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特開2023-88953シリコン上のカラーILEDディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088953
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】シリコン上のカラーILEDディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/33 20060101AFI20230620BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230620BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230620BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20230620BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20230620BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20230620BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20230620BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 349D
G09G3/20 642K
G09G3/32 A
H01L33/00 L
H01L33/62
H01L33/48
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023041504
(22)【出願日】2023-03-16
(62)【分割の表示】P 2022000267の分割
【原出願日】2015-07-31
(31)【優先権主張番号】1413578.4
(32)【優先日】2014-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ、パドレイグ
(72)【発明者】
【氏名】オキーフ、ジョセフ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バックプレーンドライバ上に配置され、各々、画像生成器の複数の隣接画素のためのILEDエミッタを提供する複数のモノリシックILEDアレイチップのための方法および装置を提供する。
【解決手段】複数の無機発光ダイオード(ILED)アレイチップが、当該ILEDアレイチップの第1の側を通って光を放射するように構成された複数のILEDエミッタを含む、複数のILEDアレイチップと、第1の側と反対側のILEDアレイチップの第2の側で、複数の共通接点を介してILEDアレイチップに相互接続されたドライババックプレーンであって、各共通接点が、ILEDアレイチップのサブセットにおける1つの極性の複数の接点に亘っており、ILEDアレイチップのサブセットが、ILEDアレイチップのうち2つ以上の隣接するILEDアレイチップを含む、ドライババックプレーンとを備える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイで使用するための画像生成器を製造する方法であって、
同一波長を有する光を生成するように構成された複数のILEDエミッタを備え、複数
の波長のうちの1つを有する光を生成するようにそれぞれ構成された個別の複数のILE
Dアレイチップを製造すること、
隣接するチップの複数のILEDエミッタがディスプレイの画素を形成するように前記
個別の複数のILEDアレイチップをキャリア基板上に配置すること、
前記複数のILEDアレイチップの電気接点がドライババックプレーンと電気的に導通
されるように前記複数のILEDアレイチップの第1面を前記ドライババックプレーンに
ボンディングすることを備え、前記ドライババックプレーンが前記ILEDアレイチップ
を駆動するための電子制御回路を備える、方法。
【請求項2】
第1の波長を有する光を放射するように構成されたILEDアレイチップが第1の工程
で前記キャリア基板上に配置され、第2の波長を有する光を放射するように構成されたI
LEDアレイチップが第2の工程で前記キャリア基板上に配置される、請求項1に記載の
方法。
【請求項3】
前記ドライババックプレーンは、シリコンウェハ、TFTバックプレーン、または他の
ILEDドライバ電子制御回路によって形成されている、請求項1または2に記載の方法
【請求項4】
前記キャリア基板を取り除くことをさらに備える請求項1~3のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項5】
前記キャリア基板は実質的に透過性を有し、前記ILEDアレイチップの発光面は前記
キャリア基板に面しており、前記ILEDアレイチップの電気接点は前記ILEDアレイ
チップの前記発光面とは反対側に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記キャリア基板は前記画像生成器用のカバーガラスである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記キャリア基板は、ガラス、プラスチック材料、または他の透過性材料からなる、請
求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記キャリア基板は可撓性または剛性を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項9】
前記キャリア基板は、前記画像生成器から発光した光を扱うように構成された1つまた
は複数の光学部品を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のILEDアレイチップは、接着剤または透過性を有する接着剤を用いて前記
キャリア基板に接合される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のILEDアレイチップは、赤色光、緑色光、または青色光を生成するように
構成された少なくとも1つのILEDアレイチップを備える、請求項1~10のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のILEDアレイチップを、三角形、四角形、六角形、またはテッセレーショ
ン可能な他の幾何学形状を有するように形成することをさらに備える請求項1~11のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のILEDエミッタを前記複数のILEDアレイチップのコーナーに形成する
ことをさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のILEDアレイチップの少なくとも1つを画像生成器のコーナーに接合する
ことをさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ILEDアレイチップは、直接ボンディング相互接続を用いて前記ドライババック
プレーンに接合される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
複数のアドレス指定可能な画素が規定されるようにドライバ電子制御回路との電気的な
導通状態をもたらすことをさらに備え、各アドレス指定可能な画素は、複数の隣接するI
LEDアレイチップからの少なくとも1つのILEDエミッタを備える、請求項1~15
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ドライババックプレーンはアクティブバックプレーンからなる、請求項1~16の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記アクティブバックプレーンは、アモルファスシリコン(a-Si)、低温ポリシリ
コン(LTPS)、または金属酸化物(MO-TFT)を用いて製作される、請求項17
に記載の方法。
【請求項19】
前記ILEDエミッタはマイクロILEDエミッタである、請求項1~18のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項20】
ディスプレイで使用するための画像生成器であって、請求項1~19のいずれか一項に
記載の方法により製造された画像生成器。
【請求項21】
請求項20に記載の画像生成器を1つまたは複数備えたディスプレイ。
【請求項22】
複数のILEDエミッタを備えるILEDアレイチップであって、
前記ILEDアレイチップは、個別の複数のILEDアレイチップをキャリア基板上に
備えたILED画像生成器で使用するのに適しており、前記複数のILEDアレイチップ
は、隣接するチップの複数のILEDエミッタがディスプレイの画素を形成するように配
置されている、ILEDアレイチップ。
【請求項23】
前記ILEDエミッタがマイクロILEDエミッタからなる、請求項22に記載のIL
EDアレイチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ディスプレイモジュールに関し、詳しくは、これに限定されないが、I
LEDディスプレイデバイスを形成する非シリコンの赤色(R)、緑色(G)、青色(B
)のLEDエミッタのハイブリッド集積を含むILEDのRGBカラーディスプレイモジ
ュールに関する。例示のエミッタは、適切な3次元パッケージ集積方法を用いて直接集積
化されたシリコン駆動回路に搭載され得る。
【背景技術】
【0002】
周知のLCD(液晶ディスプレイ)やOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイに
代わるディスプレイ技術の新たなカテゴリーは、ILED(無機発光ダイオード)ディス
プレイと呼ばれる。ILEDディスプレイは、本質的には標準的なLEDと同じであり、
そのすべての利点を有するので、LCDやOLEDディスプレイの負の特性を有していな
い。ILEDディスプレイは、高品質の黒色出力および高品質の白色出力を有し、ディザ
(dither)がなく、また、高品質の均一性、長寿命、極めて低い消費電力、予測可能なカ
ラーガンマ、高い応答率を有し、ちらつきがごく僅かである。
【0003】
投影ディスプレイ技術は、大面積投影ディスプレイ(スクリーンディスプレイ)からヘ
ッドアップ画像ディスプレイなどの小型マイクロディスプレイにまで及ぶ。
投影ディスプレイは、一般的には、光源、画像エンジン、ドライバ、および光学経路の
4つの構成要素からなる。光源は、画像エンジン用の入力光を与える。画像エンジンは、
その光を処理して画像を生成する。ドライバは、要求される画像がどのように生成される
べきか、すなわちどの画素をオンまたはオフすべきかを画像エンジンに対して指示する。
光学経路は、意図されるアプリケーションにおいて、システムによって指定されたように
画像を拡大、縮小、または制御する。
【0004】
投影に必要な光は、連続発光帯(ハロゲン、蛍光灯、白色LED)または離散バンド(
RGB型LED、レーザー光源)として生成することができる。画像エンジンには、デジ
タル・ライト・プロセッシング(DLP)、ガルバノ・スキャニング・ミラー、液晶ディ
スプレイ(LCD)、またはエルコス(LCOS)などが含まれる。例えば、LCDにお
いて、有効なエンジンは、液晶と、明色を制御するための一連のフィルタとからなる。し
かしながら、LCDディスプレイは、均一な照明を提供するために、典型的にはLEDデ
バイスのアレイと拡散器とからなるバックライトを必要とする。大規模LEDディスプレ
イ(スポーツスタジアムやショップモールのスクリーン)の場合も同様に、光源と画像エ
ンジンとが、標準SMTフォーマットの大面積ILEDチップパッケージを使用して組み
合わせられる。上記の例では、ドライバは(おそらくはグラフィック処理ユニットからの
)入力データに基づいて活性化される画素を決定する電子制御回路(アクティブバックプ
レーンまたはシリコンコントローラチップの形態)である。
【0005】
ディスプレイのスケールサイズの他端にマイクロディスプレイがある。これらの装置で
は、非常に小さい画像または非常に小さな画像システムが目標とされる。他のヘッドアッ
プタイプのディスプレイには小さな画像システムが必要とされる一方で、非常に小さい画
像は網膜投影ディスプレイ(Google Glass(登録商標)など)で使用することができる。
様々な画像エンジンおよび光源が上記に挙げたものを含む装置に採用されている。近年の
OLED技術は商業的に注目されている。OLED技術は、光源と画像化エンジンが同じ
ものである大規模ILEDディスプレイに匹敵する。その製造方法は、ILEDに相当す
る大型ディスプレイを製造することができないものの、LCD技術に相当する250pp
i以上の高解像度ディスプレイを製造することが可能である。上記ディスプレイと同様に
、OLEDディスプレイのドライバは、アクティブバックプレーンまたはシリコンコント
ローラチップとすることができる。
【0006】
OLEDおよびLCD型のディスプレイの双方は、例えば15μm未満の画素ピッチを
有するマイクロディスプレイにおいてより高い解像度の画素を達成するために大きな欠点
を有している。例えば、OLEDは、解像度を300ppi未満に制限するシャドウマス
ク製造プロセスのために解像度が制限されている。これを克服する方法には、OLEDデ
ィスプレイの解像度を300ppi以上に高めるためのR、B、およびGチップ用のペン
タイル(pentile)エミッタ設計の構成が挙げられる。この設計は、OLEDによるシャ
ドウマスク製造に関連する解像度問題を克服し、TFTによる均一性を排除して全体的に
滑らかな欠陥のない画像を生成する。
【0007】
モノリシックアレイの製造方法によって高解像度のディスプレイを実現する他の方法が
存在する。モノリシックは、互いに切り離せない構成要素を指すのに使用され、より大き
なブロックからなる。「モノリシックアレイ」という用語は、同じ材料上に製造され、且
つ物理的に接続された幾つかのアドレス指定可能な発光領域を有する発光デバイスを指す
。モノリシックアレイは、無機LEDデバイスに特有であり、OLED材料から形成され
ない。これは、2つのLEDタイプの製造の違いによる。無機LEDは「トップダウン」
法を用いて製造される。この方法は単一の半導体材料片を起点とし、この単一の半導体材
料片からLEDが生成される。製造プロセスの最後に多数の発光領域間の物理的接触が残
っている場合(すなわち、半導体材料が分離されていない場合)には、モノリシックアレ
イが製造されたと言える。モノリシックILEDアレイチップは、複数の発光領域が形成
された単一の半導体材料片である。これは、物理的相互接続上の発光デバイスのアセンブ
リとは異なり、それらを一斉に転置させることができる。
【0008】
対照的に、有機LEDは「ボトムアップ」アプローチによって製造される。これは、タ
ーゲット基板上の反復層における有機材料の堆積によって生じる。OLEDデバイスは単
一の半導体材料片を起点としないので、完成したデバイスはモノリシックであるとはみな
されない。モノリシックOLEDは特定の刊行物にて参照され得る。しかしながら、これ
はOLEDデバイスをドライバ回路上、一般にはCMOS上に直接集積することに関連し
ている。この場合、「トップダウン」アプローチから形成されたバックプレーンまたはC
MOSチップはモノリシックであり、OLED材料はモノリシック構成要素を形成するた
めに一体化されている。
【0009】
モノリシックILEDデバイスの製造は、10μm以下のスケールでのチップ製造およ
び微小位置決めを回避する必要がある場合に必要とされる。例えばモノリシックILED
デバイスの製造には、1mm×1mmよりも大きなモノリシックチップ上で個々にアドレ
ス指定可能な160×120個の画素を含むチップの製造が含まれ得る。大きなモノリシ
ックILEDチップに基づくディスプレイには、固有の課題がある。第1に、ILEDデ
バイスは単一の半導体材料片を起点とするので、モノリシックILEDアレイチップは、
単一の波長光しか生成できない。さらに、モノリシックILEDアレイデバイスの製造は
、歩留まりに関連する問題を生じる。ILEDデバイスが製造されると、多数のデバイス
が故障し得る。異常デバイスが製造されると、その故障したデバイスのみが廃棄される。
しかし、モノリシックILEDアレイチップでは、デバイスの故障はモノリシックチップ
全体を廃棄することになる。160×120個のモノリシックアレイの上記の例では、1
つのデバイスの故障により19,200個のエミッタが廃棄されることになるが、その大
部分が機能する可能性がある。これにより、使用される材料および製造品質に基づく収率
が低下する。
【0010】
ILEDおよびOLEDデバイスに関連する明確な課題がある。ILEDアレイチップ
の製造では、1μmのサイズ(またはナノインプリントリソグラフィ技術を用いたより小
さなサイズ)での製造が実現可能である。しかしながら、10×10μm(100μm
)より小さいサイズのILEDデバイスをピック・アンド・プレースまたはマイクロ・
アセンブルする能力は、依然として非常に重要な課題である。OLEDデバイスの場合、
10μm未満のサイズのデバイスを形成することは、シャドウマスキングおよび使用され
る堆積プロセスに関連する他の影響のために困難である。しかしながら、OLEDデバイ
スは、ターゲット制御デバイス(例えば、CMOSまたはTFTバックプレーン)上に直
接製造することができるので、製造後にデバイスをピック・アンド・プレースする必要は
ない。OLEDは白とすることができフィルタを使用することができる。
【0011】
LED技術に関して、シリコン上の高解像度アクティブマトリクス単色ディスプレイの
モノリシック方法が特許文献1にて提示されている。この特許文献1では、ILED材料
の単一片がドライバ回路と統合され、単一色を生成するデバイスが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第8557616号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、現在のマイクロディスプレイの欠点を克服しようとするものである。本発明
は、バックプレーンドライバ上に配置され、各々、画像生成器の複数の隣接画素のための
ILEDエミッタを提供する複数のモノリシックILEDアレイチップのための方法およ
び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下、本明細書で使用される「画像生成器」という用語は、複数の画素に光を供給する
ILED(またはマイクロILED)アレイチップのアレイを包含する。ILEDアレイ
チップは、複数のILEDエミッタを含み、モノリシックであってもよく、全ての単一色
を生成し得る。ILEDアレイチップの各ILEDエミッタは、画像生成器の隣接画素の
うちの1つに光を供給する。画像生成器は、ディスプレイの光源及び画像エンジンを提供
する単一のデバイスと見なすことができる。
【0015】
上記を考慮し、本発明者らは、15μm以下のピッチを実現しモノリシックILEDに
関連する歩留まり問題のない、ILEDデバイスからなる高解像度マイクロディスプレイ
を製造する必要性を認識した。ILEDプラットフォームを使用するため、OLEDデバ
イスに関連する寿命、劣化、解像度の問題がない。本発明では、ハイブリッドマイクロア
センブリ技術を使用する小型ILEDアレイチップからなる高画素解像度ディスプレイが
開示される。
【0016】
本発明は、ディスプレイ技術、および無機LED光源とディスプレイの各画素をオン/
オフする電子制御回路とを組み合わせた光学画像エンジンに関し、具体的には、光源およ
び画像形成エンジンから離れたところで画像が生成される投影ディスプレイに関連する。
投影ディスプレイ技術は、大面積投影ディスプレイ(スクリーンディスプレイ)からヘッ
ドアップ画像ディスプレイなどの小型マイクロディスプレイにまで及ぶ。
【0017】
本発明は、現在のマイクロディスプレイアーキテクチャの欠点を克服しようとするもの
である。本発明は、有機LEDよりも無機LEDに特有の改良をもたらす。これらの改良
には、安定性の向上、電力効率の向上、明るさの向上が含まれる。
【0018】
本発明者らは、適切なワイヤレス相互接続ボンディング法を用いてICドライバ回路の
裏面に接続され、赤色、緑色、及び青色の発光源のための異種材料を組み合わせたフルカ
ラーディスプレイモジュールを構成する必要性を認識した。ワイヤレス直接ボンディング
方法は、ワイヤボンディング、はんだバンプ/フリップチップ技術の必要性を排除して相
互接続を簡素化する。
【0019】
関連する駆動電子機器を備えたカラーディスプレイのための新規ILED画像生成器が
開示される。無機LED(ILED)を使用して高解像度の画素画像エンジンを実現する
方法が開示される。具体的には、複数のエミッタを有する特定の形状のILEDアレイチ
ップを配列して、最小のフィルファクタ損失を有する高密度ディスプレイを形成する方法
が開示される。ILEDアレイチップの設計も開示される。
【0020】
画像生成器は、用途要件に応じて単色でも多波長でもよい。この設計は、近視眼および
ピコプロジェクタ用途に特に適した超高密度LED光源を提供する。
本発明の一態様によれば、ディスプレイで使用するための画像生成器を製造する方法が
提供される。当該方法は、同一波長を有する光を生成するように構成された複数のILE
Dエミッタを備え、複数の波長のうちの1つを有する光を生成するようにそれぞれ構成さ
れた個別の複数のILEDアレイチップを製造すること、隣接するチップの複数のILE
Dエミッタがディスプレイの画素を形成するように前記個別の複数のILEDアレイチッ
プをキャリア基板上に配置すること、前記複数のILEDアレイチップの電気接点がドラ
イババックプレーンと電気的に導通されるように前記複数のILEDアレイチップの第1
面を前記ドライババックプレーンにボンディングすることを備える。前記ドライババック
プレーンは前記ILEDアレイチップを駆動するための電子制御回路を備えている。
【0021】
任意で、第1の波長を有する光を放出するように構成されたILEDアレイチップが第
1の工程で前記キャリア基板上に配置され、第2の波長を有する光を放出するように構成
されたILEDアレイチップが第2の工程で前記キャリア基板上に配置される。
【0022】
任意で、前記ドライババックプレーンは、シリコンウェハ、TFTバックプレーン、ま
たは他のILEDドライバ電子制御回路によって形成される。
任意で、当該方法は、前記キャリア基板を取り除くことをさらに備える。
【0023】
任意で、前記キャリア基板は実質的に透過性を有し、前記ILEDアレイチップの発光
面は前記キャリア基板に面しており、前記ILEDアレイチップの電気接点は前記ILE
Dアレイチップの前記発光面とは反対側に位置する。
【0024】
任意で、前記キャリア基板は前記画像生成器用のカバーガラスである。
任意で、前記キャリア基板は、ガラス、プラスチック材料、または別の透過性材料から
なる。
【0025】
任意で、前記キャリア基板は可撓性または剛性を有する。
任意で、前記キャリア基板は、前記画像生成器から発光した光を扱うように構成された
1つまたは複数の光学部品を備える。
【0026】
任意で、前記複数のILEDアレイチップは、接着剤または透過性を有する接着剤を用
いて前記キャリア基板に接合される。
任意で、前記複数のILEDアレイチップは、赤色光、緑色光、または青色光を生成す
るように構成された少なくとも1つのILEDアレイチップを備える。
【0027】
任意で、当該方法は、複数のILEDアレイチップを、三角形、四角形、六角形、また
はテッセレーション可能な任意の他の幾何学的形状を有するように形成することをさらに
備える。
【0028】
任意で、当該方法は、前記複数のILEDエミッタを前記複数のILEDアレイチップ
のコーナーに形成することをさらに備える。
任意で、当該方法は、前記複数のILEDアレイチップの少なくとも1つを画像生成器
のコーナーに接合することをさらに備える。
【0029】
任意で、前記ILEDアレイチップは、直接ボンディング相互接続を用いて前記ドライ
ババックプレーンに接合される。
任意で、当該方法は、複数のアドレス指定可能な画素が規定されるようにドライバ電子
制御回路との電気的な導通状態をもたらすことをさらに備え、各アドレス指定可能な画素
は、複数の隣接するILEDアレイチップからの少なくとも1つのILEDエミッタを備
える。
【0030】
任意で、前記ドライババックプレーンはアクティブバックプレーンからなる。
任意で、前記アクティブバックプレーンは、アモルファスシリコン(a-Si)、低温
ポリシリコン(LTPS)、または金属酸化物(MO-TFT)を用いて製作される。
【0031】
任意で、前記ILEDエミッタはマイクロILEDエミッタである。
本発明の一態様によれば、ディスプレイで使用するための画像生成器であって、上記の
ように製造された画像生成器が提供される。
【0032】
本発明の一態様によれば、上記した画像生成器を1つまたは複数備えたディスプレイが
提供される。
本発明の一態様によれば、複数のILEDエミッタを備えるILEDアレイチップが提
供される。前記ILEDアレイチップは、個別の複数のILEDアレイチップをキャリア
基板上に備えたILED画像生成器で使用するのに適しており、前記複数のILEDアレ
イチップは、隣接するチップからの複数のILEDエミッタがディスプレイの画素を形成
するように配置されている。
【0033】
任意で、前記ILEDエミッタがマイクロILEDエミッタからなる。
本発明の第1の態様によれば、アドレス可能なLEDアレイチップを製造する方法が提
供される。当該方法は、1つまたは複数のエミッタを備える複数のLEDチップを製造す
ることであって、各LEDチップが赤色光、緑色光、または青色光を生成するように構成
されていること、前記複数のLEDチップの電気接点がドライバと電気的に導通されるよ
うに前記複数のLEDチップの第1面を前記ドライバにボンディングすることを備える。
前記ドライバは、前記LEDチップを駆動するための電子制御回路を備えている。
【0034】
任意で、当該方法は、前記複数のLEDチップの電気接点が前記第1面とは反対側の前
記LEDチップの第2面上に位置するように前記LEDチップをキャリア基板にボンディ
ングすること、前記LEDチップの第2面を前記ドライバにボンディングすることを備え
る。
【0035】
任意で、前記ドライバは、シリコンウェハ、TFTバックプレーン、または他のLED
ドライバ電子回路の形態によって形成される。
任意で、当該方法は、前記キャリア基板を除去することをさらに備える。
【0036】
任意で、前記キャリア基板は、透明または不透明である。
任意で、前記キャリア基板は、アドレス指定可能なLEDアレイチップのカバーガラス
である。
【0037】
任意で、前記キャリア基板は、ガラス、プラスチック材料、または別の透過性材料から
なる。
任意で、前記キャリア基板は、可撓性または剛性を有する。
【0038】
任意で、前記キャリア基板は、アドレス指定可能なLEDアレイチップから発光した光
を扱うように構成された1つまたは複数の光学部品を備える。
任意で、前記複数のLEDチップの各々の発光面は前記キャリア基板にボンディングさ
れる。
【0039】
任意で、前記複数のLEDチップは、接着剤または透過性を有する接着剤を用いて前記
キャリア基板にボンディングされる。
任意で、前記複数のLEDチップは、赤色光、緑色光、または青色光を生成するように
構成された少なくとも1つのLEDチップを備える。
【0040】
任意で、当該方法は、前記LEDアレイチップを、三角形、四角形、六角形、またはテ
ッセレーション可能な任意の他の幾何学形状を有するように形成することをさらに備える
【0041】
任意で、当該方法は、前記複数のLEDチップの少なくとも1つを前記LEDアレイチ
ップのコーナーにボンディングすることをさらに備える。
任意で、前記LEDチップは、直接ボンディング相互接続を使用してシリコンウェハに
ボンディングされる。
【0042】
任意で、当該方法は、複数のアドレス指定可能な画素が規定されるようにドライバ電子
機器との電気的な導通状態をもたらすことをさらに備え、各アドレス指定可能な画素は、
前記複数のLEDアレイチップの各々からの少なくとも1つのLEDチップを備える。
【0043】
任意で、前記シリコンウェハはアクティブバックプレーンを備える。
任意で、前記アクティブバックプレーンは、アモルファスシリコン(a-Si)、低温
ポリシリコン(LTPS)、または金属酸化物(MO-TFT)により製造される。
【0044】
本発明の第2の態様によれば、上記方法に従って製造されたアドレス指定可能なLED
アレイチップが提供される。
本発明の第3の態様によれば、上記複数のアドレス指定可能なLEDアレイチップを備
えるマイクロ画像エンジンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】6つのLED画素を含む六角形形状チップの一例を示す図。
図2】RGB(白色)画素を有するタイル状配置のLEDチップを示す図。
図3】画像エンジンにおけるAB断面図。
図4】最小ディスプレイ画素サイズの画像およびILEDアレイレイアウトおよびパッキング密度の依存性を示す図。
図5a】三角形チップによるRGB画素を示す図。
図5b】四角形チップによるRGBG画素を示す図。
図6】集積シリコンドライブ回路を備えるILED画像エンジンのプラットフォームを示す図であって、ILED用のガラスキャリアはあってもなくてもよく、例として3画素カラーディスプレイが提示されている。
図7a】起点材料(赤色、緑色、青色の各LEDウェハ)を上面視および側面視にて示す図。
図7b】ウェハ上に製造された青色ILEDデバイスを上面視及び側面視にて示す図。
図7c】キャリア基板上にマイクロアセンブリされた青色ILEDデバイスを上面視及び側面視にて示す図。
図7d】キャリア基板上にマイクロアセンブリされた赤色、青色、および青色ILEDデバイスを上面視及び側面視にて示す図。
図7e】画像エンジンを形成するべく制御電子回路にボンディングされた赤色、青色、および青色ILEDデバイスを上面視及び側面視にて示す図。
図7f】キャリア基板を取り除いた後の画像エンジンを示す図。
図8】デバイスレベルでの相互接続方法の取り得る例について概略を示す図。
図9】マイクロILEDの概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
開示される方法および装置は、超高解像度用途の無機発光体を製造する方法に関する。
特に、本発明は、高密度のR、G、Bの異種材料のILEDエミッタ(サブ画素)からな
るILEDディスプレイをSi上に集積化して、搭載プラットフォーム上に直接組み合わ
せ、その後、集積化IC駆動/マルチプレクス回路を含むシリコン基板と一体化する方法
に関する。ILEDエミッタは、マイクロLEDを含み得る。また、方法および装置は、
多数の可能なプラットフォームを介して光源がドライババックプレーンに直接集積化され
る用途に関する。
【0047】
R、G、Bの発光源のための異種材料を組み合わせて高密度の画素を形成し、スキャン
およびデータライン制御のための薄膜トランジスタ(TFT)と個別の充電コンデンサと
を組み合わせたバックプレーンに直接集積化するフルカラーマイクロ画像エンジンを形成
する必要性がある。
【0048】
特に、ILED構成は、画素群またはサブ画素群を形成し、最終的にディスプレイ用の
画像エンジンを形成するための高性能特性アレイチップの組み立ておよび実装に基づき得
る。これにより、小さなモノリシックアレイチップを用いたディスプレイ用エミッタの大
規模アレイの形成が可能になる。また、マイクロアセンブリ技術における大きな課題を有
するチップを操作して相互接続する必要なしにILED材料によるマイクロディスプレイ
の製造を可能にする。
【0049】
開示されるマイクロディスプレイ用の高解像度画像エンジンを実現する方法は、以下の
手段によって実現される。1)異なる形状の高性能ILED(例えばマイクロLED)ア
レイチップ(WO2004/097947(米国特許第7,518,149号))の製造
、2)ILEDアレイチップを適切な構成にマイクロアセンブリして小ピッチで複数チッ
プをタイル状に組み合わせたモザイクを形成する能力、および3)このモザイクと電子制
御回路との相互接続。別の方法では、モザイクは、コントローラデバイス(CMOSまた
はTFTバックプレーンなど)上または後にコントローラデバイスに集積化されるキャリ
ア基板上に直接形成することができる。チップ形状は、より小さなチップサイズを使用し
て一貫したピッチのチップアレイを構成することを可能にする。異なる構成を実現するこ
とができ、それぞれ一貫した画素は、画素の品質および色を決定する。
【0050】
マイクロアセンブリ方法は、ILEDアレイチップのアレイを基板またはコントローラ
デバイス上に作成する方法として、打ち抜きプロセス、真空、圧電作動、インク転写、レ
ーザアシスト、自己アセンブリ、および/または磁気転写を含み得る。
【0051】
ILED画像生成器を製造するために使用される方法に関連する詳細な工程は、以下の
とおりである。図7a~図7fは、各工程に関連する画像を提供する。ここでは、CMO
Sドライバ回路上に搭載されたRGBディスプレイについての方法を説明する。ドライバ
回路との統合やモノリシックまたは他の色を形成するために、この方法を変更する必要も
あり得る。そのような方法の変更も本発明によって包含される。
【0052】
(1)最初に使用される材料は半導体ウェハである。R、G、Bのディスプレイの場合
は、各色に1つずつ、3つの半導体ウェハが必要となる。
(2)これらの半導体ウェハにモノリシックILEDアレイチップを製作する。基板上
におけるILEDアレイチップのレイアウトはターゲットディスプレイのレイアウトに依
存する。
【0053】
(3)単色のウェハによるモノリシックILEDアレイチップを適切なマイクロアセン
ブリ方法を用いてキャリア基板上に組み立てる。ILEDアレイチップのためのコンタク
トパッドは基板から離れて面している。
【0054】
(4)異なる色のウェハによるILEDアレイチップのためのスペースが残される。
(5)他のウェハによるモノリシックILEDアレイチップをキャリア基板上にマイク
ロアセンブリする。
【0055】
(6)ILEDアレイチップ用のコンタクトをドライバ装置のコンタクトパッドに接続
する。全てのILEDアレイチップがキャリア基板上にあるので、この接続は単一ステッ
プで完了することができる。
【0056】
(7)キャリア基板をILEDアレイデバイスから取り除く。
ディスプレイの最終的な画像生成器はモノリシックではないことに留意すべきである。
より正確には、小さなモノリシックILEDアレイチップのアレイとして説明される。こ
れは、モノリシックILEDアレイ(光源が単一チップから製造される)とモノリシック
ドライバ回路と一体化されたOLEDデバイスの両方からデバイスを実質的に区別する。
【0057】
幾つかのILEDアレイチップの形状および構成について説明する。最も単純な形態は
四角形のILEDアレイチップであり、複数のILEDエミッタを備えている(各コーナ
ーに1つずつ、計4つ)。これらのチップがタイル状に組み合わせられると、N×Mチッ
プアレイが形成される。このN×Mチップアレイは、各画素が複数の隣接するILEDア
レイチップからのエミッタを含む対応する画素アレイを有する。
【0058】
ディスプレイの画素は、複数の隣接するモノリシックチップのコーナーにおける1つず
つのエミッタを用いた複数のILEDエミッタから構成されている。異なる波長のチップ
が隣接する位置にタイル状に並べられると、4つの発光素子からなる白色画素、例えば、
赤、緑、青、緑の画素構成が形成される。2つ目の緑は、緑色LED材料に内在するより
低い効率を補償する。ILEDアレイチップの全てのコーナーがエミッタ画素を有してい
る必要はない。例えば、3つのコーナーにエミッタを有し、4つ目のコーナーにn接点ま
たは非アクティブな領域を有する正方形のチップを使用してRGBのアレイを形成するこ
とも可能である。
【0059】
例示的な方法および装置では、材料の使用効率が最大になるように三角形または六角形
のアレイチップを3つの画素の白色要素の形成に使用することができる(図2参照)。こ
れは、赤、緑、青の画素をもたらし得る。図2は、上述したアセンブリ技術のうちの1つ
または複数を使用して基板上に組み立てられた複数のILEDアレイチップを示している
。一つの構成では、表示画素の最小サイズ(Xmin)(ディスプレイ解像度に関連する
)は、2×(Dp+De)+Scによって定義することができる。
【0060】
ここで、
DpはILED(例えば、マイクロILED)エミッタの直径であり、
Scはキャリア上のILEDアレイチップ間の分離であり、
Deはチップの端部からILEDエミッタまでの距離である。
【0061】
図4には、更なる例示が示されている。
ドライババックプレーンへのチップのコンタクトは、コントローラ回路の設計に依存す
る。表示画素内のエミッタの全てのp接点(アノード)を相互に接続することが可能であ
る。これらのモノリシックILEDアレイチップは、他のILEDエミッタとn接点を共
有してもよいが、これは同じ表示画素からではない。したがって、表示サブ画素から出力
される光は、他のILEDアレイチップと共有されるp接点を駆動することによって生成
することができる。図8は、デバイスレベルでの相互接続方法の概要を示している。青色
画素を点灯するために、赤色、緑色、および青色のサブ画素のp接点に電圧が印加される
。そして、青色サブ画素のn接点が接地され、青色デバイスのみが点灯する。
【0062】
チップの幾つかの原理を以下に示す。
1.ILEDアレイチップは、チップ毎に2つ以上の発光領域が存在するように、すな
わちチップがアレイとなるように設計される。
【0063】
2.チップ毎に1つまたは複数のn接点が存在する。
3.画像生成器全体の高解像度画素は、図2に示すように、複数のILEDチップから
の幾つかのエミッタを含む。
【0064】
4.1つのチップ上に複数のエミッタサブ画素を含むILEDアレイチップが隣接する
チップに近接して配置されるように設計され、これにより、隣接するチップ上のエミッタ
同士が単一の表示画素を形成する。この設計は、ディスプレイ上のチップ、画素、および
/またはエミッタ間のピッチを一定にすることを目的とする。
【0065】
5.ILEDアレイチップは、これに限定されないが、三角形、四角形、五角形、また
は六角形を含む多くの形状にて製作することができる。例示的な方法および装置において
、ILEDアレイチップは、テッセレーションが可能な形状である。
【0066】
6.エミッタは、特定の形状を有するILEDアレイチップのコーナーに、またはその
近くに配置することができる。これにより、隣接するチップ上のエミッタ間の距離を最小
限にすることができる(図4参照)。
【0067】
7.カラーディスプレイの場合、異なる波長で発光するILEDアレイチップの隣接す
る位置決めによって白色画素を形成することができる。
8.白色画素を形成する隣接する画素は個別に接続されてもよいし、相互に接続されて
もよい。これは項目2に関連しており、各エミッタはそれ自体のn接点(個別にアドレス
指定可能)を有してもよく、またはエミッタが同じチップ上の別のエミッタ(すなわちマ
トリクスアドレス指定)とn接点を共有してもよい。
【0068】
9.光出力全体の制御は、各エミッタのp接点、n接点、またはその両方における電流
および/または電圧によって行うことができる。
10.多波長ディスプレイにおける色の比率は、チップ設計およびチップ配置によって
決定され得る。チップ設計およびチップ配置は、白色画素の画素数を決定する。
【0069】
例として、幾つかのディスプレイアセンブリプロセスについて開示する。ディスプレイ
アセンブリプロセスは、本発明による方法が、ディスプレイ産業において現在使用されて
いる標準プロセスのフローとどのように統合されるかを強調する。これらのディスプレイ
アセンブリプロセスは、以下のように要約することができる。
【0070】
・第1のディスプレイアセンブリプロセスは、制御回路に関する主流のTFT製造プロ
セスに適合する方法を開示する。この方法では、ILEDアレイチップが搭載されるキャ
リア基板は製造プロセスの標準的な構成要素(カバーガラスなど)であり、ドライバ電子
制御回路(バックプレーン等)への相互接続が標準的なTFTアセンブリプロセスの一部
として行われる。このプラットフォームでは、キャリア基板はアセンブリ後もディスプレ
イの一部となり、TFTおよびキャリア基板は共にディスプレイのバックボーンを形成す
る。
【0071】
・第2のディスプレイアセンブリプロセスは、キャリアとして使用される仮基板上にI
LEDアレイチップを搭載した後、そのキャリアをディスプレイのドライバ電子制御回路
に適切なボンディング方法によって取り付けることに関する。その後、ILEDアレイチ
ップをCMOS上に残した状態で仮基板を除去する。このプラットフォームでは、ドライ
バ電子制御回路はディスプレイのバックボーンを形成し、CMOS上のマイクロディスプ
レイに関連付けられる。
【0072】
・第3のフローでは、ドライバ電子制御回路は個別の電子制御回路チップであり、キャ
リア基板上にアセンブリされる。その後、電子制御回路チップがILEDアレイチップと
相互接続される。このようなアプローチでは、キャリア基板は常設されてディスプレイの
バックボーンを形成する。
【0073】
ILEDアレイチップによる発光波長に対して基板が透過性(例えば、ガラス基板)で
ある場合、例示的な方法および装置において、基板は常設され得ることに留意されたい。
この場合、基板はディスプレイの外面を形成し得る。
【0074】
上記の全てのフローについては、能動素子がエミッタから離れるようにILEDアレイ
チップをパッシブマトリクスアレイ上に実装することも可能であり、本発明によって包含
されることに留意されたい。
【0075】
マイクロアセンブリ方法によって組み立てられた高解像度ILEDアレイチップアレイ
設計と組み合わせることでTFT集積化および製造に適合化されるディスプレイアセンブ
リプロセスが開示される。例示的な方法では、上記に箇条書きしたプロセスフローは上記
の方法とほぼ同じである。主な違いは、構成要素(TFTに対してCMOS)と最終的な
フォームファクタ(キャリアオンなのかキャリアオフなのか)である。
【0076】
そのようなアセンブリの一例が本明細書において説明される。隣接チップのエミッタか
ら画素が形成されるように配置された複数のILEDアレイチップを含む最終的なアレイ
チップは最終的なディスプレイの構成要素上に組み立てられる。次いで、TFT制御回路
を含むTFTプレーナバックプレーンと相互接続される。アモルファスシリコンを用いた
TFT(a-Si-TFT)、金属酸化物を用いたTFT(MO-TFT)、または低温
ポリシリコンを用いたTFT(LTPS-TFT)によりILEDに電流が供給され、そ
れによってそれぞれの輝度が制御される。
【0077】
開示される方法および装置は、LCD/TFT製造ラインのセル製造ラインに適合可能
なマイクロアセンブリプロセスを展開するディスプレイアセンブリプロセス、すなわち、
ポリイミド/ガスケット液晶注入/ガラスサンドイッチ/偏光子プロセスを対応するマイ
クロアセンブリ処理ステップと置き換えるディスプレイアセンブリプロセスを備える。I
C配置、異方性導電フィルム(ACF)ラミネーション、およびリボンケーブルのモジュ
ール製造は、OLEDまたはILED技術には依存しない。この技術は、TFTラインを
製造する上では大きな影響を与えないと考えられる。利点は、LCD/TFTバックプレ
ーンとは異なり、マイクロILED/TFT設計はバックライトの必要性に起因してフィ
ルファクタ損失を被らない点にある。最終的な金属枠アセンブリとパッケージングはバッ
クライトの要件を取り除く。
【0078】
例示的な方法および装置では、具体的にILEDアレイチップは複数色のチップを近接
して組み立ててドライババックプレーン上に直接高密度の白色表示画素を本質的に生成す
ることができるように設計される。表示アレイ内のILEDアレイチップとTFTバック
プレーンとを含む画像エンジンはコントローラICと統合され、ACF/FPCケーブル
によってPCBマザーボードに接続される。
【0079】
第2のディスプレイアセンブリプロセスでは、高解像度ILEDアレイチップが適切な
透明基板の上にフェイスアップで、すなわち、ILEDアレイチップの発光面が透明基板
に面するように直接搭載される。透明基板は、ILEDアレイチップに対して一時的にま
たは永続的に固定することができる。その後、ILEDアレイチップは、適切な無線相互
接続ボンディング方法を使用してドライババックプレーンおよびICコントローラに接続
される。ワイヤレス直接ボンディング方法は、ワイヤボンディング、はんだバンプ/フリ
ップチップ技術の必要性を排除して相互接続を簡素化する。
【0080】
相互接続を形成する例示的な方法および装置では、各チップの酸化シリコン面間または
窒化シリコン面間の共有結合による室温結合が形成される。直接結合は、チップ間の有効
な電気的接続を形成する金属パターンを含むチップ表面間の非常に高い結合エネルギーに
より特徴付けられる。この技術により、これらの電気接続の抵抗が低いため、電力効率が
向上し、モジュールの全体的な消費電力が低減される。
【0081】
一般的に電子制御回路は透明ではない。バックライト付きLCDディスプレイに使用さ
れるアクティブバックプレーンの場合、制御回路のサイズを最小にするために多大な努力
がなされている。これにより、最大量の光が、回路によりブロックされて無駄になること
なく画素を通過することが可能になる。例示的な方法および装置では、パッシブマトリク
ス駆動方式を使用することが可能である。パッシブマトリクス駆動方式では、アノードお
よびカソードの制御ラインが互いに直交して配置される。エミッタ(この場合はILED
アレイチップ)はILEDアレイチップがアノードおよびカソードライン上の適切な選択
によって選択的に照射されるように搭載される。駆動回路は発光および透過領域から離れ
て配置される。このような配置は、ドライバ回路の単純化とディスプレイの透明度の向上
の点で有利である。しかしながら、このアプローチでは、複数の画素にわたり電流を駆動
しなければならず、またそれに伴う損失のために、アレイのサイズが制限される。
【0082】
画像エンジンに対して小型のILEDアレイチップを使用することにより、大きなモノ
リシックアレイチップの歩留まり損失に関する問題が大幅に低減される。エミッタが故障
すると、モノリシックILEDチップを廃棄しなければならない。小さなILEDアレイ
チップでは、チップを廃棄すると材料の損失が少なくなる。大きなモノリシックアレイの
場合、エミッタが故障すると、作業に伴う多くの量の材料からなるチップが廃棄され、そ
の結果、かなりの歩留まり損失が生じる。また、光出力性能に基づいてILEDアレイチ
ップのビニングが可能になり、これにより、より均一でより複雑でないコントローラ回路
が提供される。光源をドライババックプレーン上に直接集積し、より高密度の相互接続で
より優れた性能と信頼性を有する最小の体積パッケージングに対する多くの競争上の利点
がもたらされる。開示される方法および装置は、パッシブマトリクスを組み込むこともで
きる。この利点には、光を最小限の散乱で通過させる透明ディスプレイの可能性が含まれ
ます。このような概念は、拡張現実システムまたは表示接点レンズに適用することができ
る。
【0083】
以下の定義が本明細書で使用される。
・キャリア基板:ILEDチップがマイクロアセンブリされるシート状の基板を包含す
る。キャリア基板は仮の基板であってもよく、または常設される透明キャリア基板を用い
ることもできる。
【0084】
・ドライバ:電子制御回路および/または関連する接点が設けられた材料。ドライバ電
子制御回路、TFTバックプレーン、またはディスプレイ技術で使用されるその他の形態
のコントローラを備えたシリコンウェハとすることができる。
【0085】
・表示画素:ディスプレイのユーザが見るRGB画素を包含する。
・表示サブ画素:単一の色および任意選択で単一のエミッタにより形成される表示画素
の小さな単位。
【0086】
・エミッタ:表示画素の最も基本的な構築ブロックを包含し、マイクロILED光源と
することができる。エミッタは、複数のエミッタを含むマイクロILEDチップ上にあっ
てもよい。エミッタは、個別にアドレス指定可能なより小さい構成要素を含まなくてもよ
いが、エミッタは単一のLEDデバイスまたはLEDデバイスのクラスタを備えてもよい
【0087】
・クラスタ:個別にアドレス指定不可なエミッタのグループを包含する。
・ILEDチップ:1つの機能コンポーネント(クラスタまたはエミッタ)のみを有す
るLEDデバイス(ILEDチップを含む)を包含する。なお、ILEDチップは、LE
Dが個別にアドレス指定され得るILEDアレイチップとは区別され得る。LEDチップ
は、LEDエミッタ、マイクロHBDエミッタ、または別のタイプの小型LEDエミッタ
を含むことができる。
【0088】
・ILEDアレイチップ:複数の個別にアドレス指定可能な発光領域を含むLEDチッ
プを包含する。
ILEDエミッタは、図9に示すように、マイクロILEDエミッタであってもよい。
図9は、WO2004/097947(米国特許第7,518,149号)で提案された
ものと同様のマイクロILED構造900を示し、このマイクロILED構造900は、
高い抽出効率を有し、その形状により準平行光を出力する。このようなマイクロILED
900が図3に示されており、基板902上に半導体エピタキシャル層904が配置され
ている。エピタキシャル層904は、メサ906の形状を有している。アクティブ(また
は発光)層908は、メサ構造906内に封止されている。メサ906は、光透過面また
は発光面910とは反対側に切頂部を有する。メサ906はまた、デバイス内で生成また
は検出された光の反射エンクロージャを形成するようにほぼ放物線形状を有する。矢印9
12は、アクティブ層908から放出された光がどのようにメサ906の壁から発光面9
10に向かってLEDデバイス900から出るのに十分な角度で(すなわち全反射の角度
内で)反射されるかを示している。
【0089】
本明細書で開示される方法および装置は、以下の付記によって定義され得る。
1)アドレス指定可能なマイクロ画像エンジンであって、
a.マイクロアセンブリ技術を用いてマイクロ表示アレイの高解像度表示画素を形成
するようにタイル状に配置されたILEDアレイチップと、
b.1つまたは複数のILEDエミッタを備える表示画素と、
c.1つまたは複数のILED光エミッタを備えるILEDアレイチップと、
d.隣接する表示画素が同一のマイクロILEDアレイチップにおける異なるエミッ
タを用い得るように複数の表示画素間でエミッタを共有可能な単一のILEDアレイチッ
プと、を備える。
【0090】
2)上記1において、ILEDアレイチップは1つまたは複数の波長を有する。
3)上記1において、GaN、GaAs、GaP、または任意の他の発光半導体材料が
用いられる。
【0091】
4)上記1において、個別のILEDアレイチップがマイクロアセンブリ方法を用いて
組み立てられる。
5)上記1において、ILEDアレイチップ間の間隔が100μm未満である。
【0092】
6)上記1において、レーザーダイオード、VCSEL、RCLED、または任意の他
の形態の発光半導体によって光が生成される。
(モジュール)
7)アドレス指定可能アレイ・マイクロ・ディスプレイモジュールであって、
a.高解像度の画素アレイを形成するようにタイル状に配置されたILEDアレイチ
ップと、
b.入力情報に基づいて発光すべきエミッタを決定するドライバ電子制御回路と、
c.ドライバとILEDアレイチップとの間の相互接続方法と、を備える。
【0093】
8)マイクロアセンブリ製造プラットフォームであって、
i.高性能ILEDアレイチップのアレイを備えるILEDアレイと、
ii.一時的なまたは常設されるキャリアプラットフォームと、
iii.マイクロアセンブリ方法または直接接合を用いてILEDアレイをドライバ
に直接統合してILED画像生成器を製造する方法と、
iv.ILEDアレイチップと、キャリアプラットフォームにアセンブリするために
準備されたマイクロアセンブリであるバックプレーン回路とを製造する方法と、を備える
【0094】
9)上記7において、ドライバが低温ポリシリコン(LTPS)からなるアクティブバ
ックプレーンである。
10)上記7において、ドライバがアモルファスシリコン(a-Si)型である。
【0095】
11)上記7において、ドライバが接点ラインを介しておりコントローラチップが離れ
て配置されている。
12)上記7において、ドライバがCMOSチップである。
【0096】
13)上記7において、相互接続方法がはんだボールによるものである。
14)上記7において、相互接続が直接ボンディング相互接続型プロセスを介して行わ
れる。
【0097】
15)上記7において、相互接続が金属-金属型プロセスを介して行われる。
(ILEDアレイチップ)
16)ILEDアレイチップであって、
a.複数のアドレス可能な発光領域を有するILEDアレイチップと、
b.三角形、正方形、六角形、またはコーナーにILEDエミッタを有する他の形状
の構成を有するILEDアレイチップと、を備える。
【0098】
17)エミッタの数は設計に応じたコーナーの数に関連し得る。例えば、正方形のチッ
プは4個のエミッタを有することができ、五角形では5個のエミッタを有することができ
、六角形では6個のエミッタを有することができる。
【0099】
18)ILEDアレイチップの形状はディスプレイピクセル設計に関連し、LED製造
プロセスの仕様に基づいて任意に選択されない。
19)ILEDアレイチップは、複数の表示画素にエミッタを寄与し得る。
【0100】
20)ILEDアレイチップは、冗長性を考慮して、各コーナーに複数の画素を有し得
る。
21)発光領域は、LED、レーザ、VCSEL、RCLED、または他の発光半導体
構造によるものとすることができる。
【0101】
22)エミッタが、マイクロLED、HBD、または他の小型エミッタの形態によるア
レイのエミッタである。
23)ILEDアレイチップは、マトリクスアドレス方式を用いて駆動し得る。
【0102】
24)ILEDアレイチップは、個別にアドレス指定する方式を用いて駆動し得る。
25)個別のILEDチップ上におけるエミッタのp接点は、p接点におけるバイアス
と、共有されるn接点におけるバイアスとの両方によって照明が制御されるように相互に
接続され得る。
【0103】
(アセンブリプロセス)
26)以下の工程の幾つかまたは全てを備える高密度ディスプレイデバイスの製造方法
であって、当該工程が、
小型のILEDアレイチップが予め選択された形状に加工されることであって、概して
その形状のコーナーにマイクロLEDエミッタが存在すること、
ILEDアレイチップが、関連するp接点および複数のn接点を有する複数のエミッタ
画素からなること、
画素化されたILEDアレイチップがキャリア基板上に搭載されるとともに接着剤また
は他の結合材料で所定の位置に保持され、単一の色/ウェハのタイプが一度に配置され、
必要な全ての色/チップが基板上に配置されるまで後続の工程が実行されること、
チップのための電気接点がキャリア基板から離れる方向を向くようにすること、
基板は透明であっても不透明であってもよく、接着剤は取り外し可能であっても取り外
し不可であってもよく、不透明な基板の場合には取り外し可能な接着剤を使用する必要が
あること、
上記構成はディスプレイデバイスの画像エンジン構成要素を形成すること、
キャリア基板がドライバ電子制御回路と相互に接続されることであって、この相互接続
は、直接ボンディング相互接続(DBI)プロセスまたは他の類似のプロセスを使用して
ドライバチップが製造されたシリコンウェハへのフリップチップ実装を介して行い得るこ
と、
DBIプロセスによる要求に従ってパッドが適合し適切な金属仕上げが両側に適用され
るようにILEDダイとシリコンウェハの両方が設計されること、
この時点で必要に応じてキャリア基板が取り外され、透明なキャリアウェハが除去され
ること、
あるいは、キャリア基板を使用して、デバイスの性能のための任意の追加の構成要素を
集積化することであって、この構成要素には、これに限定されないが、光デバイスまたは
電気部品が含まれること、
組み合わせられたILED/シリコン構造がダイシングされ、その結果、単一チップカ
ラーマイクロディスプレイが形成されること、を備える。
【0104】
27)上記26において、標準的なディスプレイ製造プロセスの一部として、ILED
チップがドライバに相互接続される。
28)上記26において、ディスプレイのカバーガラスがキャリア基板として機能する
【0105】
29)上記26において、ドライバがアクティブバックプレーン型デバイスである。
30)上記26において、アクティブバックプレーンが、アモルファスシリコン(a-
Si)、低温ポリシリコン(LTPS)、または金属酸化物(MO-TFT)により製造
される。
【0106】
(キャリア基板)
31)キャリア基板は、ガラス、プラスチック、または別の透明材料であってもよい。
32)キャリア基板は、剛性であってもよいし可撓性であってもよい。
【0107】
33)キャリア基板は、常設されてもよいし取り外し可能であってもよい。
34)キャリア基板は、光を扱うための追加の光学部品を含み得る。
(概略性能)
35)ディスプレイから出力される光は、50cd/mよりも大きい。
【0108】
36)ディスプレイ内の画素間のピッチは、100μm未満である。
37)ディスプレイのサイズは、これに限定されないが、16×16画素から2560
×2480画素までの範囲であり得る。
【0109】
38)ディスプレイの各エミッタは、1nA~1Aの電流を消費し得る。
39)マイクロアセンブリ製造プラットフォームであって、
i.高性能ILEDチップのアレイを備えるILEDアレイと、
ii.一時的なまたは常設されるキャリアプラットフォームと、
iii.マイクロアセンブリ方法または直接接合を用いてILEDアレイをドライ
バに直接統合してILED画像生成器を製造する方法と、
iv.ILEDアレイチップと、キャリアプラットフォームにアセンブリするため
に準備されたマイクロアセンブリであるバックプレーン回路とを製造する方法と、からな
る。
【0110】
40)マイクロアセンブリ製造プラットフォームであって、
a.マイクロアセンブリプロセスを用いてより大きなアレイを形成するようにタイル
状に配置されたILEDアレイチップと、
b.アレイ内のエミッタを制御するために使用されるドライバ電子制御回路と、
c.ILEDアレイとドライバとの相互接続方法と、からなる。
【0111】
41)ILEDアレイチップであって、
a.複数のアドレス指定可能な発光領域を有するILEDアレイチップと、
b.三角形、正方形、六角形、またはコーナーにILEDエミッタを有する他の形状
の構成を有するILEDアレイチップと、
c.エミッタの数は設計に応じたコーナーの数に関連し得るものであり、例えば、正
方形のチップは4個のエミッタを有することができ、五角形では5個のエミッタを有する
ことができ、六角形では6個のエミッタを有することができることと、
d.ILEDアレイチップが単一の波長または複数の波長であることと、
e.各ILEDアレイチップが複数の表示画素にエミッタを寄与し得ること、を備え
る。
【0112】
42)以下の方法によって1つの製造プラットフォームの一部として使用され得るキャ
リア基板であって、当該方法が、
a.ILEDアレイチップがドライバとのインタフェース前に仮のまたは常設される
キャリア基板上に実装され得ること、
b.キャリア基板がコントローラ電子制御回路とのインタフェース後に取り外し可能
または取り外し不可とされること、
c.キャリア基板がILEDデバイスの性能を向上させるためのマイクロ光学系を含
み得ること、
d.マイクロ光学素子がその性能を向上させるためにILEDアレイチップの発光面
に直接搭載され得ること、
e.マイクロ光学素子が打ち抜き加工、リソグラフィ、または他のプロセスを介して
ILEDの発光面上形成され得ること、
f.光吸収材料が画素のコントラストを向上させるためにチップ間に配置され得るこ
と、
g.熱伝導材料がデバイスの熱管理のためにチップ間に配置され得ること、
h.熱伝導層が熱管理を強化するためにデバイスのN側で使用され得ること、
i.ILEDアレイチップがアクティブまたはマトリクスアドレス方式を用いて駆動
され得ること、
j.相互接続層が複数のILEDアレイチップのエミッタに対応し得ること、
k.各LEDのp接点がコントローラチップと同じ側にあること、
l.各n接点がコントローラチップと同じ側または異なる側にあること、
m.エミッタを流れる電流が、p接点、n接点、またはその両方を介して制御され得
ること、を備える。
【0113】
43)コントローラ/アセンブリであって、
a.単一のコントローラチップに複数のILEDチップが搭載されていること、
b.ドライバ電子制御回路がアクティブバックプレーンの形態を取り得ること、
c.ドライバ電子制御回路がCMOSチップの形態を取り得ること、
d.ドライバ電子制御回路がパッシブマトリクス駆動方式の制御ラインの形態を取り
得ること、
e.アクティブバックプレーンがLTPSの形態を取り得ること、
f.アクティブバックプレーンがa-Siの形態を取り得ること、を特徴とする。
【0114】
44)アセンブリの別の実施形態では、コアデバイスの電気接点が或る接続点まで引き
回されてもよい。この引き回しは、金属性または導電性酸化物のような他の種類のもので
あってもよい。これらは、制御電子機器の接続を可能にするパッドを搭載する際に終端さ
れ得る。
【0115】
45)ディスプレイから出力される光は、50cd/mよりも大きい。
46)ディスプレイの画素間のピッチは、100μm未満である。
47)ディスプレイのサイズは、これに限定されないが、16×16画素から2560
×2480画素までの範囲であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無機発光ダイオード(ILED)アレイチップであって、各ILEDアレイチップが、当該ILEDアレイチップの第1の側を通って光を放射するように構成された複数のILEDエミッタを含む、複数のILEDアレイチップと、
前記第1の側と反対側のILEDアレイチップの第2の側で、複数の共通接点を介して前記ILEDアレイチップに相互接続されたドライババックプレーンであって、各共通接点が、前記ILEDアレイチップのサブセットにおける1つの極性の複数の接点に亘っており、前記ILEDアレイチップの前記サブセットが、前記ILEDアレイチップのうち2つ以上の隣接するILEDアレイチップを含む、ドライババックプレーンと
を備えるディスプレイ。
【請求項2】
各ILEDアレイチップが、当該ILEDアレイチップに含まれる前記複数のILEDエミッタの数に対応する数の前記極性の接点を含み、各ILEDアレイチップにおける前記複数のILEDエミッタのうち少なくとも2つのILEDエミッタが、前記共通接点のうち異なる共通接点に接続される、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記サブセットにおける前記2つ以上の隣接するILEDアレイチップのILEDエミッタにより、前記ディスプレイの単一画素が形成される、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記2つ以上の隣接するILEDアレイチップが、赤色光を生成するように構成された複数の第1のILEDエミッタを含む第1のILEDアレイチップと、緑色光を生成するように構成された複数の第2のILEDエミッタを含む第2のILEDアレイチップと、青色光を生成するように構成された複数の第3のILEDエミッタを含む第3のILEDアレイチップとを含む、請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記第1のILEDアレイチップにおける前記第1のILEDエミッタの各々が、異なる画素を構成する部分である、請求項4に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記ドライババックプレーンが、前記共通接点を通じて電流を供給することによって前記ILEDアレイチップを動作させるように構成された薄膜トランジスタ(TFT)回路を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記共通接点がp接点であり、前記ILEDアレイチップのn接点が前記ドライババックプレーンによって個別にアドレス指定可能である、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記ドライババックプレーンが、相補型金属酸化物半導体(CMOS)回路または薄膜トランジスタ(TFT)回路を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
各ILEDエミッタが、対応するILEDアレイチップのコーナーに位置している、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項10】
各ILEDアレイチップは、
窒化ガリウム(GaN)、
リン化ガリウム(GaP)、または
ヒ化ガリウム(GaAs)
のうち1つを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項11】
隣接するILEDアレイチップ間の間隔が100μm未満である、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
各ILEDアレイチップの各ILEDエミッタは、生成された光が当該ILEDエミッタを出て行くように、前記生成された光を一定の角度で反射する反射性メサ構造を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項13】
各ILEDアレイチップは、四角形、三角形または六角形である、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項14】
ディスプレイを動作させる方法であって、
第1の極性の第1の接点を第1の電圧レベルに結合することであって、前記第1の接点が、前記ディスプレイにおいて隣接する無機発光ダイオード(ILED)アレイチップのサブセットにわたって共有されている、第1の接点を第1の電圧レベルに結合することと、
第2の極性の第2の接点を、前記第1の電圧レベルとは異なる第2の電圧レベルに結合することであって、前記第2の接点が、前記ILEDアレイチップのうち1つのILEDアレイチップにおける複数のILEDエミッタにわたって共有されている、第2の接点を第2の電圧レベルに結合することと、
前記第1の接点および前記第2の接点を用いて、前記ILEDアレイチップの前記サブセットのうち1つのILEDアレイチップにおける前記ILEDエミッタの1つに電流を供給することと、
前記ILEDアレイチップの前記サブセットのうち前記1つのILEDアレイチップにおける前記ILEDエミッタの前記1つに電流を供給することに応じて、前記ILEDエミッタの前記1つから光を放射することと
を含む方法。
【請求項15】
前記第1の極性の第3の接点を前記第2の電圧レベルに結合することと、
前記第2の接点および前記第3の接点を用いて、前記ILEDアレイチップの前記サブセットのうち前記1つのILEDアレイチップにおける前記ILEDエミッタの別のILEDエミッタに電流を供給することと、
前記ILEDアレイチップの前記サブセットのうち前記1つのILEDアレイチップにおける前記ILEDエミッタの前記別のILEDエミッタに電流を供給することに応じて、前記別のILEDエミッタから光を放出することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ILEDアレイチップのうち1つのILEDアレイチップのILEDエミッタが同一色の光を放射する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ILEDアレイチップのうち2つ以上のILEDアレイチップのILEDエミッタが、前記ディスプレイの単一画素を形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
薄膜トランジスタ(TFT)回路が、前記第1の接点を前記第1の電圧レベルに結合し、前記第2の接点を前記第2の電圧レベルに結合し、前記TFT回路は、前記ILEDアレイチップの、光が放射される側とは反対の別の側でドライババックプレーン内に設けられる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の接点がp接点であり、前記第2の接点がn接点である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
各ILEDエミッタが、対応するILEDアレイチップのコーナーに位置している、請求項14に記載の方法。
【外国語明細書】