(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089072
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】電動家具
(51)【国際特許分類】
A61G 7/043 20060101AFI20230620BHJP
A61G 7/015 20060101ALI20230620BHJP
A47C 17/04 20060101ALI20230620BHJP
A47C 20/08 20060101ALI20230620BHJP
A61M 21/02 20060101ALI20230620BHJP
A61M 21/00 20060101ALI20230620BHJP
A61G 7/012 20060101ALN20230620BHJP
A47C 21/04 20060101ALN20230620BHJP
【FI】
A61G7/043
A61G7/015
A47C17/04 C
A47C20/08 Z
A61M21/02 G
A61M21/00 B
A61G7/012
A47C21/04 F
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061355
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2021182230の分割
【原出願日】2018-12-04
(31)【優先権主張番号】P 2018044695
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】窪田 伸之助
(72)【発明者】
【氏名】椎野 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】坂巻 匡彦
(72)【発明者】
【氏名】横尾 俊輔
(57)【要約】
【課題】より快適な眠りを提供できる電動家具を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、電動家具は制御部を含む。制御部は、電動家具の使用者の睡眠を検知した第1時刻からの経過時間が第1時間しきい値以上である第2時刻に第1入眠動作に移行する。制御部は、第1入眠動作中の第1期間における使用者の生体信号に対応する信号の変動が、第1入眠動作中の、第1期間の前の第1前期間における変動よりも小さいとき、または、第1期間における変動と、第1前期間における変動と、の差の絶対値が第1変動しきい値よりも小さいときに第2入眠動作を実施する。第2入眠動作において、制御部は、電動家具のボトムの傾きを減少させる動作、電動家具のマットレスの頭部の高さとマットレスの腰部の高さとの差を減少させる動作、及び、頭部の圧力と腰部の圧力との差を減少させる動作の少なくともいずれかの動作を実施する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動なボトムを含む電動家具を使用者が使用する際の前記使用者の体動を含む生体信号に対応する信号を取得する取得部と、
前記生体信号に対応する前記信号の変動に応じて前記ボトムを制御する制御部と、
を備える電動家具であって、
前記生体信号は、心拍及び呼吸の少なくともいずれかに関する第1信号を含み、
前記制御部は、前記第1信号の変動に基づき、前記ボトムの傾きを制御するとともに、前記使用者の状態の変化を促す香りを放出し、
前記制御部は、前記第1信号の変動が減少したときに、前記ボトムの傾きを増大させる第1動作を実施し、前記使用者の入眠を促す香りを放出する、電動家具。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1信号の変動が増大したときに、前記ボトムの前記傾きを減少させる第2動作を実施し、
起床時刻の前で、前記起床時刻に最も近くで前記第1信号の変動が増大したとき、前記制御部は、前記ボトムの前記傾きを増大させる第3動作を実施し、前記使用者の起床を促す香りを放出する、請求項1記載の電動家具。
【請求項3】
可動なボトムを含む電動家具を使用者が使用する際の前記使用者の体動を含む生体信号に対応する信号を取得する取得部と、
前記生体信号に対応する前記信号の変動に応じて前記ボトムを制御する制御部と、
を備える電動家具であって、
前記生体信号は、心拍及び呼吸の少なくともいずれかに関する第1信号を含み、
前記制御部は、前記第1信号の変動に基づき、前記ボトムの傾きを制御するとともに、前記使用者の状態の変化を促す香りを放出し、
前記制御部は、前記第1信号により前記使用者の睡眠を検知した第1時刻からの経過時間が第1時間しきい値以上である第2時刻に第1入眠動作に移行し、
前記制御部は、前記第1入眠動作中の第1期間における前記第1信号の変動が、前記第1入眠動作中の、前記第1期間の前の第1前期間における前記変動よりも小さいとき、または、前記第1期間における前記変動と、前記第1前期間における前記変動と、の差の絶対値が第1変動しきい値よりも小さいときに第2入眠動作を実施し、
前記第1入眠動作において、前記絶対値が前記第1変動しきい値以上のときは、前記第2入眠動作を実施せず、
前記第2入眠動作において、前記制御部は、前記電動家具の前記ボトムの傾きを減少させる動作を実施する、電動家具。
【請求項4】
前記電動家具は照明部をさらに含み、
前記制御部は、前記第1信号の変動に応じて前記照明部の明るさ又は色を制御する、請求項1~3のいずれか1つに記載の電動家具。
【請求項5】
前記電動家具は、形状または硬さを変更可能な枕を含み、
前記制御部は、前記第1信号の変動に応じて前記枕の形状または硬さを制御する、請求項1~4のいずれか1つに記載の電動家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動家具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高さや背もたれの傾きを変更可能な電動家具(例えば、電動ベッドまたは電動椅子など)がある。例えば、使用者が睡眠状態に入ったと判定されたときに背下げを行うことで入眠を促進する技術が提案されている。一方、いびきまたは無呼吸が発生したときにヘッドレストを下降させて気道を確保する技術が提案されている。より快適な眠りを使用者に提供できることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-34979号公報
【特許文献2】特開2005-270627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、より快適な眠りを提供できる電動家具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、電動家具は、可動のボトムを含む電動家具の使用者の体動を含む生体信号に対応する信号を取得する取得部と、前記信号の変動に応じて前記ボトムを制御する制御部と、を含む。前記制御部は、前記信号の変動が減少したときに前記ボトムの傾きを増大させる第1動作を実施可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、より快適な眠りを提供できる電動家具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
【
図2】
図2(a)~
図2(f)は、第1実施形態に係る電動家具の制御を例示する模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る電動家具を例示するブロック図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る電動家具の動作を例示するフローチャートである。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、第2実施形態に係る電動家具を例示する模式的側面図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、第2実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る電動家具の動作を例示するフローチャートである。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)は、第3実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
【
図12】
図12(a)~
図12(d)は、実施形態に係る別の電動家具を例示する模式図である。
【
図13】
図13は、別の実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る電動家具310は、被制御部70Cを含む。被制御部70Cは、例えば、可動部70を含む。被制御部70Cは、可動部70、照明部73a及び温度制御部73b(例えばヒータなど)の少なくともいずれかを含んでも良い。
【0010】
この例では、電動家具310には、制御装置160が設けられている。制御装置160は、電動家具310の被制御部70C(例えば可動部70など)を制御できる。制御装置160は、例えば、電動家具310のリモートコントローラ(リモコン)である。制御装置160は、例えば、手元スイッチである。
【0011】
制御装置160には、操作受付部20(ボタン、またはタッチパネルなど)が設けられる。操作受付部20は、使用者の操作を受け付ける。使用者が操作受付部20を操作することにより、被制御部70C(例えば可動部70など)が制御される。
【0012】
制御装置160は、照明の入り切り機能、看護者または介護者の呼び出し機能、または、電源の入り切り機能などの種々の機能を有しても良い。
【0013】
電動家具310は、例えば、家庭などで使用される。電動家具310は、例えば、宿泊施設、病院または介護施設などで使用されても良い。
【0014】
この例では、電動家具310は、電動ベッドである。電動ベッドに、上記の可動部70が設けられる。可動部70は、ボトム71を含む。ボトム71の上にマットレス(
図1では図示しない)が置かれる。マットレスの上に、使用者が横たわる。
【0015】
可動部70は、例えば、背ボトム70a(back section)、膝ボトム70b(upper leg section)、脚ボトム70c(lower leg section)及び高さ変更部70hなどを含む。高さ変更部70hは、例えば、ベッド昇降機である。
図1の例のように、可動部70は、頭ボトム70d(head section)をさらに含んでも良い。ボトム71に含まれる複数の部分(背ボトム70a、膝ボトム70b、脚ボトム70c及び頭ボトム70d)において、互いの角度が変更可能である。
【0016】
例えば、背ボトム70aの動作により、使用者の背の角度が変更可能である。膝ボトム70b及び脚ボトム70cの動作により、膝の角度が変更可能である。頭ボトム70dの動作により、使用者の頭部の角度(または頭部の高さ)が変更可能である。これらの角度は、連動して変化しても良い。これらの角度は、ベッドのフレーム75を基準にしたときの角度である。例えば、フレーム75は、床面に対して実質的に平行に設定される。上記のボトム71の角度は、床面を基準にした角度でも良い。この例では、フレーム75の下にキャスタ70gが設けられている。キャスタ70gが省略され、「脚」に変更されても良い。
【0017】
高さ変更部70hは、例えば、床面とベッド面との間の距離(高さ)を変更可能である。高さ変更部70hは、ベッドの頭側の高さと、ベッドの足側の高さと、を独立して変更できても良い。これにより、ベッド面の全体の傾斜が変更できる。
【0018】
これらの可動部70には、例えばアクチュエータなどが用いられる。可動部70の動作により、「背上げ」、「膝上げ」、「高さ調整」及び「傾斜」などの少なくともいずれかが可能である。「傾斜」は、ローリング及びチルトの少なくともいずれかを含む。
【0019】
制御装置160は、被制御部70C(例えば可動部70)と電気的に接続される。制御装置160と可動部70との間に、制御回路が設けられても良い。このように、間に他の回路が設けられる場合も、電気的に接続される状態に含まれる。
【0020】
図1の例では、制御装置160は、ケーブル15により、電動家具310と接続される。制御装置160は、無線通信により、電動家具310と接続されても良い。制御装置160は、被制御部70Cと任意の方法により通信可能でも良い。
【0021】
使用者など(使用者、または、使用者の介護者など)により、制御装置160が操作される。これにより、被制御部70C(例えば可動部70)において、マニュアル制御が実施できる。
【0022】
実施形態においては、使用者によるマニュアル制御とは別に、自動制御が実施可能である。自動制御においては、例えば、使用者などによる操作無しで、被制御部70C(例えば、可動部70など)が制御される。この制御は、例えば、制御部42により行われる。
図1に示す例では、制御部42は、ボトム71の下に設けられている。制御部42は、制御装置160(リモートコントローラまたは手元スイッチ)に設けられても良い。制御部42が設けられる場所は任意である。
【0023】
実施形態においては、制御部42は、使用者の生体信号に基づいて、被制御部70C(例えば、可動部70など)を制御する。
【0024】
生体信号は、例えば、使用者の体動に関する信号(例えば情報)を含む。生体信号は、例えば、使用者の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかに関する信号(例えば情報)を含む。例えば、生体信号は、使用者の腕、胴及び足の少なくともいずれかの動きに関する信号(例えば情報)を含んでも良い。例えば、生体信号は、使用者の寝返りに関する信号(例えば情報)を含んでも良い。
【0025】
生体信号は、例えば、検出部60により検出される。後述するように、検出部60としてセンサ62が用いられる。
図1に示す例では、センサ62は、ボトム71の上に置かれる。例えば、センサ62は、ボトム71とマットレスとの間に設けられる。例えば、検出部60による検出結果が、取得部43(例えばI/Oポート)に供給される。取得部43から、検出結果が、制御部42に供給される。
【0026】
制御部42による自動制御の例については、後述する。以下、まず、マニュアル制御の例について説明する。
【0027】
図2(a)~
図2(f)は、第1実施形態に係る電動家具の制御を例示する模式図である。
図2(a)~
図2(f)の例では、背ボトム70a、膝ボトム70b、脚ボトム70c及び高さ変更部70hが設けられている。
図2(a)に示すように、使用者などが制御装置160(例えば操作受付部20)を操作することにより、背ボトム70aの傾き(角度)が変化する。例えば、「背上げ動作」、または、「背下げ動作」が行われる。ボトム71(例えば背ボトム70a)の傾きは、ベッドのフレーム75を基準にしたときの傾きである。ボトム71(例えば背ボトム70a)の傾きは、床面を基準にした角度でも良い。
【0028】
例えば、背ボトム70aとフレーム75との間の角度をボトム角度θとする。制御装置160を操作することで、ボトム角度θが、変更される。
図2(b)に示す例では、ボトム角度θは、第2角度θ2である。第2角度θ2は、例えば、3度以上10度以下である。
図2(c)に示す例では、ボトム角度θは、第1角度θ1である。第1角度θ1は、実質的に0度(例えば、3度未満)である。
【0029】
図2(d)に示すように、操作受付部20の操作により、膝ボトム70b及び脚ボトム70cの角度が変更されても良い。「膝上げ動作」、または、「膝下げ動作」が行われる。
図2(d)に示すように、頭ボトム70dが背ボトム70aよりも下に位置するように、逆に傾斜しても良い。
【0030】
図2(e)に示すように、操作受付部20の操作により、背ボトム70a、膝ボトム70b及び脚ボトム70cのそれぞれの角度が連動して変化しても良い。
【0031】
図2(f)に示すように、操作受付部20の操作により、高さ変更部70hの動きが制御される。これにより、高さ調整が行われる。すなわち、ベッド面の高さH1が変更される。ボトム71の角度の変更と、高さH1の変更と、が同時に行われても良い。
【0032】
図2(a)~
図2(f)に示すように、電動家具310に駆動部72(例えばアクチュエータ)が設けられる。駆動部72の動作により可動部70が動く。
【0033】
1つの例において、駆動部72は、荷重センサ(例えばロードセルなど)を含んでも良い。荷重センサ(駆動部72)に加わる荷重により、電動家具310の使用者の生体信号が検出されても良い。この場合は、可動部70を駆動する駆動部72に、検出部60が設けられていることに対応する。このように、検出部60は、駆動部72に含まれても良い。
【0034】
以下では、検出部60が、センサ62を含む場合について説明する。センサ62は、駆動部72とは別に設けられる。
【0035】
以下、電動家具310の機能ブロックの例について説明する。
【0036】
図3は、第1実施形態に係る電動家具を例示するブロック図である。
図3に示すように、例えば、電動家具310に、制御部42、取得部43、検出部60、駆動部72、可動部70(被制御部70C)及び制御装置160が設けられる。この例では、検出部60は、電動家具310に含まれている。実施形態において、検出部60は、電動家具310とは別に設けられても良い。
【0037】
操作受付部20を含む制御装置160が、制御部42に接続される。制御部42は、駆動部72に接続される。操作受付部20が受け付けた操作に対応した信号SMに基づいて、制御部42から制御信号SCが、駆動部72に供給される。制御信号SCを受けた駆動部72が可動部70を駆動することで、可動部70が動く。既に説明したように、駆動部72(例えばアクチュエータ)が荷重センサを含む場合、駆動部72の少なくとも一部が検出部60と見なされても良い。
【0038】
実施形態において、記憶部48が設けられても良い。記憶部48に、各種の使用者状態情報及び可動部情報が記憶されても良い。使用者状態情報は、使用者の状態に関する情報である。可動部情報は、可動部の状態に関する情報である。可動部情報は、使用者状態情報に対応づけられている。制御部42は、必要に応じて、記憶部48に記憶されている情報を取り出して処理を行っても良い。例えば、使用者に応じて、可動部70の動作のうちの一部が禁止されても良い。例えば、可動部70の動作の範囲(例えば角度範囲など)が制限されても良い。このような禁止事項または制限事項が、使用者状態情報に含まれる。この使用者状態情報に対応する、可動部70の動作の状態に関する情報が可動部情報に含まれる。
【0039】
一方、検出部60により、使用者の状態が検出される。検出部60で検出され得られた生体信号に対応する信号SS(検出信号)が、取得部43に供給される。取得部43は、例えばI/Oポートである。取得部43は、例えば、信号SSのインターフェースである。
【0040】
取得部43が取得した信号SSが、制御部42に供給される。制御部42は、例えば、プロセッサである。制御部42には、例えば、電子回路など(コンピュータなど)が用いられてもよい。制御部42は、生体信号に対応する信号SSに基づいて、可動部70を制御する。
【0041】
図3に例示したブロック図は、機能ブロックを例示している。複数の機能が1つの部分(例えば回路)で実施されても良い。例えば、制御部42の少なくとも一部の機能が、検出部60で実施されても良い。取得部43は、制御部42の一部と見なされても良い。
【0042】
以下、生体信号に基づいた制御の例について説明する。実施形態において、生体信号は、例えば、使用者の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかを含む。呼吸数は、単位時間当たりの呼吸の回数である。心拍数は、単位時間当たりの心拍の回数である。単位時間は、例えば、1分である。これらの生体信号は、ヒト(使用者)の状態と関係する。
【0043】
さらに、ヒトの状態に応じて、生体信号が時間的に変動する。例えば、覚醒時には、ヒトの活動に応じて、生体信号(呼吸数または心拍数など)は、変動しやすい。例えば、睡眠時には、覚醒時と比べて、生体信号(呼吸数または心拍数など)の変動は小さい。例えば、睡眠時には、覚醒時と比べて、使用者の腕、胴及び足の少なくともいずれかの動きの変動は小さい。
【0044】
睡眠中においても、睡眠の状態に応じて、生体信号が変化する。1つの例として、ヒトの睡眠中に、レム睡眠及びノンレム睡眠がある。レム睡眠においては、覚醒時に類似した低振幅の脳波が生じる。レム睡眠は、急速な眼球運動を伴う。ノンレム睡眠においては、脳波に、紡錘波、または高振幅のδ波が生じる。例えば、レム睡眠における生体信号の変動は、ノンレム睡眠における生体信号の変動よりも大きい。
【0045】
例えば、レム睡眠とノンレム睡眠とが適切に実施されるような状態を作ることで、より快適な眠りを提供できると考えられる。
【0046】
実施形態においては、電動家具310に、取得部43及び制御部42が設けられる。取得部43は、可動のボトム71を含む電動家具310の使用者の生体信号に対応する信号SS(検出信号)を取得する。例えば、生体信号に対応する信号SSは、使用者の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかに関する情報を含む。信号SSは、使用者の腕、胴及び足の少なくともいずれかの動きに関する情報を含んでも良い。信号SSは、使用者の寝返りに関する情報を含んでも良い。信号SSは、使用者の寝返り数に関する信号を含んでも良い。
【0047】
制御部42は、この信号SSの変動に応じて、被制御部70C(可動部70など)を制御する。制御部42は、信号SSの変動に基づいて、制御信号SCを駆動部72に供給する。これにより、信号SSの変動に応じたボトム71の動作が制御される。すなわち、制御部42は、信号SSの変動に応じて、例えば、ボトム71(例えばボトム71の傾き)を制御する。ボトム71の角度は、例えば、
図2(a)に示すボトム角度θである。例えば、制御部42は、信号SSの変動に応じて、ボトム71の傾き(ボトム角度θ)を増大または減少させる。その結果、電動家具310は、使用者の眠りの状態に応じて自動運転される。
【0048】
以下、信号SSの変動に応じたボトム角度θの変更の例について説明する。
【0049】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、時間tmである。
【0050】
図4(a)の縦軸は、信号SSの変動ΔSを示す。
図4(a)の縦軸において、変動ΔS1は、変動ΔS2よりも大きい。変動ΔSは、例えば、信号SSの時間的な変化、及び、信号SSの振幅の変化の少なくともいずれかを含む。例えば、信号SSの極小値と極大値との間の期間が短いときの変動ΔSは、信号SSの極小値と極大値との間の期間が長いときの変動ΔSよりも大きい。例えば、信号SSの極小値と極大値との間の差(振幅)が大きいときの変動ΔSは、信号SSの極小値と極大値との間の差(振幅)が小さいときの変動ΔSよりも大きい。
【0051】
図4(b)の縦軸は、角度(ボトム角度θ)である。例えば、ボトム角度θに応じて、背上げの角度が変化する。例えば、第1角度θ1は、実質的に0度である。このとき、ボトム71(ベッド)の上面は、フラットである。第2角度θ2は、例えば、3度以上10度以下である。このとき、ボトム71(ベッド)の上面は、ゆるやかに傾斜している。例えば、ボトム角度θの第3角度θ3は、第2角度θ2よりも大きい。第3角度θ3は、例えば、10度を超える。
【0052】
ボトム角度θが3度以上12度未満のときに、例えば、起立性低血圧の治療効果がある。例えば、ボトム角度θが10度のときよりも、ボトム角度θが20度のときにおいては、寝心地が有意に悪くなるという実験結果がある。
【0053】
例えば、ボトム71(ベッド)の上面がフラットであるとき(例えば第1角度θ1)に、寝返りしやすいと考えられる。一方、ボトム71(背ボトム70a)がゆるやかに傾斜しているとき(例えば第2角度θ2)に、使用者は入眠しやすい。さらに、使用者が起きているときには、ボトム71(背ボトム70a)の傾斜が大きい(例えば第3角度θ3)ことが、使用者によって自然である場合が多い。
【0054】
実施形態においては、生体信号に対応する信号SSの変動ΔSに応じて、ボトム71の角度(例えば、ボトム角度θ)を変更する。
【0055】
例えば、制御部42は、第1動作OP1を実施する。第1動作OP1は、信号SSの変動ΔSが減少したときの動作である。第1動作OP1では、制御部42は、信号SSの変動ΔSが減少したときに、ボトム71の傾き(例えばボトム角度θ)を増大させる。例えば、第1動作OP1では、制御部42は、ボトム角度θを第1角度θ1から第2角度θ2に向けて増大させる。例えば、制御部42は、信号SSの変動ΔSのピーク(極大)を過ぎて変動ΔSが減少傾向のときに、ボトム角度θを増大させる。
【0056】
例えば、信号SSの変動ΔSが減少しているときは、使用者の眠りが深くなりつつある。このとき、ボトム角度θを第1角度θ1から第2角度θ2に向けて増大させることで、使用者の深い眠りを促進できる。例えば、使用者を、より早く、深い眠り状態にすることができる。これにより、より快適な眠りを提供できる。
【0057】
制御部42は、第2動作OP2をさらに実施してもよい。第2動作OP2は、信号SSの変動ΔSが増大したときの動作である。第2動作OP2において、制御部42は、信号SSの変動ΔSが増大したときに、ボトム71の傾き(例えばボトム角度θ)を減少させる。例えば、第2動作OP2では、制御部42は、ボトム角度θを第2角度θ2から第1角度θ1に向けて減少させる。例えば、制御部42は、信号SSの変動ΔSのボトム(極小)を過ぎて変動ΔSが増大傾向のときに、ボトム角度θを減少させる。
【0058】
信号SSの変動ΔSが増大したときは、使用者が寝返りをしようとしていることが多い。このとき、ボトム角度θを第1角度θ1に向けて減少させて、ベッドの上面をフラットにする。これにより、寝返りがしやすくなる。使用者の負担が抑制できる。これにより、より快適な眠りを提供できる。
【0059】
さらに、第2動作OP2の後に、第1動作OP1を実施する。これにより、例えば、寝返りの後に、より早く、深い眠りを促進できる。これらの第1動作OP1及び第2動作OP2を繰り返して実施する。これより、質の高い眠りを提供できる。
【0060】
このように、制御部42は、第1動作OP1においては、角度(ボトム角度θ)を、第1角度θ1から第2角度θ2にする。第1角度θ1は、信号SSの変動ΔSが第1状態ときの角度である。第2角度θ2は、第2状態のときの角度である。第2状態は、第1状態の後であり、第2状態における変動ΔSは、第1状態の変動ΔSよりも小さい。
【0061】
さらに、制御部42は、第2動作OP2においては、第3状態のときに、角度(ボトム角度θ)を、第2角度θ2よりも小さい角度(例えば、第1角度θ1)にする。第3状態は、第2状態の後であり、第3状態における変動ΔSは、第2状態における変動ΔSよりも大きい。
【0062】
例えば、信号SSは、複数の状態(例えば第1信号状態st1及び第2信号状態st2:
図4(a)参照))を含む。
図4(a)に示すように、第2信号状態st2における信号SSの変動ΔSは、第1信号状態st1における信号SSの変動ΔSよりも小さい。
【0063】
例えば、第1信号状態st1は、レム睡眠に対応すると考えられる。例えば、第2信号状態st2は、ノンレム睡眠に対応すると考えられる。
【0064】
例えば、第1動作OP1は、第1信号状態st1から第2信号状態st2に移行するときの動作に対応する。第1動作OP1は、レム睡眠からノンレム睡眠に移行するときの動作に対応する。第2動作OP2は、第2信号状態st2から第1信号状態st1に移行するときの動作に対応する。第2動作OP2は、ノンレム睡眠からレム睡眠に移行するときの動作に対応する。
【0065】
制御部42は、このような第1動作OP1及び第2動作OP2に加えて、第3動作OP3をさらに実施してもよい。第3動作OP3は、定められた時刻t1(
図4(a)参照)に起床するときの動作である。
【0066】
上記のように、信号SSは、第1信号状態st1及び第2信号状態st2を含む。制御部42は、信号SSが、定められた時刻t1の前において、その時刻t1に最も近い第1信号状態st1であるときに、第3動作OP3を実施する。第3動作OP3では、例えば、ボトム71の傾き(例えばボトム角度θ)を、上記の増大させた後の傾き(第2角度θ2)よりも大きくする。第3動作OP3により、例えば、使用者の覚醒が促される。第3動作OP3において、第2角度θ2の状態を経由して、ボトム角度θを第3角度θ3にしてもよい。
【0067】
これにより、使用者は、快適に目覚めることができる。例えば、定められた時刻t1に最も近いレム睡眠のとき、ボトム角度θの増大により、目を覚ますことができる。
【0068】
第3動作OP3において、使用者の状態(または好み)に応じて、ボトム71の傾斜(ボトム角度θ)を、逆の角度(負の角度:
図4(b)の破線)にしてもよい(
図2(d)の頭ボトム70d参照)。この場合、使用者の頭部は、胴よりも下に傾斜する。第3動作OP3における角度は、使用者の状態(年齢、健康状態及び好みなど)に応じて変更してもよい。
【0069】
図4(b)に示すように、制御部42は、入眠動作OPsを実施しても良い。例えば、時刻tsにおいて、使用者などが、制御装置160を操作して、入眠を希望することが入力される。この例では、時刻tsよりも前の状態において、ボトム角度θは大きい(例えば第3角度θ3)。時刻tsよりも前の状態において、ボトム角度θは任意であり、例えば、0度でも良い。時刻tsにおいて入眠の操作が行われると、制御部42は、ボトム角度θを第2角度θ2に設定する。これにより、使用者の入眠が促進される。この後、例えば、生体信号に対応する信号SSの変動ΔSが小さくなったら、制御部42は、ボトム角度θを第1角度θ1に向けて減少させてもよい。または、生体信号に対応する信号SSの変動ΔSが小さくなった後に変動ΔSが増大したときに、制御部42は、ボトム角度θを第2角度θ2に向けて増大させてもよい。この動作は、第1動作OP1に対応する。
【0070】
実施形態において、例えば、制御部42は、信号SSの変動ΔSに関する過去のデータと、ボトム71の角度(ボトム角度θ)と、の関係に基づいて、第1動作OP1または第2動作OP2における角度(信号SSの変動ΔSに応じた角度)を変更してもよい。例えば、使用者のそれぞれで、快適な眠りが得られるボトム角度θが異なる場合がある。さらに、1人の使用者においても眠りの最初の期間と後の期間との間で、快適な眠りが得られるボトム角度θが異なる場合がある。このような場合に、例えば、信号SSの変動ΔSに関する過去のデータと、ボトム71の角度(ボトム角度θ)と、の関係に基づいて、設定されるボトム角度θが変更されてもよい。すなわち、信号SSの変動ΔSに関する過去のデータと、ボトム角度θと、の関係が学習され、より適正なボトム角度θが設定されてもよい。例えば、ボトム71に含まれる複数の要素の少なくともいずれかの傾き(例えば角度)について、入眠のとき、及び、入眠の後で睡眠中のときの少なくともいずれかの状態が、学習によりカストマイズされて変更されても良い。
【0071】
上記の例では、生体信号に対応した信号SSの変動ΔSに応じて変更する角度は、背ボトム70aの角度である。実施形態において、生体信号に対応した信号SSの変動ΔSに応じて、ボトム71に含まれる他の部分の角度が制御されても良い。
【0072】
本実施形態に係る電動家具310(
図1参照)は、上記のような動作が可能な制御部42を含む。制御部42は、上記の取得部43を含んでもよく、または、取得部43は、制御部42とは別に設けられてもよい。電動家具310は、被制御部70C(例えば可動部70など)を含む。電動家具310は、上記の検出部60をさらに含んでもよい。実施形態の動作により、無呼吸状態またはいびきなどが抑制されても良い。
【0073】
上記の例では、生体信号により、使用者の睡眠の状態が推定され、睡眠の状態に対応して、可動部70が制御される。実施形態において、使用者の姿勢(仰臥位、腹臥位、または側臥位など)が推定されても良い。使用者の姿勢の推定結果に応じて、可動部70が制御されても良い。
【0074】
以下、本実施形態に係る電動家具のフローチャートの例について説明する。
図5は、第1実施形態に係る電動家具の動作を例示するフローチャートである。
例えば、制御装置160が操作されて、入眠を希望することが入力される。これにより、
図5に示すように、ボトム71(例えば背ボトム70a)は、小さな傾き(例えば、第2角度θ2)となる(ステップS210)。
【0075】
例えば、定められた期間において、制御装置160への操作があるか無いかが判断される(ステップS211)。操作がある場合(「No」の場合)、操作に応じてボトム71を動作させる(ステップS217)。例えば、背上げの操作が入力されたときは、背上げの手動制御が行われる。この後、ステップS211に戻る。
【0076】
ステップS211において、定められた期間内に操作が無いとき(「Yes」の場合)は、以下に説明する自動制御が行われる。
【0077】
操作が無いとき(自動制御のとき)は、生体信号に対応する信号SSが取得される(ステップS212)。そして、信号SSの変動ΔSがしきい値以下となるかどうかが判断される(ステップS213)。信号SSの変動ΔSがしきい値以下でないときは、ステップS211に戻る。
【0078】
ステップS213において、変動ΔSがしきい値以下になったと判断されたときは、ボトム71(例えば背ボトム70a)の傾きを減少させる(ステップS214)。例えば、ボトム角度θは、上記の第1角度θ1にされる。上記のステップS213及びS214は、例えば、上記の入眠動作OPsに対応する。
【0079】
さらに、制御装置160へ操作があるか無いかが判断される(ステップS101)。操作がある場合(「No」の場合)、操作に応じてボトム71を動作させる(ステップS102)。そして、例えば、ステップS210に戻る。ステップS102の後に、ステップS211またはステップS101に戻っても良い。
【0080】
ステップS101において、操作が無いとき(「Yes」の場合)は、生体信号に対応する信号SSが取得される(ステップS110)。
【0081】
さらに、例えば、信号SSの変動ΔSが減少しているかどうかが判断される(ステップS111)。変動ΔSが減少しているときは、ボトム71(背ボトム70a)の傾きを増大させる(ステップS112)。例えば、ボトム角度θは、上記の第2角度θ2にされる。変動ΔSが減少しているかどうかは、例えば、変動ΔSの減少に関するしきい値を用いて判断される。この後、例えば、ステップS101に戻る。ステップS111及びステップS112が、上記の第1動作OP1に対応する。第1動作OP1により、使用者に睡眠を促す。
【0082】
ステップS111において、変動ΔSが減少していないときは、変動ΔSが増大しているかどうかが判断される(ステップS121)。変動ΔSが増大しているかどうかは、例えば、変動ΔSの増大に関するしきい値を用いて判断される。
【0083】
ステップS121において、変動ΔSが増大していないときは、変動ΔSが実質的に変化していないことに対応する。このときは、ステップS101に戻る。
【0084】
ステップS121において、変動ΔSが増大しているとき(すなわち、変動ΔSが大きい第1信号状態st1のとき)は、その第1信号状態st1が、定められた時刻t1の前においてその時刻t1に最も近い第1信号状態st1であるかどうかが判断される(ステップS131)。
【0085】
ステップS131において、時刻t1に最も近くないとき(「No」の場合)は、ボトム71の傾きを減少させる(ステップS122)。例えば、ボトム角度θを第1角度θ1にする。そして、例えば、ステップS101に戻る。ステップS121及びステップS122が、上記の第2動作OP2に対応する。第2動作OP2により、例えば、寝返りをし易くできる。
【0086】
ステップS131において、第1信号状態st1が、時刻t1の前においてその時刻t1に最も近い第1信号状態st1であると判断された場合は、ボトム71の傾きを大きく増大させる(例えば、ボトム角度θを第3角度θ3にさせる)(ステップS132)。これより、使用者を快適に目覚めさせることができる。
【0087】
上記において、技術的に可能な範囲でステップを入れ替えても良い。例えば、ステップS111及びステップS121は、互いに入れ替えても良い。この場合、ステップS112及びステップS122は連動して入れ替えられる。
【0088】
(第2実施形態)
本実施形態においては、生体信号に対応する信号SSに基づいて、マットレスの形状が変更される。
【0089】
図6は、第2実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図6に示すように、本実施形態に係る電動家具320は、マットレス76と、制御部42と、を含む。電動家具320に取得部43がさらに設けられてもよい。取得部43は、制御部42に含まれても良い。マットレス76は、電動ベッドのボトム71の上に置かれてもよい。または、マットレス76の下に位置する面は、水平面でもよい。
【0090】
例えば、マットレス76は、複数のエアセル76aを含む。複数のエアセル76aは、例えば、マットレス76の頭部と足部とを結ぶ方向(例えば、X軸方向)に沿って並ぶ。例えば、複数のエアセル76aのそれぞれは、マットレス76の左右方向(例えば、Y軸方向)に沿って延びる。例えば、ポンプユニット76bにより、複数のエアセル76aのそれぞれの内部のエアの量が制御される。これにより、複数のエアセル76aのそれぞれの内部の圧力が変化する。例えば、複数のエアセル76aのそれぞれの高さ(例えば複数のエアセルの上端のZ軸方向の位置)が変更できる。
【0091】
例えば、マットレス駆動部76f(例えば電気回路部)が設けられる。ケーブル76cにより、ポンプユニット76bがマットレス駆動部76fに接続される。マットレス駆動部76fの制御部より、ポンプユニット76bが動作し、その結果、複数のエアセル76aの状態が、種々に制御できる。
【0092】
この例では、マットレス操作部76dが設けられている。マットレス操作部76dは、ケーブル76eによりマットレス駆動部76fと接続される。マットレス操作部76dは、マットレス76の使用者などによる操作を受け付ける。マットレス操作部76dが受け付けた操作に対応した信号SMがマットレス駆動部76fに供給され、その結果、マットレス76の状態(例えば複数のエアセル76aの形状)を、マニュアル制御により、制御できる。
【0093】
本実施形態においては、マニュアル制御とは別に、制御部42による自動制御により、マットレス76の状態(例えば形状)が制御される。
【0094】
実施形態において、検出部60(例えばセンサ62)が設けられる。検出部60は、例えば、マットレス76の下に設けられる。検出部60は、マットレス76の使用者の体動を含む生体信号を検出する。検出部60は、生体信号に対応する信号SSを出力する。取得部43は、この信号SSを取得する。この信号SSは、制御部42に供給される。この例においても、信号SSは、使用者の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかに関する情報を含む。信号SSは、使用者の腕、胴及び足の少なくともいずれかの動きに関する情報を含んでも良い。信号SSは、使用者の寝返りに関する情報を含んでも良い。信号SSは、使用者の寝返り数に関する信号を含んでも良い。
【0095】
制御部42は、信号SSの変動ΔSに応じて、マットレス76の状態(例えば形状)を制御する。この制御は、例えば、マットレス駆動部76fの制御によりポンプユニット76bが制御されることで行われる。このように、制御部42は、マニュアル制御とは別に、生体信号に基づく自動制御を実施可能である。
【0096】
以下、まず、マットレス76の状態の例について説明する。
図7(a)及び
図7(b)は、第2実施形態に係る電動家具を例示する模式的側面図である。
これらの図は、マットレス76の状態(例えば形状)を例示している。
図7(a)は、マットレス76における1つの状態(第1マットレス状態mt1)に対応する。
図7(b)は、マットレス76における別の状態(第2マットレス状態mt2)に対応する。
【0097】
複数のエアセル76aのうちの一部(頭部77a)は、使用者の頭部に対応する。複数のエアセル76aのうちの別の一部(腰部77b)は、使用者の腰部に対応する。複数のエアセル76aのうちのさらに別の一部(足部77c)は、使用者の足部に対応する。
【0098】
図7(a)に示すように、第1マットレス状態mt1においては、マットレス76の頭部77aの高さ(上部の高さ)を基準にしたときに、マットレス76の腰部77bの高さ(上部の高さ)は低い。例えば、マットレス76の腰部77bの高さは、マットレス76の足部77cの高さよりも低い。第1マットレス状態mt1において、マットレス76の形状は、緩い傾斜を有する。第1マットレス状態mt1のマットレス76の上に使用者が横たわると、使用者の背は、緩い傾斜となる。第1マットレス状態mt1において、足部77cの高さも、頭部77aの高さよりも低くても良い。
【0099】
一方、
図7(b)に示すように、第2マットレス状態mt2においては、マットレス76の腰部77bの高さは、マットレス76の頭部77aの高さと実質的に同じである。マットレス76の腰部77bの高さは、マットレス76の足部77cの高さと実質的に同じである。第2マットレス状態mt2においては、マットレス76は実質的にフラットとなる。第2マットレス状態mt2のマットレス76の上に使用者が横たわると、使用者の背は、実質的にフラットとなる。第2マットレス状態mt2において、腰部77bの高さが、頭部77aの高さよりも若干高くても良い。
【0100】
例えば、マットレス76がフラットなとき(例えば第2マットレス状態mt2)に、寝返りしやすいと考えられる。一方、マットレス76がゆるやかに傾斜しているとき(例えば第1マットレス状態mt1)に、使用者は入眠しやすい。
【0101】
実施形態においては、制御部42は、使用者の生体信号に基づいて、マットレス76の形状を変更する。例えば、上記の第1マットレス状態mt1及び第2マットレス状態mt2が、切り替えて形成される。これにより、より快適な眠りを提供できる。
【0102】
図8(a)及び
図8(b)は、第2実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、時間tmである。
図8(a)の縦軸は、信号SSの変動ΔSを示す。
図8(a)に示すように、信号SSは、複数の状態(例えば第1信号状態st1及び第2信号状態st2)を含む。この場合も、第2信号状態st2における信号SSの変動ΔSは、第1信号状態st1における信号SSの変動ΔSよりも小さい。
【0103】
図8(b)の縦軸は、マットレス76の頭部77aの高さを基準にした、マットレス76の腰部77bの高さHRである。第1マットレス状態mt1において、腰部77bは頭部77aよりも低く、マットレス76の形状は、緩い傾斜状態である。第2マットレス状態mt2において、腰部77bの高さは頭部77aの高さと実質的に同じであり、マットレス76の形状はフラットである。
【0104】
制御部42は、信号SSの変動ΔSが減少したときに、第1動作OP1を実施する。第1動作OP1においては、マットレス76の頭部77aの高さを基準にしたマットレス76の腰部77bの高さを低下させる。例えば、制御部42は、信号SSの変動ΔSのピーク(極大)を過ぎて変動ΔSが減少傾向のときに、腰部77bの高さを低下させる。例えば、第1動作OP1においては、第2マットレス状態mt2から第1マットレス状態mt1へ向けた制御が行われる。例えば、第1動作OP1においては、例えば、フラットな形状から緩い傾斜の形状に向けて、マットレス76の形状が制御される。
【0105】
例えば、信号SSの変動ΔSが減少しているときは、使用者の眠りが深くなりつつある。このとき、マットレス76の形状が緩い傾斜の形状に向けて制御されることで、使用者の深い眠りを促進できる。例えば、使用者を、より早く、深い眠り状態にすることができる。これにより、より快適な眠りを提供できる。
【0106】
制御部42は、第2動作OP2をさらに実施してもよい。第2動作OP2は、信号SSの変動ΔSが増大したときの動作である。第2動作OP2において、制御部42は、腰部77bの高さを頭部77aの高さに近づける。例えば、第2動作OP2では、制御部42は、第1マットレス状態mt1から第2マットレス状態mt2に向けた制御を行う。例えば、第2動作OP2においては、例えば、緩い傾斜の形状からフラットな形状に向けて、マットレス76の形状が制御される。例えば、制御部42は、信号SSの変動ΔSのボトム(極小)を過ぎて変動ΔSが増大傾向のときに、腰部77bの高さを低下させる。
【0107】
信号SSの変動ΔSが増大したときは、使用者が寝返りをしようとしていることが多い。このとき、緩い傾斜の形状からフラットな形状に向けて、マットレス76の形状が制御されることで、寝返りがしやすくなる。使用者の負担が抑制できる。これにより、より快適な眠りを提供できる。
【0108】
さらに、第2動作OP2の後に、第1動作OP1を実施する。これにより、例えば、寝返りの後に、より早く、深い眠りを促進できる。これらの第1動作OP1及び第2動作OP2を繰り返して実施する。これにより、質の高い眠りを提供できる。
【0109】
制御部42は、このような第1動作OP1及び第2動作OP2に加えて、第3動作OP3をさらに実施してもよい。第3動作OP3は、定められた時刻t1(
図8(a)参照)に起床するときの動作である。
【0110】
既に説明したように、信号SSは、第1信号状態st1及び第2信号状態st2を含む。例えば、第1信号状態st1はレム睡眠に対応する。第2信号状態st2は、ノンレム睡眠に対応する。制御部42は、信号SSが、定められた時刻t1の前において、その時刻t1に最も近い第1信号状態st1であるときに、第3動作OP3を実施する。第3動作OP3では、制御部42は、腰部77bの高さを頭部77aの高さに近づけた状態(フラットな状態)を維持する。
【0111】
例えば、定められた時刻t1以前で、時刻t1に最も近いレム睡眠状態が生じる。その後に、信号SSの変動ΔSが小さくなっても、制御部42は、マットレス76のフラットな状態を維持し続ける。
【0112】
これにより、使用者は、快適に目覚めることができる。例えば、定められた時刻t1に最も近いレム睡眠のとき、マットレス76がフラットなことにより、目を覚ますことができる。
【0113】
第3動作OP3において、使用者の状態(または好み)に応じて、マットレス76の形状を、逆の形状(頭部77aが腰部77bよりも低い形状)にしてもよい。この場合、使用者の頭部は、胴よりも下に傾斜する。第3動作OP3におけるマットレス76の形状は、使用者の状態(年齢、健康状態及び好みなど)に応じて変更してもよい。
【0114】
図8(b)に示すように、制御部42は、入眠動作OPsを実施しても良い。例えば、時刻tsにおいて、使用者などが、制御装置160を操作して、入眠を希望することが入力される。例えば、時刻tsよりも前の状態において、マットレス76はフラットである。時刻tsにおいて入眠の操作が行われると、制御部42は、腰部77bを頭部77aよりも低くする。これにより、使用者の入眠が促進される。この後、制御部42は、上記の第1動作OP1及び第2動作OP2を実施する。
【0115】
実施形態において、例えば、制御部42は、信号SSの変動ΔSに関する過去のデータと、マットレス76の形状と、の関係に基づいて、信号SSの変動ΔSに応じて形成されるマットレス76の形状を変更してもよい。例えば、信号SSの変動ΔSに関する過去のデータと、マットレス76の形状と、の関係に基づいて、第1動作OP1または第2動作OP2におけるマットレス76の形状を変更してもよい。例えば、使用者のそれぞれで、快適な眠りが得られるマットレス76の形状が異なる場合がある。さらに、1人の使用者においても眠りの最初の期間と後の期間との間で、快適な眠りが得られるマットレス76の形状が異なる場合がある。このような場合に、信号SSの変動ΔSに関する過去のデータと、マットレス76の形状と、の関係に基づいて、設定されるマットレス76の形状が変更されてもよい。すなわち、信号SSの変動ΔSに関する過去のデータと、マットレスの形状と、の関係が学習され、より、マットレス76の形状が、より適正に設定されてもよい。
【0116】
上記の例では、生体信号に対応した信号SSの変動ΔSに応じて、マットレス76の上下方向における異なる位置の複数の部分の高さが変更される。上下方向は、頭部と脚部とを結ぶ方向であり、
図6におけるX軸方向に対応する。例えば、上記の例では、信号SSの変動ΔSに応じて、上下方向におけるマットレス76の異なる位置の複数の部分(複数のエアセル76a内の圧力が変更される。
【0117】
実施形態において、複数のエアセル76aは、左右方向(
図6におけるY軸方向)に並んでも良い。実施形態において、左右方向における異なる位置の複数の部分の高さが、生体信号に対応した信号SSの変動ΔSに応じて、変更されても良い。実施形態において、左右方向における異なる位置の複数の部分(複数のエアセル76a)の圧力が、生体信号に対応した信号SSの変動ΔSに応じて、変更されても良い。
【0118】
本実施形態に係る電動家具320(
図6参照)は、上記のような動作が可能な制御部42を含む。制御部42は、上記の取得部43を含んでもよく、または、取得部43は、制御部42とは別に設けられてもよい。電動家具310は、被制御部70C(例えば可動部70など)を含む。電動家具320は、上記の検出部60をさらに含んでもよい。実施形態の動作により、無呼吸状態またはいびきなどが抑制されても良い。
【0119】
上記の例では、生体信号により、使用者の睡眠の状態が推定され、睡眠の状態に対応して、マットレス76の形状が制御される。実施形態において、使用者の姿勢(仰臥位、腹臥位、または側臥位など)が推定されても良い。使用者の姿勢の推定結果に応じて、マットレス76の形状が制御されても良い。
【0120】
上記の例では、使用者の生体信号に基づいて、マットレス76の形状が制御される。使用者の生体信号に基づいて、マットレス76の硬さが制御されても良い。使用者の生体信号に基づいて、枕の形状及び硬さの少なくともいずれかが制御されても良い。例えば、使用者は、マットレス76の形状または硬さに関する好みを有する。この好みに応じて、マットレス76の形状及び硬さのいずれかが制御されても良い。例えば、使用者は、枕の形状または硬さに関する好みを有する。この好みに応じて、枕の形状及び硬さのいずれかが制御されても良い。
【0121】
以下、本実施形態に係る電動家具のフローチャートの例について説明する。
図9は、第2実施形態に係る電動家具の動作を例示するフローチャートである。
例えば、制御装置160が操作されて、入眠を希望することが入力される。これにより、
図9に示すように、腰部77bの高さを頭部77aに対して相対的に低下させる(ステップS610)。例えば、腰部77bの高さを頭部77aよりも低くする。
【0122】
その後、ステップS211、S212及びステップS217が実施される。これらのステップは、例えば、
図5に関して説明したステップと同様である。
【0123】
図9に示すように、信号SSの変動ΔSがしきい値以下となるかどうかが判断される(ステップS213)。信号SSの変動ΔSがしきい値以下でないときは、ステップS211に戻る。
【0124】
ステップS213において、変動ΔSがしきい値以下になったと判断されたときは、腰部77bの高さを頭部77aに近づける(ステップS614)。例えば、マットレス76を実質的にフラットにする。上記のステップS213及びS614は、例えば、上記の入眠動作OPsに対応する。
【0125】
その後、ステップS101及びステップS102が実施される。これらのステップは、例えば、
図5に関して説明したステップと同様である。
【0126】
図9に示すように、生体信号に対応する信号SSが取得される(ステップS110)。 さらに、例えば、信号SSの変動ΔSが減少しているかどうかが判断される(ステップS111)。
【0127】
変動ΔSが減少しているときは、腰部77bの高さを頭部77aに対して相対的に低下させる(ステップS512)。例えば、マットレス76は実質的にフラットになる。この後、例えば、ステップS101に戻る。ステップS111及びステップS512が、上記の第1動作OP1に対応する。第1動作OP1により、使用者に睡眠を促す。
【0128】
ステップS111において、変動ΔSが減少していないときは、変動ΔSが増大しているかどうかが判断される(ステップS121)。変動ΔSが増大しているかどうかは、例えば、変動ΔSの増大に関するしきい値を用いて判断される。
【0129】
ステップS121において、変動ΔSが増大していないときは、変動ΔSが実質的に変化していないことに対応する。このときは、ステップS101に戻る。
【0130】
ステップS121において、変動ΔSが増大しているとき(すなわち、変動ΔSが大きい第1信号状態st1のとき)は、その第1信号状態st1が、定められた時刻t1の前においてその時刻t1に最も近い第1信号状態st1であるかどうかが判断される(ステップS131)。
【0131】
ステップS131において、時刻t1に最も近くないとき(「No」の場合)は、腰部77bの高さを頭部77aの高さに近づける(ステップS522)。例えば、マットレス76を実質的にフラットにする。そして、例えば、ステップS101に戻る。ステップS131及びステップS522が、上記の第2動作OP2に対応する。第2動作OP2により、例えば、寝返りをし易くできる。
【0132】
ステップS131において、第1信号状態st1が、時刻t1の前においてその時刻t1に最も近い第1信号状態st1であると判断された場合は、腰部77bの高さ及び頭部77aの高さの少なくともいずれかを変更する(ステップS532)。例えば、マットレス76を実質的にフラットにする。または、マットレス76の形状を、逆の形状などにする。これより、使用者を快適に目覚めさせることができる。
【0133】
本実施形態においても、技術的な範囲でステップを入れ替えても良い。例えば、ステップS111及びステップS121は、互いに入れ替えても良い。この場合、ステップS512及びステップS522は連動して入れ替えられる。
【0134】
(第3実施形態)
本実施形態においては、生体信号に対応する信号SSに基づいて、電動家具の温度が制御される。例えば、
図1に関して説明したように、被制御部70Cとして、温度制御部73b(例えばヒータなど)が設けられる場合がある。温度制御部73bは、例えば、使用者の足部に対応する位置に設けられる。以下、温度制御部73bの温度が、生体信号に対応する信号SSに基づいて変更される例について説明する。
【0135】
図10(a)及び
図10(b)は、第3実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、時間tmである。
図10(a)の縦軸は、信号SSの変動ΔSを示す。この場合も、信号SSは、複数の状態(例えば第1信号状態st1及び第2信号状態st2)を含む。この場合も、第2信号状態st2における信号SSの変動ΔSは、第1信号状態st1における信号SSの変動ΔSよりも小さい。
【0136】
図10(b)の縦軸は、電動家具320の温度Tmである。この例では、温度Tmは、温度制御部73bの温度である。制御部42は、信号SSの変動ΔSに応じて電動家具320の温度Tmを制御する。制御部42は、第1動作OP1を実施する。第1動作OP1は、信号SSの変動ΔSが減少したときの動作である。第1動作OP1において、制御部42は、信号SSの変動ΔSが減少したときに、温度Tmを低下させる。
【0137】
例えば、使用者が睡眠中のときの使用者の体温は、使用者が覚醒中のときの使用者の体温よりも低くなる。使用者の状態に対応させて電動家具の温度を制御することで、使用者により快適な眠りを提供できる。
【0138】
制御部42は、第2動作OP2をさらに実施してもよい。第2動作OP2は、睡眠が徐々に浅くなっていくときに実施される。例えば、1回の睡眠の期間において、睡眠の始めの期間における睡眠の状態と、睡眠の終わりに近い期間にける睡眠の状態と、が互いに異なる場合がある。例えば、始めの期間では、第1信号状態st1(例えばレム睡眠に対応)と、第2信号状態st2(例えばノンレム睡眠に対応)と、の間の差が大きいと考えられる。例えば、終わりに近い期間では、第1信号状態st1と第2信号状態st2との間の差が、始めの機関におけるその差よりも小さいと考えられる。例えば、第1信号状態st1と第2信号状態st2との間の差の変化により、睡眠の状態を推定することができる。
【0139】
例えば、第1信号状態st1と第2信号状態st2との間の差がある値(しきい値)よりも小さくなったときに、第2動作OP2が実施される。第2動作OP2においては、例えば、電動家具320(例えば温度制御部73b)の温度Tmを上昇させる。これにより、使用者により快適な目覚めを提供できる。
【0140】
この他、被制御部70Cが照明部73a(
図1参照)を含む場合、制御部42は、生体信号に対応する信号SSの変動ΔSに基づいて、照明部73aの動作状態(例えば、明るさ及び色の少なくともいずれか)を変更してもよい。
【0141】
使用者の生体信号に基づいて、制御装置160の表示部(または証明)の明るさ及び色の少なくともいずれかが制御されても良い。使用者の生体信号に基づいて、例えば、電動家具310から、眠りまたは起床を促す香りが制御されて放出されても良い。
【0142】
第3実施形態においても、信号SSは、使用者の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかに関する情報を含む。信号SSは、使用者の腕、胴及び足の少なくともいずれかの動きに関する情報を含んでも良い。信号SSは、使用者の寝返りに関する情報を含んでも良い。信号SSは、使用者の寝返り数に関する信号を含んでも良い。
【0143】
以下、センサ62のいくつかの例について説明する。
【0144】
図11(a)及び
図11(b)は、実施形態に係る電動家具を例示する模式図である。
図11(a)は、センサ62、及び、センサ62の配置を例示する模式的斜視図である。
図11(b)は、センサ62を例示する模式的平面図である。
図11(a)においては、図を見やすくするために、構成要素が互いに離されて描かれている。
【0145】
図11(a)に示すように、電動家具340において、ベッド部70Bのベッド脚部74の上に、ボトム71が設けられる。ボトム71の上に、マットレス76が設けられる。マットレス76の上に、使用者81が横たわる。センサ62(検出部60)は、例えば、ボトム71とマットレス76との間に設けられる。この例では、センサ62は、シート状またはプレート状である。
【0146】
図11(b)に示すように、センサ62は、回路部62a及びセンサ部62bを含む。回路部62aは、通信部62cを含む。通信部62cは、制御部42とデータの送受信を行う。送受信は、有線及び無線の少なくともいずれかを含む任意の方法により行われる。
【0147】
センサ部62bは、例えば、センサ装置62dを含む。センサ部62bは、センサ部62bが受ける力(または力に対応した特性)を検出する。力は、例えば、圧力及び音波の少なくともいずれかを含む。センサ部62bは、例えば、圧力センサを含む。センサ部62bは、例えば、マイクロフォンを含む。
【0148】
センサ部62bに、マットレス76を介して、使用者81による力(圧力及び音波の少なくともいずれか)が加わる。例えば、センサ部62bで検出された力に基づく信号が、回路部62aから出力される。出力された信号が制御部42に供給される。制御部42において、信号(力)の大きさ及び信号(力)の大きさの時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、使用者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定される。または、回路部62aにおいて、センサ部62bで検出された力及び力の時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、使用者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定されても良い。使用者81の状態は、起き上がり、離床準備状態(例えば端座位)、離床、入眠、睡眠、または覚醒を含んでも良い。
【0149】
さらに、制御部42または回路部62aの少なくともいずれかにおいて、信号(力)の大きさ及び信号(力)の大きさの時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、使用者81の生体信号が検出される。生体信号は、使用者81の呼吸数及び心拍数の少なくともいずれかを含む。生体信号に基づいて、睡眠の状態が推定されても良い。生体信号に基づいて、寝ているときの使用者81の姿勢が推定されても良い。
【0150】
例えば、使用者81の状態に応じた振動が、センサ部62bに加わる。振動は、例えば、使用者81の体動に応じている。振動がセンサ部62bにおいて検出される。振動は、音を含んでも良い。
【0151】
例えば、振動検出手段(センサ部62b)と、処理部(回路部62a及び制御部42の少なくともいずれかの少なくとも一部)と、が設けられる。処理部は、例えば、コンピュータを含む。振動検出手段は、例えば、寝具(ベッド部70B)上の就寝者(使用者81)の振動を検出する。処理部は、例えば、活動量算出手段と、睡眠判定値算出手段と、睡眠状態判定手段と、を含む。これらの手段は、機能的に分けられている。活動量算出手段は、例えば、振動検出手段により検出された振動に基づいて、就寝者の活動量をサンプリング単位時間毎に算出する。睡眠判定値算出手段は、例えば、第1時刻(例えば、現在の時刻)の活動量と、第2時刻(例えば現在の時刻以前の時刻)に算出した活動量と、に、時間に応じて重み付けした補正係数を乗じた値の総和を睡眠判定値として算出する。睡眠状態判定手段は、例えば、睡眠判定値が所定の閾値を超えた場合には覚醒状態と判定し、それ以外の場合には睡眠状態と判定する。
【0152】
図12(a)~
図12(d)は、実施形態に係る別の電動家具を例示する模式図である。
図12(a)は、センサ62の例の断面図である。
図12(b)は、センサ62の例の平面図である。
図12(c)は、センサ62の配置を例示する斜視図である。
図12(d)は、センサ62の配置を例示する側面図である。
【0153】
図12(a)に示すように、この例においては、センサ62は、第1板体62pと、第2板体62qと、を含む。第2板体62qは、第1板体62pと対向する。これらの板体は、シート状でも良い。
【0154】
第2板体62qは、支持突起62sを含む。支持突起62sは、第1板体62pの外縁部に対向する。第1板体62pは、外縁部の内側の内側部を含む。内側部と、第2板体62qと、の間に、空気収容体62rが設けられる。この例では、第2板体62qに溝62tが設けられている。溝62tにより形成される空間(分けられる空間)に空気収容体62rが設けられる。空気収容体62rには、信号線62uの一端が接続される。信号線62uの他端は、検出回路62v(検出装置)に接続される。
【0155】
図12(b)に示すように、支持突起62sは、第1板体62pの外縁の一部と対向する。この例では、支持突起62sは、第1板体62pの、4つのコーナー部に設けられている。センサ62は、シート状、または、板状である。
【0156】
図12(c)に示すように、ボトム71の上に、上記のセンサ62が置かれる。
図12(d)に示すように、ボトム71の上に、センサ62が置かれ、その上に、マットレス76が置かれる。マットレス76の上に、使用者81が横たわる。
【0157】
例えば、使用者81の体の動きに応じた力が空気収容体62rに加わる。この力は、例えば、振動を含む。空気収容体62rに加わる力(または力に対応した特性)が検出回路62vにより検出される。例えば、空気収容体62rに、圧力検出器が設けられ、圧力検出器により得られた信号(検出結果)が、検出回路62vに供給される。例えば、空気収容体62rに、マイクロフォンが設けられ、マイクロフォンにより得られた信号(検出結果)が、検出回路62vに供給される。例えば、検出回路62vの出力(信号)が制御部42に供給される。制御部42において、使用者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定される。または、検出回路62vにおいて、検出された力及び力の時間的な変化の少なくともいずれかに基づいて、使用者81の状態(離床、睡眠、または覚醒など)が推定されても良い。使用者81の状態は、起き上がり、端座位(例えば離床準備状態)、離床、入眠、睡眠、または覚醒を含んでも良い。
【0158】
センサ62は、例えば、生体情報収集装置である。センサ62において、第1板体62pは、例えば、使用者81の身体側に配置される。第2板体62qは、例えば、支持側に設けられる。第1板体62pと第2板体62qとの中央部間に、空気圧検出用の変形可能な空気収容体62rが設けられる。第2板体62qの中央部には、空気収容体62rを装着する溝62tが設けられる。支持突起62sは、第2板体62qから第1板体62pに向かう方向に、突出する。支持突起62sは、第1板体62pの周囲の四隅を支持する。支持突起62sは、例えば、第1板体62pを水平な状態(正常状態)に常時支持する。
【0159】
実施形態において、センサ62は、種々の変形が可能である。
【0160】
実施形態において、制御部42は、検出部60により検出された使用者81の状態に基づいて、被制御部70Cとして、照明部73a及び温度制御部73bの少なくともいずれか(
図1参照)を制御しても良い。
【0161】
例えば、センサ62により検出された使用者81の状態(起き上がり、端座位(例えば離床準備状態)、離床、入眠、睡眠、及び覚醒の少なくともいずれか)に基づいて、照明部73aの明るさを変更(例えば、オン/オフを含む)しても良い。例えば、センサ62により検出された使用者81の状態に基づいて、照明部73aから出射される光の方向を変更しても良い。照明部73aは、例えば、天井灯、読書灯及び脚下灯の少なくともいずれかを含む。照明部73aは、使用者81がいる部屋の任意の照明を含む。例えば、信号SS(検出信号)の変動が減少したときに照明部73aを制御する。例えば、信号SS(検出信号)の変動が減少したときに照明部73aを暗くしても良い。使い易さを向上できる電動家具を提供できる。より快適な眠りを提供できる電動家具を提供できる。
【0162】
例えば、センサ62により検出された使用者81の状態に基づいて、温度制御部73bの温度を変更(例えば、オン/オフを含む)しても良い。温度制御部73bは、例えば、電動家具の周囲の温度(例えば、使用者81がいる部屋の温度)を制御しても良い。使い易さを向上できる電動家具を提供できる。より快適な眠りを提供できる電動家具を提供できる。
【0163】
図13は、別の実施形態に係る電動家具を例示する模式的斜視図である。
図13に示すように、電動家具330は、電動椅子である。電動家具330は、可動部70を含む。可動部70は、例えば、背もたれ部70p及び座面部70qを含む。背もたれ部70pは、角度が変更可能なボトム部に対応する。座面部70qは、高さ変更部に対応する。座面部70qの角度が変更可能でも良い。実施形態に係る制御装置160により、これらの可動部70が制御される。電動家具330においても、使用者81の状態に対応して、可動部70が動く。
【0164】
実施形態において、可動部70が設けられる場合、可動部70の駆動装置(モータなど)は、電動家具の足側に設けられることが好ましい。駆動装置の動作により発生する音が、使用者81の頭部に届きにくくなり、より快適になる。実施形態において、自動制御が行われる場合の可動部70の動きの速度は、マニュアル制御が行われる場合の可動部70の動きの速度よりも遅くても良い。これにより、使用者81に与える違和感が抑制される。例えば、自動制御による可動部70の動きにより、使用者81が目を覚ますことが抑制される。
【0165】
上記の実施形態において、使用者81の状態は、起き上がり、離床準備状態(例えば端座位)、離床、入眠、睡眠、覚醒または起床を含んでも良い。
【0166】
図5及び
図9において、生体信号に対応する信号SSの取得(ステップS212)は、操作が無いかどうかの判断(ステップS211)の前に行われても良い。例えば、定期的に信号SSを取得し、ステップS211の結果に従って、ステップS213以降に進んでも良い。
【0167】
ボトム角度θが3度以上12度未満のときに、例えば、起立性低血圧の治療に有効であるという報告がある。例えば、背上げにより、水平仰臥位よりも気道が塞がりにくくなるため、閉塞性睡眠時無呼吸症候群においては、背上げ状態で眠ることで睡眠時呼吸状態が改善されるという報告がある。
【0168】
例えば、ボトム71(ベッド)の上面がフラットであるとき(例えば第1角度θ1)に、寝返りしやすいと考えられる。一方、ボトム71(背ボトム70a)がゆるやかに傾斜しているとき(例えば第2角度θ2)に、使用者81は、呼吸がしやすく副交感神経が優位になりリラックスしやすいため、使用者81は入眠しやすいと考えられる。
【0169】
上記のように、第1実施形態において、第1動作OP1では、例えば、信号SSの変動ΔSが減少しているときに、ボトム角度θを第1角度θ1から第2角度θ2に向けて増大させる。これにより、例えば、使用者81の睡眠時呼吸状態を改善することができる。例えば、使用者81が無呼吸状態となり中途覚醒するのを回避することができる。これにより、より快適な眠りを提供できる。
【0170】
第1実施形態において、例えば、第2動作OP2の後に、第1動作OP1を実施する。これにより、例えば、寝返りの後に、使用者81が無呼吸状態となり中途覚醒するのを回避することができる。これらの第1動作OP1及び第2動作OP2を繰り返して実施する。これより、質の高い眠りを提供できる。
【0171】
上記のように、第2実施形態において、例えば、信号SSの変動ΔSが減少しているときに、マットレス76の形状が緩い傾斜の形状に向けて制御される。これにより、使用者81の睡眠時呼吸状態を改善することができる。例えば、使用者81が無呼吸状態となり中途覚醒するのを回避することができる。これにより、より快適な眠りを提供できる。
【0172】
第2実施形態において、例えば、第2動作OP2の後に、第1動作OP1を実施する。これにより、例えば、寝返りの後に、使用者81が無呼吸状態となり中途覚醒するのを回避することができる。これらの第1動作OP1及び第2動作OP2を繰り返して実施する。これにより、質の高い眠りを提供できる。
【0173】
上記の実施形態において、既に説明したように、ボトム71の傾きは、ボトム角度θでも良い。既に説明したように、ボトム71の傾きは、ベッドのフレーム75を基準にしたときの傾きでも良く、床面を基準にした角度でも良い。例えば、床面を基準にして、フレーム75が傾くことで、ボトム71の傾きが変化しても良い。ボトム71の傾きは、フレーム75を基準にしたボトム71の傾きと、床面を基準にしたフレーム75の傾きと、を含む傾きでも良い。
【0174】
実施形態の1つの例において、制御部42は、信号SSの変動ΔSが減少したときに、第1動作OP1を実施する。第1動作OP1または第2動作OP2において、制御部42は、マットレス76の頭部77aの高さを基準にしたマットレス76の腰部77bの高さを低下させる。既に説明したように、マットレス76の複数のエアセル76aのそれぞれの高さは、複数のエアセル76aの内部の圧力を変更することで、変更できる。従って、この第1動作OP1は、頭部77aの圧力と腰部77bの圧力との差を減少させることを含んでも良い。
【0175】
既に説明したように、信号SSは、呼吸数、心拍数及び体動の少なくともいずれかに対応する。信号SSの変動ΔSは、例えば、呼吸数、心拍数及び体動の少なくともいずれかに対応しても良い。脈拍数は、心拍数と実質的に同じと見なしても良い。
【0176】
以下、入眠動作OPs(例えば、
図4(b))の例について説明する。
1つの例において、使用者81などが、制御装置160を操作して、入眠を希望することが入力される。使用者81などは、例えば、電動家具310、320、330または340の使用者81、及び、その介護者などである。例えば、制御装置160は、入眠を判定する動作への移行の受付ボタンなどを含むことができる。既に説明したように、制御装置160は、有線または無線などの任意の方法で、制御部42と接続可能である。制御装置160は、例えば、「スマートフォン型」でも良い。
【0177】
制御装置160は、例えば、タッチパネル式の入力部(操作受付部20など)を含んでも良い。例えば、タッチパネルの表示部に「入眠モード」に移行する入力領域が設けられても良い。使用者81がこの入力領域を「タッチ」することで、入眠を判定する動作に移行する。入眠を判定する動作において、入眠と判定されたら、制御部42は、入眠動作OPsを実施する。上記の例では、入眠を希望することが入力された時刻が、時刻ts(
図4(b)参照)に対応する。
【0178】
別の例では、入眠動作OPsが、設定された時刻に開始されても良い。例えば、タイムスイッチが設定される。例えば、特定の時刻が設定され、この時刻になると、使用者81などの操作無しで、制御部42は、入眠を判定する動作に移行する。この場合も、入眠を判定する動作において、入眠と判定されたら、制御部42は、入眠動作OPsを実施する。この例では、設定された特定の時刻が、時刻ts(
図4(b)参照)に対応する。特定の時刻は、例えば、使用者81などにより設定される。
【0179】
以下、「睡眠」の判定及び入眠動作OPsなどを含む「入眠モード」のいくつかの例について説明する。
【0180】
図14は、実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
図15は、実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
図15において、横軸は、時間ttである。
【0181】
図14に示すように、例えば、制御装置160は(または制御部42)は、スタンバイ状態(ステップST00)を有する。操作受付部20が操作を受け付ける、または、タイムスイッチにより、制御部42は、入眠モードM01に移行する(ステップST01)。
【0182】
入眠モードM01に移行したら、制御部42は、入眠検知動作HS0(
図15参照)を行う(ステップST10)。制御部42は、入眠検知動作HS0において、使用者81の睡眠の開始を検知する。1つの例において、制御部42は、検出部60(センサ62など)からの信号SS(使用者81の生体信号に対応する信号)を入手し、使用者81の睡眠を検知する。別の例において、制御部42は、検出部60(センサ62など)で検出された「使用者81が睡眠状態であることを示す信号」を入手しても良い。例えば、生体信号(呼吸数または心拍数など)に対応する信号SSの変動ΔSが、しきい値よりも小さいときに、「睡眠」と判断される。既に説明したように、変動ΔSは、例えば、信号SSの時間的な変化、及び、信号SSの振幅の変化の少なくともいずれかを含む。生体信号は、使用者81の体動に関する情報を含んでも良い。生体信号は、使用者81の寝返りに関する信号(例えば、使用者の寝姿勢に関する情報)を含んでも良い。入眠検知動作HS0は、例えば、「睡眠検知待機状態」である。入眠検知動作HS0は、例えば、ステップS212及びステップS213などに対応する(
図5及び
図9参照)。
【0183】
入眠検知動作HS0において、「使用者81が睡眠状態である」と判定された時刻を第1時刻t01とする(
図15参照)。
図15に示すように、制御部42(または検出部60)は、使用者81が睡眠状態であるかどうかの判定動作Dc0を行う。「使用者81が睡眠状態である」と判定された時刻が、第1時刻t01に対応する。第1時刻t01は、電動家具の使用者81の睡眠を検知した時刻である。
【0184】
図14に示すように、例えば、制御部42は、第1時刻t01からの経過時間(「睡眠経過時間」)を計測する。「睡眠経過時間」は、睡眠状態が続く時間である。「睡眠経過時間」が第1時間しきい値以上になると(ステップST11)、制御部42は、第1入眠動作HS1(
図15参照)に移行する(ステップST20)。移行の時刻を、第2時刻t02(
図15参照)とする。第1時間しきい値は、例えば、20分である。第1時間しきい値は、例えば、0分を超え120分以下の任意の値で良い。
【0185】
例えば、
図15に示すように、制御部42は、第2時刻t02に、判定動作Dc1を行う。判定動作Dc1において、「第1時刻t01からの経過時間Δt12が第1時間しきい値以上である」と判定された時刻が、第2時刻t02に対応する。第2時刻t02は、入眠検知動作HS0から第1入眠動作HS1への移行の時刻に対応する。
【0186】
制御部42における第1入眠動作HS1は、例えば、使用者81の生体信号に対応する信号SSを取得する動作(例えばモニタ動作)である。
【0187】
図14に示すように、制御部42は、生体信号の変動が所定の条件(第1変動条件)を満たしたとき(ステップST21)に、第2入眠動作HS2(
図15参照)を実施する(ステップST25)。
【0188】
例えば、
図15に示すように、第2時刻t02の後に、所定の時間D1が経過する。所定の時間D1が経過したら、制御部42は、判定動作Dc2を行う。所定の時間D1は、例えば、60秒である。判定動作Dc2において、第1入眠動作HS1中の第1期間p11における使用者81の生体信号に対応する信号SSの変動ΔSが第1変動条件を満たすか否かが、判定される。第1入眠動作HS1中の第1期間p11における信号SSの変動ΔSが、第1入眠動作HS1中の、第1期間p11の前の第1前期間p10における変動ΔSよりも小さいとき、または、第1期間p11における変動ΔSと、第1前期間p10における変動ΔSと、の差の絶対値が第1変動しきい値よりも小さいとき、または、第1期間p11における変動ΔSと、その前の期間p_Mにおける変動ΔSと、の差の絶対値が第1変動しきい値よりも小さいとき、の少なくともいずれかを満たす場合に、変動ΔSは第1変動条件を満たす。制御部は、変動ΔSがこの第1変動条件を満たす場合に、第2入眠動作HS2(
図15参照)を実施する(
図14のステップST25)。1つの例において、変動ΔSは、心拍数である。心拍数は、例えば、一定の時間(例えば5秒間)の心拍の数(心電図の波形にに表れるピークRの回数)の平均値から算出される、1分間の心拍数でも良い。実施形態において、例えば、波形におけるピーク間(R-R間)の時間における心拍の数を平均化して、心拍数を求めてもよい。
【0189】
1つの例において、第1期間p11及び第1前期間p10の長さは、10秒以上5分以下であっても良い。
【0190】
上記の例では、生体信号の変動が所定の条件(第1変動条件)を満たすか動作の判断(ステップST21)において、第1入眠動作HS1中の第1期間p11と、第1期間p11の前の期間と、の間における信号SSの変動ΔSが評価される。後述するように、第1変動条件による判断は、種々の変形が可能である。後述するように、例えば、第1入眠動作HS1中の第1期間p11おける信号SSの変動ΔSが評価され、その評価結果により判断が行われても良い。そして、生体信号の変動が上記のような所定の条件(第1変動条件)を満たしたとき(ステップST21)に、第2入眠動作HS2を実施する。
【0191】
第2入眠動作HS2において、制御部42は、電動家具のボトム71の傾きを減少させる動作、電動家具のマットレス76の頭部77aの高さとマットレスの腰部77bの高さとの差を減少させる動作、及び、頭部77aの圧力と腰部77bの圧力との差を減少させる動作の少なくともいずれかの動作を実施する(
図14のステップST26)。
【0192】
ステップST26においては、所定の量の傾きを減少、及び、所定の量の差を減少などが行われる。ステップST26の後に、後に第2入眠動作HS2を停止する(
図14のステップST27)。
【0193】
このように、実施形態においては、例えば、第1入眠動作HS1において、変動ΔSが上記の第1変動条件を満たすときに、制御部42は、第2入眠動作HS2を実施する。第2入眠動作HS2においては、制御部42は、例えば、使用者81の背の傾きを減少させる。これにより、例えば、使用者81の姿勢は、フラットに近づき、使用者81は、寝がえりし易い姿勢になる。
【0194】
図14に示すように、第1入眠動作HS1において、変動ΔSが上記の第1変動条件を満たさないとき(ステップST22)は、ステップST27に進み、第2入眠動作HS2(ステップST25及びST26)は実施されない。例えば、制御部42は、第1入眠動作HS1において、上記の変動ΔSの差の絶対値(または差分値)が第1変動しきい値を超え、第1期間p11における変動ΔSが、第1前期間p10における変動ΔSよりも大きいときは、第2入眠動作HS2を実施しない。
【0195】
第1入眠動作HS1において、変動ΔSが上記の第1変動条件を満たすとき(ステップST21)は、例えば、使用者81の睡眠は深いと推定される。一方、第1入眠動作HS1において、変動ΔSが上記の第1変動条件を満たさないとき(ステップST22など)は、使用者81の睡眠は浅いと推定される。使用者81の睡眠が深いと推定されるときに、上記の第2入眠動作HS2を実施することで、第2入眠動作HS2により使用者81を起こしてしまうことが抑制できる。
【0196】
実施形態に係る1つの例において、入眠検知動作(ステップST10)のときのボトム角度θが0度以上30度以下のときに、上記の制御動作(例えば第2入眠動作HS2など)が行われても良い。例えば、入眠検知動作(ステップST10)のときのボトム角度θが0度未満(負の角度)、または、30度よりも大きいときは、入眠モードM01に移行しても、制御動作(例えば第2入眠動作HS2など)が実施されなくても良い。ボトム角度θがこのような角度の場合に制御動作(例えば第2入眠動作HS2など)が行われないことで、違和感をより少なくできる。
【0197】
図14に示すように、第1入眠動作HS1において、検出された信号SSが所定の条件を満たさない場合(ステップST23)、第1入眠動作HS1(ステップST20)が継続しても良い。例えば、信号SSが心拍数である場合に、連続する3つの心拍数により、心拍数の平均値が算出される。例えば、ステップST23において、検出された心拍数の数が2個以下の場合は、ステップST20に戻る。例えば、検出された心拍数の平均値が、所定の範囲ではない場合に、ステップST20に戻っても良い。例えば、検出した心拍数の平均値が、40回/分未満の場合、または、100回/分よりも大きい場合には、ステップST20に戻っても良い。
【0198】
一方、例えば、ステップST21において、第1期間p11(
図15参照)における平均の心拍数と、第1前期間p10(
図15参照)における平均の心拍数と、の差が5回/分未満のときに、第2入眠動作HS2(ステップST25)に移行する。この場合、第1変動しきい値は、5回/分である。
【0199】
実施形態において、例えば、一度に減少させる傾きの角度は小さく設定される。例えば、傾きを減少させた後のボトム71の角度(例えばボトム角度θ)と、その前の期間におけるボトム71の角度(ボトム角度θ)と、の差は、1度以下である。角度の差は、0.6度以下でも良い。角度の差は、0.3度以下でも良い。
【0200】
例えば、ボトム角度θの1回の変更において、「はじめの期間」におけるボトム角度θの変更の速度は、その「はじめの期間」の後の「後の期間」におけるボトム角度θの変更の速度よりも遅くても良い。例えば、ボトム角度θの1回の変更において、「後の期間」におけるボトム角度θの変更の速度は、「さらに後の期間」におけるボトム角度θの変更の速度よりも速くても良い。動作の最初と動作の終わりのときに、動作が緩やかでも良い。
【0201】
1つの例において、ステップST25からステップST27までの時間は、例えば、1秒以上3秒以下である。
【0202】
1つの第2入眠動作HS2(傾きの減少などの制御動作)が終了すると、その制御動作を停止する(ステップST27)。停止後にしきい値時間(例えば、約60秒など)が経過したら(ステップST28)、第1入眠動作HS1(ステップST20)に戻る。例えば、2回目の第1入眠動作HS1(ステップST20)が実施される。
【0203】
1つのサイクル(ステップST20~ST27)においては、ステップST21~ST23において、使用者81の睡眠の状態が検知される。そして、使用者81の睡眠が深いと推定されるときに、第2入眠動作HS2(傾きの減少などの制御動作)を実施する(ステップST25及びST26)。1つの制御動作における制御の程度(傾きの減少の程度など)は、小さく設定される。このようなサイクルが繰り返される。すなわち、
図15に示すように、第1入眠動作HS1及び第2入眠動作HS2が繰り返されても良い。第1入眠動作HS1及び第2入眠動作HS2の繰り返しの例については、後述する。
【0204】
上記のステップST20~ST27を繰り返すと、例えば、ボトム71はフラットになる。または、マットレス76は、フラットになる。ボトム71がフラットになり、マットレス76がフラットになると、傾き、高さまたは硬さの変更は、限界となり、変更ができなくなる。この場合、スタンバイ状態(ステップST00)に戻っても良い。
【0205】
実施形態において、入眠モードM01の解除の操作を受け付けたら(ステップST43)、スタンバイ状態(ステップST00)に戻っても良い。
【0206】
入眠検知動作(ステップST10)において、入眠モードM01の解除の操作を受け付けたら(ステップST41)、スタンバイ状態(ステップST00)に戻っても良い。ステップST20において、入眠モードM01の解除の操作を受け付けたら(ステップST42)、スタンバイ状態(ステップST00)に戻っても良い。
【0207】
入眠検知動作(ステップST10)において、使用者81の覚醒及び離床の少なくともいずれかを検知したら(ステップST31)、入眠検知動作HS0(ステップST10)が継続しても良い。ステップST27において、使用者81の覚醒及び離床の少なくともいずれかを検知したら(ステップST33)、入眠検知動作HS0(ステップST10)に戻っても良い。入眠検知動作(ステップST10)において、使用者81の離床を検知して、所定の時間が経過したら、スタンバイ状態(ステップST00)に戻っても良い。
【0208】
既に説明したように、第1入眠動作HS1及び第2入眠動作HS2が繰り返されても良い。例えば、
図15に示すように、1回目の所定の時間D1が経過し、上記のように1回目の第1入眠動作HS1における判定動作Dc2が行われる。例えば、判定動作Dc2により、例えば、第2入眠動作HS2が行われる。その後、第2回目の第1入眠動作HS1が行われる。2回目の所定の時間(時間D2)が経過し、2回目の第1入眠動作HS1における判定動作Dc2が行われる。この判定動作Dc2では、以下の第1差が評価される。第1差は、例えば、第2期間p21における信号SSと、第2期間p21よりも前の第2前期間p20における信号SSと、の差である。または、第1差は、例えば、第2期間p21における信号SSと、第2期間p21よりも前の期間(例えば第1期間p11)における信号SSと、の差でも良い。第1差の結果に基づいて2回目の判定動作Dc2が行われる。
【0209】
2回目の判定動作Dc2の結果に基づいて、2回目の第2入眠動作HS2が行われ、3回目の所定の時間(時間D3)が経過すると判定動作がさらに行われ、3回目の第1入眠動作HS1が行われる。
【0210】
3回目の判定動作においては、以下の第2差が評価される。第2差は、例えば、3回目の第1入眠動作HS1における第3期間p31における信号SSと、第3期間p31よりも前の第3前期間p30における信号SSと、の差である。または、第2差は、3回目の第1入眠動作HS1における第3期間p31における信号SSと、第3期間p31よりも前の期間(例えば第2期間p21)における信号SSと、の差でも良い。第2差が評価され、その結果に基づいて3回目の判定動作が行われる。
【0211】
このように、使用者81の睡眠の状態を検知し、使用者81の睡眠が深い場合に少しの程度の第2入眠動作HS2(背の制御)が行われる。これにより、第2入眠動作HS2により使用者81を起こしてしまうことが抑制できる。上記のサイクルを繰り返すことで、例えば、ボトム71はフラットになる。例えば、マットレス76がフラットになる。フラットな状態において、使用者81の寝返りは容易になる。この後に、例えば、
図4(a)及び
図4(b)などに関して説明した第1動作OP1及び第2動作OP2などが実施されても良い。さらに第3動作OP3が実施されても良い。
【0212】
第2動作OP2(傾きの減少)において、上記のステップST20~ST27が実施されても良い。
【0213】
既に説明したように、第2角度θ2は、例えば、3度以上10度以下である。第1入眠動作HS1(ステップST20)へ移行したときに、ボトム71の傾斜(ボトム角度θ)を第2角度θ2に設定しても良い。ボトム71(背ボトム70a)がゆるやかに傾斜しているとき(例えば第2角度θ2)に、使用者81は入眠しやすい。
【0214】
実施形態に係る別の例において、
図15に示すように、入眠検知動作HS0において、第1時刻t01から第2時刻t02の間の連続する2つの期間(期間p_M及び前期間p(M-1)など)における使用者81の生体信号に対応する信号SSの変動ΔSが評価されても良い。その評価結果に基づいて、判定動作Dc1または第2入眠動作HS2が行われても良い。この場合も、第1時刻t01に、電動家具の使用者81の睡眠が検知される。第1時刻t01の後の第2時刻t02に第1入眠動作HS1に移行する。使用者81の睡眠の第2時刻t02における状態は、第1条件及び第2条件の少なくともいずれかを満たす。第1条件は、第1時刻t01から第2時刻t02までの経過時間が第1時間しきい値以上である。第2条件は、第1時刻t01から第2時刻t02の間の連続する2つの期間(期間p_M及び前期間p(M-1)など)における使用者81の生体信号に対応する信号SSの変動ΔSの差の絶対値が、しきい値(第2条件しきい値)未満のときに満たされる。
【0215】
このように、実施形態における別の例においては、第1時刻t01の後の経過時刻だけではなく、入眠検知動作HS0中の信号SSの安定の程度に基づいて、入眠検知動作HS0から第1入眠動作HS1に移行しても良い。
【0216】
この例においても、制御部42は、第1入眠動作HS1中の第1期間p11における信号SSの変動ΔSが、生体信号の変動が所定の条件(信号変動条件)を満たすときに、第2入眠動作HS2を実施する。
図15に示すように、第1期間p11における信号SSの変動ΔSが、第1期間p11の前の期間(例えば、第1前期間p10)における変動ΔSよりも小さいとき、または、第1期間p11における変動ΔSと、上記の前の期間(例えば、期間p_M)における変動ΔSと、の差の絶対値が第1変動しきい値よりも小さいときに満たされる。
【0217】
この場合も、第2入眠動作HS2において、制御部42は、電動家具のボトム71の傾きを減少させる動作、電動家具のマットレス76の頭部77aの高さとマットレスの腰部77bの高さとの差を減少させる動作、及び、頭部77aの圧力と腰部77bの圧力との差を減少させる動作の少なくともいずれかの動作を実施する。
【0218】
この場合も、使用者81の睡眠の状態を検知し、使用者81の睡眠が深い場合に少しの程度の第2入眠動作HS2(背の制御)が行われる。これにより、第2入眠動作HS2により使用者81を起こしてしまうことが抑制できる。
【0219】
この例において、上記の前の期間は、第1入眠動作HS1中の期間でも良い。上記の前の期間は、第1時刻t01から第2時刻t02の間の期間(例えば、入眠検知動作中の期間)でも良い。
【0220】
図16は、実施形態に係る電動家具の動作を例示する模式図である。
図16に示す例において、上記と同様に、制御部42は、第2時刻t02に、判定動作Dc1を行う。第2時刻t02に、入眠検知動作HS0から第1入眠動作HS1へ移行する。
【0221】
図16に示すように、第2時刻t02の後に、所定の時間D1が経過する。所定の時間D1が経過した後に、制御部42は、判定動作Dc2を行う。この例では、第1期間p11における信号SSが検出される。第1期間p11において検出された信号SSが所定の条件を満たす場合に、制御部42は、上記の第2入眠動作HS2(
図14のステップST26)を実施する。この例では、
図14のステップST21において、例えば、生体信号の変動として、第1入眠動作HS1中の第1期間p11おける信号SSの変動ΔSが用いられ、この変動ΔSと、所定の値(第1変動しきい値)が比較される。
【0222】
例えば、信号SSが心拍数である場合、第1期間p11において、所定の範囲内の心拍数が3回連続で算出されたことを検出する。その結果に基づいて、制御部42は、第2入眠動作HS2を実施する。既に説明したように、第2入眠動作HS2において、制御部42は、電動家具310のボトム71の傾きを減少させる動作、電動家具320のマットレス76の頭部77aの高さとマットレスの腰部77bの高さとの差を減少させる動作、及び、頭部77aの圧力と腰部77bの圧力との差を減少させる動作の少なくともいずれかの動作を実施する。
【0223】
図16に示すように、判定動作Dc2の後において、所定の時間D2が経過した後で、制御部42は、判定動作Dc3を行う。この例では、判定動作Dc3の前の第2期間p21における信号SSが検出される。例えば、第2期間p21における信号SSと、第1期間p11における信号SSと、の間の差が所定の条件を満たす場合に、制御部42は、2回目の第2入眠動作HS2を実施する。
【0224】
図16に示すように、判定動作Dc3の後において、所定の時間D3が経過した後で、制御部42は、2回目の判定動作Dc3を行う。この例では、2回目の判定動作Dc3の前の第3期間p31における信号SSが検出される。例えば、第3期間p31における信号SSと、第2期間p21における信号SSと、の間の差が所定の条件を満たす場合に、制御部42は、3回目の第2入眠動作HS2を実施する。
【0225】
このように、判定動作Dc2の後に、判定動作Dc3が複数回繰り返されても良い。複数回の判定動作Dc3により、例えば、ボトム71の傾きが少しずつゆっくりと低下する。
【0226】
上記の判定動作が複数回繰り返されることは、例えば、
図14におけるステップST20~ステップST27の処理が複数回繰り返されることに対応する。複数回の繰り返しにおいて、例えば、ステップST21における「生体信号の変動」、及び「第1変動しきい値」は、変更しても良い。
図16の例では、最初の判断では、第1期間p11における信号SSの変動ΔSが、所定の値と比較される。そして、2回目以降の判断では、対応する期間と、それよりも前の期間と、の間における変動ΔSが、所定の値と比較される。
【0227】
実施形態によれば、入眠時における使い易さを向上できる電動家具を提供できる。
【0228】
実施形態は、例えば、以下の構成(例えば技術)の案を含んでも良い。
(構成1)
制御部を備え、
前記制御部は、前記電動家具の使用者の睡眠を検知した第1時刻からの経過時間が第1時間しきい値以上である第2時刻に第1入眠動作に移行し、
前記制御部は、前記第1入眠動作中の第1期間における前記使用者の生体信号に対応する信号の変動が、前記第1入眠動作中の、前記第1期間の前の第1前期間における前記変動よりも小さいとき、または、前記第1期間における前記変動と、前記第1前期間における前記変動と、の差の絶対値が第1変動しきい値よりも小さいときに第2入眠動作を実施し、
前記第2入眠動作において、前記制御部は、前記電動家具のボトムの傾きを減少させる動作、前記電動家具のマットレスの頭部の高さと前記マットレスの腰部の高さとの差を減少させる動作、及び、前記頭部の圧力と前記腰部の圧力との差を減少させる動作の少なくともいずれかの動作を実施する、電動家具。
【0229】
(構成2)
制御部を備え、
前記制御部は、前記電動家具の使用者の睡眠を検知した第1時刻の後の第2時刻に第1入眠動作に移行し、前記使用者の前記睡眠の前記第2時刻における状態は、第1条件及び第2条件の少なくともいずれかを満たし、前記第1条件は、前記第1時刻から前記第2時刻までの経過時間が第1時間しきい値以上であり、前記第2条件は、前記第1時刻から前記第2時刻の間の連続する2つの期間における前記使用者の生体信号に対応する信号の変動の差の絶対値が前記第2条件しきい値未満のときに満たされ、
前記制御部は、前記第1入眠動作中の第1期間における前記変動が、前記第1期間の前の期間における前記変動よりも小さいとき、または、前記第1期間における前記変動と、前記前の前記期間における前記変動と、の差の絶対値が第1変動しきい値よりも小さいときに第2入眠動作を実施し、
前記第2入眠動作において、前記制御部は、前記電動家具のボトムの傾きを減少させる動作、前記電動家具のマットレスの頭部の高さと前記マットレスの腰部の高さとの差を減少させる動作、及び、前記頭部の圧力と前記腰部の圧力との差を減少させる動作の少なくともいずれかの動作を実施する、電動家具。
【0230】
(構成3)
前記前の前記期間は、前記第1入眠動作中である、構成2記載の電動家具。
【0231】
(構成4)
前記前の前記期間は、前記第1時刻から前記第2時刻の間である、構成2記載の電動家具。
【0232】
(構成5)
前記制御部は、前記第1入眠動作と、前記第2入眠動作と、を繰り返す、構成1~4のいずれか1つに記載の電動家具。
【0233】
(構成6)
前記第2入眠動作において、前記制御部は、前記電動家具の前記ボトムの前記傾きを減少させる前記動作を実施し、
前記傾きを減少させた後の前記ボトムの角度と、前記傾きを減少させる前における前記ボトムの角度と、の差は、1度以下である、構成1~5のいずれか1つに記載の電動家具。
【0234】
(構成7)
前記制御部と通信可能な操作受付部をさらに備え、
前記操作受付部が操作を受け付けると、前記制御部は、前記使用者の前記睡眠の検知を開始する、構成1~6のいずれか1つに記載の電動家具。
【0235】
(構成8)
前記制御部は、設定された時刻になると、前記使用者の前記睡眠の検知を開始する、構成1~6のいずれか1つに記載の電動家具。
【0236】
(構成9)
前記制御部は、前記使用者の覚醒、及び、前記使用者の離床の少なくともいずれかが、第2時間しきい値以上継続するときは、前記第1入眠動作を終了する、構成1~8のいずれか1つに記載の記載の電動家具。
【0237】
(構成10)
前記制御部は、前記使用者の覚醒、及び、前記使用者の離床の少なくともいずれかが、第2時間しきい値以上継続するときは、前記第2入眠動作を終了する、構成1~8のいずれか1つに記載の電動家具。
【0238】
(構成11)
前記制御部は、前記使用者の覚醒、及び、前記使用者の離床の少なくともいずれかが、第2時間しきい値以上継続するときは、前使用者の前記睡眠の検知を終了する、構成1~8のいずれか1つに記載の電動家具。
【0239】
(構成12)
前記第1期間の長さは、10秒以上5分以下である、構成1~11のいずれか1つに記載の電動家具。
【0240】
(構成13)
前記第1時間しきい値は、5分以上30分以下である、構成1~12のいずれか1つに記載の電動家具。
【0241】
(構成14)
前記信号は、前記使用者の心拍数に関する情報を含む、構成1~13のいずれか1つに記載の電動家具。
【0242】
(構成15)
前記信号は、前記使用者の呼吸数に関する情報を含む、構成1~13のいずれか1つに記載の電動家具。
【0243】
(構成16)
前記信号は、前記使用者の腕、胴及び足の少なくともいずれかの動きに関する情報を含む、構成1~13のいずれか1つに記載の電動家具。
【0244】
(構成17)
前記信号は、前記使用者の寝返りに関する情報を含む、構成1~13のいずれか1つに記載の電動家具。
【0245】
(構成18)
前記制御部は、前記第1入眠動作において、前記絶対値が前記第1変動しきい値以上のときは、前記第2入眠動作を実施しない、構成1記載の電動家具。
【0246】
(構成19)
前記制御部は、前記第1入眠動作中の第1期間における前記変動が、前記第1前期間における前記変動よりも小さいときは、前記第2入眠動作を実施しない、構成1記載の電動家具。
【0247】
(構成20)
前記第1入眠動作及び前記第2入眠動作に後において、前記信号は、第1信号状態と第2信号状態とを含み、
前記第2信号状態における前記信号の前記変動は、前記第1信号状態における前記信号の前記変動よりも小さく、
前記制御部は、前記信号が、定められた時刻の前において前記時刻に最も近い前記第1信号状態であるときに、前記ボトムの傾きを、前記増大させた後の傾きよりも大きくする、構成1~19のいずれか1つに記載の電動家具。
【0248】
実施形態によれば、使い易さを向上できる電動家具が提供できる。
【0249】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、電動家具に含まれる制御部、取得部、可動部、ボトム及びマットレスなどの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0250】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0251】
その他、本発明の実施形態として上述した電動家具を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての電動家具も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0252】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0253】
15…ケーブル、 20…操作受付部、 42…制御部、 43…取得部、 48…記憶部、 60…検出部、 62…センサ、 62a…回路部、 62b…センサ部、 62c…通信部、 62d…センサ装置、 62p…第1板体、 62q…第2板体、 62r…空気収容体、 62s…支持突起、 62t…溝、 62u…信号線、 62v…検出回路、 70…可動部、 70B…ベッド部、 70C…被制御部、 70a…背ボトム、 70b…膝ボトム、 70c…脚ボトム、 70d…頭ボトム、 70g…キャスタ、 70h…高さ変更部、 70p…背もたれ部、 70q…座面部、 71…ボトム、 72…駆動部、 73a…照明部、 73b…温度制御部、 74…ベッド脚部、 75…フレーム、 76…マットレス、 76a…エアセル、 76b…ポンプユニット、 76c…ケーブル、 76d…マットレス操作部、 76e…ケーブル、 76f…マットレス駆動部、 77a…頭部、 77b…腰部、 77c…足部、 81…使用者、 ΔS、ΔS1、ΔS2…変動、 Δt12…経過時間、 θ…ボトム角度、 θ1~θ2…第1~第3角度、 160…制御装置、 310、320、330、340…電動家具、 D1、D2、D3…時間、 Dc0、Dc1、Dc2、Dc3…判定動作、 H1、HR…高さ、 HS0…入眠検知動作、 HS1、HS2…第1、第2入眠動作、 M01…入眠モード、 OP1~OP3…第1~第3動作、 OPs…入眠動作、 SC…制御信号、 SM…信号、 SS…信号、 Tm…温度、 mt1、mt2…第1、第2マットレス状態、 p_(M-1)…前期間、 p_M…期間、 p10、p20、p30…第1~第3期間、 p11、p21、p31…第1~第3期間、 st1、st2…第1、第2信号状態、 t01…第1時刻、 t02…第2時刻、 t1…時刻、 tm…時間、 ts…時刻、 tt…時間