位置決めを行う樹脂製の支持板(410)をさらに備えてもよい。
【0036】
支持板(410)は、熱伝導性材料(420)が貫通可能な貫通孔(412)を有してもよい。
【0037】
部品(320)を第1種部品(320)と呼ぶ場合、電源基板(300)の上側面に搭載される第2種部品をさらに備えてもよい。第1種部品(320)の発熱量は、第2種部品(330)の発熱量よりも大きい。
【0038】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0039】
100 蓄電池パック、 102 底面、 110 差込口、 140 ガイド用差込口、 200 クレイドル、 210 差込端子、 220 外郭ケース、 222 天面、 224 窪み部、 226 側面、 228 支持面、 230 放電スイッチ、 232 放電表示部、 234 シリアルバス端子差込口、 240 ガイド用棒、 300 電源基板、 310 第1支持板、 320 第1種部品、 330 第2種部品、 400 底板、 410 第2支持板、 412 貫通孔、 420 熱伝導性材料、 1000 充放電システム。