(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089440
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】米菓用の焼窯装置
(51)【国際特許分類】
B65G 17/38 20060101AFI20230621BHJP
B65G 15/28 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
B65G17/38 E
B65G15/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203924
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】597103528
【氏名又は名称】株式会社ダイワメカニック
(71)【出願人】
【識別番号】509341042
【氏名又は名称】三幸製菓株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 哲夫
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023AA05
3F023AB10
3F023BA02
3F023BC01
(57)【要約】
【課題】米菓を搬送しながら焼成するための焼窯装置を提供する。
【解決手段】米菓を焼成するための焼窯装置101は、円筒形の外周面104を有する第1のロール102と、円筒形の外周面105を有する第2のロール103と、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に接触するように配置されたエンドレスのベルト106とを備え、第1のロール102及び第2のロール103のうちの少なくとも1つを回転させることによって、ベルト106は、ベルト106上に戴置された米菓を焼成させながら搬送し、第1のロール102及び第2のロール103のうちの少なくとも1つの外周面は、ベルト106が米菓を搬送しているときに、少なくとも1つの外周面に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の外周面を有する第1のロールと、
円筒形の外周面を有する第2のロールと、
前記第1のロールの外周面及び前記第2のロールの外周面に接触するように配置されたエンドレスのベルトと
を備える、米菓を焼成するための焼窯装置であって、
前記第1のロール及び前記第2のロールのうちの少なくとも1つを回転させることによって、前記ベルトは、前記ベルト上に戴置された前記米菓を焼成させながら搬送し、
前記第1のロール及び前記第2のロールのうちの少なくとも1つの外周面は、前記ベルトが前記米菓を搬送しているときに、前記少なくとも1つの外周面に対して前記ベルトを摺動させない摩擦係数を有する、焼窯装置。
【請求項2】
前記第1のロールと前記第2のロールとの間の間隔が所定の長さより長い場合には、前記第1のロールの外周面及び前記第2のロールの外周面の各々が、前記摩擦係数を有する、請求項1に記載の焼窯装置。
【請求項3】
前記ベルトは、前記米菓を焼成するのに適する耐熱性を有する、請求項1又は2に記載の焼窯装置。
【請求項4】
前記第1のロールの外周面及び前記第2のロールの外周面の各々の前記ベルトと接触する部分は、前記円筒形の軸線方向に垂直な平面において、実質的に円形の断面を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の焼窯装置。
【請求項5】
前記第1のロール及び前記第2のロールのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの外周面に沿って、前記摩擦係数を有する摩擦材を備える、請求項1~4の何れか一項に記載の焼窯装置。
【請求項6】
前記摩擦材は、前記摩擦材の摩擦特性を調整するための摩擦調整材、前記摩擦材の強度を確保するための繊維基材、及び前記摩擦材を一体化するための結合材を含む、請求項5に記載の焼窯装置。
【請求項7】
前記第1のロール及び前記第2のロールのうちの少なくとも1つの外周面に、前記摩擦係数を有する摩擦材のシートが巻き付けられている、請求項1~4の何れか一項に記載の焼窯装置。
【請求項8】
前記摩擦材のシートは、前記少なくとも1つの外周面に対して着脱可能である、請求項7に記載の焼窯装置。
【請求項9】
前記摩擦材のシートは、有機繊維及び無機繊維の混紡糸による織布を含む、請求項7又は8に記載の焼窯装置。
【請求項10】
前記摩擦材のシートは、前記織布に含浸された熱硬化性樹脂を含む、請求項9に記載の焼窯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米菓を搬送しながら焼成するための焼窯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、両端部に設けた駆動ローラと従動ローラとの間に掛け渡されて加熱雰囲気の中を循環走行する金網ベルト上に食品生地を載せて搬送する食品製造装置用の搬送機械が開示され、金網ベルトにおいて、右巻き螺旋材と左巻き螺旋材とが交互に屈曲線材で連結され、駆動ローラ及び従動ローラの各周面に渡って、掛け渡された金網ベルトの網目に噛み合って金網ベルトを走行させる互いに軸方向に隣接する複数列の歯が設けられ、食品生地を載せて走行する金網ベルトのキャリア側ベルト及びリターン側ベルトの下方に、キャリア側ベルト及びリターン側ベルトに接触するたわみ防止部材が設けられ、それによって、キャリア側ベルト及びリターン側ベルトがたわみを防止されてキャリア側ベルト及びリターン側ベルトが水平状態で移動する。
【0003】
特許文献2には、エンドレス状の金網ベルトを外周に懸架させて循環駆動させる駆動用ローラが開示され、駆動用ローラが、回転用シャフトと、回転用シャフトの外周に同心円状に取り付けられた歯付きローラとを有し、歯付きローラが、外周に金網ベルトと噛み合う歯部を複数列設けた筒状の基材部と、基材部を回転用シャフトへ取り付ける取付手段とで構成され、それによって、金網ベルトを循環走行させる製作コストの安価な駆動用ローラを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-24056号公報
【特許文献2】特開2017-6688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のよる食品製造装置用の搬送機械は、駆動ローラ及び従動ローラの各周面に設けられた複数列の歯を金網ベルトの網目に噛み合わせることによって、金網ベルトを走行させているが、歯を網目に噛み合わせるためには、歯の位置に常に一致するように網目を配置する必要があり、また、歯が網目に噛み合わない場合には、歯及び網目が摩耗し、駆動ローラ及び金網ベルトを頻繁に交換する必要があるという問題点がある。また、特許文献2による駆動用ローラは、外周に金網ベルトと噛み合う歯部を複数列設けた筒状の基材部、基材部を回転用シャフトへ取り付ける取付手段、等の複数の構成要素を含み、歯部は、歯切盤、ワイヤーカットマシン、等の加工手段を用いて設けられるが、特許文献1と同様に、歯部を網目に噛み合わせるためには、歯部の位置に常に一致するように網目を配置する必要があり、また、歯部が網目に噛み合わない場合には、歯部及び網目が摩耗し、基材部及び金網ベルトを頻繁に交換する必要があるという問題点がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決して、米菓を搬送しながら焼成するための焼窯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点によれば、米菓を焼成するための焼窯装置が、円筒形の外周面を有する第1のロールと、円筒形の外周面を有する第2のロールと、第1のロールの外周面及び第2のロールの外周面に接触するように配置されたエンドレスのベルトとを備え、第1のロール及び第2のロールのうちの少なくとも1つを回転させることによって、ベルトが、ベルト上に戴置された米菓を焼成させながら搬送し、第1のロール及び第2のロールのうちの少なくとも1つの外周面が、ベルトが米菓を搬送しているときに、少なくとも1つの外周面に対してベルトを摺動させない摩擦係数を有する。
【0008】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、第1のロールと第2のロールとの間の間隔が所定の長さより長い場合には、第1のロールの外周面及び第2のロールの外周面の各々が、ベルトが米菓を搬送しているときに、各外周面に対してベルトを摺動させない摩擦係数を有する。
【0009】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、ベルトが、米菓を焼成するのに適する耐熱性を有する。
【0010】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、第1のロールの外周面及び第2のロールの外周面の各々のベルトと接触する部分が、円筒形の軸線方向に垂直な平面において、実質的に円形の断面を有する。
【0011】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、第1のロール及び第2のロールのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの外周面に沿って、ベルトが米菓を搬送しているときに、少なくとも1つのロールの外周面に対してベルトを摺動させない摩擦係数を有する摩擦材を備える。
【0012】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、摩擦材が、摩擦材の摩擦特性を調整するための摩擦調整材、摩擦材の強度を確保するための繊維基材、及び摩擦材を一体化するための結合材を含む。
【0013】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、第1のロール及び第2のロールのうちの少なくとも1つの外周面に、ベルトが米菓を搬送しているときに、少なくとも1つのロールの外周面に対してベルトを摺動させない摩擦係数を有する摩擦材のシートが巻き付けられている。
【0014】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、摩擦材のシートが、少なくとも1つの外周面に対して着脱可能である。
【0015】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、摩擦材のシートが、有機繊維及び無機繊維の混紡糸による織布を含む。
【0016】
本発明の一具体例によれば、焼窯装置において、摩擦材のシートが、有機繊維及び無機繊維の混紡糸による織布に含浸された熱硬化性樹脂を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、米菓用の焼窯装置において、第1のロール及び第2のロールのうちの少なくとも1つの外周面に対して摺動しないようにベルトを循環駆動させることができ、ベルトに対する駆動力を増加させることができる。
【0018】
なお、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態としての米菓用の焼窯装置の側方から見た概略断面図である。
【
図2】
図1の米菓用の焼窯装置の上方から見た概略断面図である。
【
図3】
図1の米菓用の焼窯装置において使用されるロールの概略斜視図である。
【
図4】
図3のロールの側方から見た一部断面図である。
【
図5】
図1の米菓用の焼窯装置において使用されるベルトの一部の上方から見た概略図である。
【0020】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0021】
図1~
図5を参照して、米菓用の焼窯装置101の実施例を説明する。米菓を焼成するための焼窯装置101は、円筒形の外周面104を有する第1のロール102と、円筒形の外周面105を有する第2のロール103と、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に接触するように配置されたエンドレスのベルト106とを備える。第1のロール102の回転軸107には、第1のロール102を回転させるための第1のモータのロータが接続され、ロータの回転に伴って、第1のロール102の回転軸107が回転する。回転軸107の回転に伴って、第1のロール102が回転し、第1のロール102の外周面104に接触するベルト106が循環駆動する。ベルト106の循環駆動に伴って、ベルト106にその外周面105が接触する第2のロール103が、第1のロール102と同じ方向に回転する。なお、第2のロール103を回転させるために、第2のロール103の回転軸108には、第2のモータのロータが接続されてもよく、第1のモータ及び第2のモータが同じ速度で第1のロール102及び第2のロール103を回転させるように制御されてもよい。また、第1のロール102の回転軸107と第2のロール103の回転軸108とをタイミングベルト等で接続することによって、第1のロール102の回転軸107の回転に伴って、第2のロール103の回転軸108を回転させてもよい。
【0022】
焼窯装置101はハウジング109を備え、ハウジング109の内側をベルト106は循環駆動する。なお、第1のロール102及び第2のロール103は、ハウジング109の外側に配置されてもよい。ハウジング109の内側には、米菓を焼成するための燃焼装置110が設けられる。バーナー等のような燃焼装置110は、ベルト106に沿って設けられ、ベルト106上に戴置された米菓は、ベルト106の循環駆動に伴って搬送されながら、燃焼装置110によって焼成される。なお、燃焼装置110は、
図1ではベルト106の間に設けられているが、ベルト106の下方に設けられてもよく、また、ベルト106の上方に設けられてもよい。
【0023】
第1のロール102及び第2のロール103のうちの少なくとも1つの外周面は、ベルト106が米菓を焼成させながら搬送しているときに、その少なくとも1つの外周面に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する。これにより、ベルト106は、その少なくとも1つの外周面に対して摺動しないように循環駆動することができ、その少なくとも1つの外周面は、ベルト106に対する駆動力を増加させることができる。第1のロール102と第2のロール103との間の間隔が所定の長さ、例えば40m、好ましくは25mより短い場合には、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105のうちの一方のみがこのような摩擦係数を有し、他方はこのような摩擦係数を有しなくてもよく、他方はそのロールの本体を製造する材料、例えば鉄と同じ材料で製造されてもよい。第1のロール102と第2のロール103との間の間隔が所定の長さ、例えば40m、好ましくは25mより長い場合には、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105の各々が、このような摩擦係数を有してもよい。
【0024】
ベルト106には、熱を通過させるための複数の穿孔111が設けられてもよい。特に、燃焼装置110がベルト106の下方又はベルト106の間に設けられている場合には、燃焼装置110からの熱が穿孔111を通過して、米菓を効率的に焼成することができる。また、ベルト106は、米菓を焼成する温度に対して酸化及び熱分解によって劣化せず、また、機械的強度が大きく低下しない、米菓を焼成するのに適する耐熱性を有することが好ましい。特に限定されないが、ベルト106として、例えば金網ベルト等がある。
【0025】
第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105の各々のベルト106と接触する部分は、円筒形の軸線方向に垂直な平面において、実質的に円形の断面を有する。これは、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105には歯のような突起物は存在せず、連続的な曲面であることを意味する。これにより、第1のロール102の外周面104、第2のロール103の外周面105、及びベルト106の摩耗を抑制することができる。
【0026】
第1のロール102及び第2のロール103のうちの少なくとも1つは、その少なくとも1つの外周面に沿って、ベルト106が米菓を焼成させながら搬送しているときに、その少なくとも1つの外周面に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する摩擦材を備えてもよい。第1のロール102のみが、第1のロール102の外周面104に沿って、第1のロール102の外周面104に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する摩擦材を備えてもよく、第2のロール103のみが、第2のロール103の外周面105に沿って、第2のロール103の外周面105に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する摩擦材を備えてもよく、第1のロール102及び第2のロール103が、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に沿って、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する摩擦材をそれぞれ備えてもよい。
【0027】
摩擦材は、摩擦材の摩擦特性を調整するための摩擦調整材、摩擦材の強度を確保するための繊維基材、及び摩擦材を一体化するための結合材を含んでもよい。摩擦調整材は、ゴムダスト、カシューダスト、等のような有機摩擦調整材、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、金属粒子、セラミックス粒子、黒鉛、等のような無機摩擦調整材であってもよく、繊維基材は、アラミド繊維、セルロース繊維、等のような有機繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維、等のような無機繊維、スチール繊維、銅繊維、等のような金属繊維であってもよく、結合材は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、等のような熱硬化性樹脂であってもよいが、これらに限定されない。このようにして得られた摩擦材は、耐熱性、耐摩耗性、及び耐久性を有する。また、このような摩擦材は、ブレーキライニングとして使用されるものから選択されてもよい。摩擦調整材、繊維基材、及び結合材の混合物を圧縮成形して予備成形体を得、予備成形体を加熱圧縮成形して加熱圧縮成形体を得、加熱圧縮成形体に対して熱処理、研摩処理、等を適宜行うことによって所定の形状の摩擦材が得られてもよい。このようにして得られた所定の形状の摩擦材は、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に装着される。摩擦材は、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に対して着脱可能であってもよく、必要に応じて第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105から摩擦材を取り外して、新しい摩擦材が装着されてもよい。
【0028】
第1のロール102及び第2のロール103のうちの少なくとも1つの外周面に、ベルト106が米菓を焼成させながら搬送しているときに、その少なくとも1つの外周面に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する摩擦材のシートが巻き付けられてもよい。第1のロール102の外周面104にのみ、第1のロール102の外周面104に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する摩擦材のシートが巻き付けられてもよく、第2のロール103の外周面105にのみ、第2のロール103の外周面105に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する摩擦材のシートが巻き付けられてもよく、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に対してベルト106を摺動させない摩擦係数を有する摩擦材のシートがそれぞれ巻き付けられてもよい。摩擦材のシートは、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105の各々に対して1枚のシートによって巻き付けられてもよいが、
図3に示すように、第1のロール102の回転軸107及び第2のロール103の回転軸108の各々に沿って分割して巻き付けられてもよい。
図4に示すように、摩擦材のシートは、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105の各々に、接着剤、ねじ、ボルト、ビス、等のような接続部材112によって固定されてもよい。摩擦材のシートは、第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105に対して着脱可能で巻き付けられてもよく、必要に応じて第1のロール102の外周面104及び第2のロール103の外周面105から摩擦材のシートを取り外して、新しい摩擦材のシートが巻き付けられてもよい。
【0029】
摩擦材のシートは、アラミド繊維、フェノール繊維、等のような有機繊維及び/又はガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維、等のような無機繊維を含むが、有機繊維及び無機繊維はこれらに限定されない。摩擦材のシートは、有機繊維の紡糸、無機繊維の紡糸、又は有機繊維及び無機繊維の混紡糸によって製織加工された織布から製造されてもよい。摩擦材のシートは、強度を高めるために、金属のような補強線を挿入して製織加工された織布から製造されてもよい。そして、摩擦材のシートは、製織加工された織布を硬化するために、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、等のような熱硬化性樹脂を含浸させて製造されてもよい。なお、熱硬化性樹脂はこれらに限定されない。更に、摩擦材のシートは、熱硬化性樹脂を含浸された後、乾燥加工、加熱加工、及び加圧加工を行うことによって製造されてもよい。このようにして得られた摩擦材のシートは、耐熱性、耐摩耗性、及び耐久性を有する。また、このような摩擦材のシートは、ブレーキライニングとして使用されるものから選択されてもよい。
【0030】
上記記載は特定の実施例についてなされたが、本発明はそれに限らず、本発明の原理と添付の特許請求の範囲の範囲内で種々の変更及び修正をすることができることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0031】
101 焼窯装置
102 第1のロール
103 第2のロール
104 第1のロールの外周面
105 第2のロールの外周面
106 ベルト
107 第1のロールの回転軸
108 第2のロールの回転軸
109 ハウジング
110 燃焼装置
111 穿孔
112 接続部材