(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089092
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】流量センサおよび流体流測定を調整するための方法
(51)【国際特許分類】
G01F 1/696 20060101AFI20230620BHJP
G01N 25/18 20060101ALI20230620BHJP
G01N 11/00 20060101ALI20230620BHJP
G01N 11/04 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
G01F1/696 Z
G01N25/18 D
G01N11/00 F
G01N11/04
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062881
(22)【出願日】2023-04-07
(62)【分割の表示】P 2021522917の分割
【原出願日】2019-06-28
(31)【優先権主張番号】62/694,647
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク アンドリュー ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シェネット
(57)【要約】
【課題】流量センサおよび流体流測定を調整するための方法を提供する。
【解決手段】流量センサは、流体流路、流体流路内の流体の熱拡散率および/または粘度の第1の測定値を決定するように構成される第1のセンサ、流体流路内の流体の流体流速および/または体積流量の第2の測定値を決定するように構成される第2のセンサ、および第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整するように構成される少なくとも1つのプロセッサを含む。方法は、流量センサの流体流路内に流体を受け入れる工程、流体流路内の流体の熱拡散率および/または粘度の第1の測定値を決定する工程、流体流路内の流体の流体流速および/または体積流量の第2の測定値を決定する工程、および第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整する工程を含む。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流路、
前記流体流路内の流体の熱拡散率および前記流体流路内の前記流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定するように構成された第1のセンサ、
前記流体流路内の前記流体の流体流速および前記流体流路内の前記流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定するように構成された第2のセンサであって、熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づいて前記第2の測定値を決定するように構成された第2のセンサ、および
前記第1の測定値に基づいて前記第2の測定値を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサであって、前記第2のセンサを、前記第1の測定値に基づいて、(i)前記熱量測定モードのみに基づいて前記第2の測定値を決定する工程と(ii)前記熱飛行時間モードのみに基づいて前記第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程によって、前記第2の測定値を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサ、
を含むことを特徴とする流量センサ。
【請求項2】
前記第1のセンサは、前記流体流路に平行な方向に延在する第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層との間に前記流体流路に平行な方向に延在する抵抗性ヒータ層を含み、前記第2のセンサは、前記流体流路に垂直な前記方向に延在する別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層との間に前記流体流路に垂直な方向に延在する別の抵抗性ヒータ層を含むことを特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
【請求項3】
前記第1のセンサにおける前記抵抗性ヒータ層と前記第1の抵抗性温度検出器層と前記第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔は、前記第2のセンサにおける前記別の抵抗性ヒータ層と前記別の第1の抵抗性温度検出器層と前記別の第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の流量センサ。
【請求項4】
前記第2のセンサは、前記流体の第1のタイプのための前記第2の測定値を決定するように較正され、前記流体は、前記流体の前記第1のタイプとは異なる前記流体の第2のタイプを含み、および前記少なくとも1つのプロセッサは、前記流体流路内の前記流体の前記熱拡散率および前記流体流路内の前記流体の前記粘度のうちの少なくとも1つの前記流体の前記第1のタイプの熱拡散率および前記流体の前記第1のタイプの粘度のうちの少なくとも1つに対する比に基づいて、前記第2の測定値を調整するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記流体流路内に受け入れられることとなる前記流体のタイプの識別を受信し、前記識別は、調整係数に関係付けられており、
前記第1の測定値に基づいて、前記流体流路内の前記流体の前記タイプの変化を決定し、および
前記流体流路内の前記流体の前記タイプの前記変化を決定する工程に応答して、 前記調整係数に基づいて前記第2の測定値を調整するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
【請求項6】
前記流体流路内の前記流体の前記タイプを識別し、および前記流体流路内の前記流体の前記タイプの前記識別を提供するように構成される第3のセンサをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の流量センサ。
【請求項7】
前記第2のセンサは、前記流体流路の流体流方向において前記第1のセンサから離間されることを特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
【請求項8】
流体流路、
前記流体流路内の流体の熱拡散率および前記流体流路内の前記流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定するように構成された第1のセンサ、
前記流体流路内の前記流体の流体流速および前記流体流路内の前記流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定するように構成された第2のセンサであって、熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づいて前記第2の測定値を決定するように構成された第2のセンサ、および
前記第1の測定値に基づいて前記第2の測定値を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサであって、前記第2のセンサを、前記第1の測定値に基づいて、(i)前記熱量測定モードおよび前記熱飛行時間モードのうちの1つのみに基づいて前記第2の測定値を決定する工程と(ii)前記熱量測定モードおよび前記熱飛行時間モードの各々に基づいて前記第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程によって、前記第2の測定値を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサ、
を含むことを特徴とする流量センサ。
【請求項9】
流量センサの流体流路内に流体を受け入れる工程、
前記流量センサの第1のセンサを用いて、前記流体流路内の前記流体の熱拡散率および前記流体流路内の前記流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定する工程、
前記流量センサの第2のセンサを用いて、前記流体流路内の前記流体の流体流速および前記流体流路内の前記流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定する工程であって、前記第2の測定値を決定する工程は、前記第2のセンサの熱量測定モードおよび前記第2のセンサの熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づく、工程、および
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の測定値に基づいて前記第2の測定値を調整する工程であって、前記第2の測定値を調整する工程は、前記第2のセンサを、前記第1の測定値に基づいて、(i)前記熱量測定モードのみに基づいて前記第2の測定値を決定する工程と(ii)前記熱飛行時間モードのみに基づいて前記第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程を含む、工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記第1のセンサは、前記流体流路に平行な方向に延在する第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層との間に前記流体流路に平行な方向に延在する抵抗性ヒータ層を含み、および前記第2のセンサは、前記流体流路に垂直な方向に延在する別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層との間に前記流体流路に垂直な方向に延在する別の抵抗性ヒータ層を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のセンサにおける前記抵抗性ヒータ層と前記第1の抵抗性温度検出器層と前記第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔は、前記第2のセンサにおける前記別の抵抗性ヒータ層と前記別の第1の抵抗性温度検出器層と前記別の第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のセンサは、前記流体の第1のタイプのための前記第2の測定値を決定するように較正され、前記流体は、前記流体の前記第1のタイプとは異なる前記流体の第2のタイプを含み、前記第2の測定値を調整する工程は、前記流体流路内の前記流体の前記熱拡散率および前記流体流路内の前記流体の前記粘度のうちの少なくとも1つの、前記流体の前記第1のタイプの熱拡散率および前記流体の前記第1のタイプの粘度のうちの少なくとも1つに対する比に基づくことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記流体流路内に受け入れられることとなる前記流体のタイプの識別を受信し、前記識別は、調整係数に関係付けられている、工程、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の測定値に基づいて、前記流体流路内の前記流体の前記タイプの変化を決定する工程、および
前記流体流路内の前記流体の前記タイプの前記変化を決定する工程に応答して、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記調整係数に基づいて前記第2の測定値を調整する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
第3のセンサを用いて、前記流体流路内の前記流体の前記タイプを識別する工程、および
前記第3のセンサを用いて、前記流体流路内の前記流体の前記タイプの前記識別を提供する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のセンサは、前記流体流路の流体流方向において前記第1のセンサから離間されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
流量センサの流体流路内に流体を受け入れる工程、
前記流量センサの第1のセンサを用いて、前記流体流路内の前記流体の熱拡散率および前記流体流路内の前記流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定する工程、
前記流量センサの第2のセンサを用いて、前記流体流路内の前記流体の流体流速および前記流体流路内の前記流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定する工程であって、前記第2の測定値を決定する工程は、前記第2のセンサの熱量測定モードおよび前記第2のセンサの熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づく、工程、および
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の測定値に基づいて前記第2の測定値を調整する工程であって、前記第2の測定値を調整する工程は、前記第2のセンサを、前記第1の測定値に基づいて、(i)前記熱量測定モードおよび前記熱飛行時間モードのうちの1つのみに基づいて前記第2の測定値を決定する工程と(ii)前記熱量測定モードおよび前記熱飛行時間モードの各々に基づいて前記第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程を含む、工程、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月6日に出願された「流量センサおよび流体流測定を調整するための方法(Flow Sensor and Method for Adjusting Fluid Flow Measurement)」と題された米国仮出願シリアル番号62/694,647に対する優先権を主張し、その開示は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
1. 技術分野
本開示は、概して、流量センサに関連し、および1つの特定の実施形態において、流量センサおよび流体流測定を調整するための方法に関連する。
【0003】
2. 技術的な考慮事項
流体(例えば、薬物流体(medication fluids)、静脈療法流体(IV therapy fluids)、血液など)の熱特性および粘度は大幅に変動する。熱特性および粘度の変動は、熱量測定(calorimetric)またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間流量センサの精度に影響を与える。例えば、熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間流量センサは、典型的には、特定の流体を用いる測定のために較正され、およびそれのために流量センサが較正されていない異なる流体を用いる測定のための熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間流量センサの使用は、流量センサによって測定される流体流速(fluid flow velocity)および/または体積流量(volumetric flow rate)の精度に影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Hans Roder、「流体のための非定常熱線熱伝導率装置(A Transient Hot Wire Thermal Conductivity Apparatus for fluids)」、Journal of Research of the National Bureau of Standards, Vol. 86, No. 5, Sept-Oct 1981
【非特許文献2】S.Gustaffsonら、「固体および流体の熱伝導率および熱拡散率を同時に測定するための非定常ホットストリップ法(Transient hot-strip method for simultaneously measuring thermal conductivity and thermal conductivity of solids and fluids)」J. Phys. D: Appl. Phys., Vol 12, p 1411 (1979)
【非特許文献3】R.Beigelbeckら、「ブリッジベースの微細加工センサを利用する工程による液体の熱特性の新しい測定方法(A Novel Measurement Method for the Thermal Properties of Liquids by utilizing a bridge-based micromachined sensor)」、Meas. Sci. Technology, Vol. 22, pp 105407 (2011)
【非特許文献4】A Ballato、「MEMS流体粘度センサ(MEMS Fluild Viscosity Sensor)」、IEEE Trans Ultras Ferroelectr Freq Control 2010, vol 57, pp 669-76
【非特許文献5】Ellis Meng、「マクロ流体投与システムのためのMEMS技術およびデバイス(MEMS Technology and Device for a Micro Fluid Dosing System)」、Doctoral Thesis, California Institute of Technology, 2003
【非特許文献6】Steven Bindels、「熱流体特性の流体流量センサへの依存性(Dependency of the Thermal Fluid Properties on Fluid Flow Sensor)」、 report on Masters Internship at Philips Research, BMTE 09.46 Eindhoven University of Technology and Philips-Eindhoven. Eindhoven, The Netherlands. Nov 2009,
【非特許文献7】C.J. Hepp ら、「熱伝導率および流速の同時測定を達成する熱センサの設計および特徴(Design and Characterization of a Thermal Sensor Achieving Simultaneous Measurement of Thermal Conductivity and Flow Speed)」、Transducers 2015, Anchorage, Alaska, USA, June 21-25, 2015
【非特許文献8】J.E. Hardyら、「広範な熱物理的特性をカバーする熱流量計のための経験的相関(Empirical Correlations for Thermal Flowmeters Covering a Wide Range of Thermal-Physical Properties)」、National Conference of Standard Labs 1999 Workshop and Symposium, Charlotte, NC
【非特許文献9】M.A. Repko、「計量化学を使用する流体流センシングのための自動熱伝導率補償(Automatic Thermal Conductivity Compensation for Fluid Flow Sensing Using Chemometrics)」、 United States Patent 7,127,366. Oct 24, 2006
【非特許文献10】J.T.W. Kuo, Lawrence Yu, Ellis Meng、「微細加工された熱流量センサ-レビュー(Micromachined Thermal Flow sensors - A Review)」、 Micromachines, Volume 3 , pp. 550-573 (2012)
【発明の概要】
【0006】
したがって、改善されたシステム、デバイス、製品、装置、および/または 流体流測定を調整するための方法が提供される。
【0007】
非限定的な実施形態または態様によれば、流体流路、流体流路内の流体の熱拡散率(thermal diffusivity)および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値(first measurement)を決定するように構成される第1のセンサ、流体流路内の流体の流体流速および流体流路内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値(second measurement)を決定するように構成される第2のセンサ、および第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整するように構成される少なくとも1つのプロセッサ、を含む流量センサが提供される。
【0008】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサは、流体流路に平行な方向に延在する第1の抵抗性温度検出器層(resistive temperature detector layer)と第2の抵抗性温度検出器層との間に流体流路に平行な方向に延在する抵抗性ヒータ層(resistive heater layer)を含み、および第2のセンサは、流体流路に垂直な方向に延在する別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層との間に流体流路に垂直な方向に延在する別の抵抗性ヒータ層を含む。
【0009】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサにおける抵抗性ヒータ層と第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔(spacing)は、第2のセンサにおける別の抵抗性ヒータ層と別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔よりも小さい。
【0010】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサは、熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づいて第2の測定値を決定するように構成される。
【0011】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、少なくとも1つのプロセッサ は、第2のセンサを、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱飛行時間モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程によって、第2の測定値を調整するように構成される。
【0012】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、少なくとも1つのプロセッサは、第2のセンサを、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの1つのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードの各々に基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程によって、第2の測定値を調整するように構成される。
【0013】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサは、流体の第1のタイプのための第2の測定値を決定するように較正され、流体は、流体の第1のタイプとは異なる流体の第2のタイプを含み、および少なくとも1つのプロセッサは、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの、流体の第1のタイプの熱拡散率および流体の第1のタイプの粘度のうちの少なくとも1つに対する比に基づいて、第2の測定値を調整するように構成される。
【0014】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、少なくとも1つのプロセッサは、流体流路内に受け入れられることとなる流体のタイプの識別を受信し、ここで識別は、調整係数(adjustment factor)に関連付けられており、第1の測定値に基づいて流体流路内の流体のタイプの変化を決定し、および流体流路内の流体のタイプの変化を決定する工程に応答して、調整係数に基づいて第2の測定値を調整するように構成される。
【0015】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、流量センサは、流体流路内の流体のタイプを識別しおよび流体流路内の流体のタイプの識別を提供するように構成される第3のセンサをさらに含む。
【0016】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサは、流体流路の流体流方向において第1のセンサから離間される。
【0017】
非限定的な実施形態または態様によって、流量センサの流体流路内に流体を受け入れる工程、流量センサの第1のセンサを用いて、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定する工程、流量センサの第2のセンサを用いて、流体流路内の流体の流体流速および流体流路内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定する工程、および少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整する工程、を含む方法が提供される。
【0018】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサは、流体流路に平行な方向に延在する第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層との間に流体流路に平行な方向に延在する抵抗性ヒータ層を含み、および第2のセンサは、流体流路に垂直な方向に延在する別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層との間に流体流路に垂直な方向に延在する別の抵抗性ヒータ層を含む。
【0019】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサにおける抵抗性ヒータ層と第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔は、第2のセンサにおける別の抵抗性ヒータ層と別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔よりも小さい。
【0020】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2の測定値を決定する工程は、第2のセンサの熱量測定モードおよび第2のセンサの熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づく。
【0021】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2の測定値を調整する工程は、第2のセンサを、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱飛行時間モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程を含む。
【0022】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2の測定値を調整する工程は、第2のセンサを、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの1つのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードの各々に基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程を含む。
【0023】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサは、流体の第1のタイプのための第2の測定値を決定するように較正され、流体は、流体の第1のタイプとは異なる流体の第2のタイプを含み、および第2の測定値を調整する工程は、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの流体の第1のタイプの熱拡散率および流体の第1のタイプの粘度のうちの少なくとも1つに対する比に基づく。
【0024】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、方法は、少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体流路内に受け入れられることとなる流体のタイプの識別を受信し、ここで識別は、調整係数に関係付けられている、工程、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1の測定値に基づいて、流体流路内の流体のタイプの変化を決定する工程、および流体流路内の流体のタイプの変化を決定する工程に応答して、少なくとも1つのプロセッサを用いて、調整係数に基づいて第2の測定値を調整する工程、をさらに含む。
【0025】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、方法は、第3のセンサを用いて流体流路内の流体のタイプを識別する工程、および第3のセンサを用いて流体流路内の流体のタイプの識別を提供する工程、をさらに含む。
【0026】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサは、流体流路の流体流方向において第1のセンサから離間される。
【0027】
さらなる実施形態または態様は、以下の付番された条項(clauses)に記載される。
【0028】
条項1. 流体流路、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定するように構成される第1のセンサ、流体流路内の流体の流体流速および流体流路内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定するように構成される第2のセンサ、および第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整するように構成される少なくとも1つのプロセッサ、を含む流量センサ。
【0029】
条項2. 第1のセンサは、流体流路に平行な方向に延在する第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層との間に流体流路に平行な方向に延在する抵抗性ヒータ層を含み、および第2のセンサは、流体流路に垂直な方向に延在する別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層との間に流体流路に垂直な方向に延在する別の抵抗性ヒータ層を含む、条項1に記載の流量センサ。
【0030】
条項3. 第1のセンサにおける抵抗性ヒータ層と第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔は、第2のセンサにおける別の抵抗性ヒータ層と別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔よりも小さい、条項1および条項2のいずれかに記載の流量センサ。
【0031】
条項4. 第2のセンサは、熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づいて第2の測定値を決定するように構成される、条項1から3のいずれかに記載の流量センサ。
【0032】
条項5. 少なくとも1つのプロセッサは、第2のセンサを、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱飛行時間モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程によって、第2の測定値を調整するように構成される、条項1から4のいずれかに記載の流量センサ。
【0033】
条項6. 少なくとも1つのプロセッサは、第2のセンサを、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの1つのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードの各々に基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程によって、第2の測定値を調整するように構成される、条項1から5のいずれかに記載の流量センサ。
【0034】
条項7. 第2のセンサは、流体の第1のタイプのための第2の測定値を決定するように較正され、流体は、流体の第1のタイプとは異なる流体の第2のタイプを含み、および少なくとも1つのプロセッサは、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの、流体の第1のタイプの熱拡散率および流体の第1のタイプの粘度のうちの少なくとも1つに対する比に基づいて、第2の測定値を調整するように構成される、条項1から6のいずれかに記載の流量センサ。
【0035】
条項8. 少なくとも1つのプロセッサは、流体流路内に受け入れられることとなる流体のタイプの識別を受信し、ここで識別は、調整係数に関係付けられており、第1の測定値に基づいて流体流路内の流体のタイプの変化を決定し、および流体流路内の流体のタイプの変化を決定する工程に応答して、調整係数に基づいて第2の測定値を調整するように構成される、条項1から7のいずれかに記載の流量センサ。
【0036】
条項9. 流体流路内の流体のタイプを識別しおよび流体流路内の流体のタイプの識別を提供するように構成される第3のセンサをさらに含む、条項1から8のいずれかに記載の流量センサ。
【0037】
条項10. 第2のセンサは、流体流路の流体流方向において第1のセンサから離間される、条項1から9のいずれかに記載の流量センサ。
【0038】
条項11. 流量センサの流体流路内に流体を受け入れる工程、流量センサの第1のセンサを用いて、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定する工程、流量センサの第2のセンサを用いて、流体流路内の流体の流体流速および流体流路内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定する工程、および少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整する工程、を含む方法。
【0039】
条項12. 第1のセンサは、流体流路に平行な方向に延在する第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層との間に流体流路に平行な方向に延在する抵抗性ヒータ層を含み、および第2のセンサは、流体流路に垂直な方向に延在する別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層との間に流体流路に垂直な方向に延在する別の抵抗性ヒータ層を含む、条項11に記載の方法。
【0040】
条項13. 第1のセンサにおける抵抗性ヒータ層と第1の抵抗性温度検出器層と第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔は、第2のセンサにおける別の抵抗性ヒータ層と別の第1の抵抗性温度検出器層と別の第2の抵抗性温度検出器層の間の間隔よりも小さい、条項11および条項12のいずれかに記載の方法。
【0041】
条項14. 第2の測定値を決定する工程は、第2のセンサの熱量測定モードおよび第2のセンサの熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づく、条項11から13のいずれかに記載の方法。
【0042】
条項15. 第2の測定値を調整する工程は、第2のセンサを、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱飛行時間モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程を含む、条項11から14のいずれかに記載の方法。
【0043】
条項16. 第2の測定値を調整する工程は、第2のセンサを、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの1つのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードの各々に基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程を含む、条項11から15のいずれかに記載の方法。
【0044】
条項17. 第2のセンサは、流体の第1のタイプのための第2の測定値を決定するように較正され、流体は、流体の第1のタイプとは異なる流体の第2のタイプを含み、および第2の測定値を調整する工程は、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの流体の第1のタイプの熱拡散率および流体の第1のタイプの粘度のうちの少なくとも1つに対する比に基づく、条項11から16のいずれかに記載の方法。
【0045】
条項18. 少なくとも1つのプロセッサを用いて、流体流路内に受け入れられることとなる流体のタイプの識別を受信し、ここで識別は、調整係数に関係付けられている、工程、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1の測定値に基づいて、流体流路内の流体のタイプの変化を決定する工程、および流体流路内の流体のタイプの変化を決定する工程に応答して、少なくとも1つのプロセッサを用いて、調整係数に基づいて第2の測定値を調整する工程、をさらに含む、条項11から17のいずれかに記載の方法。
【0046】
条項19. 第3のセンサを用いて流体流路内の流体のタイプを識別する工程、および第3のセンサを用いて流体流路内の流体のタイプの識別を提供する工程をさらに含む、条項11から18のいずれかに記載の方法。
【0047】
条項20. 第2のセンサは、流体流路の流体流方向において第1のセンサから離間される、条項11から19のいずれかに記載の方法。
【0048】
本発明のこれらのおよび他の特徴および特性、ならびに構造の関連する要素の動作および機能の方法および部品の組み合わせおよび製造の経済性は、そのすべてが本明細書の一部を形成し様々な図において同様の参照番号は対応する部分を示す添付図面を参照して、以下の説明および添付の特許請求の範囲を考慮すると、より明らかになるであろう。しかしながら、図面は、例示および説明の目的のみのためであり、および本発明の限定の定義として意図されないことは、明確に理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲において使用される際に、「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明の付加的な利点および詳細は、添付の概略図に示されている例示的な実施形態または態様を参照して、以下により詳細に説明される。
【0050】
【
図1A】本明細書中に記載されるシステム、デバイス、製品、装置、および/または方法がその中で本発明の原理によって実施されてもよい環境の非限定的な実施形態または態様の図である。
【
図1B】
図1Aの流量センサのコンポーネント(components)の非限定的な実施形態または態様の図である。
【
図1C】
図1Aの流量センサの流体流路における理想的な放射線状の層流の速度プロファイルの非限定的な実施形態または態様の図である。
【
図2】
図1A、
図1B、および
図1Cの1つまたは複数のデバイスのコンポーネントの非限定的な実施形態または態様の図である。
【
図3】流体流測定を調整するためのプロセスの非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。
【
図4】流体流測定を調整するためのプロセスの非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、説明の目的のために、用語「端部(end)」、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「垂直の(vertical)」、(水平の(horizontal)」、「上(top)」、「下(bottom)」、「横の(lateral)」、「縦の(longitudinal)」、およびそれらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、そうではないと明示的に特定されない限り、さまざまな代替的な変形および工程順序を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、および以下の明細書に記載される具体的なデバイスおよびプロセスは、単に本発明の例示的な実施形態または態様であることも理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される実施形態または態様の実施形態または態様に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、別段の指示がない限り、限定的であると見なされるべきではない。
【0052】
本明細書で使用される態様、コンポーネント、要素、構造、行為、工程、機能、命令および/または同様のものは、そのように明示的に説明されない限り、決定的または必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される際に、冠詞「a」および「an」は、1つまたは複数のアイテムを含むことを意図しており、「1つまたは複数(one or more)」および「少なくとも1つ(at least one)」と交換可能に使用されてもよい。さらに、本明細書で使用される際に、用語「セット」は、1つまたは複数のアイテム(例えば、関連アイテム、非関連アイテム、関連アイテムと非関連アイテムとの組み合わせなど)を含むことが意図され、「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」と交換可能に使用されてもよい。1つのアイテムのみが意図される場合、用語「1つ(one)」または同様の言葉が使用される。また、本明細書で使用される際に、用語「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」などは、制限のない用語(open-ended terms)であることが意図される。さらに、語句「に基づく(based on)」は、そうではないと明示的に特定されない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味することが意図される。
【0053】
本明細書で使用される際に、用語「通信(communication)」および「通信する(communicate)」は、情報(例えば、データ、信号、メッセージ、指示、コマンド、および/または)の受信(reception)、受信(receipt)、送信(transmission)、転送(transfer)、移動(transfer)、および/または同様のものを指してもよい。1つのユニット(例えば、デバイス、システム、デバイスまたはシステムのコンポーネント、それらの組み合わせ、および/または同様のもの)に関して、別のユニットと通信することは、1つのユニットが直接的または間接的に他のユニットから情報を受信しおよび/または他のユニットに情報を送信することができることを意味する。これは、本質的に有線および/または無線である直接または間接接続を指してもよい。付加的に、送信される情報が第1のユニットと第2のユニットとの間で変更され(modified)、処理され(processed)、中継され(relayed)、および/または迂回される(routed)としても、2つのユニットは互いに通信していてもよい。例えば、第1のユニットが情報を受動的に受信し、および第2のユニットに情報を能動的に送信しないとしても、第1のユニットは第2のユニットと通信していてもよい。別の例として、少なくとも1つの中間ユニット(intermediary unit)(例えば、第1のユニットと第2のユニットとの間に位置する第3のユニット)が第1のユニットから受信される情報を処理し、および処理された情報を第2のユニットに通信する場合、第1のユニットは第2のユニットと通信していてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、メッセージは、データを含むネットワークパケット(例えば、データパケットおよび/または同様のもの)を指してもよい。他の多くの配列(arrangements)が可能であることは理解されよう。他の多くの取り決め(arrangements)が可能であることは理解されよう。
【0054】
本明細書で使用される際に、用語「サーバ(server)」は、インターネットまたはプライベートネットワークのようなネットワークを経由してクライアントデバイスおよび/または他のコンピューティングデバイスと通信するプロセッサ、記憶装置、および/または同様のコンピュータコンポーネントのような1つまたは複数のコンピューティングデバイスを指す場合があり、およびいくつかの例において、他のサーバおよび/またはクライアントデバイス間の通信を容易にする。様々な他の配列(arrangements)が可能であることは理解されよう。本明細書で使用される際に、用語「システム」は、プロセッサ、サーバ、クライアントデバイス、ソフトウェアアプリケーション、および/または他の同様のコンポーネントのような1つまたは複数のコンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイスの組み合わせを指す場合があるが、しかしそれらに限定されない。加えて、本明細書で使用される「サーバ」または「プロセッサ」への言及は、前の工程または機能を実行するように記載されている以前に引用されたサーバおよび/またはプロセッサ、異なるサーバおよび/またはプロセッサ、および/またはサーバおよび/またはプロセッサの組み合わせを指す場合がある。例えば、明細書および特許請求の範囲で使用される際に、第1の工程または機能を実行するように記載されている第1のサーバおよび/または第1のプロセッサは、第2の工程または機能を実行するように記載されている同一のまたは異なるサーバおよび/またはプロセッサを指す場合がある。
【0055】
本発明の非限定的な実施形態または態様は、流体流量測定を調整するためのシステム、デバイス、製品、装置、および/または方法に関する。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、流量センサは、流体流路、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定するように構成される第1のセンサ、流体流路内の流体の流体流速および流体流路内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定するように構成される第2のセンサ、および第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整するように構成される少なくとも1つのプロセッサ、を含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、方法は、流量センサの流体流路内に流体を受け入れる工程、流量センサの第1のセンサを用いて、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定する工程、流量センサの第2のセンサを用いて、流体流路内の流体の流体流速および流体流路内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定する工程、および少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整する工程、を含んでいてもよい。
【0056】
このようにして、熱特性測定および/または粘度測定は、熱量測定および/または熱飛行時間流速測定(flow velocity measurements)を調整または修正するために使用され、これは、流量センサが較正されているものとは異なる熱拡散率および/または粘度を持つ流体の流速および/または体積流量を流量センサがより正確に決定することを可能にする。したがって、本発明の実施形態または態様は、流体の分配される量(例えば、患者への薬物流体の分配される体積など)のより正確なリアルタイム測定を可能にし得る。
【0057】
ここで
図1Aを参照して、
図1Aは、本明細書中に記載されるデバイス、システム、および/または方法が実施されてもよい例の環境100の図である。
図1に示されるように、環境100は、流量センサ102、流体識別システム110、ネットワーク112、およびリモートシステム114を含む。流量センサ102、流体識別システム110、およびリモートシステム114は、有線接続、無線接続、または有線接続および無線接続の組み合わせを介して、相互接続(例えば、通信するための接続を確立するなど)してもよい。
【0058】
流量センサ102は、流体流路104、第1のセンサ106、および第2のセンサ108を含んでいてもよい。流体流路104は、流体のためのフローチャネルを画定する壁を含んでいてもよい。例えば、流体流路104は、半径Rを有する円筒形流路、正方形断面を持つ流路、長方形断面を持つ流路、および/または同様のものを含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106および/または第2のセンサ108は、流体流路104内に位置する。例えば、第1のセンサ106および/または第2のセンサ108は、流体流路104のフローチャネルを画定する壁の内面に(例えば、フローチャネルの縁などで)接続され得る。第1のセンサ106および第2のセンサ108は、有線接続、無線接続、または有線接続および無線接続の組み合わせを介して相互接続(例えば、通信するための接続を確立するなど)することができる。
【0059】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108は、流体流路104の流体流方向において第1のセンサ106から離間される。例えば、
図1Aに示されるような流体が流体流路104内を左から右に流れる流量センサ102の非限定的な実施形態または態様の実施において、第2のセンサ108は、第1のセンサ106の右に位置していてもよい。例として、流体流路104内の流体は、流体流路104内の流体が第2のセンサ108の上をまたは第2のセンサ108を通り越して流れる前に、第1のセンサ106の上をまたは第1のセンサ106を通り越して流れてもよい。
【0060】
第1のセンサ106は、ネットワーク112を介して第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114から情報を受け取ることおよび/または第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114に情報を通信することができる1つまたは複数のデバイスを含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106は、流体流路104内の流体の熱拡散率および流体流路104内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定するように構成される。
【0061】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106は、流体流路104内の流体の熱拡散率を測定するように構成される熱拡散率測定センサまたはチップを含む。例えば、
図1Bに示されるような流量センサ102の非限定的な実施形態または態様の実施において、第1のセンサ106は、流体流路104に平行な方向に延在する第1の抵抗性温度検出器(RTD)層またはサーモパイルと第2のRTD層またはサーモパイルとの間に流体流路104に平行な方向に延在する抵抗性ヒータ(resistive heater)(RH)層(例えば、第1のRTD層および第2のRTD層から等しく間隔が開けられたRH層など)を含んでいてもよい。例として、第1のセンサ106は、RH層をパルスし(pulse)、変調し(modulate)、または連続的に操作し、およびRTD層またはサーモパイルを用いて温度を感知し(sense)または測定して、流体流路104内の流体の熱拡散率を含む第1の測定値(例えば、熱拡散率を決定するように解釈される信号を提供するための、など)を決定し得る。そのような例において、第1のセンサ106は、第1のセンサ106(例えば、第1のセンサ106のRH層ならびに第1および第2のRTD層、など)が流体の流れに平行に配向されていることに起因する流体流路104内部の実質的に無流(no-flow)の環境に位置していてもよく、これは、流体流路104内の流体の流れが第1のセンサ106の第1および第2のRTD層またはサーモパイルを越えてまたは通り越して熱パルスを運ぶ前に、RH層からの熱パルス(heat pulse)が第1および第2のRTD層またはサーモパイル(thermophiles)に移動しおよび/または第1および第2のRTD層またはサーモパイル(thermophiles)によって検出されることを可能にする。
【0062】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106は、それぞれその全体が参照によって本明細書に組み込まれる非特許文献1、非特許文献2、および非特許文献3に記載されるような非定常熱線(transient hot wire)熱伝導率測定センサ、ブリッジベースのマイクロマシン化センサ、非定常ホットストリップセンサ、および/または同様のもののような流体流路104内の流体の熱拡散率を測定するように構成されるインサイチュ(in situ)流体熱特性測定装置を含む。
【0063】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106は、流体流路104内の流体の粘度を測定するように構成される粘度測定センサまたはチップを含む。例えば、第1のセンサ106は、その全内容が参照によって本明細書に組み込まれる非特許文献4に記載されるようなMEMS粘度測定センサまたはチップを含んでいてもよい。
【0064】
第2のセンサ108は、ネットワーク112を介して第1のセンサ106、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114から情報を受信することおよび/または第1のセンサ106、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114に情報を通信することができる1つまたは複数のデバイスを含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108は、流体流路104内の流体の流体流速および流体流路104内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定するように構成される。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108は、流体の第1のタイプのための第2の測定値を決定するように較正され、および流体流路104内の流体は、流体の第1のタイプとは異なる流体の第2のタイプを含む。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108は、第1のセンサ106からの第1の測定値を受信し、および第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整するように構成される。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106は、第2のセンサ108からの第2の測定値を受信し、および第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整するように構成される。
【0065】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108は、熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間センサまたはチップを含む。例えば、第2のセンサ108は、そのそれぞれの全内容が参照によって本明細書に組み込まれるHuangらの特許文献1に記載されるMEMS飛行時間熱質量流量計および/または非特許文献5に記載されるMEMSデバイスを含んでいてもよい。例として、再び
図1Bを参照して、第2のセンサ108は、流体流路104に垂直な方向に延在する第1のRTD層またはサーモパイルと第2のRTD層またはサーモパイルとの間に流体流路104に垂直な方向に延在するRH層を含んでいてもよい。そのような例において、第2のセンサ108の較正によって、第2のセンサ108は、RH層をパルスし、変調し、または連続的に操作し、およびRTD層またはサーモパイルを用いて温度変化を感知しまたは測定して、流体流路104内の流体の流体流速および流体流路104内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定することができる(例えば、流体流速および/または体積流量等を決定するように解釈される信号を提供するため)。
【0066】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、
図1Bに示されるように、第1のセンサ106におけるRH層と第1のRTD層と第2のRTD層の間の間隔は、第2のセンサ108におけるRH層と第1のRTD層と第2のRTD層の間の間隔よりも小さい。例えば、熱量測定モード流量測定技術機能(flow measurement technology functions)のための本明細書に使用されるような熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間センサまたはチップの使用は、これらの熱量測定センサまたはチップが本明細書に記載されるような実質的にゼロの流量において熱拡散率を測定するのに十分な感度を有することを示す。例として、熱拡散率測定チップとして(例えば、第1のセンサ106として)構成されまたは実装される熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間センサまたはチップは、流速測定チップとして(例えば、第2のセンサ108として)構成されまたは実装される熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間センサまたはチップよりも、RH層とRTD層またはサーモパイルとの間に大幅により小さい間隔を有していてもよい。
【0067】
流体識別システム110は、ネットワーク112を介して第1のセンサ106、第2のセンサ108、および/またはリモートシステム114から情報を受信することおよび/または第1のセンサ106、第2のセンサ108、および/またはリモートシステム114に情報を通信することができる1つまたは複数のデバイスを含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、流体識別システム110は、流体流路104内の流体のタイプを識別しおよび流体流路104内の流体のタイプの識別を提供するように構成される流体識別センサを含む。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、流体識別システム110は、流量センサ102内に組み込まれるかまたは実装される。例えば、流量センサ102は、流体流路104内の流体のタイプを識別しおよび流体流路104内の流体のタイプの識別を提供するように構成される流体識別センサを含んでいてもよい。
【0068】
ネットワーク112は、1つまたは複数の有線および/または無線ネットワークを含んでいてもよい。例えば、ネットワーク112は、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、第3世代(3G)ネットワーク、第4世代(4G)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、等)、公衆地上移動体(public land mobile)ネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、電話網(例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network(PSTN))、プライベートネットワーク、アドホックネットワーク、イントラネット、インターネット、光ファイバーベースのネットワーク、クラウドコンピューティングネットワーク、短距離無線通信(short range communication)ネットワーク(例えば、Bluetooth(商標) ネットワーク、近距離無線通信(near field communication)(NFC)ネットワーク、等)および/または同様のもの、および/またはこれらのまたは他のタイプのネットワークの組み合わせを含んでいてもよい。
【0069】
リモートシステム114は、ネットワーク112を介して第1のセンサ106、第2のセンサ108、および/または流体識別システム110から情報を受信することおよび/または第1のセンサ106、第2のセンサ108、および/または流体識別システム110に情報を通信することができる1つまたは複数のデバイスを含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、リモートシステム114は、リモートシステム114に対してローカルまたはリモートであってもよいデータ記憶装置と通信している。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、リモートシステム114は、データ記憶装置から情報を受信すること、データ記憶装置に情報を記憶すること、データ記憶装置に情報を通信すること、またはデータ記憶装置に記憶された情報を検索することができる。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、リモートシステム114は、第1のセンサ106からの第1の測定値および第2のセンサ108からの第2の測定値を受信しおよび第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整するように構成される。
【0070】
図1Aに示されるデバイスおよびネットワークの数および配置は、例として提供される。
図1Aに示されるものと比べて、付加的なデバイスおよび/またはネットワーク、より少ないデバイスおよび/またはネットワーク、異なるデバイスおよび/またはネットワーク、または異なって配置されるデバイスおよび/またはネットワークがあってもよい。さらに、
図1Aに示される2つ以上のデバイスは、単一のデバイス内部に実装されてもよく、また、
図1A内に示される単一のデバイスは、複数の分散(multiple, distributed)デバイスとして実装されてもよい。付加的に、または代替的に、環境100のデバイスのセット(例えば、1つまたは複数のデバイス)は、環境100のデバイスの別のセットによって実行されるように記載される1または複数の機能(functions)を実行してもよい。
【0071】
ここで
図2を参照して、
図2は、デバイス200の例のコンポーネントの図である。デバイス200は、流量センサ102の1つまたは複数のデバイス、第1のセンサ106の1つまたは複数のデバイス、第2のセンサ108の1つまたは複数のデバイス、流体識別システム110の1つまたは複数のデバイス、および/またはリモートシステム114の1つまたは複数のデバイスに対応してもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、流量センサ102、第1のセンサ106、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114は、少なくとも1つのデバイス200および/またはデバイス200の少なくとも1つのコンポーネントを含み得る。
図2に示されるように、デバイス200は、バス202、プロセッサ204、メモリ206、ストレージコンポーネント208、入力コンポーネント210、出力コンポーネント212、および通信インターフェース(communication interface)214を含んでいてもよい。
【0072】
バス202は、デバイス200のコンポーネント間の通信を可能にするコンポーネントを含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、プロセッサ204は、ハードウエア、ファームウエア、またはハードウエアおよびソフトウエアの組み合わせに実装されていてもよい。例えば、プロセッサ204は、機能を実行するようにプログラムされ得る、プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、加速処理装置(APU)、等)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または任意の処理(processing)コンポーネント(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、アプリケーション固有の集積回路(ASIC)、等)を含んでいてもよい。メモリ206は、プロセッサ204による使用のための情報および/または命令を記憶する、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、および/または別のタイプの動的または静的記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、光モリ、等)を含んでいてもよい。
【0073】
ストレージコンポーネント208は、デバイス200の動作および使用に関連する情報および/またはソフトウエアを格納していてもよい。例えば、ストレージコンポーネント208は、ハードディスク(例えば、磁気ディスク、光ディスク、磁気光学ディスク、ソリッドステートディスク、等)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ、および/または別のタイプのコンピュータ可読媒体を、対応するドライブと共に、含んでいてもよい。
【0074】
入力コンポーネント210は、デバイス200が、例えばユーザ入力(例えば、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、マイクロフォン、等)を介して情報を受信することを可能とするコンポーネントを含んでいてもよい。付加的に、または代替的に、入力コンポーネント210は、情報を感知するためのセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS)コンポーネント、加速度計、ジャイロスコープ、アクチュエータ、等)を含んでいてもよい。出力コンポーネント212は、デバイス200からの出力情報を提供するコンポーネント(例えば、ディスプレイ、スピーカー、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)、等)を含んでいてもよい。
【0075】
通信インターフェース214は、デバイス200が、例えば、有線接続、無線接続、または有線接続および無線接続の組み合わせを介して他のデバイスと通信することを可能にする、トランシーバーのようなコンポーネント(例えば、トランシーバー、別個の受信機および送信機、等)を含んでいてもよい。通信インターフェース214は、デバイス200が別のデバイスからの情報を受信しおよび/または別のデバイスに情報を提供することを可能にしてもよい。例えば、通信インターフェース214は、Ethernet(登録商標)インターフェース、光インターフェース、同軸インターフェース、赤外線インターフェース、無線周波数(RF)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、Wi-Fi(登録商標)インターフェース、セルラーネットワークインターフェース、および/または同様のものを含んでいてもよい。
【0076】
デバイス200は、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセスを実行してもよい。デバイス200は、メモリ206および/またはストレージコンポーネント208のようなコンピュータ可読媒体によって記憶されたソフトウエア命令を実行するプロセッサ204に基づいてこれらのプロセスを実行してもよい。コンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)は、本明細書において、非一時的メモリデバイスとして定義される。メモリデバイスは、単一の物理記憶装置の内側に位置するメモリスペースまたは複数の物理記憶装置にまたがるメモリスペースを含む。
【0077】
ソフトウエア命令は、別のコンピュータ可読媒体からまたは通信インターフェース214を介して別のデバイスからメモリ206および/またはストレージコンポーネント208に読み込まれてもよい。実行されるとき、メモリ206および/またはストレージコンポーネント208に記憶されたソフトウエア命令は、プロセッサ204に、本明細書に記載の1つまたは複数のプロセスを実行させることができる。付加的に、または代替的に、ハードワイヤード回路は、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセスを実行するために、ソフトウエア命令の代わりにまたはソフトウエア命令と組み合わせて使用されてもよい。したがって、本明細書に記載される実施形態または態様は、ハードウエア回路およびソフトウエアの何らかの特定の組み合わせに限定されない。
【0078】
図2に示されるコンポーネントの数および配置は、例として提供される。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、デバイス200は、
図2に示されるものと比べて付加的なコンポーネント、より少ないコンポーネント、異なるコンポーネン、または異なって配置されるコンポーネントを含んでいてもよい。付加的に、または代替的に、デバイス200のコンポーネントのセット(例えば、1つまたは複数のコンポーネント)は、デバイス200のコンポーネントの別のセットによって実行されると説明される1つまたは複数の機能を実行してもよい。
【0079】
ここで
図3を参照して、
図3は、流体流測定を調整するためのプロセス300の非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、プロセス300のステップのうちの1つまたは複数は、流量センサ102(例えば、流量センサ102の1つまたは複数のデバイス、第1のセンサ106、第2のセンサ108、および/または同様のもの)によって(例えば、完全に、部分的に、等)実行されてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、プロセス300のステップのうちの1つまたは複数は、流体識別システム110(例えば、流体識別システム110の1つまたは複数のデバイス)および/またはリモートシステム114(例えば、リモートシステム114の1つまたは複数のデバイス)のような、別のデバイスまたは流量センサ102とは別のまたは流量センサ102を含むデバイスの群によって(例えば、完全に、部分的に、等)実行されてもよい。
【0080】
図3に示されるように、ステップ302において、プロセス300は、流量センサの流体流路内に流体を受け入れる工程を含む。例えば、流量センサ102は、流体流路104内に流体を受け入れる。例として、流体流路内の流体は、薬物流体、静脈療法流体、血液、および/または同様のものを含んでいてもよい。
【0081】
図3にさらに示されるように、ステップ304において、プロセス300は、流体流路内の流体の熱拡散率および流体流路内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定する工程を含む。例えば、第1のセンサ106は、流体流路104内の流体の熱拡散率および流体流路104内の流体の粘度のうちの少なくとも1つの第1の測定値を決定する。例として、第1のセンサ106は、流体流路104内の流体の熱拡散率および流体流路104内の流体の粘度のうちの少なくとも1つを感知または測定する。
【0082】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106は、熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間センサまたはチップの較正のための関連パラメータである、流体流路104内の流体の熱拡散率を測定する。流体の熱拡散率は、以下の方程式(1)によって定義されてもよい。
α=k/ρ×Cp (1)
式中、k=熱伝導率(例えば、W/m K)、ρ=密度(例えば、kg/m3)、およびCp=比熱容量(例えば、J/kg K)である。例えば、熱流量センサの精度に与える熱拡散率の変動の影響のモデルは、その全内容が参照によって本明細書に組み込まれる非特許文献6(以降、「Bindels」)に記載される。
【0083】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサは、熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間センサまたはチップの較正のための関連パラメータである、流体流路104内の流体の粘度を測定する。流体の粘度は、本明細書において以下に
図1Cに関してより詳細に記載されるように定義されてもよい。例えば、熱流量センサの精度に影響を与える粘度の変動のモデルは、Bindelsに記載される。
【0084】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106は、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114に第1の測定値を提供し、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114は、第1のセンサ106から第1の測定値を受信する。
【0085】
図3にさらに示されるように、ステップ306において、プロセス300は、流体流路内の流体の流体流速および流体流路内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定する工程を含む。例えば、第2のセンサ108は、流体流路104内の流体の流体流速および流体流路104内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つの第2の測定値を決定する。例として、第2のセンサ108は、流体流路104内の流体の流体流速および流体流路104内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つを感知または測定する。
【0086】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2の測定値を決定する工程は、第2のセンサ108の熱量測定モードおよび第2のセンサ108の熱飛行時間モードのうちの少なくとも1つに基づく。例えば、第2のセンサ108は、熱量測定モード(例えば、熱量測定および/または特性を使用する工程等)および熱飛行時間モード(例えば、熱飛行時間および/または特性を使用する工程等)のうちの少なくとも1つにおいて、流体流路104内の流体の流体流速および流体流路104内の流体の体積流量のうちの少なくとも1つを測定する。
【0087】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108は、第1のセンサ106、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114に第2の測定値を提供し、および第1のセンサ106、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114は、第2のセンサ108からの第2の測定値を受信する。
【0088】
図3にさらに示されるように、ステップ308において、プロセス300は、第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整する工程を含む。例えば、第1のセンサ106、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114は、第1の測定値に基づいて第2の測定値を調整する。例として、第1のセンサ106、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114は、第1の測定値に基づいて、リアルタイムで(例えば、そこから第1の測定値および第2の測定値が決定される流体流路104内の流体の流れの間、等) 第2の測定値を調整する。
【0089】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108の較正精度(例えば、第2のセンサ108による流量測定の精度、等)は、流体流路104内の流体(例えば、テスト中の流体、等)と第2のセンサ108がそれを用いて較正される特定の流体との間の熱拡散率および粘度の差によってさまざまな度合いで影響を受ける。例として、第2のセンサ108が特定の流体(例えば、水、薬物流体の第1のタイプ、等)を用いて流量測定のために較正され、および異なる流体(例えば、薬物流体、薬物流体の異なるタイプ、等)の流量測定が所望されまたは実行される場合、第2のセンサ108の流量測定較正は、第2のセンサ108によって測定される流体流路104内の流体の流体流速測定値および/または体積流量測定値を調整または修正するために第1のセンサ106によって測定される流体流路104内の流体の熱拡散率測定値および/または粘度測定値を使用することによって調整または修正され得る。そのような例において、第2のセンサ108による第2の測定値は、流体流路104内の流体の熱拡散率 (例えば、テスト中の流体、等)および流体流路104内の流体の粘度 (例えば、テスト中の流体、等)の内の少なくとも1つの特定の較正流体の熱拡散率および特定の較正流体の粘度のうちの少なくとも1つに対する比に基づいて、調整され得る。
【0090】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108によって測定される流体流路104内の流体の流体流速および/または流体流路104内の流体の体積流量は、そのそれぞれが参照によってその全体が本明細書に組み込まれる非特許文献7、非特許文献8、および非特許文献9に記載されるような熱量測定またはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間流量センサによって測定される流量測定に及ぼされる流体の熱特性の影響の1つまたは複数の理論モデルに基づいて、調整されまたは修正される。例えば、流量測定に及ぼされる流体の熱特性の影響のこれら記載されるモデルのうちの1つまたは複数は、流体流路104内の流体(例えば、テスト中の流体)の熱拡散率(および/または 熱伝導率)の第2のセンサ108がそれのために較正される特定の流体の熱拡散率(および/または熱伝導率)に対する比に基づいて、第2のセンサ108からの第2の測定値の調整または修正(例えば、第2のセンサ108から受信される体積流量測定値に対する調整または修正、第2の測定値を決定および/または処理するために使用される第2のセンサ108の流量センサファームウエア/ソフトウエアの調整または修正、等)を実施するために適用され得る。そのような例において、第2のセンサ108によって測定される流体流路104内の流体の流体流速および/または流体流路104内の流体の体積流量を調整するために適用され得る熱量測定および熱飛行時間型流量センサの流量測定プロセスに与える流体の物理的特性の影響は、その全内容が参照によって本明細書に組み込まれる非特許文献10(以降、「Kuo」)の第2.1.2章および第2.1.3章に記載される。いくつかの非限定的な実施形態において、Kuoの第2.1.2章に記載される熱量測定流量センサに関する粘度の機能である境界層厚さの影響は、第2のセンサ108によって測定される流体流路104内の流体の流体流速および/または流体流路104内の流体の体積流量を調整するために適用され得る。
【0091】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108によって測定される流体流路104内の流体の流体流速および/または流体流路104内の流体の体積流量は、第1のセンサ106によって測定される流体流路104内の流体(例えば、テスト中の流体)の粘度に基づいて、第2のセンサ108による第2の測定値の調整または修正(例えば、第2のセンサ108から受信される体積流量測定値に対する調整または修正、第2のセンサ108の流量センサファームウエア/ソフトウエアにおける調整または修正、等)を実施するために適用される1つまたは複数の流体力学原理に基づいて調整されまたは修正される。例えば、熱流量センサ(例えば、熱量測定および/または熱飛行時間型流量センサ、等)のような第2のセンサ108は、フローチャネル(これは円筒形または正方形、長方形または他の断面であってもよい)の中心から比較的遠い点で流速を測定しおよび特定の較正流体のために実行される較正を介して体積流量を提供してもよい。例として、円筒形流路内で完全に発達した層流のより単純な場合において、
図1Cに示されおよび以下に本明細書により詳細に論じられるように、層流速度プロファイルは、フローチャネルまたは「パイプ(pipe)」(例えば、フローセンシングの円筒形流量センサの領域、等)の中心からの半径方向位置の放物線関数(parabolic function)であり、および流量センサMEMSチップ表面の位置における流速、平均(mean)および最大流速、ならびに体積流量は、流体の粘度によって線形に関連付けられる。したがって、センサがそれのために較正されるもの以外の流体の体積流量が所望されまたは測定されるとき、MEMS粘度センサ(例えば、第1のセンサ106、等)から測定される粘度は、測定される流体と
図1Cに関して以下に定義される方程式による較正流体との粘度比を介して流量センサ(例えば、第2のセンサ108、等)によって体積流量測定値を線形に調整するために使用され得る。
【0092】
ここで
図1Cを参照して、
図1Cは、
図1Aの流量センサの流体流路における理想的な放射線状の層流の速度プロファイルの非限定的な実施形態または態様の図である。
図1Cに示されるように、理想的な放射線状の層流の速度プロファイルは、半径Rのパイプまたはチュービングにおいて(例えば、円筒形流路において)充分に発達した層流内に存在してもよい。第2のセンサ108は、ラジアル位置r=Rsensorで第2のセンサ108の表面で流速を測定するように構成されていてもよい。滑りなし(no-slip)速度条件のために、第2のセンサ108は、流体流路104の壁と同一平面上になってはならない。ラジアル位置r=Rsensorで第2のセンサ108で測定される流速V(Rsensor)は、r=0で観察される最大流速Vmax=V(0)およびパイプまたはチュービングを通る体積流量に相関させられ得る。半径Rのパイプ内の完全に発達した層流に関する流速プロファイルは、以下の方程式(2)により定義され得る。
V(r)=Vmax[1-(r/R)
2] (2)
式中、Vmax=2×Vavg、Vavg=層流の平均(average)流速 、Vmax=「(パイプの長さLに沿った圧力降下)×R2/4×(粘度)×(L)およびは層流の中心線速度であり、および半径Rのパイプ内の完全に発達した層流に関する体積流量Qは、によれば以下の方程式(3)によって定義され得る。
Q=(π)×R2×Vmax/2 (3)
【0093】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108(例えば、MEMS熱流量センサチップ、等)が層流がそこで完全には発達していない流体流路104の領域または帯域内(例えば、速度境界層が存在する入口長さ領域内部、等)に位置する場合、測定された流体粘度、MEMS熱流量センサチップの表面で測定された流速、および流量センサがその較正に基づいて流体流路104を通って流れる流体とは異なる粘度の流体を用いて計算する体積流量に関連する体積流量に対する調整または修正間の数学上の関係は、
図1Cに関連して本明細書に記載される理想的な層流の場合よりも複雑であるが、粘度測定に基づく調整または修正機構の概念は、同様であり、および簡略にするために本明細書に詳細には記載されない。
【0094】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2のセンサ108によって測定される流体流路104内の流体の流体流速および/または流体流路104内の流体の体積流量は、第1のセンサ106による熱特性測定および第1のセンサ106による粘度測定の組み合わせに基づいて調整されまたは修正される。例えば、第1のセンサ106は、熱特性MEMSチップおよび粘度測定MEMSチップを含んでいてもよい。例として、第2のセンサ108によって測定される流体流路104内の流体の流体流速および/または流体流路104内の流体の体積流量は、テスト中の流体と本明細書に記載されるような較正流体との間の熱拡散率比および粘度比および/またはKuoに記載されるような熱量測定および/または熱飛行時間センサの流量測定プロセスに及ぼす流体の物理的特性の影響の1つまたは複数のモデルに基づいて調整されまたは修正され得る。
【0095】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2の測定値を調整する工程は、第2のセンサ108を、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱飛行時間モードのみに基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程を含む。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第2の測定値を調整する工程は、第2のセンサ108を、第1の測定値に基づいて、(i)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードのうちの1つのみに基づいて第2の測定値を決定する工程と(ii)熱量測定モードおよび熱飛行時間モードの各々に基づいて第2の測定値を決定する工程との間で切り替えるように制御する工程を含む。例えば、流体の測定された熱特性および/または流体の測定された粘度は、一度に流速測定を決定するためにまたは流量センサ102を通過するより正確な流速および体積流量を計算するやり方でこれら2つのモードから情報を組み合わせるためにこれらのモードのうちの1つのみが使用される場合に、デュアルモードセンサのための熱量測定モードの利用から熱飛行時間モードの利用に切り替えるのに適切な時点を決定するために使用され得る。切り替えポイント(switch point)および/または体積流量調整または修正の決定は、体積流量測定値(熱量測定のみモード流量センサまたはデュアルモード熱量測定/熱飛行時間熱流量センサのいずれかの)、およびデュアルモード熱流量センサに関する熱量測定モードと熱飛行時間モードとの間の最適な切り替えポイントに及ぼす流量センサ較正流体の熱拡散率(および/または熱伝導率)に対するテスト中の流体の熱拡散率(および/または熱伝導率)および/または流量センサ較正流体の粘度に対するテスト中の流体の粘度間の差の影響の経験的データ/測定に基づき得る。
【0096】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、流量センサ102および/またはリモートシステム114は、出力コンポーネント212を介して(例えば、調整された第2の測定値のディスプレイ等を介して)出力として調整されたデータを提供し、ここで、調整されたデータは、調整された第2の測定値に基づく。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、第1のセンサ106、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114は、調整された第2の測定値に基づいて、流量センサ102へのおよび/または流量センサ102からの(および/またはそれを通って患者へおよび/または患者から流体が流れる別の流体送達デバイスへのおよび/または別の流体送達デバイスからの、等)流体の送達を制御する。
例えば、第1のセンサ106、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114は、調整された第2の測定値に基づいて流体流路104内の流体の流れを変更するように、1つまたは複数のバルブおよび/または1つまたは複数の流体送達ポンプを制御する。
【0097】
プロセス300のステップ308に関するさらなる詳細は、
図4に関連して以下に提供される。
【0098】
ここで
図4を参照して、
図4は、流体流測定値を調整するためのプロセス400の非限定的な実施形態または態様のフローチャートである。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、プロセス400のステップのうちの1つまたは複数は、流量センサ102(例えば、流量センサ102の1つまたは複数のデバイス、第1のセンサ106、第2のセンサ108、および/または同様のもの)によって(例えば、完全に、部分的に、等)実行されてもよい。いくつかの非限定的な実施形態または態様において、プロセス400のステップのうちの1つまたは複数は、流体識別システム110(例えば、流体識別システム110の1つまたは複数のデバイス)および/またはリモートシステム114(例えば、リモートシステム114の1つまたは複数のデバイス)のような、別のデバイスまたは流量センサ102とは別のまたは流量センサ102を含むデバイスの群によって(例えば、完全に、部分的に、等)実行されてもよい。
【0099】
図4に示されるように、ステップ402において、プロセス400は、流体流路内に受け入れられることとなる流体のタイプの識別を受け取ることを含む。例えば、第1のセンサ106、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/または遠隔システム114は、流体流路104内に受け入れられることとなる流体のタイプの識別を受け取る。
【0100】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、識別は、調整係数に関連付けられている。例えば、調整係数は、識別される流体のタイプに関する第2のセンサ108によって測定される流体流路104内の流体の流体流速および/または流体流路104内の流体の体積流量に適用される所定の調整または修正を含んでいてもよい。例として、調整係数は、流量センサ102内の流体の識別されたタイプの測定のための以前の経験に基づくまたは理論的な計算/モデリングに基づく決定に基づいていてもよい。
【0101】
いくつかの非限定的な実施形態または態様において、流体識別システム110は、流体流路104内に受け入れられるべきおよび/または現在流体流路104内の流体のタイプを識別し、および流体のタイプの識別を第1のセンサ106、第2のセンサ108、および/またはリモートシステム114に提供する。
【0102】
図4にさらに示されるように。ステップ404において、プロセス400は、第1の測定に基づいて、流体流路内の流体のタイプの変化を決定する工程を含む。例えば、第1のセンサ106、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/または遠隔システム114は、第1の測定に基づいて、流体流路104内の流体のタイプの変化を決定する。例として、流量センサ102は、流量センサ102を通過する流体の複数の異なるタイプを用いて動的な方法で使用され得、および第1のセンサ106による熱拡散率測定および/または粘度測定(例えば、1つまたは複数の閾値を満足する熱拡散率測定値および/または粘度測定値の変化、等)は、異なるまたは新しい流体が流体流路104(例えば、第2のセンサ108を含む流体流路104のフローセンシングエリアまたは領域、等)に入ったことを決定するために使用され得る。そのような例において、異なるまたは新しい流体のための調整係数に関連する識別は、流量センサ102に流体流路内の流体のタイプの変化が起きようとしていることを警告するために使用され得、および第1のセンサ106からの測定された熱拡散率変化(および/または熱伝導率変化)および/または測定された粘度変化は、異なるまたは新しい流体の流体前面が流体流路104(例えば、フローセンシングエリアまたは領域、等)に入った特定の時点を識別するために流量センサ102によって使用され得る。
【0103】
図4にさらに示されるように、ステップ406において、プロセス400は、流体流路内の流体のタイプの変化を決定する工程に応答して、調整係数に基づいて第2の測定値を調整する工程を含む。例えば、第1のセンサ106、第2のセンサ108、流体識別システム110、および/またはリモートシステム114は、流体流路104内の流体のタイプの変化を決定する工程に応答して、調整係数に基づいて第2の測定値を調整する。例として、第1のセンサ106から測定された熱拡散率変化(および/または熱伝導率変化)および/または測定された粘度変化に応答して、第2のセンサ108は、流体流路104に入った新しいまたは異なる流体に対して、新しいまたは異なる流体に関連する調整係数に基づいて、適切な経験的および/または理論的体積流量測定値の調整または修正を適用し得る。そのような例において、第2のセンサ108(例えば、デュアルモード熱量測定/熱飛行時間流量センサ、等)は、体積流量測定値性能(例えば、流量測定の精度、流量測定の応答時間、等)を最大化または最適化するために、異なる熱拡散率および/または異なる粘度の流体に関して、熱量測定操作モードと熱飛行時間操作モードとの間に異なる最適切り替えポイントを有していてもよい。例として、熱拡散率測定および/または粘度測定は、その熱最適流量センサ測定モード切り替えポイントはその特定の流体(例えば、正確な流体識別が知られている場合)に関しまたはその特定の熱拡散率(および/または熱伝導率)および/または粘度の流体に関するであろうといった以前の経験に基づくまたは理論的な計算/モデリングに基づく決定から、第2のセンサ108に関する新しいまたは異なる流体のための熱量測定/飛行時間モード切り替えポイントを決定するために、調整係数と組み合わせられ得る。
【0104】
本発明は、最も実用的でおよび好ましい実施形態または態様であると現在考えられていることに基づいて例示の目的のために詳細に説明されたが、そのような詳細は単にその目的のためであり、および、本発明は、開示された実施形態または態様に限定されないが、逆に、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にある修正および同等の配置を包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な範囲で、任意の実施形態または態様の1つまたは複数の特徴が、任意の他の実施形態または態様の1つまたは複数の特徴と組み合わせられ得ることを企図していることを理解されよう。