(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088970
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】トラッカー・アセンブリのための軸受アセンブリ、並びに当該軸受アセンブリの製作及び使用方法
(51)【国際特許分類】
F16C 17/10 20060101AFI20230620BHJP
F16C 33/20 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
F16C17/10 B
F16C33/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023043414
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2021536052の分割
【原出願日】2019-12-22
(31)【優先権主張番号】201841048811
(32)【優先日】2018-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サシダーラン、アキールサン
(72)【発明者】
【氏名】ターラム、サシ キラン
(72)【発明者】
【氏名】ディンカール、スミ
(72)【発明者】
【氏名】プリオスカ、ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァヤ ヴァルカルス、フアン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】トラッカー・アセンブリのための軸受アセンブリに関し、効率を向上させる、保守管理を低減する、展開の可能性を拡大する、及び据え付けコストを低減する。
【解決手段】発電構造物のトラッカー・アセンブリのための軸受アセンブリ215が、レール218に固定されてレールと共に回転可能となるように構成されたアダプタ217と、アダプタを支持するように適合されたハウジング250とを有し、アダプタがハウジングに対して回転するように構成され、低摩擦材料が、アダプタの外部表面とハウジングの内部表面との間のインターフェースのところに存在する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電構造物のトラッカー・アセンブリのための軸受アセンブリであって、
レールに固定されて前記レールと共に回転可能となるように構成されたアダプタと、
前記アダプタを支持するように適合されたハウジングと
を有し、
前記アダプタは、前記ハウジングに対して回転するように構成され、低摩擦材料がアダ
プタの外部表面とハウジングの内部表面との間のインターフェースのところに存在する、
軸受アセンブリ。
【請求項2】
前記アダプタは、レールと係合するための内部表面を有し、前記内部表面は、非円形で
ある断面形状を有する、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項3】
前記軸受アセンブリはレールをさらに有し、前記レールの外部表面が、非円形である断
面形状を有する、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項4】
前記アダプタの前記内部表面の前記非円形断面は、前記レールの前記外部表面の前記非
円形断面に対して相補的であり、それにより前記2つの構成要素を固定する、請求項3に
記載の軸受アセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記アダプタの周りでクランプとして機能するように適合された第
1の部片及び第2の部片を有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の軸受アセ
ンブリ。
【請求項6】
前記低摩擦材料は、前記ハウジングの内部表面に固定される、請求項1から5までのい
ずれか一項に記載の軸受アセンブリ。
【請求項7】
前記低摩擦材料は、クランプとして機能するように適合される、請求項6に記載の軸受
アセンブリ。
【請求項8】
前記低摩擦材料は、前記アダプタの外部表面に固定される、請求項1から7までのいず
れか一項に記載の軸受アセンブリ。
【請求項9】
前記低摩擦材料は、前記ハウジング又は前記アダプタの形状に従うように予め形成され
る、請求項1から8までのいずれか一項に記載の軸受アセンブリ。
【請求項10】
前記低摩擦材料は熱可塑性ポリマーを有する、請求項1から9までのいずれか一項に記
載の軸受アセンブリ。
【請求項11】
アダプタの外部表面が円形断面を有する、請求項1から10までのいずれか一項に記載
の軸受アセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングの内部表面が、前記アダプタの前記外部表面に対して相補的な円形形状
を有する、請求項11に記載の軸受アセンブリ。
【請求項13】
前記レールは、光起電性パネルを回転可能に支持するように適合される、請求項3に記
載の軸受アセンブリ。
【請求項14】
前記低摩擦材料は材料ストリップを有し、前記アダプタの外部表面が前記材料ストリッ
プを受け入れるように適合された溝を有する、請求項1から13までのいずれか一項に記
載の軸受アセンブリ。
【請求項15】
発電構造物のトラッカー・アセンブリのためのアセンブリであって、
回転軸を中心として回転するように適合されたレールと、
前記レールに固定されて前記レールと共に回転可能であるアダプタと、
前記アダプタ及び前記レールを支持するように適合されたハウジングと
を有し、
前記アダプタ及び前記レールは、前記ハウジングに対して回転するように適合され、低
摩擦材料がアダプタの外部表面とハウジングの内部表面との間のインターフェースのとこ
ろに存在する、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、再生可能エネルギー構造物での例示の使用と共に、トラッカー・アセン
ブリのための軸受アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
追尾アセンブリ(tracking assembly)が、通常、レーダー、ライト
・シェルフ、アンテナ、ソーラー・パネル、自動車、及び継続的な回転モーションを必要
とする他の用途で使用される。当業界で使用されるトラッカー・アセンブリ(track
er assembly)の一般的な1つの実例として、再生可能エネルギー源アセンブ
リと共に使用されるためのソーラー・トラッカーがある。ソーラー・トラッカーは、従来
、ソーラー・パネルを設置するための設置手段を有する。ソーラー・トラッカーの設置手
段は、効率を最大にすることを目的として太陽の位置を反映するためにソーラー・パネル
のその向きを変化させるように設計される。しかし、再生可能エネルギー源及びトラッカ
ー・アセンブリを取り巻く産業は成長し続けていることから、効率を向上させること、保
守管理を低減すること、展開の可能性を拡大すること、及び据え付けコストを低減するこ
とを目的として、発電を保証する役割を有する構成要素を改善することが求められること
になる。
【0003】
添付図面を参照することにより、本開示がより良好に理解され得、その多数の特徴及び
利点が当業者に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】実施例による追尾アセンブリを有する発電構造物を示す側面図である。
【
図2】実施例による追尾アセンブリのための軸受アセンブリを示す側面図である。
【
図3A】実施例による追尾アセンブリのためのアダプタを示す側面図である。
【
図3B】実施例による追尾アセンブリのための、径方向においてレールを囲むアダプタの第1のアダプタ部材を示す断面図である。
【
図4】実施例による追尾アセンブリのための軸受アセンブリを示す側面図である。
【
図5A】実施例による追尾アセンブリのための軸受アセンブリを示す上面断面図である。
【
図5B】実施例による追尾アセンブリのための軸受アセンブリを示す上面断面図である。
【
図6】実施例による軸受アセンブリのための材料ストリップを製造する方法を示す図である。
【
図7A】実施例による軸受アセンブリのための材料ストリップの一実施例を示す断面図である。
【
図7B】実施例による軸受アセンブリのための材料ストリップの一実施例を示す断面図である。
【
図7C】実施例による軸受アセンブリのための材料ストリップの一実施例を示す断面図である。
【
図7D】実施例による軸受アセンブリのための材料ストリップの一実施例を示す断面図である。
【
図8】本明細書の実施例による軸受アセンブリのうちの実施例における、4.4kNで10,000サイクル実施される変形の関数としての荷重の試験を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
異なる図面において同様の参照符号を使用することは同様の又は同じアイテムを示して
いる。
【0006】
図との組み合せの以下の説明は、本明細書で開示される教示を理解するのを補助するた
めに提供されるものである。以下の考察は本教示の具体的な実装形態及び実施例に焦点を
当てる。このように焦点を当てることは本教示を説明するのを補助するために行われるも
のであり、本教示の範囲又は利用可能性を限定するものとして解釈すべきではない。しか
し、本出願で開示される教示に基づいて他の実施例も使用され得る。
【0007】
「有する(comprises)」、「有する(comprising)」、「有する
(includes)」、「有する(including)」、「有する(has)」、
「有する(having)」という用語又はその任意の他の変化形は、非排他的な包含を
カバーすることを意図される。例えば、特徴のリストを有する方法、項目、又は装置は必
ずしもこれらの特徴のみに限定されず、明確には列記されないような、或いはこれらの方
法、項目、又は装置に固有ではないような他の特徴も有することができる。さらに、異な
る意味で明記されない限り、「又は」は包含的論理和を意味し、排他的論理和を意味しな
い。例えば、「A又はB」という条件は以下のうちの任意の1つによって満たされる:A
が真である(又は存在する)且つBが偽である(又は存在しない);Aが偽である(又は
存在しない)且つBが真である(又は存在する);A及びBの両方が真である(又は存在
する)。
【0008】
また、「a」又は「an」の使用は本明細書に記載される要素及び構成要素を説明する
場合に採用される。これは、本発明の範囲の一般的な意味を与えるために、単に便宜上行
われるものである。本記述は、他の意味であることが明らかではない限り、「1つ」、「
少なくとも1つ」、或いは複数形を包含する単数形又はその逆、を含むものとして読まれ
るべきである。例えば、単一の実施例が本明細書で説明される場合、単一の実施例の代わ
りに2つ以上の実施例が使用されてもよい。同様に、2つ以上の実施例が本明細書で説明
される場合、2つ以上の実施例に対して単一の実施例が代用されてもよい。
【0009】
特に明記しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語又は科学的用語が、本
発明の属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。材料
、方法、及び実例は単に例示であり、限定的であることを意図されない。本明細書で説明
されない範囲まで考えると、具体的な材料及び処理作業に関する多くの細部が従来通りで
あり、軸受及び軸受アセンブリの技術分野の範囲内にある教本及び他の資料において見る
ことができる。
【0010】
図1が、実施例による追尾アセンブリを有する発電構造物を示す側面図の説明図を含む
。具体的には、追尾アセンブリ100が、ソーラー・パワーを利用するのに、及び太陽エ
ネルギーを電気エネルギーへと変換するのに、特に適し得る。示されるように、追尾アセ
ンブリ100が、構造物100をそのロケーションで固定するために地面に直接に取り付
けられ得る、土台107を有するベース103を有することができる。さらに示されるよ
うに、ベース103が、構造物100の他の構成要素の支持及び接続のための、土台10
7に直接に接続されて土台107から上方に延在する柱脚(ペデスタル)108を有する
ことができる。さらに示されるように、ベース103が、構造物100の一部分を移動さ
せるために使用されるモータにエネルギーを供給することができる、土台107に取り付
けられるパワー・ターミナル109を有することができる。柱脚108を拡張するパワー
・ターミナル109を介して追尾アセンブリ104の高さを調整するための能力も本明細
書で企図される。
【0011】
発電構造物100が、ベース103に取り付けられる軸受アセンブリ115を有するト
ラッカー・アセンブリ104をさらに有することができ、軸受アセンブリ115が具体的
には柱脚108に直接に取り付けられ、軸受アセンブリ115に動作可能に接続されるレ
ール118を移動させるように構成される。軸受アセンブリ115が、本明細書で説明さ
れるように、少なくとも2つの構成要素の間にある可動インターフェースを意味すること
ができ、ここでは、これらの構成要素のうちの1つの構成要素がもう一方の構成要素を基
準として移動するように設計される。移動の種類には、単純な平行移動(1軸に沿う)、
複合的な平行移動(2軸以上に沿う)、単純な回転(1軸を中心とする)、複合的な回転
(2軸以上を中心とする)、及びその組み合せが含まれてよい。トラッカー・アセンブリ
104が、軸受アセンブリ115及びレール118の移動を補助する、モータを有するこ
とができる駆動機構116をさらに有することができる。具体的には、駆動機構116が
、太陽からのエネルギーの放射ビームの効率的な収集及び/又は誘導のためにパネル10
1が空の太陽の位置を追尾するのを可能にすることを目的として、レール118の位置及
びひいてはレール118に取り付けられ得る光起電性パネル(ソーラー・パネル)101
の位置を変化させるように、プログラムされ得る。認識され得るように、レール118の
移動が、構造物100の一部分の、また具体的には支持構造物102を介してレール11
8に取り付けられるパネル101の、移動を促進することができる。例えば、レール11
8が、回転軸を中心としてパネル101を回転可能に支持するように適合され得る。示さ
れるように、構造物100が、単一のベース103に取り付けられるパネル101のアレ
イを有することができる。一実施例によると、パネル101が、太陽の放射エネルギーを
電力へと変換するように構成される、ソーラー・パネルなどの、エネルギー変換構造物で
あってよい。別の実施例で、本項目のパネル101が、太陽の放射エネルギーの向きをソ
ーラー・パネルなどの近くにあるエネルギー変換構造物の方に変えるように設計される、
鏡などの、レフレクタであってよい。
【0012】
示されないが、構造物100が、土台107を基準として柱脚を回転させるための土台
107と柱脚108との間にある軸受アセンブリなどの、他の軸受アセンブリを有するこ
とができる。さらに、他のエネルギー変換構造物が、軸受アセンブリ115、及び軸受ア
センブリ115の中にある本明細書で開示される具体的な構成要素を利用することができ
ることが認識されよう。例えば、別の適切なエネルギー変換構造物には、中心構造物から
延在する複数のプロペラ(又は、翼)を有することができる風力タービンが含まれてよく
、ここでは、タービンが電力を発生させるために回転することが可能でなければならず、
したがって構造物内の軸受アセンブリのところで本明細書で開示される構成要素を利用す
ることができる。
【0013】
図2が、実施例による追尾アセンブリのための軸受アセンブリの側面図の説明図を含む
。追尾アセンブリ204の軸受アセンブリ215が柱脚208上に配置され得、駆動機構
216に動作可能に接続される。追尾アセンブリ204の軸受アセンブリ215が、回転
軸3000に沿うように方向付けられるレール218を支持するように構成されるアダプ
タ217を有することができる。アダプタ217が、後でさらに詳細に説明されるように
レール218の一部分を少なくとも部分的に囲む第1のアダプタ部材22及び第2のアダ
プタ部材224を有することができる。
図2に示されるように、レール218の外部表面
219が、回転軸3000に対して垂直な断面で見て非円形断面を有することができる。
いくつかの実施例で、レール218の外部表面219が、回転軸3000に対して垂直な
断面で見て多角形断面を有することができる。示されるように、レール218の外部表面
219が正方形断面を有することができるが、三角形断面、五角形断面、六角形断面、又
は他の多角形断面も本明細書では企図される。さらに、いくつかの実施例で、レール21
8の外部表面219が、回転軸3000に対して垂直な断面で見て、楕円断面、半円断面
、又は非円形である他の断面を有することができる。さらに
図2に示されるように、アダ
プタ217の内部表面221が、回転軸3000に対して垂直な断面で見て非円形断面を
有することができる。いくつかの実施例で、アダプタ217の内部表面221が、回転軸
3000に対して垂直な断面で見て多角形断面を有することができる。示されるように、
アダプタ217の内部表面221が正方形断面を有することができるが、三角形断面、五
角形断面、六角形断面、又は他の断面も本明細書では企図される。さらに、アダプタ21
7の内部表面221が、回転軸3000に対して垂直な断面で見て、楕円断面、半円断面
、又は非円形である他の断面を有することができる。アダプタの内部表面221がレール
218の外部表面219に対して相補的であってよく、その結果、アダプタの内部表面2
21及びレール218の外部表面219が互いに相補的となり、レール218及びアダプ
タ217を概して固定又は結合することができ、その結果、レール218及びアダプタ2
17が回転軸3000を中心として単一の対の構成要素として回転可能となる。言い換え
ると、レール218及びアダプタ217が、それらの表面が対になっていることにより、
固定され得、回転軸3000を中心として一体に回転可能となり得る。いくつかの実施例
で、アダプタ217が、レール218の移動を促進することができる副構成要素(図示せ
ず)をさらに有することができ、これには例えば、アダプタ217を基準としたレール2
18の軸方向の摺動を促進するのに適する軸受部材が含まれる。
【0014】
さらに
図2を参照すると、追尾アセンブリ204の軸受アセンブリ215がハウジング
250をさらに有することができる。ハウジング250がアダプタ217及びレール21
8を支持するように適合され得る。いくつかの実施例で、ハウジング250が、レール2
18及びアダプタ217を一体に少なくとも部分的に固定するのに使用され得る第1のハ
ウジング部材252及び第2のハウジング部材254を有することができ、その結果、第
1のハウジング部材252及び第2のハウジング部材254が回転軸3000を基準とし
て互いに離れた状態で径方向に移動することできなくなる。アダプタ217及び/又はレ
ール218が、回転軸3000を中心としてハウジング250を基準として回転するよう
に構成され得る。第1のハウジング部材252が外部表面253及び内部表面255を有
することができる。第2のハウジング部材254が外部表面257及び内部表面259を
有することができる。ハウジングの、第1のハウジング部材252の内部表面255及び
第2のハウジング部材254の内部表面259が、これらの2つの部片を一体に結合する
機械的インターフェースを介して、互いに接触していてよいか又は隣接していてよい。こ
の機械的インターフェースが、第1のハウジング部材252及び第2のハウジング部材2
54を一体に固定するために少なくとも1つの固定具256を用いて固定され得る。固定
具256が、ナット、ボルト、バッテン、バックル、クリップ、フランジ、轍叉、グロメ
ット、アイフック、ラッチ、ペグ、爪、リベット、さねはぎ、ねじアンカー、スナップフ
ァスナー、ステッチ、ねじ切りされた固定具、タイ、トグルボルト、ウェッジアンカーの
うちの少なくとも1つを含むことができるか、又は別の手法で取り付けられ得る。示され
る実施例では、固定具256が、ねじ259を挿入することができるように位置合わせさ
れる孔258をハウジング部材内に有することができ、それにより、柱脚208に対して
アダプタ217を締め付ける。こうすることで、第1のハウジング部材252及び第2の
ハウジング部材254がアダプタ217の周りでクランプとして機能することができる。
【0015】
図3A~3Bが、本明細書の実施例による追尾アセンブリのためのアダプタの図を含む
。
図3Aが、実施例による追尾アセンブリのためのアダプタの側面図の説明図を含む。図
3Bが、実施例による追尾アセンブリのための、径方向においてレールを囲むアダプタの
第1のアダプタ部材の断面図の説明図を含む。上で述べたように、アダプタ317が、第
1のアダプタ部材322、及び第1のアダプタ部材322に結合される第2のアダプタ部
材324を有することができる。第1のアダプタ部材322及び第2のアダプタ部材32
4の各々が外部表面(323、325)を有することができる。第1のアダプタ部材32
2の外部表面323及び第2のアダプタ部材324の外部表面325の各々が円弧形状構
造物を有することができ、それによりアダプタ317の外部部分のための円形形状構造物
を形成する。第1のアダプタ部材322及び第2のアダプタ部材324の各々が、第1の
アダプタ部材322及び第2のアダプタ部材324の各々の外部表面323、325から
軸方向に延在する、互いの方を向く一対の側方部分(326、328、327、329)
を有することができる。一対の側方部分(326、328、327、329)が、アダプ
タ317の第1のアダプタ部材322及び第2のアダプタ部材324の各々の外部表面3
23、325の一部分である円周方向構330、332を形成することができる。多数の
実施例で、材料ストリップ370、372が第1のアダプタ部材322及び/又は第2の
アダプタ部材324の外部表面323、325に接触するように設置され得るか又は配設
され得る。材料ストリップ370、372が第1のアダプタ部材322及び/又は第2の
アダプタ部材324の円周方向溝330、332の中に配置され得る。実施例で、複数の
材料ストリップ370、372が第1のアダプタ部材322の円周方向溝330及び第2
のアダプタ部材324の円周方向溝332の中に配置され得る。
図3Bに最も良好に示さ
れるように、アダプタ317が、トラッカー・アセンブリ304内のレール318の径方
向外側に配置され得る第1のアダプタ部材322を有することができる。アダプタ317
及び/又は第1のアダプタ部材322が、第1のアダプタ部材322の側方部分(326
、238)の厚さ方向に切り入れられるスリット(331、333)をさらに有すること
ができる。第2のアダプタ部材324が対応するスリットをさらに有することができる。
スリットが、材料ストリップをアダプタ317に対して機械的に固定するために、材料ス
トリップを受け入れるのに使用され得る。材料ストリップが、円周方向溝330、332
の内部においてアダプタ317の第1のアダプタ部材322又は第2のアダプタ部材32
4の少なくとも一方の外部表面323、325に装着されるためにスリットを通って摺動
することにより、設置され得る。
【0016】
さらに、
図2に示されるように、第1のハウジング部材252の内部表面255及び第
2のハウジング部材254の内部表面259が、第1のアダプタ部材及び/又は第2のア
ダプタ部材の外部表面とのインターフェースを形成することができるか又は第1のアダプ
タ部材及び/又は第2のアダプタ部材の外部表面に非常に密接することができる。
図3~
3Bに示されるように、材料ストリップ370、372が、第1のハウジング部材の内部
表面又は第2のハウジング部材の内部表面のうちの少なくとも一方と第1のアダプタ部材
322の外部表面323又は第2のアダプタ部材324の外部表面325との間に配置さ
れ得る。例えば、
図3Bに最も良好に示されるように、ストリップ370が第1のアダプ
タ部材322の溝330の中に配置され得、対して第1のハウジング部材の内部表面が溝
330の中でストリップ370の上に配置されるようにサイズ決定され得る。材料ストリ
ップ370、372が、後でより詳細に考察されるように低摩擦材料を含むことができる
。ハウジングの内部表面とアダプタ317の外部表面323、325との間のインターフ
ェースのところにある材料ストリップ370、372の低摩擦材料が、所望のスリップ・
インターフェースを提供することにより、ハウジングを基準としたアダプタ317(及び
、固定のレール)の移動又は滑り或いはその逆を可能にすることができる。
図3A~3B
に示される実施例で、低摩擦材料を含む材料ストリップ370、372が、アダプタ31
7の第1のアダプタ部材322又は第2のアダプタ部材324のうちの少なくとも一方の
外部表面323、325に固定され得る。例えば、これが、上述したように、アダプタ3
17の第1のアダプタ部材322の中にあるスリット(331、333)を用いて、第1
のアダプタ部材322の溝330の中に材料ストリップ370を固定することにより、行
われ得る。別の実施例で、後でさらに詳細に考察するように、材料ストリップ370、3
72がアダプタ317の形状に従うように(すなわち一致するように)予め形成され得る
。例えば、材料ストリップ370が、側方部分326、328に接触する状態で第1のア
ダプタ部材322の溝330の中にゼロクリアランスで嵌め込まれるのを実現するように
サイズ決定され得、第1のアダプタ部材322に合うように成形され得るか又は第1のア
ダプタ部材322に接着的に取り付けられ得る。別の実施例で、機械的ストッパが溝33
0の各端部のところに配置され得、それにより第1のアダプタ部材370に接触させる状
態で材料ストリップ370を定位置で維持する。他の実施例で、材料ストリップ370、
372が、接着剤、超音波溶接、機械的なねじ留め(mechanical screw
ing)を利用することにより、又は正確なプレス嵌め作業により、アダプタ317に対
して固定され得る。
【0017】
図4が、別の実施例による追尾アセンブリのための軸受アセンブリの側面図の説明図を
含む。
図2の軸受アセンブリのすべての構成要素が、
図4に示される対応する構成要素と
同様の特性、寸法、形状、及び能力を有することができることを理解されたい。追尾アセ
ンブリ404の軸受アセンブリ415が柱脚408の上に配置され得る。追尾アセンブリ
404の軸受アセンブリ415が、駆動機構416に動作可能に接続されてレール418
を支持するように構成されるアダプタ417を有することができる。アダプタ417が、
この実施例では、単一の構成要素であってよい。他の実施例と同様に、レール418の外
部表面419が、回転軸3000に対して垂直な断面で見て、非円形断面(例えば、多角
形断面)を有することができる。アダプタ418の内部表面421が、レールの外部表面
419に対して相補的となり得るような、回転軸3000に対して垂直な断面で見て、非
円形断面(例えば、多角形断面)を有することができ、それにより、レール418及びア
ダプタ417を概して固定又は結合することができ、その結果、レール418及びアダプ
タ417が回転軸3000を中心として単一の対の構成要素として回転可能となる。いく
つかの実施例で、アダプタ417が、レール418の移動を促進することができる副構成
要素(図示せず)をさらに有することができ、これには例えば、アダプタ417の一部の
周りでのレール418の摺動を促進するのに適する軸受部材が含まれる。
【0018】
さらに
図4を参照すると、追尾アセンブリ404の軸受アセンブリ415がハウジング
450をさらに有することができる。ハウジング450がアダプタ417及びレール41
8を支持するように適合され得る。いくつかの実施例で、ハウジング450が、レール4
18及びアダプタ417を一体に少なくとも部分的に固定するのに使用され得る第1のハ
ウジング部材452及び第2のハウジング部材454を有することができ、その結果、第
1のハウジング部材452及び第2のハウジング部材454が回転軸3000を基準とし
て互いに離れた状態で径方向に移動することできなくなる。第1のハウジング部材452
が外部表面453及び内部表面455を有することができる。第2のハウジング部材45
4が外部表面457及び内部表面459を有することができる。ハウジング450の、第
1のハウジング部材452の内部表面455及び第2のハウジング部材454の内部表面
459が、これらの2つの部片を一体に結合する機械的インターフェースを介して、互い
に接触していてよいか又は隣接していてよい。この機械的インターフェースが、第1のハ
ウジング部材452及び第2のハウジング部材454を一体に固定するために少なくとも
1つの固定具456を用いて固定され得る。固定具456が、ナット、ボルト、バッテン
、バックル、クリップ、フランジ、轍叉、グロメット、アイフック、ラッチ、ペグ、爪、
リベット、さねはぎ、ねじアンカー、スナップファスナー、ステッチ、ねじ切りされた固
定具、タイ、トグルボルト、ウェッジアンカーのうちの少なくとも1つを含むことができ
るか、又は別の手法で取り付けられ得る。示される実施例では、固定具456が、ねじ4
59を挿入することができるように位置合わせされる孔458をハウジング部材内に有す
ることができ、それにより、柱脚に対してアダプタ417を締め付ける。
【0019】
多数の実施例で、第2のハウジング部材454が複数の構成要素を含むことができる。
図4に示されるように、頂部側の第2のハウジング部材454aがアダプタ417を支持
することができる。底部側の第2のハウジング部材454bが頂部側の第2のハウジング
部材454bを支持することができる。頂部側の第2のハウジング部材454aの形状が
第1のハウジング部材452に実質的に類似してよい。底部側の第2のハウジング部材4
54bが柱脚408に取り付けられ得る。
【0020】
図4に示される実施例では、アダプタ417の外部表面423が円形形状を有すること
ができる。さらに、第1のハウジング部材452の内部表面455及び第2のハウジング
部材454の内部表面459がアダプタ417の外部表面423に対して相補的である円
形形状を有することができる。したがって、第1のハウジング部材452の内部表面45
5及び第2のハウジング部材454の内部表面459が、アダプタ417の外部表面42
3に結合されるように適合される円形形状を有することができる。多数の実施例で、アダ
プタ417の外部表面423が部分的な球形状を有することができる。さらに、第1のハ
ウジング部材452の内部表面455及び第2のハウジング部材454の内部表面459
が、アダプタ417の外部表面に対して相補的である部分的な球形状を有することができ
、それによりスイベル・インターフェースを形成する。実施例で、第1のハウジング部材
452の外部表面453及び第2のハウジング部材454の外部表面457がやはり部分
的な球形状を有することができる。別の実施例で、底部側の第2のハウジング部材454
bの内部表面461が、頂部側の第2のハウジング部材454aの外部表面457に対し
て相補的である部分的な球形状を有することができる。
【0021】
さらに、
図4に示されるように、第1のハウジング部材452の内部表面455及び第
2のハウジング部材454の内部表面459がアダプタ417の外部表面423とのイン
ターフェースを形成することができるか又はアダプタ417の外部表面423に非常に密
接することができる。材料ストリップ470、472が第1のハウジング部材452の内
部表面455又は第2のハウジング部材454の内部表面459のうちの少なくとも一方
とアダプタ417の外部表面423との間に配置され得る。材料ストリップ470、47
2が、後でさらに詳細に考察されるように低摩擦材料を含むことができる。ハウジング4
50の内部表面455、459とアダプタ417の外部表面423との間のインターフェ
ースのところにある材料ストリップ470、472の低摩擦材料が、所望のスリップ・イ
ンターフェースを提供することにより、ハウジング450を基準としたアダプタ417(
及び、固定のレール418)の移動又は滑り或いはその逆を可能にすることができる。図
4に示される実施例では、低摩擦材料を含む材料ストリップ470、472が、ハウジン
グ450の、第1ハウジング部材452又は第2のハウジング部材454のうちの少なく
とも一方の内部表面455、459に固定され得る。例えば、これが、ハウジング450
の、第1のハウジング部材452又は第2のハウジング部材454のうちの少なくとも一
方の内部表面455、459に対して材料ストリップ470を固定することにより、行わ
れ得る。別の実施例で、後でさらに詳細に考察されるように、材料ストリップ470、4
72がハウジング450の形状に従って予め形成され得る。例えば、材料ストリップ47
0、472が、ハウジング450の、第1のハウジング部材452又は第2のハウジング
部材454のうちの少なくとも一方の内部表面455、459にゼロクリアランスで嵌め
込まれるのを実現するようにサイズ決定され得、ハウジング450の第1のハウジング部
材452又は第2のハウジング部材454のうちの少なくとも一方に合うように成形され
得るか又はそれらに接着的に取り付けられ得る。他の実施例で、材料ストリップ470、
472が、接着剤、超音波溶接、機械的なねじ留めを利用することにより、又は正確なプ
レス嵌め作業により、アダプタ450に対して固定され得る。さらに、材料ストリップ4
70、472の低摩擦材料が、アダプタ417に対してのハウジング450の第1のハウ
ジング部材452及び第2のハウジング部材454のクランプとして又はそのクランプの
補助具として機能することができる。これは、低摩擦材料が、アダプタ450に対してハ
ウジング450をより良好に嵌め込むことができる弾性挙動を提供することができ、アダ
プタ450に対してより大きいクランプ力を提供することができることにより、行われ得
る。
【0022】
図5A及び5Bが、別の実施例によると、追尾アセンブリのための軸受アセンブリの上
面断面図の説明図を含む。
図4の軸受アセンブリのすべての構成要素が、
図5A及び5B
に示される対応する構成要素と同様の特性、寸法、形状、及び能力を有することができる
ことを理解されたい。
図5A及び5Bの図で見ることができるように、追尾アセンブリ5
04の軸受アセンブリ515が、レール518の軸方向運動及び/又は回転運動によりハ
ウジング550から外れることがないようにレール518(及び、添着されるアダプタ5
17)を支える追加の構成要素なしで、レール518の回転を可能にする、ハウジング5
50を基準としたレール518のアダプタ517のスイベル・マウントを有することがで
きる。多数の実施例で、レール518が、ハウジング550内にあるレール518及びア
ダプタ517のスイベル・マウントにより、軸方向にある回転軸を基準として軸方向に位
置をずらされ得る。多数の実施例で、レール518が、ハウジング550内にあるレール
518及びアダプタ517のスイベル・マウントにより、軸方向にある回転軸を基準とし
て横方向に位置をずらされ得る。したがって、ハウジング550内のレール518及びア
ダプタ517のスイベル・マウントが任意の必要な位置においてレール518の空間的な
方向付けを行うのを可能にする。材料ストリップ570、572が、上述したように、ア
ダプタ517とハウジング550との間のインターフェースのところに配置され得、それ
によりハウジングを基準としたアダプタ517の移動を補助する。
【0023】
本明細書の実施例では、アダプタ、レール、及び/又はハウジング(或いは、その任意
の構成要素)が、少なくとも部分的に、金属を含むことができる。特定の実施例によると
、金属が、鉄、銅、チタン、錫、アルミニウム、その合金を含むことができるか、又は別
の種類の金属であってもよい。多数の実施例で、アダプタ、レール、及び/又はハウジン
グ(或いは、その任意の構成要素)が、ポリマーを含むことができる。実施例で、アダプ
タ、レール、及び/又はハウジング(或いは、その任意の構成要素)が、プラスチック・
ポリマーで作られ得る。プラスチック・ポリマーが、ポリケトン、ポリアラミド、ポリフ
ェニレンスルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイ
ミド、超高分子量ポリエチレン、フッ素重合体、ポリベンゾイミダゾール、ポリアセター
ル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネー
ト(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリスルホン、ポリアミド(PA)、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリウレタン、ポリエステ
ル、液晶ポリマー(LCP)、又はその任意の組み合せを含む群から選択され得る。プラ
スチック・ポリマーが熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーであってよい。本明細書の
実施例では、アダプタ、レール、及び/又はハウジング(或いは、その任意の構成要素)
が、さらに、ガラス・フィラー、シリカ、クレイ、マイカ、カオリン、又は他の合成フィ
ラーを含むことができる。本明細書の実施例では、アダプタ、レール、及び/又はハウジ
ング(或いは、その任意の構成要素)が、面取り、旋削、リーミング、鍛造、押し出し、
成形、焼結、圧延、又は鋳造、射出成形、或いは3Dプリンティングのうちの少なくとも
1つによって構成され得る。本明細書の実施例の、アダプタ、レール、及び/又はハウジ
ング(或いは、その任意の構成要素)が、当業界で所望されるような、具体的な材料、材
料の厚さ、構成要素の寸法、及び特定の機械的特性(例えば、スティフネス)、並びに化
学的不活性を含めた、特徴の1つ又は複数の組み合せを利用することができる。
【0024】
上で述べたように、多数の実施例で、材料ストリップが、アダプタ(第1のアダプタ部
材及び/又は第2のアダプタ部材))の外部表面に接触するように、設置され得るか、装
着され得るか、又は他の形で配設され得る。さらに、上で述べたように、多数の実施例で
、材料ストリップが、ハウジング(第1のハウジング部材及び/又は第2のハウジング部
材)の内部表面に接触するように、設置され得るか、装着され得るか、又は他の形で配設
され得る。説明を目的として、
図6が、材料ストリップを形成するための形成プロセス6
10を示す図を含む。形成プロセス610が、低摩擦材料を含む材料を提供するという第
1のステップ612を含むことができる。任意選択で、形成プロセス10が、材料ストリ
ップを形成するために低摩擦材料に接触させるように基体を配置するという第2のステッ
プ14をさらに含むことができる。
【0025】
図7Aが、
図6に示される形成プロセス610の第のステップ612を利用して形成さ
れ得る材料ストリップ7000の説明図を含む。多数の実施例で、材料ストリップ700
0が低摩擦層704を有することができる。多数の実施例で、低摩擦層704が低摩擦材
料を含むことができる。低摩擦材料が、例えば、ポリケトン、ポリアラミド、ポリフェニ
レンスルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド
、超高分子量ポリエチレン、フッ素重合体、ポリベンゾイミダゾール、ポリアセタール、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
イミド(PI)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
エチレン(PE)、ポリスルホン、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リフェニレンスルファイド(PPS)、ポリウレタン、ポリエステル、液晶ポリマー(L
CP)、又はその任意の組み合せなどの、ポリマーを含むことができる。実例で、低摩擦
層704が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエー
テルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトン、その誘導体、又はその組み合せ
などの、ポリケトンを含む。追加の実例で、低摩擦層704が、超高分子量ポリエチレン
を含むことができる。別の実例で、低摩擦層704が、フッ素化エチレンプロピレン(F
EP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
、過フルオロアルコキシ(PFA)、四フッ化エチレンのターポリマー、ヘキサフルオロ
プロピレン、ビニリデンフルオリド(THV)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PC
TFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合(ETFE)、又はエチレン・クロ
ロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)を含む、フッ化重合体を含むことができ
る。低摩擦層704が熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーであってよい。低摩擦層7
04が、リチウム石鹸、黒鉛、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、ポ
リテトラフルオロエチレン、窒化炭素、タングステンカーバイト、又はダイヤモンドライ
クカーボン、金属(アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、錫、白金、チタン、タング
ステン、鉄、青銅、鋼鉄、ばね鋼、ステンレス鋼など)、金属合金(列記される金属を含
む)、陽極酸化金属(列記される金属を含む)、或いはその任意の組み合せを含めた、固
体ベースの材料を含むことができる。特定の実施例によると、フッ素重合体が使用され得
る。実施例で、低摩擦層704が織布メッシュ又はエキスパンドメタル・グリッドを含む
ことができ、ここでは、低摩擦材料が織布メッシュ又はエキスパンドメタル・グリッドの
中に埋め込まれるか又はそれらの中に充填される。織布メッシュ又はエキスパンドメタル
・グリッドが、アルミニウム、鋼鉄、ステンレス鋼、青銅などの、金属又は金属合金を含
むことができる。別法として、織布メッシュが、低摩擦材料で作られる織布ポリマーメッ
シュであってよい。
【0026】
多数の実施例で、低摩擦層704がフィラーをさらに有することができ、これには、ガ
ラス繊維、炭素繊維、シリコン、PEEK、芳香族ポリエステル、炭素粒子、青銅、フッ
素重合体、熱可塑性フィラー、酸化アルミニウム、ポリアミドイミド(PAI)、PPS
、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、LCP、芳香族ポリエステル、二硫化モリブ
デン、二硫化タングステン、黒鉛、grapheme、膨張黒鉛、窒化ホウ素、タルク、
フッ化カルシウム、又はその任意の組み合せが含まれる。加えて、フィラーが、アルミナ
、シリカ、二酸化チタン、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、マイカ、ウォラストナイト、
炭化ケイ素、窒化シリコン、ジルコニア、カーボンブラック、顔料、又はその任意の組み
合せを含むことができる。フィラーが、ビード、繊維、粉末、メッシュ、又はその任意の
組み合せの形態であってよい。フィラーが低摩擦層の全重量に基づいて少なくとも10w
t%であってよく、これは、少なくとも15wt%、20wt%、25wt%、又はさら
には30wt%などである。
【0027】
実施例で、低摩擦層704が、約0.001mmから約20mmの厚さTSLを有する
ことができる。多数の実施例で、低摩擦層704が、約0.5mmから約3mmの厚さT
SLを有することができる。さらに、低摩擦層704の厚さTSLが、上に記載した任意
の最小値及び最大値との間の任意の値であってよいことを認識されたい。低摩擦層704
の厚さが一様であってよく、つまり、低摩擦層704の第1のロケーションの厚さがその
第2のロケーションの厚さに等しくてよい。低摩擦層704の厚さが非一様であってもよ
く、つまり、低摩擦層704の第1のロケーションの厚さがその第2のロケーションの厚
さと異なってよい。異なる低摩擦層704が異なる厚さを有してよいことが認識されよう
。
【0028】
図7Bが、
図6に示される形成プロセス610の第1のステップ612を利用して形成
され得る、材料ストリップ7000の代替の、材料ストリップ7001の別の実施例の説
明図を含む。説明を目的として、
図7Bが、材料ストリップ7001の層ごとの構成を示
す。材料ストリップ7001が基体719を有することができる。実施例で、基体719
が少なくとも部分的に金属を含むことができる。特定の実施例によると、金属が、鉄、銅
、チタン、錫、アルミニウム、その合金を含むことができるか、又は別の種類の金属であ
ってもよい。より具体的には、基体719が、少なくとも部分的に、ステンレス鋼、炭素
鋼、又はばね鋼などの、鋼鉄を含むことができる。例えば、基体719が、少なくとも部
分的に、301ステンレス鋼を含むことができる。301ステンレスが、1/4ハード、
1/2ハード、3/4ハード、又はフルハードで焼きなまし処理され得る。さらに、鋼鉄
が、クロム、ニッケル、又はその組み合せを含む、ステンレス鋼を含むことができる。実
施例で、基体719が織布メッシュ又はエキスパンドメタル・グリッドを含むことができ
る。織布メッシュ又はエキスパンドメタル・グリッドが、アルミニウム、鋼鉄、ステンレ
ス鋼、青銅などの、金属又は金属合金を含むことができる。別法として、織布メッシュが
織布ポリマーメッシュであってよい。代替の実施例で、基体719がメッシュ又はグリッ
ドを有さなくてよい。さらに、基体719が≧350であってよいビッカースピラミッド
硬さVPNを有することができ、これが、≧375、≧400、≧425、又は≧450
などである。また、VPNは、≦500、≦475、又は≦450であってよい。VPN
はまた、本明細書で説明されるVPN値のうちの任意のVPN値の間の範囲(その任意の
値も含む)内にあってよい。別の態様で、基体719がその耐食性を向上させるために処
理され得る。具体的には、基体719が不動態化処理され得る。例えば、基体719が、
ASTM規格のA967に従って不動態化処理され得る。基体719が、面取り、旋削、
リーミング、鍛造、押し出し、成形、焼結、圧延、又は鋳造のうちの少なくとも1つによ
って形成され得る。
【0029】
実施例で、基体719が約0.001mmから約10mmの厚さTSを有することがで
きる。さらに、基体719の厚さTSが、上に記載した任意の最小値及び最大値との間の
任意の値であってよいことを認識されたい。基体719の厚さが一様であってよく、つま
り、基体719の第1のロケーションの厚さがその第2のロケーションの厚さに等しくて
よい。基体719の厚さが非一様であってもよく、つまり、基体719の第1のロケーシ
ョンの厚さがその第2のロケーションの厚さと異なってよい。
【0030】
さらに
図7Bを参照すると、多数の実施例で、材料ストリップ7001が、基体719
と、基体719に結合されるか又は基体719の上に配置される低摩擦層704とを有す
ることができる。より具体的な実施例では、材料ストリップ7001が、基体719と、
基体719の上に配置される複数の低摩擦層704とを有することができる。具体的な実
施例で、低摩擦層704が、別の構成要素の別の表面とのインターフェースを形成するた
めに基体719の表面に結合され得る。低摩擦層704が基体719の径方向内側表面に
結合され得る。別法として、低摩擦層704が基体719の径方向外側表面に結合され得
る。別の代替の実施例で、中実の構成要素、織布メッシュ、又はエキスパンドメタル・グ
リッドとしての、基体719が、低摩擦層704の中に埋め込まれるか又は充填され得る
。実施例で、基体719が低摩擦層704に少なくとも部分的に包まれ得る。つまり、低
摩擦層104が基体719の少なくとも一部分を覆うことができる。
【0031】
図7Cが、形成プロセス10の第1のステップ12の材料ストリップとなるように形成
され得る、材料ストリップ7000、7001の代替の、材料ストリップ7002の代替
の実施例の説明図を含む。説明を目的として、
図2Cが、材料ストリップの材料ストリッ
プ7002の層ごとの構成を示す。この特定の実施例によると、材料ストリップ1002
が、この材料ストリップ7002が基体719及び低摩擦層704に対して低摩擦層70
4に結合することができる少なくとも1つの接着層721をさらに有することができるこ
とを除いて、
図7Bの材料ストリップ7001と同様であってよい。別の代替の実施例で
、中実の構成要素、織布メッシュ、又はエキスパンドメタル・グリッドとしての、基体7
19が、低摩擦層704と基体719との間に含まれる少なくとも1つの接着層721の
間に埋め込まれ得る。
【0032】
接着層721が、限定しないが、フッ素重合体、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
エーテル/ポリアミド共重合体、エチレン酢酸ビニル、エチレン・テトラフルオロエチレ
ン(ETFE)、ETFE共重合体、過フルオロアルコキシ(PFA)、又はその任意の
組み合せを含めた、リングの技術分野において一般的である任意の既知の接着材料を含む
ことができる。加えて、この接着剤が、-C=O、-C-O-R、-COH、-COOH
、-COOR、-CF2=CF-OR、又はその任意の組み合せから選択される少なくと
も1つの官能基を含むことができ、ここでは、Rが1個から20個の炭素原子を含有する
環式有機基又は直鎖有機基である。加えて、この接着剤が共重合体を含むことができる。
【0033】
炭素フィラー、炭素繊維、炭素粒子、黒鉛、青銅、アルミニウム、及び他の金属、並び
にその合金などの、金属フィラー、金属酸化物フィラー、金属被覆炭素フィラー、金属被
覆ポリマーフィラー、又はその任意の組み合わせなどの、フィラー粒子(機能的及び/又
は非機能的)が接着層721の中に加えられ得る。
【0034】
実施例で、ホットメルト接着剤が250℃以下の融解温度を有することができ、これが
220℃以下などである。別の実施例で、接着剤が200℃以上で分解することができ、
これが220℃以上などである。別の実施例で、ホットメルト接着剤の融解温度が250
℃又はさらには300℃以上であってよい。接着層721が約0.040mmから約10
mmの厚さTALを有することができる。別の実施例で、接着層721が約8mmから約
10mmの厚さTALを有することができる。さらに、接着層721の厚さTALが、上
に記載した任意の最小値及び最大値との間の任意の値であってよいことを認識されたい。
接着層721の厚さが一様であってよく、つまり、接着層721の第1のロケーションの
厚さがその第2のロケーションの厚さに等しくてよい。接着層721の厚さが非一様であ
ってもよく、つまり、接着層721の第1のロケーションの厚さがその第2のロケーショ
ンの厚さと異なってよい。
【0035】
図7Dが、形成プロセス610の第1のステップ612の材料ストリップとなるように
形成され得る、材料ストリップ7000、7001、7002の代替の、材料ストリップ
7003の代替の実施例の説明図を含む。説明を目的として、
図7Dが、材料ストリップ
7003の層ごとの構成を示す。この特定の実施例によると、材料ストリップ7003が
、この材料ストリップ7003が、少なくとも1つの防食層714、705、及び718
、並びに、接着促進層727と、基体719及び低摩擦層704に結合され得るエポキシ
層729とを有することができる防食コーティング725をさらに有することができるこ
とを除いて、
図7Cの材料ストリップ7002と同様であってよい。
【0036】
基体719が、処理前の材料ストリップ7003の腐食を防止するための防食材料を含
む防食層714及び705で被覆され得る。加えて、防食層718が層714の上に加え
られ得る。層714、705、及び718の各々が約0.001mmから約5mmの厚さ
を有することができる。層714及び705が、亜鉛、鉄、マンガン、又はその任意の組
み合せの、リン酸塩を含む防食材料、或いはナノセラミック層を含むことができる。さら
に、層714及び705が、官能基シラン、ナノスケールのシランベースのプライマー、
加水分解シラン、有機シランの接着促進剤、溶媒/水ベースのシランプライマー、塩素化
ポリオレフィン、不動態化処理された表面、アルミニウム被覆、市販されている亜鉛(機
械的/ガルバニック)、又は亜鉛-ニッケルコーティング、或いはその任意の組み合せを
含めた、防食材料を含むことができる。層718が、官能基シラン、ナノスケールのシラ
ンベースのプライマー、加水分解シラン、有機シランの接着促進剤、溶媒/水ベースのシ
ランプライマーを含むことができる。処理中、防食層714、705、及び718が除去
され得る又は保持され得る。
【0037】
上で述べたように、材料ストリップ7003が、防食コーティング725をさらに含む
ことができる。防食コーティング725が接着促進層727及びエポキシ層729を含む
ことができる。接着促進層727が、亜鉛、鉄、マンガン、錫、又はその任意の組み合せ
の、リン酸塩を含む防食材料、或いはナノセラミック層を含むことができる。接着促進層
727が、官能基シラン、ナノスケールのシランベースの層、加水分解シラン、有機シラ
ンの接着促進剤、溶媒/水ベースのシランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化
処理された表面、市販されている亜鉛(機械的/ガルバニック)、又は亜鉛-ニッケルコ
ーティング、或いはその任意の組み合せを含めた、防食材料を含むことができる。接着促
進層727が、スプレー・コーティング、eコーティング、ディップスピン・コーティン
グ、静電コーティング、フロー・コーティング、ロール・コーティング、ナイフ・コーテ
ィング、コイル・コーティングなどにより、加えられ得る。
【0038】
エポキシ層729が、熱硬化エポキシ、UV硬化エポキシ、IR硬化エポキシ、電子ビ
ーム硬化エポキシ、放射線硬化エポキシ、又は空気硬化エポキシを含む、防食材料であっ
てよい。さらに、エポキシ層729が、ポリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル
、ビスフェノールA、ビスフェノールF、オキシラン、オキサシクロプロパン、エチレン
オキシド、1,2-エポキシプロパン、2-メチルオキシラン、9,10-エポキシ-9
,10-ジヒドロアントラセン、又はその任意の組み合せを含む、防食材料を含むことが
できる。エポキシ層729が硬化剤をさらに含むことができる。硬化剤には、アミン、酸
無水物、フェノールノボラックポリ[N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド](P
HPMI)などのフェノールノボラック硬化剤、リソールフェノールホルムアルデヒド、
脂肪族アミン化合物、ポリ炭酸無水物、ポリアクリル酸塩、イソシアネート、カプセル化
されたポリイソシアネート、三フッ化ホウ素アミン錯体、クロムなどのクロムベースの硬
化剤、ポリアミド、又はその任意の組み合せが含まれてよい。一般に、酸無水物は化学式
R-C=O-O-C=O-R’に一致することができ、ここでは、Rが上述したCXHY
XZAUであってよい。アミンには、モノエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラアミンなどの、脂肪族アミン、脂環式アミン、環式脂肪族アミン及びシクロ
脂肪族アミンなどの芳香族アミン、アミドアミン、ポリアミド、ジシアンジアミド、イミ
ダゾール派生物など、或いはその任意の組み合せが含まれてよい。一般に、アミンは、化
学式R1R2R3Nに一致する一級アミン、二級アミン、又は第三級アミンであってよく
、ここでは、Rが上述したCXHYXZAUであってよい。実施例で、エポキシ層729
が、炭素フィラー、炭素繊維、炭素粒子、黒鉛、青銅、アルミニウム、及び他の金属、並
びにその合金などの、金属フィラー、金属酸化物フィラー、金属被覆炭素フィラー、金属
被覆ポリマーフィラー、又はその任意の組み合せなどの、導電性を向上させるためのフィ
ラーを含むことができる。この導電性フィラーが電流がエポキシ・コーティングを通過す
るのを可能にすることができ、導電性フィラーを有さない材料ストリップと比較して材料
ストリップの導電性を向上させることができる。実施例で、エポキシ層729が、スプレ
ー・コーティング、eコーティング、ディップスピン・コーティング、静電コーティング
、フロー・コーティング、ロール・コーティング、ナイフ・コーティング、コイル・コー
ティングなどにより、加えられ得る。加えて、エポキシ層729が、熱硬化、UV硬化、
IR硬化、電子ビーム硬化、放射線硬化、又はその任意の組み合せなどにより、硬化され
得る。好適には、この硬化が、低摩擦層704、接着層721、基体719、又は接着促
進層727のうちの任意の層の分解温度を超える温度まで構成要素の温度を上昇させるこ
となく達成され得る。したがって、エポキシが、約250℃未満、さらには約200℃未
満で、硬化され得る。
【0039】
実施例で、
図6のステップ12において、
図7A~7Dを参照して上述した材料ストリ
ップ7000、7001、7002、7003上の層のうちの任意の層の各々がロールの
形態で配設されてそこから剥がされ得、高温での圧力により(熱間プレス又は冷間プレス
、或いは熱間圧延又は冷間圧延)、接着剤により、又はその任意の組み合せにより、一体
に接合され得る。上述した、材料ストリップ7000、7001、7002、7003上
の層のうちの任意の層が、少なくとも部分的に互いの上に配置されることになるように、
一体に積層され得る。上述した、材料ストリップ7000、7001、7002、700
3上の層のうちの任意の層が、例えば、物理的蒸着又は蒸気蒸着、吹き付け、めっき、粉
末コーティング、或いは他の化学的テクニック又は電気化学的テクニックなどの、コーテ
ィング・テクニックを使用して、一体に加えられ得る。特定の実施例で、低摩擦層704
が、例えば押出コーティングを含めた、ロールツーロール方式のコーティング・プロセス
によって加えられ得る。低摩擦層704が溶融状態又は半溶融状態まで加熱され得、スロ
ットダイを通して基体719の主表面の上まで押し出され得る。実施例で、材料ストリッ
プ7000、7001、7002、7003が1つの一体の材料ストリップであってよい
。
【0040】
他の実施例で、
図6のステップ12において、
図7A~7Dを参照して上述した材料ス
トリップ7000、7001、7002、7003上の層のうちの任意の層が、上述した
ように、例えば、物理的蒸着又は蒸気蒸着、吹き付け、めっき、粉末コーティング、或い
は他の化学的テクニック又は電気化学的テクニックなどの、コーティング・テクニックに
より、加えられ得る。具体的な実施例では、低摩擦層704が、例えば押し出しコーティ
ングを含めた、ロールツーロール方式のコーティング・プロセスによって加えられ得る。
低摩擦層704が溶融状態又は半溶融状態まで加熱され得、スロットダイを通して基体7
19の主表面の上まで押し出され得る。別の実施例で、低摩擦層704が鋳造又は成形さ
れ得る。
【0041】
実施例で、低摩擦層704又は任意の層が、溶融した接着層721を使用して基体71
9に接着され得、それにより積層を形成する。実施例で、材料ストリップ7000、70
01、7002、7003上の介在する層又は目立つ層のうちの任意の層が積層を形成す
ることができる。積層が切断されてストリップ又は素材片にされ得、これらのストリップ
又は素材片が材料ストリップとなるように形成され得る。積層の切断には、スタンプ、プ
レス、パンチ、鋸の使用が含まれてよいか、又は積層の切断が別の手法の機械加工によっ
て行われてもよい。次いで、材料ストリップが、スタンプ、プレス、パンチ、鋸、圧延、
フランジング、深絞りによって形成され得るか、又は上述したようにアダプタ又はハウジ
ングの形状に適合するように別の手法で機械加工され得る。具体的な実施例では、材料ス
トリップ7000が、アダプタ又はハウジングのうちの一方に合うように直接に成形され
得る。別の実施例で、材料ストリップ7000が、構想要素上にある層として、アダプタ
又はハウジングに合うように成形され得、それにより
図7Bと同様に層状の構造物が得ら
れる。さらに別の実施例で、材料ストリップ7000が、間に接着層を有するような構成
要素上にある層として、アダプタ又はハウジングに対して接着的に装着され得、それによ
り
図4Cと同様に層状の構造物が得られる。別の実施例で、材料ストリップ7003の全
体がアダプタ又はハウジングに装着され得る。半完成品の材料ストリップを形作った後、
半完成品の材料ストップが、形成・成形プロセスで使用したすべての潤滑剤及びオイルを
除去するために洗浄され得る。洗浄には、溶媒を用いる化学的洗浄、及び/又は超音波洗
浄などの機械的洗浄が含まれてよい。
【0042】
「実例」
本発明で使用されるアダプタのための材料の実例には、テレフタレート系、スチレン系
、及び、上で言及したポリマーのポリマー混合物である他の合成材料から選択されるポリ
マーを含むことができる。別の実例で、アダプタの材料が、PET、PBT、PPE、A
BS、PC、PP、及びポリエチレン、並びにその任意の組み合せの群から選択され得る
。この工業用のプラスチック・ポリマー複合材がさらに、ガラス・フィラー、シリカ、ク
レイ、マイカ、カオリン、又は他の合成フィラーを含む。本明細書の実施例においてアダ
プタの材料に対して材料ストリップを組み合わせることにより、トラッカー・アセンブリ
の耐用年数を約15年延ばすことができる。さらに、本発明の追尾アセンブリは、表1に
示されるように、比較的低いコストで、強度及びトライボロジ的特性を向上させることが
できる。
【表1】
【0043】
POM及びUHMWPEの場合の表1に示される摩擦係数(CoF)値は表面に見られ
る係数を表している。提案されるシステム1及び提案されるシステム2では、CoF値が
材料ストリップの表面の摩擦係数を示している。
【0044】
表1に関して、提案されるシステム1が、アダプタと、低摩擦係数の材料ストリップと
であってよい。ここでは、アダプタが、PET材料と30%のガラス・フィラーとの組み
合せで作られ得る。別の実例で、提案されるシステム2が、アダプタと、低摩擦係数の材
料ストリップとを有する。アダプタがPET及び45%のガラス・フィラーで作られ得る
。表1に示されるように、提案されるシステム1及び提案されるシステム2がアダプタの
摩擦係数を改善することができ、それにより追尾アセンブリのmaintenance
lifeを向上させることができる。さらに、追尾アセンブリが、ハウジングの構成にお
いて使用される材料のおかげで、既存の解決策と比較して耐候性を向上させることができ
る。したがって、追尾アセンブリが、UV、水、環境汚染物質、ダストなどにより劣化し
易くなり得ない。
【0045】
さらに、
図8が、本明細書の実施例による、提案されるシステム1、2、並びに提案さ
れる追加のシステム3における、4.4kNで10,000サイクル実施される変形量の
関数としての荷重の試験を示す。
図8に示されるように、本明細書で使用される軸受アセ
ンブリの実施例による、提案されるシステム1、2、及び3が、再生可能エネルギー構造
物で使用される場合の寿命を約28年延ばすことができる。さらに、本明細書で使用され
る軸受アセンブリの実施例による、提案されるシステム1、2、及び3のトルク出力が比
較的安定するものとなり得、対して従来技術の軸受アセンブリは最初のサイクルから10
,000サイクルまででトルクが約50%の増大する可能性がある。これは高摩擦である
ことを意味することができ、それにより、本明細書で開示される実施例による軸受アセン
ブリよりも早く軸受アセンブリが摩耗する可能性がある。さらに、
図8に示されるように
、本明細書で使用される軸受アセンブリの実施例による提案されるシステム1、2、及び
3のアダプタの負荷容量が最大約30kNの範囲に入ることができる。
【0046】
本明細書の実施例のトラッカー・アセンブリの軸受アセンブリは、トラッカー・アセン
ブリの従来の軸受アセンブリと比較して動作及び特性が向上することを実証することがで
きる。例えば、一実施例で、本明細書の実施例の軸受アセンブリが防食性及び耐候性が向
上することを実証する。さらに、本明細書の実施例の軸受アセンブリが、材料ストリップ
のおかげで、従来の軸受部材と比較してスティックスリップ性能を一定程度改善すること
を実証する。したがって、本明細書の実施例のトラッカー・アセンブリの軸受アセンブリ
は、効率を向上させること、保守管理を低減すること、及び据え付けコストを低減するこ
とを実現することができ、それによりトラッカー・アセンブリ及び/又は再生可能エネル
ギー構造物の展開の可能性を拡大することを実現することができる。
【0047】
多くの異なる態様及び実施例が可能である。これらの態様及び実施例のうちのいくつか
が以下で説明される。本明細書を読むことにより、これらの態様及び実施例が単に例示で
あり、本発明の範囲を限定しない、ことを当業者であれば認識するであろう。実施例は、
以下に列記される実施例のうちの1つ又は複数の実施例に従うことができる。
【0048】
「実施例1」
発電構造物のトラッカー・アセンブリのための軸受アセンブリであって、軸受アセンブ
リが、
レールに固定されてレールと共に回転可能となるように構成されるアダプタと、
アダプタを支持するように適合されるハウジングであって、アダプタがハウジングを基
準として回転するように構成され、低摩擦材料がアダプタの外部表面とハウジングの内部
表面との間のインターフェースのところに存在する、ハウジングと
を有する。
【0049】
「実施例2」
実施例1による軸受アセンブリであって、アダプタがレールに係合されるための内部表
面を有し、内部表面が非円形である断面形状を有する。
【0050】
「実施例3」
実施例1による軸受アセンブリであって、軸受アセンブリがレールをさらに有し、レー
ルの外部表面が非円形の断面形状を有する。
【0051】
「実施例4」
実施例3による軸受アセンブリであって、アダプタの内部表面の非円形断面がレールの
外部表面の非円形断面に対して相補的であり、それにより、2つの構成要素を固定する。
【0052】
「実施例5」
上記実施例のいずれか1つの実施例による軸受アセンブリであって、ハウジングが、ア
ダプタの周りでクランプとして機能するように適合される第1の部片及び第2の部片を有
する。
【0053】
「実施例6」
上記実施例のいずれか1つの実施例による軸受アセンブリであって、低摩擦材料がハウ
ジングの内部表面に固定される。
【0054】
「実施例7」
実施例6による軸受アセンブリであって、低摩擦材料がクランプとして機能するように
適合される。
【0055】
「実施例8」
上記実施例のいずれか1つの実施例による軸受アセンブリであって、低摩擦材料がアダ
プタの外部表面に固定される。
【0056】
「実施例9」
上記実施例のいずれか1つの実施例による軸受アセンブリであって、低摩擦材料がハウ
ジング又はアダプタの形状に従って予め形成される。
【0057】
「実施例10」
上記実施例のいずれか1つの実施例による軸受アセンブリであって、低摩擦材料が熱可
塑性ポリマーを有する。
【0058】
「実施例11」
上記実施例のいずれか1つの実施例による軸受アセンブリであって、アダプタの外部表
面が円形断面を有する。
【0059】
「実施例12」
実施例11による軸受アセンブリであって、ハウジングの内部表面がアダプタの外部表
面に対して相補的な円形形状を有する。
【0060】
「実施例13」
実施例3による軸受アセンブリであって、レールが光起電性パネルを回転可能に支持す
るように適合される。
【0061】
「実施例14」
上記実施例のいずれか1つの実施例による軸受アセンブリであって、低摩擦材料が材料
ストリップを有し、アダプタの外部表面が材料ストリップを受け入れるように適合される
溝を有する。
【0062】
「実施例15」
発電構造物のトラッカー・アセンブリのためのアセンブリであって、アセンブリが、
回転軸を中心として回転するように適合されるレールと、
レールに固定されてレールと共に回転可能であるアダプタと、
アダプタ及びレールを支持するように適合されるハウジングであって、アダプタ及びレ
ールがハウジングを基準として回転するように適合され、低摩擦材料がアダプタの外部表
面とハウジングの内部表面との間のインターフェースのところに存在する、ハウジングと
を有する。
【0063】
上述の特徴のうちのすべての特徴が必要というわけではないこと、具体的な特徴の一部
が必要ない可能性があること、及び、1つ又は複数の特徴が、説明される特徴に追加され
る形で提供され得ること、に留意されたい。また、特徴を説明する順序は、必ずしも、こ
れらの特徴を導入する順序というわけではない。
【0064】
本明細書では、分かり易いように、特定の特徴が別個の実施例の文脈で説明されるが、
1つの実施例において組み合わされて提供されてもよい。逆に、簡潔さのために、種々の
特徴が1つの実施例の文脈で説明されるが、これらの特徴は別個に提供されてもよく、又
は任意の下位の組み合せで提供されてもよい。
【0065】
上記では、具体的な実施例に関連させて、利点、他の長所、及び問題に対しての解決策
を説明してきたが、これらの利点、長所、問題に対しての解決策、及び、任意の利点、長
所、又は解決策を思い付くのを可能にするか又はより顕著なものにするのを可能にする任
意の特徴は、任意のクレーム又はすべてのクレームの重要な特徴、必要な特徴、又は不可
欠な特徴として解釈されない。
【0066】
本明細書で説明される実施例の詳述及び説明図は種々の実施例の構造を概略的に理解す
るのを可能にすることを意図される。これらの詳述及び説明図は、本明細書で説明される
構造又は方法を使用するアセンブリ及びシステムの要素及び特徴のすべてを徹底的に及び
包括的に説明するものとして働くことを意図されない。1つの実施例において組み合せの
形で別個の実施例が提供されてもよい。逆に、簡潔さのために1つの実施例の文脈で説明
される種々の特徴が別個に提供されたり又は任意の下位の組み合せで提供されたりしても
よい。また、範囲として言及される値を参照することはこの範囲内にある各々のすべての
値も含む。本明細書を読んだ後、当業者には多くの他の実施例が明らかとなろう。他の実
施例も使用され得、また本開示から得ることができ、したがって、本開示の範囲から逸脱
することなく、構造的置換、論理的置換、又は任意の変更が行われ得る。したがって、本
開示は限定的ではなく例示的であるとみなされる。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電構造物のトラッカー・アセンブリのための軸受アセンブリであって、
レールに固定されて前記レールと共に回転可能となるように構成されたアダプタと、
前記アダプタを支持するように適合されたハウジングであって、前記アダプタは、前記ハウジングに対して回転するように構成された、ハウジングと、
アダプタの外部表面とハウジングの内部表面との間のインターフェースに配置された少なくとも1つの材料ストリップであって、低摩擦材料を含む少なくとも1つの材料ストリップと、を備える、軸受アセンブリ。
【請求項2】
前記アダプタは、レールと係合するための内部表面を有し、前記内部表面は、非円形である断面形状を有する、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項3】
前記軸受アセンブリはレールをさらに有し、前記レールの外部表面が、非円形である断面形状を有する、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項4】
前記アダプタの前記内部表面の前記非円形断面は、前記レールの前記外部表面の前記非円形断面に対して相補的であり、それにより前記2つの構成要素を固定する、請求項3に記載の軸受アセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記アダプタの周りでクランプとして機能するように適合された第1の部片及び第2の部片を有する、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項6】
前記低摩擦材料は、前記ハウジングの内部表面に固定される、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項7】
前記低摩擦材料は、クランプとして機能するように適合される、請求項6に記載の軸受アセンブリ。
【請求項8】
前記低摩擦材料は、前記アダプタの外部表面に固定される、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項9】
前記低摩擦材料は、前記ハウジング又は前記アダプタの形状に従うように予め形成される、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項10】
前記低摩擦材料は熱可塑性ポリマーを有する、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項11】
アダプタの外部表面が円形断面を有する、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングの内部表面が、前記アダプタの前記外部表面に対して相補的な円形形状を有する、請求項11に記載の軸受アセンブリ。
【請求項13】
前記レールは、光起電性パネルを回転可能に支持するように適合される、請求項3に記載の軸受アセンブリ。
【請求項14】
前記低摩擦材料は材料ストリップを有し、前記アダプタの外部表面が前記材料ストリップを受け入れるように適合された溝を有する、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項15】
発電構造物のトラッカー・アセンブリのためのアセンブリであって、
回転軸を中心として回転するように適合されたレールと、
前記レールに固定されて前記レールと共に回転可能であるアダプタと、
前記アダプタ及び前記レールを支持するように適合されたハウジングであって、前記アダプタ及び前記レールは、前記ハウジングに対して回転するように適合された、ハウジングと、
アダプタの外部表面とハウジングの内部表面との間のインターフェースに配置された少なくとも1つの材料ストリップであって、低摩擦材料を含む少なくとも1つの材料ストリップと、を備える、アセンブリ。
【外国語明細書】