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▶ ゾエティス サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089122
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】改変された導管を有する装置
(51)【国際特許分類】
   B04B 5/04 20060101AFI20230620BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20230620BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20230620BHJP
   B04B 7/08 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
B04B5/04
G01N35/00 D
G01N37/00 101
B04B7/08
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023064609
(22)【出願日】2023-04-12
(62)【分割の表示】P 2019519621の分割
【原出願日】2017-06-27
(31)【優先権主張番号】62/355,168
(32)【優先日】2016-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521282871
【氏名又は名称】ゾエティス サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ファーナム ウォーレン エドワード ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】トリグブ グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】シャートル ロバート ジャスティス
(72)【発明者】
【氏名】キュナー ダニエル イー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロータ内の所望のチャンバに計量された液体を正確に送ることを保証する導管を備えた、遠心ロータ装置を提供する。
【解決手段】遠心ロータ装置は、流体を保持するように構成された第1のチャンバ110と、第1のチャンバから流体を受けるように構成された第2のチャンバとを備え、導管入口346で第1のチャンバ110に結合され、導管出口450で第2のチャンバに結合された導管334,440をさらに備え、導管334,440は、流体が第1のチャンバ110から第2のチャンバに移動できるように構成されており、導管334,440は、第1の流路358と、第1の流路に隣接して形成された第2の流路460A.460Bとを含む。第2の流路460A.460Bは、第1の流路358と流体連通し、第1の流路358の最小寸法よりも寸法が小さく、第2の流路460A.460B内に存在する1つまたは複数の障害になる形状をさらに含む。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を保持するように構成された第1のチャンバと、
流体を第1のチャンバから受けるように構成された第2のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバに結合され、導管出口で第2のチャンバに結合された導管であって、流体が第1のチャンバから第2のチャンバへ移動できるように構成された、導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は、
第1の流路と、
第1の流路に隣接して形成された第2の流路であって、第1の流路と流体連通し、第1の流路の最小寸法よりも寸法が小さい、第2の流路と、
第2の流路に存在する1つまたは複数の障害になる形状であって、第2の流路内の該流体の移動を妨げるように構成された、1つまたは複数の障害になる形状と
を含む、
遠心ロータ装置。
【請求項2】
1つまたは複数の障害になる形状が複数の障害になる形状を含む、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項3】
第2の流路が、第1の流路の第1の側に隣接して形成された第1の補助流路であり、第1の補助流路に形成された1つまたは複数の障害になる形状が、第1の補助流路に形成された第1の組の障害になる形状を含み、
前記導管が、
第1の流路の第2の側に隣接して形成された第2の補助流路と、
第2の補助流路内に形成された第2の組の障害になる形状と
をさらに含む、
請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項4】
前記導管が、それに関連する長さを有し、第1の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状が、該導管の該長さに沿って、第2の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状と同じ箇所に形成されている、請求項3に記載の遠心ロータ装置。
【請求項5】
前記導管が、それに関連する長さを有し、第1の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状が、該導管の該長さに沿って、第2の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状とは異なる箇所に形成されている、請求項3に記載の遠心ロータ装置。
【請求項6】
前記導管が、それに関連する長さを有し、第1の組の障害になる形状および第2の組の障害になる形状の各障害になる形状が、該導管の該長さに沿って異なる箇所に形成されている、請求項3に記載の遠心ロータ装置。
【請求項7】
第1の補助流路および第2の補助流路がそれぞれ、実質的に毛細管現象によって流体が第1のチャンバから第2のチャンバに移動できるように構成された毛細管流路である、請求項3に記載の遠心ロータ装置。
【請求項8】
第2の流路が、実質的に毛細管現象によって流体が第1のチャンバから第2のチャンバに移動できるように構成された毛細管流路である、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数の障害になる形状の一部が第1の流路の中に延伸している、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項10】
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムをさらに備え、
前記導管が、
入口部と、
出口部と、
該入口部と該出口部との間に形成された弯曲部と
を含み、
該弯曲部は該入口部および該出口部の半径方向最外部から半径方向内側に形成され、該導管の少なくとも該弯曲部に前記1つまたは複数の障害になる形状が形成されている、
請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項11】
1つまたは複数の障害になる形状が複数の障害になる形状を含み、任意の2つの障害になる形状同士の間隔が約1mm~約2mmである、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項12】
1つまたは複数の障害になる形状が、第2の流路の壁の一部に形成された突出部および疎水性領域からなる群より選択される、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項13】
第1のチャンバが流体分注チャンバであり、第2のチャンバが混合チャンバである、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項14】
第1のチャンバが混合チャンバであり、第2のチャンバが分配流路である、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項15】
第2の流路が溶着ジョイントに隣接している、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項16】
第1のチャンバが、第1の流体を保持するように構成された第1の流体分注チャンバであり、第2のチャンバが、混合チャンバであり、前記導管が、第1の導管であり、前記1つまたは複数の障害になる形状が、第1の組の障害になる形状であり、
第2の流体を保持するように構成された第2の流体分注チャンバと、
第2の流体分注チャンバに結合され、かつ該混合チャンバに結合された第2の導管であって、第2の組の障害になる形状を含む、第2の導管と、
分配流路と、
該混合チャンバに結合され、かつ該分配流路に結合された第3の導管であって、第3の組の障害になる形状を含む、第3の導管と
をさらに備える、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項17】
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は、第1のチャンバと流体連通し、該結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成され、該結合部は、該側壁の半径方向外側縁部から約0.025mm~約1mmの距離に配置されている、
遠心ロータ装置。
【請求項18】
前記角度が約70度~約80度である、請求項17に記載の遠心ロータ装置。
【請求項19】
前記導管入口が、前記側壁の半径方向外側縁部から約0.5mm~約0.8mmの距離に配置されている、請求項17に記載の遠心ロータ装置。
【請求項20】
第1のチャンバが混合チャンバであり、第2のチャンバをさらに備え、第2のチャンバが導管出口で前記導管に結合され、第2のチャンバが該導管を介して第1のチャンバから前記混合流体を受けるように構成されている、請求項17に記載の遠心ロータ装置。
【請求項21】
前記一組の流体が試験流体と希釈流体とを含み、前記導管が第1の導管であり、
試験流体を保持するように構成された第2のチャンバと、
試験流体の少なくとも一部を第2のチャンバから第1のチャンバに移送するために、第1のチャンバと第2のチャンバとを流体結合するように構成された第2の導管と、
希釈流体を保持するように構成された第3のチャンバと、
希釈流体の少なくとも一部を第3のチャンバから第1のチャンバに移送するために、第1のチャンバと第3のチャンバとを流体結合するように構成された第3の導管と
をさらに備える、請求項17に記載の遠心ロータ装置。
【請求項22】
第1の導管、第2の導管、および第3の導管のうちの少なくとも1つが、
第1の流路と、
第1の流路に隣接して形成された第2の流路であって、第1の流路と流体連通し、主流路の最小寸法よりも寸法が小さい、第2の流路と、
第2の流路に存在する1つまたは複数の障害になる形状であって、第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成された、1つまたは複数の障害になる形状と
を含む、
請求項21に記載の遠心ロータ装置。
【請求項23】
前記導管が、
入口部と、
出口部と、
該入口部と該出口部との間に形成された弯曲部と
を含み、
該弯曲部は、該入口部および該出口部の半径方向最外部から半径方向内側に形成されている、
請求項17に記載の遠心ロータ装置。
【請求項24】
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管出口で第1のチャンバの該側壁に結合された結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は第1のチャンバと流体連通し、該結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成されている、
遠心ロータ装置。
【請求項25】
半径内側方向と半径外側方向とを画定する外側リムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された、結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は第1のチャンバと流体連通し、該結合部は該側壁の半径方向外側縁部から約0.025mm~約1mmの距離に配置されている、
遠心ロータ装置。
【請求項26】
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、内側部分および側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は第1のチャンバと流体連通し、該導管入口は、半径内側方向からゼロ度よりも大きい角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成されている、
遠心ロータ装置。
【請求項27】
基板同士の間に流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程であって、第2の基板は、第2の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備える、工程と、
該流路の周囲に溶着部を形成するために、該エネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって第1の基板と第2の基板とを接着する工程であって、溶着部の少なくとも一部が該流路の中に延伸する、工程と
を含み、
該エネルギーダイレクタの縁部が、該流路の長手方向に対して約45度~約135度の角度で形成されている、
装置を製造する方法。
【請求項28】
基板同士の間に流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程であって、第2の基板は、第2の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備え、該流路は、第1の流路と、第1の流路に隣接する第2の流路とを含み、第2の流路は、第1の流路と流体連通し、第2の流路は、主流路の最小寸法よりも寸法が小さく、該エネルギーダイレクタは、第2の流路に対して相対的に近位にあり、かつ第1の流路に対して相対的に遠位にある、工程と、
溶着部を形成するために、該エネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって、第1の基板と第2の基板とを接着する工程であって、溶着部の少なくとも一部が、障害になる形状の形態で第2の流路の中に延伸し、該障害になる形状は、使用中に第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成される、工程と
を含む、装置を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年6月27日に出願された「DEVICES WITH MODIFIED CONDUITS」という名称の米国仮出願第62/355,168号に対する優先権を主張し、その開示の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
一部の遠心ロータ装置において、例えば超音波被覆溶着中にエネルギーダイレクタ溶融流で満たされなかった小さな領域においてなど、主サイフォン流路の縁部に沿って、毛細管流の先端が生じることがある。このような流れの先端が、ロータがまだ回転している間に流路出口に達すると、複数の他の問題がある中でも特に、遠心圧力下で破裂する可能性がある。
【0003】
したがって、遠心ロータ装置の導管設計の改善に関し、満たされていない需要がある。
【発明の概要】
【0004】
概要
いくつかの態様は、流体を保持するように構成された第1のチャンバと、第1のチャンバから流体を受けるように構成された第2のチャンバとを備える、遠心ロータ装置に関する。遠心ロータ装置は、導管入口で第1のチャンバに結合され、導管出口で第2のチャンバに結合された導管をさらに備え、導管は、流体が第1のチャンバから第2のチャンバへ移動できるように構成される。導管は、第1の流路と、第1の流路に隣接して形成された第2の流路とを含む。第2の流路は、第1の流路と流体連通し、第1の流路の最小寸法よりも寸法が小さい。導管は、第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成された、第2の流路内に存在する、1つまたは複数の障害になる形状をさらに含む。
【0005】
いくつかの態様は、半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバとを備える、遠心ロータ装置に関する。第1のチャンバは、使用中に混合流体を生成するために、上記一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、かつ側壁を備える。遠心ロータ装置は、導管入口で第1のチャンバの側壁に結合された、結合部を含む導管をさらに備え、導管は、第1のチャンバと流体連通する。結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成され、かつ側壁の半径方向外側縁部から、約0.025mm~約1mmの距離に配置される。
【0006】
いくつかの態様は、半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムを備える、遠心ロータ装置に関する。遠心ロータ装置は、一組の流体を受けるように構成された、第1のチャンバをさらに備える。第1のチャンバは、使用中に混合流体を生成するために、上記一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、第1のチャンバは、側壁を備える。遠心ロータ装置は、導管出口で第1のチャンバの側壁に結合された、結合部を含む導管をさらに備え、導管は、第1のチャンバと流体連通する。結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成される。
【0007】
いくつかの態様は、半径内側方向と半径外側方向とを画定する外側リムと、一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバとを備える、遠心ロータ装置に関する。第1のチャンバは、使用中に混合流体を生成するために、上記一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、かつ側壁を備える。遠心ロータ装置は、導管入口で第1のチャンバの側壁に結合された、結合部を含む導管をさらに備え、導管は、第1のチャンバと流体連通し、結合部は、側壁の半径方向外側縁部から約0.025mm~約1mmの距離に配置される。
【0008】
いくつかの態様は、半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバとを備える、遠心ロータ装置に関する。第1のチャンバは、使用中に混合流体を生成するために、上記一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、第1のチャンバは、内側部分と側壁とを備える。遠心ロータ装置は、導管入口で第1のチャンバの側壁に結合された導管をさらに備え、導管は、第1のチャンバと流体連通する。導管入口は、半径内側方向から、ゼロ度よりも大きい角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成される。
【0009】
いくつかの態様は、装置を製造する方法に関し、この方法は、基板同士の間に流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程を含み、第1の基板は、第1の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備える。本方法は、流路の周囲に溶着部を形成するために、エネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって第1の基板と第2の基板とを接着する工程をさらに含み、溶着部の少なくとも一部が流路の中に延伸する。エネルギーダイレクタの縁部は、流路の長手方向に対して、約20度~約160度の角度で形成される。
【0010】
いくつかの態様は、装置を製造する方法に関し、この方法は、基板同士の間に流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程を含み、第1の基板は、第1の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備える。流路は、第1の流路と、第1の流路に隣接する第2の流路とを含み、第2の流路は、第1の流路と流体連通する。第2の流路は、主流路の最小寸法よりも寸法が小さく、エネルギーダイレクタは、第2の流路に対して相対的に近位にあり、第1の流路に対して相対的に遠位にある。本方法は、溶着部を形成するためにエネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって、第1の基板と第2の基板とを接着する工程をさらに含む。障害になる形状の形態で第2の流路の中に延伸する、溶着部の少なくとも一部は、使用中に第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】ある態様による、遠心ロータ装置の図である。
図1B】ある態様による、遠心ロータ装置の図である。
図1C】ある態様による、遠心ロータ装置の図である。
図1D】ある態様による、遠心ロータ装置の図である。
図1E】ある態様による、遠心ロータ装置の図である。
図1F】ある態様による、遠心ロータ装置の図である。
図1G】ある態様による、遠心ロータ装置の図である。
図2】複数の態様による、遠心ロータ装置の導管の図である。
図3A】ある態様による、図2の導管の設計の変形例を示す。
図3B】ある態様による、図2の導管の設計の変形例を示す。
図3C】ある態様による、図2の導管の設計の変形例を示す。
図3D】ある態様による、図2の導管の設計の変形例を示す。
図4図2図3A~3Dの導管における、設計局面の斜視図を示す。
図5A】ある態様による、遠心ロータ装置の付加的な導管の図である。
図5B】ある態様による、遠心ロータ装置の付加的な導管の図である。
図6A】ある態様による、図5A~5Bの導管の設計の変形例を示す。
図6B】ある態様による、図5A~5Bの導管の設計の変形例を示す。
図6C】ある態様による、図5A~5Bの導管の設計の変形例を示す。
図7図7A~7Bは、複数の態様による、障害になる形状のない導管の断面画像である。
図8】ある態様による、障害になる形状のある導管の断面画像である。
図9図9A~9Bは、複数の態様による、障害になる形状のある導管の断面画像である。
図10】ある態様による、障害になる形状のある導管の断面画像である。
図11図11A~11Cは、複数の態様による、障害になる形状のある導管の断面画像である。
図12図12A~12Fは、複数の態様による、障害になる形状のない導管内における流体の流れの時系列画像である。
図13図13A~13Fは、複数の態様による、障害になる形状のある導管内における流体の流れの時系列画像である。
図14A】ある態様による、導管入口とチャンバの側壁との間の結合設計の図である。
図14B】ある態様による、導管入口とチャンバの側壁との間の結合設計の図である。
図14C】ある態様による、導管入口とチャンバの側壁との間の結合設計の図である。
図15】複数の態様による、装置を製造する方法である。
図16図16A~16Cは、複数の態様による、流路に隣接した溶着ジョイントの例示的な図である。図16Aは、溶着ジョイントを含む第1の基板と、流路の形成された第2の基板との一部を含む、配置の斜視図である。図16Bは、図16Aの配置の上面図である。図16Cは、図16Aの配置の側面図である。
図17】複数の態様による、装置を製造する別の方法である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本発明は、遠心ロータ装置のチャンバに液体を送る方法および装置を提供する。ロータは、ロータ内の所望のチャンバに計量された液体を正確に送ることを保証する導管を備えることができる。
【0013】
本明細書において開示する遠心ロータ装置は、任意の液体、通常は全血または血漿などの生体試料を分析するのに適している。また、尿、痰、精液、唾液、眼球水晶体液、脳液、脊髄液、羊水などの、他の多くの生物学的流体に有用であり得る。試験可能な他の流体としては、組織培養培地、食品、および工業化学品が挙げられる。
【0014】
ロータは、光学分析のために、生体試料(全血など)から細胞成分を分離し、液体試料(血漿など)の正確な体積を計量し、試料を適切な希釈剤と混合して、希釈された試料をキュベットに送ることが可能なチャンバを備える。キュベットに送られた流体は、流体内の1つまたは複数の分析物を検出するための分析手順の一部を形成する、試薬との反応などのキュベット内での反応を受ける。試料は、先行する反応があってもなくても、ロータ内に存在する間に、さらに光学分析されてもよい。
【0015】
本明細書において開示する分析ロータ装置は、Beckman Instruments, Inc.、Spinco Division, Fullerton, Calif、Fisher scientific, Pittsburgh, Pa.、VWR Scientific, San Francisco, Califなどの業者によって市販されている種類の、従来の実験用遠心分離機に取り付け可能な、ロータ本体を含むことができる。遠心ロータ装置は、遠心分離機が備える垂直駆動軸に取り付けるのに適した、容器および/または他の結合装置を含むことができる。容器または結合装置の特定の設計は、遠心分離機の性質に応じたものにすることができ、本明細書において開示される遠心ロータ装置は、現在利用可能な、または将来利用可能になり得る、すべてまたはほとんどの種類の遠心分離機での使用に適合され得ることが理解されよう。本明細書において開示するロータ装置の局面は、米国特許第5,304,348号に開示されているような試薬容器、米国特許第5,242,606号に開示されているような試料計量、米国特許第5,472,603号に開示されているような混合チャンバ、米国特許第5,122,284号に開示されているような生物学的流体の光学分析用のキュベット/チャンバ、および米国特許第5,591,643号に開示されているような1つまたは複数の入口流路のうちの、1つまたは複数を含むことができる。
【0016】
ロータ本体は、以下でより詳細に説明するように、複数のチャンバと、連通路と、通気口との間の、所望の幾何学的パターンまたは関係性を維持する構造を有することができる。本発明のロータで使用するのに適した、様々な特殊化されたチャンバおよび流路は、米国特許第5,061,381号、米国特許第5,122,284号、および米国特許第7,998,411号、ならびに米国特許仮出願第07/678,762号、および米国特許仮出願第07/783,041号に開示されており、それぞれの開示の全体が、参照により本明細書に組み入れられる。
【0017】
いくつかの態様では、ロータ本体は、中実のマトリックス内に空間または空隙としてチャンバおよび通路が形成された、実質的に中実の板またはディスクとすることができる。このような中実の構造は、例えば、複数の別々に形成された層を互いに積層させて、複合構造にすることによって形成されてもよく、チャンバおよび水平な通路は、隣接する層同士の間に概して形成される。垂直な通路が、層を通って形成されてもよい。個々の層は、射出成形、機械加工、またはこれらの組み合わせによって形成されてもよく、通常は適切な接着剤または超音波溶着を用いて互いに接着される。最終的な包囲容積は、層が互いに合わせられたときに形成される。
【0018】
いくつかの態様では、遠心ロータ装置は、適切な枠組みに配置された、管、容器、チャンバなどの複数の個別の構成部品として形成することができる。
【0019】
ロータ本体は、多様な材料で形成されてよく、いくつかの態様では、2つ以上の材料を含んでもよい。いくつかの態様では、生物学的流体、細胞成分、および試薬の存在および分布が様々な内部チャンバおよび通路内で観察され得るように、(複数の)材料を透明にすることができる。いくつかの態様では、キュベットその他の試験ウェルなどの分析チャンバが、ロータ内に形成され得る限りにおいて、キュベットの内容物が分光光度的に、蛍光定量的に、またはその他の光学的評価機器によって観察され得るように、ロータ内に適切な光路を形成することができる。これにより形成された、特定の光路を有する適切なキュベットの構造は、米国特許第5,173,193号に開示されており、その開示の全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの態様では、遠心ロータ装置は、少なくとも光路を画定する領域において、適切な光学特性を有するアクリル樹脂で形成することができる。
【0020】
本明細書において開示される装置および方法は、血漿その他の試料に対して実行することが有益または必要な、多様な分析手順およびアッセイを実行するのに適切であり得る。分析手順は、試料の特定の成分(分析物)もしくは特性の存在および/または量に関連し得る何らかの検出可能な変化が生じるように、試料を1つまたは複数の試薬と組み合わせることが必要な場合がある。例えば、試料は、色、蛍光、発光などの変化を結果として生じる反応またはその他の変化を起こす場合があり、これは、従来の分光光度計、蛍光光度計、光検出器などで測定されてもよい。場合によっては、イムノアッセイその他の特異的結合アッセイが、無細胞流体収集チャンバ内、または収集チャンバに結合されたキュベット内で実行されてもよい。場合によっては、このようなアッセイ手順は均一系であり、分離工程を必要としない可能性がある。他の場合では、免疫反応工程の後に、収集チャンバ、あるいは別の試験ウェルまたはキュベットから、試料(例えば、血漿)を分離する手段を提供することによって、不均一アッセイ系を含めることができる。分析する特定の試料および検出する成分に応じて、数ある分析方法のうちの任意の方法を、本明細書において開示する遠心ロータ装置での使用に適合させることができる。
【0021】
血液分析の場合、通常は従来の血液アッセイが行われる。行われ得るアッセイの例には、グルコース、乳酸、デヒドロゲナーゼ、血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)、血中尿素窒素(BUN)、総タンパク質、アルカリ度、ホスファターゼ、ビリルビン、カルシウム、塩化物、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどを検出するように設計されたものが含まれる。このリストは網羅的ではなく、単に、本明細書において開示する装置および方法を用いて行われ得るアッセイを例示することを意図している。いくつかの態様では、このような試験は、血液および血漿を1つまたは複数の試薬と組み合わせることを必要とし、これにより血漿の変化を光学的に検出可能になり、通常は光度測定的に検出可能になる。必要とされる試薬については周知されており、本特許および科学文献で十分に説明されている。
【0022】
試薬は、安定性が増すように、凍結乾燥させた形態で提供することができる。いくつかの態様では、試薬は、米国特許第5,413,732号で説明されているような、凍結乾燥させた球状試薬の形態で提供され、その開示の全体が、参照により本明細書に組み入れられる。
【0023】
ここで図1A~1Fを参照すると、チャンバと流路とを備える、分析的遠心ロータ装置100(ロータと呼ばれることもある)が示されている。説明のために、本明細書では使用時について述べるが、図1Aは、ロータ本体100に試料を入れた後の、血液適用チャンバ104内の血液試料102(例示的な非限定的試料流体として)の位置を示す。チャンバ106内の希釈剤容器は、遠心分離機のスピンドルにロータを取り付けるときに開かれるが、これについては同一出願人による米国特許第5,275,016号で説明されている通りであり、その開示の全体が参照により本明細書に組み入れられる。概して、本明細書において述べる流体(すなわち試料および/または希釈剤)は、図1A~1Fでは斜線で示されている。
【0024】
図1Bは、ロータが適切な1分毎の回転数(rpm)、例えば、1,000rpm、2,000rpm、3,000 rpm、4,000 rpm、5,000 rpm、6,000 rpmで回転した後の、希釈剤108および血液試料102の位置を示し、これらの値はその中間のすべての値および下位範囲を含む。血液試料102は、血液適用チャンバ104から出始めて、血漿計量チャンバ110に入る。同時に、希釈剤112が希釈剤容器からすべて出て、保持チャンバ108に入る。希釈剤は、流路116を通って、希釈剤計量チャンバ114に実質的にすぐに入り始める。
【0025】
図1A~1Fをさらに参照すると、図1Cは、ロータ100が回転を続けているときの液体の位置を示す。ここで、血液試料102は、血液適用チャンバ104からすべて出て、血漿計量チャンバ110から溢れて溢流チャンバ118の中に入り、ヘモグロビンキュベット120と、余剰血液溜め122とに流れる。その間に、希釈剤112が希釈剤計量チャンバ114を満たし、余剰分は、流路124を通って希釈剤専用キュベット126および余剰希釈剤溜め127に流れる。
【0026】
図1Dは、最初に回転した後の液体の位置を示す。血液試料102は、血球128と血漿130とに分離されている。希釈剤専用キュベット126が満たされ、所定の量の希釈剤が希釈剤計量チャンバ114に残留する。ロータ100はその後停止し、希釈剤計量チャンバ114からくる導管132(サイフォンとも呼ばれる場合がある)は、前述したように、血漿計量チャンバ110からくる導管134と同様にプライミングを行うことができる。導管134は、本発明の導管である。これは、入口138で血漿計量チャンバ110に接続される。入口138は、導管出口139の半径方向外側に配置され、導管134は導管出口を通って混合チャンバ136に注ぐ。
【0027】
図1Eは、ロータ100が2回目の回転をしているときの液体の位置を示す。希釈剤計量チャンバ114は、導管132を通って混合チャンバ136に注ぐ。所定の量の血漿130が混合チャンバ136に計量供給され、2種の流体が混合して、希釈された血漿131を形成する。混合チャンバ136に送られる血漿130の量は、導管134の出口139の位置によって決定される。この図に見られるように、血漿計量チャンバ110内の血漿133の最終水位は、出口139と同じ半径方向位置になる。したがって、混合チャンバ136に送られる血漿の容量は、溢流チャンバ129に至る出口と、血漿133の最終水位との間にある、血漿計量チャンバ110の容量によって決定される。血漿と希釈剤とが混合チャンバ136内で混合された後にロータは再び停止し、出力導管140がプライミングされる。
【0028】
図1Fは、3回目の回転中の、ロータ回転時の希釈された血漿131の位置を示す。この図は、希釈された血漿131が分配リング142および入口流路144を通って、キュベット146および余剰希釈血漿溜め147に移動したことを示す。キュベットが満たされたときにキュベット146に存在する空気を逃がすことができるように、出力導管140内の流れ抵抗は、分配リング142および入口流路144内の流れ抵抗よりも高くなるように選択される。具体的には、導管140は、その中にある液体の断面積に対する入口流路144の断面積の比が、2:1よりも大きく、好ましくは約4:1よりもよりも大きくなるような寸法にされる。通気口のないキュベット内の気体が、入口流路144および分配142を通って逃げるように、入口流路144の断面積は、通常は分配流路142の断面積と同じであるか、またはこれよりもわずかに小さい。試料が血漿または希釈された血漿であり、流路の断面が長方形の場合、流路の寸法は、導管が、深さ0.150mm、幅0.200mm、深さ0.100mm、幅0.200mm、分配流路が、深さ0.300mm、幅0.5mm、入口流路が、深さ0.150、幅0.500であり、これらの値はその中間のすべての値および下位範囲を含む。
【0029】
キュベットが満たされた後に、キュベット内に存在する試薬が溶液と混合されて、試料に対し必要な光分析が行われる。このような分析は、当業者に公知の方法によって、前述したように実施される。前述の発明について、明確に理解するために詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの修正が行われてもよいことは明らかであろう。
【0030】
図1Gは、ロータ100のリム150を示す。リム150は、ロータ100の半径内側方向RIと、半径外側方向ROとを画定する。
【0031】
本明細書において開示され、詳細に後述されるいくつかの態様は、流体を保持するように構成された第1のチャンバと、第1のチャンバから流体を受けるように構成された第2のチャンバとを備える、遠心ロータ装置に関する。遠心ロータ装置は、導管入口で第1のチャンバに結合され、導管出口で第2のチャンバに結合された導管をさらに備えることができ、導管は、流体が第1のチャンバから第2のチャンバに移動できるように構成される。導管は、第1の流路と、第1の流路に隣接して形成された第2の流路とを含む。第2の流路は、第1の流路と流体連通し、第1の流路の最小寸法よりも寸法が小さい。導管は、第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成された、第2の流路内に存在する、1つまたは複数の障害になる形状をさらに備える。
【0032】
図2は、複数の態様による、導管132(ここでは参照符号232で示す)の拡大図を示す。導管232は、チャンバ114(第1のチャンバと呼ばれることもある)に結合された入口部246と、チャンバ136(第2のチャンバと呼ばれることもある)に結合された出口部250とを含む。導管232は、入口部246および出口部250の半径方向最外部から半径方向内側に(図1A~1G、図2を参照)弯曲部254をさらに含む。このように、弯曲部を相対的に内側の位置に維持することによって、使用中の望ましくないときに(例えば、あるrpm値および/またはrpm範囲で)導管232に流体が流れるのを防止することができる。
【0033】
本明細書において導管に関連して用いる「入口部」という用語は、導管入口から、導管の長さに沿って約1mmの、導管の部分のことを指す。本明細書において導管に関連して用いる「出口部」という用語は、導管出口から、導管の長さに沿って約0.05mmの、導管の部分のことを指す。本明細書において導管に関連して用いる「弯曲部」という用語は、入口部と出口部との間にあって少なくとも部分的に非直線である、導管の部分のことを指す。
【0034】
導管232は、主流路/第1の流路258と、第1の流路の両側に形成された第2の流路/補助流路260A、260B(それぞれ第1の補助流路および第2の補助流路とも呼ばれる)とをさらに含む。いくつかの態様では、第2の流路260A、260Bは、超音波溶着などの製造工程の副産物である。例えば、超音波溶着中に、第1の流路258を形成した結果できた溶着部が、第1の流路に隣接した領域から離れて、第2の流路260A、260Bのうちの1つまたは両方を形成することが可能である。他の態様では、第2の流路260A、260Bは、意図的な設計によって形成される。
【0035】
第2の流路260A、260Bの内側空間/容積は、第1の流路258の内側空間/容積と連続したものにすることができる。説明のため第2の流路260Aを参照すると、いくつかの態様では、第2の流路260Aの少なくとも1つの寸法は、第1の流路258の最小寸法よりも小さい。例えば、第1の流路の最小寸法が、第1の流路258の深さである場合、第2の流路260Aの幅または深さは、第1の流路258の深さよりも小さくすることができる。このようにして、第2の流路260A、260B内の流体の流れは、第1の流路258とは異なる特徴を示すことができ、これを考慮に入れることができる。例えば、いくつかの態様では、第2の流路260A、260Bの寸法によって、毛細管現象を増大させることができ、第1の流路258におけるものと比べて、第2の流路の流量に差が出る/より多くなる。
【0036】
いくつかの態様では、また図2に示すように、1つまたは複数の障害になる形状270を、第2の流路260A、260Bのうちの1つまたは複数に、配置、作製、接着、かつ/あるいはその他の方法で形成することができる。いくつかの態様では、障害になる形状270は、第2の流路260A、260Bの流体の流れを妨げるように構成された、任意の適切な構成要素とすることができる。非限定的な例として、いくつかの態様では、障害になる形状270は、第2の流路260A、260Bにおいて、流体を嫌う(例えば、疎水性、あるいは流路内の流体をはじくように構成された)領域にすることができ、製造中、または製造後に形成される。別の例として、障害になる形状270は、超音波溶着中に第2の流路260A、260Bに形成された、溶着された領域/形成された停止部などの、製造中に形成された停止部とすることができる。
【0037】
障害になる形状270は、実質的に導管232の全長に沿って、あるいはその任意の部分に形成することができる。例えば、図2にも示すように、障害になる形状は、260A、260Bの直線部および/または弯曲部に形成することができる。いくつかの態様では(また図2に示すように)、第2の流路260A、260Bの両方に障害になる形状270が形成されているところでは、障害になる形状は、第2の流路のそれぞれに互いに独立して形成することができる。例えば、いくつかの態様では、少なくとも1つの障害になる形状は、第2の流路260Aにおいて、流路260Bの障害になる形状の真向かいに、すなわち導管232の長さに沿った同じ箇所に形成される。いくつかの態様では、少なくとも1つの障害になる形状は、導管232の長さに沿って、流路260Bの障害になる形状とは異なる箇所で、第2の流路260Aに形成される。いくつかの態様では、各障害になる形状は、流路232の長さに沿った異なる箇所に形成され、すなわち流路260Aの障害になる形状は、流路260Bの障害になる形状とは交互にずらして形成される。
【0038】
いくつかの態様では、任意の2つの障害になる形状270同士の間隔は、流路260Aに沿って形成されたか、または異なる流路260A、260Bに形成されたかに関わらず、約0.2mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約4mmにすることができ、これらの値はその中間のすべての値および下位範囲を含む。いくつかの態様では、障害になる形状270は完全に第2の流路260A、260B内に配置することができ、他の態様では、障害になる形状270の少なくとも一部を、第1の流路258の中に突出させることができる。いくつかの態様では、障害になる形状270は、それが形成されている第2の流路の断面の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも90%、少なくとも99%、約100%を塞ぐことができ、これらの値はその中間のすべての値および下位範囲を含む。
【0039】
図3A~3Dは、例示的な態様による、図2で説明した導管232にある、障害になる形状270の形成の変形例を示す。例えば、図3Dは、導管232の直線部および弯曲部にある、障害になる形状270の形成を示す。図4は、導管232に形成された障害になる形状270の設計局面における、さらなる詳細を示す。
【0040】
図5A~5Bは、導管134、140(ここではそれぞれ参照符号334、440で示す)の障害になる形状の形成を示す。明示的に記載しない限り、導管334、440の障害になる形状は、導管232について前述したものと同様に形成されてもよいことは理解されよう。
【0041】
導管334は、チャンバ110(第1のチャンバと呼ばれることもある)に結合された入口部346と、チャンバ136(第2のチャンバと呼ばれることもある)に結合された出口部350とを含むことができる。導管334は、第1の流路/主流路358と、第2の流路/補助流路360A、360Bとを含む。導管334は、図示されているように、1つまたは複数の障害になる形状370をさらに含む。
【0042】
導管440は、チャンバ136(第1のチャンバと呼ばれることもある)に結合された入口部446と、分配流路142(第2のチャンバと呼ばれることもある)に結合された出口部450とを含むことができる。導管440は、第1の流路/主流路458と、第2の流路/補助流路460A、460Bとを含む。導管434は、図示されているように、1つまたは複数の障害になる形状470をさらに含む。図6A~6Cは、それぞれ導管334、440における、障害になる形状370、470の構成の変形例を示す。
【0043】
いくつかの態様では、導管232、334、440のうちの少なくとも1つが、その中に形成された1つまたは複数の障害になる形状を有することができる。いくつかの態様では、導管232、334、440のそれぞれが、その中に形成された1つまたは複数の障害になる形状を有することができる。
【0044】
図2~6に示す導管を概して参照すると、いくつかの態様では、1つまたは複数の障害になる形状(例えば、形状270、370、および/または470)は、複数の障害になる形状を含むことができる。いくつかの態様では、第1の組の障害になる形状が、第1の流路(例えば、流路258)に隣接した、第1の補助流路(例えば、流路260A)に形成され、第2の組の障害になる形状が、第2の補助流路(例えば、流路260B)に形成される。いくつかの態様では、導管は、それに関連する長さを有し、第1の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状が、導管の長さに沿って、第2の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状と同じ箇所に形成される。いくつかの態様では、第1の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状は、導管の長さに沿って、第2の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状とは異なる箇所に形成される。いくつかの態様では、第1の組の障害になる形状および第2の組の障害になる形状の各障害になる形状は、導管の長さに沿って異なる箇所に形成される。いくつかの態様では、1つまたは複数の障害になる形状の少なくとも一部は、第1の流路の中に延伸している。
【0045】
いくつかの態様では、任意の2つの障害になる形状同士の間隔は、約0.2mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mmからで、これらの中間の値および下位範囲をすべて含む。いくつかの態様では、1つまたは複数の障害になる形状は、第2の流路の壁の一部に形成された突出部、溶着部(例えば、エネルギーダイレクタ)、および疎水性領域からなる群より選択される。いくつかの態様では、第2の流路は、溶着ジョイント(例えば、エネルギーダイレクタ)に隣接している。すなわち、第2の流路は、片側を第1の流路に隣接させ、もう一方の側を溶着ジョイントに隣接させることができる。
【0046】
図2~6をさらに参照すると、いくつかの態様では、第1の補助流路(例えば、流路360A)および第2の補助流路(例えば、流路360B)のうちの少なくとも1つは、実質的に毛細管現象によって流体が第1のチャンバから第2のチャンバに移動できるように構成された、毛細管流路である。いくつかの態様では、第1の補助流路(例えば、流路460A)および第2の補助流路(例えば、流路460B)の両方がそれぞれ、実質的に毛細管現象によって流体が第1のチャンバから第2のチャンバに移動できるように構成された、毛細管流路である。
【0047】
図1~6を参照すると、いくつかの態様では、遠心ロータ装置は、半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムを備え、導管は、入口部および出口部と、入口部と出口部との間に形成された弯曲部とを含むことができる。弯曲部は、入口部および出口部の半径方向最外部から半径方向内側に形成され、1つまたは複数の障害になる形状は、少なくとも導管の弯曲部に形成される。
【0048】
いくつかの態様では、第1のチャンバは流体分注チャンバ(例えば、チャンバ114、またはチャンバ110)であり、第2のチャンバは混合チャンバ(例えば、チャンバ136)である。いくつかの態様では、第1のチャンバは混合チャンバ(例えば、チャンバ136)であり、第2のチャンバは分配流路(例えば、リング/流路142)である。
【0049】
図7A~7Bは、障害になる形状のない、長さに沿った箇所における、導管232(図7A)および導管334(図7B)の例示的な断面画像である。両画像において、第2の流路260A―260B、360A―360Bが、超音波溶着の産物として顕著に観察される。図8は、障害になる形状(ここでは溶着部)によって流路260Aが完全に塞がれ、障害になる形状の一部が第1の流路258の中に延伸している、導管232の断面画像である。
【0050】
図9A~9Bは、大きさが異なる障害になる形状を有する、導管232(図9A)および導管334(図7B)の例示的な断面画像である。図9Aは、第2の流路260Aを完全に塞ぐ、相対的に大きい障害になる形状270を示す。図9Bは第2の流路360Aを部分的に塞ぐ、相対的に小さい障害になる形状370を示す。図10は、図9Aの障害になる形状よりも小さい障害になる形状を有する、導管232の例示的な断面画像である。
【0051】
図11A~11Cは、例示的な遠心ロータ装置の導管232(図11A)、334(図11B)、および440(図11C)の断面を示す。図11A~11Cのそれぞれにおいて、少なくとも1つの第2の流路が完全に塞がれている。
【0052】
本明細書において開示するように遠心ロータ装置の導管に障害になる形状を用いる利点が、図12A~12F、13A~13Fに示されている。図12A~12Fは、障害になる形状のない導管232内の、流体の流れの時間経過を示す。第1の流路258内の流体の先端断面部が参照符号L1で示され、第2の流路260A内の流体の先端断面部が参照符号L2で示されている。図12A~12Cでは、第1の流路258の流体断面部L1の移動にほとんど動きが見られない一方で、第2の流路260Aにおける流体断面部L2は、毛管力によって、より速く出口部250(図12E図12Fを参照)に達する。この箇所では、第2の流路260Aからくる流体が第1の流路258の中に流出し、第1の流路を実質的に塞いでいるのが観察される。これにより、遠心ロータ装置および下流側の動作に不具合が生じる可能性がある。
【0053】
図13A~13Fは、障害になる形状270がある導管232内の、流体の流れの時間経過を示す。先端断面部L1は、場合によっては(図13B、13Cを参照)L2よりも遅延する場合があるが、下流に障害になる形状270があることによって、L1はL2に実質的に追いつくことができ、その結果、第1の流路258および第2の流路260A内の両方の流れ断面部が、ほぼ同時に出口部に達する。
【0054】
本明細書において開示するいくつかの態様は、半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムを備える遠心ロータ装置に関する。本装置は第1のチャンバも備え、第1のチャンバは、一組の流体を受け、使用中にこの一組の流体を実質的に混合して混合流体を生成するように構成されており、側壁を含む。本装置は、導管入口で第1のチャンバの側壁に結合された、結合部を含む導管をさらに備え、導管は、第1のチャンバと流体連通する。いくつかの態様では、結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成される。いくつかの態様では、結合部は、半径内側方向から0度よりも大きい角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成される。いくつかの態様では、結合部は、側壁の半径方向外側縁部から約0.025mm~約1mmの距離に配置される。
【0055】
いくつかの態様では、角度は、約70度~約80度にすることができる。いくつかの態様では、導管入口は、側壁の半径方向外側縁部から約0.5mm~約0.8mmの距離に配置される。
【0056】
いくつかの態様では、第1のチャンバは混合チャンバであり、遠心ロータ装置は第2のチャンバをさらに備え、第2のチャンバは、導管出口で導管に結合され、第2のチャンバは、導管を介して第1のチャンバから混合流体を受けるように構成される。
【0057】
いくつかの態様では、一組の流体は、試験流体と希釈流体とを含み、導管は第1の導管である。このような態様では、遠心ロータ装置は、試験流体を保持するように構成された第2のチャンバ(例えば、チャンバ110)と、試験流体の少なくとも一部を第2のチャンバから第1のチャンバに移送するために、第1のチャンバと第2のチャンバとを流体結合するように構成された第2の導管(例えば、導管134および/または導管334)とを備えることができる。遠心ロータ装置は、希釈流体を保持するように構成された第3のチャンバ(例えば、チャンバ114)と、希釈流体の少なくとも一部を第3のチャンバから第1のチャンバに移送するために、第1のチャンバと第3のチャンバとを流体結合するように構成された第3の導管(例えば、導管132および/または導管232)とをさらに備えることができる。
【0058】
いくつかの態様では、第1の導管、第2の導管、および第3の導管のうちの少なくとも1つが、第1の流路と、第1の流路に隣接して形成された第2の流路とを含み、第2の流路は、第1の流路と流体連通し、第2の流路は、主流路の最小寸法よりも寸法が小さい。第1の導管、第2の導管、および第3の導管のうちの少なくとも1つは、第2の流路内に存在する1つまたは複数の障害になる形状をさらに備えることができ、1つまたは複数の障害になる形状は、第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成される。
【0059】
いくつかの態様では、導管は、入口部、出口部、および入口部と出口部との間に形成された弯曲部をさらに含むことができる。弯曲部は、入口部および出口部の半径方向最外部から、半径方向内側に形成される。
【0060】
図14Aは、導管入口542で、チャンバ136(図1Dを参照)の側壁580に結合された結合部546を有する、導管140(ここでは参照符号540で表す)を示す。いくつかの態様では、結合部546は、本明細書において説明した入口部446と類似したものにすることができる。図14Aは、半径内側方向DIR1、およびDIR1に垂直な方向DIR2をさらに示す。結合部546は、DIR1に対して角度αで形成される。いくつかの態様では、角度αは、これに限定されないが、約ゼロ度、約20度、約40度、約60度、約80度、約100度、約120度、約140度、約160度、約180度を含む、任意の適切な値をとることができ、これらの値はその中間のすべての値および下位範囲を含む。いくつかの態様では、角度αは、約70度~約80度にすることができる。
【0061】
図14Aにさらに示すように、結合部546は、壁580の半径方向外側縁部582から距離Dで形成される。いくつかの態様では、距離Dは、これに限定されないが、0.2mm、0.5mm、0.8mm、1mm、1.2mm、1.5mmを含む、任意の適切な値をとることができ、これらの値の中間のすべての値および下位範囲を含む。これらの値は、限定することを意図しておらず、導管540および遠心ロータ装置などの寸法に基づいて調整できることは理解されよう。
【0062】
図14B~14Cは、例示的な態様による、壁にある結合部の異なる位置を表す。例えば、図14Bにおいて結合部546によって形成された角度αは、図14Cにおいて結合部546’によって形成された角度よりも相対的に小さく、その一方で距離Dは、図14Cでは、図14Bにおけるよりも相対的に小さい(ほとんど無視でき、図示せず)。図14Bもまた、流路540に形成された障害になる構造570を示しているが、これらは図14Cに示す流路540’の態様には存在しない。
【0063】
このようにして、チャンバ136を本明細書において説明するように混合チャンバとして使用している際に、導管540に入る混合されていない流体の体積は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%減少し、これらの値はその中間のすべての値および下位範囲を含む。いくつかの態様では、使用中に、チャンバ136の半径方向外側部分の近くに沈殿物が蓄積するときは、距離Dを変更することによって、導管540に入る沈殿物の量を減少させることができる。本明細書で開示する態様は、したがって下流で分析を行うために、より均質で沈殿物のない試料を取得するのに有益である。
【0064】
図15は、いくつかの態様による、装置を製造する方法1500である。例えば、方法1500は、任意の遠心ロータ装置の製造に役立てることができ、本明細書において開示される、一部の/すべての特徴を含む。方法1500は、工程1510において、基板同士の間に流路(例えば、本明細書において開示される任意の導管)を形成するために、第1の基板の第1の側を第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程を含む。第2の基板は、第2の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備える。方法1500は、工程1520において、流路の周囲に溶着部を形成するために、(例えば、超音波溶着によって)エネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって第1の基板と第2の基板とを接着する工程をさらに含み、溶着部の少なくとも一部が、(例えば、障害になる形状として)流路の中に延伸する。いくつかの態様では、エネルギーダイレクタの縁部は、流路の長手方向に対して約20度~約160度の角度で形成され、これらの値はその中間のすべての値および下位範囲を含む。いくつかの態様では、エネルギーダイレクタの縁部は、流路の長手方向に対して、約45度~約135度の角度で形成される。
【0065】
図16A~16Cは、複数の態様による、流路に隣接したエネルギーダイレクタの形成の例示的な図である。図16A~16Cは、第1の基板1610(便宜上図16Aでは破線で示す)および第2の基板1620を示す。第2の基板1620は、エネルギーダイレクタ/溶着ジョイント1630と、基板上に形成された流路1640とを備える。いくつかの態様では、基板1610、1620は、本明細書において開示した任意の遠心ロータ装置を形成するために、(例えば、図15で説明したような)超音波溶着を用いて互いに接着される。図16A図16Bは、流路1640の長手方向長さに沿った方向と概して一致する方向DIR3と、エネルギーダイレクタ1630の長手方向長さに沿った方向と概して一致する方向DIR4とを示す。いくつかの態様では、方向DIR4は、流路1640の近くの、または流路1640に実質的に隣接した、エネルギーダイレクタ1630の縁部の方向を特徴づける。いくつかの態様では、角度βは、DIR3とDIR4との間の分離角を概して特徴づけることができる。角度βは、これに限定されないが、約30度、約40度、約60度、約80度、約100度、約120度、約140度、約160度を含む、任意の適切な値を有することができ、これらの値の中間のすべての値および下位範囲を含む。いくつかの態様では、角度βは、約45度~約135度の範囲の値を有することができる。
【0066】
このようにして、超音波溶着中に第2の流路(例えば、第2の流路260A~260B、360A~360B、460A~460Bのうちの任意の流路)が形成されると、エネルギーダイレクタ1630の縁部の一部が、第2の流路の少なくとも一部に障害になる構造として溶着ジョイントを形成することができ、いくつかの態様では、同様に第1の流路1640に溶着ジョイントを形成することができる。角度βを制御することによって、障害になる構造が第2の流路および(任意で)第1の流路1640の中に突出する際の、位置決めおよび範囲を制御することができる。
【0067】
図17は、いくつかの態様による、装置を製造する方法1700である。例えば、方法1700は、任意の遠心ロータ装置の製造に役立てることができ、本明細書において開示される、一部の/すべての特徴を含む。方法1700は、工程1710において、基板同士の間に流路(例えば、開示される任意の導管)を形成するために、第1の基板の第1の側を第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程を含む。第2の基板は、第2の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備え、流路は、第1の流路(例えば、第1の流路258、358、458のうちの任意の流路)と、第1の流路に隣接する第2の流路(例えば、第2の流路260A~260B、360A~360B、460A~460Bのうちの任意の流路)とを含み、第2の流路は第1の流路と流体連通する。第2の流路の寸法は、主流路の最小寸法よりも小さい。エネルギーダイレクタは、第2の流路に対して相対的に近位にあり、第1の流路に対して相対的に遠位にある。
【0068】
方法1700は、工程1720において、溶着部を形成するためにエネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって、第1の基板と第2の基板とを接着する工程をさらに含む。溶着部の少なくとも一部は、使用中に第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成された障害になる形状(例えば、任意の障害になる形状270、370、470)の形態で、第2の流路の中に延伸する。
【0069】
様々な発明の態様を本明細書に説明し図示してきたが、当業者であれば、機能を実行し、かつ/あるいは本明細書で説明する結果、および/あるいは1つまたは複数の利点を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想定でき、このような変形および/または修正はそれぞれ、本明細書で説明する発明の態様の範囲内であるとみなされる。より一般的には、当業者には、本明細書において説明するすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成は例示を意図しており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が用いられる、特定の1つまたは複数の用途に依存することが容易に理解されるであろう。当業者であれば、通常の実験を用いるだけで、本明細書において説明する具体的な本発明の態様に対する多くの等価物を認識し、あるいは確認することができるであろう。したがって、前述の態様は、例としてのみ提供され、本発明の態様は、添付の特許請求の範囲、およびその等価物の範囲内で、具体的に説明および特許請求されている以外の方法で実施され得ることを理解されたい。本開示の発明の態様は、本明細書において説明する個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法のそれぞれに関する。また、2つまたはそれ以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに矛盾しないならば、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【0070】
本明細書において用いる不定冠詞(a, an)は、明確な反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。 本明細書において参照される数値表示に関連して用いられる、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、参照される数値表示に、その参照される数値表示の10%までのプラスマイナスがあることを意味する。例えば、「約50の」ユニット、または「およそ50の」ユニットという記載は、45ユニットから55ユニットまでを意味する。このような変動は、製造公差その他の実際的な考慮事項(例えば、測定器具や許容可能な人的ミスなどに関連する公差)から生じる可能性がある。
【0071】
本明細書において用いる「および/または」という語句は、それでつながれた要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、場合によっては共存し、それ以外の場合には共存しない、要素を意味すると理解されたい。「および/または」を用いて列挙される複数の要素は、同様に解釈されるべきであり、すなわち、そのようにつながれた要素の「1つまたは複数」である。「および/または」という語句によって具体的に特定された要素以外に、具体的に特定された要素に関連するか関連しないかに関わらず、他の要素が任意で存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」に対する参照は、「備える」などの、非限定的な記載とともに用いられるときは、ある態様においてAのみを指し(任意でB以外の要素が含まれてもよい)、別の態様においてBのみを指し(任意でA以外の要素が含まれてもよい)、さらに別の態様においてAおよびBの両方を指す(任意で他の要素が含まれてもよい)ことができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は、
第1の流路と、
第1の流路と隣接して形成された第2の流路であって、第1の流路と流体連通し、第1の流路の幅より小さい幅を有する、第2の流路と
を含み、
第1のチャンバと流体連通し、該結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成され、該結合部は、該側壁の半径方向外側縁部から約0.025mm~約1mmの距離に配置されている、
遠心ロータ装置。
【請求項2】
前記角度が約70度~約80度である、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項3】
前記導管入口が、前記側壁の半径方向外側縁部から約0.5mm~約0.8mmの距離に配置されている、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項4】
第1のチャンバが混合チャンバであり、第2のチャンバをさらに備え、第2のチャンバが導管出口で前記導管に結合され、第2のチャンバが該導管を介して第1のチャンバから前記混合流体を受けるように構成されている、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項5】
前記一組の流体が試験流体と希釈流体とを含み、前記導管が第1の導管であり、
試験流体を保持するように構成された第2のチャンバと、
試験流体の少なくとも一部を第2のチャンバから第1のチャンバに移送するために、第1のチャンバと第2のチャンバとを流体結合するように構成された第2の導管と、
希釈流体を保持するように構成された第3のチャンバと、
希釈流体の少なくとも一部を第3のチャンバから第1のチャンバに移送するために、第1のチャンバと第3のチャンバとを流体結合するように構成された第3の導管と
をさらに備える、請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項6】
第1の導管、第2の導管、および第3の導管のうちの少なくとも1つが、
第1の流路と、
第1の流路に隣接して形成された第2の流路であって、第1の流路と流体連通し、主流路の最小寸法よりも寸法が小さい、第2の流路と、
第2の流路に存在する1つまたは複数の障害になる形状であって、第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成された、1つまたは複数の障害になる形状と
を含む、
請求項5に記載の遠心ロータ装置。
【請求項7】
前記導管が、
入口部と、
出口部と、
該入口部と該出口部との間に形成された弯曲部と
を含み、
該弯曲部は、該入口部および該出口部の半径方向最外部から半径方向内側に形成されている、
請求項1に記載の遠心ロータ装置。
【請求項8】
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管出口で第1のチャンバの該側壁に結合された結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は
第1の流路と、
第1の流路と隣接して形成された第2の流路であって、第1の流路と流体連通し、第1の流路の幅より小さい幅を有する、第2の流路と
を含み、
第1のチャンバと流体連通し、該結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成されている、
遠心ロータ装置。
【請求項9】
半径内側方向と半径外側方向とを画定する外側リムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された、結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は
第1の流路と、
第1の流路と隣接して形成され、第1の流路と流体連通し、第1の流路の幅より小さい幅を有する、第2の流路と
を含み、
第1のチャンバと流体連通し、該結合部は該側壁の半径方向外側縁部から約0.025mm~約1mmの距離に配置されている、
遠心ロータ装置。
【請求項10】
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、内側部分および側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は
第1の流路と、
第1の流路と隣接して形成された第2の流路であって、第1の流路と流体連通し、第1の流路の幅より小さい幅を有する、第2の流路と
を含み、
第1のチャンバと流体連通し、該導管入口は、半径内側方向からゼロ度よりも大きい角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成されている、
遠心ロータ装置。
【請求項11】
基板同士の間に流路であって、第1の流路と、第1の流路に隣接する第2の流路とを含み、第2の流路は、第1の流路と流体連通し、第2の流路は、第1の流路の幅より小さい幅を有する、流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程であって、第2の基板は、第2の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備える、工程と、
該流路の周囲に溶着部を形成するために、該エネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって第1の基板と第2の基板とを接着する工程であって、溶着部の少なくとも一部が該流路の中に延伸する、工程と
を含み、
該エネルギーダイレクタの縁部が、該流路の長手方向に対して約45度~約135度の角度で形成されている、
装置を製造する方法。
【請求項12】
基板同士の間に流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程であって、
第2の基板は、第2の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備え、該流路は、第1の流路と、第1の流路に隣接する第2の流路とを含み、第2の流路は、第1の流路と流体連通し、第2の流路は、第1の流路のよりもい幅を有し、該エネルギーダイレクタは、第2の流路に対して相対的に近位にあり、かつ第1の流路に対して相対的に遠位にある、工程と、
溶着部を形成するために、該エネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって、第1の基板と第2の基板とを接着する工程であって、溶着部の少なくとも一部が、障害になる形状の形態で第2の流路の中に延伸し、該障害になる形状は、使用中に第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成される、工程と
を含む、装置を製造する方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
いくつかの態様は、装置を製造する方法に関し、この方法は、基板同士の間に流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程を含み、第1の基板は、第1の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備える。流路は、第1の流路と、第1の流路に隣接する第2の流路とを含み、第2の流路は、第1の流路と流体連通する。第2の流路は、主流路の最小寸法よりも寸法が小さく、エネルギーダイレクタは、第2の流路に対して相対的に近位にあり、第1の流路に対して相対的に遠位にある。本方法は、溶着部を形成するためにエネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって、第1の基板と第2の基板とを接着する工程をさらに含む。障害になる形状の形態で第2の流路の中に延伸する、溶着部の少なくとも一部は、使用中に第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成される。
[本発明1001]
流体を保持するように構成された第1のチャンバと、
流体を第1のチャンバから受けるように構成された第2のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバに結合され、導管出口で第2のチャンバに結合された導管であって、流体が第1のチャンバから第2のチャンバへ移動できるように構成された、導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は、
第1の流路と、
第1の流路に隣接して形成された第2の流路であって、第1の流路と流体連通し、第1の流路の最小寸法よりも寸法が小さい、第2の流路と、
第2の流路に存在する1つまたは複数の障害になる形状であって、第2の流路内の該流体の移動を妨げるように構成された、1つまたは複数の障害になる形状と
を含む、
遠心ロータ装置。
[本発明1002]
1つまたは複数の障害になる形状が複数の障害になる形状を含む、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1003]
第2の流路が、第1の流路の第1の側に隣接して形成された第1の補助流路であり、第1の補助流路に形成された1つまたは複数の障害になる形状が、第1の補助流路に形成された第1の組の障害になる形状を含み、
前記導管が、
第1の流路の第2の側に隣接して形成された第2の補助流路と、
第2の補助流路内に形成された第2の組の障害になる形状と
をさらに含む、
本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1004]
前記導管が、それに関連する長さを有し、第1の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状が、該導管の該長さに沿って、第2の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状と同じ箇所に形成されている、本発明1003の遠心ロータ装置。
[本発明1005]
前記導管が、それに関連する長さを有し、第1の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状が、該導管の該長さに沿って、第2の組の障害になる形状のうちの少なくとも1つの障害になる形状とは異なる箇所に形成されている、本発明1003の遠心ロータ装置。
[本発明1006]
前記導管が、それに関連する長さを有し、第1の組の障害になる形状および第2の組の障害になる形状の各障害になる形状が、該導管の該長さに沿って異なる箇所に形成されている、本発明1003の遠心ロータ装置。
[本発明1007]
第1の補助流路および第2の補助流路がそれぞれ、実質的に毛細管現象によって流体が第1のチャンバから第2のチャンバに移動できるように構成された毛細管流路である、本発明1003の遠心ロータ装置。
[本発明1008]
第2の流路が、実質的に毛細管現象によって流体が第1のチャンバから第2のチャンバに移動できるように構成された毛細管流路である、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1009]
前記1つまたは複数の障害になる形状の一部が第1の流路の中に延伸している、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1010]
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムをさらに備え、
前記導管が、
入口部と、
出口部と、
該入口部と該出口部との間に形成された弯曲部と
を含み、
該弯曲部は該入口部および該出口部の半径方向最外部から半径方向内側に形成され、該導管の少なくとも該弯曲部に前記1つまたは複数の障害になる形状が形成されている、
本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1011]
1つまたは複数の障害になる形状が複数の障害になる形状を含み、任意の2つの障害になる形状同士の間隔が約1mm~約2mmである、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1012]
1つまたは複数の障害になる形状が、第2の流路の壁の一部に形成された突出部および疎水性領域からなる群より選択される、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1013]
第1のチャンバが流体分注チャンバであり、第2のチャンバが混合チャンバである、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1014]
第1のチャンバが混合チャンバであり、第2のチャンバが分配流路である、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1015]
第2の流路が溶着ジョイントに隣接している、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1016]
第1のチャンバが、第1の流体を保持するように構成された第1の流体分注チャンバであり、第2のチャンバが、混合チャンバであり、前記導管が、第1の導管であり、前記1つまたは複数の障害になる形状が、第1の組の障害になる形状であり、
第2の流体を保持するように構成された第2の流体分注チャンバと、
第2の流体分注チャンバに結合され、かつ該混合チャンバに結合された第2の導管であって、第2の組の障害になる形状を含む、第2の導管と、
分配流路と、
該混合チャンバに結合され、かつ該分配流路に結合された第3の導管であって、第3の組の障害になる形状を含む、第3の導管と
をさらに備える、本発明1001の遠心ロータ装置。
[本発明1017]
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は、第1のチャンバと流体連通し、該結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成され、該結合部は、該側壁の半径方向外側縁部から約0.025mm~約1mmの距離に配置されている、
遠心ロータ装置。
[本発明1018]
前記角度が約70度~約80度である、本発明1017の遠心ロータ装置。
[本発明1019]
前記導管入口が、前記側壁の半径方向外側縁部から約0.5mm~約0.8mmの距離に配置されている、本発明1017の遠心ロータ装置。
[本発明1020]
第1のチャンバが混合チャンバであり、第2のチャンバをさらに備え、第2のチャンバが導管出口で前記導管に結合され、第2のチャンバが該導管を介して第1のチャンバから前記混合流体を受けるように構成されている、本発明1017の遠心ロータ装置。
[本発明1021]
前記一組の流体が試験流体と希釈流体とを含み、前記導管が第1の導管であり、
試験流体を保持するように構成された第2のチャンバと、
試験流体の少なくとも一部を第2のチャンバから第1のチャンバに移送するために、第1のチャンバと第2のチャンバとを流体結合するように構成された第2の導管と、
希釈流体を保持するように構成された第3のチャンバと、
希釈流体の少なくとも一部を第3のチャンバから第1のチャンバに移送するために、第1のチャンバと第3のチャンバとを流体結合するように構成された第3の導管と
をさらに備える、本発明1017の遠心ロータ装置。
[本発明1022]
第1の導管、第2の導管、および第3の導管のうちの少なくとも1つが、
第1の流路と、
第1の流路に隣接して形成された第2の流路であって、第1の流路と流体連通し、主流路の最小寸法よりも寸法が小さい、第2の流路と、
第2の流路に存在する1つまたは複数の障害になる形状であって、第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成された、1つまたは複数の障害になる形状と
を含む、
本発明1021の遠心ロータ装置。
[本発明1023]
前記導管が、
入口部と、
出口部と、
該入口部と該出口部との間に形成された弯曲部と
を含み、
該弯曲部は、該入口部および該出口部の半径方向最外部から半径方向内側に形成されている、
本発明1017の遠心ロータ装置。
[本発明1024]
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管出口で第1のチャンバの該側壁に結合された結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は第1のチャンバと流体連通し、該結合部は、半径内側方向から約0度~約180度の角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成されている、
遠心ロータ装置。
[本発明1025]
半径内側方向と半径外側方向とを画定する外側リムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された、結合部を含む導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は第1のチャンバと流体連通し、該結合部は該側壁の半径方向外側縁部から約0.025mm~約1mmの距離に配置されている、
遠心ロータ装置。
[本発明1026]
半径内側方向と半径外側方向とを画定するリムと、
一組の流体を受けるように構成された第1のチャンバであって、使用中に混合流体を生成するために、該一組の流体を実質的に混合するようにさらに構成され、内側部分および側壁を含む、第1のチャンバと、
導管入口で第1のチャンバの該側壁に結合された導管と
を備える、遠心ロータ装置であって、
該導管は第1のチャンバと流体連通し、該導管入口は、半径内側方向からゼロ度よりも大きい角度で、半径内側方向と、半径内側方向に垂直な方向との間に形成されている、
遠心ロータ装置。
[本発明1027]
基板同士の間に流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程であって、第2の基板は、第2の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備える、工程と、
該流路の周囲に溶着部を形成するために、該エネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって第1の基板と第2の基板とを接着する工程であって、溶着部の少なくとも一部が該流路の中に延伸する、工程と
を含み、
該エネルギーダイレクタの縁部が、該流路の長手方向に対して約45度~約135度の角度で形成されている、
装置を製造する方法。
[本発明1028]
基板同士の間に流路を形成するために、第1の基板の第1の側を、第2の基板の第1の側と接触させて配置する工程であって、第2の基板は、第2の基板の第1の側に形成されたエネルギーダイレクタを備え、該流路は、第1の流路と、第1の流路に隣接する第2の流路とを含み、第2の流路は、第1の流路と流体連通し、第2の流路は、主流路の最小寸法よりも寸法が小さく、該エネルギーダイレクタは、第2の流路に対して相対的に近位にあり、かつ第1の流路に対して相対的に遠位にある、工程と、
溶着部を形成するために、該エネルギーダイレクタに高周波音を印加することによって、第1の基板と第2の基板とを接着する工程であって、溶着部の少なくとも一部が、障害になる形状の形態で第2の流路の中に延伸し、該障害になる形状は、使用中に第2の流路内の流体の移動を妨げるように構成される、工程と
を含む、装置を製造する方法。
【外国語明細書】