(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089200
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】ガラス製品を変形加工する装置
(51)【国際特許分類】
C03B 23/045 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
C03B23/045
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067417
(22)【出願日】2023-04-17
(62)【分割の表示】P 2021093835の分割
【原出願日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10 2020 114 880.1
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517391990
【氏名又は名称】ゲレスハイマー レーゲンスブルク ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】GERRESHEIMER REGENSBURG GMBH
(71)【出願人】
【識別番号】505273394
【氏名又は名称】ゲレスハイマー ビュンデ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Gerresheimer Buende GmbH
【住所又は居所原語表記】Erich-Martens-Strasse26-32,D-32257Buende,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】ボルフラム、アッカー
(72)【発明者】
【氏名】リヒャルト、マルティン、キーナー
(72)【発明者】
【氏名】ブラジスラフ、レップ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回転するガラス中間製品、特にガラス管を変形加工する、より短いサイクルタイムを達成することができる装置を提供する。
【解決手段】賦形のためにガラス中間製品に成形転動接触して並進的に変位可能な少なくとも1つの成形ローラ25と、少なくとも1つの成形ローラ25を並進的に調整する少なくとも1つのリニアモータ41とが設けられており、成形ローラ25はリニアモータ41の並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するガラス中間製品、特にガラス管を変形加工する装置(1)であって、
賦形のために前記ガラス中間製品(9)に成形転動接触して並進的に変位可能な少なくとも1つの成形ローラ(25)を有している、装置(1)において、
前記少なくとも1つの成形ローラ(25)を並進的に調整する少なくとも1つのリニアモータ(41,43)が設けられており、これにより、前記成形ローラ(25)は前記リニアモータの並進体(45,47)の並進的な調整移動にすぐに追従する、装置(1)。
【請求項2】
前記成形転動接触中に前記少なくとも1つの成形ローラ(25)を回転させる少なくとも1つのローラモータ(27)を有しており、前記ローラモータ(27)は前記並進体(45,47)と固く結合されており、これにより、前記ローラモータ(27)は、前記並進体(45,47)の前記並進的な調整移動にすぐに追従する、請求項1記載の装置(1)。
【請求項3】
少なくとも1つのラジアル軸受(25)、特にローラモータ(25)のラジアル軸受を有しており、前記ラジアル軸受(25)は前記並進体(45,47)と固く結合されており、これにより、前記ラジアル軸受(25)は、前記並進体(45,47)の前記並進的な調整移動にすぐに追従する、請求項1または2記載の装置(1)。
【請求項4】
前記並進体(45,47)と、前記少なくとも1つの成形ローラ(25)とを送り軸線(73,75)に沿って案内する少なくとも1つのリニアガイド(69,71)を有しており、前記リニアガイド(69,71)は、前記送り軸線(73,75)に沿って互いに可動のガイドレール(77)とガイドキャリッジ(79)とを有しており、前記並進体(45,47)は、前記ガイドレール(77)または前記ガイドキャリッジ(79)と固く結合されており、これにより、前記ガイドレール(79)または前記ガイドキャリッジ(79)は、前記並進体(45,47)の前記並進的な調整移動にすぐに追従する、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのリニアガイド(69,71)の、前記並進体(45,47)と固く結合された部分、特に前記ガイドキャリッジ(79)または前記ガイドレール(77)は、前記送り軸線(73,75)に沿って変位可能なローラ支持体(53,59)、特にローラ回転軸線に対して長手方向に変位可能なローラキャリッジ(53)および/または前記ローラ回転軸線に対して横方向に変位可能なローラアーム(59)と固く結合されており、これにより、前記ローラ支持体(53,59)は、前記並進体(45,47)の前記並進的な調整移動にすぐに追従する、請求項4記載の装置(1)。
【請求項6】
前記並進体(45,47)の前記並進的な調整移動を測定する、特に光学測定ユニット(91)と測定テープ(93)とを備えた少なくとも1つの測定システム(89)を有しており、前記測定ユニット(91)または前記測定テープ(93)は、前記並進体(45,47)と固く結合されており、これにより、前記測定ユニット(91)または前記測定テープ(93)は、前記並進体(45,47)の前記並進的な調整移動にすぐに追従する、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項7】
前記測定テープ(93)は、前記並進体(45,47)を案内する特に請求項4または5記載のリニアガイド(69,71)のガイドレール(77)に形成されている、請求項6記載の装置(1)。
【請求項8】
前記測定ユニット(91)は、前記並進体と前記少なくとも1つの成形ローラ(25)とを案内する特に請求項4または5記載のリニアガイド(69,71)のガイドキャリッジ(79)とガイドレール(77)との間のガイドギャップを通って延びる整直レール(97)と結合されている、請求項6または7記載の装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのリニアモータ(41,43)のうちの1つのリニアモータの前記並進体(45,47)は、前記少なくとも1つの成形ローラ(25)を回転させることができる基準となるローラ回転軸線(29)に対して横方向に、特に直交する方向に並進的に変位可能であり、これにより、特に前記少なくとも1つの成形ローラ(25)が、賦形のために成形転動接触させられ、賦形を行った後に成形転動接触から解離される、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのリニアモータ(41,43)のうちの1つのリニアモータの前記並進体(45,47)は、前記少なくとも1つの成形ローラ(25)を回転させることができる基準となるローラ回転軸線(29)に対して長手方向に、特に平行に並進的に変位可能であり、特にガラスの質量補償のために並進的に変位可能である、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの成形ローラ(25)には、2つの成形ローラ(25)が含まれており、前記少なくとも1つのリニアモータ(41,43)には、各1つの並進体(45)を備えた2つのリニアモータ(41)が含まれており、2つの前記並進体(45)のそれぞれは、2つの前記成形ローラ(25)のそれぞれと固く結合されており、これにより、各前記成形ローラ(25)は、各前記並進体(45)の並進的な調整移動にすぐに追従する、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項12】
2つの前記並進体(45)は互いに依存せずに、各1つの成形ローラ(25)と結合されており、これにより、2つの前記成形ローラ(25)は互いに依存せずに並進的に変位可能である、請求項11記載の装置(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのリニアモータ(41,43)には、ローラ回転軸線(29)に対して横方向に、特に直交する方向に並進的に変位可能な並進体(45)を備えた少なくとも1つのリニアモータ(41)と、前記ローラ回転軸線(29)に対して長手方向に、特に平行に変位可能な並進体(47)を備えたリニアモータ(43)とが含まれている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項14】
ガラスシリンジ、ガラスカープル、ガラスバイアルまたはガラスアンプル等の特に回転対称のガラス製品を製造する設備(3)であって、
ガラス中間製品(9)、特にガラス管を回転可能に保持する受容部(5)と、
前記ガラス中間製品(9)を変形加工する、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置(1)と、
前記受容部(5)を様々な製造ステーション(1,1I,1II,1III,1IV,1V,2,17,19,21,23)へ移動させるかまたは少なくとも1つの成形ローラ(25)を前記ガラス中間製品(9)用のそれぞれ異なる受容部(5)へ移動させる回転コンベヤ(11)と
を有する、設備(3)。
【請求項15】
ガラスシリンジ、ガラスカープル、ガラスバイアルまたはガラスアンプル等のガラス製品であって、
前記ガラス製品は、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置(1)または請求項14記載の設備(3)を用いて製造されており、特に前記ガラス製品は、ホウケイ酸ガラスから製造されている、ガラス製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転するガラス中間製品、特にガラス管を変形加工する装置に関する。さらに本発明は、ガラス中間製品、特にガラス管を回転可能に保持する受容部と、ガラス中間製品を変形加工する装置とを備えた、ガラスシリンジ、ガラスカープル、ガラスバイアルまたはガラスアンプル等のガラス製品を製造する設備に関する。さらに本発明は、このような設備または装置を用いて製造されたガラス製品に関する。
【0002】
ガラスシリンジ、ガラスカープル、ガラスバイアルまたはガラスアンプル等のガラス製品は、一方では製品の高い品質を保証することができるようにするため、かつ他方では例えば漏斗状の端部に設けられた、部分的に規格化されたインタフェースを維持することができるようにするために、製造誤差が極めて小さくなっている。特に、ガラス製品にプラスチック構成部材を確実に取り付けるためには、0.03mmの最終輪郭の成形精度が必要とされている場合がある。特に、ガラス製品に対するプラスチック構成部材の自動的な取付けを実現するために、0.03mmの最終輪郭の成形精度が必要とされている場合がある。
【0003】
そのうえ、ガラス製品の所要製造時間(サイクルタイム)を短縮する必要もある。
【0004】
ガラス製品を製造するためには、ガラス中間製品を、変態温度を上回る温度に加熱し、ガラス中間製品の表面に成形ローラを押し当てることにより変形加工して、ガラス製品を形成することが知られている。
【0005】
欧州特許出願公開第0475047号明細書は、回転モータを介してねじ山付きロッドを駆動することを提案している。ねじ山付きロッドの回転により、空気シリンダを介して成形ローラが取り付けられたキャリッジが並進移動させられ、これにより、回転モータを介して成形ローラをガラス中間製品に対して相対的に移動させることができるようになっている。
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、製造費および製造時間を所望のように減らすために、このような構成でもってサイクルタイムを十分に短縮することはできない、ということが判った。さらに、成形ローラ用の駆動装置の構成を簡単にする必要もある。
【0007】
本発明の課題は、公知の従来技術の欠点を克服し、特により短いサイクルタイムを達成することができる装置を提供することにあり、特に、装置の複雑さが低減されかつ/または装置により達成されるガラス製品の成形精度がネガティブに損なわれずに、好適には特に0.1mmまたは0.03mmの成形精度まで向上させられることが望ましい。
【0008】
この課題は、独立請求項に記載の特徴により解決される。
【0009】
本発明は、回転するガラス中間製品、特にガラス管を変形加工する装置に関する。回転するガラス中間製品とは、特にガラス中間製品の長手方向軸線を中心として回転するガラス中間製品を意味する。ガラス中間製品の長手方向軸線とは、特にガラス中間製品の回転軸線、特に回転対称軸線を意味する。ガラス管の場合、ガラス中間製品の長手方向軸線は、特にガラス管の中心軸線、特に回転対称軸線である。
【0010】
ガラス中間製品は、特にガラス中間製品を回転可能に保持する受容部により、受容部回転軸線を中心として回転させられてよい。受容部が、本発明の重要な構成部材でないことは明らかである。本発明の重要な構成部材は、以下で説明する少なくとも1つの成形ローラと、以下で説明する少なくとも1つのリニアモータである。当該装置は、賦形装置であってよい。特にこの装置は、引き続き以下で説明する、ガラスシリンジ、ガラスカープル、ガラスバイアルまたはガラスアンプル等の特に回転対称のガラス製品を製造する設備における使用に適していてよい。当該装置は、以下で賦形装置とも呼ばれ、以下で説明する少なくとも1つの成形ローラならびに以下で説明する少なくとも1つのリニアモータを有している。賦形装置は必ずしも、上述および後述のガラス中間製品を回転可能に保持する受容部を有してはいない。ガラス中間製品を回転可能に保持する受容部は、特に別個の装置に形成されていてよい。特に、受容部は、受容部を賦形装置の作業領域に供給し、再び導出することができる回転コンベヤに形成されていてよい。ただし以下では、本発明を部分的に、少なくとも1つの成形ローラと少なくとも1つのリニアモータとを備えた賦形装置と、上述および後述の受容部の両方共を有する設備に基づき例示的に説明する。
【0011】
本発明では、当該装置は少なくとも1つの成形ローラを有しており、成形ローラは、賦形のためにガラス中間製品と成形転動接触して並進的に変位可能である。特に少なくとも1つの成形ローラには、賦形のためにガラス中間製品と成形転動接触して並進的に変位可能な2つ以上の成形ローラが含まれている。以下の各実施形態において1つの成形ローラに関連して説明する場合、これらの実施形態は、2つ以上の成形ローラを備えた実施形態にも適用され得、これにより、いずれの成形ローラも説明した特徴を有していることになる。
【0012】
ガラス中間製品との成形転動接触を提供することができるようにするために、成形ローラは、特にローラ回転軸線を中心として回転可能である。2つ以上の成形ローラを備えた実施形態に関する場合、各成形ローラは、固有のローラ回転軸線を中心として回転可能に支承されていてよい。以下でローラ回転軸線に関連して特徴を説明する場合、これらの特徴は、各ローラ回転軸線のうちの1つに関連して構成されていさえすればよい。ただし好適には、このような特徴は各ローラ回転軸線に関連して構成されている。特に各成形ローラのローラ回転軸線は、互いに平行に延在している。特にローラ回転軸線は、実質的に水平面内に延在している。これに関連して、実質的にとは特に、ローラ回転軸線が水平面に対して最大1°、5°、10°または20°だけ傾いていることを意味する。
【0013】
本発明に関連して、軸線方向とは特に、特に成形転動接触においてローラ回転軸線に対して長手方向に、特に平行に延びる方向を意味する。択一的または追加的に、軸線方向とは、特に成形転動接触において受容部回転軸線に対して長手方向に、特に平行に延びる方向を意味し得る。ローラ回転軸線または受容部回転軸線に対して長手方向に延びる軸線方向とは特に、軸線方向を規定する軸線が、ローラ回転軸線または受容部回転軸線に対して最大1°、5°、10°または20°だけ傾いていることを意味する。
【0014】
半径方向とは、本発明に関連して特に、特に成形転動接触においてローラ回転軸線および/または受容部回転軸線に対して横方向に、特に放射状にまたは直交する方向に延びる複数の方向を意味する。ローラ回転軸線または受容部回転軸線に対して横方向に延びる半径方向とは特に、半径方向を規定する軸線が、ローラ回転軸線に対して直交して延びる平面に対し最大1°、5°、10°または20°だけ傾いていることを意味する。
【0015】
本発明に関連して、周方向とは特に、ローラ回転軸線または受容部回転軸線に関する周方向を意味する。
【0016】
成形ローラを回転可能に構成するために、成形ローラは、ラジアル軸受を介してローラ回転軸線を中心として回転可能に支承されていてよい。ラジアル軸受は、成形ローラをローラ回転軸線に対して半径方向で支承し得る。追加的に、ラジアル軸受は、成形ローラをローラ回転軸線に対して軸線方向でも支承することができ、つまりこれにより、成形ローラはラジアル軸受に対して、ローラ回転軸線を中心とした周方向における1の運動自由度のみを有していることになる。
【0017】
成形ローラは、自由に回転可能に支承されていてよい。特に、成形ローラは空転成形ローラとして形成されていてよい。択一的に、当該装置は、少なくとも1つの成形ローラを駆動する少なくとも1つのローラモータを有していてよい。ローラモータを備えた実施形態では、成形ローラの半径方向支承部は、特にモータ固有の半径方向支承部により形成されていてよい。
【0018】
賦形とは、特にガラス中間製品に変形加工を施してガラス製品を形成することを意味する。変形加工は、複数の賦形ステップまたは単一の賦形ステップから成っていてよい。以下で説明する設備の好適な実施形態では、賦形は、それぞれ別個の賦形装置を用いる4つの賦形ステップで行われる。賦形するために、成形ローラはガラス中間製品と成形転動接触させられる。成形転動接触とは、成形ローラとガラス中間製品との間の接触面を意味する。特に、成形ローラは成形転動接触においてガラス中間製品に変形加工力を加える。ガラス中間製品を半径方向において変形させるために、変形加工力は、特に半径方向に作用してよい。択一的または追加的に、変形加工力は、ガラスの質量補償のために、ガラス中間製品に軸線方向に作用してもよい。成形転動接触において、成形ローラは特に、ガラス中間製品のガラス表面にわたって転動する。成形転動接触において、特に成形ローラは、ローラ回転軸線を中心として回転する。特にガラス中間製品は、成形転動接触においてガラス中間製品の長手方向軸線、特に回転軸線を中心としてかつ/または受容部回転軸線を中心として回転する。特に成形転動接触において、ガラス中間製品の長手方向軸線と、特に受容部回転軸線と、ローラ回転軸線とは、互いに平行に延在している。
【0019】
成形ローラは、実質的に円筒形に形成されていてよい。実質的に円筒形とは、特に周面が完全に円筒形の成形ローラまたは周面が成形ローラ回転軸線に向かって最大1°、3°または5°だけ円錐状に先細になっている成形ローラを意味する。択一的に、成形ローラは急峻な円錐形を有していてもよい。急峻な円錐形とは特に、成形ローラの周面が、ローラ回転軸線に向かって5°、7°または10°を上回りかつ12°、15°または20°を下回って円錐状に先細になっていることを意味する。択一的に、成形ローラはなだらかな円錐形を有していてもよい。なだらかな円錐形とは特に、成形ローラの周面が、ローラ回転軸線に向かって20°、30°または40°を上回って円錐状に先細になっていることを意味する。特に、成形ローラはその、軸線方向において以下で説明するリニアモータおよび/またはローラモータに面した端部に、半径方向において成形ローラの周面を越えてディスク状に張り出した、特に環状の段部を有していてよい。
【0020】
成形ローラは、成形転動接触させられるように並進的に変位可能である。これは特に、成形ローラの並進的な変位により成形転動接触が生ぜしめられかつ再び解消され得る、ということを意味する。特に、成形ローラは並進的にのみ変位可能である。
【0021】
特に、成形ローラは送り軸線に沿って変位可能である。特に、成形ローラは半径方向送り軸線に沿って変位可能であってよい。半径方向送り軸線は、特に半径方向に延びる送り軸線、特に、ローラ回転軸線に対して横方向に、特に直交する方向および/または半径方向に延びる送り軸線である。択一的または追加的に、成形ローラは軸線方向送り軸線に沿って変位可能であってもよい。軸線方向送り軸線は、特に軸線方向に延びる送り軸線、特に、ローラ回転軸線に対して長手方向に、特に平行に延びる送り軸線である。半径方向送り軸線に沿った並進的な移動は、特に半径方向におけるガラス中間製品の賦形に役立つ。軸線方向での成形ローラの並進的な変位は、特にガラス中間製品の変形しようとする領域の軸線方向位置に応じた、成形ローラの軸線方向の送りに役立つ。特にガラス中間製品の厚さに応じて、変形しようとする領域の軸線方向位置および長さは可変である。特に、前置されたステップにおいて、特にガラス中間製品の切断時にその厚さが検出され得、この厚さに応じて、変形しようとする領域の長さおよび/または軸線方向位置が検出され得る。次いで、当該装置に、変形しようとする領域の厚さ、長さおよび/または軸線方向位置が伝達され得、これに相応して、成形ローラの軸線方向位置が調整され得る。これにより、特にガラス中間製品の厚さが可変であっても、成形精度の高いガラス製品を製造することができる。ガラス中間製品の厚さの変化をこのように考慮することは、ガラスの質量補償と呼ばれることがある。
【0022】
2つ以上の成形ローラを備えた実施形態では、特にいずれの成形ローラも、固有の半径方向送り軸線に沿って並進的に変位可能であってよい。択一的または追加的に、いずれの成形ローラも、軸線方向送り軸線に沿って並進的に変位可能であってもよい。各成形ローラが、それぞれ軸線方向と半径方向とに並進的に変位可能な実施形態では、好適にはいずれの成形ローラも、軸線方向で軸線方向送り軸線にわたって並進的に変位可能である一方で、いずれの成形ローラも、半径方向で別個の半径方向送り軸線にわたって並進的に変位可能である。
【0023】
1つの好適な実施形態では、半径方向送り軸線のうちの1つまたは複数は、ガラス中間製品の長手方向軸線、特に受容部回転軸線と、ローラ回転軸線との間の結合線として延在している。
【0024】
本発明に基づき、当該装置は、少なくとも1つの成形ローラを並進的に調整する少なくとも1つのリニアモータを有しており、これにより、成形ローラはリニアモータの並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0025】
少なくとも1つのリニアモータは、少なくとも1つのアキシャル型リニアモータを有していてよい。アキシャル型リニアモータとは、その並進体が軸線方向に、特にローラ回転軸線に対して長手方向または平行に変位可能なリニアモータを意味する。択一的または追加的に、少なくとも1つのリニアモータは、少なくとも1つのラジアル型リニアモータを有していてよい。ラジアル型リニアモータとは、その並進体が半径方向に、特にローラ回転軸線に対して横方向または直交する方向に変位可能なリニアモータを意味する。
【0026】
本発明の意味でのリニアモータは、特にステータと並進体とを有している。並進体は、モータの可動部分である。ステータは、モータの不動部分である。特に、並進体とステータとの間に作用する磁界力、特にローレンツ力により、並進体を並進的に調整移動させることができる。特に並進体は、並進的な調整移動のみを行うことができる。磁界力を提供するために、リニアモータは、一次部分と二次部分とを有していてよい。一次部分は、特に電磁石である。二次部分は、特に永久磁石である。一次部分と二次部分との間に作用する磁界力により、並進体を並進的に調整移動させることができる。並進体は、一次部分、特に電磁石として、または二次部分、特に永久磁石として形成されている。並進体が一次部分として形成されている実施形態では、ステータは特に二次部分として形成されている。並進体が二次部分として形成されている実施形態では、ステータは特に一次部分として形成されている。
【0027】
成形ローラまたはローラモータ、ラジアル軸受、ガイドレール、ガイドキャリッジ、ローラキャリッジまたはローラアーム、測定ユニットまたは測定テープ等の以下で説明する別の構成部材が並進体の並進的な調整移動にすぐに追従する、ということは特に、相応の構成部材が並進体の並進的な調整移動に、実質的に量および方向の点において追従することを意味する。これに関連して実質的にとは特に、相応の構成部材が、熱的、動力学的または弾性的な変形を除き、量および方向の点において並進体と全く同じ並進的な調整移動を実施することを意味する。
【0028】
成形ローラが、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようにするために、並進体は特に、成形ローラの送り軸線に対して平行に並進的に変位可能であってよい。特に、成形ローラは並進体と固く結合されており、これにより、成形ローラは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。成形ローラまたはローラモータ、ラジアル軸受、ガイドレール、ガイドキャリッジ、ローラキャリッジまたはローラアーム、測定ユニットまたは測定テープ等の以下で説明する別の構成部材をこのように固く結合するとは特に、相応の構成部材が変速装置無しで、特に伝動装置無しで並進体に結合されていることを意味する。特に、並進体と、このように並進体と固く結合された構成部材とは、送り軸線に沿って相対移動不能に、互いに結合されている。特に、並進体と相応の構成部材との間がこのように固く結合されていると、送り軸線に沿った運動自由度が生じることはない。
【0029】
上述の、構成部材が並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するように並進体と構成部材との間を固く結合することを、以下では相対移動不能の結合とも呼ぶ。この場合、相対移動不能の結合は常に、相応の構成部材が並進体の並進的な移動にすぐに追従するということをもたらす結合に関する。よって、成形ローラと、軸線方向で並進的に変位可能な並進体との相対移動不能の結合は、成形ローラが、この軸線方向に沿った並進体の並進的な調整移動にすぐに追従することを要する。ただしこのような相対移動不能の結合は、成形ローラが並進体に対して相対的に半径方向に変位可能である、ということを排除しない。
【0030】
以下で説明する本発明の好適な実施形態に基づき明らかであるように、当該装置は、成形ローラを一方では半径方向にかつ他方では軸線方向に変位させることができる複数のリニアモータを有していてよい。
【0031】
特に、2つ以上の成形ローラを備えた実施形態では、当該装置は成形ローラ毎に固有のリニアモータを有していてよく、このリニアモータの並進体は、特に半径方向に並進的に変位可能である。特に、いずれの成形ローラも固有のリニアモータの並進体と固く結合されており、これにより、成形ローラは、半径方向での並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。択一的または追加的に、当該装置は、並進体が軸線方向において各成形ローラと固く結合されたリニアモータを有していてもよく、これにより、各成形ローラは、軸線方向での並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0032】
当該装置は追加的に、ローラ回転軸線に対して平行に変位可能な変形加工マンドレルを有していてもよい。変形加工マンドレルは、特にガラス中間製品の長手方向軸線、特に受容部回転軸線に対して同軸的に方向付けられていてよい。特に、変形加工マンドレルは受容部により保持されたガラス中間製品の内部に並進的に変位可能であり、これにより、少なくとも1つの成形ローラがガラス中間製品の外側を成形する間、成形転動接触した状態でガラス中間製品の内側を成形することができる。
【0033】
1つの実施形態では、当該装置は、少なくとも1つの成形ローラを成形転動接触中に回転させる少なくとも1つのローラモータを有している。特に、ローラモータは並進体と固く結合されており、これにより、ローラモータは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。特にローラモータは、回転電動モータとして形成されている。特にローラモータは、少なくとも1つの成形ローラが取り付けられたモータ被動軸を有している。特に成形ローラは、ローラモータの被動軸に相対回動不能に取り付けられている。特に成形ローラは、ローラモータにより直接に駆動される。特に成形ローラは、モータ被動軸の半径方向支承部を介して半径方向と軸線方向とにおいて支承されている。成形ローラは、ローラモータを介して並進体と固く結合されていてよい。これにより、ローラモータも成形ローラも、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0034】
少なくとも1つのリニアモータには、ローラ回転軸線に対して軸線方向に変位可能な並進体を備えたリニアモータならびに半径方向に並進的に変位可能な並進体を備えたリニアモータが含まれていてよい。特に、2つの並進体のうちのいずれもローラモータと相対移動不能に結合されており、これにより、ローラモータは、一方の並進体の半径方向での調整移動にすぐに追従すると共に、他方の並進体の軸線方向での調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0035】
択一的または追加的に、少なくとも1つの成形ローラには、2つ以上の成形ローラが含まれていてよく、この場合、各成形ローラは、各1つのローラモータを介して回転可能である。特にいずれのローラモータも、別個のリニアモータを介してローラ回転軸線に対して横方向に変位可能であってよい。特にいずれのローラモータも、リニアモータの各1つの並進体と相対移動不能に結合されており、これにより、ローラモータは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。特にローラモータは、リニアモータを介して半径方向に互いに相対的に変位可能である。
【0036】
択一的または追加的に、特にいずれのローラモータも、1つの共通のリニアモータを介して軸線方向に変位可能であってよい。例えば、いずれのローラモータも、1つのリニアモータの、軸線方向に変位可能な唯一の並進体と固く結合されており、これにより、両方のローラモータが、軸線方向での1つの並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0037】
1つの実施形態では、当該装置は、少なくとも1つのラジアル軸受、特にローラモータのラジアル軸受を有している。特に、ラジアル軸受は並進体と固く結合されており、これにより、ラジアル軸受は、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。成形ローラが少なくとも1つのローラモータを介して成形転動接触中に回転可能な上述の実施形態では、少なくとも1つのラジアル軸受は、少なくとも1つのローラモータ固有のラジアル軸受により形成されていてよい。少なくとも1つの成形ローラが自由に回転可能に支承されている実施形態では、少なくとも1つの成形ローラはローラモータ無しで当該装置に取り付けられていてよい。このような実施形態では、少なくとも1つの成形ローラが、例えば単列、複列または多列の深溝玉軸受等のラジアル軸受を介して、半径方向と、特に軸線方向とにおいて支承される。
【0038】
少なくとも1つの成形ローラがローラモータにより駆動される前述および後述の実施形態は、少なくとも1つのローラモータが少なくとも1つのラジアル軸受と交換されることにより、少なくとも1つの成形ローラが自由に回転可能に(ローラモータ無しで)支承されている実施形態と同様に形成され得る。少なくとも1つのラジアル軸受は、少なくとも1つの成形ローラを、特に半径方向と、好適には軸線方向とにおいて支承する。
【0039】
1つの実施形態では、当該装置は、並進体と、少なくとも1つの成形ローラとを送り軸線に沿って案内する少なくとも1つのリニアガイドを有しており、この場合、リニアガイドは、送り軸線に沿って互いに可動のガイドレールとガイドキャリッジとを有しており、この場合、並進体は、ガイドレールまたはガイドキャリッジと固く結合されており、これにより、ガイドレールまたはガイドキャリッジは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0040】
特にガイドレールとガイドキャリッジとは、少なくとも1つの成形ローラの送り軸線に対して平行に、互いに相対的に並進的に変位可能である。特にガイドキャリッジは、ガイドレールの周りに係合している。特にガイドキャリッジとガイドレールとは、送り軸線に対して専ら平行にのみ、互いに変位可能である。特に並進体と成形ローラとは両方共、リニアガイドを介して送り軸線に対して平行に案内される。
【0041】
アキシャル型リニアモータを備えた実施形態では、少なくとも1つのリニアガイドは、少なくとも1つの軸線方向ガイドを有していてよい。軸線方向ガイドは、ガイドキャリッジとガイドレールとが軸線方向に、特にローラ回転軸線に対して長手方向または平行に互いに変位可能なリニアガイドである。軸線方向ガイドの場合、好適にはガイドキャリッジが、軸線方向において相対移動不能に並進体と結合されている。
【0042】
ラジアル型リニアモータを備えた実施形態では、少なくとも1つのリニアガイドは、少なくとも1つの半径方向ガイドを有していてよい。半径方向ガイドは、ガイドキャリッジとガイドレールとが半径方向に、特にローラ回転軸線に対して横方向または直交する方向に互いに変位可能なリニアガイドである。半径方向ガイドの場合、好適にはガイドレールが並進体と固く結合されている。
【0043】
各1つのラジアル型リニアモータを介して変位可能な2つ以上の成形ローラを備えた実施形態では、ラジアル型リニアモータの各並進体は、別個の半径方向ガイドを介して案内されていてよい。少なくとも1つの成形ローラがアキシャル型リニアモータとラジアル型リニアモータとを介して変位可能な実施形態では、ラジアル型リニアモータの並進体は半径方向ガイドを介して案内されていてよく、アキシャル型リニアモータの並進体は軸線方向ガイドを介して案内されていてよい。
【0044】
ガイドレールとガイドキャリッジとに加え、少なくとも1つのリニアガイドは、ガイドシリンダとガイドピストンとを有していてよく、この場合、並進体は、ガイドシリンダまたはガイドピストンに固く結合されており、これにより、ガイドシリンダまたはガイドピストンは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。追加的なガイドシリンダと追加的なガイドピストンとを備えた構成により、ガイドレールおよびガイドキャリッジの負荷を軽減することができ、その結果、以下に説明する、ガイドレールおよびガイドキャリッジにおける並進的な調整移動を測定する測定システムを、より確実に使用することができる、ということが判った。ガイドシリンダおよびガイドピストンの使用によるガイドレールおよびガイドキャリッジの負荷軽減に対して択一的に、少なくとも1つのリニアガイドが、2つのガイドレールと2つのガイドキャリッジとを備えて形成されていてもよい。
【0045】
1つの実施形態では、少なくとも1つのリニアガイドの、並進体と固く結合された部分、特にガイドキャリッジまたはガイドレールは、送り軸線に沿って変位可能なローラ支持体、特にローラ回転軸線に対して長手方向に変位可能なローラキャリッジおよび/またはローラ回転軸線に対して横方向に変位可能なローラアームと固く結合されており、これにより、ローラ支持体は、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0046】
ローラ支持体とは、特に少なくとも1つの成形ローラを支持する構造体を意味する。特に、少なくとも1つの成形ローラはローラ支持体と固く結合されており、これにより、成形ローラは、ローラ支持体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。実施形態に応じて、上述したローラモータおよび/または上述したローラ軸受はローラ支持体と固く結合されており、これにより、ローラモータおよび/またはローラ軸受は、ローラ支持体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0047】
少なくとも1つのリニアガイドが軸線方向ガイドを有している実施形態では、好適にはガイドキャリッジがローラ支持体と固く結合されている。好適には、軸線方向ガイドを備えた実施形態におけるローラ支持体には、ローラキャリッジが含まれている。ローラキャリッジは、特に軸線方向送り軸線に沿って並進的に変位可能である。好適には、ローラキャリッジは、それぞれガイドキャリッジとガイドレールとを備えた2つの軸線方向ガイドを介して軸線方向送り軸線に沿って案内されている。好適には、2つのガイドキャリッジはローラキャリッジと固く結合されており、これにより、ローラキャリッジは、2つのガイドキャリッジの並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。好適には、2つのガイドキャリッジは、軸線方向送り軸線に沿って互いに平行に並進的に変位可能である。好適には、2つのガイドレールは、賦形装置の土台と固く、特に不動に結合されている。土台とは特に、賦形装置を製造フロアの床に設置することができる賦形装置の部分を意味する。特に土台は、少なくとも1つの成形ローラの並進的な調整移動とは切り離されている。
【0048】
好適には、少なくとも1つのリニアモータには、2つの軸線方向ガイドの間に配置されたアキシャル型リニアモータが含まれている。特に、アキシャル型リニアモータの並進体は、ローラキャリッジと固く結合されている。特に、リニアモータのステータは、土台と固く結合されている。特に、アキシャル型リニアモータのステータと、軸線方向ガイドの2つのガイドレールとは、互いに平行に延在している。特に、アキシャル型リニアモータの並進体と、軸線方向ガイドのガイドキャリッジとは、互いに平行に延在している。特に、アキシャル型リニアモータの並進体は、軸線方向ガイドの各ガイドキャリッジの間に配置されている。特に、アキシャル型リニアモータのステータは、軸線方向ガイドの各ガイドレールの間に配置されている。
【0049】
少なくとも1つのリニアガイドが半径方向ガイドを有している実施形態では、好適にはガイドレールがローラ支持体と固く結合されている。好適には、半径方向ガイドを備えた実施形態におけるローラ支持体は、少なくとも1つのローラアームを有している。ローラアームは、特に半径方向送り軸線に沿って並進的に変位可能である。好適には、ローラアームは軸線方向に延在している。好適には、ローラアームはラジアル型リニアモータの並進体と固く結合されている。好適には、ローラアームは少なくとも1つの成形ローラのうちの1つと固く結合されている。特に好適には、ローラアームは、成形ローラを回転可能に支承するローラモータまたはラジアル軸受と固く結合されている。好適には、成形ローラとラジアル型リニアモータの並進体とは、軸線方向において互いに間隔をあけてローラアームに結合されている。特に好適には、並進体と固く結合された半径方向ガイドの部分、特にガイドレールは、ローラアームと固く結合されている。好適には、並進体と固く結合された半径方向ガイドの部分は、軸線方向において、成形ローラとラジアル型リニアモータの並進体との間でローラアームに取り付けられている。
【0050】
少なくとも1つの成形ローラに、半径方向に並進的に変位可能な2つの成形ローラが含まれている実施形態では、当該装置は、好適には2つのローラアームおよび2つのラジアル型リニアモータを有している。好適には、2つのラジアル型リニアモータの各並進体は、各1つのローラアームと固く結合されており、これにより、ローラアームは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。択一的または追加的に、2つの成形ローラのいずれも、2つのローラアームのそれぞれと固く結合されており、これにより、各成形ローラは、ローラアームのそれぞれの並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。好適には、各ローラアームは、別個の半径方向ガイドを介して半径方向送り軸線に沿って案内されている。好適には、半径方向ガイドのガイドレールは、ローラアームにそれぞれ固く結合されている。好適には、各ローラアームは互いに相対的に、半径方向に並進的に変位可能である。特に好適には、各ローラアームは、1つの共通の半径方向送り軸線に沿って並進的に変位可能である。
【0051】
少なくとも1つの成形ローラが半径方向にも軸線方向にも並進的に変位可能な実施形態では、ローラ支持体は、好適には1つのローラキャリッジと、少なくとも1つのローラアーム、特に2つの上述したローラアームとを有している。好適には、少なくとも1つのローラアームは、軸線方向においてローラキャリッジと固く結合されており、これにより、ローラアームは、軸線方向でのローラキャリッジの並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。好適には、少なくとも1つのローラアームは、半径方向でローラキャリッジに対して相対的に変位可能である。好適には、少なくとも1つのローラアームは、それぞれ半径方向ガイドを介して半径方向でローラキャリッジに対して相対的に変位可能である。好適には、半径方向ガイドのガイドレールはそれぞれ、ローラアームと固く結合されており、半径方向ガイドのガイドキャリッジはそれぞれ、ローラキャリッジと固く結合されている。択一的または追加的に、少なくとも1つのラジアル型リニアモータの並進体は、各ローラアームと固く結合されており、少なくとも1つのラジアル型リニアモータのステータは、ローラキャリッジと固く結合されている。択一的または追加的に、アキシャル型リニアモータの並進体は、ローラキャリッジと固く結合されておりかつ/またはアキシャル型リニアモータのステータは、賦形装置の土台と固く結合されている。
【0052】
特に好適には、少なくとも1つのリニアモータの一次部分は、ローラキャリッジと固く結合されている。1つのアキシャル型リニアモータと、少なくとも1つのラジアル型リニアモータとを備える実施形態では、好適には、アキシャル型リニアモータの並進体は一次部分として形成されており、ラジアル型リニアモータのステータは一次部分として形成されている。一次部分をローラキャリッジに取り付けることにより、半径方向での調整移動時に強く生じる、一次部分の電気的なコンポーネントの動的負荷を軽減することができる、ということが判った。よって、リニアモータの二次部分は、好適にはローラアームに取り付けられる。
【0053】
少なくとも1つのリニアガイドが半径方向ガイドを有している実施形態では、好適にはガイドレールがローラ支持体と固く結合されている。
【0054】
1つの実施形態では、当該装置は、並進体の並進的な調整移動を測定する、特に光学測定ユニットと測定テープとを備えた少なくとも1つの測定システムを有しており、この場合、測定ユニットまたは測定テープは、並進体と固く結合されており、これにより、測定ユニットまたは測定テープは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0055】
これにより特に、測定ユニットと測定テープとの間の相対移動が、並進体の並進的な調整移動に相当する、ということが保証され得る。これにより特に、測定された、測定ユニットと測定テープとの間の相対移動を介して、並進体の並進的な調整移動量がすぐに推量され得る。これにより、成形ローラの特に正確な送りが保証され得る。
【0056】
好適には、測定テープは金属テープとして形成されている。好適には、測定テープには、測定ユニットにより読み取ることができる複数の増分のまたは絶対のマーキングが被着されている。
【0057】
特に測定システムは、測定テープ上のマーキングを検出する。これにより、測定システムと測定テープとの間の相対移動量を求めることができる。
【0058】
好適には、少なくとも1つの測定システムには、少なくとも1つのリニアモータのリニアモータ毎に少なくとも1つの測定システムが含まれている。好適には、各測定システムの測定ユニットまたは測定テープはそれぞれ、少なくとも1つのリニアモータの対応する並進体と固く結合されており、これにより、測定ユニットまたは測定テープは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0059】
アキシャル型リニアモータを備える実施形態では、好適には少なくとも1つの測定システムの測定ユニットは、ローラキャリッジに不動に取り付けられており、これにより、測定ユニットは、アキシャル型リニアモータの並進体の調整移動にすぐに追従するようになっている。好適には、少なくとも1つの測定システムの各測定ユニットが、このようにローラキャリッジに不動に取り付けられている。
【0060】
アキシャル型リニアモータが設けられていない実施形態では、少なくとも1つの測定システムの測定ユニットは、好適には賦形装置の土台と固く結合されている。
【0061】
1つの実施形態では、測定テープは、並進体と、少なくとも1つの成形ローラとを案内するリニアガイド、特に上述したリニアガイドのガイドレールに形成されている。好適には、測定テープは、各1つのガイドレールに取り付けられており、ガイドレールは、その並進的な調整移動が測定されるべき並進体と固く結合されており、これにより、ガイドレールは、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0062】
少なくとも1つのラジアル型リニアモータを備える実施形態では、測定テープは、好適には上述したローラアームに不動に取り付けられており、これにより、測定テープは、ローラアームの並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。アキシャル型リニアモータを備える実施形態では、測定ユニットは、好適には上述したローラキャリッジに不動に取り付けられており、これにより、測定ユニットは、ローラキャリッジの並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0063】
1つの実施形態では、測定ユニットは、並進体を案内するリニアガイド、特に上述したリニアガイドのガイドキャリッジとガイドレールとの間のガイドギャップを通って延びる整直レールに結合されている。整直レールにより、特にガイドキャリッジまたはガイドレールの相対移動が整直レールに沿って進行する、ということが保証され得る。特にこれにより、測定テープがガイドレールまたはガイドキャリッジに取り付けられた実施形態では、ガイドキャリッジとガイドレールとの間の相対移動が、測定ユニットと測定テープとの間の相対移動に相当する、ということが保証され得る。好適には、整直レールは、このために設けられた、ガイドレールとガイドキャリッジとの間のギャップ内に延在している。特に、整直レールは、測定ユニットと相対移動不能に結合されている。特に、整直レールには開口、特に間隙が設けられており、この間隙を介して光線等の光信号を、測定ユニットから測定テープに投影可能でありかつ/または測定テープから測定ユニットに反射し戻すことができる。特に、少なくとも1つの測定システムの測定ユニットは、ローラキャリッジに取り付けられている。
【0064】
1つの実施形態では、少なくとも1つのリニアモータのうちの1つのリニアモータの並進体は、少なくとも1つの成形ローラを回転させることができる基準となるローラ回転軸線に対して横方向、特に直交する方向に並進的に変位可能であり、これにより、特に少なくとも1つの成形ローラが、賦形のために成形転動接触させられ、賦形を行った後に成形転動接触から解離される。
【0065】
好適には、ローラ回転軸線に対して横方向に変位可能な並進体は、二次部分として形成されている。好適には、このような二次部分が半径方向において相対移動不能にローラアームに取り付けられているのに対し、付属する一次部分はローラキャリッジに取り付けられている。
【0066】
成形ローラを成形転動接触させるとは特に、成形ローラが少なくとも、特にその周面でもってガラス中間製品に接触するまでローラ回転軸線に対して横方向に変位させられることを意味する。好適には、成形ローラはローラ回転軸線に対して横方向に、最初の接触位置を越えて変位可能であり、これにより、ガラス中間製品をローラ回転軸線に対して横方向に変形させることができる。特に好適には、成形ローラは成形転動接触中にローラ回転軸線に対して横方向にさらに変位可能であり、これにより、ガラス中間製品を徐々に、特に段階的または連続的に変形させることが可能である。
【0067】
特にリニアモータを使用することにより、少なくとも1つの成形ローラを、特に迅速にかつ特に正確に成形転動接触させることができる。特に、成形ローラと並進体とを、特に上述した測定システムおよび/または上述したリニアガイドと組み合わせて直接に結合することにより、ガラス中間製品を変形するためのさらなる送りが正確に実施され得る。
【0068】
成形ローラの成形転動接触からの解離とは特に、成形ローラが、特にその周面でもって最早ガラス中間製品に接触しなくなるまでローラ回転軸線に対して横方向に変位させられることを意味する。
【0069】
1つの実施形態では、少なくとも1つのリニアモータのうちの1つのリニアモータの並進体は、少なくとも1つの成形ローラを回転させることができる基準となるローラ回転軸線に対して長手方向、特に平行に並進的に変位可能であり、特にガラスの質量補償のために並進的に変位可能である。
【0070】
好適には、ローラ回転軸線に対して長手方向に変位可能な並進体は、一次部分として形成されている。好適には、このような一次部分が相対移動不能にローラキャリッジに結合されているのに対し、付属する二次部分は賦形装置の土台に結合されている。
【0071】
ローラ回転軸線に対して長手方向の並進的な変位により、特にガラス中間製品の賦形に際して押し退けられる材料が、ローラ回転軸線に沿って分散され得る。特に、並進体はこのために成形ローラと固く結合されており、これにより、成形ローラは成形転動接触中、並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0072】
1つの実施形態では、少なくとも1つの成形ローラには、2つの成形ローラが含まれており、少なくとも1つのリニアモータには、各1つの並進体を備えた2つのリニアモータが含まれており、この場合、2つの並進体のそれぞれは、2つの成形ローラのそれぞれと固く結合されており、これにより、2つの成形ローラのそれぞれは、各並進体の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。特に、2つのリニアモータはラジアル型リニアモータとして形成されている。
【0073】
1つの実施形態では、2つの並進体は互いに依存せずに、各成形ローラと結合されており、これにより、2つの成形ローラは互いに依存せずに並進的に変位可能である。
【0074】
特に2つの成形ローラは、半径方向に互いに相対的に変位可能である。特に、各1つの並進体と各1つの成形ローラとの相対移動不能の結合は、各1つのローラアームおよび/または各1つのリニアガイドを介して実現されている。好適には、各ローラアームは、別個のリニアガイド、特に半径方向ガイドを介して半径方向送り軸線に沿って案内されている。好適には、並進体と、成形ローラと、ガイドレールまたはガイドキャリッジとは、相対移動不能にローラアームと結合されているのに対して、リニアガイドの対応する残りの部分とステータとは、相対移動不能にローラキャリッジと結合されている。特に、少なくとも2つ、好適にはいずれのリニアガイドにも、上述したような測定システムが組み込まれている。
【0075】
特に2つの成形ローラは、1つの共通の半径方向送り軸線にわたり、半径方向に互いに相対的に変位可能である。
【0076】
特に2つの成形ローラは、それぞれローラモータまたはラジアル軸受を介して、相対移動不能に各ローラアームと結合されている。
【0077】
特に、少なくとも1つの測定システムには、2つの成形ローラのそれぞれに対して各1つの測定システムが含まれている。特に、測定システムの測定テープはそれぞれ、対応するガイドシステムのレールおよび/または対応するローラアームに相対移動不能に取り付けられている。
【0078】
1つの実施形態では、少なくとも1つのリニアモータには、ローラ回転軸線に対して横方向に、特に直交する方向に並進的に変位可能な並進体を備えた少なくとも1つのリニアモータと、ローラ回転軸線に対して長手方向に、特に平行に変位可能な並進体を備えたリニアモータとが含まれている。
【0079】
ローラ回転軸線に対して横方向に変位可能な並進体を備えた少なくとも1つのリニアモータは、ラジアル型リニアモータと呼ぶこともできる。好適には、少なくとも1つのラジアル型リニアモータには、2つの上述したラジアル型リニアモータが含まれている。
【0080】
ローラ回転軸線に対して長手方向に変位可能な並進体を備えたリニアモータは、アキシャル型リニアモータと呼ぶこともできる。好適には、アキシャル型リニアモータの並進体は、少なくとも1つの成形ローラと固く結合されており、これにより、少なくとも1つの成形ローラは、軸線方向での並進体の調整移動にすぐに追従するようになっている。好適には、このためにアキシャル型リニアモータの並進体は、軸線方向において相対移動不能にローラキャリッジと結合されており、ローラキャリッジもやはり軸線方向において相対移動不能に少なくとも1つの成形ローラと結合されている。好適には、ローラキャリッジは、1つの、特に成形ローラ毎にそれぞれ1つの、半径方向に並進的に変位可能なローラアームを介して、軸線方向において相対移動不能に少なくとも1つの成形ローラと結合されている。特にローラキャリッジは、軸線方向ガイドを介して、特に2つの軸線方向ガイドを介して、軸線方向送り軸線に沿って案内されている。特に、軸線方向ガイドのガイドキャリッジ、特に2つの軸線方向ガイドの2つのガイドキャリッジは相対移動不能にローラキャリッジと結合されているのに対して、軸線方向ガイドのガイドレール、特に2つの軸線方向ガイドの2つのガイドレールは相対移動不能に賦形装置の土台と結合されている。特に、いずれの軸線方向ガイドにも、それぞれ上述したような測定システムが組み込まれている。
【0081】
1つの実施形態では、本発明は、ガラスシリンジ、ガラスカープル、ガラスバイアルまたはガラスアンプル等の特に回転対称のガラス製品を製造する設備に関する。特に当該設備は、ホウケイ酸ガラスから成るガラス製品の製造に適していてよい。当該設備は、ガラス製造設備、特にホウケイ酸ガラス製造設備であってよい。当該設備は、薬品用ガラス製品の製造に適していてよい。薬品用ガラス製品は特に、0.03ミリメートルの最終輪郭の成形精度を有している、という点において優れている。
【0082】
当該設備には、ガラス中間製品、特にガラス管を回転可能に保持する受容部と、ガラス中間製品を変形加工する上述した装置、特に賦形装置とが含まれている。
【0083】
受容部は、特に受容部回転軸線を中心として回転可能である。特に当該設備は、受容部回転軸線を中心として受容部を回転させることができる受容部モータを有している。受容部は、特にチャックとして形成されていてよい。特に受容部は、ガラス中間製品を軸方向および/または半径方向において取外し可能に位置固定するために適している。特に受容部回転軸線は、実質的に水平面内に延びている。これに関連して実質的にとは特に、受容部回転軸線が水平面に対して最大1°、5°、10°または20°だけ傾いていることを意味する。ガラス中間製品を回転可能に保持する受容部は、特に容易に割れやすいガラス中間製品を、例えばガラスにおける傷またはガラスの割れにより損傷すること無しに受容しかつ再び解放することができる、という点において、例えば被加工金属部材を回転可能に保持する受容部等の通常の受容部と異なっている。
【0084】
1つの実施形態では、当該設備には、受容部を様々な製造ステーションに移動させるかまたは少なくとも1つの成形ローラをガラス中間製品用の異なる受容部に向かって移動させる回転コンベヤが含まれている。好適には、回転コンベヤは、受容部を様々な製造ステーションに移動させるように形成されている。好適には、回転コンベヤは、複数のガラス中間製品を保持する複数の上述した受容部を有している。好適には、回転コンベヤは、少なくとも2、4または6、特に少なくとも8または10の受容部を有している。特に、回転コンベヤは回転コンベヤ軸線を中心として回転可能である。特に、複数の受容部が周方向に分散されて回転コンベヤに配置されている。好適には、回転コンベヤ軸線は、実質的に重力方向に延びている。これに関連して実質的にとは特に、回転コンベヤ軸線が重力方向に対して最大1°、5°、10°または20°だけ傾いていることを意味する。
【0085】
好適には、ガラス製品を製造するために、ガラス中間製品が少なくとも1つの受容部に取り付けられる。ガラス製品を製造するために、好適には回転コンベヤ軸線を中心として回転コンベヤを回転させることにより、ガラス中間製品を様々な製造ステーションの作業領域にもたらすことができる。このためには少なくとも1つの受容部と、少なくとも1つの製造ステーション、特に賦形装置とが、回転コンベヤ軸線を中心とした回転コンベヤの回転によりガラス中間製品を少なくとも1つの製造ステーションの作業領域にもたらすことができるように、互いに位置決めされている。この場合、受容部を、特に製造周方向で順次、様々な製造ステーションの作業領域にもたらすことができる。
【0086】
上述した少なくとも1つの成形ローラと少なくとも1つのリニアモータとは、特に製造ステーションでは賦形装置の形態で構成されている。好適には複数の、特に少なくとも2つ、3つまたは4つの賦形装置が、回転コンベヤ軸線を中心とした製造周方向に分散されて配置されている。特に各賦形装置は、少なくとも1つの上述したような成形ローラと、少なくとも1つの上述したようなリニアモータとを有している。好適には、ガラス中間製品を複数のステップで変形加工してガラス製品を形成するために、複数の賦形装置が製造周方向に連続して配置されている。好適には、少なくとも1つの賦形装置の製造周方向において上流側には、ガラス中間製品を加熱する少なくとも1つの、特に少なくとも2つ、3つまたは4つのバーナが配置されている。特に、少なくとも1つの賦形装置のいずれの間にも、少なくとも1つの、特に少なくとも2つのバーナが設けられており、これにより、ガラス中間製品を個々の変形加工ステップの間で再加熱することができる。
【0087】
第1の賦形装置および第1のバーナの上流側には、好適には検査ステーションが設けられており、これにより、受容部内のガラス中間製品の位置およびぐらつきを測定することができる。このために検査ステーションは、好適にはカメラを有している。
【0088】
最後の賦形装置の下流側には、好適には賦形が行われた後のガラス製品の冷却を生ぜしめる冷却装置がある。
【0089】
好適には、最後の賦形装置の下流側、特に最後の賦形装置および冷却装置の下流側には、ガラス製品の幾何学形状を検査する検査ステーションおよび/またはガラス製品の傷および/またはひびを検出する検査ステーションが設けられている。好適には、最後の賦形装置の下流側、特に最後の賦形装置、冷却装置および少なくとも1つの検査ステーションの下流側には、ガラス製品を引き続く加工に引き渡す引渡し装置が設けられている。引渡し装置は、特に受容部から放出されたガラス製品を受けとめかつ/またはガラス製品をフランジ形成ステーション等の引き続く加工ステーションへ運ぶ手段を有していてよい。
【0090】
さらに本発明は、上述した装置または設備を用いて製造されたガラスシリンジ、ガラスカープル、ガラスバイアルまたはガラスアンプル等のガラス製品に関する。特に、このガラス製品はホウケイ酸ガラス製品である。特に、ガラス製品は薬品用のガラス製品である。特に、ガラス製品は薬品用のホウケイ酸ガラス製品である。
【0091】
リニアモータの使用により、ガラス中間製品を変形加工するサイクルタイム、特にガラス製品を製造するサイクルタイムが大幅に短縮され得る、ということが判った。特に、リニアモータの高いダイナミクスにより、例えば回転モータとウォーム歯車とを備えた周知のリニア駆動装置に比べ、サイクルタイムを半減させることができた。特に、成形ローラを送るための所要時間を半減させることができた。少なくとも1つのリニアモータとリニアガイドと測定システムとの上述の組合せにより、特に測定システムをリニアガイドに組み込むことにより、著しく高い成形精度を達成することができた。特に、最終輪郭の成形精度が0.03mmのガラス製品を製造することができた。特に、測定テープまたは測定ユニットと並進体または成形ローラとを固く結合することにより、数マイクロメートルの繰返し精度を達成することができた。ガラス中間製品を半径方向において変形加工するために成形ローラを半径方向に送るラジアル型リニアモータと、ガラスの質量補償用に成形ローラを軸線方向に送るアキシャル型リニアモータとの組合せが特に有利である、ということが判った。
【0092】
同時に、複数のリニアモータの使用により、複数の回転モータの使用に比べ、並進的な調整移動を提供するために必要とされる変速伝動装置を削減することができた。これにより、当該装置の複雑さを軽減することができた。特にこれにより、ガラス製品の最終輪郭の達成可能な成形精度を大幅に向上させることができた。
【0093】
以下に、添付の例示的な図面に基づき本発明の好適な構成を説明することにより、本発明の別の特性、特徴および利点を明確にする。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【
図1】本発明による装置(賦形装置)を示す側面図である。
【
図3】
図1に示した賦形装置のリニアモータ、リニアガイドおよび測定システムを示す分解図である。
【
図4】
図1に示した断面線IV-IVに基づく断面図である。
【
図5】
図2に示した断面線V-Vに基づく断面図である。
【
図6】
図2に示した断面線VI-VIに基づく断面図である。
【
図7】
図8に示す、ガラス製品を製造する設備の概略部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
図8には、4つの賦形装置1
I,1
II,1
III,1
IVが略示された、ガラス製品を製造する設備3の概略図が示されている。
図8には、ガラス中間製品9を回転可能に保持する受容部5が略示されている。設備3には、受容部5が取り付けられた回転コンベヤ11が含まれている。回転コンベヤ11は、回転コンベヤ軸線13を中心として回転可能であり、これにより、受容部9をガラス中間製品9と共に、図示の4つの賦形装置1
I,1
II,1
III,1
IVに供給することができるようになっている。この場合、ガラス中間製品は、製造周方向15で順次、個々の賦形装置1
I,1
II,1
III,1
IVに供給される。第1の賦形装置1
Iの手前と、その後に続く賦形装置1
II,1
IIIの間と、最後の賦形装置1
IVの後ろとにはそれぞれ、ガラス中間製品9を加熱するバーナ2が配置されている。
【0096】
製造周方向15において第1の賦形装置1Iの製造方向上流には、受容部5内のガラス中間製品9の位置およびぐらつきを測定するために、第1の検査ステーション17が設けられている。
【0097】
製造周方向15において最後の賦形装置1IVおよび最後のバーナ2の製造方向下流には、賦形が行われた後にガラス体の冷却を生ぜしめる第1の冷却装置7がある。
【0098】
製造周方向15において最後の賦形装置1IVおよび第1の冷却装置2の製造方向下流には、ガラス製品の幾何学形状を検査する第2の検査ステーション19が設けられている。製造周方向15において第2の検査ステーション19の製造方向下流には、第2の冷却装置7と、次いでガラス製品の傷および/またはひびを検出する第3の検査ステーション21とが設けられている。製造周方向15において第3の検査ステーション21の製造方向下流には、第3の冷却装置7が設けられている。製造周方向15において第3の冷却装置7の製造方向下流には、ガラス製品を引き続く加工に引き渡す引渡し装置23が設けられている。引渡し装置は、特に受容部5から放出されたガラス製品を受けとめかつ/またはガラス製品をフランジ形成ステーション等の引き続く加工ステーション(図示せず)へ運ぶ手段を有していてよい。
【0099】
図7には、
図8に示した設備の概略的な部分図が示されており、この部分図には、ガラス中間製品9を保持する受容部5を備えた回転コンベヤ11の一部および賦形装置1
I,1
II,1
III,1
IVのうちの1つが賦形装置1
Vとして略示されている。
【0100】
受容部5とガラス中間製品9とは、受容部モータ(図示せず)を介して、受容部回転軸線31を中心として回転可能である。
【0101】
賦形装置1Vは2つの成形ローラ25を有しており、これらの成形ローラ25は、それぞれローラモータ27を介して、それぞれローラ回転軸線29を中心として回転可能である。各ローラモータ27は、1つの共通の制御装置33を介して制御され、これにより、ローラ回転軸線29を中心とした周方向35での成形ローラ25の回転数を制御することができるようになっている。以下で詳細に説明する成形ローラの並進的な変位が、2つの矢印により示されている。鉛直方向に向けられた矢印は、ローラ回転軸線29および受容部回転軸線31に対して横方向、特に半径方向37での、成形ローラ25の並進的な変位を表す。水平方向に向けられた矢印39は、ローラ回転軸線29および受容部回転軸線31に対して長手方向、特に軸線方向39での、成形ローラ25の並進的な変位を表す。
【0102】
図示の、ガラス中間製品9に対して相対的な成形ローラ25の位置は、成形ローラ25がガラス中間製品9に成形転動接触する直前の位置を表す。成形ローラ25をガラス中間製品9と成形転動接触させるためには、少なくとも、成形ローラ25とガラス中間製品9との間に存在するギャップが埋められる程度に、成形ローラ25をさらに半径方向39に変位させる必要がある。
【0103】
半径方向37における成形ローラ25の並進的な変位は、特に半径方向37におけるガラス中間製品9の賦形に役立つ。軸線方向39における成形ローラ25の並進的な変位は、特にガラス中間製品の変形しようとする領域の軸線方向位置に応じた、成形ローラの軸線方向の送りに役立つ。特にガラス中間製品の厚さに応じて、変形しようとする領域の軸線方向位置および軸線方向における長さは可変である。特に前のステップにおいて特にガラス中間製品を切断する際にその厚さが検出され得、この厚さに応じて、変形しようとする領域の長さおよび/または軸線方向位置が検出され得る。次いで、変形しようとする領域の厚さ、長さおよび/または軸線方向位置が装置に伝達され、これにより、成形ローラの軸線方向位置が相応に設定され得るようになっている。これにより特に、ガラス中間製品の厚さが可変でも、高い成形精度でもってガラス製品を製造することができる。このように、ガラス中間製品の厚さの変化を考慮することは、ガラスの質量補償と呼ばれることがある。
【0104】
図1~
図6には、
図7および
図8に略示したような、1つまたは複数の賦形装置1
I,1
II,1
III,1
IV,1
Vのための設備3における賦形装置1の使用法が、賦形装置1をそれぞれ異なる見方で見た図面で示されている。
【0105】
賦形装置1は2つの成形ローラ25を有しており、これらの成形ローラ25は、賦形のためにガラス中間製品(
図1~
図6には図示せず)と成形転動接触して並進的に変位可能である。さらに、軸線方向39に並進的に変位可能な変形加工マンドレル99が示されている。変形加工マンドレル99は、ローラ回転軸線29に対して、特に受容部回転軸線31に対して同軸的に方向付けられている。変形加工マンドレル99は、特に受容部5により保持されたガラス中間製品9の内部に並進的に変位可能であり、これにより、成形ローラ25がガラス中間製品9の外側を成形する間、成形転動接触した状態でガラス中間製品9の内側を成形することができる。
【0106】
さらに賦形装置1は、3つの成形ローラ25を並進的に調整する3つのリニアモータ41,43を有している。リニアモータ41,43はそれぞれ、並進体45,47とステータ49,51とを有している。並進体45,47はそれぞれ、成形ローラ25のうちの少なくとも1つにそれぞれ固く結合されており、これにより、並進体45,47の並進的な調整移動に、各成形ローラ25がすぐに追従するようになっている。
【0107】
3つのリニアモータ41,43のうち、2つのリニアモータ41はラジアル型リニアモータ41として形成されており、リニアモータ43はアキシャル型リニアモータ43として形成されている。ラジアル型リニアモータ41は、特に
図1、
図3および
図4において良好に認められる。アキシャル型リニアモータは、
図5において認められる。
【0108】
アキシャル型リニアモータ43の場合、並進体47は軸線方向39に並進的に変位可能であり、ステータ51は軸線方向39において変位不能である。アキシャル型リニアモータ43において、並進体47は一次部分(電磁石)により形成されており、ステータ51は二次部分(永久磁石)により形成されている。
【0109】
ラジアル型リニアモータ41の場合、並進体45は半径方向37に並進的に変位可能であり、ステータ49は半径方向37において変位不能である。ただし、2つのラジアル型リニアモータ41の並進体45とステータ49とは両方共、アキシャル型リニアモータ43を介して軸線方向に変位可能である。ラジアル型リニアモータ41において、並進体45は二次部分(永久磁石)により形成されており、ステータ49は一次部分(電磁石)により形成されている。
【0110】
賦形装置1は、軸線方向39に並進的に変位可能なローラキャリッジ53を有している。特に
図5において認められるように、アキシャル型リニアモータの並進体47はローラキャリッジ53に固く結合されており、これにより、ローラキャリッジ53は、並進体47の軸線方向39での並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。この相対移動不能の結合は、この構成では並進体47とローラキャリッジ53とのねじ締結部57により実現されている。アキシャル型リニアモータ43のステータ51は、賦形装置1の土台55に不動に取り付けられている。以下でより詳細に説明するように、成形ローラ25はそれぞれ、各ラジアル型リニアモータ41を介して軸線方向39において相対移動不能にローラキャリッジ53に取り付けられており、これにより、成形ローラ25は、軸線方向39での並進体47の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0111】
特に
図1、
図2および
図4から看取され得るように、賦形装置は2つのローラアーム59を有しており、この場合、2つの成形ローラ25のそれぞれが、各1つのローラアーム59を介してラジアル型リニアモータ41の並進体45に固く結合されており、これにより、各成形ローラ25は、半径方向37での各並進体45の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。ローラアーム59と並進体45との間の相対移動不能の結合は、図示の例ではねじ締結部57により実現されている。
【0112】
ローラアーム59と各成形ローラ25との相対移動不能の結合は、
図4から看取され得るように、ローラアーム59と、各成形ローラ25のラジアル軸受27を同時に形成する各1つのローラモータ27とのねじ締結を介してそれぞれ実現されている。これにより、ローラモータ27もしくはラジアル軸受27は、ローラアーム59を介して各並進体45に固く結合され、その結果、ローラモータ27もしくはラジアル軸受27は、半径方向37での並進体45の並進的な調整移動にすぐに追従する。ラジアル軸受27は成形ローラを、半径方向37と軸線方向39とにおいてそれぞれ支承する。このためにラジアル軸受27は、2つの玉軸受61を有しており、これらの玉軸受61は、各成形ローラ25を取り付けるモータ被動軸63を支承する。
【0113】
ローラアーム59は、軸線方向39に延在する軸線方向アーム部分65と、軸線方向アーム部分65から半径方向で各成形ローラ25に向かって延在する半径方向アーム部分67とを有している。軸線方向アーム部分65は、並進体45を、以下に説明する半径方向ガイド71と、以下に説明する測定システム89とに結合するために用いられる。半径方向アーム部分67は、ローラモータ27もしくはラジアル軸受27を軸線方向アーム部分65に取り付けるために用いられる。
【0114】
賦形装置1は、送り軸線73,75に沿って並進体45,47を案内する4つのリニアガイド69,71、つまり、軸線方向39に延在する軸線方向の送り軸線73に沿ってアキシャル型リニアモータ43の並進体47を案内する2つの軸線方向ガイド69と、半径方向37に延在する半径方向の送り軸線75に沿ってラジアル型リニアモータ41の並進体45を案内する2つの半径方向ガイド71とを有している。特に
図2および
図5から看取され得るように、送り軸線73,75に沿った案内とは、特に各並進体45,47を送り軸線73,75に対して平行に案内することを意味する。この場合、並進体は特に各送り軸線73,75に対してずらされて並進的に移動可能であってよい。リニアガイド69,71はそれぞれ、送り軸線73,75に沿って互いに可動のガイドレール77とガイドキャリッジ79とを有している。並進体45,47はそれぞれ、リニアガイド69,71のガイドレール77またはガイドキャリッジ79に固く結合されており、これにより、各並進体45,47の並進的な調整移動に、ガイドレール77またはガイドキャリッジ79がすぐに追従するようになっている。
【0115】
半径方向ガイド71は、
図3の分解図および
図4の断面図に例示されている。ガイドキャリッジ79はガイドレール77の周りに係合しており、これにより、ガイドレール77は半径方向37で並進的にガイドキャリッジ79内を案内されている。ガイドレール77は、ねじ締結部75によりローラアーム59と固く結合されており、これにより、ガイドレール77は、半径方向37でのローラアーム59の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。これにより、ラジアル型リニアモータ41の並進体45ならびに成形ローラ25は、ローラアーム59を介して、半径方向37において相対移動不能にガイドレール77と結合されていることになる。半径方向ガイド71のガイドキャリッジ79は、特に
図4から看取され得るように、軸線方向39において相対移動不能にローラキャリッジ53と結合されており、これにより、ガイドキャリッジ79は、軸線方向39でのローラキャリッジ53の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。さらに
図4から看取され得るように、半径方向ガイド71のガイドレール77は、軸線方向において相対移動不能にガイドキャリッジ79と結合されており、これにより、ガイドレール77も同様に、軸線方向39でのローラキャリッジ53の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。特に
図3から看取され得るように、このためにガイドレール77は半径方向37に延在する溝81を有しており、溝81には、半径方向に延在するガイドキャリッジ79の突出部83が係合する。半径方向ガイド71のガイドレール77は、ローラアーム59と固く結合されているため、ラジアル型リニアモータ41の、ローラアームに固く結合された並進体45ならびにローラアームに固く結合された成形ローラ25も、軸線方向39でのローラキャリッジ53の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0116】
特に
図1および
図4から看取され得るように、図示の実施形態では、各半径方向ガイド71は、ガイドレール77とガイドキャリッジ79とに加えてさらに、ガイドピストン85と、ガイドピストン85を半径方向37において並進的に案内するガイドシリンダ87とを有している。ガイドピストン85は、ねじ締結部57を介して、半径方向37において相対移動不能にローラアーム59と結合されている。ガイドシリンダ87は、半径方向37と軸線方向39とにおいて相対移動不能にローラキャリッジ53と結合されている。ガイドピストン85とガイドシリンダ87とを追加的に設けることにより、半径方向ガイド71のガイドレール77およびガイドキャリッジ79の負荷を軽減することができ、その結果、以下に説明する、ガイドレール77およびガイドキャリッジ79における並進的な調整移動を測定する測定システム89を、より確実に使用することができる、ということが判った。
【0117】
特に
図5および
図6から看取され得るように、2つの軸線方向ガイド69は、軸線方向39において互いに並進的に変位可能な各1つのガイドレール77と各2つのガイドキャリッジ79とを有している。軸線方向ガイド69のガイドレール77およびガイドキャリッジ79は、
図3に示した半径方向ガイド71のガイドレール77およびガイドキャリッジ79と同様に形成されていてよい。特に
図6から看取され得るように、軸線方向ガイド69のガイドキャリッジ79は、ローラキャリッジ53と固く結合されており、これにより、ガイドキャリッジ79は、軸線方向39でのローラキャリッジ53の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。特に
図5から看取され得るように、軸線方向ガイド69のガイドレール77は、賦形装置1の土台55に不動に取り付けられている。2つの軸線方向ガイド69が、軸線方向39において互いに平行に延在しておりかつ軸線方向39に対して横方向に互いに間隔をあけて配置されている。各軸線方向ガイド69の間にはアキシャル型リニアモータ43が配置されており、アキシャル型リニアモータ43の並進体47は、軸線方向ガイド69に対して平行に、軸線方向39に延在している。アキシャル型リニアモータ43の並進体47ならびに軸線方向ガイド69のガイドキャリッジ79は、ローラキャリッジ53と固く結合されており、これにより、ローラキャリッジ53は、軸線方向39に案内されておりかつアキシャル型リニアモータ43の並進体47の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。この場合、上述した、成形ローラ25とローラキャリッジ53との相対移動不能の結合を介して、成形ローラは、ローラキャリッジ53の並進的な移動ひいてはアキシャル型リニアモータ43の並進体47の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。
【0118】
賦形装置1は、それぞれ並進体45,47の並進的な調整移動を測定する光学測定ユニット91と測定テープ93とを備えた4つの測定システム89を有している。
【0119】
4つの測定システム89のうちの2つについて、各測定システム89は上述した半径方向ガイド71に組み込まれている。この測定システム89は、特に
図3の分解図において看取される。これらの測定システム89ではそれぞれ、測定テープ93が並進体45と固く結合されており、これにより、測定テープ93は、各ラジアル型リニアモータ41の並進体45の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。この場合、測定テープ93は、半径方向ガイド71の各ガイドレール77に形成されている。測定テープ93は、ガイドレール77の、測定ユニット91に面した側に形成されている。測定ユニット91は、測定システムキャリッジ95を介してローラキャリッジ53に、半径方向37と軸線方向39とにおいて固く結合されている。測定ユニット91は、半径方向ガイド71のガイドキャリッジ79とガイドレール77との間のガイドギャップを通って延びる整直レール97を有している。これにより特に、ガイドキャリッジ79とガイドレール77との間の相対移動が、測定ユニット91と測定テープ93との間の相対移動に相当する、ということが保証され得る。これにより、ガイドキャリッジ79とガイドレール77との間の相対移動の、特に正確な測定が保証され得る。特に、ガイドレール81が並進体45と、ローラアーム59を介して成形ローラ25とに半径方向37において相対移動不能に結合されていることにより、熱および動力学に起因する変形を除き、並進体45および成形ローラ25の移動は、測定システムにより測定された、測定ユニット91と測定テープ93との間の相対移動に相当する、ということが保証され得る。これにより、リニアモータ41を介した成形ローラ25の特に正確な送りが保証され得る。
【0120】
4つの測定システム89のうちの残りの2つは、それぞれ上述した軸線方向ガイド69に組み込まれている。特に
図6において看取されるように、この場合、測定ユニット91は測定システムキャリッジ95を介してローラキャリッジ53に固く結合されており、これにより、測定ユニット91は、アキシャル型リニアモータ43の並進体47の並進的な調整移動にすぐに追従するようになっている。測定テープ93は、土台55に固く結合された軸線方向ガイド69のガイドレール77と固く結合されている。軸線方向ガイド69用の測定システム89の場合には、測定テープ93ではなく測定ユニット91が並進体47の並進的な調整移動にすぐに追従するということを除き、軸線方向ガイド69の測定システム89は、特に上述した半径方向ガイド71の測定システム89と同様に形成されている。
【0121】
上述した説明、図面および請求項において開示された各特徴は、個別でも、任意の組合せにおいても、本発明を様々な構成において実現するために重要であり得る。
【符号の説明】
【0122】
1 賦形装置(1I,1II,1III,1IV,1V) 2 バーナ
3 設備
5 受容部
7 冷却装置
9 ガラス中間製品
11 回転コンベヤ
13 回転コンベヤ軸線
15 製造周方向
17 第1の検査ステーション
19 第2の検査ステーション
21 第3の検査ステーション
23 引渡し装置
25 成形ローラ
27 ローラモータ;ラジアル軸受
29 ローラ回転軸線
31 受容部回転軸線
33 制御装置
35 周方向
37 半径方向
39 軸線方向
41 ラジアル型リニアモータ
43 アキシャル型リニアモータ
45 ラジアル型リニアモータの並進体;二次部分
47 アキシャル型リニアモータの並進体;一次部分
49 ラジアル型リニアモータのステータ;一次部分
51 アキシャル型リニアモータのステータ;二次部分
53 ローラキャリッジ
55 土台
57 ねじ締結部
59 ローラアーム
61 玉軸受
63 モータ被動軸
65 軸線方向アーム部分
67 半径方向アーム部分
69 軸線方向ガイド;リニアガイド
71 半径方向ガイド;リニアガイド
73 軸線方向送り軸線
75 半径方向送り軸線
77 ガイドレール
79 ガイドキャリッジ
81 ガイドレールの溝
83 ガイドキャリッジの突出部
85 ガイドピストン
87 ガイドシリンダ
89 測定システム
91 測定ユニット
93 測定テープ
95 測定システムキャリッジ
97 整直レール