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特開2023-89107ツインスクリュー圧縮機用スライドバルブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089107
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】ツインスクリュー圧縮機用スライドバルブ
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/16 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
F04C18/16 P
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023064061
(22)【出願日】2023-04-11
(62)【分割の表示】P 2020517832の分割
【原出願日】2018-09-26
(31)【優先権主張番号】201721291991.9
(32)【優先日】2017-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518097707
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ エアー・コンディショニング・アンド・リフリジェレーション (ウーシー) カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521301840
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・タイコ・アイピー・ホールディングス・エルエルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,シェンメイ
(72)【発明者】
【氏名】マリク,シャヘバズ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】振動及び騒音が軽減されるツインスクリュー圧縮機を提供する、
【解決手段】スライドバルブを提供し、スライドバルブは、ツインスクリュー圧縮機の負荷を調節するように構成される。スライドバルブは、スライドバルブ本体を含み、スライドバルブ本体は、連結端及び自由端を有する。連結端は、ツインスクリュー圧縮機のスライドバルブ連接棒に連結するように構成され、スライドバルブは、スライドバルブ連接棒によってスライドするように駆動される。キャビティが、スライドバルブ本体の自由端に形成され、スライドバルブは、キャビティを外部流体に流体的に結合してツインスクリュー圧縮機の吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される通路を有し、それによって、ツインスクリュー圧縮機内の全体的な空気流脈動を減少させる。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツインスクリュー圧縮機(90)の負荷を調節するように構成されるスライドバルブ(100)であって、
前記スライドバルブ(100)のスライドバルブ本体(201)であって、前記スライドバルブ本体(201)が、連結端(204)及び自由端(205)を有し、前記連結端(204)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)のスライドバルブ連接棒(102)に連結するように構成され、前記スライドバルブ(100)が、前記スライドバルブ連接棒(102)によって駆動されるように構成され、キャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成され、前記スライドバルブ本体(201)内に延び、前記スライドバルブ(100)が、前記キャビティ(220)を外部流体に流体的に結合して前記ツインスクリュー圧縮機(90)の吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される少なくとも1つの通路(221)を有する、前記スライドバルブ本体(201)を備える、スライドバルブ(100)。
【請求項2】
前記キャビティ(220)が、単一キャビティ(220)を含み、前記スライドバルブ(100)が、前記自由端(205)の端面(224)上にカバー(223)を有し、前記カバー(223)が、複数の穴(229)を有し、前記複数の穴(229)が、前記少なくとも1つの通路(221)を含む複数の通路(221)を形成するように、前記単一キャビティ(220)に流体的に連結される、請求項1に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項3】
前記複数の穴(229)の各穴(229)が、円形であり、前記複数の穴(229)の各穴(229)が、同一サイズである、請求項2に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項4】
前記キャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成される複数のキャビティ(320)のうちの1つであり、前記複数のキャビティ(320)の各キャビティ(320)が、独自の単一通路(321)を有する、請求項1に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項5】
前記キャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成される複数のキャビティ(320)のうちの1つであり、前記複数のキャビティ(320)が、キャビティ(320)の第1のセットを含み、前記キャビティ(320)の第1のセットの各キャビティ(320)が、単一通路(321)を有し、前記複数のキャビティ(320)が、第2のキャビティ(3201)を含み、前記第2のキャビティ(3201)が、前記キャビティ(320)の第1のセット内になく、前記第2のキャビティ(3201)が、複数の通路(3211.1、3211.2)を有する、請求項1に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項6】
ツインスクリュー圧縮機(90)の負荷を調節するように構成されるスライドバルブ(100)であって、
前記スライドバルブ(100)のスライドバルブ本体(401)であって、前記スライドバルブ本体(401)が、連結端(404)及び自由端(405)を有し、前記連結端(404)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)のスライドバルブ連接棒(102)に連結して、前記ツインスクリュー圧縮機(90)内のスライド運動において前記スライドバルブ(100)を駆動するように構成され、前記スライドバルブ本体(401)の前記自由端(405)が、前記自由端(405)から離れる方へ延びる自由端延長部(408)を有し、前記キャビティ(420)が、前記自由端延長部(408)に形成され、前記スライドバルブ(100)が、前記キャビティ(420)を外部流体に流体的に結合して前記ツインスクリュー圧縮機(90)の吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される通路(421)を有する、前記スライドバルブ本体(401)を備える、スライドバル
ブ。
【請求項7】
前記自由端延長部(408)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)の部分負荷において追加支持を提供するように構成される、請求項6に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項8】
前記自由端延長部(408)が、前記自由端延長部(408)の表面(410)に形成される穴(429)を有し、前記穴(429)が、前記通路(421)及び追加通路(421)を形成するように前記キャビティ(420)に連結される、請求項6に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項9】
前記穴(429)が、前記自由端延長部(408)の外側面(411)に形成される、請求項8に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項10】
段差面(410)が形成されるように、前記自由端延長部(408)の上端(409)が、前記自由端(405)の上端(431、432)からオフセットされ、前記穴(429)が、前記段差面(410)に形成される、請求項8に記載のスライドバルブ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、圧縮機の分野に関し、特に、ツインスクリュー圧縮機用スライドバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
スライドバルブは、ツインスクリュー圧縮機の負荷調節を可能にする重要な構成要素である。スライドバルブの位置をツインスクリュー圧縮機のスクリューロータの軸方向に動かすことによって、スクリューロータの有効作動長が、ツインスクリュー圧縮機によって送られる空気量を調節するように変化され得る。
【0003】
ツインスクリュー圧縮機のスクリューロータの係合によって、不連続な歯間体積が形成され得る。それによって、ツインスクリュー圧縮機の吸入キャビティ及び排気キャビティが、ツインスクリュー圧縮機の作動キャビティに周期的に連結され得る。その結果、冷却媒体流体が、ツインスクリュー圧縮機を通して一定せずに流れ得る。それによって、吸入及び排気の間、空気流脈動が引き起こされ得る。ツインスクリュー圧縮機の吸入側及び排気側の空気流脈動は、ツインスクリュー圧縮機の動作中に振動及び騒音を引き起こし得る。したがって、ツインスクリュー圧縮機の空気流脈動を減少させることが望ましい。
【0004】
ツインスクリュー圧縮機の特性のために、流体圧力脈動は、ツインスクリュー圧縮機の吸入側及び排気側の両方に存在し、脈動のエネルギーは、圧縮機内の流体の音響負荷に相関し得る。現在、排気脈動を抑制するための多くの技術が、スライドバルブ構造の構築に反映されているが、スライドバルブの構造は、空気流脈動のエネルギーを減衰させるため、圧縮機内の全体的な圧力脈動レベルを低下させるため、又は圧縮機の振動及び騒音を軽減するための、圧縮機の吸入側の脈動減衰設計を構築するために効果的に利用されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した問題を解決するために、本開示の目的は、ツインスクリュー圧縮機用スライドバルブを提供することである。吸入側の空気流脈動を減少させるためにツインスクリュー圧縮機の吸入側の空気流のエネルギーを減衰させることによって、全体的な空気流脈動レベルが低下し、ツインスクリュー圧縮機の振動及び騒音が軽減される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、第1の態様において、本開示は、ツインスクリュー圧縮機の負荷を調節するように構成されるスライドバルブを提供する。
【0007】
スライドバルブは、スライドバルブ本体を含み、スライドバルブ本体は、連結端及び自由端を有する。連結端は、スライドバルブ連接棒に連結するように構成され、スライドバルブは、スライドバルブ連接棒によってツインスクリュー圧縮機内でスライドするように駆動される。キャビティが、スライドバルブ本体の自由端に形成され、スライドバルブは、キャビティを外部流体に流体的に連結してツインスクリュー圧縮機の吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される少なくとも1つの通路を有する。
【0008】
本実施形態によれば、1つのキャビティが自由端に形成され、スライドバルブは、自由端の端面上にカバーを有する。カバーは、複数の穴を有しており、複数の穴が、複数の通路を形成するようにキャビティに連結される。
【0009】
本実施形態によれば、複数の穴の各穴は、円形であり、各穴は、同一サイズである。
【0010】
本実施形態によれば、複数のキャビティは、自由端に形成され、複数のキャビティの各キャビティは、独自の通路を有する。
【0011】
本実施形態によれば、複数のキャビティは、自由端に形成され、複数のキャビティの第1のセットは、それぞれ1つの通路を有し、複数のキャビティの少なくとも1つのキャビティは、複数の通路を有する。
【0012】
第2の態様において、本開示は、ツインスクリュー圧縮機の負荷を調節するように構成されるスライドバルブを提供する。スライドバルブは、スライドバルブ本体を含み、スライドバルブ本体は、連結端及び自由端を有する。連結端は、スライドバルブ連接棒に連結して、ツインスクリュー圧縮機内でスライドするためにスライドバルブを駆動するように構成される。スライドバルブ本体の自由端は、自由端から離れる方へ延びる自由端延長部を有する。自由端延長部は、その中に形成されたキャビティを有し、スライドバルブは、キャビティを外部流体と流体的に連結してツインスクリュー圧縮機の吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される通路を有する。
【0013】
本実施形態によれば、自由端延長部は、ツインスクリュー圧縮機の部分負荷において追加支持を提供するように構成される。
【0014】
本実施形態によれば、自由端延長部は、自由端延長部の表面に穴を有し、穴は、通路を形成するようにキャビティに連結される。
【0015】
本実施形態によれば、穴は、自由端延長部の外側面に提供される。
【0016】
本実施形態によれば、段差面が形成されるように、自由端延長部の上端は、自由端の上端からオフセットされ、穴が、段差面に形成される。
【0017】
第3の態様では、本開示は、ツインスクリュー圧縮機を提供し、ツインスクリュー圧縮機は、上記態様のいずれかにおいて説明されたスライドバルブを使用するように構成される。
【0018】
前述のスライドバルブの構造に基づいて、ツインスクリュー圧縮機の負荷を調節するスライドバルブの機能は、本開示のスライドバルブに確保される。さらに、流体脈動減衰構造は、外部流体に連結するように構成されるスライドバルブ本体内にキャビティを提供することによって形成され、それによって、ツインスクリュー圧縮機の吸入側の空気流脈動のエネルギーが減少され、ツインスクリュー圧縮機内の全体的な空気流脈動が減少され、ツインスクリュー圧縮機の振動及び騒音が軽減され、様々な負荷におけるツインスクリュー圧縮機の動作信頼性が改善される。さらに、本開示の構造は単純であり、追加の減衰デバイスは使用されず、余分な圧力損失が生じない。
【0019】
これらの及び他の本開示の特性及び利点が、図面を参照して以下の説明を読むことによって、より良く理解され得る。全ての図面において、同一の参照番号は、同一の構成要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】スライドバルブがスクリューロータの下に提供されるツインスクリュー圧縮機の、スクリューロータの長手方向の断面図である。
図1B】スクリューロータの長手方向のツインスクリュー圧縮機の部分断面図であり、最大負荷のスライドバルブの位置(スクリューロータの上)を示す。
図1C】スクリューロータの長手方向のツインスクリュー圧縮機の部分断面図であり、部分負荷のスライドバルブの位置(スクリューロータの上)を示す。
図1D図1Bの直線D-Dに沿って取られた図1Bに示される実施形態の断面図であり、ツインスクリュー圧縮機のスライドバルブとスクリューロータとの間の位置関係を示す。
図2A】本開示の1つの実施形態におけるスライドバルブ本体の斜視図である。
図2B図2Aの直線A-Aに沿って取られた図2Aに示されるスライドバルブ本体の実施形態の断面図である。
図3A】本開示の別の実施形態のスライドバルブ本体の斜視図である。
図3B図3Aの直線B-Bに沿って取られた図3Aに示されるスライドバルブ本体の実施形態の断面図である。
図3C図3Aの直線B-Bに沿って取られた図3Aに示されるスライドバルブ本体の実施形態の断面図である。
図4A】本開示の第3の実施形態のスライドバルブ本体の斜視図である。
図4B図4Aの直線C-Cに沿って取られた図4Aに示されるスライドバルブ本体の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本開示の一部を構成する図面を参照して、本開示の様々な特定の実施モードを説明する。「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、及び「右」などの方向を示す用語が、本開示の様々な例示の構造部品及び構成要素を説明するために本開示において使用されているが、これらの用語は、単に例示の便宜上のために使用され、図面内の例示の方向に基づいて決定されると理解されるべきである。本開示において開示される実施形態は、異なる方向で設定され得るため、方向を示すこれらの用語は、限定ではなく例示のためにのみ使用される。以下の図面において、同一の構成要素は、同一の参照番号を使用し、類似の構成要素は、説明の繰り返しを避けるために、類似の参照番号を使用する。
【0022】
図1Aは、スクリューロータ(92)の長手方向のツインスクリュー圧縮機(90)の断面図であり、スライドバルブ(100)は、スクリューロータ(92)の下に提供される。しかしながら、スライドバルブ(100)は、図1B及び図1Cに示されるように、スクリューロータ(92)の上に提供されてもよい。
【0023】
図1Bは、スクリューロータ(92)の長手方向のツインスクリュー圧縮機(90)の部分断面図であり、最大負荷のスライドバルブ(100)の位置を示す。図1Cは、スクリューロータ(92)の長手方向のツインスクリュー圧縮機(90)の部分断面図であり、部分負荷のスライドバルブ(100)の位置を示す。図1B及び図1Cに示されるように、本開示のスライドバルブ(100)は、ツインスクリュー圧縮機(90)において使用され、スライドバルブ本体(101)と、スライドバルブ本体(101)の連結端に連結されるスライドバルブ連接棒(102)と、スライドバルブ本体(101)上に配置されるばね(106)と、スライドバルブ連接棒(102)の端に連結されるピストン(103)と、を含む。還気通路(109)が、スライドバルブ本体(101)と圧縮機(90)のシリンダとの間に形成され得るように、スライドバルブ連接棒(102)は、スライドバルブスロット(190)内でスライドするようにスライドバルブ本体(101)を駆動し得る。したがって、ツインスクリュー圧縮機(90)のスクリューロータ(92)の有効作動長は、スライドバルブスロット(190)内のスライドバルブ本体(101)の位置を調整することによって、ツインスクリュー圧縮機(90)の負荷を調節するように調整され得る。図1Bは、最大負荷のツインスクリュー圧縮機(90)内のスライドバルブ(100)の位置を示し、スライドバルブ本体(101)は、スライドバルブスロット(190)内に完全に位置し、スライドバルブスロット(190)は、スライドバルブ本体(101)によって完全に満たされ、それによって、ツインスクリュー圧縮機(90)の吸入側(107)から吸い込まれた冷却媒体蒸気が完全に圧縮され、吐出される。図1Cは、部分負荷のツインスクリュー圧縮機(92)内のスライドバルブ(100)の位置を示し、スライドバルブ本体(101)の一部が、スライドバルブスロット(190)内に位置し、それによって、スライドバルブスロット(190)が還気通路(109)を形成し、吸入側(107)から吸い込まれた冷却媒体蒸気の一部が、圧縮されず、その代わりに還気通路(109)を介して吸入側(107)に戻る。したがって、スクリューロータ(92)の有効作動長は、図1Cに示される構成においては短くなる。
【0024】
ツインスクリュー圧縮機(90)のスライドバルブ(100)とスクリューロータ(92)との間の関係性をより明確に示すため、図1Dは、図1Bの直線D-Dに沿って取られた図1Bに示されるツインスクリュー圧縮機(90)の断面図であり、スライドバルブ本体(101)は、少なくとも2つのスクリューロータ接触面(131及び132)を有する。2つのロータ接触面(131及び132)は、一対のスクリューロータ(92)にそれぞれ接触し、封止境界面が、ロータ接触面(131及び132)とスクリューロータ(92)との間に形成される。
【0025】
図2Aは、本開示による、スライドバルブ本体(201)の実施形態の構造を示す。スライドバルブ本体(201)は、2つのスクリューロータ接触面(131及び132)並びにスライドバルブスロット接触面(232)を有し、スライドバルブスロット接触面(232)は、スライドバルブスロット(190)に接触するように構成される。スライドバルブ本体(201)は、互いに反対側に配置される、連結端(204)及び自由端(205)をさらに有する。連結端(204)及び自由端(205)は、スライドバルブ本体(201)の2つの端にそれぞれ位置する。連結端(204)は、スライドバルブ連接棒(102)に連結するように構成され、それによって、スライドバルブ連接棒(102)が動くときに、スライドバルブ連接棒(102)が、スライドバルブスロット(190)内でスライドするようにスライドバルブ本体(201)を駆動し得る。スライドバルブ本体(201)がスライドバルブスロット(190)内でスライドするとき、自由端(205)は、スクリューロータ(92)及び圧縮機のハウジングとともに還気通路(109)を形成し得る。
【0026】
図2Aに示されるように、カバー(223)は、自由端(205)の端面(224)に
連結され、カバー(223)は、複数の穴(229)を有する。穴(229)は、いかなる形状であってもよい。図2Aに示される実施形態において、穴(229)は、円形の穴、又は略円形の穴であり、各穴(229)は、同一サイズ、又は類似サイズを有する。
【0027】
スライドバルブ本体(201)の内部構造を示すため、図2Bは、図2Aの直線A-Aに沿って取られた図2Aに示されるスライドバルブ本体(201)の実施形態の断面図である。図2Bに示されるように、穴(229)は、カバー(223)を通過して、複数の通路(221)を形成する。キャビティ(220)は、スライドバルブ本体(201)の内部に形成される。具体的には、キャビティ(220)は、自由端(205)の端面(224)からスライドバルブ本体(201)内に延びる。各通路(221)の一端は、キャビティ(220)に連結され、各通路(221)の他端は、穴(229)を介して外部流体に連結される。よって、キャビティ(220)は、通路(221)を介して外部流体に流体的に連結されるように構成される。
【0028】
ツインスクリュー圧縮機(90)の空気流が脈動するとき、キャビティ(220)は、空気流脈動のエネルギーを吸収すること、及び空気流を緩衝することによって、脈動する空気流に対応する。これによって、空気流脈動が減少され、ツインスクリュー圧縮機(90)の振動及び騒音が、軽減される。
【0029】
例示の実施形態として、キャビティ(220)は、図2Bに示されるように、一体のキャビティ(220)であってもよい。他の例示の実施形態において、キャビティ(220)はまた、図3B及び図3Cに示されるように、複数のキャビティ(320)であってもよく、又は複数のキャビティ(320)を含んでもよい。
【0030】
本開示の別の実施として、スライドバルブ本体(201)の自由端(205)の端面(224)上に、カバー(223)が提供されなくともよい。図3Aに示されるように、それぞれの通路(321)の一端がキャビティ(320)のそれぞれ1つに連結され、それぞれの通路(321)の他端が、自由端(205)の端面(224)を通した穴(329)の直接通過により外部空気流に連結されるように、穴(329)は、自由端(205)の端面(224)内及び端面(224)上に直接形成され得る。よって、スライドバルブ本体(201)内のキャビティ(320)は、通路(321)を介して外部空気流に連結され得る。例示の実施形態として、穴(329)は、異なるサイズ及び/又は形状を有してもよく、したがって、通路(321)も異なる内径を有し得る。
【0031】
図3B及び図3Cは、図3Aの直線B-Bに沿って取られた図3Aに示されるスライドバルブ本体(201)の断面図であり、複数のキャビティ(320)がスライドバルブ本体(201)内に提供される2つの例示の実施形態を示す。スライドバルブ本体(201)内に複数のキャビティ(320)を提供することによって、スライドバルブ本体(201)の重量が減少され、スライドバルブ本体(201)の構造の信頼性が改善され得る。図3Bに示される例示の実施形態において、複数のキャビティ(320)の各キャビティ(320)が、独自の通路(321)を介して外部空気流に連結されるように、上記複数のキャビティ(320)の各キャビティ(320)が、独自の通路(321)を有する。図3Cに示される例示の実施形態において、複数のキャビティ(320)の一部又はサブセットが、独自の通路(321)を有する。キャビティ(3201)などの他のキャビティは、複数の通路(3211.1及び3211.2)を介して外部流体に連結される。例示の実施形態として、キャビティ(320)のうちの1つが複数の通路(3211.1及び3211.2)を介して外部流体に連結されるとき、キャビティ(320)は、独自の単一通路(321)を有するキャビティ(320)よりも大きくてもよい。したがって、空気流脈動を吸収するためのキャビティ(320)の能力が改善され、スライドバルブ本体(201)の構造の信頼性が、改善される。
【0032】
スライドバルブ本体(201)は、スライドバルブ本体(201)を有するツインスクリュー圧縮機(90)の種類に依存して、異なる形状を有し得る。例示の実施形態として、図4Aは、スライドバルブ本体(401)の形状を示す。スライドバルブ本体(401)は、連結端(404)及び自由端(405)を有する。自由端(405)は、自由端(405)から離れる方へ延びる自由端延長部(408)を有する。段差面(410)などの段差連結面が形成されるように、自由端延長部(408)の上部(409)は、自由端(405)のスクリューロータ接触面(431及び432)よりも低くされる。ツインスクリュー圧縮機(90)内の空間に余地がある場合に、スライドバルブ(100)がその中で動くとき、自由端延長部(408)は、ツインスクリュー圧縮機(90)のシリンダの壁と、スクリューロータ(92)のハウジングとの間に延びてもよい。これによって、スライド中のスライドバルブ(100)の安定性が改善され、スライドバルブ(100)の信頼性が、さらに改善される。
【0033】
自由端延長部(408)は、自由端延長部(408)の表面に穴(429)を有する。具体的には、図4Aに示されるように、穴(429)は、自由端延長部(408)の段差面(410)上に位置してもよく、又は自由端延長部(408)の外側面(411)上に位置してもよい。図4Bは、図4Aの直線C-Cに沿って取られた図4Aに示されるスライドバルブ本体(401)の実施形態の断面図を示す。図4Bに示されるように、自由端延長部(408)は、自由端延長部(408)内部に形成される一体キャビティ(420)を有し、キャビティ(420)は、複数の通路(421)を有する。通路(421)は、穴(429)を介して外部流体に連結され、それによって、キャビティ(420)を外部流体に流体的に連結する。外側面(411)は、穴(429)を有してもよく、又は閉端面であってもよい。
【0034】
図3B及び図3Cと同様に、自由端延長部(408)は、その中に形成される複数のキャビティ(420)を有してもよく、複数のキャビティ(420)は、1つ又は複数の通路(421)を介して外部流体に連結され得る。よって、ツインスクリュー圧縮機(90)の動作中に生じる空気流脈動は、キャビティ(420)を介して緩衝されてもよく、空気流脈動減衰構造が、形成される。
【0035】
本開示のスライドバルブ本体(101)は、鋳型の使用により、一体構造として一体的に形成されてもよく、又はスライドバルブ本体は、従来のスライドバルブ本体を機械加工することによって形成されてもよい。機械加工方法は、単純で、実現が容易である。
【0036】
本開示のいくつかの特性が、本議論において示され、説明されるが、当業者は、様々な改善及び修正を行い得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の思想及び範囲内の上述した改善及び修正を包含するように意図されると理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
【手続補正書】
【提出日】2023-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツインスクリュー圧縮機(90)の負荷を調節するように構成されるスライドバルブ(100)であって、
前記スライドバルブ(100)のスライドバルブ本体(201)であって、
前記スライドバルブ本体(201)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)の吸入側に配置され、
記スライドバルブ本体(201)が、連結端(204)及び自由端(205)を有し、
記連結端(204)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)のスライドバルブ連接棒(102)に連結するように構成され、
記スライドバルブ(100)が、前記スライドバルブ連接棒(102)によって駆動されるように構成され、
ャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成され、前記スライドバルブ本体(201)内に延び、
記スライドバルブ(100)が、前記キャビティ(220)を外部流体に流体的に結合して前記ツインスクリュー圧縮機(90)の前記吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される少なくとも1つの通路(221)を有し、
前記少なくとも1つの通路(221)は、前記スライドバルブ本体(201)の前記自由端(205)側に形成される、
記スライドバルブ本体(201)を備える、スライドバルブ(100)。
【請求項2】
前記キャビティ(220)が、単一キャビティ(220)を含み、前記スライドバルブ(100)が、前記自由端(205)の端面(224)上にカバー(223)を有し、前記カバー(223)が、複数の穴(229)を有し、前記複数の穴(229)が、前記少なくとも1つの通路(221)を含む複数の通路(221)を形成するように、前記単一キャビティ(220)に流体的に連結される、請求項1に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項3】
前記複数の穴(229)の各穴(229)が、円形であり、前記複数の穴(229)の各穴(229)が、同一サイズである、請求項2に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項4】
前記キャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成される複数のキャビティ(320)のうちの1つであり、前記複数のキャビティ(320)の各キャビティ(320)が、独自の単一通路(321)を有する、請求項1に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項5】
前記キャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成される複数のキャビティ(320)のうちの1つであり、前記複数のキャビティ(320)が、キャビティ(320)の第1のセットを含み、前記キャビティ(320)の第1のセットの各キャビティ(320)が、単一通路(321)を有し、前記複数のキャビティ(320)が、第2のキャビティ(3201)を含み、前記第2のキャビティ(3201)が、前記キャビティ(320)の第1のセット内になく、前記第2のキャビティ(3201)が、複数の通路(3211.1、3211.2)を有する、請求項1に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項6】
ツインスクリュー圧縮機(90)の負荷を調節するように構成されるスライドバルブ(100)であって、
前記スライドバルブ(100)のスライドバルブ本体(401)であって、
前記スライドバルブ本体(401)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)の吸入側に配置され、
記スライドバルブ本体(401)が、連結端(404)及び自由端(405)を有し、
記連結端(404)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)のスライドバルブ連接棒(102)に連結して、前記ツインスクリュー圧縮機(90)内のスライド運動において前記スライドバルブ(100)を駆動するように構成され、
記スライドバルブ本体(401)の前記自由端(405)が、前記自由端(405)から離れる方へ延びる自由端延長部(408)を有し、
ャビティ(420)が、前記自由端延長部(408)に形成され、
記スライドバルブ(100)が、前記キャビティ(420)を外部流体に流体的に結合して前記ツインスクリュー圧縮機(90)の前記吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される通路(421)を有し、
前記通路(421)は、前記スライドバルブ本体(401)の前記自由端延長部(408)側に形成される、
記スライドバルブ本体(401)を備える、スライドバルブ(100)
【請求項7】
前記自由端延長部(408)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)の部分負荷において追加支持を提供するように構成される、請求項6に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項8】
前記自由端延長部(408)が、前記自由端延長部(408)の表面(410)に形成される穴(429)を有し、前記穴(429)が、前記通路(421)及び追加通路(421)を形成するように前記キャビティ(420)に連結される、請求項6に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項9】
前記穴(429)が、前記自由端延長部(408)の外側面(411)に形成される、請求項8に記載のスライドバルブ(100)。
【請求項10】
段差面(410)が形成されるように、前記自由端延長部(408)の上端(409)が、前記自由端(405)の上端(431、432)からオフセットされ、前記穴(429)が、前記段差面(410)に形成される、請求項8に記載のスライドバルブ(100)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
本開示のいくつかの特性が、本議論において示され、説明されるが、当業者は、様々な改善及び修正を行い得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の思想及び範囲内の上述した改善及び修正を包含するように意図されると理解されるべきである。
〔態様1〕
ツインスクリュー圧縮機(90)の負荷を調節するように構成されるスライドバルブ(100)であって、
前記スライドバルブ(100)のスライドバルブ本体(201)であって、前記スライドバルブ本体(201)が、連結端(204)及び自由端(205)を有し、前記連結端(204)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)のスライドバルブ連接棒(102)に連結するように構成され、前記スライドバルブ(100)が、前記スライドバルブ連接棒(102)によって駆動されるように構成され、キャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成され、前記スライドバルブ本体(201)内に延び、前記スライドバルブ(100)が、前記キャビティ(220)を外部流体に流体的に結合して前記ツインスクリュー圧縮機(90)の吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される少なくとも1つの通路(221)を有する、前記スライドバルブ本体(201)を備える、スライドバルブ(100)。
〔態様2〕
前記キャビティ(220)が、単一キャビティ(220)を含み、前記スライドバルブ(100)が、前記自由端(205)の端面(224)上にカバー(223)を有し、前記カバー(223)が、複数の穴(229)を有し、前記複数の穴(229)が、前記少なくとも1つの通路(221)を含む複数の通路(221)を形成するように、前記単一キャビティ(220)に流体的に連結される、態様1に記載のスライドバルブ(100)。
〔態様3〕
前記複数の穴(229)の各穴(229)が、円形であり、前記複数の穴(229)の各穴(229)が、同一サイズである、態様2に記載のスライドバルブ(100)。
〔態様4〕
前記キャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成される複数のキャビティ(320)のうちの1つであり、前記複数のキャビティ(320)の各キャビティ(320)が、独自の単一通路(321)を有する、態様1に記載のスライドバルブ(100)。
〔態様5〕
前記キャビティ(220)が、前記自由端(205)に形成される複数のキャビティ(320)のうちの1つであり、前記複数のキャビティ(320)が、キャビティ(320)の第1のセットを含み、前記キャビティ(320)の第1のセットの各キャビティ(320)が、単一通路(321)を有し、前記複数のキャビティ(320)が、第2のキャビティ(3201)を含み、前記第2のキャビティ(3201)が、前記キャビティ(320)の第1のセット内になく、前記第2のキャビティ(3201)が、複数の通路(3211.1、3211.2)を有する、態様1に記載のスライドバルブ(100)。
〔態様6〕
ツインスクリュー圧縮機(90)の負荷を調節するように構成されるスライドバルブ(100)であって、
前記スライドバルブ(100)のスライドバルブ本体(401)であって、前記スライドバルブ本体(401)が、連結端(404)及び自由端(405)を有し、前記連結端(404)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)のスライドバルブ連接棒(102)に連結して、前記ツインスクリュー圧縮機(90)内のスライド運動において前記スライドバルブ(100)を駆動するように構成され、前記スライドバルブ本体(401)の前記自由端(405)が、前記自由端(405)から離れる方へ延びる自由端延長部(408)を有し、前記キャビティ(420)が、前記自由端延長部(408)に形成され、前記スライドバルブ(100)が、前記キャビティ(420)を外部流体に流体的に結合して前記ツインスクリュー圧縮機(90)の吸入側の空気流脈動を減少させるように構成される通路(421)を有する、前記スライドバルブ本体(401)を備える、スライドバル
ブ。
〔態様7〕
前記自由端延長部(408)が、前記ツインスクリュー圧縮機(90)の部分負荷において追加支持を提供するように構成される、態様6に記載のスライドバルブ(100)。
〔態様8〕
前記自由端延長部(408)が、前記自由端延長部(408)の表面(410)に形成される穴(429)を有し、前記穴(429)が、前記通路(421)及び追加通路(421)を形成するように前記キャビティ(420)に連結される、態様6に記載のスライドバルブ(100)。
〔態様9〕
前記穴(429)が、前記自由端延長部(408)の外側面(411)に形成される、態様8に記載のスライドバルブ(100)。
〔態様10〕
段差面(410)が形成されるように、前記自由端延長部(408)の上端(409)が、前記自由端(405)の上端(431、432)からオフセットされ、前記穴(429)が、前記段差面(410)に形成される、態様8に記載のスライドバルブ(100)。
【外国語明細書】