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特開2023-89232ゲームプログラム、リズムゲーム処理方法、リズムゲームシステム、およびリズムゲーム装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089232
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、リズムゲーム処理方法、リズムゲームシステム、およびリズムゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/44 20140101AFI20230620BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20230620BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20230620BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230620BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20230620BHJP
【FI】
A63F13/44
A63F13/814
A63F13/58
A63F13/55
A63F13/5375
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068940
(22)【出願日】2023-04-20
(62)【分割の表示】P 2018013988の分割
【原出願日】2018-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397037890
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森下 弘生
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】村松 敏孝
(57)【要約】
【課題】より興趣性の高いゲームプログラム等を提供すること。
【解決手段】まず、表示画面に表示される指示標識を、所定のタイミングに所定の位置へと到達するように移動させる。次に、所定の入力手段に対する操作入力が所定のタイミングで行われた場合、当該指示標識に関連するパラメータを変更する。更に、パラメータの変更後、当該指示標識に関連するパラメータが第1条件を満たさない場合は、当該指示標識を所定の位置とは異なる位置へと移動させ、その後、当該指示標識を当該所定の位置へ向けて再度移動させる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにリズムゲームを実行させるためのゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
ゲームステージに対応する楽曲を再生する楽曲再生手段と、
表示画面に表示される指示標識を、所定のタイミングに所定の位置へと到達するように移動させる第1移動手段と、
所定の入力手段に対する操作入力が前記所定のタイミングで行われた場合、所定の条件を満たすことで前記ゲームステージのクリア成功条件が達成されるパラメータを、前記所定の条件を満たす方へ変更するパラメータ変更手段としてコンピュータを機能させ、
前記楽曲再生手段は、前記パラメータが前記所定の条件を満たす場合には、前記ゲームステージのクリア成功条件を達成したとして、前記楽曲の再生を終了する、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記第1移動手段は、所定のリズムに従って前記指示標識を移動させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、
前記所定のタイミングで前記入力手段に対する入力が行われなかった場合、ユーザに関連付けられたユーザパラメータを変更するユーザパラメータ変更手段と、
前記ユーザパラメータが予め定められているユーザパラメータに関連する条件を満たす場合には、プレイ中であるゲームステージのクリアに失敗したとして、当該ゲームステージのクリア失敗に関する処理を実行させる失敗処理手段として機能させる、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ユーザパラメータ変更手段は、前記他の指示標識に対応付けられたタイミングで前記入力手段に対する入力が行われなかった場合、前記ユーザパラメータを変更する、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記パラメータは、前記指示標識の耐久値を示すパラメータであり、
前記パラメータ変更手段は、前記入力手段に対する入力が前記所定のタイミングで行われた場合、当該指示標識に関連するパラメータの値を減少させる、請求項1乃至4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記指示標識は、敵キャラクタであり、
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータを、
前記所定の位置又は前記所定の位置に隣接する位置にユーザキャラクタを表示させるユーザキャラクタ表示手段と、
前記入力手段に対する入力が行われたと判定された場合、前記ユーザキャラクタに第1動作を行わせる第1動作制御手段と、
前記指示標識が前記所定の位置に到達したとき、前記敵キャラクタに第2動作を行わせる第2動作制御手段として、さらに機能させる、請求項1乃至5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記楽曲再生手段は、前記パラメータが前記所定の条件を満たすまで、前記楽曲の再生を繰り返す、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
ゲームステージに対応する楽曲を再生する楽曲再生手段と、
表示画面に表示される指示標識を、所定のタイミングに所定の位置へと到達するように移動させる第1移動手段と、
所定の入力手段に対する操作入力が前記所定のタイミングで行われた場合、所定の条件を満たすことで前記ゲームステージのクリア成功条件が達成されるパラメータを、前記所定の条件を満たす方へ変更するパラメータ変更手段とを備え、
前記楽曲再生手段は、前記パラメータが前記所定の条件を満たす場合には、前記ゲームステージのクリア成功条件を達成したとして、前記楽曲の再生を終了する、
ゲーム装置。
【請求項9】
リズムゲームを制御するコンピュータが実行するゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
ゲームステージに対応する楽曲を再生する楽曲再生ステップと、
表示画面に表示される指示標識を、所定のタイミングに所定の位置へと到達するように移動させる第1移動ステップと、
所定の入力手段に対する操作入力が前記所定のタイミングで行われた場合、所定の条件を満たすことで前記ゲームステージのクリア成功条件が達成されるパラメータを、前記所定の条件を満たす方へ変更するパラメータ変更ステップとを実行させ、
前記楽曲再生ステップでは、前記パラメータが前記所定の条件を満たす場合には、前記ゲームステージのクリア成功条件を達成したとして、前記楽曲の再生を終了する、
ゲーム処理方法。
【請求項10】
ゲームステージに対応する楽曲を再生する楽曲再生手段と、
表示画面に表示される指示標識を、所定のタイミングに所定の位置へと到達するように移動させる第1移動手段と、
所定の入力手段に対する操作入力が前記所定のタイミングで行われた場合、所定の条件を満たすことで前記ゲームステージのクリア成功条件が達成されるパラメータを、前記所定の条件を満たす方へ変更するパラメータ変更手段とを備え、
前記楽曲再生手段は、前記パラメータが前記所定の条件を満たす場合には、前記ゲームステージのクリア成功条件を達成したとして、前記楽曲の再生を終了する、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リズムゲームの進行制御のための処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、楽曲に合わせてユーザが所定の入力を行い、擬似的な演奏を楽しむリズムゲームが知られている。このようなゲームでは、所定経路に沿って指示標識(音符やトリガなど)を所定の移動速度で移動表示し、指示標識が特定の位置に到達するタイミングに合わせてユーザが入力操作を行うことで、リズムゲームが進行するものであった(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-104318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のリズムゲーム処理では、指示標識は、ユーザが入力操作を行うタイミングを示すためだけに用いられていた。この指示標識の用い方について、リズムゲームの興趣性を改良する余地があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、より興趣性を高めたリズムゲームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
構成例の一例は、コンピュータにリズムゲームを実行させるためのゲームプログラムであって、コンピュータを、第1移動手段と、パラメータ変更手段と、第2移動手段として機能させる。第1移動手段は、表示画面に表示される指示標識を、所定のタイミングに所定の位置へと到達するように移動させる。パラメータ変更手段は、所定の入力手段に対する操作入力が所定のタイミングで行われた場合、当該指示標識に関連するパラメータを変更する。第2移動手段は、パラメータ変更手段によるパラメータの変更が行われた後、当該指示標識に関連するパラメータが第1条件を満たさない場合は、当該指示標識を所定の位置とは異なる位置へと移動させる。更に、第1移動手段は、前記第2移動手段により前記指示標識が前記所定の位置とは異なる位置へ移動された後、当該指示標識を当該所定の位置へ向けて再度移動させる。
【0008】
上記構成例によれば、操作入力に応じて変更されるパラメータによっては、所定の位置へ移動してきた指示標識がそれとは異なる位置へ移動し、再度所定の位置へ移動することがあるため、今までにない指示標識の移動を実現することができる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。
【0009】
他の構成例として、ゲームプログラムは、コンピュータを、第1移動手段、パラメータ変更手段、および第2移動手段による処理を、パラメータが所定の条件を満たすまで繰り返し実行させる実行制御手段をさらに備えていてもよい。
【0010】
上記構成例によれば、操作入力に応じて変更されるパラメータによっては、所定の位置へ
移動してきた指示標識がそれとは異なる位置へ移動し、再度所定の位置へ移動することがあるため、今までにない指示標識の移動を実現することができる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。
【0011】
他の構成例として、第1移動手段は、所定のリズムに従って指示標識を移動させてもよい。
【0012】
他の構成例として、第2移動手段は、当該第2移動手段の処理の後に第1移動手段の処理が実行される場合には、当該第1移動手段による所定のリズムに従う移動の開始タイミングまでに指示標識を前記所定の位置とは異なる位置へ移動させてもよい。
【0013】
上記構成例によれば、例えば、ユーザの入力タイミングが所定のタイミングとずれている場合に生じる指示標識の移動タイミングのずれを補正することができる。つまり、ユーザが入力操作すべき所定のタイミングと指示標識の所定の位置に到達するタイミングが合うため、入力操作のタイミングを合わせやすいようにユーザを導くことができる。
【0014】
他の構成例として、第2移動手段は、所定のタイミングで入力手段に対する入力が行われた場合、第1の挙動で当該指示標識を所定の位置とは異なる位置へと移動させ、所定のタイミングで入力手段に対する入力が行われなかった場合、第2の挙動で当該指示標識を所定の位置とは異なる位置へと移動させるようにしてもよい。更に他の構成例として、第2移動手段は、所定のタイミングで入力手段に対する入力が行われた場合、指示標識を所定の位置に到達するまでの移動方向とは逆方向の成分を少なくとも含む方向へ向かって移動させることにより所定の位置とは異なる位置へと移動させ、所定のタイミングで入力手段に対する入力が行われなかった場合、当該指示標識を所定の位置に到達するまでの移動方向と同じ方向の成分を少なくとも含む方向へ向かって移動させた後に所定の位置とは異なる位置へと移動させるようにしてもよい。
【0015】
上記構成例によれば、ユーザが所定のタイミングでの入力を行った場合と、そうでない場合とで、指示標識の挙動を異ならせるため、今までにない指示標識の移動を実現することができる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。例えば、ユーザが所定のタイミングでの入力に成功したときは、指示標識にダメージを与えると共に、次の移動開始位置にノックバック移動させ、ユーザが所定のタイミングでの入力に失敗したときは、例えばユーザ側にキャラクタがダメージを受けると共に、指示標識を一旦画面左端からフェードアウトさせた後、画面右端から再度画面内に登場させ、次の行動開始位置に移動させる、という処理が可能となる。これにより、指示標識を敵キャラクタと見なして、戦いの臨場感を提供してゲームの興趣性を高めることができる。
【0016】
他の構成例として、第1移動手段は、所定の位置へと向かう複数の経路のいずれか1つに従って指示標識を移動させ、第2移動手段は、パラメータが第1条件を満たさない場合は、複数の経路のうちいずれか1つの上に位置する、所定の位置とは異なる位置に指示標識を移動させるようにしてもよい。
【0017】
上記構成例によれば、指示標識が、複数の経路のうちいずれか1つの上に位置する、所定の位置とは異なる位置に移動するため、リズムゲームの難易度に幅を持たせることができる。そのため、興趣性をより高めることができる。
【0018】
他の構成例として、第1移動手段は、前記指示標識とは異なる指示標識である他の指示標識を当該他の指示標識に対応づけられた所定のタイミングで前記所定の位置に到達するように移動させてもよい。そして、ゲームプログラムは、コンピュータを、他の指示標識に対応づけられたタイミングで入力手段に対する入力が行われた場合、他の指示標識を表
示画面から消去させる他の指示標識消去手段としてさらに機能させてもよい。
【0019】
上記構成例によれば、操作入力に応じて変更されるパラメータによっては、所定の位置へ移動後それとは異なる位置へ移動し、再度所定の位置へ移動する指示標識と、操作入力に応じて変更されるパラメータを有さず、所定の位置へ移動後それとは異なる位置へ移動することなく表示画面から消去される指示標識とは異なる他の指示標識を混在させて画面上を移動させることができる。このため、リズムゲームの興趣性をより高めることができる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。
【0020】
他の構成例として、ゲームプログラムは、コンピュータを、所定のタイミングで入力手段に対する入力が行われなかった場合、ユーザに関連付けられたユーザパラメータを変更するユーザパラメータ変更手段と、ユーザパラメータが予め定められているユーザパラメータに関連する条件を満たす場合には、プレイ中であるゲームステージのクリアに失敗したとして、当該ゲームステージのクリア失敗に関する処理を実行させる失敗処理手段として機能させてもよい。
【0021】
上記構成例によれば、所定のタイミングで入力操作が行われなかった場合に変更されるユーザパラメータによってはプレイ中であるゲームステージのクリアに失敗することがある。そのため、リズムゲームのプレイにおいて、ユーザに緊張感を与えることができ、リズムゲームの興趣性を高めることができる。
【0022】
他の構成例として、ユーザパラメータ変更手段は、他の指示標識に対応付けられたタイミングで入力手段に対する入力が行われなかった場合、ユーザパラメータを変更してもよい。
【0023】
上記構成例によれば、他の指示標識に対応付けられたタイミングで入力操作が行われなかった場合に変更されるユーザパラメータによってはプレイ中であるゲームステージのクリアに失敗することがある。そのため、リズムゲームのプレイにおいてユーザに緊張感を与えることができ、リズムゲームの興趣性を更に高めることができる。
【0024】
他の構成例として、ゲームプログラムは、コンピュータを、前記パラメータ変更手段による前記パラメータの変更が行われた後、当該パラメータが所定の条件を満たす場合には、前記指示標識について、前記第1移動手段の処理または前記第2移動手段の処理の少なくとも一方を終了させる移動終了手段として機能させてもよい。
【0025】
上記構成例によれば、指示標識のパラメータによっては、第1移動手段の処理または第2移動手段の処理の少なくとも一方を終了させるため、ユーザの操作タイミングを示すという役割以外の目的で指示標識を利用することが可能となる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。
【0026】
他の構成例として、ゲームプログラムは、コンピュータを、パラメータ変更手段によるパラメータの変更が行われた後、当該パラメータが所定の条件を満たす場合には、指示標識を用いているゲームステージのクリア成功条件を達成したとして、当該クリア成功条件の達成に関する処理を実行してもよい。
【0027】
上記構成例によれば、指示標識のパラメータによっては、指示標識を用いたゲームステージのクリア成功条件の達成に関する処理を実行させるため、ユーザの操作タイミングを示すという役割以外の目的で指示標識を利用することが可能となる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。
【0028】
他の構成例として、パラメータは、指示標識の耐久値を示すパラメータであり、パラメータ変更手段は、入力手段に対する入力が所定のタイミングで行われた場合、当該指示標識に関連するパラメータの値を減少させてもよい。
【0029】
上記構成例によれば、指示標識のパラメータによっては、指示標識を用いたゲームステージのクリア成功条件の達成に関する処理を実行させるため、ユーザの操作タイミングを示すという役割以外の目的で指示標識を利用することが可能となる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。
【0030】
他の構成例として、ゲームプログラムは、コンピュータを、パラメータ変更手段による前記パラメータの変更が行われた後、パラメータが所定の条件を満たす場合には、当該指示標識を表示画面から消去する第1指示標識消去手段として機能させてもよい。
【0031】
上記構成例によれば、操作入力に応じて変更されるパラメータによっては、指示標識が表示画面から消去されることがあるため、今までにない指示標識の利用を実現することができる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。
【0032】
他の構成例として、指示標識は、敵キャラクタであってもよい。そして、ゲームプログラムは、コンピュータを、所定の位置又は所定の位置に隣接する位置にユーザキャラクタを表示させるユーザキャラクタ表示手段と、入力手段に対する入力が行われたと判定された場合、ユーザキャラクタに第1動作を行わせる第1動作制御手段と、指示標識が所定の位置に到達したとき、敵キャラクタに第2動作を行わせる第2動作制御手段として、さらに機能させてもよい。
【0033】
上記構成例によれば、第2動作を行う敵キャラクタとして指示標識を利用し、また、所定の位置又は所定の位置に隣接する位置に入力操作に応じて第1動作を行うユーザキャラクタを表示することができる。そのため、指示標識を今までにない態様で利用することができる。また、リズムゲームにおける所定の位置又は所定の位置に隣接する位置に関して、ユーザの操作タイミングを示すという役割以外の目的で利用することが可能となる。これにより、敵キャラクタとユーザキャラクタの双方に、お互いを攻撃する攻撃モーションを表示させることで、敵キャラクタと戦っているという戦闘の臨場感を強めることができ、単なるリズムゲームの枠を越えるゲームの興趣性を提供することができる。
【0034】
他の構成例として、所定の位置は表示画面内に複数設けられていてもよい。そして、第1移動手段は、表示画面に表示される指示標識を、複数の所定の位置のうちのいずれかの位置に所定のタイミングで到達するように移動させ、パラメータ変更手段は、前記所定のタイミングで、前記指示標識が到達した所定の位置に対応づけられている入力操作が行われた場合に、パラメータを変更させるようにしてもよい。
【0035】
上記構成例によれば、ゲームの難易度に幅を持たせることができ、リズムゲームの興趣性を高めることができる。
【0036】
他の構成例として、ゲームプログラムは、コンピュータを、第1リズムゲームモードを実行させる第1リズムゲームモード実行手段と、第2リズムゲームモードを実行させる第2リズムゲームモード実行手段としてさらに機能させてもよい。そして、第1リズムゲームモード実行手段は、パラメータ変更手段を、前記所定のタイミングで、表示画面内に予め定義されている単一の領域に対する指示入力である第1指示入力が行われた場合に、パラメータを変更させるように制御してもよい。更に、第2リズムゲームモード実行手段は、パラメータ変更手段を、所定のタイミングで、当該指示標識が到達した所定の位置に対応づけられている指示入力である第2指示入力が行われた場合に、パラメータを変更させ
るように制御してもよい。
【0037】
上記構成例によれば、リズムゲームにおける指示標識に関する構成や制御(例えば、レーンの数や指示標識の出現数等)はそのままで、ユーザが行う操作の複雑さだけが異なる複数のゲームモードをユーザに提供できる。これにより、ユーザの操作の腕前に応じてゲームモードを選択させることができ、幅広いユーザ層にリズムゲームを楽しませることができる。
【0038】
他の構成例として、第2移動手段は、指示標識が所定の位置に到達するまでの移動方向とは逆方向の成分を少なくとも含む方向に位置する、所定の位置とは異なる位置に当該指示標識を移動させてもよい。
【0039】
上記構成例によれば、ユーザが所定のタイミングでの入力を行った場合と、そうでない場合とで、指示標識の移動方向を異ならせるため、今までにない指示標識の移動を実現することができる。そのため、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。例えば、リズムゲームにおける指示標識について、一度の操作入力だけでは画面から消去できずに、一旦後退するが再度向かってくる、という動きを行わせることができる。これにより、例えばアクションゲームにおけるボスキャラクタ等の「強敵」との戦いをリズムゲームに導入し、アクションゲーム(におけるボスキャラクタとの戦い)の要素を取り入れた今までにないリズムゲームを提供することができる。
【発明の効果】
【0040】
本実施形態によれば、リズムゲームにおける興趣性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本実施形態の一例である情報処理システムの全体像を示す模式図
図2】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図3】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図4】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図5】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図6】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図7】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図8】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図9】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図10】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図11】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図12】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図13】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図14】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図15】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図16】本実施形態のリズムゲームの画面の一例
図17】メモリ13に格納されるプログラムおよびデータの一例
図18】通常敵用譜面データの構成の一例を示す図
図19】ボス用譜面データの構成の一例を示す図
図20】行動開始位置について説明するための図
図21】ボスステージ処理の詳細を示すフローチャート
図22】ボスステージ処理の詳細を示すフローチャート
図23】ボスステージ処理の詳細を示すフローチャート
図24】ボス再登場処理の詳細を示すフローチャート
図25】他の操作方法を用いたゲーム画面の一例
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るリズムゲーム処理が実行される情報処理装置10のハードウェア構成を示す図である。ここで、本実施形態では、情報処理装置10として、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスや、据置型ゲーム装置や携帯型のゲーム装置や、パーソナルコンピュータ等を想定している。本実施形態の説明では、表示画面とタッチパネルを一体型の態様で備えている情報処理装置(例えばスマートフォン)を一例として説明する。そのため、主に、入力操作は、タッチパネルへの入力となっている。
【0043】
図1において、情報処理装置10は、プロセッサ部11と、メモリ13と、操作部15と、表示部16と、音声出力部17とを備えている。プロセッサ部11は、後述するリズムゲーム処理を実行したり、情報処理装置10の全体的な動作を制御するためのシステムプログラム(図示せず)を実行したりすることで、情報処理装置10の動作を制御する。なお、プロセッサ部11は、単一のプロセッサを搭載してもよいし、複数のプロセッサを搭載するようにしてもよい。メモリ13は、プロセッサ部11によって実行される各種プログラムおよび当該プログラムで利用される各種データが格納される。メモリ13は、例えば、フラッシュEEPROMやハードディスク装置である。操作部15は、ユーザからの操作を受け付けるための入力装置であり、本実施形態では、主にタッチパネルを想定する。他の実施形態では、各種ポインティングデバイスや、各種押下式のボタンや、アナログスティック等であってもよい。表示部16は、典型的には液晶表示装置である。音声出力部17は、例えばスピーカーである。
【0044】
[本実施形態のリズムゲーム処理の概要]
次に、本実施形態で実行されるゲーム処理の概要について説明する。本実施形態では、楽曲データを再生し、指示標識(ゲームによっては「ノーツ」と呼ばれることもあるもの)が特定の位置に到達するタイミングに合わせてプレイヤが所定の操作を行うことで進行するリズムゲーム処理を想定している。また、本リズムゲームは、ステージ制の体裁を取っている。すなわち、1ステージで1つの楽曲が再生され、最後まで再生が成功すれば、ステージクリアとなり、次のステージが解放されてプレイ可能となる。つまり、ステージを1つずつクリアして先に進めていくゲームとなっている。
【0045】
[リズムゲーム画面の構成]
図2は、本実施形態にかかるリズムゲーム処理の画面の一例である。図2において、ゲーム画面には、ユーザから見て水平方向に伸びる4つのレーン101A~101D(以下、総称してレーン101と呼ぶこともある)を含むフィールド領域102が表示されている。当該フィールド領域102の左端には、4体のユーザキャラクタ103A~103D(以下では総称してユーザキャラクタ103と呼ぶこともある)が、各レーンに一体ずつ配置されている。また、各ユーザキャラクタ103が配置されている位置の右側に隣接するような位置に、タイミング提示領域104A~104D(以下、総称してタイミング提示領域104と呼ぶこともある)が設定されている。また、複数の敵キャラクタ105も表示されている。この敵キャラクタ105は、リズムゲームにおける上記指示標識としての役割を有するものである。また、レーン101は、当該敵キャラクタの移動経路としても役割も有しており、一部の敵キャラクタを除いて、敵キャラクタが当該レーン101に沿って右から左に向かって移動する。また、敵キャラクタは、所定のリズムに従って移動するものとする(後述の譜面データで定義されている)。
【0046】
また、フィールド領域102の左上となる位置には、ユーザ側HP(ヒットポイント)メータ106が表示されている。図2の例では、当該ユーザ側HPメータ106には8つの丸い目盛りが表示されており、ユーザ側のHPの最大値が8であることを示す。また、
図2の例では、左4つの目盛りは着色状態であり、右4つの目盛りは白色の状態である、これは、現在のHPが4であることを示している。また、本実施形態では、ユーザキャラクタ103は4体表示されているが、ユーザ側HPメータ106で示されるHPは、これら4体で共有される値であるとする。すなわち、4体のユーザキャラクタのどれかがダメージを受ければ、HPが1つ減ることになる。
【0047】
更に、ユーザ側HPメータ106の右上となる位置には、ボス側HPメータ107が表示されている。こちらは、横に伸びる棒グラフ状のメータとして示されている。後述するボスキャラクタに攻撃を加えることで、当該ボス側HPメータ107は段階的に短くなっていく。
【0048】
[リズムゲームの操作について]
上記のような画面構成において、上記リズムゲームの指示標識としての敵キャラクタ105が画面右側から登場し、画面左方向に向けて移動する。つまり、ユーザキャラクタ103に向かって移動してくる。ユーザは、所定のタイミングでタップ操作をすることで、敵キャラクタ105を攻撃し、その敵キャラクタ105を倒して画面から消去することができる。より具体的には、ユーザが攻撃操作を入力すべきタイミングを示す「基準タイミング」(詳細は後述)に合わせてタップ操作を行うことで、敵キャラクタ105を攻撃できる。この基準タイミングは、本実施形態では、タイミング提示領域104の中央点に、敵キャラクタ105の中央点が重なるようなタイミングとして設定されている。更に、本実施形態では、この基準タイミングを中心とした時間幅を予め設定しており、この時間幅内での入力は、有効な攻撃操作として許容されるようにしている。そのため、画面表示上では、このタップ操作のタイミングに関しては、ユーザからは、次のように見えることになる。すなわち、敵キャラクタ105が、タイミング提示領域104に入ったタイミングで、ユーザがフィールド領域内をタップ操作することで、ユーザキャラクタ03に敵キャラクタ105を攻撃させ、その敵キャラクタ105を倒して画面から消去することができるように見えることになる。また、当該タイミング提示領域104内に敵キャラクタ105が存在している状態において、更にどのタイミングでタップ操作が行われたかによって、そのタップ操作に対する評価も変化することになる。例えば、基準タイミングにぴったり一致するタイミング(画面上では、例えばタイミング提示領域104の中心点に敵キャラクタ105の中心点が重なるタイミング)でのタップ操作が最高評価であるとして、"
Great"の評価とし、基準タイミングからは多少ずれているが、上記の時間幅内での
入力である場合は”Good”(画面上では、例えば、タイミング提示領域104の中心点と敵キャラクタ105の中心点とは一致していないが、敵キャラクタ105の中心点自体はタイミング提示領域104内に入っている状態等)、というような2段階評価が行われる。もちろん、他の実施形態では、より多段階の評価を行う構成としてもよいことは言うまでもない。
【0049】
また、本実施形態では、攻撃のためのタップ操作の位置については、敵キャラクタ105が入ったタイミング提示領域104が属するレーン101内の任意の位置のタップ操作が要求される。例えば、図3で示すように、タイミング提示領域104Cに敵キャラクタ105が入った場合は、レーン101C内の任意の位置をタップ操作することで、当該敵キャラクタ105に攻撃を行うことができる。一方、この場合にレーン101C以外のレーン内をタップ操作した場合は、タイミング提示領域104Cに入った敵キャラクタ105への攻撃は行われない。
【0050】
ここで、説明の便宜上、本実施形態におけるリズムゲームでは、いわゆる「同時押し」操作は求めないものとする。つまり、4つのタイミング提示領域104において、全く同じタイミングで2つ以上の異なるタイミング提示領域104内に敵キャラクタ105が存在するような状態とはしないものとする。例えば、全く同じタイミングで、タイミング提
示領域104Aおよび104Cに敵キャラクタ105が存在し、レーン101Aおよびレーン101Cに対する同時入力操作を求めることは行わないものとする。すなわち、あるタイミングにおいては、常にいずれか一つのレーンに対する入力だけを求める構成であるとする。なお、他の実施形態では、上記のような同時押しが可能な構成としてもよい。
【0051】
なお、本例では攻撃操作として、タップ操作を例としているが、他の実施形態では、タップ操作以外の操作方法を用いても良い。例えば、ダブルタップ操作や、所定方向へのスライド操作や、所定方向へのフリック操作や、長押し操作であってもよい。また、その他、タッチパネル以外の入力装置を利用可能としても良い。例えば、押下式のボタンを利用してもよい。この場合は、例えば、上記4つのレーンのそれぞれを、いわゆるABXYボタンのいずれかに対応づけるようにしてもよい。ユーザは、各レーンに対応したボタンのいずれかを押下することで上記のような攻撃が可能となる。また、ABXYボタンの他、いわゆる十字キー/十字ボタンの4方向に上記4つのレーンをそれぞれ対応づける構成であってもよい。
【0052】
また、フィールド領域102内でタップ操作を行った場合は、そのタップ位置のレーン101に属するユーザキャラクタ103の攻撃モーションが表示される。また、タイミング提示領域104内に敵キャラクタ105が入っているか否かに関わらず、当該タップ操作が行われれば、攻撃モーションの表示は行われる。また、敵キャラクタ105については、後述の基準タイミングの1拍前のタイミングで、ユーザキャラクタに対する攻撃モーションの表示が開始される。上記のように、敵キャラクタ105は、所定のリズムに従って移動する。そして、このように基準タイミングの1拍前のタイミングで攻撃モーションを開始させることで、基準タイミングがいつであるかを、よりわかりやすくユーザに提示できる。更に、ユーザキャラクタ103が敵と戦っている臨場感や雰囲気を高めることもできる。
【0053】
上記のようなタイミング提示領域104に入った敵キャラクタ105への攻撃が成功した場合は、図4に示すように、敵キャラクタ105が画面右上に向かって飛ばされていく演出が行われた後、当該敵キャラクタ105は画面から消去される。すなわち、これら敵キャラクタ105は、タイミングが会うことを条件として、1度の攻撃操作で倒すことができるものといえる。
【0054】
一方、タップ操作のタイミングが合わなかった等で、敵キャラクタ105への攻撃に失敗した場合は、ユーザキャラクタ103が攻撃されてダメージを受けたものとして、上記ユーザ側HPメータ106の目盛りが1つ減らされる。本実施形態では、具体的には、着色状態の目盛りが白色状態に変化することで、目盛りが1つ減ったことが示される。そして、ユーザ側HPメータ106が0になる、すなわち、8回攻撃を受けて、全て白色状態の目盛りとなると、ゲームオーバーとなる。
【0055】
また、このようにダメージを受けた場合、ユーザキャラクタ103を攻撃した敵キャラクタ105は、そのまま画面左端まで移動して、画面から消去される。
【0056】
なお、本実施形態のゲーム処理では、敵キャラクタ105に関しては、「地上ユニット」と「飛行ユニット」の2種類の敵タイプが設定されている。地上ユニットについては、上記図3で示すように、各レーンに沿って右から左方向に直線的に移動する。つまり、仮想ゲーム空間であるフィールド領域102における地上を移動しているものである。一方、飛行ユニットについては、図5で示すように、レーンを跨いだ移動が可能である。図5の例では、右上に登場した飛行ユニットタイプの敵キャラクタ105が左下に向けて移動することを示している。つまり、仮想ゲームフィールドにおける空中を移動しているものである。
【0057】
[ボスキャラクタに関する動作概要について]
ところで、本実施形態のリズムゲームでは、上記のような1度の攻撃操作で倒すことが可能な敵キャラクタ105の他に、「ボスキャラクタ」と呼ばれる敵キャラクタも存在する。当該ボスキャラクタは、上記ボス側HPメータ107で示されるような「HP」を有する指示標識であり、一度の攻撃だけでは倒すことができないものである。つまり、リズムゲームにおける指示標識に、HP等に代表される耐久性を持たせたものであるといえる。移行の説明では、ボスキャラクタ以外の敵キャラクタ105のことを「通常敵キャラクタ」と呼ぶ。また、移行の説明で単に「敵キャラクタ」と表記する場合は、「ボスキャラクタ」および「通常敵キャラクタ」の双方を含む概念として用いているものとする。なお、本実施形態では、ボスキャラクタは、上記「飛行ユニット」であるものとする。
【0058】
また、本実施形態では、ボスキャラクタは、ボスキャラクタ用の専用ステージである「ボスステージ」のみに登場する。上記のように、本リズムゲームはステージ制のゲームであり、本実施形態では、4ステージ毎に「ボスステージ」が設けられている。例えば、1~3ステージは、通常敵キャラクタ105のみ登場し、4ステージ目では、通常敵キャラクタ105およびボスキャラクタが登場する、という構成である。
【0059】
次に、ボスステージにおけるボスキャラクタに関する動作の例を説明する。図6は、ボスステージの開始直後の状態を示す画面例である。図6では、ボスキャラクタ110がフィールド領域102内の右上位置、すなわち、レーン101の右端の位置に表示されている。この状態から、ゲームの進行、すなわち、楽曲の再生に伴って、図7に示すように、ボスキャラクタ110はレーン101に沿って、タイミング提示領域104に向かって移動していく。また、図7では、ボスキャラクタ110とは別に、通常敵キャラクタ105も画面内に登場している。更に楽曲の再生が進むと、図8に示すように、ボスキャラクタ110はタイミング提示領域104Aにより近づく。また、レーン101Aの右端には、更に他の通常敵キャラクタ105も登場している。
【0060】
その後、更に楽曲の再生が進み、ボスキャラクタ110に対応する基準タイミングの1拍前に、ボスキャラクタ110の攻撃モーションの表示が開始される。これにより、上記通常敵キャラクタ105の場合と同様、基準タイミングがいつであるかをよりわかりやすくユーザに提示できる。ユーザは、ボスキャラクタ110がタイミング提示領域104に入ったタイミングに合わせて、レーン101A内の任意の位置をタップ操作することで、図9に示すように、ボスキャラクタ110に対して攻撃を加え、ダメージを与えることができる。図9は、ユーザの攻撃が成功した状態を示すものである。図9では、ボスキャラクタ110、およびユーザキャラクタ103Aの双方とも攻撃モーションが表示されている最中の状態を示しているが、ボスキャラクタ110からの攻撃を受ける前に、ユーザキャラクタ103Aがボスキャラクタ110への攻撃を成功させた状態である。そのため、ユーザ側HPメータ106に変動はないが、ボス側HPメータ107については、ボスキャラクタ110のHPが、与えたダメージに応じた分だけ減少している。但し、図9の状態では、まだボスキャラクタ110を倒すには至っていない状態である。
【0061】
上記のように、攻撃を成功させてもボスキャラクタ110のHPがまだ残っている場合、攻撃後のボスキャラクタ110の動きは以下のようになる。まず、図10に示すように、ボスキャラクタ110の位置が、フィールド領域102の右方向に向かって移動される。いわゆる「ノックバック」の動きである。以下では、このようにボスキャラクタ110がユーザキャラクタ103の攻撃を受けて、それまでの移動方向とは逆方向の成分を含む方向(本実施例では右方向の成分を含む方向)に向けて後退するような動きを「ノックバック動作」と呼ぶ。また、このときのノックバック先の位置については、後述するボス用譜面データ214で予め定義されている「行動開始位置」のうち、次の行動のタイミング
に該当する「行動開始位置」(以下、「次の行動開始位置」と呼ぶ)である。
【0062】
なお、本実施形態では、ユーザキャラクタ103からの攻撃を受けたボスキャクタ110は上記の「ノックバック」の動きを行う例で説明するが、他の実施形態では、このような「ノックバック」の動きではない、他の動きを行わせても良い。例えば、攻撃を受けたボスキャラクタ110が、打ち飛ばされたかのごとく放物線を描くようにして「次の行動開始位置」に移動するような動きを行わせても良い。
【0063】
ここで、上記譜面データについて簡単に説明すると(詳細は後述する)、このデータは、各敵キャラクタが、どのタイミングでタイミング提示領域104に来るかということを予め定義したデータである。また、各敵キャラクタがどのタイミングでどの位置から移動を開始するかを予め定義したデータでもある。本実施形態では、通常敵キャラクタ用の譜面データ(後述の通常敵用譜面データ213)とボスキャラクタ用の譜面データ(後述のボス用譜面データ214)の2つを用意する構成としている。以下ではこの2つを総称して「譜面データ」と呼ぶこともある。
【0064】
そして、ボスキャラクタ110のノックバック先となる位置は、このボスキャラクタ用の譜面データに基づいて適宜決定される。上記図10の例では、「次の行動開始位置」として、レーン101Dの右端となる位置が予め定義されている例である。そのため、ノックバック動作として、タイミング提示領域104Aからレーン101Dの右端となる位置へ、ボスキャラクタ110が突き飛ばされるようにして移動する様子が表示される。また、このノックバック動作における移動は、次の「行動開始タイミング」(後述)に合わせたものとなっている。例えば、基準タイミングから0.5秒遅れてタップ操作が行われ、これによりボスキャラクタ110がノックバックし、その後、後述のように再度動き始めるとき、基準タイミングから0.5秒遅れのずれを維持したまま動き始めてしまう。つまり、ユーザの入力タイミングが所定のタイミングとずれている場合、ノックバック動作におけるボスキャラクタ110の移動速度に関して何の調整も行われないとすると、次の行動開始タイミングもその分だけずれたままの状態となる。そのため、ノックバック動作における移動速度を、次の行動開始タイミングに合わせて調整することによって、指示標識の移動タイミングのずれを補正することができる。換言すれば、ユーザの入力タイミングが所定のタイミングとずれている場合、このずれを補正するために、ノックバック時の移動速度を調整しているものといえる。
【0065】
その後、図11に示すように、ボスキャラクタ110は、タイミング提示領域104に向かって移動を開始する。図11では、レーン101D上を左に向かって移動する様子を示している。つまり、ボスキャラクタ110は、そのHPが0になるまで、ユーザキャラクタ103への攻撃動作を繰り返す。また、その動作タイミングは、楽曲に応じて予め定義されている譜面データに基づく動作タイミングとなる。
【0066】
このことを換言すれば、リズムゲームにおける指示標識について、上記のように耐久性を持たせて、一度のタップ操作では消す(倒す)ことができないようにしたものである。そして、タイミングに合わせたタップ操作が成功したとき、画面上からは消去せずに、上記のノックバック動作等で、その存在は表示し続けるものである。また、HPがあるうちは、楽曲の再生(譜面データ)に合わせて、継続的にタイミング提示領域に向けての移動を繰り返す、というものである。
【0067】
なお、本実施形態では、ボスキャラクタ110が「飛行ユニット」の例を示すが、もちろんボスキャラクタは「地上ユニット」であってもよい。この場合は、ボスキャラクタ110がタイミング提示領域104に向かう移動の場合は、レーン101に沿った移動を行い、ノックバック動作を行う場合は、レーン101を跨いだ移動を行うようにすればよい
【0068】
次に、同じくボスキャラクタ110の動作に関して、ユーザの攻撃が失敗した場合の動作に関して説明する。例えば、タイミング提示領域104内にボスキャラクタ110が存在するにも関わらず、タップ操作が行われなかった場合等である。この場合、図12に示すように、ボスキャラクタ110からの攻撃を受けたことを示す演出が表示される。これと共に、上記ユーザ側HPメータ106の目盛りが1つ減らされる。また、この時点で、譜面データの再生が一旦停止される。つまり、ボスキャラクタ110からの攻撃を受けたときに画面内に存在していた他の通常敵キャラクタを除いた通常敵キャラクタの出現が一旦抑制される。
【0069】
その後、ボスキャラクタ110が、図13で示すようにフィールド領域102の左端まで移動し、更にそのまま画面外に向けて移動するようにして、図14で示すように画面内からその表示が一旦消去される。なお、このようなボスキャラクタ110の動きの間も、他の通常敵キャラクタ105の移動と攻撃は継続している。その後、全ての通常敵キャラクタ105にかかる基準タイミングから所定時間が経過すれば、図15および図16に示すように、ボスキャラクタ110がいずれかのレーン101の右端から登場する。その後、譜面データの再生が再開され、譜面データに基づいた各敵キャラクタの移動と攻撃動作が行われることになる。
【0070】
なお、通常敵キャラクタ105から攻撃を受けた場合は、ユーザのHPが0にならない限りは、譜面データの再生は継続される。
【0071】
上記のような処理が繰り返された結果、最終的にユーザがボスキャラクタ110のHPを0にすることができれば、ボスステージはクリアとなる。なお、本実施形態では、ボスのHPが0になるまでは、同じ楽曲の再生が繰り返されるものとする。他の実施形態では、楽曲の再生(1ループ分の再生)が終了するまでにボスキャラクタ110のHPを0にできなかった場合は、時間切れとしてゲームオーバーとするようにしてもよい。
【0072】
なお、本実施形態では、ボスキャラクタ110のHPを減算していき、0になったときにボスキャラクタ110を倒したとしているが、この他、ボスキャラクタ110に与えたダメージ値を累計し、その値が所定値を超えたときにボスキャラクタ110を倒したと判定するようにしてもよい。また、その他、ボスキャラクタ110に対する攻撃成功回数が、予め定められた回数に達したときにボスキャラクタを倒したと判定するようにしてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、ボスキャラクタ110は、予め定義された行動パターンに従って行動する。ここで、上記譜面データは、あくまで、タイミング提示領域への到達タイミングや行動開始位置を定義したものであり、ボスキャラクタ110の具体的な動作パターンまでは定義していない。そのため、後述するように、ボスキャラクタ110の具体的な行動パターンを定義したデータが別途用意されている。行動パターンとしては、例えば、「パターンA」として、「通常攻撃を3回繰り返した後に必殺技を一度使用する」というパターンや、「パターンB」として「通常攻撃を4回繰り返した後、必殺技を2回連続で使用する」というパターン等が予め定義される。そして、上記のように、ユーザキャラクタ103がボスキャラクタ110からの攻撃を受けない限りは(画面から消えない限りは)、そのときに用いられている行動パターンを繰り返す。一方、ユーザキャラクタ103がボスキャラクタ110から攻撃を受けた場合は、そのときに用いていた行動パターンを中止し、新たな行動パターンを選択しなおして、再登場後は当該新たな行動パターンに従った行動を開始する、という動作を行う。なお、ボスキャラクタ110の行動パターンとしては、移動経路、移動速度を定義するものでもよい。更には、常に移動し続けるパター
ンだけでなく、途中で移動を一時停止して、再度動き出すような行動パターンが定義されていてもよい。
【0074】
このように、本実施形態では、リズムゲームにおける指示標識にHPのような耐久性を持たせることで、リズムゲームの興趣性を高めている。
【0075】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、図17図24を参照して、本実施形態におけるリズムゲーム処理についてより詳細に説明する。
【0076】
[使用データについて]
まず、本ゲーム処理にて用いられる各種データに関して説明する。図17は、情報処理装置10のメモリ13に格納されるプログラムおよびデータの一例を示している。メモリ13には、リズムゲーム処理プログラム211、楽曲データ212、通常敵用譜面データ213、ボス用譜面データ214、ボスキャラクタのHP215、ユーザのHP216、行動パターン定義データ217、現在の行動パターンデータ218、画像データ219、操作データ220等のデータが格納される。
【0077】
リズムゲーム処理プログラム211は、本実施形態に係るリズムゲーム処理をプロセッサ部11に実行させるためのプログラムである。
【0078】
楽曲データ212は、1又は複数の楽曲データであり、例えばパルス符号変調(PCM)方式などで符号化されたデジタルデータである。
【0079】
通常敵用譜面データ213は、所定のステージで再生される所定の楽曲データに対応する譜面データであって、通常敵キャラクタを制御するためのデータである。図18に、通常敵用譜面データ213のデータ構成の一例を示す。図18において、通常敵用譜面データ213には、基準タイミング231、識別情報232、到達レーン233、行動開始レーン234、行動開始タイミング235等の項目を含む。基準タイミング231は、楽曲データに合わせて予め設定された基準タイミングを示すものであり、ユーザが攻撃操作を入力すべきタイミングを示すものである。また、基準タイミング231は、通常敵用譜面データ213において、楽曲データ再生開始時点からの経過時間(例えば、描画のフレームレートにおいて、楽曲データ再生開始時間を0としたときのフレーム数)によって定義される。識別情報232は、基準タイミング231それぞれに対応する通常敵キャラクタ(指示標識)を示す情報である。例えば、地上ユニットである「通常敵キャラクタA」や、飛行ユニットである「通常敵キャラクタB」等を示す情報である。到達レーン233は、その基準タイミング231において通常敵キャラクタ105が存在すべきレーン101を示す。行動開始レーン234および行動開始タイミング235は、その基準タイミング231にかかる通常敵キャラクタが行動を開始するレーン101とその開始タイミングを定義したものである。換言すれば、フィールド領域102に登場するタイミングとその登場レーンを定義したものである。なお、通常敵キャラクタ105に関しては、最初は必ずフィールド領域102の右端に登場するため、どのレーン101に登場するのかの定義だけを行えばよい。
【0080】
図17に戻り、ボス用譜面データ214は、上記の所定の楽曲データに対応する譜面データであって、ボスキャラクタ110を制御するためのデータである。図19に、ボス用譜面データ214のデータ構成の一例を示す。図19において、ボス用譜面データ214には、基準タイミング241、到達レーン242、行動開始位置243、行動開始タイミング244等の項目を含む。これら項目のうち、基準タイミング241、到達レーン242、行動開始タイミング244については、対象がボスキャラクタ110となる点を除き
、上記通常敵用譜面データ213における項目と同様の意義を有するものであるため、その説明は割愛する。一方、行動開始位置243については、基本的には、行動開始タイミング244におけるボスキャラクタ110の存在位置を示すものである。但し、上記の「ノックバック動作」も想定しており、各レーンにおける位置をより細かく定義した内容となっている。具体的には、例えば、図20に示すように、行動開始位置について、位置Aおよび位置Bの2つの領域を定義しているとする。そして、行動開始位置243としては、上記ノックバック動作におけるノックバック先となる位置も考慮して、各レーン101の位置Aまたは位置Bのいずれかが定義されている。また、当該行動開始位置243は、上述した「次の行動開始位置」を示すものでもある。なお、この行動開始位置の数は一例であり、他の実施形態では、任意の数の行動開始位置を定義してもよいことは言うまでもない。
【0081】
なお、本実施形態では、通常敵キャラクタ用の譜面データとボスキャラクタ用の譜面データを別々のデータとした構成であるが、他の実施形態では、この双方を1つに纏めたデータ構成としてもよい。
【0082】
図17に戻り、ボスキャラクタのHP215は、ボスステージにおける上記ボスキャラクタ110の現在のHPを示すデータである。換言すれば、ボスキャラクタの耐久性を示すパラメータであり、上記ボス側HPメータ107の表示の基となるデータである。つまり、ボスキャラクタの「耐久力」を示すパラメータともいえる。また、ユーザのHP216は、ユーザ側の現在のHPを示すデータであり、ユーザ側の耐久性を示すパラメータである。上記ユーザ側HPメータ106の表示の基となるデータである。
【0083】
行動パターン定義データ217は、上述したようなボスキャラクタ110の行動パターンを複数定義したデータである。
【0084】
なお、本実施形態では、通常敵キャラクタ105については、基本的には、一度の攻撃で倒せるものであり、また、登場した位置から行動開始レーンに直線的に移動させるものであるため、特に行動パターンは定義していないが、他の実施形態では、通常敵キャラクタ105について、その移動経路を定義したデータを用意するようにしても良い。特に、飛行ユニットに曲線的な移動を行わせる際に有用である。
【0085】
現在の行動パターンデータ218は、上記行動パターン定義データ217で定義されている複数の行動パターンのうち、現在使用している行動パターンを示すためのデータである。
【0086】
画像データ219は、ユーザキャラクタ103、各種敵キャラクタ、背景画像等の各種の画像データである。
【0087】
操作データ220は、操作部15に対して行われた各種操作内容を示すデータである。本実施形態では、操作部15としてのタッチパネルへの入力の有無、そのタッチ座標等を示すデータや、図示しない各種ボタンの押下状態等を示すデータが含まれている。
【0088】
その他、メモリ13には、例えば効果音データや一時的に用いる各種の作業用データ等、リズムゲーム処理に必要な各種データも適宜格納される。
【0089】
[プロセッサ部11が実行する処理の詳細]
次に、図21図24のフローチャートを参照して、本実施形態にかかるリズムゲーム処理の詳細を説明する。なお、ここでは、上記ボスステージにおける処理(以下、ボスステージ処理)について説明し、その他のゲーム処理の説明については割愛する。
【0090】
なお、図21図23におけるステップS2~S20の処理ループは、ステップS19にかかる処理を除いて、所定の時間間隔、例えば、1/60秒(1フレーム)毎に繰り返されるものとする。
【0091】
まず、ステップS1で、プロセッサ部11は、ボスステージに係る処理を開始するための準備処理を実行する。すなわち、プロセッサ部11は、楽曲データ212と、これに対応する通常敵用譜面データ213およびボス用譜面データ214とを所定の記録媒体から読み込み、メモリ13に格納する。また、ボスステージの処理で用いる各種データの初期化を行い、上記フィールド領域102にユーザキャラクタ103を適宜配置する。更に、ボス用譜面データ214に基づいて、ボスキャラクタ110を初期位置に配置する。また、ボスキャラクタ110の行動パターンを決定し、現在の行動パターンデータ218を設定する処理も実行する。そして、プロセッサ部11は、ボスステージ開始時におけるゲーム画面を生成して表示部16に表示する。
【0092】
次に、ステップS2で、プロセッサ部11は、通常敵用譜面データ213、および、ボス用譜面データ214に基づいて、各種敵キャラクタの移動制御や、フィールド領域102への各種敵キャラクタの新規配置の制御を実行する。つまり、通常敵用譜面データ213およびボス用譜面データ214を再生する処理を行う。例えば、通常敵キャラクタ105については、行動開始タイミング235で示されるタイミングで、行動開始レーン234で示される位置に、識別情報232で示される通常敵キャラクタを配置する制御が行われる。そして、到達レーン233で示されるレーンのタイミング提示領域104に基準タイミング231で示されるタイミングで到達するように移動させる制御が行われる。また、ボスキャラクタに関しては、現在の行動パターンデータ218で示される行動パターンも参照して、その移動制御を行う。なお、ボスキャラクタ110が上記「ノックバック動作」中である場合は、プロセッサ部11は、そのノックバック動作にかかる移動制御も行う。例えば、後述のステップS10の処理で設定される、ボスキャラクタがノックバック状態であること示すフラグ(図示せず)がオンのときに、この移動制御を行い、ノックバック動作が終了すれば、当該フラグをオフにする処理も行う。また、タイミング提示領域内に入った各種敵キャラクタについては、ユーザキャラクタ103へ攻撃を行う攻撃モーションを行わせる制御も実行される。このような処理により、各種敵キャラクタの移動制御等が行われることになる。
【0093】
次に、ステップS3で、プロセッサ部11は、操作データ220を参照して、フィールド領域102へのタップ操作が行われたか否かを判定する。その結果、当該タップ操作が行われていないときは(ステップS3でNO)、後述するステップS12に処理が進めら
れる。一方、当該タップ操作が行われていたときは(ステップS3でYES)、続くステップS4で、プロセッサ部11は、そのタップ操作が、攻撃条件を満たすものか否かを判定する。具体的には、上記いずれかのタイミング提示領域104内に敵キャラクタが入っている状態で、このタイミング提示領域104に属するレーン101内でのタップ操作が行われたか否かを判定する。より正確には、上記基準タイミング231(通常敵キャラクタ105の場合)あるいは基準タイミング241(ボスキャラクタ110の場合)を中心とした時間幅であって、有効な攻撃として許容されている時間幅内でのタップ操作が行われたか否かを判定する。つまり、有効な攻撃操作が行われたか否かを判定するものである。当該判定の結果、有効な攻撃操作が行われていないときは(ステップS4でNO)、後述するステップS12の処理に進められる。なお、この際、タップ操作が行われたレーンに属するユーザキャラクタ103の攻撃モーションを表示しても良い。この場合、攻撃としては無効ではあるが、ユーザは、ユーザキャラクタ103の攻撃モーションだけ確認することも可能となる。
【0094】
一方、有効な攻撃操作が行われていた場合は(ステップS4でYES)、ステップS5で、プロセッサ部11は、タップ操作が行われたレーン101に属するユーザキャラクタ103の攻撃モーションを表示する。更に、その入力タイミングを評価する処理も行う。すなわち、プロセッサ部11は、その入力タイミングが、例えば上述したような"Gre
at"と評価されるものであるか、”Good”で評価されるものであるかの判定を行う
。そして、その評価結果を、メモリ13に一時的に格納する。
【0095】
次に、ステップS6で、プロセッサ部11は、今回行われた攻撃が、ボスキャラクタ110への攻撃であるか否かを判定する。つまり、ユーザキャラクタ103に攻撃された敵キャラクタがボスキャラクタ110であったか否かを判定する。当該判定の結果、ボスキャラクタ110への攻撃ではない、つまり、通常敵キャラクタ105への攻撃であった場合は(ステップS6でNO)、ステップS7で、プロセッサ部11は、通常敵キャラクタを撃破するための処理を実行する。すなわち、ユーザキャラクタに攻撃された通常敵キャラクタ105について、上記図4で示したように画面外に向けて飛ばされるような演出を行う。また、プロセッサ部11は、上記評価結果に応じた点数を、図示しない点数データに加算する。なお、このとき、評価結果がより高評価(本例では"Great")である場合は、いわゆる「コンボ」の値を加算してもよい。その後、後述のステップS12に処理が進められる。
【0096】
一方、上記ステップS6の判定の結果、ボスキャラクタへの攻撃であった場合は(ステップS6でYES)、図22に示すステップS8で、プロセッサ部11は、ボスキャラクタのHP215の値を、1減算する。また、プロセッサ部11は、ボス側HPメータ107の表示を更新するための処理も行う。
【0097】
次に、ステップS9で、プロセッサ部11は、ボスキャラクタのHP215の値が0であるか否かを判定する。その結果、0であるときは、ボスを撃破したとして、ステップS11で、プロセッサ部11は、ボスステージのクリアのための処理を実行する。例えば、ボスキャラクタ110の表示を画面から消去する処理を行い、更に、ステージクリアの演出を表示する処理等を実行する。その後、プロセッサ部11は、当該ボスステージに係る処理を終了する。
【0098】
一方、ボスキャラクタのHP215の値がまだ0ではない場合は(ステップS9でNO)、ステップS10で、プロセッサ部11は、ボスキャラクタについて、上記ノックバック動作を行わせるための設定処理を行う。すなわち、ボス用譜面データ214を参照して、上記の「次の行動開始位置」を特定し、また、この位置へのノックバック動作における移動速度を算出する。また、図示は省くが、例えばボスキャラクタ110がノックバック状態であること示すフラグをオンに設定する。その後、ステップS12に処理が進められる。
【0099】
次に、図23のステップS12で、プロセッサ部11は、ユーザキャラクタ103がいずれかの敵キャラクタからの攻撃を受けたか否か、すなわち、被ダメージの有無を判定する処理を実行する。具体的には、いずれかのタイミング提示領域104に入った敵キャラクタに対してのタップ操作による攻撃が行われることなく、あるいは、タップ操作は行われたもののタイミングが合わずに有効な攻撃と判定されないまま、ユーザキャラクタ103の位置にまで進行したか否か、等が判定される。つまり、いずれかのタイミング提示領域104に入った敵キャラクタを倒すことにユーザが失敗したか否かが判定される。そして、失敗した場合に、被ダメージが発生したと判定されることになる。
【0100】
当該判定処理の結果、被ダメージが発生していない場合は(ステップS12でNO)、後述のステップS16に処理が進められる。一方、被ダメージが発生した場合は(ステッ
プS12でYES)、ステップS13で、プロセッサ部11は、被ダメージ処理を実行する。具体的には、プロセッサ部11は、ユーザのHP216の値を1減算し、ユーザ側HPメータ106の表示を更新する処理を行う。
【0101】
次に、ステップS16で、プロセッサ部11は、ユーザのHP216の値が0になったか否かを判定する。その結果、0の場合は(ステップS16でYES)、ステップ17で、プロセッサ部11は、ゲームオーバーとするための処理を実行する。つまり、ステージクリアに失敗した場合の処理を実行する。例えば、クリア失敗を示す演出の表示等を行う。そして、当該ボスステージ処理を終了する。
【0102】
一方、ユーザのHP216の値がまだ0になっていない場合は(ステップS16でNO)。次に、ステップS18で、プロセッサ部11は、ボスキャラクタ110が、フィールド領域102の左端に到達したか否かを判定する。つまり、上記図13で示したような、ユーザキャラクタ103への攻撃を成功させたボスキャラクタ110がフィールド領域102の左端まで移動したか否かを判定する。その結果、ボスキャラクタ110が、フィールド領域102の左端に到達していないときは(ステップS18でNO)、後述のステップS20に処理が進められる。一方、ボスキャラクタ110が、フィールド領域102の左端に到達した場合は(ステップS18でYES)、ステップS19で、プロセッサ部11は、ボス再登場処理を実行する。これは、上記図12図16を用いて説明したような、ボスキャラクタ110の再登場を行うための処理である。
【0103】
図24は、上記ボス再登場処理の詳細を示すフローチャートである。図24において、ステップS31で、プロセッサ部11は、譜面データの再生を一時停止する処理を実行する。すなわち、既に配置済みの通常敵キャラクタを除いて、これ以上の通常敵キャラクタが登場しないようにするための処理を実行する。なお、この際、楽曲データの再生も一時停止するようにしてもよいし、楽曲の再生については継続してもよい。
【0104】
次に、ステップS32で、プロセッサ部11は、ボスキャラクタ110の移動制御を行う。具体的には、ボスキャラクタ110が画面外に出て行くような移動処理を行う。また、画面外に出た後は、ボス用譜面データ214に基づいて「次の行動開始位置」を特定し、その位置に基づいて、ボスキャラクタ110を、いずれかのレーン101の右端から登場させるための処理を行う。また、この際、プロセッサ部11は、上記行動パターン定義データ217を参照して、次にボスキャラクタの行動として用いる行動パターンを選択する。そして、その行動パターンを示す値を現在の行動パターンデータ218に設定する。
【0105】
次に、ステップS33で、プロセッサ部11は、画面内に残っている通常敵キャラクタ105に関する処理を実行する。すなわち、各通常敵キャラクタ105を移動させる処理と、攻撃に関する各種判定処理等が実行される、なお、フローにおける図示は省略するが、この処理において、通常敵キャラクタ105からユーザキャラクタ103が攻撃を受けた結果、ユーザのHPが0になった場合は、当該ボス再登場処理は中断されて、上記ゲームオーバーとするための処理が実行される。
【0106】
次に、ステップS34で、プロセッサ部11は、上記ステップS32およびS33の移動制御等を反映したゲーム画面を生成し、表示部16に表示する処理を実行する。
【0107】
次に、ステップS35で、プロセッサ部11は、譜面データの再生の再開のための条件を満たしたか否かを判定する。この条件は、ボスキャラクタと通常敵キャラクタとの攻撃タイミングの整合性を取るため等でインターバルを入れるための条件である。例えば、(1)ボスキャラクタの再登場が完了し、かつ、ボスキャラクタ110にかかる次の基準タイミングまでに十分な時間的余裕があること、(2)全ての通常敵キャラクタ105にか
かる基準タイミングから所定時間が経過していること、(3)1拍あたりの経過時間の整数倍となるタイミングであること、という3つの条件を全て満たす場合に、再開のための条件を満たしたと判定される。なお、再開のための条件は一例であり、ボスキャラクタの再登場に関して、リズムゲームとしての内容に破綻が起こらないような調整が可能な条件であれば、これ以外の条件を用いても良い。
【0108】
当該ステップS35の判定の結果、再開のための条件がまだ満たされていない場合は(ステップS35でNO)、上記ステップS32に戻り、処理が繰り返される。一方、再開の条件が満たされた場合は(ステップS35でYES)、ステップS37で、プロセッサ部11は、譜面データの再生を再開するための処理を行う。以上で、ボス再登場処理は終了する。
【0109】
図23に戻り、次に、ステップS20で、プロセッサ部11は、上述したゲーム処理の結果を反映するゲーム画面を生成して表示部に表示する処理を行う。また、上記楽曲データ212等に基づく各種音声データを音声出力部17に出力する処理も行う。その後、上記ステップS2に戻って、処理が繰り返される。
【0110】
以上で、ボスステージ処理の説明を終了する。
【0111】
このように、本実施形態では、リズムゲームにおける指示標識にHP等に代表される耐久性を持たせ、一度のタップ操作等では画面から消えない指示標識を制御している。これにより、リズムゲームの興趣性をより高めることができる。
【0112】
[変形例]
なお、上記の実施形態では、攻撃のためのタップ操作を行う位置として、4つのレーンそれぞれに対応した位置のタップ操作を要求する構成であった。この他、操作難易度の軽減のために、4つのレーンの存在や敵キャラクタの動作制御はそのままで、攻撃操作位置については統一したような構成を用いても良い。つまり、攻撃操作の方法だけ変えたモードといえる。図25に、このような構成を用いた画面の一例を示す。図25では、画面下部に攻撃操作領域120が表示されている以外は、上記図2で示したものと同じ画面構成となっている。そして、この場合、ユーザの操作は以下のようなものとなる。すなわち、いずれかのタイミング提示領域104内にいずれかの敵キャラクタが入ったタイミングに合わせて、ユーザは、攻撃操作領域120をタップ操作することで攻撃できる。この場合、どのレーンに敵キャラクタが入っているかは問わない。つまり、敵キャラクタがタイミング提示領域104に入ったレーンがどれであるかに関わらず、攻撃操作領域120をタップ操作するだけで、タイミングさえ合っていれば、その敵キャラクタを攻撃できることになる。
【0113】
また、攻撃操作領域120については、上記のような画面内の一部の領域とせず、例えば画面全域を攻撃操作領域120にして、上記図25のような表示を行わないようにしても良い。つまり、画面上のどの位置をタップ操作しても、タイミングさえ合っていれば、敵キャラクタへの攻撃が可能な構成としてもよい。
【0114】
また、上記実施形態のような、4つのレーンに応じたタップ操作を求めるゲームモードと、上記図25で示したような1つの攻撃操作領域120へのタップ操作だけを求めるゲームモードとの2つを、ユーザが切り替え、あるいは選択可能な構成としてもよい。例えば、前者を「エキスパートモード」、後者を「カジュアルモード」として、ステージの開始前にユーザに提示し、いずれかをユーザが選択できるような構成としてもよい。
【0115】
また、更に他の実施形態では、上述した「エキスパートモード」と「カジュアルモード
」とを融合(一体化)したゲームモードを提供する構成としてもよい。すなわち、基本的には、画面上のどの位置をタップ操作しても、タイミングさえ合っていれば敵キャラクタを倒すことができるが(カジュアルモード相当)、レーンに応じたタップ操作を行うことで(エキスパートモード相当)、より高得点が得られる、というゲームモードを提供してもよい。より具体的には、例えばタイミング提示領域104Aに敵キャラクタが到達したタイミングで、レーン101Aの任意の位置をタップ操作することで、高得点を得ることができ、それ以外の任意の領域をタップ操作した場合は、当該敵キャラクタを倒すことはできるものの、得られる得点が減点されるような構成である。このような構成で、基本的には、敵キャラクタの位置に応じてタップ操作の位置を変える必要がないという手軽な操作性を提供しつつ、最高得点を狙うユーザに対しては、敵キャラクタの位置に応じてタップ操作する位置(レーン)を変える必要があるという、より高度な操作性を求めることができる。換言すれば、高得点は諦めることになるが手軽な操作となるプレイスタイルと、高得点を狙った高度な操作を要求されるプレイスタイルとを、ユーザが任意のタイミングで選択できることになる。例えば、通常敵キャラクタ105に対してはエキスパートモード相当のプレイスタイルでプレイし、ボスキャラクタ110に対してはカジュアルモード相当のプレイスタイルで対応することができ。あるいは、ステージの前半はエキスパートモード相当のプレイスタイルでプレイし、後半はカジュアルモード相当のプレイスタイルでプレイすること等が可能となる。
【0116】
また、指示標識の例として、上記の例では「ボスキャラクタ」と「通常敵キャラクタ」を例示した。この他、例えば、ボスキャラクタ110が射出する矢や弾等の、ボスキャラクタ110から発射される類いのオブジェクトを指示標識としてもよい。この場合は、これら矢や弾等のオブジェクトを通常敵キャラクタ105として扱えばよい。また、例えば、ボスキャラクタ110が、タイミング提示領域104の右隣の位置に来たときに一旦その移動を停止させ、当該ボスキャラクタ110がユーザキャラクタ103に向かって「火炎放射」する動作を行わせてもよい。そして、このときにボスキャラクタ110から放射されている「火炎」を上記通常敵キャラクタ105として扱うようにしてもよい。この場合、ユーザは、「火炎」が放射されている間、例えばタップ操作を連打したり、あるいは長押し操作を行ったりすることで、当該「火炎」による攻撃を防ぐことができるようにすればよい。また、その他、指示標識の一例として、タイミング提示領域104に向かって転がってくる岩や鉄球等の障害物オブジェクトを、上記通常敵キャラクタ105として用いるようにしてもよい。
【0117】
また、上記の例では、通常敵キャラクタにはHPを持たせない構成としていたが、他の実施形態では、通常敵キャラクタにHPをもたせて、その値を「1」とする構成としてもよい。つまり、通常敵キャラクタについては、一度の攻撃で倒されるように構成すればよい。
【0118】
また、上記実施形態では、ボスキャラクタ110が同時に一体だけ登場する構成を例示したが、他の実施形態では、複数体のボスキャラクタ110を同時に登場させるようにしても良い。また、この場合は、ボス側のHPについても、上記ボス側HPメータ107で示されるHPは複数体のボスキャラクタで共有する構成とすればよい。例えば、3体のボスキャラクタを登場させ、これら3体へ与えたダメージの合計値が所定値となった場合に、3体とも消滅する、というような構成としてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、ボスキャラクタ110を倒せばステージクリアとしていたが、他の実施形態では、楽曲が終わるまではそのステージのプレイを継続させるようにしてもよい。また、その他、続けて他のボスキャラクタを登場させるようにしても良い。
【0120】
また、タイミング提示領域104に関して、上記の例では、ある程度の広さを有する領
域としていた。つまり、攻撃成功として許容されるタップ操作のタイミングにある程度幅を持たせる構成でもあった。他の実施形態では、この幅を持たせずに、基準タイミングに対応するピンポイントな座標を用いても良い。つまり、タイミング提示「領域」ではなく、タイミング提示「点」として表示するようにしてもよい。
【0121】
また、ユーザキャラクタ103の表示位置について、上記の例ではタイミング提示領域104の左隣となるような位置に表示する例を示したが、これに限らず、例えば、タイミング提示領域104内にユーザキャラクタ103を表示するようにしてもよい。
【0122】
また、指示標識の移動方向に関して、上記の実施形態では、基本的には画面の右から左に向けて指示標識(敵キャラクタ)が移動してくる例を示したが、この他、指示標識が左から右、あるいは上から下、あるいは下から上に向かって移動するような構成であっても良い。また、例えば、画面の略中央に上記ユーザキャラクタを1体配置し、その周囲を囲むように円状のタイミング提示領域を配置し、360度全ての方向から画面中央に向かって指示標識が移動してくるような構成であってもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、ボスキャラクタ110は、ユーザキャラクタ103からの攻撃を受けた場合(基準タイミングにおいてタップ操作が行われた場合)に、上記のようなノックバック動作の制御を行っていた。他の実施形態では、このような攻撃を受けてノックバックする、という動作ではなく、例えば、攻撃は受けたが、そのまま左方向への進行を継続するような動きをさせてもよい。
【0124】
また、上記の例では、単一の情報処理装置10でリズムゲームにかかる一連の処理を行う例を挙げた。これに限らず、他の実施形態では、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。さらには、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。
【符号の説明】
【0125】
111 プロセッサ部
113 メモリ
115 操作部
116 表示部
図1
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