(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089176
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】くぼみを有するヒーター組立品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20230620BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230620BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023066325
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2019570484の分割
【原出願日】2018-07-27
(31)【優先権主張番号】17183836.0
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】アウ ゼー チーク
(72)【発明者】
【氏名】フランジェリ ジャン-リュック
(72)【発明者】
【氏名】ヨー チョウ キアン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用中にエアロゾル発生装置内に入る液漏れの可能性を低減または排除するエアロゾル発生装置用のヒーター組立品を提供する。
【解決手段】ヒーター組立品10は、ブッシング12の第一の端に開口部を画定し、かつブッシングの第二の端26にくぼみ24を画定するブッシングを備える。ヒーター組立品はまた、ブッシングの第一の端から延びる細長い電気ヒーター14を備え、細長い電気ヒーターの一部分は開口部を通って、くぼみ内に延びる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のヒーター組立品であって、
ブッシングの第一の端に開口部を画定し、前記ブッシングの第二の端にくぼみを画定するブッシングと、
前記ブッシングの前記第一の端から延びる細長い電気ヒーターであって、前記細長い電気ヒーターの一部分が前記開口部を通して前記くぼみ内に延びる、細長い電気ヒーターとを備える、ヒーター組立品。
【請求項2】
前記くぼみ内に位置付けられたポッティングコンパウンドをさらに含む、請求項1に記載のヒーター組立品。
【請求項3】
前記ポッティングコンパウンドが、熱硬化性ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載のヒーター組立品。
【請求項4】
前記ポッティングコンパウンドが前記くぼみを充填する、請求項1または2に記載のヒーター組立品。
【請求項5】
前記開口部を通って延びる前記細長い電気ヒーターの前記部分が、締まり嵌めによって前記開口部内に受容されている、請求項1~4のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項6】
前記ブッシングが、前記ブッシングの第一の端または前記ブッシングの第二の端のいずれかの周りに延びる第一のフランジを備える、請求項1~5のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項7】
前記第一のフランジが、前記ブッシングの第一の端の周りに延び、前記ブッシングが、前記ブッシングの第二の端の周りに延びる第二のフランジと、前記第一のフランジと前記第二のフランジとの間に形成された環状溝とをさらに含む、請求項6に記載のヒーター組立品。
【請求項8】
前記ヒーター組立品が、前記環状溝内に位置付けられた環状ガスケットを含む、請求項7に記載のヒーター組立品。
【請求項9】
前記ブッシングが、前記開口部が形成されている第一の端面と、前記くぼみが形成されている第二の端面と、前記第一の端面と前記第二の端面との間に延びる円筒状の表面とを備える、請求項1~8のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項10】
請求項7または8に従属する時、前記環状溝が前記円筒状の表面に形成されている、請求項9に記載のヒーター組立品。
【請求項11】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生物品を受容するための装置くぼみを画定するハウジングと、
請求項1~10のいずれかに記載のヒーター組立品であって、前記ヒーター組立品が前記装置くぼみの上流端で前記ハウジング内に位置付けられていて、前記細長い電気ヒーターが前記ブッシングの前記第一の端から前記装置くぼみ内に延びる、ヒーター組立品と、
電源と、
電源および前記電源から前記細長い電気ヒーターへの電力の供給を制御するためのコントローラーとを備える、エアロゾル発生装置。
【請求項12】
エアロゾル発生システムであって、
請求項11に記載のエアロゾル発生装置と、
前記装置くぼみ内に受容されたエアロゾル発生物品とを備える、エアロゾル発生システム。
【請求項13】
エアロゾルを発生する方法であって、
請求項11に記載のエアロゾル発生装置を提供する工程と、
エアロゾル発生物品を提供する工程と、
前記エアロゾル発生物品を前記装置くぼみ内に挿入する工程と、
前記細長い電気ヒーターを使用して前記エアロゾル発生物品を加熱する工程とを含む、方法。
【請求項14】
エアロゾル発生装置用のヒーター組立品を組み立てる方法であって、
細長い電気ヒーターを提供する工程と、
前記細長い電気ヒーターの一部分の周りにブッシングを形成する工程であって、前記ブッシングが前記ブッシングの第一の端で開口部を画定し、ブッシングの第二の端でくぼみを画定し、前記ブッシング内の前記細長い電気ヒーターの前記部分が前記開口部を通って前記くぼみ内に延び、前記細長い電気ヒーターが前記ブッシングの前記第一の端から延びる、工程とを含む、方法。
【請求項15】
前記くぼみ内にポッティングコンパウンドを堆積させる工程と、
前記ポッティングコンパウンドを固める工程とをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品に関し、ヒーター組立品はくぼみを有する。本発明はまた、ヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置、エアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システム、エアロゾルを発生する方法、およびヒーター組立品を組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。周知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは典型的に、エアロゾル発生装置で使用するために特に設計された喫煙物品を加熱するための、電池と、制御電子回路と、電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。一部の例において、喫煙物品は、たばこプラグなどのエアロゾル形成基体のプラグを含み、またエアロゾル発生装置内に収容されたヒーターは、喫煙物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されている時、エアロゾル形成基体の中に挿入されている。
【0003】
電気的に作動する喫煙システム用のエアロゾル発生物品は典型的に、加熱時にエアロゾルの発生を促進する高い液体含有量を示す。使用中、エアロゾル発生物品からの液体は、エアロゾル発生物品からの直接的な移動によって、またはエアロゾル発生装置内でのエアロゾル凝縮の結果として、エアロゾル発生装置内に集まりうる。使用中にエアロゾル発生装置内に集まった液体は、エアロゾル発生装置の内部の中に漏れることがあり、その結果、エアロゾル発生装置内の電気的構成要素の劣化または不良をもたらしうる。
【0004】
使用中にエアロゾル発生装置内に入る液漏れの可能性を低減または排除するエアロゾル発生装置用のヒーター組立品を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の態様によると、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品が提供されていて、ヒーター組立品は、ブッシングの第一の端に開口部を画定し、ブッシングの第二の端にくぼみを画定するブッシングを備える。ヒーター組立品はまた、ブッシングの第一の端から延びる細長い電気ヒーターを備え、細長い電気ヒーターの一部分は開口部を通って、くぼみ内に延びる。
【0006】
有利なことに、ブッシングを備えるヒーター組立品を提供することは、エアロゾル発生装置のハウジング内での細長い電気ヒーターの設置を容易にする。すなわち、ブッシングは、エアロゾル発生装置のハウジング内に適合するサイズおよび形状とすることができる。
【0007】
有利なことに、細長い電気ヒーターの一部分が通って延びる開口部は、ブッシングに対する細長い電気ヒーターの正しい位置付けを容易にしうる。有利なことに、これはヒーター組立品がエアロゾル発生装置のハウジング内に設置されている時、細長い電気ヒーターの正しい位置付けおよび配向を容易にする。
【0008】
有利なことに、細長い電気ヒーターの一部分が中に入るくぼみは、細長い電気ヒーターとブッシングとの間の密封を容易にする。すなわち、くぼみを密封材料で充填して、細長い電気ヒーターとブッシングとの間のヒーター組立品を通した液漏れのリスクを低減または排除することができる。
【0009】
ヒーター組立品は、くぼみ内に位置付けられたポッティングコンパウンドをさらに含むことが好ましい。有利なことに、ポッティングコンパウンドは、細長い電気ヒーターとブッシングとの間の密封を提供する。有利なことに、ポッティングコンパウンドは、使用中に細長い電気ヒーターが典型的に加熱される高温で密封を維持できる。
【0010】
ポッティングコンパウンドがくぼみを実質的に充填することが好ましい。有利なことに、ポッティングコンパウンドでくぼみを実質的に充填することは、ポッティングコンパウンドによって形成される密封の強度を最大化しうる。
【0011】
ポッティングコンパウンドは、熱硬化性ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。有利なことに、これらのポッティングコンパウンドは、細長い電気ヒーターが使用中に典型的に加熱される高温で安定した状態を保つ。有利なことに、これらのポッティングコンパウンドは、液体状でくぼみ内に堆積させてから、例えば乾燥または硬化によって固めることができる。有利なことに、これはポッティングコンパウンドによって提供された密封を最適化するために、細長い電気ヒーターとブッシングとの間の空間へのポッティングコンパウンドの進入を容易にする。
【0012】
ポッティングコンパウンドは、少なくとも一つのシリコーンを含むことが好ましい。有利なことに、シリコーンは硬化後、ある程度の弾性を保持し、これはブッシングと細長い電気ヒーターとの間の強力な密封を容易にする。
【0013】
ポッティングコンパウンドは、中性硬化シリコーンを含みうる。中性硬化シリコーンは、アセトキシシリコーンなどの他のシリコーンと比較して、硬化後の弾性の増大を示しうる。有利なことに、弾性の増大は、ポッティングコンパウンドによって提供された密封の信頼性を向上させうる。
【0014】
ポッティングコンパウンドは、アセトキシシリコーンを含みうる。アセトキシシリコーンは典型的に、中性硬化シリコーンと比較して、硬化時間の短縮を示す。有利なことに、硬化時間の短縮は、ヒーター組立品の製造を容易にする。
【0015】
開口部を通って延びる細長い電気ヒーターの一部分は、締まり嵌めによって開口部内に受容されうる。すなわち、開口部の内部断面寸法は、開口部を通って延びる細長い電気ヒーターの一部分の外部断面寸法と実質的に同一であってもよい。
【0016】
有利なことに、締まり嵌めは細長い電気ヒーターをブッシングに固定しうる。有利なことに、これはヒーター組立品がポッティングコンパウンドを含む実施形態において、弾性のポッティングコンパウンドの使用を容易にしうる。すなわち、締まり嵌めは細長い電気ヒーターをブッシングに固定するためのポッティングコンパウンドの必要性を排除しうる。
【0017】
有利なことに、締まり嵌めは、細長い電気ヒーターとブッシングとの間の相対的な動きを阻止しうる。
【0018】
ブッシングは、ブッシングの第一の端またはブッシングの第二の端のいずれかの周りに延びる第一のフランジを備えることが好ましい。有利なことに、第一のフランジは、ブッシングとエアロゾル発生装置のハウジングとの間の密封を係合して、ブッシングとエアロゾル発生装置のハウジングとの間の液漏れを低減または防止しうる。
【0019】
第一のフランジは、ブッシングの第一の端の周りに延びることが好ましい。有利なことに、これはヒーター組立品がエアロゾル発生装置のハウジングによって画定された装置くぼみの中に挿入されている時に、第一のフランジと密封との間の係合を容易にしうる。すなわち、ヒーター組立品の第二の端は、ブッシングの第一の端に面しない第一のフランジの面が密封を係合するように、装置くぼみ内に挿入されてもよい。
【0020】
第一のフランジはブッシングの第一の端の周りに延び、ブッシングはブッシングの第二の端の周りに延びる第二のフランジをさらに備え、環状溝は第一のフランジと第二のフランジとの間に形成されていることが好ましい。有利なことに、環状溝は、ブッシングの外部とエアロゾル発生装置のハウジングの内部との間の密封を容易にするガスケットを受容してもよい。
【0021】
ヒーター組立品は、環状溝内に位置付けられた環状ガスケットを含むことが好ましい。環状ガスケットはOリングであってもよい。環状ガスケットは弾性材料から形成されていることが好ましい。環状ガスケットはエラストマー材料から形成されていることが好ましい。環状ガスケットはゴムを含んでもよい。
【0022】
ブッシングは実質的に円筒状でもよい。有利なことに、実質的に円筒状のブッシングは、エアロゾル発生装置のハウジングによって形成された装置くぼみへのヒーター組立品の挿入を容易にしうる。
【0023】
ブッシングは、開口部が形成されている第一の端面と、くぼみが形成されている第二の端面と、第一の端面と第二の端面の間に延びる実質的に円筒状の表面とを備えうる。
【0024】
ブッシングが環状溝を含む実施形態において、環状溝は実質的に円筒状の表面に形成されていることが好ましい。すなわち、環状溝の両側にある実質的に円筒状の表面の第一および第二の端は、それぞれ第一および第二のフランジを形成する。
【0025】
ヒーター組立品は、ブッシングの第二の端に位置付けられた少なくとも一つの電気接点をさらに備え、少なくとも一つの電気接点は細長い電気ヒーターに電気的に接続されていることが好ましい。有利なことに、少なくとも一つの電気接点は、エアロゾル発生装置の電源および制御電子回路のうちの少なくとも一つへの細長い電気ヒーターの電気的接続を容易にする。
【0026】
少なくとも一つの電気接点は、少なくとも二つの電気接点を備えることが好ましい。
【0027】
ブッシングは、ブッシングの端上に位置付けられた少なくとも一つの切り抜きを含むことが好ましい。有利なことに、少なくとも一つの切り抜きは、ヒーター組立品を含むエアロゾル発生装置の組立中に、エアロゾル発生装置のハウジングに対するヒーター組立品の正しい配向を容易にしうる。すなわち、少なくとも一つの切り抜きは、エアロゾル発生装置のハウジングによって形成された少なくとも一つの突出部を係合しうる。
【0028】
ブッシングが第一のフランジを備える実施形態において、少なくとも一つの切り抜きは第一のフランジ上に提供されてもよい。
【0029】
ブッシングが第一のフランジおよび第二のフランジを備える実施形態において、少なくとも一つの切り抜きは、第一のフランジ上、または第二のフランジ上、または第一のフランジ上と第二のフランジ上に提供されてもよい。少なくとも一つの切り抜きは、第二のフランジ上に提供された少なくとも一つの切り抜きを含むことが好ましい。
【0030】
ブッシングは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されうる。適切な材料としては、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、および修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を含むLCPなど)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0031】
ブッシングは、単一の部品として形成されてもよい。ブッシングは、まとめて固定された少なくとも二つの部品から形成されうる。ブッシングは、第二の部品に固定された第一の部品を備えうる。第一の部品は、接着剤、溶接、および締まり嵌めのうちの少なくとも一つによって第二の部品に固定されうる。
【0032】
開口部の第一の部分は、ブッシングの第一の部品によって形成されてもよく、開口部の第二の部分はブッシングの第二の部品によって形成されてもよい。くぼみの第一の部分は、ブッシングの第一の部品によって形成されてもよく、くぼみの第二の部分はブッシングの第二の部品によって形成されてもよい。
【0033】
有利なことに、ブッシングが、第二の部品に固定された第一の部品から形成されている実施形態は、ヒーター組立品の組立を容易にしうる。例えば、細長い電気ヒーターは、ブッシングの第一の部品がブッシングの第二の部品に固定されている時に、ブッシングの第一の部品とブッシングの第二の部品との間に位置付けられうる。開口部を通って延びる細長い電気ヒーターの一部分が締まり嵌めによって開口部内に受容されている実施形態において、ヒーター組立品を組み立てるこの方法は、細長い電気ヒーターを損傷することなく締まり嵌めを最適化しうる。すなわち、ブッシングの二部品組立品は、細長い電気ヒーターが単一部品のブッシング内に形成された開口部を通して挿入されている実施形態と比較して、細長い電気ヒーターの損傷を低減または排除しうる。
【0034】
細長い電気ヒーターは、ブッシングの第一の端から延びる加熱部分を含むことが好ましい。加熱部分は、エアロゾル発生物品内に挿入するために構成されていることが好ましい。加熱部分は、ブッシングの第一の端から遠位にある加熱部分の端部にテーパー付部分を備えうる。加熱部分はピンの形態であってもよい。加熱部分はブレードの形態であってもよい。加熱部分は円錐の形態であってもよい。
【0035】
細長い電気ヒーターは抵抗ヒーターであってもよい。細長い電気ヒーターは、電気的に絶縁された基体と、電気的に絶縁された基体の上に提供された抵抗発熱体とを備えてもよい。
【0036】
電気的に絶縁された基体は、摂氏約700度までの動作温度で動作可能であることが好ましく、摂氏約800度までの動作温度で動作可能であることがより好ましい。追加的に、または別の方法として、使用中の抵抗発熱体の動作温度は、摂氏約250度であってもよく、摂氏約300度であることがより好ましい。
【0037】
電気的に絶縁された基体は、ジルコニアまたはアルミナなどのセラミック材料であってもよい。電気的に絶縁された基体は、約2ワット毎メートル毎ケルビン以下の熱伝導率を有することが好ましい。
【0038】
電気的に絶縁された基体は、抵抗発熱体が上に位置付けられている平面と、エアロゾル発生物品の中への細長い電気ヒーターの挿入を可能にするように構成されたテーパー付端とを備えてもよい。
【0039】
抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、ならびにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0040】
一部の実施形態において、抵抗発熱体は、電気抵抗性材料(ステンレス鋼など)の一つ以上のスタンプ加工された部分を含む。別の方法として、抵抗発熱体は、加熱ワイヤーまたはフィラメント(例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステンもしくは合金のワイヤー)を含んでもよい。
【0041】
ヒーター組立品が少なくとも一つの電気接点を備える実施形態において、抵抗発熱体は、少なくとも一つの電気接点に電気的に接続されていることが好ましい。
【0042】
本発明の第二の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置およびヒーター組立品は、本発明の第一の態様に関して説明した随意の、または好ましい特徴のいずれかを含んでもよい。
【0043】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受容するための装置くぼみを画定するハウジングを備える。ヒーター組立品は、ハウジング内で装置くぼみの上流端に位置付けられていて、細長い電気ヒーターはブッシングの第一の端から装置くぼみ内に延びる。エアロゾル発生装置はまた、電源と、電源から細長い電気ヒーターへの電力供給を制御するためのコントローラーとを備える。
【0044】
電源および制御電子回路は、ブッシングの第二の端の上流に位置付けられていることが好ましい。すなわち、電源および制御電子回路は、ヒーター組立品によって装置くぼみから分離されていることが好ましい。
【0045】
ヒーター組立品がポッティングコンパウンドを含む実施形態において、有利なことにポッティングコンパウンドは、装置くぼみからヒーター組立品を通って制御電子回路や電源に向かう液漏れを低減または防止する。
【0046】
エアロゾル発生装置は、ブッシングとハウジングの間に位置付けられたガスケットを備えることが好ましい。ガスケットは、ヒーター組立品の一部を形成しうる。ガスケットは、本明細書に記載の通り、ブッシング上の環状溝内に位置付けられてもよい。有利なことに、ガスケットは、ヒーター組立品の外側の周りでの装置くぼみから制御電子回路や電源に向かう液漏れを低減または防止する。
【0047】
電源はDC電圧供給源であってもよい。好ましい実施形態において、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とすることがあり、またエアロゾル発生装置を一つ以上のエアロゾル発生物品とともに使用するために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。
【0048】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの空気吸込み口を備えることが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、装置くぼみの上流端と流体連通していることが好ましい。
【0049】
エアロゾル発生装置は、消費者が吸煙していることを示す気流を検出するためのセンサーを備えてもよい。気流センサーは電気機械装置であってもよい。気流センサーは、機械式装置、光学式装置、光学機械式装置、および微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサーのうちのいずれかであってもよい。エアロゾル発生装置は、消費者が吸煙を開始するための手動スイッチを備えてもよい。
【0050】
エアロゾル発生装置は温度センサーを備えてもよい。温度センサーは、細長い電気ヒーターの温度、または装置くぼみの中に受容されたエアロゾル発生物品の温度を検出してもよい。温度センサーはサーミスタであってもよい。温度センサーは、細長い電気ヒーターの比抵抗を測定し、測定された比抵抗を温度に対する比抵抗の較正曲線と比較することによって、細長い電気ヒーターの温度を導出するように構成された回路を備えてもよい。
【0051】
エアロゾル発生装置は、細長い電気ヒーターが起動された時を示すためのインジケータを備えることが好ましい。インジケータは、細長い電気ヒーターが起動された時に起動されるライトを備えてもよい。
【0052】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別の電気的な装置に接続することを可能にする、外部プラグまたはソケットのうちの少なくとも一つと、少なくとも一つの外部電気接点とを備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別のUSB使用可能装置に接続することを可能にする、USBプラグまたはUSBソケットを備えてもよい。例えば、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置をUSB充電装置に接続して、エアロゾル発生装置内の再充電可能電源を充電することを可能にしうる。追加的に、または別の方法として、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置へのデータ転送、もしくはエアロゾル発生装置からのデータ転送、またはエアロゾル発生装置へのデータ転送とエアロゾル発生装置からのデータ転送との両方に対応する場合がある。追加的に、または別の方法として、新しいエアロゾル発生物品のための新しい加熱プロファイルなどのデータを装置に転送するために、エアロゾル発生装置をコンピュータに接続してもよい。
【0053】
エアロゾル発生装置がUSBプラグまたはソケットを備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、使用されていない時にUSBプラグまたはソケットを覆う取り外し可能なカバーをさらに備えてもよい。USBプラグまたはソケットがUSBプラグである実施形態において、USBプラグは追加的に、または別の方法として、選択的に装置内に格納可能であってもよい。
【0054】
本発明の第三の態様によると、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる、本発明の第二の態様によるエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムはまた、装置くぼみ内に受容されたエアロゾル発生物品を備えることが好ましい。
【0055】
エアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。
【0056】
エアロゾル形成基体は、たばこプラグを備えうる。たばこプラグは、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。随意に、たばこプラグは、たばこプラグの加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含んでもよい。随意に、たばこプラグはまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含むカプセルも収容してもよい。こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱中に溶融してもよい。別の方法として、または加えて、こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱前、加熱中、または加熱後に押しつぶされてもよい。
【0057】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ13ミリメートルの外径を有してもよい。
【0058】
エアロゾル発生物品は、たばこプラグの下流に位置付けられたマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。マウスピースは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さであることが好ましいが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有することができる。
【0059】
たばこプラグは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。
【0060】
たばこプラグの直径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。
【0061】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ40ミリメートル~およそ50ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有することが好ましい。
【0062】
本発明の第四の態様によると、エアロゾルを発生する方法が提供されている。方法は、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第二の態様によるエアロゾル発生装置を提供する工程を含む。方法はまた、エアロゾル発生物品を提供する工程を含む。エアロゾル発生物品は、本発明の第三の態様に関して説明した随意の、または好ましい特徴のいずれかをさらに含んでもよい。方法はまた、エアロゾル発生物品を装置くぼみ内に挿入する工程と、細長い電気ヒーターを使用してエアロゾル発生物品を加熱する工程とを含む。
【0063】
エアロゾル発生物品を提供する工程は、エアロゾル発生装置を提供する工程の前または後に実施されうる。エアロゾル発生装置を提供する工程と、エアロゾル発生物品を提供する工程とは、単一の工程としてまとめて実施されてもよい。
【0064】
本発明の第五の態様によると、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品を組み立てる方法が提供されている。ヒーター組立品は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる、本発明の第一の態様によるヒーター組立品であることが好ましい。方法は、細長い電気ヒーターを提供する工程と、細長い電気ヒーターの一部分の周りにブッシングを形成する工程とを含む。ブッシングは、ブッシングの第一の端に開口部を画定し、ブッシングの第二の端にくぼみを画定し、ブッシング内の細長い電気ヒーターの一部分は開口部を通ってくぼみ内に延び、細長い電気ヒーターはブッシングの第一の端から延びる。
【0065】
ブッシングを形成する工程は、細長い電気ヒーターの一部分を成形型に挿入する工程と、成形型内と、成形型内に位置付けられた細長い電気ヒーターの一部分の周りとにブッシング材料を注入する工程と、ブッシング材料を固めてブッシングを形成する工程とを含むことが好ましい。固める工程は、ブッシング材料の冷却、乾燥および硬化のうちの少なくとも一つを含んでもよい。固める工程は、ブッシング材料を硬化させる工程を含むことが好ましい。ブッシング材料は樹脂であることが好ましい。
【0066】
ブッシングは、本発明の第一の態様に関して本明細書で説明した任意のブッシング材料から形成されてもよい。
【0067】
方法は、くぼみ内にポッティングコンパウンドを堆積させる工程と、ポッティングコンパウンドを固める工程をさらに含むことが好ましい。ポッティングコンパウンドを固める工程は、ポッティングコンパウンドを乾燥させる工程、および硬化させる工程のうちの少なくとも一つを含んでもよい。ポッティングコンパウンドを固める工程は、ポッティングコンパウンドを、熱、紫外線放射、赤外線放射、および水分(少なくとも水および水蒸気のうちの少なくとも一つなど)のうちの少なくとも一つに晒すことを含みうる。
【0068】
ポッティングコンパウンドを堆積させる工程は、液体ポッティングコンパウンドをくぼみ内に堆積させる工程を含むことが好ましい。液体ポッティングコンパウンドを堆積させる工程は、液体ポッティングコンパウンドをくぼみに流し込む工程、注入する工程、または流す工程のうちの少なくとも一つを含みうる。ポッティングコンパウンドを固める工程は、液体ポッティングコンパウンドを凝固させる工程を含むことが好ましい。
【0069】
ポッティングコンパウンドは、本発明の第一の態様に関して本明細書で説明したポッティングコンパウンドのいずれかを含みうる。
【0070】
本発明の第六の態様によると、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品を組み立てる方法が提供されている。ヒーター組立品は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる、本発明の第一の態様によるヒーター組立品であることが好ましい。方法は、ブッシングの第一の端に開口部を画定し、ブッシングの第二の端にくぼみを画定するブッシングを提供する工程を含む。方法はまた、細長い電気ヒーターを提供し、ブッシング内の細長い電気ヒーターの一部分を位置付けて、電気ヒーターの一部分が開口部を通ってくぼみ内に延び、また細長い電気ヒーターがブッシングの第一の端から延びるようにする工程を含む。
【0071】
細長い電気ヒーターを提供する工程は、ブッシングを提供する工程の前または後に実施されうる。ブッシングを提供する工程と、細長い電気ヒーターを提供する工程は、単一の工程として実施されうる。
【0072】
方法は、くぼみ内にポッティングコンパウンドを堆積させる工程と、ポッティングコンパウンドを固める工程をさらに含むことが好ましい。ポッティングコンパウンドを固める工程は、ポッティングコンパウンドを乾燥させる工程、および硬化させる工程のうちの少なくとも一つを含んでもよい。ポッティングコンパウンドを固める工程は、ポッティングコンパウンドを、熱、紫外線放射、赤外線放射、および水分(少なくとも水および水蒸気のうちの少なくとも一つなど)のうちの少なくとも一つに晒すことを含みうる。
【0073】
ポッティングコンパウンドを堆積させる工程は、液体ポッティングコンパウンドをくぼみ内に堆積させる工程を含むことが好ましい。液体ポッティングコンパウンドを堆積させる工程は、液体ポッティングコンパウンドをくぼみに流し込む工程、注入する工程、または流す工程のうちの少なくとも一つを含みうる。ポッティングコンパウンドを固める工程は、液体ポッティングコンパウンドを凝固させる工程を含むことが好ましい。
【0074】
ポッティングコンパウンドは、本発明の第一の態様に関して本明細書で説明したポッティングコンパウンドのいずれかを含みうる。
【0075】
ブッシングを提供する工程は、単一部品のブッシングを提供する工程を含みうる。
【0076】
ブッシングを提供する工程は、ブッシングの第一の部品およびブッシングの第二の部品を提供する工程を含みうる。ブッシングを提供する工程は、ブッシングの第一の部品をブッシングの第二の部品に固定してブッシングを形成する工程をさらに含みうる。第一の部品を第二の部品に固定する工程は、第一の部品を第二の部品に接着する工程、第一の部品を第二の部品に溶接する工程、第一の部品を締まり嵌めによって第二の部品に固定する工程のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0077】
ブッシング内の細長い電気ヒーターの一部分を位置付ける工程は、ブッシングの第一の部品をブッシングの第二の部品に固定してブッシングを形成する工程の前に、ブッシングの第一の部品とブッシングの第二の部品との間に細長い電気ヒーターの一部分を位置付ける工程を含みうる。
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるヒーター組立品の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、ガスケットを追加した
図1によるヒーター組立品の断面図を示す。
【
図3】
図3は、
図1のヒーター組立品を含むエアロゾル発生システムを示す。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による、エアロゾルを発生する方法を示す。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による、ヒーター組立品を組み立てる方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1および
図2は、本発明の一実施形態によるヒーター組立品10を示す。ヒーター組立品10は、ブッシング12および細長い電気ヒーター14を備える。
【0080】
ブッシング12は、締まり嵌めによってまとめて固定された第一の部品16および第二の部品18を含む。ブッシング12は、ブッシング12の第一の端22に開口部20を画定し、ブッシング12の第二の端26にくぼみ24を画定する。細長い電気ヒーター14の一部分は、開口部20およびくぼみ24を通って延びる。くぼみ24は、ポッティング材料28で充填されていて、くぼみ24内でブッシング12と細長い電気ヒーター14との間に密封を形成する。ポッティング材料28は
図1では省略されており、くぼみ24が表示されている。
【0081】
ブッシング12は、ブッシング12の第一の端22にある第一のフランジ30と、ブッシング12の第二の端26にある第二のフランジ32とを含む。環状溝34は、第一のフランジ30と第二のフランジ32との間に形成されている。切り抜き36は、第二のフランジ34内に形成されている。
【0082】
ブッシング12はまた、環状溝34内に位置付けられたOリングの形態のガスケット38を備える。ガスケット38は
図1では省略されており、環状溝34が表示されている。
【0083】
細長い電気ヒーター14は、電気的に絶縁された基体40と、電気的に絶縁された基体40上に形成された抵抗発熱体42とを備えてもよい。細長い電気ヒーター14はまた、抵抗発熱体42とヒーター組立品10を含むエアロゾル発生装置の制御電子回路との間の電気的接続を提供するための二つの電気接点44を備える。
【0084】
ヒーター組立品10は、ブッシング12の第二の端26から延びて、ヒーター組立品10を含むエアロゾル発生装置内のヒーター組立品10の機械的接続を容易にする二つのピン45を備える。
【0085】
図3は、エアロゾル発生装置102とエアロゾル発生物品104とを備えるエアロゾル発生システム100の断面図を示す。
【0086】
エアロゾル発生装置102は、ハウジング106と、ハウジング106内に位置付けられたヒーター組立品10とを備える。ガスケット38は、ブッシング12とハウジング106の内表面との間の密封を形成する。ハウジング106は、ブッシング12の切り抜き36内に受容されていて、ハウジング106内でのヒーター組立品10の正しい配向を確保する突出部108を備える。
【0087】
ハウジング106は、エアロゾル発生物品104を受容するための装置くぼみ110を画定し、細長い電気ヒーター14はブッシング12の第一の端22から装置くぼみ110内に延びる。コントローラー112および電源114は、ハウジング106内でヒーター組立品10とハウジング106の閉端部116との間に位置付けられている。
【0088】
エアロゾル発生物品104は、たばこプラグの形態のエアロゾル形成基体118と、中空のアセテート管120と、高分子フィルター122と、マウスピース124と、外側ラッパー126とを備える。エアロゾル発生物品104の上流端がエアロゾル発生装置102の装置くぼみ110内に受容されている時、ヒーター組立品10の細長い電気ヒーター14はエアロゾル形成基体118内に受容されている。
【0089】
エアロゾル発生システム100の使用中、コントローラー112は、電源114から細長い電気ヒーター14への電力の供給を制御して、エアロゾル形成基体118を加熱し、マウスピース124を通してユーザーに送達するためのエアロゾルを形成する。ポッティング材料28およびガスケット38は、エアロゾル形成基体118からコントローラー112および電源114を収容するハウジング106の部分への液漏れを実質的に防ぐ。
【0090】
図4は、本発明の一実施形態による、エアロゾルを発生する方法200を示す。方法は、エアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とをそれぞれ提供する工程202および工程204を含む。エアロゾル発生装置は、本発明によるヒーター組立品を含む。例えば、エアロゾル発生装置は、
図3に示すエアロゾル発生装置102でもよい。同様に、エアロゾル発生物品は、
図3に示すエアロゾル発生物品104でもよい。
【0091】
工程206において、エアロゾル発生物品104は、エアロゾル発生装置102の装置くぼみ110内に挿入されている。工程208において、エアロゾル発生物品104は、エアロゾル発生装置102のヒーター組立品10の細長い電気ヒーター14を使用して加熱される。
【0092】
図5は、本発明の一実施形態による、ヒーター組立品を組み立てる方法300を示す。ヒーター組立品は、
図1および
図2に示すヒーター組立品10としうる。方法300は、細長い電気ヒーター14を提供する工程302を含む。
【0093】
工程304において、細長い電気ヒーター14の一部分が成形型に挿入される。工程306において、成形型内と、成形型内に位置付けられた細長い電気ヒーター14の部分の周りとに樹脂を含むブッシング材料が注入される。工程308で、ブッシング材料はブッシング12を形成するように固められる。固める工程は、樹脂を硬化させる工程を含む。工程308において形成されたブッシング12は、開口部20およびくぼみ24を備え、細長い電気ヒーター14の一部分は開口部20を通ってブッシング12のくぼみ24内に延び、細長い電気ヒーター14はブッシング12の第一の端22から延びる。
【0094】
工程310においてポッティングコンパウンド28はくぼみ24内に堆積し、工程312においてポッティングコンパウンドは固められる。固める工程は、ポッティングコンパウンド28を乾燥させる工程、および硬化させる工程のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のヒーター組立品であって、
ブッシングの第一の端に開口部を画定し、前記ブッシングの第二の端にくぼみを画定するブッシングと、
前記ブッシングから延びる細長い電気ヒーターであって、前記細長い電気ヒーターの一部分が前記開口部を通して前記くぼみ内に延びる、細長い電気ヒーターと、
を備える、ヒーター組立品。
【請求項2】
前記開口部を通って延びる前記細長い電気ヒーターの前記部分が、締まり嵌めによって前記開口部内に受容されている、請求項1に記載のヒーター組立品。
【請求項3】
前記ブッシングが、前記ブッシングの前記第一の端または前記ブッシングの前記第二の端のいずれかの周りに延びる第一のフランジを備える、請求項1または2のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項4】
前記第一のフランジが、前記ブッシングの前記第一の端の周りに延び、前記ブッシングが、前記ブッシングの前記第二の端の周りに延びる第二のフランジと、前記第一のフランジと前記第二のフランジとの間に形成された環状溝とをさらに含む、請求項3に記載のヒーター組立品。
【請求項5】
前記ヒーター組立品が、前記環状溝内に位置付けられた環状ガスケットを含む、請求項4に記載のヒーター組立品。
【請求項6】
前記ブッシングが、前記開口部が形成されている第一の端面と、前記くぼみが形成されている第二の端面と、前記第一の端面と前記第二の端面との間に延びる円筒状の表面とを備える、請求項1~5のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項7】
請求項4または5に従属する時、前記環状溝が前記円筒状の表面に形成されている、請求項6に記載のヒーター組立品。
【請求項8】
前記ヒーター組立品は、前記ブッシングの前記第二の端に位置付けられた少なくとも一つの電気接点を備え、前記少なくとも一つの電気接点は、前記細長い電気ヒーターに電気的に接続されている、請求項1~7のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項9】
前記少なくとも一つの電気接点は、少なくとも二つの電気接点を備える、請求項8に記載のヒーター組立品。
【請求項10】
前記くぼみは、ポッティング材料で充填されていて、前記くぼみ内で前記ブッシングと前記細長い電気ヒーターとの間に密封を形成する、請求項1~9のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項11】
前記ポッティングコンパウンドは、熱硬化性ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項10に記載のヒーター組立品。
【請求項12】
前記細長い電気ヒーターが、前記ブッシングの前記第一の端および前記ブッシングの前記第二の端のうちの少なくとも一方から延びている、請求項1~11のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項13】
前記細長い電気ヒーターが、前記ブッシングの前記第一の端から延びている、請求項1~12のいずれかに記載のヒーター組立品。
【請求項14】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生物品を受容するための装置くぼみを画定するハウジングと、
請求項1~10のいずれかに記載のヒーター組立品であって、前記ヒーター組立品が前記装置くぼみの上流端で前記ハウジング内に位置付けられていて、前記細長い電気ヒーターが前記装置くぼみ内に延びる、ヒーター組立品と、
電源と、
前記電源から前記細長い電気ヒーターへの電力の供給を制御するためのコントローラーと、
を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記ブッシングと前記ハウジングとの間に位置付けられたガスケットを備える、請求項14に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記ガスケットが請求項5に記載の環状ガスケットである、請求項15に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記細長い電気ヒーターが前記ブッシングの前記第一の端から前記装置くぼみ内に延びる、請求項14、15、または16に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
エアロゾル発生システムであって、
請求項14~17のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、
前記装置くぼみ内に受容されたエアロゾル発生物品と、
を備える、エアロゾル発生システム。
【外国語明細書】