(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088891
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】視覚検査及びトレーニング装置
(51)【国際特許分類】
A61H 5/00 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
A61H5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022199570
(22)【出願日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】110146764
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】111117549
(32)【優先日】2022-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522486601
【氏名又は名称】▲ホアン▼微晴
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ホアン▼宣瑜
(72)【発明者】
【氏名】葉上民
(72)【発明者】
【氏名】陳雅郁
(72)【発明者】
【氏名】李佳榮
(72)【発明者】
【氏名】李企桓
(72)【発明者】
【氏名】郭▲チー▼東
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善された、視覚検査及びトレーニング装置を提供する。
【解決手段】視覚検査及びトレーニング装置200は、メインハウジング31を有し且つユーザーの頭に装着されるのに適し、ユーザーの両目の前に配置されるように構成された装着ユニット3と、離間してメインハウジング内に配置されると共に、それぞれ内側スペースを定義する管状部材412を有するレンズキャリア41と、内側スペース内に配置される回転レンズ保持アセンブリ44と、回転レンズ保持アセンブリ内に同軸的に配置される2つのプリズム45と、プリズムから離間するように内側スペース内に配置される焦点距離調整レンズ43と、回転レンズ保持アセンブリに接続されてプリズムと共に回転駆動する駆動手段46と、を有する2つのレンズ調整ユニット4と、を備える。制御ユニットは各レンズ調整ユニットの駆動手段に信号的に接続してこれらの作動を制御する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーに装着されるのに適する視覚検査及びトレーニング装置であって、
メインハウジングを有し、且つ、前記ユーザーの頭に装着されるのに適し、前記ユーザーの両目の前に配置されるように構成された装着ユニットと、
前記メインハウジング内に配置され、前記ユーザの目が目標物を見えるように左右方向において互いに離間する2つのレンズ調整ユニットと、
制御ユニットと、を備え、
各前記レンズ調整ユニットは、それぞれレンズキャリアと、回転レンズ保持アセンブリと、2つのプリズムと、焦点距離調整レンズと、駆動手段と、を有しており、
前記レンズキャリアは、左右方向において離間する2つの貫通孔が形成された板状部材と、1つの前記貫通孔に対応する位置から後方へ延伸するように前記板状部材に形成され、且つ、前記1つの前記貫通孔に連通し且つ前記1つの前記貫通孔と揃えられている内側スペースを画成する管状部材と、前記板状部材及び前記管状部材に接続されていると共に、他の1つの前記貫通孔に位置が対応しているサポートブラケットと、を有し、
前記回転レンズ保持アセンブリは、前記管状部材の前記内側スペース内に配置されており、
2つの前記プリズムは、前記回転レンズ保持アセンブリ内に同軸に配置され且つ前後方向において互いに離間しており、
前記焦点距離調整レンズは、前記ユーザーの両目における対応する1つの焦点距離を調整するよう、前記管状部材の前記内側スペース内に配置され且つ前記前後方向において前記プリズムから離れており、
前記駆動手段は、前記サポートブラケットに装着されると共に前記回転レンズ保持アセンブリを前記2つのプリズムと共に回転駆動するように前記回転レンズ保持アセンブリに接続されており、
前記制御ユニットは、前記レンズ調整ユニットの前記駆動手段に信号的に接続され、制御信号により作動されると前記駆動手段のオペレーションを制御する、ことを特徴とする視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項2】
前記管状部材の上部に、前記内側スペースと連通し、且つ、前記板状部材の近くに配置されているカットアウト部と、前記カットアウト部を横切るように延伸する装着シートと、が形成されており、
前記回転レンズ保持アセンブリは、
前記管状部材の前記内側スペース内において、前記装着シートの前方もしくは後方にそれぞれ対応する位置に同軸に回転可能に配置されていると共に、前後方向において互いに離間し、且つ、外周面に互いに離れている複数の歯が形成されている2つの回転レンズホルダーと、
前記装着シートに回転可能に装着されていると共に、2つの前記回転レンズホルダーの前記歯と噛み合う伝動歯車と、を有しており、
前記2つのプリズムは、2つの回転レンズホルダー内にそれぞれ固定されており、
前記駆動手段は、1つの前記回転レンズホルダーに接続されていると共に、前記制御ユニットにより制御されて前記1つの前記回転レンズホルダーを回転駆動する駆動モジュールを有し、これにより前記伝動歯車を介して他の1つの前記回転レンズホルダーを逆方向に回転駆動することで、2つの前記回転レンズホルダーにそれぞれ取り付けられる2つの前記プリズムを異なる方向に回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項3】
前記駆動モジュールは、前記サポートブラケットに取り付けられるモーターアセンブリと、前記モーターアセンブリが有するシャフトに取り付けられ、且つ、前記1つの前記回転レンズホルダーが有する前記歯と噛み合う駆動歯車と、を有し、前記モーターアセンブリは前記制御ユニットにより制御されて前記駆動歯車を回転駆動することを特徴とする請求項2に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項4】
前記装着ユニットの前記メインハウジングは、左右方向において互いに離間していて前記レンズ調整ユニットがそれぞれ有する前記レンズキャリアの前記管状部材に囲まれる各前記内側スペースにそれぞれ連通する2つの挿入孔が設けられており、
前記視覚検査及びトレーニング装置は、取り外し可能に1つの前記挿入孔に挿入されるマドックスロッドをさらに有し、該マドックスロッドは対応する1つの前記レンズ調整ユニットの前記レンズキャリアの前記管状部材内において、該対応する前記レンズ調整ユニットの前記プリズムと同軸に配置されることを特徴とする請求項1に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項5】
前記回転レンズ保持アセンブリは、前記管状部材の前記内側スペース内において、同軸に回転可能に配置されていると共に、前後方向において互いに離間し、前記2つのプリズムをそれぞれ固定収容する2つの回転レンズホルダーを有しており、
前記駆動手段は、2つの前記回転レンズホルダーにそれぞれ接続される2つの駆動モジュールを有し、
各前記駆動モジュールは前記制御ユニットにより制御されてそれぞれ1つの前記回転レンズホルダーを回転駆動することにより、該回転レンズホルダー(に対応する1つの前記プリズムを回転させることを特徴とする請求項4に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項6】
各前記回転レンズホルダーの外周面に互いに離れている複数の歯が形成されており、
各前記駆動モジュールは、前記対応する1つの前記レンズ調整ユニットの前記レンズキャリアの前記サポートブラケットに取り付けられるモーターアセンブリと、前記モーターアセンブリが有するシャフトに取り付けられ、且つ、各前記前記回転レンズホルダーが有する前記歯と噛み合う駆動歯車と、を有し、前記モーターアセンブリは前記制御ユニットにより制御されて前記駆動歯車を回転駆動することを特徴とする請求項5に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項7】
前記管状部材の上部に、前記内側スペースと連通し、且つ、前記板状部材の近くに配置されているカットアウト部と、前記カットアウト部を横切るように延伸する装着シートと、が形成されており、
前記回転レンズ保持アセンブリは、
前記管状部材の前記内側スペース内において、前記装着シートの前方もしくは後方にそれぞれ対応する位置に同軸に回転可能に配置されていると共に、前後方向において互いに離間し、且つ、外周面に互いに離れている複数の歯が形成されている2つの回転レンズホルダーと、
前記装着シートに回転可能に装着されていると共に、2つの前記回転レンズホルダーの前記歯と噛み合う伝動歯車と、を有しており、
前記2つのプリズムは、2つの回転レンズホルダー内にそれぞれ固定されており、
前記駆動手段は、1つの前記回転レンズホルダーに接続されていると共に、前記制御ユニットにより制御されて前記伝動歯車を回転駆動する駆動モジュールを有し、これにより2つの前記回転レンズホルダーを同期的に異なる方向に回転駆動することを特徴とする請求項4に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項8】
前記駆動モジュールは、前記サポートブラケットに取り付けられるモーターアセンブリと、前記モーターアセンブリが有するシャフトに取り付けられ、且つ、前記1つの前記回転レンズホルダーが有する前記歯と噛み合う駆動歯車と、を有し、前記モーターアセンブリは前記制御ユニットにより制御されて前記駆動歯車を回転駆動することを特徴とする請求項7に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項9】
各前記レンズ調整ユニットは前記左右方向に沿って移動できるように前記装着ユニットの前記メインハウジングに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項10】
前記装着ユニットは前記メインハウジングの後方に配置されてユーザーの両目を囲んで遮蔽する目遮蔽ハウジングを更に有しており、
前記メインハウジングには、それぞれ上下方向に沿って該メインハウジングを貫通し、且つ、前記左右方向に沿って延伸する2つのスロットが形成されており、
各前記レンズ調整ユニットは、前記管状部材の底側から延伸して対応する1つの前記スロットから出る突起部と、前記突起部の底側から後方へ水平に延伸する操作部と、が形成される調整部材を更に有し、
前記操作部は、操作されて前記突起部を対応する1つの前記スロットに沿って左右方向に移動して前記レンズキャリアを前記メインハウジングに対して同期的に左右方向に駆動できることを特徴とする請求項9に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項11】
前記メインハウジングは、前後方向に沿って貫通し、且つ、2つの前記レンズ調整ユニットにそれぞれ対応する2つの第1の観察孔が形成されるメイン前壁と、前記メイン前壁の周縁から後方へ延伸し、後方に向かって開口する装着スペースを前記メイン前壁と共に囲むメイン包囲壁と、を有するように構成されており、
前記目遮蔽ハウジングは、前記メイン包囲壁の後側に接続することにより、前記装着スペースの前記開口を遮蔽する目遮蔽前壁と、前記目遮蔽前壁の後側から後方へ延伸してユーザーの両目を包囲する目遮蔽包囲壁と、を有するように構成されており、
前記目遮蔽前壁には、2つの前記レンズ調整ユニットにそれぞれ対応するように前後方向に沿って該目遮蔽前壁を貫通する2つの第2の観察孔が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【請求項12】
前記焦点距離調整レンズは凸レンズであることを特徴とする請求項1に記載の視覚検査及びトレーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月14日に出願された台湾特許出願第110146764号及び2022年5月10日に出願された台湾特許出願第11117549号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は人間の目の視覚検査及びトレーニング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
デジタルマルチメディア電子製品を長時間に近距離で読んだり使用したりすると、明視距離を調整する目の毛様体筋(内眼筋)の緊張状態が長く続き、そのような攣縮状態が解けにくくなって、遠くを見るとぼやけるようになり、そして屈折状態は通常より多くの近視を引き起こす。このような毛様体筋の攣縮による近視は、仮性近視と呼ばれる。
【0004】
上記問題を改善するため、現在の業界では、目のトレーニング装置を市場に提供していて、このようなトレーニング装置は、ユーザーの頭部に着用可能で、ユーザーの両目にそれぞれ対応する2つのトレーニングモジュールを有する。各トレーニングモジュールはディオプトリが異なる複数のレンズと、作動されると1つの前記レンズをユーザーの片方の目に並ぶように配置できる電子シフトメカニズムとを有する。ディオプトリが異なるレンズを切り替えて提供することによって、このディオプトリの変化を利用して目の筋肉を強制的に動かすことで、目の筋肉の調整機能を維持することができる。
【0005】
しかし、このような現在業界に使用されるトレーニング装置は、球面レンズ(spherical lens)を使用して目の筋肉の調整機能を強化するが、両眼立体視の異常によって引き起こされる視覚症状に対するトレーニングを提供することはできない。従って、現存の視覚トレーニングデバイスには改善の余地がまだ残されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は従来技術の少なくとも1つの欠点を解決できる視覚検査及びトレーニング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明において開示する視覚検査及びトレーニング装置は、ユーザーに装着されるのに適するものであり、装着ユニットと、2つのレンズ調整ユニットと、制御ユニット、を備える。前記装着ユニットは、前記ユーザーの頭に装着されるのに適し、前記ユーザーの両目の前に配置されるように構成され、且つ、メインハウジングを有する。各前記レンズ調整ユニットは、前記メインハウジング内に配置され、前記ユーザーの目が目標物を見えるように左右方向において互いに離間している。各前記レンズ調整ユニットはそれぞれレンズキャリアと、回転レンズ保持アセンブリと、2つのプリズムと、焦点距離調整レンズと、駆動手段と、を有する。
【0008】
前記レンズキャリアは、左右方向において離間する2つの貫通孔が形成された板状部材と、1つの前記貫通孔に対応する位置から後方へ延伸するように前記板状部材に形成され、且つ、前記1つの前記貫通孔に連通し且つ前記1つの前記貫通孔と揃えられる内側スペースを画成する管状部材と、前記板状部材及び前記管状部材に接続されると共に、他の1つの前記貫通孔に位置が対応しているサポートブラケットと、を有する。前記回転レンズ保持アセンブリは、前記管状部材の前記内側スペース内に配置される。2つの前記プリズムは、前記回転レンズ保持アセンブリ内に同軸に配置され且つ前後方向において離間している。
【0009】
前記焦点距離調整レンズは、前記ユーザーの両目における対応する1つの焦点距離を調整するよう、前記管状部材の前記内側スペース内に配置され且つ前記前後方向において前記プリズムから離れている。前記駆動手段は、前記サポートブラケットに装着されると共に前記回転レンズ保持アセンブリを前記2つのプリズムと共に回転駆動するように前記回転レンズ保持アセンブリに接続される。前記制御ユニットは、前記レンズ調整ユニットの前記駆動手段に信号的に接続され、制御信号により作動されると前記駆動手段のオペレーションを制御する。
【0010】
本開示の他の特徴や利点は以下において添付の図面を参照した実施例に対する詳しい説明により明らかになる。なお複数の特徴は比率に応じて図示されてないことに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明において開示する視覚検査及びトレーニング装置の第1の実施例の斜視図である。
【
図2】第1の実施例の他の視角の一部斜視図である。
【
図3】ストラップを有さない第1の実施例の分解斜視図である。
【
図6】第1の実施例におけるレンズキャリアの斜視図である。
【
図8】
図7に類似するが、2つのレンズ調整ユニットが装着ユニットに対して左右方向において互いに反対するように移動した図である。
【
図9】第1の実施例の模式図であり、各レンズ調整ユニットの2つのプリズムが0プリズムディオプトリ状態に配置される様子が示されている。
【
図10】
図9に類似するが、各レンズ調整ユニットの2つのプリズムがベースイン(BI)状態に回転した相対位置が示されている。
【
図11】
図9に類似するが、各レンズ調整ユニットの2つのプリズムがベースアウト(BO)状態に回転した相対位置が示されている。
【
図12】本開示の第2の実施例の視覚検査及びトレーニング装置の一部斜視図である。
【
図13】
図12に類似するが、装着ユニットの挿入孔からマドックスロッドが取り外された様子が示されている。
【
図16】第2の実施例の模式図であり、左側のレンズ調整ユニットにおける2つのプリズムが0プリズムディオプトリ状態に配置され、右側のレンズ調整ユニットにおける2つのプリズムがベースイン(BI)状態に配置される様子が示されている。
【
図17】
図16に類似するが、右側のレンズ調整ユニットにおける2つのプリズムがベースアウト(BO)状態に配置される様子が示されている。
【
図18】
図16に類似するが、右側のレンズ調整ユニットにおける2つのプリズムの底部が左右方向において互いに反対する様子が示されている。
【
図19】
図15に類似するが、第2の実施例の別形態が示されている。
【
図20】
図14に類似するが、第2の実施例の他の1つの別形態が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示についてより詳しく説明する前に、適切と考えられる場合、参照符号もしくは参照符号の末尾部分が、対応するまたは類似の要素を示すために図面間で繰り返され、これらは類似する特徴を選択的に有する可能性があることに留意されたい。
【0013】
図1~
図3に示されるように、本発明に開示される第1の実施例の視覚検査及びトレーニング装置200は、ユーザーの頭に装着されるのに適し、両眼融合立体視能力のテストや、ユーザーの両目の周りの筋肉の収縮訓練、そしてユーザーの両目の眼球回転運動訓練に適している。更に、この視覚検査及びトレーニング装置200は、(図示されていない)電子装置と無線通信することにより、該電子装置から便利に無線制御を受けることができる。該電子装置の例としては、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマートメガネ、もしくは通常のコンピュータなどを挙げることができるが、これらに限られない。
【0014】
この視覚検査及びトレーニング装置200は、装着ユニット3と、装着ユニット3に配置される2つのレンズ調整ユニット4と制御ユニット5とを備える。
【0015】
装着ユニット3は、ユーザーの両目の前に配置される状態でユーザーの頭に装着されるのに適するように構成され、且つ、メインハウジング31と、メインハウジング31の後ろ側においてユーザーの両目を囲んで遮蔽する目遮蔽ハウジング32と、弾性的伸縮変形可能であると共に、両端が目遮蔽ハウジング32の左右両側にそれぞれ接続されるストラップ33と、を有する。
【0016】
メインハウジング31は、実質的に長方形であるメイン前壁312と、メイン前壁312の周縁から後方へ延伸するメイン包囲壁314と、左右方向において互いに離間し、且つメイン包囲壁314の内表面に直交するように接続されてそれぞれ上端部と下端部とを有する2つの支持壁316と、を有する。メイン前壁312とメイン包囲壁314とは共に後方に向かって開口する装着スペース310を画成する。支持壁316は装着スペース310を左右方向に離間する2つのスペースセクション311に仕切る。ちなみに、支持壁316を省略することも可能である。メイン前壁312には、それぞれ前後方向に沿って該メイン前壁312を貫通して2つのスペースセクション311に連通する2つの第1の観察孔313が形成されている。メイン包囲壁314の下部には、メイン前壁312の下端縁に隣接する位置において上下方向に沿って延伸し、且つ、左右方向に沿って延伸して各スペースセクション311にそれぞれ連通する2つのスロット315が形成されている。
【0017】
目遮蔽ハウジング32は、長方形に形成され且つメイン包囲壁314の後側に接続されて装着スペース310を遮蔽する目遮蔽前壁321と、目遮蔽前壁321の後側から後方へ延伸してユーザーの両目を包囲する目遮蔽包囲壁323と、が形成されている。目遮蔽前壁321は、各第1の観察孔313の反対側において前後方向に沿って延伸して各スペースセクション311にそれぞれ連通する2つの第2の観察孔322を有する。
【0018】
図4と
図5を
図3と合わせて参照すると、各レンズ調整ユニット4はメイン前壁312と目遮蔽前壁321との間において、各スペースセクション311にそれぞれ配置され、且つ、左右方向に沿って各スペースセクション311内で移動可能に配置されている。各レンズ調整ユニット4は、互いに対称且つ鏡像であるので、以下では説明の便宜のため1つのレンズ調整ユニット4のみについて詳しく説明する。
【0019】
各レンズ調整ユニット4は、レンズキャリア41と、調整部材42と、焦点距離調整レンズ43と、回転レンズ保持アセンブリ44と、2つのプリズム45と、駆動手段46と、を有する。レンズキャリア41は対応する1つのスペースセクション311内において左右方向に沿って移動可能に配置されている。
図6に示されるように、レンズキャリア41は左右方向において離間する2つの貫通孔410が形成される板状部材411と、管状部材412と、サポートブラケット413と、を有する。管状部材412は板状部材411の1つの貫通孔410に対応する位置から後側へ延伸し、且つ、該1つの貫通孔410に対応するように連通する内側スペース4121を画成する。この実施例において、管状部材412には前後方向に沿って離間する3つの環状溝4124(
図4と
図6参照)が形成され、各環状溝4124はそれぞれ管状部材412の内表面から凹陥して内側スペース4121に連通する。管状部材412の上部は内側スペース4121に連通するカットアウト部4122と、カットアウト部4122を横切るように延伸する装着シート4123と、を有するように形成されている。サポートブラケット413は板状部材411及び管状部材412に接続されていると共に、管状部材412に反対する方向に面し、且つ、他の1つの前記貫通孔410に対応して配置されている2つの支持アーム4131を有する。
【0020】
図7と
図8と
図4に示されるように、調整部材42は突起部421と操作部422とを有する。突起部421は板状部材411に近接して管状部材412の底側から延伸して対応する1つのスロット315から出るように形成されている。操作部422は突起部421の底側から後方へ水平に延伸し、且つ、メイン包囲壁314の直下に配置されている。操作部422は操作されることによりスロット315に対応して突起部421を左右方向に移動させることができる。
【0021】
焦点距離調整レンズ43は管状部材412が有する環状溝4124の内の管状部材412の後端に隣接する1つの環状溝4124に配置され、且つ、1つの第1の観察孔313及び該第1の観察孔313に対応する1つの第2の観察孔322との間に配置されている。焦点距離調整レンズ43はユーザーの両目のうちの対応する一方の目の焦点距離を、対応する目の前方の所定の距離に調整するように用いられる。この実施例において、焦点距離調整レンズ43は凸レンズ(convex lens)である。正常な視力を持つ人間にとって、焦点距離調整レンズ43が+2.5Dの凸レンズである場合、焦点距離はおよそ目の前の40センチの距離に調整され、そして焦点距離調整レンズ43が3.3Dの凸レンズの場合、焦点距離はおよそ目の前の30センチの距離に調整される。
【0022】
図3~
図5に示されるように、回転レンズ保持アセンブリ44は管状部材412の内側スペース4121内に配置されていると共に、焦点距離調整レンズ43の前方側に位置している。回転レンズ保持アセンブリ44は2つの回転レンズホルダー441と伝動歯車442とを有する。2つの回転レンズホルダー441は管状部材412の内側スペース4121内に同軸に回転可能に配置されている。具体的には、2つの回転レンズホルダー441は管状部材412の他の2つの環状溝4124内にそれぞれ配置され、装着シート4123の前方側と後方側にそれぞれ位置している。各回転レンズホルダー441はいずれも実質的に円形であり、外周面に互いに間を開けている複数の歯が形成されている。伝動歯車442は回転可能に装着シート4123に取り付けられ、且つ、各回転レンズホルダー441がそれぞれ有する歯と噛み合う。これにより各回転レンズホルダー441は伝動歯車442により駆動されて同期的に異なる方向に回転する。
【0023】
2つのプリズム45はそれぞれ2つの回転レンズホルダー441内に固定されている。この実施例において、2つのプリズム45は同じディオプトリを有する垂直方向プリズムであるが、それらの底部は互いに反対に配置されている(
図9参照)。説明の都合上、
図9~
図11においては、各プリズム45にそれぞれ台形パターン902が表示されてその厚さを表現すると共に、台形パターン902の底部はプリズム45の底部に対応する。これらのプリズム45は取り付けられる回転レンズホルダー441と共に互いに反対する方向に回転し、ベースイン (BI)(
図10参照)もしくはベースアウト(BO)(
図11参照)水平方向プリズム度数に対応する。焦点距離調整レンズ43はこれらのプリズム45の後方側に配置される(
図4参照)。
【0024】
駆動手段46はレンズキャリア41に取り付けられる駆動モジュール461を有する。駆動モジュール461は、サポートブラケット413の支持アーム4131に固定されるモーターアセンブリ463と、モーターアセンブリ463のシャフトに取り付けられて1つの回転レンズホルダー441の歯と噛み合う駆動歯車462と、を有する。モーターアセンブリ46は、制御ユニット5と信号的に接続し、制御ユニット5の制御により駆動歯車462を回転駆動することで1つの回転レンズホルダー441をレンズキャリア41に対して回転させる。駆動される1つの回転レンズホルダー441が回転すると、伝動歯車442を経由して他の1つの回転レンズホルダー441を逆方向に回転駆動する。2つのプリズム45は各回転レンズホルダー441によりそれぞれ回転駆動されて互いに反対する方向へ回転する。
【0025】
この実施例において、駆動手段46は駆動モジュール461を用いて1つの回転レンズホルダー441を回転駆動することにより、伝動歯車442を経由して他の1つの回転レンズホルダー441を逆方向に回転させる構成である。しかし、他の実施例では、駆動モジュール461を伝動歯車442に直接的に接続させて伝動歯車442を直接回転駆動することにより、伝動歯車442が2つの回転レンズホルダー441をそれぞれ逆方向に同期的に回転駆動する構成を採用することも可能である。更に、駆動手段46を利用して2つの回転レンズホルダー441を同期的に駆動する方法は多いため、駆動手段46の駆動モジュール461と回転レンズ保持アセンブリ44との接続関係は上記構成に限られるものではない。
【0026】
なお、注意すべきは、調整部材42は作動されてスロット315に沿って左右へ移動することで各レンズキャリア41を同期的に駆動して焦点距離調整レンズ43と回転レンズ保持アセンブリ44とプリズム45と駆動手段46とを一斉にスペースセクション311内で左右方向へ移動させることができる。
【0027】
制御ユニット5はメインハウジング31の支持壁316の間に配置され(
図3参照)、無線通信により電子装置に信号的に接続されている。制御ユニット5は該電子装置の制御信号により作動されてレンズ調整ユニット4の駆動手段46の駆動モジュール461の動きを制御する。回転レンズ保持アセンブリ44の回転レンズホルダー441を駆動して2つのプリズム45を互いに反対する方向に回転させることにより、2つのプリズム45は
図9に示されるゼロプリズムディオプトリ状態から、
図10に示されるベースイン(BI)状態もしくは
図11に示されるベースアウト(BO)状態にすることができる。ベースイン(BI)状態では、2つのプリズム45の底部(ベース)が内側に向くことで、2つのプリズム45の底部がユーザーの鼻901に面するようになり、そしてベースアウト(BO)状態では、2つのプリズム45の底部(ベース)が外側に向くことで、2つのプリズム45の底部はユーザーの鼻901から離れるようになる。従って、2つのプリズム45は協働して例えば10BI、20BI、10BO、20BOといったベースイン(BI)もしくはベースアウト(BO)の水平方向プリズム度数を生成することができる。更に、制御ユニット5は
図1に示されるように、メインハウジング31のメイン前壁312の上延伸部3121に露出している電源スイッチ51を有する。
【0028】
ユーザーが目の試験もしくはトレーニングを目的として視覚検査及びトレーニング装置200を装着する際、各レンズ調整ユニット4の各焦点距離調整レンズ43の配置により、ユーザーは目の周りの筋肉の調整を有意に行うことなく目の前の所定距離にある目標物、例えば目の前40cmに置かれる本をリラックスしてフォーカスすることができる。更に、各レンズ調整ユニット4の各調整部材42を作動して各焦点距離調整レンズ43と各レンズ調整ユニット4の各プリズム45を左右方向に移動させてユーザーの両目に揃えさせることができる。
【0029】
視覚検査及びトレーニング装置200は電子装置によるリモート制御で各プリズム45の水平方向プリズム度数の調整を行い、目標物をよりはっきり見えるようにユーザーに眼球の回転を行わせて各目で見える影像が一つに融合される。従って、両目の両眼融合立体視能力の試験及び目の周りの筋肉のトレーニングの目的を達成できる。
【0030】
トレーニングモードを例とすると、各レンズ調整ユニット4は制御によりプリズム度数の周期的な変更を生じさせ、例えば、0プリズム度数で10BIを3秒間、0プリズム度数を3秒間、10BOを3秒間、0プリズム度数を3秒間順番に生じさせる。これにより、ユーザーの両目の眼球の内側と外側への回転を繰り返して訓練することができる。実用上、各プリズム45によって共同して生成されるプリズム度数の変更モード、変更量、そして変更の順番は、ユーザーのトレーニング需要に応じて調整することができる。
【0031】
閲読モードを例とすると、レンズ調整ユニット4に特定のBIプリズム度数を生成させることにより、ユーザーは該特定のBIプリズム度数で閲読することができるようになる。このBIプリズム度数は4BI、6BI、あるいは8BIであることが出来るが、これらに限定されず、そして閲読が終わるまでユーザーの両目を外側に向かせると共に調整されたBIプリズム度数を維持させる。
【0032】
ユーザーの両目のポジティブとネガティブ融合能力試験を例とすると、各レンズ調整ユニット4の各プリズム45はまず制御により例えばBIプリズム度数を秒間2BIのスピードで徐々に増大させるBI状態に移動させられる。このBIプリズム度数を徐々に増大させるプロセスにおいて、ユーザーの両目の融合能力は徐々に限界に到達するので、見られる目標物の影像は徐々に不鮮明になり、そして目標物影像が2つの目標物影像に変わった限界点まで進行する。それから、各プリズム45は調整により同じスピードで逆方向に移動させられて0プリズムディオプトリ状態に到達し、ユーザーが目標物を単一の影像で鮮明に見られる時のBIプリズム度数が記録されて回復点が取得される。このBIプリズム度数の融合能力試験が完了した後、各プリズム45は制御により上記試験方法に従ってBO状態に移動させられ、それにより不鮮明点と限界点と回復点が記録され、これによってBOプリズム度数融合能力試験が実行される。従って、本開示の視覚検査及びトレーニング装置200はユーザーの両目の両眼融合立体視能力の試験に使用することもできる。
【0033】
更に、他の実施例において、各レンズ調整ユニット4の各プリズム45を、それぞれの底部が左右方向において反対する側に置かれた水平方向プリズム45に置き換えることもでき、よって、2つのプリズム45は協働してベースダウン(BD)もしくはベースアップ(BU)の垂直方向プリズム度数を生成し、ユーザーの両目の上下方向における融合能力のトレーニング及び試験に使用されることもできる。
【0034】
第1の実施例において、各レンズ調整ユニット4内に各焦点距離調整レンズ43を提供する目的は、ユーザーの両目が前方の所定距離にある目標物にリラックスしてフォーカスすることができるようにして、眼球の内側もしくは外側へ回転する回転トレーニングを実行させて、ユーザーの両目の周りの筋肉をトレーニングする目的を達成できるようにするためである。しかし、他の実施例では、各レンズ調整ユニット4の各焦点距離調整レンズ43として0度数レンズを提供し、もしくは提供しなくても、ユーザーの両目の周りの筋肉の融合能力の試験もしくはトレーニングを実行する目的を同じく達成できる。更に、各レンズ調整ユニット4の焦点距離調整レンズ43は、各プリズム45の前方に配置することもできる。
【0035】
図12~
図14に、本開示の第2の実施例の視覚検査及びトレーニング装置200’が示されており、図示のように、この第2の実施例は第1の実施例に類似する構成を有するが、この第2の実施例において、各レンズ調整ユニット4が有するレンズキャリア41の管状部材412は、内表面から凹陥し、且つ互いに離間する4つの環状溝4124を有し、そして視覚検査及びトレーニング装置200’は装着ユニット3に取り外し可能に設けられたマドックスロッド6を更に有する。具体的には、装着ユニット3のメインハウジング31が有するメイン包囲壁314の上部に、左右方向において互いに離間する2つの挿入孔317がメインハウジング31のメイン前壁312に隣接する箇所に形成され、且つ、それぞれメインハウジング31のスペースセクション311(
図3参照)と、各レンズ調整ユニット4の各レンズキャリア41が有する管状部材412における内側スペース4121とにそれぞれ連通する。
【0036】
焦点距離調整レンズ43は、管状部材412が有する環状溝4124のうち管状部材412後端に隣接する一番目の環状溝4124内に配置され、そして回転レンズ保持アセンブリ44が有する各回転レンズホルダー441は互いに隣接する2番目と3番目の環状溝4124に配置されている。各挿入孔317は対応する1つのレンズ調整ユニット4のレンズキャリア41の管状部材412に形成されてメイン前壁312に隣接する4番目の環状溝4124に揃えられる。
【0037】
マドックスロッド6はいずれか1つの挿入孔317に選択的に挿入されると共に、対応する1つのレンズ調整ユニット4におけるレンズキャリア41の管状部材412に形成される4番目の環状溝4124に配置される。具体的には、マドックスロッド6は対応するレンズ調整ユニット4が有するプリズム45の前方に配置される。マドックスロッド6は選択された挿入孔317内に延伸すると共に、環状溝4124内に配置されるレンズ体61と、レンズ体61から外側へ放射するように延伸して該選択された挿入孔317から部分的に露出する操作ロッド体62と、を有する。該マドックスロッド6が装着ユニット3に挿入されて位置決めされる際、レンズ体61は対応する1つのレンズ調整ユニット4が有するプリズム45に同軸的に配置される。マドックスロッド6は従来技術において熟知されているので、その構成及び機能に関してはここでは細かく説明しない。
【0038】
図15と
図16と
図14に示されるように、第2の実施例はユーザーの頭に装着されて水平斜位試験及び斜視試験を実行することができる。水平斜位試験を実行するためには、マドックスロッド6は例えば装着ユニット3の右側の挿入孔317内に挿入されることによりレンズ体61がユーザーの右目の前に位置するようになり、点状のヴィジョンマーク(図示せず)をユーザーに投影する。それから、装着ユニット3の右側に位置するレンズ調整ユニット4における回転レンズ保持アセンブリ44が有する回転レンズホルダー441は、駆動手段46により回転駆動されてプリズム45のBIプリズム度数(
図15参照)またはBOプリズム度数 (
図16参照)を調整してユーザーが右目に外斜位もしくは内斜位症状を有するかどうかを検知する。斜視試験が実行されると、カバーテストを第2の実施例と共に使用してユーザーの両目における1つの斜視度数を計測することができる。カバーテストは視覚的検知における従来技術であるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0039】
この実施例の他の応用では、レンズ調整ユニット4は、マドックスロッド6を収容するものと想定され、各プリズム45の底部は左右方向において反対するように配置され(
図17参照)、そしてBUプリズム度数とBDプリズム度数の調整に用いられることができる。この場合、本開示は垂直斜位の症状の検知に用いられることができる。使用上、マドックスロッド6は同じように例えば装着ユニット3の右側にある挿入孔317に挿入されて対応するレンズ調整ユニット4におけるレンズキャリア41が有する管状部材412の4番目の環状溝4124内に配置され、装着ユニット3の右側にあるレンズ調整ユニット4における回転レンズ保持アセンブリ44が有する回転レンズホルダー441が駆動手段46により回転駆動されると、プリズム45のBUプリズム度数またはBDプリズム度数が調整されてユーザーが右目に垂直斜位症状を有するかどうかを検知する。
【0040】
図18と
図19に第2の実施例の別形態が示されている。このケースにおいて、焦点距離調整レンズ43は省略され、そして各レンズ調整ユニット4におけるレンズキャリア41が有する管状部材412は互いに離間する3つの環状溝4124を有する。各挿入孔317は対応するレンズ調整ユニット4が有するレンズキャリア41における管状部材412の1つの環状溝4124と揃えられる。この管状部材412の1つの環状溝4124はメイン前壁312に隣接する。回転レンズホルダーメカニズム44が有する回転レンズホルダー441は他の2つの環状溝4124にそれぞれ配置される。各プリズム45は各回転レンズホルダー441にそれぞれ収容されてそれぞれの底部は上下方向において反対する。各回転レンズホルダー441は駆動手段46の駆動モジュール461により駆動されて同期的に回転し、これにより各プリズム45はBIプリズム度数とBOプリズム度数の調整に用いられることができる。
【0041】
図20に
図19と類似する第2の実施例の他の1つの別形態が示されている。但しこのケースにおいて、各レンズ調整ユニット4の駆動手段46は2つの駆動モジュール461を有し、そして回転レンズ保持アセンブリ44における伝動歯車442(
図18参照)は省略されて2つの回転レンズホルダー441のみを有する。2つの駆動モジュール461は2つの回転レンズホルダー441にそれぞれ接続されることにより、各駆動モジュール461は制御ユニット5により個別的に制御されて各回転レンズホルダー441及びそこに配置されるプリズム45の回転を駆動する。この構成により、各プリズム45の回転及び調整はより便利となり、それらの底部が上下方向において互いに反対する場合にはBI及びBOプリズムディオプトリ状態の調整ができるようになり、あるいは各プリズム45は底部が左右方向において互いに反対する場合にはBU及びBDプリズムディオプトリ状態の調整ができるようになる。
【0042】
まとめると、本開示の視覚検査及びトレーニング装置200,200’は、各レンズ調整ユニット4の各回転レンズ保持アセンブリ44と各プリズム45と駆動手段46の構成の設計により、各レンズ調整ユニット4により生成されるプリズム度数は自動的且つ正確に調整されることが出来、そしてユーザーの目のポジティブ及びネガティブ融合能力を精確に検知することができる。更に、ユーザーの両目の筋肉のトレーニングを便利に行うことができ、外眼筋の収縮力及び目の回転能力を強化することができ、そしてトレーニングデータを精確に数値化することが出来る。
【0043】
更に、焦点距離調整レンズ43が各レンズ調整ユニット4が有するレンズキャリア41における管状部材412に装着されるので、ユーザーの目の周りの筋肉の調整力はリラックスされることが出来、従って、毛様体筋に対するプレッシャーを緩和させて目の周りの筋肉の収縮力のトレーニングを行うことができる。また、装着ユニット3の構成設計により、マドックスロッド6を装着ユニット3に配置することが出来るので、本開示は目の水平及び垂直の斜位を精確に検知することが出来、且つ斜視度数を計測することができる。従って、本開示の視覚検査及びトレーニング装置200,200’は比較的に便利で実用的であり、本開示の目的を確実に達成することが出来る。
【0044】
上記の説明では、説明の目的のために、数々の特徴が実施例に対する全般的な理解を提供するために述べられた。しかし、当業者にとって、他の1つもしくは更に多くの実施例が上記の一部の特徴を有しなくても実施可能であることは明白である。また、本明細書における「一つの実施例」、「一実施例」を示す説明において、序数などの表示を伴う言及は全て、特定の態様、構造、または特徴が以下の実施に含まれ得ることを意味することも理解されたい。更に、本明細書では、開示を簡素化し、さまざまな発明の態様の理解を助ける目的で、さまざまな特徴が単一の実施例、図、またはその説明にグループ化されることがあることにさらに理解されたい。これは、これらの機能のすべてを、他のすべての機能とともに実践する必要があることを意味しない。言い換えれば、説明された任意の実施例において、1つまたは複数の機能または特定の詳細の実施が別の1つまたは複数の機能または特定の詳細の実施に影響を及ぼさない場合、前記1つまたは複数の機能は選択され、前記別の1つもしくはより多くの機能または特定の説明なしで単独で実施されてもよい。さらに、本開示の実施において、適切な場合、1つの実施例からの1つまたは複数の特徴または特定の詳細が、別の実施例からの1つまたは複数の特徴または特定の詳細とともに実施され得ることに留意されたい。
【0045】
本開示は、例示的な実施例と考えられるものに関連して説明したが、本開示は、開示された実施例に限定されず、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な配置または修正をカバーすることを意図していることを理解されたい。
【外国語明細書】