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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088776
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】駐車場管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230620BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203714
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 大暉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】天候の影響を受けることなく駐車場の管理を行うこと。
【解決手段】一実施形態の駐車場管理方法は、駐車場の設置機器において、車両から入庫時に送信される識別情報を受信し、受信した前記識別情報に基づき、管理センタが管理している前記車両の搭乗者のユーザ情報を通信ネットワークを介して取得し、前記設置機器において、前記車両から出庫時に送信される前記識別情報を受信し、前記ユーザ情報により前記車両の入庫から出庫までの前記駐車場の利用料金を管理すること、を特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の設置機器において、車両から入庫時に送信される識別情報を受信し、
受信した前記識別情報に基づき、管理センタが管理している前記車両の搭乗者のユーザ情報を通信ネットワークを介して取得し、
前記設置機器において、前記車両から出庫時に送信される前記識別情報を受信し、
前記ユーザ情報により前記車両の入庫から出庫までの前記駐車場の利用料金を管理する、
駐車場管理方法。
【請求項2】
前記設置機器は、前記車両から近距離無線通信で前記識別情報を受信する、
請求項1に記載の駐車場管理方法。
【請求項3】
前記設置機器は、前記利用料金の精算が完了している場合に、前記駐車場からの出庫を許可する、
請求項1または2に記載の駐車場管理方法。
【請求項4】
前記管理センタは、前記車両の車載機と通信し、前記車両の設定を車両識別情報およびユーザ識別情報によりユーザ毎に管理する、
請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の駐車場管理方法。
【請求項5】
前記識別情報は、車両識別情報およびユーザ識別情報であり、
前記管理センタは、前記搭乗者が携帯機器で前記車両の車載機にログインした場合に、前記ユーザ識別情報および前記車両識別情報に対応する前記ユーザ情報を取得可能にする、
請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の駐車場管理方法。
【請求項6】
前記利用料金の精算は、前記携帯機器で前記車載機にログインする際の認証情報である前記車両識別情報および前記ユーザ識別情報を、前記携帯機器の精算用のアプリケーションで利用することにより行う、
請求項5に記載の駐車場管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車場管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場の管理を行う仕組みとして、車両の入出庫時に駐車場に据え付けのカメラでナンバープレートを読み取って精算を行う駐車場精算システムがある。このシステムは、ユーザのスマートフォンにより車両のナンバーを検索し、スマートフォンで利用料金の精算を行う。
【0003】
なお、前払い式の駐車場を管理サーバが集中的に管理する技術を開示したものもある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-009399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ナンバープレートは撮影状況により撮影が困難な場合がある。例えば雨や風が強い悪天候の日にはナンバーの読み取りが困難になる。
【0006】
本開示は、天候の影響を受けることなく駐車場の管理を行うことが可能な駐車場管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る駐車場管理方法は、駐車場の設置機器において、車両から入庫時に送信される識別情報を受信し、受信した前記識別情報に基づき、管理センタが管理している前記車両の搭乗者のユーザ情報を通信ネットワークを介して取得し、前記設置機器において、前記車両から出庫時に送信される前記識別情報を受信し、前記ユーザ情報により前記車両の入庫から出庫までの前記駐車場の利用料金を管理すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、天候の影響を受けることなく駐車場の管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る駐車場管理方法の概略について説明する図である。
図2図2は、実施の形態に係る精算機の精算システムのハードウェアブロックの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施の形態に係る精算システムの各種テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施の形態に係る車両の車載機を使った認証システムの構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態に係る精算機の精算システムの構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態に係る乗車時における精算のための手順の一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態に係る入庫時における精算のための手順の一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態に係る精算時の手順の一例を示す図である。
図9図9は、実施の形態に係る出庫時における精算のための手順の一例を示す図である。
図10図10は、実施の形態に係るApp2の精算処理画面フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示に係る駐車場管理方法の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る駐車場管理方法の概略について説明する図である。図1(a)および図1(b)には、それぞれ、駐車場に車両10が入庫する場合と、駐車場から車両10が出庫する場合における精算機20による車両10の入出庫の管理を模式的に示している。
【0012】
精算機20は、駐車場の出入口に設置された料金精算を行うための装置である。一例として、昇降バー20aと一体型の精算機20を示しているが、精算機20が昇降バー20aとは物理的に別々の位置に通信可能に配置されるような場合であっても勿論よい。また、昇降バー20aを設けなくてもよい。「駐車場の設置機器」は、車両10の入出庫を検知することができる位置にあれば、精算機20であってもよいし、昇降バー20側の装置であってもよい。また、車両10の入出庫を検知することができる位置にあり、精算管理サーバと通信ネットワークにより接続可能な構成であれば、精算機20や昇降バー20以外の機器であってもよい。また、「設置機器」は、一つの駐車場において入口と出口など複数個所に設けられていてもよい。以下では、昇降バー20aと一体型の精算機20を「設置機器」の一例として説明する。
【0013】
図1(a)および図1(b)に示すように、車両10は、精算機20に近づくと、精算機20に識別情報を送信する。識別情報は、一例としては車両IDとユーザIDである。車両IDは車両10を一意に識別する識別情報(「車両識別情報」に相当)であり、ユーザIDは搭乗者(駐車場の利用者)を一意に識別する識別情報(「ユーザ識別情報」に相当)である。車両IDとユーザIDとして、ユーザが車両10に乗車した際に認証を受けた車両IDとユーザIDとを使用する。具体的な例は後に説明する。
【0014】
精算機20は、車両10から入庫時に識別情報を受信し、その車両10に対する入庫時刻を記録する。さらに、精算機20は、車両10から出庫時に識別情報を受信し、入出庫時の識別情報に基づき車両10の入庫から出庫までの駐車場の利用料金を管理する。駐車場の利用料金が既に精算完了である場合には、昇降バー20aを上げて車両10の出庫を許可し、精算が完了していない場合には、昇降バー20aを下げたままにして利用者に精算を促す。
【0015】
なお、精算が完了していない場合でも、昇降バー20aを上げて車両10の出庫を許可するように変形してもよい。その場合には、未精算の利用料金を精算システム内に保管しておき、次に駐車場を利用した際にまとめて未精算の利用料金の精算を行うようにする。
【0016】
<装置のハードウェア構成>
図2は、精算機20の精算システムのハードウェアブロックの構成の一例を示す図である。精算システムに含まれる精算機20と精算管理サーバ30のハードウェアブロックの構成の一例を示している。
【0017】
図2に示すように、精算機20は、制御装置21と、メモリ22と、入力部23と、表示部24と、精算装置25と、計時部26と、昇降バー駆動部27と、近距離無線通信I/F28と、ネットワークI/F29とを有する。
【0018】
制御装置21は、精算機20の各部を制御する。例えば、制御装置21は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリとを備えた構成であってよい。制御装置21は、CPUがメモリ22に記憶された処理手順を実行するなどして各部を制御する。
【0019】
メモリ22は、書き換え可能なメモリであり、所定領域にテーブルT1(図3(a))を記憶するための領域が割り当てられている。
【0020】
入力部23は、精算操作を行う操作ボタンなどの入力を受け付ける。表示部24は、液晶画面等に、駐車場の番号や利用時間や利用金額等の情報を表示する。精算装置25は、入金や釣銭返却などの精算処理を行う。計時部26は、日付や時間を計時し、CPUに入庫時刻や出庫時刻を出力する。昇降バー駆動部27は、昇降バー20aを駆動して上昇または下降させる駆動部である。
【0021】
近距離無線通信I/F28は、Bluetooth(登録商標)通信を行う通信インタフェースである。ネットワークI/F29は、ネットワークN2の通信インタフェースである。
【0022】
精算管理サーバ30は、一例として、CPUと、ROM(Read-Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを有するコンピュータ構成の情報処理装置である。図2に示すようにCPU31と、ROM32と、RAM33と、HDD34と、ネットワークI/F35とがバス36に接続された構成を有する。
【0023】
CPU31は、ROM32やHDD34に記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより、駐車場管理に関する各種処理を実行する。
【0024】
HDD34は、プログラムやデータを記憶するHDD(Hard Disk Drive)である。HDDに限らず、SSD(Solid State Drive)などでも勿論よい。データには、テーブルT2(図3(b))の情報も含まれる。ネットワークI/F35は、ネットワークN1とネットワークN2の通信インタフェースである。
【0025】
<テーブル構成>
図3は、精算システムの各種テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図3(a)は、精算機20が有するテーブルT1のデータ構成の一例である。図3(a)に示すように、精算機20のテーブルT1は、車両IDt1、ユーザIDt2、入庫時刻t3、精算フラグt4、および精算時刻t5の各データを紐づける構成となっている。このうち、精算フラグt4は、精算が完了している場合にフラグがセットされる。また、精算時刻t5は、精算が完了した時刻がセットされる。なお、これらのデータ構成は一例であり、テーブルT1のデータ構成をこれに限定するものではない。
【0026】
図3(b)は、精算管理サーバ30が有するテーブルT2のデータ構成の一例である。図3(b)に示すように、精算管理サーバ30のテーブルT2は、車両IDt21、ユーザIDt22、顧客情報t23、精算機IDt24、入庫時刻t25、精算フラグt26、および精算時刻t27の各データを紐づける構成となっている。このうち、顧客情報t23は、管理センタ50から取得したユーザ情報がセットされる。精算機IDt24は、精算機20の識別IDがセットされる。入庫時刻t25は、精算機20から送信された入庫時刻がセットされる。なお、これらのデータ構成は一例であり、テーブルT2のデータ構成をこれに限定するものではない。
【0027】
<全体のシステムの構成>
図4および図5は、実施の形態に係る駐車場管理方法を行う全体システムの構成の一例を示す図である。ここでは、車両10が車載機11を備え、車載機11と精算機20とが所定範囲内で近距離無線通信を行う場合の全体システムの構成を説明する。以下に示す認証システムは、精算システムとは別の既存のシステムで、このシステムとの連携を一例として示すが、認証システムは既存システムに限らず、認証を受けたユーザ情報が取得可能なシステムを新たに設けてもよい。
【0028】
<認証システム>
図4は、車両10の車載機11を使った認証システムの構成の一例を示す図である。車両10の車載機11は、例えばヘッドユニットである。車載機11は、近距離無線通信I/Fを備え、精算機20と通信する。さらに、車載機11は、WiFiなどの無線通信I/Fを備えている。車載機11は、無線通信I/Fにより無線アクセスポイントP1に無線接続することにより、ネットワークN1を介して管理センタ50と通信する。
【0029】
車載機11は、対象者が車両10に乗車すると、そのユーザの携帯機器である端末機器12を非接触センサなどで検知し、ユーザが登録時に設定した端末機器12のユーザIDと車両の車両IDとを管理センタ50に送信する。なお、車両10に車載機11が一台である場合には、車両IDに車載機11のIDを使用してもよいし、登録時に車載機11に対応付けて設定したIDにしてもよい。この例では車両IDが車載機11のIDであるものとして説明する。
【0030】
端末機器12は、スマートフォンであるが、ユーザを一意に識別可能なユーザデバイスであればスマートフォンに限定されない。スマートフォンの他に、ユーザが携帯するスマートキーなどであってもよい。
【0031】
管理センタ50は、ユーザ情報を管理する。また、管理センタ50は、車両10の搭乗者がスマートフォン12で車載機11へログインしたことを検知して管理する。例えば、車載機11から送信される車両IDとユーザIDの組み合わせのログイン通知とログアウト通知で検知する。また、管理センタ50は、搭乗者がスマートフォン12で車載機11へログインすると、スマートフォン12のユーザに対応する設定を車載機11へ送信する。
【0032】
<事前登録について>
ユーザ情報の登録は事前にスマートフォン12を使って行う。スマートフォン12で、登録用のアプリケーション(App1)を実行し、スマートフォン12のユーザIDと車載機11に対応する車両IDとを設定する。設定の際にスマートキーのIDを対応付けてもよい。その他、車両10の設定や、本人認証に必要なユーザの名前や住所や連絡先などの個人情報などを設定する。車両10の設定には、車両10のシートポジションや、エアコン設定や、照明設定や、音響設定など、ユーザに応じた設定が含まれる。この設定は、一例であり、これらに設定を限るものではない。
【0033】
スマートフォン12は、車載機11と通信して、これらのユーザ情報の設定を行う。そして車載機11が管理センタ50にユーザ情報を送信することにより、管理センタ50で承認されると登録が完了する。
【0034】
<精算機20の精算システム>
図5は、精算機20の精算システムの構成の一例を示す図である。精算機20の精算システムの一例として、管理センタ50を利用して精算機20の精算システムを構築する例を示す。
【0035】
図5には、車両10と、精算機20と、精算管理サーバ30と、管理センタ50とを示している。精算機20は車載機11とBluetooth通信を行う。また、精算機20は、ネットワークN2を介して精算管理サーバ30と通信を行う。ネットワークN2は例えば駐車場管理会社の専用ネットワークである。複数の精算機20と精算管理サーバ30とがネットワークN2に接続されている。また、精算管理サーバ30は、ネットワークN1を介して管理センタ50と通信を行う。
【0036】
図5において、スマートフォン12が車載機11にログインした状態にあるものとする。車両10が、精算機20に近づき、車載機11と精算機20とが通信範囲に入ると、車載機11がBluetooth通信により精算機20に識別情報を送信する。識別情報は、ログイン中のスマートフォン12のユーザIDと、車両IDである。
【0037】
<入庫時>
車両10が入庫時の場合、精算管理サーバ30は、精算機20が受信した識別情報を管理センタ50に送信し、ユーザ情報を要求する。管理センタ50は、受信した識別情報について、当該車両10の車載機11にスマートフォン12でログインしている場合に、精算管理サーバ30からのユーザ情報(精算時の本人特定に必要な詳細情報等を含む)の取得を可能にする。そして、精算管理サーバ30は、管理センタ50からユーザ情報を受信すると、そのユーザ情報(精算時の本人特定に必要な詳細情報)と、精算機20が検知した入庫時刻とを紐づけて記録する。
【0038】
<出庫時>
車両10が出庫時の場合、精算管理サーバ30は、車載機11から送信された識別情報について、精算が完了しているかどうかを判定し、精算が完了している場合は精算機20の昇降バー20aを上げて出庫を許可する。精算が完了していない場合は、精算機20の昇降バー20aを下げたままにして利用者に精算を促す。
【0039】
<スマートフォン12による精算>
駐車場の利用者は、スマートフォン12により、その駐車場の精算用のアプリケーション(App2)を取得して駐車場の精算を実行する。スマートフォン12で駐車場の精算を実行すると、精算管理サーバ30が、設定された精算方法で精算を完了する。
【0040】
<全体の動作フロー>
次に、入庫から出庫までの動作について、より詳しく説明する。
図6図9は、車両10と精算機20との間で駐車場の精算を行う方法の手順の一例を示す図である。このうち、図6は乗車時における精算のための手順の一例を示す図である。図7は、入庫時における精算のための手順の一例を示す図である。図8は、精算時の手順の一例を示す図である。図9は、出庫時における精算のための手順の一例を示す図である。
【0041】
<乗車時>
乗車時における精算のための手順を図6を参照しながら説明する。まず、事前登録済みのスマートフォン12を所持した利用者が車両10に乗車すると、非接触通信によりスマートフォン12が車載機11に車両IDとユーザIDとを送信し(ステップS1)、車載機11がそのユーザデバイスを検知する(ステップS2)。
【0042】
続いて、車載機11は、管理センタ50に当該車両IDと当該ユーザIDとを送信し、当該車両IDと当該ユーザIDの組み合わせの設定情報を要求する(ステップS3)。
【0043】
管理センタ50は、登録テーブルT3から、当該車両IDと当該ユーザIDの組み合わせに紐づく設定情報を車載機11に送信し(ステップS4)、車載機11が設定情報に基づいて車両10を設定する(ステップS5)。その後、車載機11からログアウトするまで、スマートフォン12によるログイン状態となる。
【0044】
なお、ログインとログアウトは管理センタ50でも管理している。例えば、管理センタ50は、車両IDとユーザIDの組み合わせに紐づく設定情報を車載機11に送信する際に、これらの組み合わせでログイン中であることをテーブルで管理する。また、利用者が車両10から降車するなどしてスマートフォン12が車載機11からログアウトした場合は、車載機11が管理センタ50にログアウトを通知するなどして管理センタ50がテーブルをログアウトに更新する。
【0045】
<入庫時>
次に、入庫時における精算のための手順を図7を参照しながら説明する。まず、車載機11は、精算機20との通信範囲に入ると、車両IDと、ログイン中のユーザIDとを、Bluetooth通信により精算機20に送信する(ステップS10)。
【0046】
精算機20は、車両IDとユーザIDを受信すると、精算管理サーバ30に当該車両IDと当該ユーザIDの組み合わせの照合を要求する(ステップS11)。
【0047】
精算管理サーバ30は、当該車両IDと当該ユーザIDとを管理センタ50に送信し、既に承認済みの受付情報を問い合わせ(ステップS12)、管理センタ50から受付情報が送信されると(ステップS13)、照合に必要な照合情報を精算機20に送信する(ステップS14)。例えば、管理センタ50は、精算管理サーバ30から車両IDとユーザIDが送信されると、この組み合わせでログイン中の場合に、このユーザのユーザ情報を精算管理サーバ30に送信する。精算管理サーバ30は、管理センタ50から受信したユーザ情報のうち照合に必要な情報、例えばID、或いは照合したことを示す情報を精算機20に送信する。
【0048】
精算機20は、管理センタ50を介しての照合が成立すると入庫をOKにし(ステップS15)、入庫時刻を精算管理サーバ30に送信する(ステップS16)。入庫時刻は、当該車両IDと当該ユーザIDとを受信した時刻或いは、昇降バー20aを上昇させた時刻、或いはセンサを設けて車両10の入庫を検知した時刻などを、計時部26から取得する。入庫時刻は、精算機20のテーブルT1に記録してもよい。
【0049】
精算管理サーバ30は、精算機20から送信された入庫時刻をテーブルT2に記録すると(ステップS17)、精算機20に完了を通知する(ステップS18)。
【0050】
精算機20は、入庫時刻の記録が完了すると、車載機11に入庫手続き完了通知を送信する(ステップS19)。
【0051】
<精算時>
次に、精算時の手順を図8を参照しながら説明する。まず、スマートフォン12は、App1の実行中にApp2を実行し、精算を開始する(ステップS20)。
【0052】
スマートフォン12では、App2により精算を開始した後、精算を行う対象の乗車車両10を特定するために、App1によりログイン中の車両IDとユーザIDとをApp1との連携により取得して利用する(ステップS21)。
【0053】
そして、スマートフォン12は、取得した車両IDとユーザIDとを精算管理サーバ30に送信する(ステップS22)。この例では、スマートフォン12は、精算機20を介さずに、アクセスポイントなどから精算管理サーバ30の指定のアドレスにアクセスするようにしているが、精算機20を介しても勿論よい。
【0054】
精算管理サーバ30は、スマートフォン12から車両IDとユーザIDとを受信すると、この組み合わせに対して記録された入庫時刻をテーブルT2から取得し、スマートフォン12に送信する(ステップS23)。
【0055】
続いて、スマートフォン12で、精算方法の入力操作が行われると(ステップS24)、スマートフォン12から精算管理サーバ30へ、その入力情報が送信される(ステップS25)。
【0056】
精算管理サーバ30は、入力情報に基づき精算の処理を行って(ステップS26)、スマートフォン12へ精算完了を通知する(ステップS27)。
【0057】
さらに、精算管理サーバ30は、精算機20に精算完了を通知する(ステップS28)。精算機20は、精算完了の通知により、テーブルT1において精算フラグをセットし、精算時刻を記録する。
【0058】
<出庫時>
次に、出庫時における精算のための手順を図9を参照しながら説明する。まず、車載機11は、精算機20との通信範囲に入ると、車両IDと、ログイン中のユーザIDとを、Bluetooth通信により精算機20に送信する(ステップS30)。
【0059】
精算機20は、車両IDとユーザIDを受信すると、この組み合わせにおいて、利用者による精算が完了しているかを判定する(ステップS31)。この例では、精算機20は、テーブルT1の精算フラグがセットされている場合に、精算済みと判定する。
【0060】
精算機20は、精算済みと判定した場合に出庫を許可し、未精算の場合は、出庫を不可とする(ステップS32)。
【0061】
なお、未精算の場合でも出庫を許可し、後で精算を行うようにしてもよい。
【0062】
また、精算機20は、車載機11から車両IDとユーザIDとを受信した時刻を出庫時刻として精算時刻と比較し、出庫時刻が精算時刻から所定時間以上経過している場合に、追加料金を発生させてもよい。
【0063】
<精算処理画面フロー>
図10は、App2の精算処理画面フローの一例を示す図である。まず、図10(a)を参照して画面フローを説明する。利用者がスマートフォン12で取得したApp2のアイコンをタップするなどすると、精算処理が開始される。
【0064】
第1の画面101は、駐車場の精算を行う対象車両を選択する画面である。この例では、複数の検索ボタンが設けられており、各検索ボタンで対象車両を絞り込むことができる。「登録の車」の検索ボタンb1は、登録した車のIDなどを手入力する画面を表示し、手入力により対象車両を絞り込む。「車両ナンバー」の検索ボタンb2は、車両ナンバーを手入力する画面を表示し、手入力により対象車両を絞り込む。
【0065】
第2の画面102は、第1の画面101で検索により絞り込んだ対象車両の情報を表示する画面である。第2の画面102では、車両情報j1や、入庫時刻j2などを表示する。
【0066】
第3の画面103は、主に精算方法を入力する画面である。第2の画面102に表示された対象車両でOKボタンb11が押下されると、第3の画面102で、対象車両の精算情報j3を表示し、精算方法の具体的な入力などを受け付ける。精算情報j3には、一例として対象車両の入庫時刻と、利用時間と、駐車料金の情報を表示したものを示している。また、第3の画面102は、サービス券の利用ボタンb21や、支払い方法の選択ボタンb22などが設けられており、支払い方法を選択することができるようになっている。
【0067】
第4の画面104は、支払い方法の選択ボタンb22の押下により、可能な支払い方法を表示して、支払い方法を決める画面である。第4の画面104では、クレジットカードボタンb31や、その他ボタンb32の支払方法を選択可能に表示し、それらの選択に基づき、精算管理サーバ30に選択された支払方法で支払いを実行させる。
【0068】
図10(b)は、App1との連携を行う場合の一例である。図10(b)に示すように、第1の画面101に「ユーザ情報(App1と連携)」というボタンb3を設けている。このボタンb3が選択されると、App1が取得しているログイン中のユーザ情報をApp2がApp1に要求し、App1からユーザ情報D1を取得して第1-1画面1000に表示する。このように、スマートフォン12においては、対象車両のユーザ情報はApp1がもっているため、App2がApp1と連携するだけで自動で対象車両の絞り込みが行える。
【0069】
その後は、精算の問合せボタンb4の押下により第2の画面102が表示される。第2の画面102からは、図10(a)の画面フローと同様であるため説明を省略する。
【0070】
なお、本実施の形態では、車両10の車載機11にログインしているスマートフォン12のユーザ情報を、そのスマートフォン12のログインを承認した認証システムから精算機20側から取得できるようにし、カメラによるナンバープレートの撮影を行わずに対象車両の駐車情報の利用料金を計算することを可能にした。しかし、この精算方法に、従来のナンバープレート撮影による精算を併用してもよい。
【0071】
<実施の形態の効果>
このように、本実施の形態に係る駐車場管理方法であれば、車両10の車載機11にログインしているスマートフォン12のユーザ情報を、そのスマートフォン12のログインを承認した認証システムから精算機20側で取得することができる。このため、カメラによるナンバープレートの撮影を行わずに対象車両の駐車情報の利用料金を計算することができる。そのため、天候の影響を受けることなく精算を行うことが可能になる。
【0072】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0073】
なお、本開示は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、プログラム製品は、コンピュータープログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な媒体である。
【0074】
また、一部の手順またはすべての手順を記録したプログラムを、記録媒体に記録して提供したり、ROMに格納してコンピュータ構成の情報処理装置として提供したり、あるいは、ネットワークを介してプログラムをダウンロードし、コンピュータで実行することもできる。コンピュータのCPUは、プログラムを読み込んで実行することにより、処理を実施する。
【0075】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることも明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0076】
10 車両
11 車載機
12 スマートフォン
20 精算機
30 精算管理サーバ
50 管理センタ
T1、T2、T3 テーブル
図1
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図3
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図10