(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089329
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】燃焼炉における導入外気加温法および該加温法を用いた燃焼炉構造
(51)【国際特許分類】
F23L 1/00 20060101AFI20230621BHJP
F23L 15/00 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
F23L1/00 B
F23L15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021193627
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】500410123
【氏名又は名称】株式会社エルコム
(72)【発明者】
【氏名】相馬 督
【テーマコード(参考)】
3K023
【Fターム(参考)】
3K023BA01
3K023QC05
(57)【要約】
【課題】燃焼効率のよい燃焼炉を提供する。
【解決手段】耐熱材にて製作された中空体としての燃焼炉に導入される外気を、該炉内に導入する前に、該炉の外周に設けられる、じゃま板を有する熱交換部内を通過させることにて得られる加温された外気を燃焼炉内に導入することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱材にて製作された中空体としての燃焼炉に導入される外気を、該炉内に導入する前に、該炉の外周に設けられる、じゃま板を有する熱交換部内を通過させることにて得られる加温された外気を燃焼炉内に導入することを特徴とする、燃焼炉における導入外気加温法。
【請求項2】
耐熱材にて製作された中空体としての燃焼炉を設け、該燃焼炉の外周に、じゃま板を有する熱交換部を設けるとともに、該炉の適所にバーナー、加温外気燃焼炉内噴出部、加熱気体燃焼炉外排出部、燃料対象物導入部を各々設けたことを特徴とする、燃焼炉における導入外気加温法を用いた燃焼炉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外気を加温して燃焼炉内に吹き込むタイプの、燃焼炉における導入外気加温法および該加温法を用いた燃焼炉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃焼炉は種々の目的にて多用されているが、本発明にて示すように、燃焼炉壁の放熱を吸収して加温された外気を燃焼炉内に吹き込むタイプの導入外気加温方法と、この加温法を用いた燃焼炉構造は現在のところ見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、燃焼炉は、耐火材にて製作された中空体の中に、燃焼対象物と熱風および燃焼のための有酸素気体を送り込んで燃焼させるものである。従来は外気を直に炉内に導入するため、炉内と外気との温度差にて、この導入外気にて炉内温度が低下するために、余分に燃料を必要とする問題があった。
本発明は以上に鑑み、外気を炉壁外面に接触させるとともに、その通過時間を長くすることにて上記問題を解決することのできる、新規かつ有用なる手段を提供することを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。すなわち、本発明の一つは、
耐熱材にて製作された中空体としての燃焼炉に導入される外気を、該炉内に導入する前に、該炉の外周に設けられる、じゃま板を有する熱交換部内を通過させることにて得られる加温された外気を燃焼炉内に導入することを特徴とする、燃焼炉における導入外気加温法である。本発明の他の一つは、耐熱材にて製作された中空体としての燃焼炉を設け、該燃焼炉の外周に、じゃま板を有する熱交換部を設けるとともに、該炉の適所にバーナー、加温外気燃焼炉内噴出部、加熱気体燃焼炉外排出部、燃料対象物導入部を各々設けたことを特徴とする、燃焼炉における導入外気加温法を用いた燃焼炉構造である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、燃焼炉外壁からの放熱を導入外気が吸収して外気加温がなされるので、燃焼炉内に入る外気と燃焼炉内温度との差が低下して、燃焼の効率を高めることができて、燃料の使用量を低下させることができる。
また、燃焼炉内は旋回流となって、燃焼対象物の炉内存在時間を高めることができるので、従来品に比べてより燃焼効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は燃焼炉本体で、耐火材にて中空円柱状に形成される。2は該燃焼炉上部に取り付けられる蓋部、3は燃焼炉側面に設けられる開閉扉である。
4は上記燃焼炉の外周に設けられる上下二段に分かれている熱交換部で、以下の構成による。
図2にて示すように、適宜支持部材を介して燃焼炉外壁から所定距離を有して外板5が設けられ、この外板と燃焼炉外壁との間に、
図7(展開図)にて示すじゃま板6が複数枚設けられる。このじゃま板は気体通路が蛇行するよう位置決めされている。
11は燃焼対象物導入部、12および13は加温外気燃焼炉内噴出部である。
【0008】
この加温外気燃焼炉内噴出部12は、
図7に示す外気取入口14から入った外気は加温されて加温外気取り出し口15から出て、ファンを有する管路を経てノズル12aより燃焼炉内へと噴気する。加温外気燃焼炉内噴出部13は同様に、
図7に示す外気取入口16から入り、加温されて加温外気取り出し口17から出て、ファンを有する管路を経てノズル13aより噴気する。
なお、
図7の18は開閉扉箇所、19は燃焼対象物導入箇所、20はバーナー箇所、21および22は加温外気燃焼炉内噴出箇所のために各々設けた切除部である。
【0009】
図1~
図2にて示すように、加温外気噴出部はその高さは同一で平面視配置は燃焼炉本体に対して所定角度を有して設けられている。すなわち、加温外気燃焼炉内噴出部12は、燃焼炉内壁に近接した方向に噴出する。加温外気燃焼炉内噴出部13は、燃焼炉内中央近傍方向へと噴出する。以上が本発明の一実施例である。
【0010】
次ぎに本発明の使用について説明する。
ファン駆動にて外気は熱交換部の外気取り込み口14および16から熱交換部内に入る。この熱交換部に入った空気は熱交換部内を通過して前記の加温外気燃焼炉内噴出部から燃焼炉内に噴気される。一方、燃焼対象物導入部から燃焼対象物が該炉内に送り込まれて、加熱気体燃焼炉外排出部32から外方へと排出される。
熱交換部内には、既述のごとくじゃま板が設けられているので、この熱交換部に入った外気は加熱気体燃焼炉内噴出部に直行することなく蛇行するので、所定時間を有して熱交換部内を巡るので、十分な熱交換にて所望温度までこの外気を加温上昇させることができる。なお、燃焼対象物の燃焼にて発生する熱にて、炉内温度を維持することができるので、バーナーの常時運転は不要となる。
【0011】
以上、本発明について記したが、本発明は既述の手段にて従来法に比べて燃焼効率が高まり、より少ない燃料での燃焼を可能とするものである。
なお、既述したのは実施の一例であって、近似の他の構成としてもよい。
以上のごとく、本発明は従来にない新規かつ有用なる燃焼手段を提供するものである。
【符号の説明】
【0012】
1 燃焼炉本体
2 蓋部
3 開閉扉
4 熱交換部
5 外板
6 じゃま板
11 燃焼対象物導入部
12 加温外気燃焼炉内噴出部
12a ノズル
13 加温外気燃焼炉内噴出部
13a ノズル
14 外気取入口
15 加温外気取り出し口
16 外気取入口
17 加温外気取り出し口
18 開閉蓋箇所
19 燃焼対象物導入箇所
20 バーナー箇所
21 加温外気燃焼炉内噴出箇所
22 加温外気燃焼炉内噴出箇所
32 加熱気体燃焼炉外排出部
33 加熱気体燃焼炉外排出箇所