(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008888
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】サイジング剤組成物、炭素繊維材料及び複合材料
(51)【国際特許分類】
D06M 13/03 20060101AFI20230111BHJP
C08G 59/18 20060101ALI20230111BHJP
D06M 15/55 20060101ALI20230111BHJP
D06M 13/463 20060101ALI20230111BHJP
D06M 13/17 20060101ALI20230111BHJP
D06M 15/53 20060101ALI20230111BHJP
D06M 101/40 20060101ALN20230111BHJP
【FI】
D06M13/03
C08G59/18
D06M15/55
D06M13/463
D06M13/17
D06M15/53
D06M101:40
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103587
(22)【出願日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】110123653
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】518305565
【氏名又は名称】臺灣塑膠工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 宣吟
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 龍田
【テーマコード(参考)】
4J036
4L033
【Fターム(参考)】
4J036AA01
4J036AA05
4J036AD08
4J036AE05
4J036DC30
4J036FB06
4J036FB08
4J036JA06
4J036JA15
4J036KA04
4L033AA09
4L033AB01
4L033AC12
4L033BA03
4L033BA14
4L033BA86
4L033CA48
4L033CA49
(57)【要約】
【課題】サイジング剤組成物、炭素繊維材料及び複合材料を提供する。
【解決手段】本発明のサイジング剤組成物は、所定の組成物を含み、所定の液滴粒径を有するサイジング剤を製造することができる。製造されたサイジング剤は、良好な乳化安定性を有し、且つ炭素繊維材料の吸湿率と寸法変化率を効果的に改善することができる。また、このサイジング剤は、炭素繊維材料と樹脂基材との結合性を向上させ、製造された複合材料の性質を向上させることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ化合物と、
ジシクロペンタジエン化合物と、
界面活性剤と、
水と、
を含むサイジング剤組成物であって、
前記サイジング剤組成物の使用量100重量部に対して、
前記エポキシ化合物の使用量は2重量部~30重量部であり、
前記ジシクロペンタジエン化合物の使用量は2重量部~30重量部であり、
前記界面活性剤の使用量は0.5重量部~15重量部であり、且つ
前記水の使用量は25重量部~95.5重量部であるサイジング剤組成物。
【請求項2】
前記エポキシ化合物のエポキシ当量は、100g/eq~1500g/eqである請求項1に記載のサイジング剤組成物。
【請求項3】
前記ジシクロペンタジエン化合物は、下記式(I)に示す構造を有し、
【化1】
式中、Aはそれぞれ独立して環状基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又は下記式(I-1)~式(I-3)に示す官能基を示し、且つnは0又は1を示し、
【化2】
【化3】
【化4】
式(I-3)において、mは1~5を示す請求項1に記載のサイジング剤組成物。
【請求項4】
少なくとも1つのRは、式(I-3)に示す構造を示す請求項3に記載のサイジング剤組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤は、アンモニウムイオンを含むアニオン性界面活性剤である請求項1に記載のサイジング剤組成物。
【請求項6】
前記サイジング剤組成物は、有機溶媒を排除する請求項1に記載のサイジング剤組成物。
【請求項7】
炭素繊維基材と、
請求項1~6の何れか1項に記載のサイジング剤組成物を含み、前記炭素繊維基材の表面に覆われ、且つ液滴粒径が1μmを超えないサイジング剤と、
を備える炭素繊維材料。
【請求項8】
前記炭素繊維材料のサイジング率は、0.1重量%~5重量%である請求項7に記載の炭素繊維材料。
【請求項9】
前記炭素繊維材料は、吸湿率が0.05%よりも小さく、且つ寸法変化率が0.05%よりも小さい請求項8に記載の炭素繊維材料。
【請求項10】
樹脂基材と、
前記樹脂基材に分散される請求項7に記載の炭素繊維材料と、
を含む複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイジング剤組成物に関し、特に、炭素繊維材料の吸湿率と寸法変化率を効果的に低下させることができ、且つ炭素繊維基材との優れた結合性を有するサイジング剤組成物、このサイジング剤を含む炭素繊維材料、及び形成される複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維は、軽量で機械的特性に優れているため、複合材料を形成するように樹脂基材の補強材としてよく使用される。しかし、炭素繊維は、比較的に硬くて脆く、伸縮率が小さいため、加工中に摩擦により毛羽立ちや断線が発生しやすく、その機械的強度及び湿潤性が低下し、更に形成される複合材料の特性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
炭素繊維の毛羽立ち欠陥を低減するために、一般に、サイジング剤で炭素繊維の表面を覆って、その表面を保護する。なお、表面サイジングにより、炭素繊維の集束性も同時に向上することができ、炭素繊維のロール保存性と操作性が向上する。複合材料を調製する際に、炭素繊維表面のサイジング剤をカップリング剤として使用することができ、炭素繊維と樹脂基材との間の湿潤性を向上させ、更に両者間の結合性を向上させる。従来のサイジング剤は、エポキシ樹脂からなる。エポキシ樹脂の良好な成膜性により、炭素繊維の表面に保護フィルムを形成して、毛羽立ち欠陥を抑制することができる。エポキシ樹脂の保護フィルムは、エチレンオキシドセグメントで構成され、その優れた水溶性により炭素繊維材料を水に良好な分散性を持たせることができるが、それは空気中の水分を吸着しやすく、炭素繊維束同士の接着性を向上させ、更に炭素繊維の接着の欠陥を引き起こし、それにより操作性を低下させる。
【0004】
なお、炭素繊維の集束性を改善し、毛羽立ち欠陥を抑制するために、前記エポキシ樹脂とポリウレタン樹脂とを混合して、ポリウレタン樹脂からなる皮膜により集束性を向上させ、毛羽立ち欠陥を改善する他の従来のサイジング剤が知られている。しかし、それらにより形成されたポリウレタン皮膜は、経時的に硬化するという欠陥を有する。また他の従来のサイジング剤としては、エポキシ樹脂、アクリル酸エステル系化合物、及びビスフェノール骨格とポリオキシエチレン鎖とのポリエステル樹脂を混合したものがあり、炭素繊維の毛羽立ち欠陥を効果的に抑制し、炭素繊維と樹脂基材との結合性を向上させることができるが、それらに含まれるエステル基が空気中の水分を吸着しやすく、炭素繊維の接着の欠陥につながる。
【0005】
これに鑑みて、従来のサイジング剤が有する、保管しにくく、炭素繊維材料が吸湿し接着しやすいという欠陥を改善し、炭素繊維材料と樹脂基材との結合性を向上させるサイジング剤組成物、炭素繊維材料及び複合材料を提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の一態様の目的は、サイジング剤組成物を提供することにある。このサイジング剤組成物は、所定の組成を有し、炭素繊維材料の吸湿率と寸法変化率を効果的に改善することができる。
【0007】
本発明の別の一態様の目的は、炭素繊維材料を提供することにある。この炭素繊維材料は、炭素繊維材料に低い吸湿率と寸法変化率を持たせるように、前記サイジング剤組成物により製造されたサイジング剤を含む。
【0008】
本発明のさらに別の態様の目的は、複合材料を提供することにある。この複合材料は、前記炭素繊維材料を含み、且つこの炭素繊維材料と樹脂基材とが良好な結合性を有する。
【0009】
本発明の一態様によれば、エポキシ化合物と、ジシクロペンタジエン化合物と、界面活性剤と、水と、を含むサイジング剤組成物であって、サイジング剤組成物の使用量100重量部に対して、エポキシ化合物の使用量は2重量部~30重量部であり、ジシクロペンタジエン化合物の使用量は2重量部~30重量部であり、界面活性剤の使用量は0.5重量部~15重量部であり、且つ水の使用量は25重量部~95.5重量部であるサイジング剤組成物を提供する。
【0010】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記エポキシ化合物のエポキシ当量は、100g/eq~1500g/eqである。
【0011】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記ジシクロペンタジエン化合物は、下記化学式(I)に示す構造を有する。
【0012】
【0013】
式(I)において、Aはそれぞれ独立して環状基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又は下記化学式(I-1)~化学式(I-3)に示す官能基を示し、且つnは0又は1を示す。式(I-3)において、mは1~5を示す。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記Rの少なくとも1つは、式(I-3)に示す構造を示す。
【0018】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記界面活性剤は、アンモニウムイオンを含むアニオン性界面活性剤である。
【0019】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記サイジング剤組成物は、有機溶媒を排除する。
【0020】
本発明の別の態様によれば、炭素繊維基材と、前記サイジング剤組成物を含み、炭素繊維基材の表面に覆われ、且つ液滴粒径が1μmを超えないサイジング剤と、を備える炭素繊維材料を提供する。
【0021】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記炭素繊維材料のサイジング率は、0.1重量%~5重量%である。
【0022】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記炭素繊維材料は、吸湿率が0.05%よりも小さく、且つ寸法変化率が0.05%よりも小さい。
【0023】
本発明のさらに別の一態様によれば、樹脂基材と、樹脂基材に分散される炭素繊維材料と、を含む複合材料を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明を適用したサイジング剤組成物、炭素繊維材料及び複合材料によれば、ジシクロペンタジエンの非極性基を含む化合物によりサイジング剤を調製して、炭素繊維の表面を覆って、その表面を保護することにより、炭素繊維材料の吸湿率と寸法変化率を低減し、更に吸湿による炭素繊維の接着欠陥を回避することができるため、炭素繊維材料の操作性を向上させることができる。次に、本発明によって製造されたサイジング剤は、炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性を効果的に向上させることもできるため、複合材料の特性を効果的に向上させ、後の用途の機械的要求満たし、経時的に硬化する欠陥を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。しかしながら、理解されるべきは、以下に示す実施例は、あくまでも様々な所定の内容で実施されることができる多くの適用可能な概念を提供するものであって、本発明の範囲を限定するためのものではないということである。
【0026】
本発明のサイジング剤は、サイジング剤組成物で形成されるが、サイジング剤の形成方法は特に制限されなく、当業者であれば一般的な技術及び設備を使用してサイジング剤組成物を形成することができるので、ここでは説明しない。例として、本発明は、機械的剪断力により均一に分散したエマルジョン型サイジング剤を調製することができ、使用される装置は、例えばパドル型攪拌ブレード(ブレード形状は、例えば、溶解型、3ブレード型及び/又は4ブレード型)及び/又はアンカー型の攪拌ブレードであってよい。或いは、超音波ホモジナイザー、高速ホモジナイザー及び/又は高速乳化機を使用して、サイジング剤組成物を分散させて、本発明のサイジング剤を形成することができる。
【0027】
本発明のサイジング剤組成物は、エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン化合物、界面活性剤と水を含む。
【0028】
エポキシ化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を含む樹脂化合物であってよく、且つその種類は特に制限されない。例として、エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、直鎖脂肪族骨格型エポキシ樹脂、他の適切なエポキシ化合物、又は上記のエポキシ化合物の任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0029】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、例えば、南亜プラスチック会社製、且つ型番がNPEL 127、128、134、901、902又は904などの市販品、Hexion(登録商標)会社製、且つ型番がEPON TM 828、830、834又は1001Fなどの市販品、長春人造樹脂会社製、且つ型番がBE 114、186又は188などの市販品、ADEKA(登録商標)株式会社製、且つ型番がEP 4100、4300又は4700などの市販品であってよい。
【0030】
ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、例えば、南亜プラスチック会社製、且つ型番がNPEF 170などの市販品、Hexion(登録商標)会社製、且つ型番がEPON TM 869などの市販品、三菱化学会社製、且つ型番がJER 806又は807などの市販品、長春人造樹脂会社製、且つ型番がBE 170、235又は283などの市販品であってよい。
【0031】
ノボラックエポキシ樹脂は、例えば、南亜プラスチック会社製、且つ型番がNPPN 630、638又は640などの市販品、明和化成社製のHシリーズの商品又はHFシリーズの商品、長春人造樹脂会社製、且つ型番がPNE 171、172、174、175、176又は177などの市販品であってよい。
【0032】
ナフタレン骨格型エポキシ樹脂は、例えば、▲金▼廣盛材料会社製、且つ型番がVastPoxy-465などの市販品、HUNTSMAN(登録商標)会社製、且つ型番がAraldite(登録商標) MY 0816などの市販品、DIC(登録商標)株式会社製、且つ型番がEPICLON(登録商標) HP-5000、HP-4700又はHP-4710などの市販品であってよい。
【0033】
いくつかの実施例において、エポキシ化合物のエポキシ当量は、100g/eq~1500g/eqであってよく、エポキシ当量が日本産業規格(Japanese Industrial Standards;JIS)のK7236標準方法に基づいて測量される。エポキシ化合物のエポキシ当量が前記範囲にある場合、形成されるサイジング剤は、炭素繊維材料を束にし経時的な適切な硬化程度を与えて、その操作性が向上し、且つこのサイジング剤により炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性を向上させることができる。いくつかの実施例において、エポキシ化合物のエポキシ当量は、好ましくは、130g/eq~1000g/eqであってよく、且つ160g/eq~900g/eqであることが更に好ましい。
【0034】
サイジング剤組成物の使用量100重量部に対して、エポキシ化合物の使用量は2重量部~30重量部であり、且つ好ましくは10重量部~25重量部である。
【0035】
サイジング剤組成物がエポキシ化合物を含まなく、又はエポキシ化合物の使用量は前記範囲でない場合、製造されたサイジング剤は、炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性を効果的に向上させることができなく、製造された複合材料の性質を低下させる。
【0036】
ジシクロペンタジエン化合物は、下記化学式(I)に示す構造を有してよい。
【0037】
【0038】
式(I)において、Aはそれぞれ独立して環状基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又は下記化学式(I-1)~化学式(I-3)に示す官能基を示し、且つnは0又は1を示す。式(I-3)において、mは1~5を示す。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
式(I)において、Aによって示される環状基は、非極性基であることが好ましい。例として、Aの環状基は、フェニル、ビスフェノールA基、ビスフェノールF基、ノボラックエポキシ基、又は他の適切な非極性環状基を含むが、それらに限定されない。Aが非極性環状基である場合、製造されたサイジング剤は、更に炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性を向上させることができるので、複合材料の性質を向上させる。
【0043】
いくつかの実施例において、式(I)のRの少なくとも1つは、式(I-3)に示す構造である。ジシクロペンタジエン化合物が式(I-3)の官能基を有する場合、製造されたサイジング剤は、更に炭素繊維材料の吸湿率を低下させることができる。好ましくは、式(I-3)に示す官能基は、ジシクロペンタジエン化合物の側鎖基であり、効果的に炭素繊維材料の吸湿率を低下させる。式(I)のmが5よりも大きい場合、長すぎた側鎖基により、ジシクロペンタジエンの主鎖構造の含有量が希釈されやすくなり、サイジング剤の炭素繊維材料に対する寄与を低下させる。いくつかの実施例において、ジシクロペンタジエン化合物の使用量が100モルパーセントであることに基づいて、式(I-3)に示す官能基の含有量は、0.01モルパーセント~0.35モルパーセントであってよく、且つ、0.015モルパーセント~0.07モルパーセントであることが好ましい。このいくつかの実施例において、式(I-3)に示す官能基の含有量が前記範囲にある場合、製造されたサイジング剤は、炭素繊維材料の吸湿率を効果的に低下させ、炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性を向上させることができる。
【0044】
いくつかの具体例において、ジシクロペンタジエン化合物は、ジシクロペンタジエンフェノールエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性イソシアネート樹脂、及び/又はジシクロペンタジエンのポリフェニレンオキシド(Polyphenylene Oxide;PPO)変性樹脂を含むが、それらに限定されない。
【0045】
ジシクロペンタジエンフェノールエポキシ樹脂は、例えば、SONGWON会社製、且つ型番がERM-6085、ERM-6095、ERM-6105、ERM-6115、ERM-6125又はERM-6140などの市販品であってよい。
【0046】
ジシクロペンタジエンノボラックエポキシ樹脂は、例えば、大日本印刷(登録商標)会社製、且つ型番がHP-7200Hの市販品、日本化薬(登録商標)会社製、且つ型番がXD-1000の市販品、浙江栄徳化工会社製、且つ型番が655-B-75の市販品、聯穎(れんえい)化工会社製、且つ型番がKES-7660の市販品、長春人造樹脂会社製、且つ型番がDNE260の市販品、Shin-A T&C会社製、且つ型番がSEV-3460、SEV-3475、SEV-3408又はSEV-3410などの市販品、HUNTSMAN(登録商標)会社製、且つ型番がTactix(商標) 556又はTactix(商標) 756などの市販品であってよい。
【0047】
ジシクロペンタジエン変性イソシアネート樹脂は、例えば、Dow Chemical会社製、且つ型番がAcrocy XU-71787の市販品であってよい。
【0048】
ジシクロペンタジエンのPPO変性樹脂は、例えば、下記化学式(II)に示す化合物であってよい。
【0049】
【0050】
式(II)において、R1、R2とR3の少なくとも1つは、前記式(I-3)に示す官能基(mは1~5を示す)を示し、且つ他のものは水素原子を示し、nは0又は1を示す。好ましくは、R1とR2は水素原子を示し、且つR3は式(I-3)に示す官能基を示す。
【0051】
サイジング剤組成物の使用量100重量部に対して、ジシクロペンタジエン化合物の使用量は2重量部~30重量部であり、且つ10重量部~25重量部であることが好ましい。
【0052】
サイジング剤組成物がジシクロペンタジエン化合物を含まなく、又はジシクロペンタジエン化合物の使用量は前記範囲ではない場合、製造されたサイジング剤は、炭素繊維材料の吸湿率と集束性を効果的に改善できなく、且つ炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性に対する向上が難しくなり、更に製造された複合材料の性質を低下させる。
【0053】
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び/又はカチオン性界面活性剤を含んでよい。
【0054】
非イオン性界面活性剤は、例えば、脂肪族非イオン性界面活性剤、芳香族非イオン性界面活性剤、及び/又は他の適切な非イオン性界面活性剤を含むが、それらに限定されない。前記脂肪族非イオン性界面活性剤は、例えば、アルコールエチレンオキシド添加物、炭素数16~18のセテアリルアルコールポリオキシエチレンエーテル、ポリオールポリオキシエチレンエーテル、アルキルポリオキシエチレンエーテル、及び/又はポリエチレングリコール脂肪酸エステルであってよい。前記芳香族非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールスチレン化アリールエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、及び/又はポリエチレングリコールビスフェノールA誘導体であってよい。
【0055】
アニオン性界面活性剤は、例えば、硫酸エステル塩系界面活性剤、スルホン酸塩系界面活性剤、リン酸エステル塩系界面活性剤、及び/又は他の適切なアニオン性界面活性剤を含むが、それらに限定されない。硫酸エステル塩系界面活性剤は、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテルポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩、スチレン化フェノールポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩、及び/又は多環式フェニルエーテルポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩であってよい。スルホン酸塩系界面活性剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、多環式フェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、及び/又はジアルカンスルホコハク酸塩であってよい。リン酸エステル塩系界面活性剤は、例えば、ポリエチレングリコールノニルフェニルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステルトリエタノールアミン塩、及び/又はポリエチレングリコールスチレン化アリールエーテルリン酸塩であってよい。
【0056】
カチオン性界面活性剤は、例えば、第四級アンモニウム塩系、及び/又は他の適切なカチオン性界面活性剤を含むが、それらに限定されない。第四級アンモニウム塩系は、例えば、アルキルジメチルベンゼン第四級アンモニウム塩、アルキルトリメチル第四級アンモニウム塩、ジアルキルジメチル第四級アンモニウム塩、エステル第四級アンモニウム塩、及び/又はイミダゾリン第四級アンモニウム塩であってよい。
【0057】
いくつかの実施例において、非イオン性界面活性剤に加えて、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤の少なくとも1つを少なくとも含む。界面活性剤がアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤を少なくとも含む場合、界面活性剤の電荷特性による静電反発力は、乳化安定性の向上に寄与する。好ましくは、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、又はアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との組み合わせを含んでよく、サイジング剤の原料コストを低下させることができる。いくつかの具体例において、アニオン性界面活性剤は、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムイオン、他の適切なカチオン基、又は上記の任意の組み合わせを含んでよい。アルカリ金属カチオンとアルカリ土類金属カチオンに比べると、製造された炭素繊維材料の熱安定性について、アニオン性界面活性剤は、アンモニウムイオンを含むことが好ましい。
【0058】
サイジング剤組成物の使用量100重量部に対して、界面活性剤の使用量は0.5重量部~15重量部であり、且つ5重量部~12.5重量部であることが好ましい。
【0059】
サイジング剤組成物が界面活性剤を含まなく、又は界面活性剤の使用量は前記範囲ではない場合、形成されるサイジング剤は、良好な乳化安定性を有しなく、その操作性を低下させ、且つ前記エポキシ化合物とジシクロペンタジエン化合物とが均一に分散される液滴を形成できなく、更に炭素繊維基材に対する被覆性を低下させる。
【0060】
前記界面活性剤により、前記サイジング剤組成物におけるエポキシ化合物とジシクロペンタジエン化合物とは、水において均一に分散される乳化液滴を形成でき、乳化液滴の液滴粒径が1μmを超えない。乳化液滴の液滴粒径が1μmを超える場合、粒径が大きすぎる乳化液滴は炭素繊維基材に均一に付着しにくく、形成される炭素繊維材料の性質を低下させ、且つサイジング剤の乳化安定性が悪く、更にその操作性を低下させる。いくつかの実施例において、乳化液滴の液滴粒径は、好ましくは、0.01μm~0.5μmであってよい。
【0061】
サイジング剤組成物における水は、水におけるイオンによるサイジングプロセスへの影響を低下させるように、脱イオン水であることが好ましい。いくつかの実施例において、本発明のサイジング剤組成物は、界面活性剤によりサイジング剤の乳化液滴を形成するように、有機溶媒を含んでよい。他の実施例において、本発明のサイジング剤組成物は、有機溶媒を排除するので、別に有機溶媒の除去の操作をしなくてよく、製造コストを低下させることができる。
【0062】
いくつかの具体例において、本発明のサイジング剤は、前記サイジング剤組成物におけるエポキシ化合物とジシクロペンタジエン化合物を有機溶媒に溶解し、更に界面活性剤と水を混合することにより、均一に乳化して分散されるサイジング剤が得られる。他の具体例において、本発明のサイジング剤は、高温により前記エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン化合物と界面活性剤を溶融させ、均一に混合した後で、界面活性剤の曇点(cloud point)温度まで降温し、さらにゆっくりと水に滴下すると、均一に乳化して分散されるサイジング剤が得られる。
【0063】
いくつかの適用例において、サイジングプロセスの従来技術と設備により、前記サイジング剤は、炭素繊維基材に均一に付着でき、炭素繊維材料を形成する。例として、含浸方式により炭素繊維基材のサイジングを行うことができる。炭素繊維基材は、サイジング剤を含む浸漬槽に浸漬され、ゴデットローラーにより表面にすでにサイジング剤が含浸された炭素繊維基材を搬送する。次に、水を効果的に除去するとともに、サイジング剤の熱反応を防ぐように、100℃~250℃の温度で乾燥工程を行う。乾燥工程を行った後で、本発明の炭素繊維材料が得られる。乾燥工程は、熱風乾燥、熱ローラー接触乾燥、赤外線加熱乾燥、他の適切な乾燥技術、及び/又は上記の技術の任意の組み合わせにより行われてもよい。
【0064】
製造された炭素繊維材料において、そのサイジング率は、0.1重量%~5重量%であり、且つ好ましくは、0.5重量%~3重量%であってよい。炭素繊維材料のサイジング率が前記範囲にある場合、サイジング剤は、炭素繊維材料に良好な吸湿性、寸法変化率、集束性、耐摩耗性と後の加工性を与えることができ、且つ炭素繊維材料の樹脂基材に対する含浸性を向上させ、樹脂基材との結合性を向上させ、更に製造された複合材料の性質を改善することができる。このいくつかの適用例において、本発明サイジング剤を含む炭素繊維材料は、70℃、且つ湿度が85%RHの環境に置かれ、且つ少なくとも35日経た後、その吸湿率が0.05%よりも小さく、且つ更に好ましくは0.02%よりも小さくなることができ、200℃の熱処理(1日間)の後、その寸法変化率が0.05%よりも小さく、且つ更に好ましくは0.02%よりも小さくなることができる。また、少なくとも6カ月放置後、製造されたサイジング剤は、依然として良好な分散性を有するため、乳化安定性に優れている。
【0065】
他の適用例において、サイジングプロセスで製造された炭素繊維材料は、更に樹脂基材と混錬して、複合材料が得られる。炭素繊維材料は、樹脂基材に均一に分散することができる。炭素繊維基材の表面に覆われるサイジング剤により、炭素繊維材料は、樹脂基材と良好な結合性を有し、複合材料の特性を向上させることができる。
【0066】
以下、実施例により本発明の適用を説明するが、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、各種の変更や修正を加えることができる。
【0067】
(合成例)
【0068】
窒素ガス雰囲気において、40グラムのポリフェニレンオキシド(PPO)を90℃のトルエンに溶解し、4グラムのジシクロペンタジエンノボラック樹脂(Dicyclopentadiene Phenol Novolac;DCPDNO)を加えた。そして、4グラムの過酸化ベンゾイル(Benzoyl Peroxide;BPO)をゆっとりと滴下し、反応させた。3時間の反応後、室温まで降温し、メタノールで精製して、淡黄色の沈殿物が得られた。次に、Na2CO3により過剰なBPOを除去し、110℃で真空脱水を行って、下記化学式(III)に示すジシクロペンタジエン化合物が得られた。R1とR2は水素原子を示し、且つR3は前記式(I-3)に示す官能基を示し、mはBPO分子の繰り返し単位の数を示し、mは1~5を示す。
【0069】
【0070】
(サイジング剤と炭素繊維材料の調製)
【0071】
<実施例1>
【0072】
30重量部のエポキシ化合物(A-1)、2重量部のジシクロペンタジエン化合物(B-1)、4.8重量部の界面活性剤(C-1)と1.6重量部の界面活性剤(C-4)を、融点を超えるように加熱し、IKAミキサーで混合した。均一に混合した後、界面活性剤(C-1)の曇点温度まで降温した。そして、5000rpm~10000rpmの回転速度に調整し、2時間内に61.6重量部の水をゆっとりと滴下して、実施例1のサイジング剤が得られた。
【0073】
更に、前記説明、及びサイジングプロセスの従来技術と設備に従って、炭素繊維基材(12000本の単束繊維を含む。単束繊維の強度が約4900 MPa、その弾性率が250 GPaである)を、サイジング剤を含む浸漬槽に浸漬し、ゴデットローラーにより表面にすでにサイジング剤が含浸された炭素繊維基材を搬送した。次に、100℃~250℃の温度で乾燥工程を行って、巻くことで実施例1の炭素繊維材料が得られた。
【0074】
実施例1で製造された炭素繊維材料において、長さが1メートルの炭素繊維材料サンプルを取り、その重量(W11)を測量した。そして、この炭素繊維材料サンプルを450℃のオーブンに置いた。20分間後、取り出して温度を6分間回復させて、重量(W12)を測量し、下記数式(1)により、実施例1の炭素繊維材料のサイジング率を算出した。実施例1の炭素繊維材料のサイジング率は、0.8重量%~1.2重量%であった。
【0075】
【0076】
また、実施例1で製造されたサイジング剤と炭素繊維材料は、それぞれ後記の粒径、移動速度、吸湿率、寸法変化率と層間せん断強度(Interlaminar Shear Strength;ILSS)の評価方式により評価され、且つ評価結果は表1に示された。
【0077】
<実施例2>~<実施例20>
【0078】
実施例2~実施例20は、実施例1のサイジング剤と炭素繊維材料と同じ調製方法を使用したが、サイジング剤における原料の種類及び使用量を変えたことで異なり、その処方及び評価結果はそれぞれ表1に示す通りであり、ここで繰り返して説明しない。実施例2~実施例20の炭素繊維材料のサイジング率は、何れも0.8重量%~1.2重量%に制御された。
【0079】
【0080】
<比較例1>
【0081】
36重量部のロジンエステル(Harima Chemicals会社製、且つ型番がHARITACK SE10の市販品)及び4重量部の界面活性剤(Dai-ichi Kogyo Seiyaku(登録商標)会社製、且つ型番がNOIGEN(登録商標) EA-167の市販品)を90℃に加熱し、80重量部の水を添加して混合し、分散体を形成した。そして、不揮発性成分を30重量%含むポリウレタン樹脂水性分散体(Dai-ichi Kogyo Seiyaku(登録商標)会社製、且つ型番がEX 300の市販品)を200重量部加えた。次に、不揮発性成分が20重量%となるように水を加えて、比較例1のサイジング剤が得られた。後記の評価方式によれば、比較例1のサイジング剤の粒径が187nm、且つ移動速度が28.0%/hであった。
【0082】
実施例1の炭素繊維材料と同じ調製方法を使用して、比較例1の炭素繊維材料が得られた。後記の評価方式によれば、比較例1で製造された炭素繊維材料の吸湿率は0.3%、寸法変化率は0.23%、且つILSSは7.2kgf/mm2であった。
【0083】
<比較例2>
【0084】
25重量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学会社製、且つ型番がJER 1001の市販品、そのエポキシ当量が475g/eq)、25重量部のポリオキシプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学会社製、且つ型番がAPG-400の市販品、その(メチル)アクリロイル当量が268g/eq)、35重量部のポリエステル樹脂(特許公開番号TW 202014576Aに記載の製造例14で製造されたポリエステル樹脂)及び15重量部の非イオン性界面活性剤(Solvay(登録商標)会社製、且つ型番がSoprophor(登録商標)796/Pの市販品)を60℃に加熱した。30分間溶解した後で、6時間をかけて水を添加して、比較例2のサイジング剤(水分散濃度が40重量%)が得られた。後記の評価方式によれば、比較例2のサイジング剤の粒径が210nmであり、且つ移動速度が29.4%/hであった。
【0085】
実施例1の炭素繊維材料と同じ調製方法を使用して、比較例2の炭素繊維材料が得られた。後記の評価方式によれば、比較例2で製造された炭素繊維材料の吸湿率が0.15%であり、寸法変化率が0.15%、且つILSSが7.5kgf/mm2であった。
【0086】
(評価方法)
【0087】
(1.粒径)
【0088】
実施例1~実施例20と比較例1及び比較例2のサイジング剤の粒径(Dv50)は、Brookhaven会社製、且つ型番がNanobrook Omniの機器により測量された。
【0089】
(2.移動速度)
【0090】
実施例1~実施例20と比較例1及び比較例2のサイジング剤の移動速度は、LUM会社製、且つ型番がLUMiSizer(商標) 651の機器により測量されて、サイジング剤の透過度の変化により乳化粒子の移動速度を計算して、サイジング剤の乳化安定性を評価することができる。測量結果によれば、移動速度が遅ければ遅いほど、サイジング剤の乳化安定性がよくなり、且つ移動速度が30%/hよりも小さい場合、サイジング剤の保存時間は6カ月を超えることができる。
【0091】
(3.吸湿率)
【0092】
サイジング剤が被覆されない炭素繊維基材のセグメントを取り、その重量(W21)を測量した。各実施例と比較例のサイジング剤を被覆した後、長さが同じ炭素繊維材料を取り、その重量(W22)を測量した。取られた炭素繊維基材と炭素繊維材料を温度が70℃、且つ湿度が85%RHの恒温恒湿環境ボックスに置かれ、少なくとも35日間経た後、それぞれ炭素繊維基材の重量(W23)と炭素繊維材料の重量(W24)を測量し、下記数式(2)により、各実施例と比較例で製造された炭素繊維材料の吸湿率を算出することができる。
【0093】
【0094】
(4.寸法変化率)
【0095】
長さが5センチメートルの各実施例と比較例で製造された炭素繊維材料を取り、ノギスでワイヤ幅(D1)を測量した。それを200℃のオーブンに入れ、1日間熱処理した後、熱処理後のワイヤ幅(D2)を測量し、下記数式(3)により、各実施例と比較例で製造された炭素繊維材料の寸法変化率を算出することができる。
【0096】
【0097】
(5.層間せん断強度)
【0098】
各実施例と比較例で製造された炭素繊維材料に対してUD(Uni-Directional)プリプレグ処理を行って、厚さが3ミニメートルの積層板を形成し、米国材料試験協会(ASTM)の第D-23445の標準方法により積層板の層間せん断強度を測量し、サイジング後の炭素繊維材料と市販のエポキシ樹脂との結合性を評価することができる。
【0099】
表1に示すように、本発明のサイジング剤の移動速度は、何れも30%/hよりも小さいので、良好な乳化安定性を有し、優れた安定性と操作性を有する。なお、サイジング剤の乳化液滴の粒径は、何れも220nmよりも小さいので、均一に炭素繊維基材に付着され、製造された炭素繊維材料の特性を効果的に改善することができる。実施例1~実施例20で製造された炭素繊維材料において、長時間の高温高湿環境下で、炭素繊維材料の吸湿率は何れも0.05%よりも小さいので、吸湿による炭素繊維の接着を効果的に抑制でき、更にその操作性を向上させ、炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性を改善する。また、高温熱処理後、本発明で製造された炭素繊維材料は低い寸法変化率をも有する。次に、層間せん断強度の評価結果によれば、比較例に比べると、各実施例で製造された炭素繊維材料は高いせん断強度があるので、本発明のサイジング剤組成物は炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性を効果的に向上させることができる。
【0100】
これにより、本発明のサイジング剤組成物で製造されたサイジング剤は、炭素繊維材料の吸湿率、集束性と高温の寸法変化率を効果的に改善することができ、炭素繊維材料と樹脂基材との間の結合性を向上させ、更に製造された複合材料の特性を向上させることができる。
【0101】
本発明は実施形態を前記の通りに開示したが、これは本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。