(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008894
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】アミノ酸系界面活性剤を含むクレンジングフォーム化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20230112BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q19/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103888
(22)【出願日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0087318
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】513160763
【氏名又は名称】コルマー コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOLMAR KOREA CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Kolmar Korea, 12-11, Deokgogae-gil, Jeonui-myeon, Sejong, 30004, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】317004209
【氏名又は名称】シンセゲ インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ソン,アム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン キョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ソク
(72)【発明者】
【氏名】ベ,イ ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュン オ
(72)【発明者】
【氏名】ハン,サン クン
(72)【発明者】
【氏名】ベク,ソ ユン
(72)【発明者】
【氏名】リ,カン テ
(72)【発明者】
【氏名】モク,ソ ヒョン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC131
4C083AC172
4C083AC212
4C083AC661
4C083AC662
4C083AD111
4C083AD242
4C083BB05
4C083BB47
4C083BB51
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD22
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE07
4C083FF04
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、皮膚刺激がなくマイルドな使用感を有するクレンジングフォーム化粧料組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明は、アミノ酸系界面活性剤を含むクレンジングフォーム化粧料に関し、さらに詳しくは、非イオン性又は両性の界面活性剤を使用しないながら、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ナトリウムココイルグリシネート及びカリウムココイルグリシネートのみからなるアミノ酸系界面活性剤を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、(B)ナトリウムココイルグリシネート及び(C)カリウムココイルグリシネートからなるアミノ酸系界面活性剤を含むことを特徴とする、クレンジングフォーム化粧料組成物。
【請求項2】
クレンジングフォーム化粧料の総重量に対して、前記(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム7~25重量%、(B)ナトリウムココイルグリシネート7~25重量%及び(C)カリウムココイルグリシネート1~5重量%を含むことを特徴とする、請求項1に記載のクレンジングフォーム化粧料組成物。
【請求項3】
(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、(B)ナトリウムココイルグリシネート及び(C)カリウムココイルグリシネートの重量比が7:7:1~13:13:1.4の範囲から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のクレンジングフォーム化粧料組成物。
【請求項4】
(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、(B)ナトリウムココイルグリシネート及び(C)カリウムココイルグリシネートの重量比が10:10:1.4であることを特徴とする、請求項3に記載のクレンジングフォーム化粧料組成物。
【請求項5】
水、酸化防止剤、保湿剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のクレンジングフォーム化粧料組成物。
【請求項6】
前記前記保湿剤は、グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、1,2-ペンタンジオール及び1,2-ヘキサンジオールからなる群から選択されるいずれか1つ以上一つであることを特徴とする、請求項5に記載のクレンジングフォーム化粧料組成物。
【請求項7】
前記組成物がクリーム状又はペースト状である、請求項1~6のいずれか一項に記載のクレンジングフォーム化粧料組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のクレンジングフォーム化粧料組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸系界面活性剤を含むクレンジングフォーム化粧料組成物に関し、より具体的には、非イオン性又はイオン性の界面活性剤を使用しないながら、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ナトリウムココイルグリシネート及びカリウムココイルグリシネートのみからなるアミノ酸系界面活性剤を含むことを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
一般的にクレンジング剤は、皮膚の清潔のために使用される一般的な化粧料として、皮膚表面の汗や皮脂、ほこり、老化した角質などの各種老廃物及びメイクアップ残渣、その他汚染物質を除去して肌 の状態をしっとりと健康に保ってくれることを指す。
【0003】
主に皮膚を洗い流すのに使われる洗浄剤として石鹸を使用することが多かった。しかし、石鹸は、pHが9~10程度の強アルカリ性で軟弱な肌に刺激を与えることができる。なお、ほとんどの石鹸は、肌の保湿成分が少なく含まれており、きれいな洗浄のためにのみ作られているため、乾燥肌に使用すると肌の張りや肌の荒れが現れることがある。
【0004】
このような通常の石鹸の欠点を補完したのがクレンジングフォームである。それで、クレンジングフォームは、主に顔のような敏感な肌の洗顔用に開発されており、大体にpHがより低く(主に、中性又は弱酸性である)、保湿成分を含有している。
【0005】
従来使用されている界面活性剤は、原油を採取して数回の工程を経て作られた石油系界面活性剤がほとんど主種をなしており、このような石油系界面活性剤は環境汚染問題及び人体安定性の問題を引き起こすことが知られている。すなわち、皮膚に吸収されると、皮膚保護膜を破壊することもでき、かゆみや皮膚炎を発生させることができ、長期間にわたって繰り返し露出すると、脱毛やアレルギー、アトピー免疫低下などを引き起こすこともできる。したがって、これらの問題に起因して石油系界面活性剤を置き換えるための環境に優しい生体界面活性剤の開発に関する研究が盛んに行われているトレンドである。
【0006】
生体界面活性剤は、広範囲の適用範囲を有する微生物によって生成される界面活性生体分子として定義されてきたが、最近では再生可能な天然植物原料を使用して作られた全ての界面活性剤を含むと定義されている。
【0007】
アミノ酸は、優れた生分解性と界面エネルギーを効率的に下げることができる界面活性を有するため、界面活性剤の合成にしばしば使用されていた。アミノ酸を用いて合成したアミノ酸系界面活性剤は、優れた生体適合性、多機能性、非毒性及び非刺激性の特性を有しており、水中生物に無害であり、かつ生分解性に優れた長所を有している。なお、n アシルアミノ酸(n-acyl amino acid)系界面活性剤を含む多くのアミノ酸系界面活性剤は、疾病を引き起こす微生物に対する殺菌力も有していることが知られている。
【0008】
しかしながら、アミノ酸系界面活性剤は、基本的にアミン基とカルボキシル基の2つの官能基を有するが、これらのアミノ酸系化合物は一般に高級脂肪酸又は高級アルコールとの反応性が低いため、多量の未反応物が残留すると報告されていた。なお、未反応脂肪酸を除去するための追加工程が必要となって経済的に大きな利点を有していないのが実情である。そこで、ココナッツオイルなどのような天然由来の原料として使用してアミノ酸系アニオン生体界面活性剤を合成する方法が研究されている。
【0009】
一方、一般的なアミノ酸系界面活性剤は、皮膚に優しく生分解性に優れている利点がありはするものの、泡が起きるフォーミング能力部分や汚染物質を除去する洗浄力が十分でない欠点もある。
【0010】
このように洗浄力が低下する欠点を解決するために、多様なアミノ酸系界面活性剤に合成界面活性剤又は両性界面活性剤などを共に混合して使用する研究が多数ある(下記の特許文献1~5)。場合によっては、各界面活性剤の混合割合によって気泡力(バブル力)又は洗浄力(濯ぎ)などが異なるようになる。
【0011】
その他にも、非イオン性界面活性剤をさらに使用することもあるが、これは可溶化及び乳化分散機能のためである。
【0012】
一般に、一種類の界面活性剤のみを使用するよりも、他の性質の界面活性剤を混合して使用することが互いの欠点を相互補完してくれるため、一部活用する研究方法であるが、環境に優しい問題までは解決するのは難しい側面がある。
【0013】
したがって、肌に低刺激でありながらも柔らかく、生分解性に優れている界面活性剤を使用しても気泡力や洗浄力が落ちない新しいクレンジングフォーム化粧料が要求されているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1042717号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2017-0058146号公報
【特許文献3】韓国公開特許第10-2019-0090841号公報
【特許文献4】国際公開第2017/106276号
【特許文献5】中国特許出願公開第105902411号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】イエダナン外2人,「ココナッツオイルに由来するアミノ酸系アニオン界面活性剤の合成及び界面特性研究」,Appl. Chem. Eng., Vol. 29,No. 5, October 2018, 524-532.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、皮膚刺激がなく、マイルドな使用感を有するクレンジングフォーム化粧料組成物を提供することにある。
【0017】
なお、イオン性又は非イオン性界面活性剤は全く含まれずに、環境に優しい生体界面活性剤であるアミノ酸系のみを使用して洗浄力、気泡力、気泡保持力を維持することができる剤形のクレンジングフォーム化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、本発明のクレンジングフォーム化粧料組成物は、(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、(B)ナトリウムココイルグリシネート及び(C)カリウムココイルグリシネートからなるアミノ酸系界面活性剤を含む。
【0019】
前記クレンジングフォーム化粧料の総重量に対して、前記(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム7~25%、(B)ナトリウムココイルグリシネート7~25%及び(C)カリウムココイルグリシネート1~5%を含むことを特徴とする。
【0020】
前記クレンジングフォーム化粧料の(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、(B)ナトリウムココイルグリシネート及び(C)カリウムココイルグリシネートの重量比は、10:10:1.4であることを特徴とする。必要に応じて、前記重量比は7:7:1~13:13:1.4の範囲内から選択されることもある。
【0021】
前記クレンジングフォーム化粧料は、水、酸化防止剤、保湿剤をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明の一実施形態(一実施例)によるクレンジングフォーム化粧料は、皮膚刺激がなく使用後のマイルドな使用感に優れている。
【0023】
なお、本発明は、環境にやさしいアミノ酸系界面活性剤のみを用いるため、生分解性に優れており、さらに洗浄力、気泡力及び気泡保持力においても優れた特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】3種類のアミノ酸系界面活性剤を単独及び混合で使用した場合、洗浄力を比較した図である。
【
図2】各界面活性剤の気泡生成程度を時間の経過とともに観察した図である。
【
図3】各界面活性剤を吐出した後、時間の経過とともに気泡の保持度合いを観察した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有し得るように、特定の実施形態を中心に説明したことを明らかにしておく。しかしながら、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするのではなく、本発明の技術的思想及び技術の範囲に含まれるすべての変更、均等物及び代替物を含むと理解すべきである。
【0026】
なお、本発明で使用した用語も、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。文脈上明らかに別の意味を示していると判定されない限り、技術的又は科学的用語を含んで本明細書で使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0027】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために研究努力した結果、特定の種類のアミノ酸系界面活性剤のみの組み合わせで製造されたクレンジングフォームである場合、皮膚に低刺激的で環境に優しいながら洗浄力、気泡力及び気泡保持力などにおいても優れた特性を見つけるようになった。
【0028】
アミノ酸系アニオンの界面活性剤は、老廃物と、前記老廃物を付着している被洗浄表面である頭皮や毛髪との間に浸透して老廃物の付着力を弱め、物理的な力によって容易に洗浄できるようにする。このようなアニオン界面活性剤の適切な洗浄性と気泡力は、頭皮と毛髪の老廃物を除去する重要な要素として働く。
【0029】
一般的にアミノ酸系界面活性剤は、代表的な低刺激性洗浄剤製造用の界面活性剤として広く知られており、生分解性も良好であることが知られているものの、泡がよく立たなく洗い流した後に滑りとべたつきを感じる場合が多く、単価が上昇する問題点を有している。
【0030】
本発明のクレンジングフォーム化粧料に使用するのに好ましいアミノ酸系界面活性剤は、目的に応じて適切に選択して使用することができる。例えば、N-アシルグルタメート類のような酸性のアミノ酸系列と、アシルグリシネート類の中性に近い弱アルカリ性のアミノ酸系列をすべて使用することができる。
【0031】
特に、天然原料から得られるラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ナトリウムココイルグリシネート及びカリウムココイルグリシネートを選択することが最も好ましい。
【0032】
前記ラウロイルグルタミン酸ナトリウム(Sodium Lauroyl Glutamate)は、ココナッツオイル又はパームオイルなどから得られ、グルタミン酸(アミノ酸)、ラウリン酸及びナトリウムに由来するアニオン界面活性剤成分である。合成界面活性剤を代替することのできる植物性成分への生分解性に優れているのが特徴である。各物質の界面に吸着してよく混じるようにする活性物質の役割を行うことで、化粧品の内部で混じない構成成分の安定化に資する。特に、肌のpHと同じ弱酸性を表す洗浄成分として広く活用され、柔らかい肌触りで仕上げをするため使用感もまた優れている。
【0033】
前記ナトリウムココイルグリシネート(Sodium Cocoyl Glycinate)とカリウムココイルグリシネート(Potassium Cocoyl Glycinate)は、pH8~9を有するココナッツの果実から抽出した植物性アミノ酸系のアニオン界面活性剤であり、天然由来成分で生分解性を有し、皮膚に刺激がほとんどなく安全である。気泡生成能力に優れていることから柔らかいクレンジングを行うことができ、柔らかい泡、高い洗浄力、しっとりした使用感を有している。
【0034】
したがって、3つの前記成分を適切に組み合わせると、高い肌安全性と使用感もまた改善され、より優秀な洗浄又は気泡効果のマイルドなクレンジングフォーム化粧料が可能となる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記アミノ酸系アニオン性界面活性剤の含有量は、全体の組成物に対して15~30重量%を占める。好ましくは20~25重量%を占める。前記アミノ酸系アニオン性界面活性剤の含有量が15重量%未満であれば泡の弾力が不足したり、皮膚刺激を緩和させる能力が低下したりする問題があり、30重量%を超えれば硬度が高くなって使用感が良くない問題がある。
【0036】
前記クレンジングフォーム化粧料の総重量に対して、前記(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム7~25重量%、(B)ナトリウムココイルグリシネート7~25重量%及び(C)カリウムココイルグリシネート1~5重量%を含むことを特徴とする。各アミノ酸系界面活性剤の重量比(A:B:C)は、10:10:1.4が最も好ましい。必要によって、前記成分の重量比は、7:7:1~13:13:1.4の範囲内でも選択することができる。
【0037】
本発明のクレンジングフォーム化粧料には、前記必須成分以外に通常化粧料に用いられる成分として、残量の精製水、酸化防止剤、美容剤、保湿剤、紫外線吸収剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲にして配合することができる。
【0038】
本発明において、洗浄後の保湿感を付与するための保湿剤として多価アルコールが含まれる。例えば、多価アルコールは、グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、1,2-ペンタンジオール及び1,2-ヘキサンジオールなどからなる群から選択されるいずれか1つ以上を使用することができるものの、これらに限定されない。
【0039】
本発明のクレンジングフォーム化粧料の製造方法は、特に限定されることはない。製造された剤形は、クリーム状又はペースト状を示す。
【0040】
以下では、本発明の好ましい実施形態に基づいてより詳細に説明する。
【0041】
実施形態. クレンジングフォーム化粧料の製造のための界面活性剤の組み合わせの特性調査
下記の表1は、3種類のアミノ酸系界面活性剤を単独及び混合で使用した場合の含量比を示す。各サンプル1~6を対象にして洗浄力、気泡力及び気泡保持力を調べた。
【0042】
【0043】
実験例1.洗浄力評価
人体腕の下膊の内側部位の横5CM×縦1CMのサイズで色が濃く持続力の高いウォータープルーフマスカラ、ウォータープルーフアイブロー、リップスティックを均一に塗布して10分放置した後、前記6つのサンプル界面活性剤(21.4% Sol.)で洗浄力テストを行った。約10MLの同じ量と同じ圧力で30回円を描きながらこすった後、ぬるま湯で洗浄して水気を除去した。
【0044】
その結果は、
図1に示すように、ウォータープルーフマスカラの場合ではほとんど全て消去されなかったが、ウォータープルーフアイブローとリップスティックの場合では、界面活性剤を単独で使用するとき(サンプル1、2、3)よりは、混合で界面活性剤(サンプル4 ,5,6)を使用するときが洗浄力が高い。特に、サンプル5の結果が最も優れた洗浄力を示す。
【0045】
実験例2.気泡力評価
前記界面活性剤サンプル1~6の1%Sol.を100vial(バイアル)容器に20gを入れ、10回上下に振り、攪拌後の気泡生成程度を、時間によって観察した。
図2に示すように、サンプル4、5番が気泡力に優れていると観察された。
【0046】
実験例3.気泡保持力評価
前記界面活性剤サンプル1~6の1%Sol.をオートフォーム容器に20gを入れ、同じく3回吐出した後、時間によってに観察した。
図3に示すように、大部分1時間後でも泡を維持したが、特にサンプル3と5番が泡の維持力に優れていると観察された。
【0047】
実験例4.剤形テスト
界面活性剤の割合による剤形の実現に対する可否を調べるために、8個を製造して比較した。前記実験例の結果に基づいて製造した実施形態(実施例)1~6と比較例1は、(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム(B)ナトリウムココイルグリシネート(C)カリウムココイルグリシネートの界面活性剤を一定の割合で変化させながら混合したものである。
【0048】
特に、3種類の前記界面活性剤の総合が15重量%~30重量%の間である場合、硬度が形成されており、特に20~25重量%の間である場合、最も好ましい硬度値が得られた。
【0049】
その中で、カリウムココイルグリシネートは、1.4%以上維持する必要があるものの、他の2種類に比べて相対的に含有量が高くなると(比較例1に該当)、最適な粘度から外れるためチューブ容器に使用しにくくなり、商業化するのに困難な問題が発生する。
【0050】
一方、アミノ酸系界面活性剤以外に他のイオン性界面活性剤(ナトリウムラウリルサルフェートとコカミドプロピルベタイン)をさらに含んで製造した比較例2は、硬度が低すぎて硬度測定が不可能であった。その代わりに粘度測定を通して確認した結果、低粘度(LV4×30 RPMで6,000)と測定された。
【0051】
すなわち、本発明では、他の性質の界面活性剤を追加して混合することが欠点を補完してやるのではなく、むしろ望む効果を半減させる働きをすることが確認できた。
【0052】
ここで、本発明が所望する剤形の硬度範囲は50~300Nであり、好ましくは50~100Nである。最も好ましい範囲は85~95Nである。
【0053】
【0054】
実験例5.皮膚刺激性評価
パネル15人を対象にして、本発明による実施形態(実施例)3及び比較例2の組成物を使用した後、皮膚刺激性を比較する実験を行った。皮膚刺激に対する実験は、各組成物を手の甲に塗布した後5分放置し、水で洗浄して仕上げをした後パネルの人が感じる刺激感を比較することで、かゆみ、紅斑、じんましん、ちくちくすることの各項目について0-5点(点数が高いほど刺激性が高い)に採点した後、その結果を下記の表3に示した。
【0055】
前記2つの組成物のすべては、全体として皮膚刺激指数が高くはなかったが、アミノ酸系界面活性剤のみを使用する実施例3の場合が、イオン性界面活性剤を追加した比較例2よりは刺激程度(特に、かゆみ)において、はるかに低いことがわかる。
【0056】