(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089087
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】パッケージ化組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/06 20060101AFI20230620BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20230620BHJP
C11D 7/50 20060101ALI20230620BHJP
C11D 7/10 20060101ALI20230620BHJP
C11D 7/12 20060101ALI20230620BHJP
C11D 7/14 20060101ALI20230620BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
C11D17/06
C11D3/50
C11D7/50
C11D7/10
C11D7/12
C11D7/14
C11B9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023062255
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2021500210の分割
【原出願日】2018-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】シェン、ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂァオ、プ
(72)【発明者】
【氏名】グアン、ヂゥー
(72)【発明者】
【氏名】ペイ、ルイジ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組成変化が低減された香料含有粒子を含むパッケージ化組成物、並びに前記香料含有粒子を作製する方法を提供する。
【解決手段】香料含有粒子は、洗濯プロセス中及び洗濯プロセス後に強化された嗅覚経験で消費者を楽しませるために提供される。このような粒子のそれぞれは、香料、ポリエチレングリコール、及び水溶性又は水分散性フィラー粒子を含有し、水溶性又は水分散性フィラー粒子は、5マイクロメートル~150マイクロメートルの粒径を特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の香料含有粒子を含むパッケージ化組成物であって、前記香料含有粒子のそれぞれが、
香料成分と、
ポリエチレングリコールと、
水溶性又は水分散性フィラー粒子であって、80重量%~100重量%の前記水溶性フィラー粒子が、5マイクロメートル~150マイクロメートルの範囲の粒径を特徴とする、水溶性又は水分散性フィラー粒子と、を含み、
前記香料含有粒子のそれぞれは、0.1mg~5gの質量及び3mm~10mmの最大寸法を有する、パッケージ化組成物。
【請求項2】
80重量%~100重量%の前記水溶性又は水分散性フィラー粒子が、10マイクロメートル~125マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートル~105マイクロメートル、より好ましくは10マイクロメートル~90マイクロメートルの範囲の粒径を特徴とする、請求項1に記載のパッケージ化組成物。
【請求項3】
前記水溶性又は水分散性フィラー粒子が、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、重炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、粘土、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラー材料を含み、前記水溶性又は水分散性フィラー粒子は、好ましくは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載のパッケージ化組成物。
【請求項4】
前記水溶性又は水分散性フィラー粒子が、各香料含有粒子の総重量に対して5%~90%、好ましくは10%~70%、より好ましくは20%~60%の範囲の量で、各香料含有粒子中に存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
【請求項5】
前記香料含有粒子のそれぞれが、好ましくは各香料含有粒子の総重量に対して0.1%~20%、好ましくは0.5%~15%、より好ましくは1%~10%の範囲の量で存在する、1種以上の遊離香料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
【請求項6】
前記香料含有粒子のそれぞれが、好ましくは砕けやすい香料マイクロカプセル中に存在するカプセル化香料を含み、より好ましくは、前記砕けやすい香料マイクロカプセルは、各香料含有粒子の総重量に対して0.1%~20%、好ましくは0.5%~10%、より好ましくは1%~5%の範囲の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
【請求項7】
前記ポリエチレングリコールが、2,000~30,000ダルトン、好ましくは3,000~20,000ダルトン、より好ましくは4,000~15,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有し、前記ポリエチレングリコールが、各香料含有粒子の総重量に対して5%~90%、好ましくは10%~70%、より好ましくは20%~60%の範囲の量で、各香料含有粒子中に存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
【請求項8】
前記香料含有粒子のそれぞれが、着色剤、溶媒、柔軟化活性物質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の他の成分を含み、前記1つ以上の成分は、各香料含有粒子の総重量に対して0.01%~10%、好ましくは0.02%~8%、より好ましくは0.1%~5%の範囲の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
【請求項9】
前記香料含有粒子のそれぞれが、半球形又は圧縮された半球形を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物。
【請求項10】
洗濯機又は洗濯用たらいに、請求項1~9のいずれか一項に記載のパッケージ化組成物を13g~27g投入する工程を含む、洗濯物の処理プロセス。
【請求項11】
香料含有粒子を作製する方法であって、
a.香料成分、溶融ポリエチレングリコール、水溶性又は水分散性フィラー粒子、及び任意に1つ以上の他の成分を混合することによって粘性スラリーを形成する工程であって、前記水溶性又は水分散性フィラー粒子は、150μmのメッシュサイズを特徴とする篩を通過することができる、工程と、
b.前記粘性スラリーから香料含有粒子を形成する工程であって、そのように形成された前記香料含有粒子のそれぞれは、0.1mg~5gの質量及び3mm~10mmの最大寸法を有する、工程と、を含む方法。
【請求項12】
前記水溶性又は水分散性フィラー粒子は、125μmのメッシュサイズを特徴とする第2の篩を通過することができ、好ましくは、前記水溶性又は水分散性フィラー粒子は、106μmのメッシュサイズを特徴とする第3の篩を通過することができる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記水溶性又は水分散性フィラー粒子は、5μmのメッシュサイズを特徴とする第4の篩を通過することができず、好ましくは、前記水溶性又は水分散性フィラー粒子は、10μmのメッシュサイズを特徴とする第5の篩を通過することができない、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の他の成分が、着色剤、溶媒、柔軟化活性物質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の香料含有粒子を含むパッケージ化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
香りは、消費者が洗濯を行うときに消費者に喜びをもたらすと認識される。消費者は、特定の香りを洗濯製品の性能と、かつ洗濯製品の品質指標として関連付けることができる。消費者が洗濯製品を分配したとき、洗濯機から乾燥機に、若しくは乾燥ラック若しくはラインに濡れた洗濯物を移したとき、又は衣類を着用したときに、消費者に心地よい又は強化された香り体験を提供する洗濯製品は、この消費者ニーズを満たす。
【0003】
それに対応して、芳香粒子は、洗濯用香り付け剤としてますます普及しており、洗濯を処理するための香料含有粒子を含有する様々なパッケージ化組成物が存在する。芳香粒子は、洗浄される物品に新たな香りを付与するか、又は既存の香りを増強するために使用することができる。
【0004】
このような芳香粒子の大部分は、1つ以上の担体材料と混合された1つ以上の香料成分を含有する。香料成分は、遊離香料、カプセル化香料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの芳香粒子は、カプセル壁内に香料を封入する香料マイクロカプセルを含有し得る。香料マイクロカプセルは、洗浄される物品上に取り込まれ得る又は堆積され得る。消費者がそのように洗浄された物品を着用又は使用するとき、香料マイクロカプセルは、消費者に喜びをもたらす好ましい量の香料を破裂及び放出することができる。担体材料は、ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、及びこれらの誘導体)、タンパク質(例えば、ゼラチン、アルブミン、カゼインなど)、糖(例えば、デキストロース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、イソグルコース、スクロースなど)、多糖類(例えば、デンプン、セルロース、又はこれらの誘導体)、水溶性又は水分散性フィラー(例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム、ゼオライト、シリカ、粘土など)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの芳香粒子は、1種類の担体材料のみを含有するが、他のものは、2つ以上の異なる担体材料の混合物を含有してもよい。
【0005】
特に好ましい種類の芳香粒子は、水溶性又は水分散性フィラー(塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、シリカなど)とのポリマー(ポリエチレングリコール又はポリ酢酸ビニルなど)の混合物を含有する。このような芳香粒子は、典型的には、最初に、香料成分及び水溶性又は水分散性フィラー粒子と混合された溶融ポリマーを含有する粘性スラリーを形成し、続いて、冷却及び/又は乾燥時に所望の形状の固体粒子に粘性スラリーを成形することによって作製される。しかしながら、このプロセスによって形成された香料含有粒子において有意な組成変化が観察されており、その結果、製品品質の制御不良、一貫性のないユーザー体験、及び消費者の不満をもたらす恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、組成変化が低減された芳香粒子を提供する必要がある。資本投資、運用コスト、及び/又は処理複雑性がほとんど又は全く増加しない、上記の必要を満たすことが更に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いかなる理論にも束縛されるものではないが、粒子製造プロセス中の溶融ポリマー中の水溶性又は水分散性フィラー粒子の不均等な分布及び沈降は、そのように形成された芳香粒子において観察される組成変化を引き起こし得る、又は少なくとも悪化させ得ると考えられる。したがって、本発明の発明者らは、特定の粒径分布を特徴とする水溶性又は水分散性フィラー粒子を採用し、これは、得られる芳香粒子の組成変化を著しく低減するのに役立つ。
【0008】
一態様では、本発明は、複数の香料含有粒子を含むパッケージ化組成物に関し、同時に香料含有粒子のそれぞれは、
香料成分と、
ポリエチレングリコールと、
水溶性又は水分散性フィラー粒子であって、約80重量%~約100重量%の当該水溶性フィラー粒子が、約5マイクロメートル~約150マイクロメートル、好ましくは約10マイクロメートル~約125マイクロメートル、より好ましくは約10マイクロメートル~約105マイクロメートル、最も好ましくは約10マイクロメートル~約90マイクロメートルの範囲の粒径を特徴とする、水溶性又は水分散性フィラー粒子と、を含み、
同時にこのような香料含有粒子のそれぞれは、約0.1mg~約5gの質量及び約3mm~約10mmの最大寸法を有する。
【0009】
水溶性又は水分散性フィラー粒子は、好ましくは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、重炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、粘土、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラー材料を含み、当該水溶性又は水分散性フィラー粒子は、好ましくは塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを含む。このような水溶性又は水分散性フィラー粒子は、各香料含有粒子の総重量に対して、約5%~約90%、好ましくは約10%~約70%、より好ましくは約20%~約60%の範囲の量で、各香料含有粒子中に存在してもよい。
【0010】
上述の香料含有粒子のそれぞれは、遊離香料、カプセル化香料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、香料含有粒子は、1種以上の遊離香料を含有し、これらは好ましくは各香料含有粒子の総重量に対して約0.1%~約20%、好ましくは約0.5%~約15%、より好ましくは約1%~約10%の範囲の量で存在する。更に、香料含有粒子は、単独で又は遊離香料と組み合わせてカプセル化香料を含有してもよい。好ましくは、カプセル化香料は、砕けやすい香料マイクロカプセル中に存在し、一方、砕けやすい香料マイクロカプセルは、好ましくは、各香料含有粒子の総重量に対して約0.1%~約20%、好ましくは約0.5%~約10%、より好ましくは約1%~約5%の範囲の量で存在する。
【0011】
本発明で使用されるポリエチレングリコールは、約2,000~約30,000ダルトン、好ましくは約3,000~約20,000ダルトン、より好ましくは約4,000~約15,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有してもよい。このようなポリエチレングリコールは、各香料含有粒子の総重量に対して、約5%~約90%、好ましくは約10%~約70%、より好ましくは約20%~約60%の範囲の量で各香料含有粒子中に存在してもよい。
【0012】
上述の香料含有粒子のそれぞれは、半球形又は圧縮された半球形を有してもよい。
【0013】
別の態様では、本発明は、洗濯機又は洗濯用たらいに約13g~約27gの上記パッケージ化組成物を投入する工程を含む、洗濯物を処理するためのプロセスに関する。
【0014】
更に別の態様では、本発明は、香料含有粒子を作製する方法であって、
a.香料成分、溶融ポリエチレングリコール、水溶性又は水分散性フィラー粒子、及び任意に1つ以上の他の成分を混合することによって粘性スラリーを形成する工程であって、同時に水溶性又は水分散性フィラー粒子は、約150μmのメッシュサイズを特徴とする篩を通過することができる、工程と、
b.粘性スラリーから香料含有粒子を形成する工程であって、同時にそのように形成された香料含有粒子のそれぞれは、約0.1mg~約5gの質量及び約3mm~約10mmの最大寸法を有する、工程と、を含む方法に関する。
【0015】
好ましくは、上記工程(a)で使用される水溶性又は水分散性フィラー粒子は、約125μmのメッシュサイズを特徴とする第2の篩を通過することができる。より好ましくは、水溶性又は水分散性フィラー粒子は、約106μmのメッシュサイズを特徴とする第3の篩を通過することができる。
【0016】
加えて、上記工程(a)で使用される水溶性又は水分散性フィラー粒子は、約5μmのメッシュサイズを特徴とする第4の篩を通過することができないことが望ましい。このような水溶性又は水分散性フィラー粒子は、約10μmのメッシュサイズを特徴とする第5の篩を通過できないことがより望ましい。
【0017】
本発明のこれらの及びその他の態様は、以下の発明を実施するための形態を読むことにより、更に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の種々の実施形態の特徴及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるように意図される特定の実施形態の例を含む、以下の記述から明らかになるであろう。様々な修正がこの記述及び本発明の実施から当業者には明白となるであろう。本発明の範囲は、開示される特定の形態に限定されることを意図せず、また本発明は、「特許請求の範囲」により定義されるような本発明の趣旨及び範囲に当てはまる全ての変形形態、等価物、及び代替物を網羅する。
【0019】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0020】
本明細書で使用するとき、特許請求項において使用される「a」及び「an」などの用語は、特許請求される又は記載されるもののうちの1つ以上を意味すると理解される。用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」は全て、非限定的であることを意味する。
【0021】
用語「香料含有粒子」は、遊離香料、プロ香料、カプセル化香料(香料マイクロカプセルを含む)などの1つ以上の香料成分を含む粒子を指す。好ましくは、このような香料含有粒子は、香料マイクロカプセル、特に砕けやすい香料マイクロカプセルにカプセル化された香料を含有する。
【0022】
用語「アスペクト比」は、香料含有粒子の最短寸法に対する最長寸法の比を指す。例えば、このような香料含有粒子が半球形又は圧縮された半球形を有する場合、アスペクト比は、香料含有粒子の高さに対するベース径の比である。
【0023】
用語「から本質的になる」は、組成物が、列挙された成分以外の成分を約1%未満、好ましくは約0.5%未満含有することを意味する。
【0024】
更に、用語「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」は、指定の材料が0重量%~約1重量%、好ましくは0重量%~約0.5重量%、より好ましくは0重量%~約0.2重量%の量で存在することを意味する。用語「本質的に含まない」は、指定の材料が、0重量%~約0.1重量%、好ましくは0重量%~約0.01重量%の量で存在し、より好ましくは分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。
【0025】
本明細書で使用するとき、全ての濃度及び比は、特に明記しない限り、重量に基づくものである。本明細書における全ての温度は、別途記載のない限り、摂氏(℃)である。本明細書における全ての条件は、特に明記しない限り、20℃及び大気圧下である。特に明記しない限り、ポリマーの分子量は全て、重量平均数分子量により決定される。
【0026】
香料含有粒子
本発明の香料含有粒子は、それぞれ、約3mm~10mm、好ましくは約4mm~約9mm、より好ましくは約5mm~約8mmの最長寸法を有し得る。好ましくは、このような香料含有粒子のそれぞれは、約5以下、例えば、約1~約5、好ましくは約1.5~約4、より好ましくは約2~約4のアスペクト比を有し得る。
【0027】
本発明の香料含有粒子は、球形、半球形、圧縮された半球形、円筒形、円板、円形、扁豆形、楕円形、立方体、矩形、星形、花形、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される任意の形状を有し得る。扁豆形とは、レンズ豆の形状を指す。圧縮された半球形は、同じ半径を有する半球形の湾曲よりも、曲面の湾曲が平均して少なくなるように少なくとも部分的に平らな半球形状に対応する形状を指す。圧縮された半球形粒子は、約2.0~約5、あるいは約2.1~約4.5、あるいは約2.2~約4のアスペクト比(すなわち、基部と直交するその高さに対するその基部直径の比)を有することができる。楕円形状粒子とは、最大寸法及び最大寸法に直交する二次寸法を有する粒子を指し、最大寸法と二次寸法との比は、約1.2より大きく、好ましくは約1.5より大きく、より好ましくは約2より大きい。
【0028】
好ましくは、本発明の香料含有粒子は、半球形又は圧縮された半球形を有する。
【0029】
個々の香料含有粒子は、約0.003cm3~約0.15cm3の体積を有してよい。更に、本発明の個々の香料含有粒子は、それぞれ約0.1mg~約5g、好ましくは約1mg~約1g、より好ましくは約5mg~約500mg、更により好ましくは約10mg~約250mg、更により好ましくは約15mg~約125mgの質量、その上、これらの代替の組み合わせ及び前述のあらゆる範囲の整数又は整数の範囲の質量を有してよい。
【0030】
本発明の好ましいが必須ではない実施形態では、本発明の香料含有粒子は、水に浮くことができるように、水よりも低い密度を有する。例えば、このような香料含有粒子は、約0.5g/cm3~約0.98g/cm3、好ましくは約0.7g/cm3~約0.95g/cm3、より好ましくは約0.8g/cm3~約0.9g/cm3の範囲の密度を有し得る。
【0031】
本発明の複数の香料含有粒子は、異なる形状、サイズ、質量、及び/又は密度を有することができる。
【0032】
このような香料含有粒子のそれぞれは、香料成分、ポリエチレングリコール、特定の粒径分布を特徴とする水溶性又は水分散性フィラー粒子、及び任意選択的に、以下に詳細に記載されるような1つ以上の補助成分を含み得る。
【0033】
香料成分
本発明の香料含有粒子は、約0.1重量%~約20重量%、好ましくは約0.5重量%~約15重量%、より好ましくは約1重量%~約10重量%の1つ以上の香料成分、例えば遊離香料、プロ香料、カプセル化香料(香料マイクロカプセルを含む)などを含んでもよい。
【0034】
一実施形態では、香料含有粒子は、遊離香料を含み、カプセル化香料を実質的に又は本質的に含まない。そのような実施形態では、各香料含有粒子は、このような粒子の約25重量%以下、好ましくは約20重量%以下(例えば、約0.1重量%~約20重量%)、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%、最も好ましくは約1重量%~約10重量%、あるいは約9重量%~約20重量%、あるいは約10重量%~約18重量%、あるいは約11重量%~約13重量%、あるいはこれらの組み合わせの遊離香料を含み得る。
【0035】
別の実施形態では、香料含有粒子は、それぞれ、カプセル化香料(すなわち、デンプン、シクロデキストリン、シリカ、ゼオライト、若しくは粘土などの担体材料によって担持される香料、又は香料マイクロカプセルの形態の香料)を含むが、遊離香料を実質的に又は本質的に含まない。好ましくは、香料含有粒子は、香料マイクロカプセル(PMC)にカプセル化された香料を含み、香料マイクロカプセル(PMC)は好ましくは砕けやすい(例えば、水分活性化PMCと比較して(verses))が、水分活性化されてもよい。本発明の目的のために、用語「香料マイクロカプセル」又は「PMC」は、香料マイクロカプセル及び香料ナノカプセルの両方を記載する。そのような実施形態では、各香料含有粒子は、それぞれ、粒子の約0.1重量%~20重量%、好ましくは約0.5重量%~約10重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%、あるいは約4重量%~約7重量%、あるいは約5重量%~約7重量%、あるいはこれらの組み合わせの香料マイクロカプセル(好ましくは砕けやすい香料マイクロカプセル)を含んでもよい。
【0036】
更に別の実施形態では、香料含有粒子のそれぞれは、遊離香料及びカプセル化香料(好ましくは香料マイクロカプセルの形態、より好ましくは砕けやすい香料マイクロカプセルの形態)の両方を、例えば、約1:5~約5:1、あるいは約1:4~約4:1、更にあるいは約1:3~約3:1の範囲の重量比で含む。別の実施形態では、香料含有粒子は、粒子の約1重量%~約10重量%、あるいは約2重量%~約12重量%、あるいは約2重量%~約8重量%、あるいは約3重量%~約8重量%、あるいは約4重量%~約7重量%、あるいは約5重量%~約7重量%、あるいはこれらの組み合わせのPMCを含んでもよい。この実施形態では、PMCによってカプセル化された香料は、粒子の約0.6重量%~約4重量%の香料を含んでもよい。
【0037】
一実施形態では、PMCは、Appleton,Quest International,International Flavor & Fragrances又は他の好適な提供元から市販されているメラミン/ホルムアルデヒドシェルを含む。好ましい実施形態では、PMCのシェルは、PMCが布地に付着する能力を高めるためにポリマーでコーティングされる。
【0038】
更に別の実施形態では、香料含有粒子は、ホルムアルデヒドスカベンジャーを含んでもよい。更に別の実施形態では、香料含有粒子の香りは、他の布地ケア製品(例えば、洗濯洗剤、布地柔軟剤)の香りと調和する。このようにして、APRIL FRESHの香りを好む消費者は、APRIL FRESHの香りを有する複数の香料含有粒子を含有するパッケージ化組成物を使用することができ、それにより、洗濯物を洗濯する香りの体験と、APRIL FRESHの使用によって得られる香りの体験とを調和させることができる。本発明の香料含有粒子は、調和された香りを有する製品配列(洗濯洗剤及び/又は布地柔軟剤を有する)として販売されてもよい。
【0039】
ポリエチレングリコール
本発明の香料含有粒子は、水溶性ポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)を更に含む。PEGは比較的低コストであり、多くの異なる形状及びサイズに形成され、遊離香料の拡散を最小限に抑え、水によく溶解し得る。本明細書で使用するとき、用語「ポリエチレングリコール」又は「PEG」は、エチレンオキシドの繰り返し単位を含有するホモポリマー、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの繰り返し単位を含有するランダムコポリマー、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックを含有するブロックコポリマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
好ましくは、香料含有粒子のそれぞれは、約5重量%~約90重量%、好ましくは約10重量%~約70重量%、より好ましくは約20重量%~約60重量%のPEGを含み、より好ましくは、このようなPEGは、約2,000~約30,000ダルトン、好ましくは約3,000~約20,000ダルトン、より好ましくは約4,000~約15,000ダルトンの範囲の重量平均分子量(Mw)を特徴とする。
【0041】
好適なPEGとしては、BASFからPluriol(登録商標)E 8000の商標名で市販されているホモポリマーが挙げられる。
【0042】
本発明の意味における特に好ましいPEGは、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOx1POyEOx2)トリブロックコポリマーであり、好ましくは約2~約90、好ましくは約3~約50、より好ましくは約4~約20のエチレンオキシド単位の平均エチレンオキシド鎖長を有し、20~70、好ましくは30~60、より好ましくは45~55のプロピレンオキシド単位の平均プロピレンオキシド鎖長を有する。より好ましくは、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOx1POyEOx2)トリブロックコポリマーは、約2000~約30,000ダルトン、好ましくは約3000~約20,000ダルトン、より好ましくは約4000~約15,000ダルトンの分子量を有する。
【0043】
好ましくは、コポリマーは、コポリマーの10%~90%、好ましくは15%~50%、最も好ましくは15%~25%の複合エチレン-オキシドブロックを含む。最も好ましくは、総エチレンオキシド含量は、2つのエチレンオキシドブロックに等しく分けられる。本明細書において等しく分けられるとは、各エチレンオキシドブロックが平均でエチレンオキシド単位の総数の40%~60%、好ましくは45%~55%、更により好ましくは48%~52%、最も好ましくは50%を含み、両エチレンオキシドブロックの%が合計100%になることを意味する。いくつかのエチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EOx1POyEOx2)トリブロックコポリマーは、洗浄を改善する。
【0044】
好適なエチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシドトリブロックコポリマーは、BASF社からPluronicシリーズとして又はDow Chemical社からTergitol Lシリーズとして市販されている。特に好適な材料は、Pluronic(登録商標)PE 9200である。他の好適な材料としては、Pluronic(登録商標)F38、F68及びF108が挙げられる。
【0045】
水溶性又は水分散性フィラー粒子
上述の香料成分及びPEGに加えて、本発明の香料含有粒子は、微粒子の形態の水溶性又は水分散性フィラー材料を更に含む。
【0046】
フィラー材料は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される水溶性物質であってもよく、又はこれらを含んでもよい。
【0047】
アルカリ金属塩は、例えば、リチウムの塩、ナトリウムの塩、及びカリウムの塩、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。有用なアルカリ金属塩は、例えば、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属重硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属一水素リン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、アルカリ金属炭素塩、アルカリ金属一水素炭素塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属乳酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。好ましいアルカリ金属塩は、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム、重硫酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸一水素カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酒石酸カリウム、ケイ酸カリウム、カリウム、アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0048】
アルカリ土類金属塩は、アルカリ土類金属フッ化物、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ土類金属ヨウ化物、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属重硫酸塩、アルカリ土類金属リン酸塩、アルカリ土類金属一水素リン酸塩、アルカリ土類金属二水素リン酸塩、アルカリ土類金属炭素塩、アルカリ土類金属一水素炭素塩、アルカリ土類金属酢酸塩、アルカリ土類金属クエン酸塩、アルカリ土類金属乳酸塩、アルカリ土類金属ピルビン酸塩、アルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。好ましいアルカリ土類金属塩は、例えば、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸一水素マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、アスコルビン酸マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸一水素カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酒石酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせを含む、マグネシウムの塩、カルシウムの塩など及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0049】
フィラー材料はまた、デンプン(変性デンプンを含む)、セルロース(変性セルロースを含む)ゼオライト、シリカ、粘土、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される水分散性物質であってもよい。
【0050】
本発明の実施に特に好ましいフィラー材料としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、重炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、粘土、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましいフィラー材料は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、又はこれらの組み合わせである。
【0051】
水溶性又は水分散性フィラー材料は、香料含有粒子中に微粒子の形態で、すなわち、特定の粒径分布を有する別個の粒子として存在する。このような特定の粒径分布は、バッチ間の香料含有粒子の組成変化を低減するのに特に有効である。いかなる理論にも束縛されるものではないが、水溶性又は水分散性フィラー粒子は、香料粒子製造プロセス中に溶融ポリマーブレンド中に溶解しない場合があるので、このようなフィラー粒子は混合槽の底部に沈殿し、それによって、そのように形成された香料粒子の組成変化を引き起こすと考えられる。この問題を軽減する1つの方法は、沈降を低減するために混合槽内に一定かつ増加した撹拌を提供することであるが、このアプローチは、資本投資、運用コスト、及び処理複雑性の著しい増加をもたらす。本発明の発明者らは、150マイクロメートル以下の主な粒径を有するフィラー粒子を用いることにより、そのような形態の香料粒子の組成変化は、混合槽内で一定かつ増加した撹拌を必要とせずに、(150マイクロメートル超の主な粒径を有するフィラー粒子の使用と比較して)著しく低減することができることを発見した。したがって、本発明によって、資本投資、運用コスト、及び/又は処理複雑性をほとんど又は全く増加させずに、沈降問題を効果的に解決又は軽減することができる。
【0052】
具体的には、そのような離散粒子の約80重量%~100重量%、好ましくは約85重量%~100重量%、より好ましくは約90重量%~100重量%、更により好ましくは約95重量%~100重量%、更により好ましくは約98重量%~100重量%、最も好ましくは約99重量%~100重量%が、150マイクロメートル以下の粒径を有する。好ましくは、そのような離散粒子の約80重量%~100重量%は、約5マイクロメートル~約150マイクロメートル、好ましくは約10マイクロメートル~約125マイクロメートル、より好ましくは約10マイクロメートル~約105マイクロメートル、最も好ましくは約10マイクロメートル~約90マイクロメートルの粒径を有する。香料含有粒子中の水溶性又は水分散性フィラー粒子の粒径は、以下の試験方法1に記載されるマイクロCT試験によって容易に決定することができる。
【0053】
好ましくは、香料含有粒子のそれぞれは、約5重量%~約90重量%、好ましくは約10重量%~約70重量%、より好ましくは約20重量%~約60重量%の水溶性又は水分散性フィラー粒子を含む。
【0054】
任意/補助成分
本発明の香料含有粒子は、所望により、着色剤、溶媒、柔軟化活性物質、及びこれらの組み合わせを含む1種以上の任意/補助成分を、約0.01重量%~約10重量%、好ましくは約0.02重量%~約8重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で含んでもよい。
【0055】
着色剤は、青、緑、黄、オレンジ、ピンク、赤、紫、グレーなどからなる群から選択される色を香料含有粒子に付与することができる。着色剤は、染料、顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。好ましくは、着色剤は、洗濯洗剤又は布地柔軟剤に典型的に使用されるものから選択される少なくとも1種の染料を含む。好適な染料の例としては、限定されないが、LIQUITINT BLUE BL、LIQUITINT PINK AM、AQUA AS CYAN 15、及びVIOLET FL(Milliken Chemical)が挙げられる。染料が用いられる場合、香料含有粒子は、粒子の約0.1重量%未満、あるいは約0.001重量%~約0.1重量%、あるいは約0.01重量%~約0.02重量%、あるいはそれらの組み合わせのかかる染料を含んでもよい。
【0056】
本発明の香料含有粒子は、洗濯活性物質及び/又は布地柔軟剤活性物質を実質的に含まなくてもよい。コストを低減し、配合能力の問題を回避するために、本発明の一態様は、洗濯活性物質及び/又は布地柔軟剤活性物質を本質的に含まないか又は完全に含まない香料含有粒子を含んでもよい。一実施形態では、香料含有粒子のそれぞれは、香料含有粒子の約3重量%未満、あるいは約2重量%未満、あるいは約1重量%未満、あるいは約0.1重量%未満の洗濯活性物質及び/又は布地柔軟剤活性物質(又はこれらの組み合わせ)を含む。洗濯活性物質としては、洗剤界面活性剤、洗剤ビルダー、漂白剤、酵素、これらの混合物などを挙げることができる。本発明の香料粒子は、界面活性剤を実質的に含まないか、又は本質的に含まないことが特に好ましいが、これは、このような界面活性剤の存在が、本発明の文脈において望ましくない水中での香料粒子の溶解を加速し得るためである。組成物中に含有される香料を可溶化するのを助けるために、非洗浄性レベルの界面活性剤を使用してもよいことが理解される。より好ましくは、本発明の香料粒子は、任意の洗浄活性物質を実質的に含まないか、又は本質的に含まない。
【0057】
用途に応じて、本発明の香料含有粒子は、グリセリン、ポリプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、及び2000未満の重量平均分子量を有するPEG、並びにこれらの混合物からなる群から選択される溶媒を含んでよい。
【0058】
香料含有粒子は、酸化防止剤を更に含むことができる。酸化防止剤は、製造してから使用するまでの期間に粒子の色又は臭いの安定性を高めることに役立ち得る。香料含有粒子は、そのような酸化防止剤を約0.001重量%~約2重量%、好ましくは0.01重量%~約1重量%、より好ましくは約0.05重量%~約0.5重量%含むことができる。酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンであってよい。
【0059】
香料含有粒子の製造方法
本発明の香料含有粒子は、香錠剤を製造するための当該技術分野において既知の方法によって形成することができる。本発明の香料含有粒子は、バッチモード又は連続モードのいずれかで調製することができる。バッチモードでは、温度制御を有する混合容器内に溶融PEGが充填される。香料成分(例えば、遊離香料及び/又はPMC)、水溶性又は水分散性フィラー粒子(例えば、塩化ナトリウム粒子、硫酸ナトリウム粒子、炭酸ナトリウム粒子など)、並びに任意成分(染料、顔料、溶媒など)を次に添加し、均質になるまで溶融PEGと混合する。連続モードでは、融解PEGを、静的ミキサー又は高せん断ミキサーなどのインラインミキサー内で、上述の香料成分、フィラー粒子、及び任意成分と混合し、その後、その結果得られる均質な混合物を使用して香錠剤を形成する。香料成分、フィラー粒子、及び任意成分は、香錠剤形成前の工程で、任意の順序で、又は同時に溶融PEGに添加することができる。
【0060】
香料含有粒子は、香錠剤形成プロセスによって製造されてもよい。上述の溶融PEG、香料成分、フィラー粒子、及び任意成分を含有する所望の配合物は、粘性スラリーとして提供される。粘性スラリーは、示差走査熱量計によって決定されたようなPEG材料の凝固温度の開始温度より摂氏約20度高い温度未満の処理温度にて供給され得る。一実施形態では、PMCは、粘性スラリーを形成するために、溶融PEG及び遊離香料にスラリーとして添加することができる。PMCはまた、溶融PEG及び遊離香料に粉末として添加され、粘性スラリーを形成することもできる。
【0061】
本発明の特に好ましい実施形態では、ガス又はガス発生成分を粘性スラリーに添加して、通気粘性スラリーを形成することができる。
【0062】
通気した又はしていない粘性スラリーを、次いで、Sandvik Materials Technologyから入手可能なROTOFORMERによって、香料含有粒子(特に香錠剤の形態)に形成することができる。具体的には、粘性スラリーは、供給管を通してステータに分配され得る。シリンダーは、そのようなシリンダーの長手方向軸Lに沿ってステータの周りを回転するために設けられ、シリンダーは、周辺部の周りに配置された複数の開口部を有する周辺部を有する。次いで、粘性スラリーをシリンダーの開口部を通ってシリンダーの下の移動コンベヤー上に通過させて、そのような粘性スラリーの液滴を形成する。粘性スラリーのこのような液滴は、移動コンベヤー上のPEG材料のガラス転移温度未満まで冷却され、それによって、半球形又は圧縮された半球形を有する複数の香錠剤を形成する(スラリーの粘度に応じて)。この方法は、本明細書に開示する装置のいずれかを使用して実行してよい。
【0063】
溶融PEGに添加された水溶性又は水分散性フィラー粒子の粒径分布を制御して、そのように形成される香料粒子の組成変化を低減させるために、本発明は、上述のように所望の粒径分布を既に有するフィラー粒子を選択するか、又は所望の粒径分布を達成するためにフィラー粒子を(例えば、粉砕及び篩い分けにより)処理するかのいずれかであり得る。
【0064】
例えば、より大きな水溶性又は水分散性フィラー粒子は、より小さい粒径のフィラー粒子を提供するために、粉砕及び/又は篩分けされ得る。以下の篩は、そのような目的のために容易に使用することができる。
・篩#標準Tylerメッシュ100(メッシュサイズ150マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ115(メッシュサイズ125マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ150(メッシュサイズ106マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ170(メッシュサイズ90マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ200(メッシュサイズ75マイクロメートルを有する)
【0065】
更に、所望の粒径分布を提供するために、より小さい水溶性又は水分散性フィラー粒子を篩分けすることができる。以下の篩は、そのような目的のために容易に使用することができる。
・篩#標準Tylerメッシュ325(メッシュサイズ45マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ400(メッシュサイズ38マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ625(メッシュサイズ20マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ800(メッシュサイズ15マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ1250(メッシュサイズ10マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ2500(メッシュサイズ5マイクロメートルを有する)
【0066】
例えば、水溶性又は水分散性フィラー粒子を含有する原材料は、篩、すなわち、150マイクロメートルのメッシュサイズを有する篩#標準Tylerメッシュ100によって、最初に磨砕されているか又はされていないかのいずれかを篩い分けすることができる。これに対応して、この第1の篩を通過するフィラー粒子は全て、約150マイクロメートル以下の粒径を有することになる。あるいは、フィラー粒子原材料は、125マイクロメートルのメッシュサイズを有する篩#標準Tylerメッシュ115によって篩分けすることができ、その結果、この篩を通過するフィラー粒子は全て、約125マイクロメートル以下の粒径を有することになる。あるいは、フィラー粒子原材料は、106マイクロメートルのメッシュサイズを有する篩#標準Tylerメッシュ150によって篩分けすることができ、その結果、この篩を通過するフィラー粒子は全て、約106マイクロメートル以下の粒径を有することになる。
【0067】
更に、フィラー粒子原材料は、5マイクロメートルのメッシュサイズを有する篩#標準Tylerメッシュ2500によって更に篩分けすることができる。この篩を通過する全ての粒子は、約5マイクロメートル以下の粒径を有することになるため、通過粒子を除去することができ、非通過粒子は、使用されるフィラー粒子が少なくとも5マイクロメートルの主な粒径を有することを確実にすることができる。同様に、フィラー粒子原材料は、10マイクロメートルのメッシュサイズを有する篩#標準Tylerメッシュ1250によって更に篩分けすることができ、通過粒子を除去して、保持された粒子(すなわち非通過粒子)が少なくとも10マイクロメートルの主な粒径を有することを確実にすることができる。
【0068】
パッケージ化組成物
そのように形成された香料含有粒子の単位用量又は複数のそのような単位用量をパッケージに収容して、パッケージ化組成物を形成してもよい。パッケージは、ボトル、バッグ、又は他の容器であってもよい。一実施形態では、パッケージはボトルであり、好ましくは、見ている消費者に香料含有粒子を示すための半透明部分を含むPETボトルである。一実施形態では、パッケージは、単回単位用量(例えば、試用サイズのサッシェ)、又は複数の単位用量(例えば、約15単位用量~約30単位用量)を含む。
【0069】
投与
複数の香料含有粒子は、洗濯機又は洗濯用たらい(laundry was basin)に投入するための単位用量を集合的に構成してもよい。香錠剤の単回単位用量は、約13g~約27g、あるいは約14g~約20g、あるいは約15g~約19g、あるいは約16g~約18g、あるいはこれらの組み合わせを含んでよい。
【0070】
前述のパッケージは、パッケージから洗濯機(又は手洗い用途で洗濯用たらい)に香料含有粒子を分配するための投入手段を含んでもよい。ユーザーは、推奨単位用量量を計量するために投与手段を使用してもよく、又は単にユーザーの独自の香りの好みに従って、香料含有粒子を計量するために投与手段を使用することができる。投入手段の例は、パッケージに機能的に取り付けられた分配キャップ、ドームなどであってもよい。投入手段は、例えばパッケージに取り付け可能なカップなど、パッケージから解放可能なように取り外し可能で、かつパッケージに再取り付け可能であり得る。投入手段は、(例えば、ヒンジ又はストリングによって)パッケージの残りの(あるいは、繋がれていない)部分に繋がれてもよい。投与手段は、推奨単位用量量を示すために、1つ以上の境界(例えば、充填ライン)を有してもよい。包装は、パッケージの取り外し可能な開口部を開放し、パッケージ内に収容された香料含有粒子を投入手段に分配する(例えば、注ぐ)ようにユーザーに知らせる指示を含んでもよい。その後、ユーザーは、投与手段内の香料含有粒子を洗濯機又は洗濯用たらいに投入するように指示されてもよい。本発明の香料含有粒子は、洗濯に清潔感を加えるために使用することができる。投入手段を含むパッケージは、プラスチックで作製されてもよい。
【0071】
一実施形態では、本発明の香料含有粒子は、洗濯機(washing machine)の「洗浄サイクル」の間に使用される洗濯機(laundry machine)に投与することができる(ただし、「すすぎサイクル」を使用してもよい)。別の実施形態では、本発明の香料含有粒子は、洗濯物の洗濯及び/又はすすぎ中に、洗濯用たらいに投与される。洗濯手すすぎ用途では、香料含有粒子は、Wackerから入手可能なものなどの「消泡剤」を更に含んでもよい。
【0072】
試験方法
試験方法1:香料含有粒子中の水溶性又は水分散性フィラー粒子の粒径を測定するためのマイクロCT試験
X線マイクロCTを使用して、本発明による粒径測定用のサンプル中の水溶性又は水分散性フィラー粒子の画像を取得及び分析する。
【0073】
10mmパンチ(直径)を使用して、サンプルの代表的な領域を物理的に抽出する。次いで、パンチサンプル(直径約10mm)をサンプルホルダ上に取り付ける。次いで、サンプルホルダを、GE Phoenix v|tome|x m(GE Sensing & Inspection Technologies GmbH,Niels-Bohr-Str.7 31515 Wunstorf,Germany)などのX線スキャナ内に配置する。使用されるスキャンパラメータは、マイクロチューブ、電圧:180kV、電流:120μA、チューブモード:1、タイミング:1000ms、平均化:2、スキップフレーム:1、画像数:1500が挙げられる。得られたデータセットは、16ビット整数として表される減衰値を有する2014×2014×2014ボクセルである。それぞれのボクセルは、7マイクロメートルの直径を有する。
【0074】
サンプル中の粒径分布を測定するために、以下の工程を実施することができる。
1.自動閾値化アルゴリズム(Matlabに実装された周知の閾値化法であるOtsu法;「A Threshold Selection Method from Gray-Level Histograms」,Nobuyuki Otsu,2EEE Transactions On Systems Man,and Cybernetics,VOL.SMC-9,NO.1,January 1979を参照されたい)は、データセットのそれぞれに適用され、粒子(グレーレベル2)、マトリックス(グレーレベル1)、及び空隙(グレーレベル0)を表す標識された画像をもたらす。
2.標識された画像データセットをFiji(v1.51u)にインポートし、粒子がグレーレベル255に設定され、残りがグレーレベル0に設定される更なる閾値化工程が続く。
3.次に、「3D watershed分割」と呼ばれるFiji組み込みプラグインを使用して、粒子を互いに隣り合わせて分離し、各粒子に3次元空間での固有IDを与える(J.Ollion,J.Cochennec,F.Loll,C.Escude,T.Boudier.(2013)TANGO:「A Generic Tool for High-throughput 3D Image Analysis for Studying Nuclear Organization」,Bioinformatics 2013 Jul 15;29(14):1840-1を参照されたい)。
4.計算された「3D watershed分割」データセットを、Fijiのプラグイン「3Dマネージャ」にインポートして、中心から表面までの最小距離(DCmin)を測定する。1ボクセル未満の中心から表面までの距離(DCmin)をノイズとして除去した。最小直径(Dmin)は、Dmin=DCmin*2によって計算され、それぞれの粒子のサイズとして記録される。
【実施例0075】
実施例1:香料含有ビーズのバッチ間組成変化におけるNaClフィラー粒径の影響を示す比較試験
最初に、PEG4000原材料(Jiangsu Hai`an PetroChemical Plantより)を75℃のオーブン内で一晩加熱して、溶融PEGスラリーを形成する。NaClの粒子(Guangzhou Shengxin Chemical Technologyより)を、45%の充填速度、約6000rpmのRPM、及び約0.5mmのメッシュサイズで、グラインダ(Fritsch Pulverisette 14)を使用して粉砕する。次に、粉砕されたNaCl粒子を、以下の3つの篩で篩分けする。
・篩#標準Tylerメッシュ325(メッシュサイズ45マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ150(メッシュサイズ106マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ100(メッシュサイズ150マイクロメートルを有する)
【0076】
結果として、粉砕されたNaCl粒子は、以下のように3つの部分に分離される。
部分1:150マイクロメートル超(おそらく150~250マイクロメートル)の粒径を有する、
部分2:106~150マイクロメートルの粒径を有する、及び
部分3:45~106マイクロメートルの粒径を有する。
【0077】
好適な量の溶融PEGスラリー、篩分けされたNaCl粒子、香料マイクロカプセル、及び遊離香料のそれぞれの部分を測定し、混合して、それぞれの香料含有組成物を、以下の表によって示される具体的な組成の内訳で形成する。
【0078】
【0079】
NaCl粒子のそれぞれ別の篩分けされた部分を、攪拌器を備えた清浄なビーカーに入れ、75℃のオーブン内で約1時間加温し、続いて、上記のように好適な量の溶融PEGスラリー、香料マイクロカプセル、及び遊離香料を添加する。原材料の固化を避けるために、2分以内に秤量を行う。
【0080】
混合物を約2分間手動で混合して、粘性かつ均質なスラリーを形成し(これはモーター駆動撹拌機で行うこともできる)、同時にビーカーを加熱器上に配置し、混合物を約75℃の温度に維持する。
【0081】
次に、粘性スラリーを、混合工程が完了した約30秒後に次のようにビーズ形状の空洞を含む金型に注ぐ。
・第1に粘性スラリーの1/3を、加温されたビーカーから第1の金型(この第1のバッチはスラリーの上層を表す)に注ぐ;
・次いで、粘性スラリーの別の1/3を、加温されたビーカーから第2の金型に注ぐ(この第2のバッチはスラリーの中間層を表す);
・最後に、粘性スラリーの最終の1/3を、加温されたビーカーから第3の金型に注ぐ(この第3のバッチはスラリーの底層を表す)。
【0082】
各注入間の間隔は、5秒よりも長くすべきではない。粘性スラリーは、対応する金型内で周囲温度まで冷え、それによって固化したビーズ形状の香料含有粒子を形成する。
【0083】
次いで、そのように形成された香料含有粒子の各バッチを計量して1.5g(+/-0.0002g)のサンプルを得、次いで、脱イオン水で充填した1000mLフラスコに溶解する。溶液を約60分間撹拌して、サンプル香料含有粒子の溶解を完全に行う。
【0084】
ピペットを使用して、約10mLの溶液を採取し、これを脱イオン水で100mLに希釈する。次いで、0.45umナイロンシリンジフィルタを有するシリンジを使用して、希釈溶液約1mLを採取し、この希釈溶液は、電導度検出器を有するDIONEX ICS3000 DP/DC/ASによるイオンクロマトグラフィー分析を通して、希釈溶液中のNaClのそれぞれの濃度を測定するためにガラスバイアルに入れられる。
【0085】
3つのサンプルは、サンプル中のNaCl濃度を測定するために、香料含有粒子の各バッチから採取される。以下は、異なるサイズ(すなわち45~106/106~150/150+マイクロメートル)のNaClフィラー粒子を含有する異なる粘性スラリーの異なるバッチ(すなわち、上層/中間層/底層)によって作製される香料含有粒子から測定された結果のNaCl濃度である。
【0086】
【0087】
NaCl粒径が150マイクロメートル以下である場合、全体的な組成変化(バッチ全般にわたるNaCl濃度の全体RSD%によって示されるような)は、有意に低減されることが上記データからわかる。
【0088】
実施例2:香料含有ビーズのバッチ間組成変化におけるNa2SO4フィラー粒径の影響を示す比較試験
最初に、PEG4000原材料(Jiangsu Hai’an PetroChemical Plantより)を75℃のオーブン内で一晩加熱して、溶融PEGスラリーを形成する。Na2SO4の粒子(Hongya Qingyijiang Chemical Industryより)を、45%の充填速度、約6000rpmのRPM、及び約0.5mmのメッシュサイズで、グラインダ(Fritsch Pulverisette 14)を使用して粉砕する。次に、粉砕されたNa2SO4粒子を、以下の3つの篩で篩分けする。
・篩#標準Tylerメッシュ325(メッシュサイズ45マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ150(メッシュサイズ106マイクロメートルを有する)
・篩#標準Tylerメッシュ100(メッシュサイズ150マイクロメートルを有する)
【0089】
結果として、粉砕されたNa2SO4粒子は、以下のように3つの部分に分離される。
部分1:150マイクロメートル超(おそらく150~250マイクロメートル)の粒径を有する、
部分2:106~150マイクロメートルの粒径を有する、及び
部分3:45~106マイクロメートルの粒径を有する。
【0090】
好適な量の溶融PEGスラリー、篩分けされたNa2SO4粒子、香料マイクロカプセル、及び遊離香料のそれぞれの部分を測定し、混合して、それぞれの香料含有組成物を、以下の表によって示される具体的な組成の内訳で形成する。
【0091】
【0092】
Na2SO4フィラー粒子のそれぞれ別の篩分けされた部分を、攪拌器を備えた清浄なビーカーに入れ、75℃のオーブン内で約1時間加温し、続いて、上記のように好適な量の溶融PEGスラリー、香料マイクロカプセル、及び遊離香料を添加する。原材料の固化を避けるために、2分以内に秤量を行う。
【0093】
混合物を約2分間手動で混合して、粘性かつ均質なスラリーを形成し(これはモーター駆動撹拌機で行うこともできる)、同時にビーカーを加熱器上に配置し、混合物を約75℃の温度に維持する。
【0094】
次に、粘性スラリーを、混合工程が完了した約30秒後に次のようにビーズ形状の空洞を含む金型に注ぐ。
・第1に粘性スラリーの1/3を、加温されたビーカーから第1の金型(この第1のバッチはスラリーの上層を表す)に注ぐ;
・次いで、粘性スラリーの別の1/3を、加温されたビーカーから第2の金型に注ぐ(この第2のバッチはスラリーの中間層を表す);
・最後に、粘性スラリーの最終の1/3を、加温されたビーカーから第3の金型に注ぐ(この第3のバッチはスラリーの底層を表す)。
【0095】
各注入間の間隔は、5秒よりも長くすべきではない。粘性スラリーは、対応する金型内で周囲温度まで冷え、それによって固化したビーズ形状の香料含有粒子を形成する。
【0096】
次いで、そのように形成された香料含有粒子の各バッチを計量して1.5g(+/-0.0002g)のサンプルを得、次いで、脱イオン水で充填した1000mLフラスコに溶解する。溶液を約60分間撹拌して、サンプル香料含有粒子の溶解を完全に行う。
【0097】
ピペットを使用して、約10mLの溶液を採取し、これを脱イオン水で100mLに希釈する。次いで、0.45umナイロンシリンジフィルタを有するシリンジを使用して、希釈溶液約1mLを採取し、この希釈溶液は、電導度検出器を有するDIONEX ICS3000 DP/DC/ASによるイオンクロマトグラフィー分析を通して、希釈溶液中のNa2SO4のそれぞれの濃度を測定するためにガラスバイアルに入れられる。
【0098】
3つのサンプルは、サンプル中のNa2SO4濃度を測定するために、香料含有粒子の各バッチから採取される。以下は、異なるサイズ(すなわち45~106/106~150/150+マイクロメートル)のNa2SO4フィラー粒子を含有する異なる粘性スラリーの異なるバッチ(すなわち、上層/中間層/底層)によって作製される香料含有粒子から測定された結果のNa2SO4濃度である。
【0099】
【0100】
Na2SO4粒径が150マイクロメートル以下である場合、全体的な組成変化(バッチ全般にわたるNa2SO4濃度の全体RSD%によって示されるような)は、有意に低減されることが上記データからわかる。
【0101】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0102】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。