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特開2023-89044生成装置、生成方法及び生成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089044
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】生成装置、生成方法及び生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0238 20230101AFI20230620BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20230620BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230620BHJP
   G06Q 20/38 20120101ALI20230620BHJP
【FI】
G06Q30/0238
G06Q30/06
G07G1/12 321M
G07G1/12 321N
G06Q20/38 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059905
(22)【出願日】2023-04-03
(62)【分割の表示】P 2021160889の分割
【原出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓也
(72)【発明者】
【氏名】柤野 太希
(72)【発明者】
【氏名】今吉 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】久保 祐斗
(72)【発明者】
【氏名】山本 啓介
(57)【要約】
【課題】決済における利用者の利便性を向上させる。
【解決手段】本願に係る生成装置は、決済時に取引対象を識別するために用いられる識別情報を含む取引対象情報を記憶する記憶部と、取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を、取引対象の提供者から受け付ける受付部と、受付部による受け付けられた設定情報と、取引対象情報とに基づいて、利用者が利用する利用者端末を用いる決済手段であって、識別情報を用いて取引対象を識別する決済手段において利用可能なクーポンを生成する生成部とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済時に取引対象を識別するために用いられる識別情報を含む取引対象情報を記憶する記憶部と、
前記取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を、前記取引対象の提供者から受け付ける受付部と、
前記受付部による受け付けられた設定情報と、前記取引対象情報とに基づいて、利用者が利用する利用者端末を用いる決済手段であって、前記識別情報を用いて取引対象を識別する決済手段において利用可能なクーポンを生成する生成部と
を有することを特徴とする生成装置。
【請求項2】
前記取引対象情報を示すコンテンツを提供する提供部
をさらに有し、
前記受付部は、
前記提供部により提供されたコンテンツを介して前記設定情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記取引対象を提供する店舗が利用する店舗端末により読み取られる識別情報を含む前記取引対象情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の生成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記取引対象に添付されるバーコードが示す識別情報を含む前記取引対象情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の生成装置。
【請求項5】
前記記憶部は、
前記提供者が独自に設定した識別情報を含む前記取引対象情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の生成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
前記取引対象を識別する情報として所定の機関により規格化された識別情報を含む前記取引対象情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1つに記載の生成装置。
【請求項7】
前記受付部は、
所定のカテゴリに属する取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する前記設定情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1つに記載の生成装置。
【請求項8】
前記受付部は、
複数の取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する前記設定情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1つに記載の生成装置。
【請求項9】
前記受付部は、
クーポンを獲得可能な利用者に関する情報を含む前記設定情報を受け付ける
ことを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1つに記載の生成装置。
【請求項10】
前記決済手段を用いた決済の対象である取引対象を識別する識別情報を含む決済情報が、当該取引対象を提供する店舗が利用する店舗端末から受け付けられた場合は、当該識別情報に基づいて、前記利用者が予め獲得した前記クーポンのうち利用者に適用可能なクーポンを特定する特定部と、
前記特定部により特定されたクーポンに基づく利益を前記利用者に付与する付与部と、
前記付与部により付与された利益を示す情報であって、前記店舗端末から出力されるレシートに印刷される情報を前記店舗端末に送信する送信部と
をさらに有することを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1つに記載の生成装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する記憶方法であって、
決済時に取引対象を識別するために用いられる識別情報を含む取引対象情報を記憶する記憶工程と、
前記取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を、前記取引対象の提供者から受け付ける受付工程と、
前記受付工程による受け付けられた設定情報と、前記取引対象情報とに基づいて、利用者が利用する利用者端末を用いる決済手段であって、前記識別情報を用いて取引対象を識別する決済手段において利用可能なクーポンを生成する生成工程と
を有することを特徴とする生成方法。
【請求項12】
決済時に取引対象を識別するために用いられる識別情報を含む取引対象情報を記憶する記憶手順と、
前記取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を、前記取引対象の提供者から受け付ける受付手順と、
前記受付手順による受け付けられた設定情報と、前記取引対象情報とに基づいて、利用者が利用する利用者端末を用いる決済手段であって、前記識別情報を用いて取引対象を識別する決済手段において利用可能なクーポンを生成する生成手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成装置、生成方法及び生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の取引対象を購入する利用者に対して所定の利益を付与する技術が知られている。このような技術の一例として、任意の商品に対する割引クーポンを発行し、レジでの精算の際に該当商品の割引き決済を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-218483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用者にとって利便性が良いとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術では、決済の際に、店舗内に設置されるクーポン発行装置が発行したクーポンを消費者が提示し、クーポン利用装置がクーポン情報を読み取る必要があり、利用者にとって利便性が良いとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、決済における利用者の利便性を向上させる生成装置、生成方法及び生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る生成装置は、決済時に取引対象を識別するために用いられる識別情報を含む取引対象情報を記憶する記憶部と、前記取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を、前記取引対象の提供者から受け付ける受付部と、前記受付部による受け付けられた設定情報と、前記取引対象情報とに基づいて、利用者が利用する利用者端末を用いる決済手段であって、前記識別情報を用いて取引対象を識別する決済手段において利用可能なクーポンを生成する生成部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、決済における利用者の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る取引対象情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るクーポン情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る生成装置、生成方法及び生成プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る生成装置、生成方法及び生成プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の生成装置等により実現される生成処理について説明する。図1は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図である。なお、図1では、本実施形態に係る生成装置の一例である決済サーバ10によって、実施形態に係る生成処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る生成処理システム1は、決済サーバ10と、利用者端末100と、店舗端末200と、事業者端末300とを含む。決済サーバ10、利用者端末100、店舗端末200及び事業者端末300は、ネットワークN(例えば、図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した生成処理システム1には、複数台の決済サーバ10、複数台の利用者端末100、複数台の店舗端末200及び複数台の事業者端末300が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す決済サーバ10は、実施形態に係る生成処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決済サーバ10は、利用者端末100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。例えば、決済サーバ10は、取引対象の提供者(事業者)や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0014】
また、決済サーバ10は、電子決済サービスにおいて利用者に付与され、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンに関するクーポン情報(例えば、クーポンの適用対象である取引対象(商品)を識別する識別情報(商品ID)、クーポンにより利用者に付与される利益の内容、利用者がクーポンを獲得するための獲得条件など)を、クーポンの提供者(言い換えると、クーポンの企画、設定等を行い、クーポンの原資を出資(提供)する者)から受け付け、自装置の記憶部で管理する。例えば、決済サーバ10は、識別情報として、取引対象に添付されるバーコード(JANコードや、インストアコードなどのバーコード)が示す情報を管理する。
【0015】
また、決済サーバ10は、利用者と、利用者が獲得したクーポンとを紐付け、自装置の記憶部で管理する。
【0016】
図1に示す利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、利用者端末100がスマートフォンである場合を示す。
【0017】
なお、利用者端末100は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ10から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語等により記述される。なお、決済サーバ10から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0018】
図1に示す店舗端末200は、利用者に取引対象を提供する店舗において利用される情報処理装置である。店舗端末200は、例えば、POS(Point of Sales)端末や、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、店舗端末200は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0019】
なお、図1に示す例では、店舗端末200が店舗に設置されたPOS端末であり、店舗において提供する取引対象に関する取引対象情報を管理するものとする。例えば、店舗端末200は、取引対象の価格を、取引対象に添付されるバーコードが示す情報(商品を識別するための識別情報)に紐づけて管理する。
【0020】
図1に示す事業者端末300は、利用者に取引対象を提供する事業者によって利用される情報処理装置である。事業者端末300は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、事業者端末300は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、事業者端末300がデスクトップPCである場合を示す。
【0021】
〔1-1.利用者端末100を用いた決済について〕
ここで、決済サーバ10が実行する生成処理に先立ち、利用者端末100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者U1が利用者端末100を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0022】
例えば、利用者U1が店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者U1は、利用者端末100に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者U1は、決済アプリを介して、店舗Aに設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、利用者端末100は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U1或いは店舗Aの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末100は、利用者U1を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗A(若しくは店舗Aの事業者M1)を示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。
【0023】
このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗識別情報が示す店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100へと送信する。このような場合、利用者端末100は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。ここで、決済サーバ10は、店舗Aの口座へ電子マネーを移行させる際、若しくは、所定のタイミングで、所定の手数料(管理手数料等)を加盟店Aの口座から減算してもよい。
【0024】
なお、利用者端末100を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた決済は、店舗Aに設置された店舗端末200を用いたものであってもよい。例えば、利用者端末100は、利用者U1を識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗Aに設置された店舗端末200は、利用者端末100に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者U1を示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗Aを識別する情報とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗Aの店舗端末200或いは利用者端末100に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0025】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者U1が予め電子マネーをチャージした口座から店舗Aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者U1が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、利用者端末100は、店舗Aの口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者U1のクレジットカードの運用会社(カード会社)に対し、決済金額を請求してもよい。
【0026】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者U1の口座から店舗Aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、決済サーバ10が、利用者U1の口座から決済金額分の電子マネーを引き出し、決済金額から所定の手数料(管理手数料等)を減算した額の現金を店舗Aの銀行口座に入金する処理が行われてもよい。このような場合、例えば、決済サーバ10は、各利用者から店舗Aに対する決済金額を、店舗Aの売上情報として管理し、所定のタイミングで、売上情報に基づき、店舗Aの銀行口座に、売り上げ(売上情報が示す決済金額の合計額)から所定の手数料を減算した額の現金を入金する。
【0027】
なお、決済サーバ10は、決済の際に利用されたクーポンの原資が店舗Aの負担するものである場合、店舗Aの銀行口座に現金を入金する際、若しくは、店舗Aの口座に電子マネーを移行する際等に、決済金額から負担分の現金を減算して銀行口座に入金、若しくは、決済金額から担分の電子マネーを減算して店舗Aの口座に移行させる処理を実行してもよい。
【0028】
〔1-2.実施形態の概要について〕
ここで、従来、所定の取引対象を購入する利用者に対して所定の利益を付与する技術の一例として、任意の商品に対する割引クーポンを発行し、レジでの精算の際に該当商品の割引き決済を行う技術が提案されている。しかしながら、このような技術では、決済の際に、店舗内に設置されるクーポン発行装置が発行したクーポンを消費者が提示し、クーポン利用装置がクーポン情報を読み取る必要があり、利用者にとって利便性が良いとは限らない。
【0029】
そこで、決済サーバ10は、実施形態に係る生成処理を実行する。以下、図1を用いて、決済サーバ10が実行する生成処理について説明する。なお、以下の説明では利用者端末100が利用者U1により利用され、店舗端末200が店舗Aに設置され、事業者端末300が店舗Aを管理する事業者M1により利用される例を示す。また、以下の説明では、利用者端末100を利用者U1、事業者端末300を事業者M1と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を利用者端末100、事業者M1を事業者端末300と読み替えることもできる。
【0030】
また、以下の説明では、決済サーバ10が、JANコードが示す取引対象の識別情報と、JANコードに紐付けられた取引対象の情報(名称等)とを外部のサーバ(JANコード統合商品情報データベース等)から取得し、取得した情報を取引対象情報として自装置の記憶部に記憶しているものとする。
【0031】
まず、決済サーバ10は、取引対象の識別情報を含む取引対象情報を事業者端末300から受け付ける(ステップS1)。例えば、決済サーバ10は、事業者M1が独自に採番したインストアコードが示す識別情報や、取引対象の名称などを含む取引対象情報を受け付け、自装置の記憶部に記憶する。
【0032】
続いて、決済サーバ10は、事業者端末300からの要求に応じて、自装置の記憶部に記憶した取引対象情報を示すコンテンツを提供する(ステップS2)。例えば、決済サーバ10は、事業者端末300から受け付けたインストアコードに紐付けられた取引対象情報と、JANコードに紐付けられた取引対象情報とを示すコンテンツを事業者端末300に提供する。なお、決済サーバ10は、JANコードに紐付けられた取引対象情報のうち、店舗端末200において管理されている取引対象情報を示すコンテンツを提供してもよい。
【0033】
続いて、決済サーバ10は、ステップS2において提供したコンテンツを介して、店舗Aが提供する取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を事業者端末300から受け付ける(ステップS3)。例えば、決済サーバ10は、店舗Aの店舗IDや、クーポンの適用対象とする取引対象の識別情報、クーポンにより利用者に付与される利益の内容(割引額、キャッシュバックの額等)、利用者がクーポンを獲得するための獲得条件などを含む設定情報を受け付ける。具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、獲得条件として、クーポンを獲得可能とする利用者の属性(セグメント)を示す情報を受け付ける。
【0034】
続いて、決済サーバ10は、設定情報及び取引対象情報に基づいてクーポンを生成する(ステップS4)。例えば、決済サーバ10は、店舗Aに対する上述の決済アプリを用いた決済において利用可能なクーポン#1を生成し、クーポン#1に関するクーポン情報(設定情報等)を自装置の記憶部に記憶する。
【0035】
続いて、決済サーバ10は、決済アプリを介してクーポン#1を配信する(ステップS5)。なお、図1の例では、クーポン#1の獲得条件を満たす利用者U1が、利用者端末100にあらかじめインストールされた決済アプリを起動し、配信されたクーポン#1を獲得するための所定の操作を行ったものとする。この場合、決済サーバ10は、利用者U1を示す利用者IDと、クーポン#1とを紐付け、自装置の記憶部で管理する。
【0036】
ここで、図1の例において、利用者U1が、店舗端末200が利用者識別情報(利用者ID)を読み取ることにより行われる上述の決済を、店舗Aに対して行うことを希望したものとする。この場合、店舗端末200は、利用者U1が購入する各取引対象のバーコードと、利用者U1の利用者IDとを読み取る(ステップS6)。例えば、店舗端末200は、会計の際にバーコードリーダ等により、取引対象に添付されたバーコードが示す識別情報と、利用者端末100に表示される利用者IDとを読み取る。
【0037】
続いて、決済サーバ10は、利用者U1の店舗Aに対する決済に関する決済情報を店舗端末200から受け付ける(ステップS7)。例えば、決済サーバ10は、店舗Aの店舗IDや、ステップS6において店舗端末200が読み取った取引対象の識別情報、識別情報に紐付けられた各取引対象の価格の合計額(決済金額)、利用者U1の利用者IDなどを含む決済情報を受け付ける。
【0038】
続いて、決済サーバ10は、決済情報に基づいて、利用者U1に適用可能なクーポンを特定する(ステップS8)。例えば、決済サーバ10は、利用者U1が獲得済みのクーポンに対応するクーポン情報と決済情報とを照合することにより、利用者U1が獲得済のクーポンのうち、決済情報が示す取引対象を適用対象とするクーポンを特定する。
【0039】
ここで、図1の例において、利用者U1に適用可能なクーポンとしてクーポン#1が特定されたものとする。この場合、決済サーバ10は、ステップS7において受け付けた決済情報に基づく決済処理を実行し、クーポン#1に基づく利益を利用者U1に付与する(ステップS9)。例えば、決済サーバ10は、利用者U1の口座から店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる処理を実行する。そして、決済サーバ10は、クーポン#1に基づく利益(所定額のキャッシュバック等)を利用者U1に付与する。
【0040】
続いて、決済サーバ10は、利用者U1に付与された利益を示す情報を店舗端末200に送信する(ステップS10)。例えば、決済サーバ10は、利用者U1に付与された利益の内容と、クーポン#1に関するクーポン情報とを送信する。
【0041】
続いて、店舗端末200は、レシートを出力する(ステップS11)。例えば、店舗端末200は、決済情報と、ステップS10において決済サーバ10から送信された情報とを印刷したレシートを出力する。そして、店舗Aの店員は、出力されたレシートを利用者U1に提供する。
【0042】
以上のように、実施形態に係る決済サーバ10は、自装置で管理する取引対象情報を示すコンテンツを事業者に提供し、当該コンテンツを介して受け付けた設定情報に基づき、決済アプリを用いた決済において利用可能なクーポンを生成し、利用者に配信する。これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、事業者が任意に設定したクーポンを利用者に自動的に適用することができる。すなわち、実施形態に係る決済サーバ10は、決済における利用者の利便性を向上させることができる。
【0043】
〔2.決済サーバの構成〕
次に、図2を用いて、決済サーバ10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。図2に示すように、決済サーバ10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0044】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100、店舗端末200、事業者端末300等との間で情報の送受信を行う。
【0045】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部30は、口座データベース31と、取引対象情報データベース32と、クーポン情報データベース33と、利用者情報データベース34とを有する。
【0046】
(口座データベース31について)
口座データベース31は、利用者や店舗(事業者)などが電子決済サービスにおいて所有する口座に関する各種の情報を記憶する。ここで、図3を用いて、口座データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。図3の例において、口座データベース31は、「口座ID」、「所有者情報」、「口座残高」といった項目を有する。
【0047】
「口座ID」は、口座を識別するための識別情報を示す。「所有者情報」は、口座を所有する所有者に関する情報を示し、例えば、所有者を識別するための識別情報が格納される。「口座残高」は、口座の残高を示す。
【0048】
すなわち、図3では、口座ID「AID#1」によって識別される口座の保有者の情報が「利用者#1」であり、口座残高が「7,800円」である例を示す。
【0049】
(取引対象情報データベース32について)
取引対象情報データベース32は、事業者が提供する取引対象に関する各種の情報を記憶する。例えば、取引対象情報データベース32は、決済時に取引対象を識別するために用いられる識別情報を含む取引対象情報を記憶する。具体的な例を挙げると、図1の例において、取引対象情報データベース32は、事業者端末300や外部のサーバから取得(受け付け)られた取引対象情報であって、取引対象を識別するための識別情報を含む取引対象情報を記憶する。
【0050】
また、取引対象情報データベース32は、取引対象を提供する店舗が利用する店舗端末により読み取られる識別情報を含む取引対象情報を記憶してもよい。例えば、図1の例において、取引対象情報データベース32は、店舗端末200のバーコードリーダ等により読み取られる識別情報を含む取引対象情報を記憶する。
【0051】
また、取引対象情報データベース32は、取引対象に添付されるバーコードが示す識別情報を含む取引対象情報を記憶してもよい。例えば、図1の例において、取引対象情報データベース32は、取引対象に添付されたバーコードが示す識別情報を含む取引対象情報を記憶する。
【0052】
また、取引対象情報データベース32は、提供者が独自に設定した識別情報を含む取引対象情報を記憶してもよい。例えば、図1の例において、取引対象情報データベース32は、事業者M1が独自に採番したインストアコードが示す識別情報を含む取引対象情報を記憶する。
【0053】
また、取引対象情報データベース32は、取引対象を識別する情報として所定の機関により規格化された識別情報を含む取引対象情報を記憶してもよい。例えば、図1の例において、取引対象情報データベース32は、JIS規格のバーコードが示す識別情報を含む取引対象情報を記憶する。
【0054】
ここで、図4を用いて、取引対象情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る取引対象情報データベースの一例を示す図である。図4の例において、取引対象情報データベース32は、「事業者ID」、「名称」、「価格」、「識別情報」、「クーポン情報」といった項目を有する。
【0055】
「事業者ID」は、事業者を識別するための識別情報を示す。「名称」は、取引対象の名称を示す。「価格」は、取引対象の価格を示す。「識別情報」は、取引対象に添付されるバーコードが示す識別情報を示す。「クーポン情報」は、取引対象を適用対象とするクーポンに関する情報を示す。
【0056】
すなわち、図4では、事業者ID「MID#1」により提供される取引対象の名称が「名称#1」であり、価格が「1,000円」、バーコードが示す識別情報が「識別情報#1」、適用可能なクーポンに関する情報が「クーポン情報#1」である例を示す。
【0057】
(クーポン情報データベース33について)
クーポン情報データベース33は、利用者に適用されるクーポンに関する各種の情報を記憶する。ここで、図5を用いて、クーポン情報データベース33が記憶する情報の一例を説明する。図5は、実施形態に係るクーポン情報データベースの一例を示す図である。図5の例において、クーポン情報データベース33は、「事業者ID」、「クーポン情報」といった項目を有する。
【0058】
「事業者ID」は、利用者へのクーポンの配信を依頼する事業者(言い換えると、クーポンの原資を提供する事業者)を識別するための識別情報を示す。「クーポン情報」は、クーポンに関する情報を示し、「クーポンID」、「識別情報」、「利益内容」、「獲得条件」といった項目を有する。「クーポンID」は、クーポンを識別するための識別情報を示す。「識別情報」は、クーポンの適用対象である取引対象に添付されるバーコードが示す情を示し、例えば、取引対象の製造元が商品に添付するJANコードや、電子決済サービスの加盟店のそれぞれが独自に採番したインストアコードなどが示す情報を格納する。「利益内容」は、クーポンにより利用者に付与される利益の内容を示す。「獲得条件」は、利用者がクーポンを獲得するための条件(例えば、デモグラフィック属性や、サイコグラフィック属性、決済履歴)を示す。
【0059】
すなわち、図5では、事業者ID「MID#1」により識別される事業者により提供されるクーポンがクーポンID「CID#1」により識別され、適用対象の取引対象の識別情報が「識別情報#1」、利益内容が「利益内容#1」、獲得条件が「獲得条件#1」である例を示す。
【0060】
(利用者情報データベース34について)
利用者情報データベース34は、決済サーバ10が提供する電子決済サービスの利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、図6を用いて、利用者情報データベース34が記憶する情報の一例を説明する。図6は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。図6の例において、利用者情報データベース34は、「利用者ID」、「決済履歴」、「獲得済クーポン」といった項目を有する。
【0061】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「決済履歴」は、電子決済サービスを利用して行った決済の履歴を示し、例えば、決済先や、決済金額などといった情報が格納される。「獲得済クーポン」は、クーポン情報データベース33に格納されたクーポン情報が示すクーポンのうち、利用者が獲得したクーポンを示し、例えば、クーポンを識別するための識別情報が格納される。
【0062】
すなわち、図6では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者の決済履歴が「決済履歴#1」、獲得済クーポンが「獲得済クーポン#1」である例を示す。
【0063】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決済サーバ10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図2に示すように、受付部41と、提供部42と、生成部43と、特定部44と、決済処理部45と、付与部46と、送信部47とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0064】
(受付部41について)
受付部41は、利用者が利用する利用者端末を用いる決済の対象である取引対象を識別する識別情報を受け付ける。例えば、図1の例において、受付部41は、利用者端末100に予めインストールされた決済アプリを用いた決済の対象である取引対象の識別情報を示す決済情報を受け付ける。
【0065】
また、受付部41は、取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を、取引対象の提供者から受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部41は、店舗Aの店舗IDや、クーポンの適用対象とする取引対象の識別情報、クーポンにより利用者に付与される利益の内容、利用者がクーポンを獲得するための獲得条件などを含む設定情報を事業者端末300から受け付ける。
【0066】
また、受付部41は、提供部42により提供されたコンテンツを介して設定情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部41は、後述する提供部42により提供されたコンテンツを介して、店舗Aが提供する取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を受け付ける。
【0067】
また、受付部41は、所定のカテゴリに属する取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を受け付けてもよい。例えば、受付部41は、カテゴリ「食料品」に属する取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を受け付ける。なお、取引対象が属するカテゴリは任意の粒度が採用可能である。例えば、店舗が提供する取引対象が、所定の階層関係を有するカテゴリに分類される場合、受付部41は、任意の階層のカテゴリに属する取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を受け付けてもよい。具体的な例を挙げると、受付部41は、カテゴリ「食料品」の下位のカテゴリである「牛乳」に属する取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を受け付けてもよい。
【0068】
また、受付部41は、複数の取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する前記設定情報を受け付けてもよい。例えば、受付部41は、複数の取引対象に対し適用可能な一のクーポンの設定に関する設定情報を受け付ける。具体的な例を挙げると、受付部41は、おにぎり10%還元クーポンを設定するとした場合に、一つのクーポンIDに対して梅干しおにぎりや、明太子おにぎり等、クーポンの適用対象となる複数の取引対象の指定を含む設定情報を受け付ける。そして、後述する生成部43は、一つのクーポンIDに対して、梅干しおにぎりや明太子おにぎり等の複数の各取引対象の識別情報を関連付けたクーポンを生成する。
【0069】
また、受付部41は、クーポンを獲得可能な利用者に関する情報を含む設定情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部41は、クーポンを獲得可能とする利用者の属性(セグメント)を示す情報を受け付ける。具体的な例を挙げると、受付部41は、店舗を利用したことがない利用者(例えば、店舗に対して決済アプリを用いた決済を行っていない新規顧客)を示す情報を受け付ける。また、受付部41は、所定の期間以上店舗を利用していない利用者(例えば、店舗に対して所定の期間以上決済アプリを用いた決済を行っていない休眠顧客)を示す情報を受け付ける。
【0070】
なお、受付部41は、クーポンの適用対象である取引対象に応じた利用者を、クーポンを獲得可能な利用者とする設定情報を受け付けてもよい。例えば、クーポンの適用対象がアルコールや煙草である場合、受付部41は、クーポンを獲得可能とする利用者の属性「20歳以上」を示す設定情報を受け付ける。
【0071】
(提供部42について)
提供部42は、取引対象情報を示すコンテンツを提供する。例えば、図1の例において、提供部42は、取引対象情報データベース32を参照し、事業者端末300から受け付けたインストアコードに紐付けられた取引対象情報と、JANコードに紐付けられた取引対象情報とを示すコンテンツを事業者端末300に提供する。
【0072】
なお、提供部42は、取引対象に関して生成されたクーポンに関するクーポン情報を含むコンテンツを提供してもよい。
【0073】
(生成部43について)
生成部43は、受付部41による受け付けられた設定情報と、取引対象情報とに基づいて、利用者が利用する利用者端末を用いる決済手段であって、識別情報を用いて取引対象を識別する決済手段において利用可能なクーポンを生成する。例えば、図1の例において、生成部43は、取引対象情報データベース32を参照し、設定情報及び取引対象情報に基づいて、店舗Aに対する上述の決済アプリを用いた決済において利用可能なクーポン#1を生成し、クーポン#1に関するクーポン情報をクーポン情報データベース33に格納する。
【0074】
(特定部44について)
特定部44は、決済手段を用いた決済の対象である取引対象を識別する識別情報を含む決済情報が、当該取引対象を提供する店舗が利用する店舗端末から受け付けられた場合は、当該識別情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンのうち利用者に適用可能なクーポンを特定する。例えば、図1の例において、生成部43は、クーポン情報データベース33及び利用者情報データベース34を参照し、利用者U1が獲得済みのクーポンに対応するクーポン情報と決済情報とを照合することにより、利用者U1が獲得済のクーポンのうち、決済情報が示す取引対象を適用対象とするクーポンを特定する。
【0075】
なお、特定部44は、決済情報が示す店舗(提供者)の識別情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンのうち利用者に適用可能なクーポンを特定してもよい。例えば、特定部44は、決済情報が示す店舗の識別情報に基づいて、利用者が獲得済のクーポンのうち、当該店舗から受け付けた設定情報に基づき生成されたクーポンを特定する。
【0076】
(決済処理部45について)
決済処理部45は、受付部41が受け付けた決済情報に従い、決済処理を実行する。例えば、決済処理部45は、利用者IDが示す利用者の口座から、店舗IDが示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0077】
(付与部46について)
付与部46は、特定部44により特定されたクーポンに基づく利益を利用者に付与する。例えば、図1の例において、付与部46は、クーポン#1に基づく利益を利用者U1に付与する。
【0078】
(送信部47について)
送信部47は、付与部46により付与された利益を示す情報であって、店舗端末から出力されるレシートに印刷される情報を店舗端末に送信する。例えば、図1の例において、送信部47は、利用者U1に付与された利益の内容と、クーポン#1に関するクーポン情報とを、店舗端末200から出力されるレシートに印刷される情報として店舗端末200に送信する。
【0079】
〔3.生成処理のフロー〕
図7を用いて、実施形態に係る決済サーバ10の生成処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0080】
図7に示すように、取引対象情報を示すコンテンツを提供する(ステップS101)。続いて、決済サーバ10は、取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を、取引対象の提供者から受け付ける(ステップS102)。続いて、設定情報及び取引対象情報に基づいて、所定の決済手段において利用可能なクーポンを生成し(ステップS103)、処理を終了する。
【0081】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0082】
〔4-1.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0083】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0084】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0085】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ10は、記憶部30と、受付部41と、提供部42と、生成部43と、特定部44と、決済処理部45と、付与部46と、送信部47とを有する。記憶部30は、決済時に取引対象を識別するために用いられる識別情報を含む取引対象情報を記憶する。また、記憶部30は、取引対象を提供する店舗が利用する店舗端末により読み取られる識別情報を含む取引対象情報を記憶する。また、記憶部30は、取引対象に添付されるバーコードが示す識別情報を含む取引対象情報を記憶する。また、記憶部30は、提供者が独自に設定した識別情報を含む取引対象情報を記憶する。また、記憶部30は、取引対象を識別する情報として所定の機関により規格化された識別情報を含む取引対象情報を記憶する。受付部41は、取引対象に適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を、取引対象の提供者から受け付ける。また、受付部41は、提供部42により提供されたコンテンツを介して設定情報を受け付ける。提供部42は、取引対象情報を示すコンテンツを提供する。生成部43は、受付部41による受け付けられた設定情報と、取引対象情報とに基づいて、利用者が利用する利用者端末を用いる決済手段であって、識別情報を用いて取引対象を識別する決済手段において利用可能なクーポンを生成する。特定部44は、決済手段を用いた決済の対象である取引対象を識別する識別情報を含む決済情報が、当該取引対象を提供する店舗が利用する店舗端末から受け付けられた場合は、当該識別情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンのうち利用者に適用可能なクーポンを特定する。付与部46は、特定部44により特定されたクーポンに基づく利益を利用者に付与する。送信部47は、付与部46により付与された利益を示す情報であって、前記店舗端末から出力されるレシートに印刷される情報を店舗端末に送信する。
【0086】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、自装置で管理する取引対象情報を示すコンテンツを事業者に提供し、当該コンテンツを介して受け付けた設定情報に基づき、決済アプリを用いた決済において利用可能なクーポンを生成し、利用者に配信することができるため、決済における利用者の利便性を向上させることができる。
【0087】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、受付部41は、所定のカテゴリに属する取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を受け付ける。また、受付部41は、複数の取引対象に対し適用可能なクーポンの設定に関する設定情報を受け付ける。また、受付部41は、クーポンを獲得可能な利用者に関する情報を含む設定情報を受け付ける。
【0088】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、任意の設定情報を受け付け、クーポンを生成して利用者に配信することができるため、提供者の利便性を向上させることができるという効果を奏します。
【0089】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る決済サーバ10は、例えば、図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決済サーバ10を例に挙げて説明する。図8は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0090】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0091】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0092】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0093】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0094】
例えば、コンピュータ1000が決済サーバ10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、決済サーバ10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0095】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0096】
また、上述した決済サーバ10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0097】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0098】
10 決済サーバ
20 通信部
30 記憶部
31 口座データベース
32 取引対象情報データベース
33 クーポン情報データベース
34 利用者情報データベース
40 制御部
41 受付部
42 提供部
43 生成部
44 特定部
45 決済処理部
46 付与部
47 送信部
100 利用者端末
200 店舗端末
300 事業者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8