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  • 特開-全周回転掘削機の移動据付装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089499
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】全周回転掘削機の移動据付装置
(51)【国際特許分類】
   E21B 7/20 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
E21B7/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204025
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】597048115
【氏名又は名称】植田基工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】595018916
【氏名又は名称】株式会社シロタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 洋
(72)【発明者】
【氏名】植田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】宮井 寿一
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129BB03
2D129EA02
2D129EA09
2D129HA01
(57)【要約】
【課題】 高さ制限がある場所でも全周回転掘削機を作業現場の掘削位置に搬入据付けることができる全周回転掘削機の移動据付装置を提供する。
【解決手段】 全周回転掘削機1を囲む枠型台車10からなり、全周回転掘削機1を前記枠型台車10によって囲み、全周回転掘削機1の掘削機本体3を、枠型台車10内で昇降駆動装置4によって上昇させた状態で、掘削機本体3の上面と枠型車両10のフレーム部材13とを吊り金具20によって連結した後、全周回転掘削機1の昇降駆動装置4によってベースプレート2を引き上げて全周回転掘削機1を地面から浮かせた状態で、枠型台車10を移動させて全周回転掘削機1を作業現場の掘削位置に据付けるようにした。
【選択図】 図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング挿通穴を有するベースプレートと、掘削用ケーシングを把持し、この掘削用ケーシングに回転方向及び垂直方向の力を加えて掘削用ケーシングを地中に圧入する掘削機本体とを備え、掘削機本体はベースプレートに対し、昇降駆動装置によって昇降可能に設けられている全周回転掘削機を、作業現場の掘削位置に設置するための搬走据付装置であって、前記搬送据付装置は、下端に自走車輪を備える左右一対の側面フレームと、左右一対の側面フレームの架け渡されるフレーム部材とを有する、前記全周回転掘削機を囲む枠型車両からなり、前記全周回転掘削機を前記枠型台車によって囲み、前記全周回転掘削機の掘削機本体を、前記枠型台車内で昇降駆動装置によって上昇させた状態で、全周回転掘削機の掘削機本体の上面と前記枠型台車のフレーム部材とを連結する吊り金具を前記枠型台車に設け、この吊り金具によって前記枠型台車と全周回転掘削機の掘削機本体とを連結した状態で全周回転掘削機の昇降駆動装置によってベースプレートを掘削機本体に対して引き寄せて全周回転掘削機のベースプレートを地面から浮かせ、この全周回転掘削機のベースプレートを地面から浮かせた状態で、前記枠型車両の自走車輪を走行させることにより、全周回転掘削機を作業現場の掘削位置に移動させて据付けることを特徴とする全周回転掘削機の移動据付装置。
【請求項2】
前記枠型台車のフレーム部材は、その両端に着脱可能に連結する延長フレームを備え、このフレーム部材に対して左右一対の側面フレームを左右方向にスライド可能に設け、前記枠型台車を積載するトラック幅に合わせて枠型台車の幅を調整可能にしたことを特徴とする請求項1記載の全周回転掘削機の移動据付装置。
【請求項3】
前記枠型台車に油圧源を備える制御ユニットを設け、この枠型台車の油圧源によって全周回転掘削機の昇降駆動装置を駆動することを特徴とする請求項1または2記載の全周回転掘削機の移動据付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オールケーシング工法に使用する全周回転掘削機を、建物内やトンネル内などの上空空間の狭い場所まで移動させ、掘削位置に据付けることができる全周回転掘削機の移動据付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に埋設されている鉄筋コンクリート構造物等の障害物の撤去や場所打ち杭の施工等を行うオールケーシング工法は、円筒状の掘削用ケーシングを回転させながら地中に圧入しつつ、掘削用ケーシング内の土砂をハンマーグラブにより掘削、排土して縦孔を掘削し、縦孔が所定の深さの地盤に達したら孔底処理を行った後、鉄筋かごを建て込み、トレミーによりコンクリートを打ち込むと共に、コンクリートの打ち込みに伴い掘削用ケーシング及びトレミーを引き抜き回収することによって、杭を構築する方法である。
【0003】
このオールケーシング工法には、例えば、特許文献1に示すような定置式の全周回転掘削機が用いられている。
【0004】
全周回転掘削機は、地面に接地し、ケーシング挿通穴を有する水平姿勢のベースプレートと、掘削用ケーシングを把持し、この掘削用ケーシングに回転方向及び垂直方向の力を加えて掘削用ケーシングを地中に圧入する掘削機本体とを備え、掘削機本体はベースプレートに対し、昇降駆動装置によって昇降可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-181470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来、全周回転掘削機は、クレーンを用いて吊り上げて作業現場の掘削位置に移動させられ、クレーンにて据付けられている。
【0007】
しかしながら、クレーンで全周回転掘削機を吊り上げて作業現場の掘削位置まで移動させるには、広い上空空間を要するため、屋根のある場所やトンネル等の高さ制限がある場所では、全周回転掘削機を移動させて据付けができないという問題があった。
【0008】
そこで、この発明は、高さ制限がある場所でも全周回転掘削機を作業現場の掘削位置に移動させて据付けることができる全周回転掘削機の移動据付装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る全周回転掘削機の移動据付装置は、ケーシング挿通穴を有するベースプレートと、掘削用ケーシングを把持し、この掘削用ケーシングに回転方向及び垂直方向の力を加えて掘削用ケーシングを地中に圧入する掘削機本体とを備え、掘削機本体はベースプレートに対し、昇降駆動装置によって昇降可能に設けられている全周回転掘削機を、作業現場の掘削位置に設置するためのものであって、下端に自走車輪を備える左右一対の側面フレームと、左右一対の側面フレームの架け渡されるフレーム部材とを有する、前記全周回転掘削機を囲む枠型台車からなり、前記全周回転掘削機を前記枠型台車によって囲み、前記全周回転掘削機の掘削機本体を、前記枠型台車内で昇降駆動装置によって上昇させた状態で、全周回転掘削機の掘削機本体の上面と前記枠型車両のフレーム部材とを連結する吊り金具を前記枠型台車に設け、この吊り金具によって前記枠型台車と全周回転掘削機の掘削機本体とを連結した状態で全周回転掘削機の昇降駆動装置によってベースプレートを掘削機本体に対して引き寄せて全周回転掘削機のベースプレートを地面から浮かせ、この全周回転掘削機のベースプレートを地面から浮かせた状態で、前記枠型台車の自走車輪を走行させることにより、全周回転掘削機を作業現場の掘削位置に移動させて据付けることを特徴とする。
【0010】
前記枠型台車のフレーム部材は、その両端に着脱可能に連結する延長フレームを備え、このフレーム部材に対して左右一対の側面フレームを左右方向にスライド可能に設け、前記枠型台車を積載するトラック幅に合わせて枠型台車の幅を調整可能にしてもよい。
【0011】
前記枠型台車に油圧源を備える制御ユニットを設け、この枠型台車の油圧源によって全周回転掘削機の昇降駆動装置を駆動するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る全周回転掘削機の移動据付装置は、自走車輪を有する枠型台車の内部空間に全周回転掘削機を収容して作業現場の掘削位置まで移動させて据付けることができるので、高さ制限がある場所でも全周回転掘削機の移動据付けを行うことができる。
【0013】
また、この発明に係る全周回転掘削機の移動据付装置は、積載するトラック幅に合わせて枠型台車の幅を調整可能にすることが可能であるため、作業現場までトラックで搬送することができる。
【0014】
また、全周回転掘削機の据付作業を行う際に、枠型台車に設けられた油圧源を用いることにより、前記枠型台車内での全周回転掘削機の昇降に別途油圧源を用意する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ベースプレートに対して掘削機本体を上昇させた状態を示す全周回転掘削機の正面図である。
図2】ベースプレートに対して掘削機本体を下降させた状態を示す全周回転掘削機の正面図である。
図3】ベースプレートに対して掘削機本体を上昇させた状態を示す全周回転掘削機の側面図である。
図4】ベースプレートに対して掘削機本体を下降させた状態を示す全周回転掘削機の側面図である。
図5】全周回転掘削機の一部省略平面図である。
図6】枠型台車の左右一対の側面フレームを拡げた状態を示すこの発明に係る全周回転掘削機の移動据付装置の正面図である。
図7】枠型台車のゲートフレームを降下させた状態を示すこの発明に係る全周回転掘削機の移動据付装置の側面図である。
図8図6の平面図である。
図9図6の枠型台車内に全周回転掘削機を収容した状態を示す正面図である。
図10】枠型台車の左右一対の側面フレームを狭め、フレーム部材の両端の延長フレームを取外した状態を示す、この発明に係る全周回転掘削機の移動据付装置の正面図である。
図11】フレーム部材の両端に延長フレームを取付けた状態を示す図10の正面図である。
図12図11の状態から枠型台車の左右一対の側面フレームを拡げた状態を示す正面図である。
図13】枠型台車の左右一対の側面フレームを狭め、フレーム部材の両端の延長フレームを取外した状態を示す正面図である。
図14】枠型台車内で全周回転掘削機の掘削機本体をベースプレートに対し上昇させ、掘削機本体の上面と枠型車両のフレーム部材とを吊り金具によって連結した状態を示すゲートフレームの一部を切り欠いた正面図である。
図15図14の状態から全周回転掘削機の昇降駆動装置によってベースプレートを引き上げて、ベースプレートを地面から浮かせた状態を示すゲートフレームの一部を切り欠いた正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明に係る全周回転掘削機1の移動据付装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
全周回転掘削機1は、図1図5に示すように、地面に接地し、ケーシング挿通穴を有する水平姿勢のベースプレート2と、掘削用ケーシングを把持し、この掘削用ケーシングに回転方向及び垂直方向の力を加えて掘削用ケーシングを地中に圧入する掘削機本体3とを備え、掘削機本体3はベースプレート2に対し、油圧シリンダー4aを備える昇降駆動装置4によって昇降可能に設けられている。
【0018】
掘削機本体3は、ベースプレート2に立設され、複数本の油圧シリンダー4aを備える昇降駆動装置4と、ベースプレート2の上方に位置して昇降駆動装置4の複数の油圧シリンダー4aに水平姿勢で支持され、昇降駆動装置4により昇降する昇降フレーム5と、昇降フレーム5に回転自在に支持された回転フレーム6と、回転フレーム6に設けられ、掘削用ケーシングを把持する複数のクランプ爪及びクランプ用シリンダー等から成るメインチャック装置7と、昇降フレーム5に設けられ、回転フレーム6を回転させる複数の油圧モータ及び歯車減速装置から成る回転駆動装置8と、を有する。
【0019】
全周回転掘削機1を作業現場の掘削位置に移動させて据付ける、この発明に係る移動据付装置は、図6図8に示すように、下端に自走車輪12を備える左右一対の側面フレーム11と、左右の側面フレーム11間に架け渡される複数本のフレーム部材13とを有する枠型台車10からなる。
【0020】
前記枠型台車10は、図9に示すように、左右の側面フレーム11とフレーム部材13とで囲まれた空間内に、全周回転掘削機1を収容できる大きさに形成されている。
【0021】
前記自走車輪12は、図示した実施形態ではクローラを用いているが、クローラに限定されず、タイヤでもよい。
【0022】
図示した実施形態のフレーム部材13は、図7及び図8に示すように、前方から後方に向かって、ゲートフレーム13a、中央の2本の吊下げフレーム13b、13c、後方の背面フレーム13dの計4本からなる。
【0023】
この4本のフレーム部材13には、図10及び図11に示すように、左右両端に着脱自在に延長フレーム14が取付けられている。
【0024】
左右の側面フレーム11は、フレーム部材13に対して左右方向にスライド可能に取付けられている。
【0025】
4本のフレーム部材13の内、前方のゲートフレーム13aと後方の背面フレーム13dには、左右の側面フレーム11を外側に向かって押し広げ、また、押し広げた左右の側面フレーム11を中央に引き寄せる拡幅シリンダー15が設置されている。
【0026】
また、中央の2本の吊下げフレーム13b、13cの前方と後方の左右の側面フレーム11間には、左右調整シリンダー16が設置されている。
【0027】
前記拡幅シリンダー15と左右調整シリンダー16を伸縮させることによって、左右の側面フレーム11の間隔を、図10及び図11に示すフレーム部材13の両端に位置する狭い間隔と、図12に示す延長フレーム14の端部に位置する広い間隔とに変更することができる。
【0028】
そして、図13に示すように、左右の側面フレーム11の間隔を、延長フレーム14を取外したフレーム部材13の両端に位置する狭い間隔にすることによって、枠型台車10の幅をトラックに積載できる幅寸法にすることができる。
【0029】
前記拡幅シリンダー15と左右調整シリンダー16によって左右の側面フレーム11を4本のフレーム部材13の両端に取付けた延長フレーム14の端部まで押し広げることによって、左右の側面フレーム11の幅間隔を、図9に示すように、全周回転掘削機1の横幅よりも広くすることができる。
【0030】
左右の側面フレーム11は、図7に示すように、自走車輪12を設置する下フレーム11aと、この下フレーム11aに立設された前後一対の垂直フレーム11b、11cと、この一対の垂直フレーム11b、11cの上端に設けられた上フレーム11dと、この上フレーム11dと下フレーム11aの前端に設けられた前方垂直フレーム11eとを備え、この前方垂直フレーム11eに、スライド部材11fを介してゲートフレーム13aが、前方垂直フレーム11eに対して昇降可能に取付けられている。前方垂直フレーム11eには、ゲートフレーム13aを、前方垂直フレーム11eに対して昇降させる昇降シリンダー17が設置されている。
【0031】
図6は、昇降シリンダー17によってゲートフレーム13aを上方に上昇させた状態を示し、ゲートフレーム13aを上昇させることによって、図9に示すように、ゲートフレーム13aを全周回転掘削機1の全高よりも高くして、枠型台車10の前方側から全周回転掘削機1を枠型台車10の内部空間に収容することができる。
【0032】
一方、左右の側面フレーム11を、図12に示すように、フレーム部材13に取付けた延長フレーム14の両端まで、拡幅シリンダー15と左右調整シリンダー16によって押し広げ、また、図11に示すように、延長フレーム14を取外したフレーム部材13の両端位置まで左右の側面フレーム11を狭める際には、昇降シリンダー17によってゲートフレーム13aを下降させた状態にして、左右の側面フレーム11の間隔を変更するようにしている。
【0033】
4本のフレーム部材13の内、前後方向の中央の2本の吊下げフレーム13b、13cは、上フレーム11dの上面に設置され、後方端の背面フレーム13dは、下フレーム11aの後端に設置されている。
【0034】
また、中央の2本の吊下げフレーム13b、13cの上方には、図6及び図7等に破線で示すように、拡幅シリンダー15、左右調整シリンダー16及び昇降シリンダー17等を駆動する油圧源を備える制御ユニット19が設置されている。
【0035】
前記吊下げフレーム13b、13cには、図14及び図15に示すように、枠型台車10によって、全周回転掘削機1を吊下げる際に、全周回転掘削機1の掘削機本体3の上面に設けた吊り輪9に連結する吊り金具20を設けている。
【0036】
この発明に係る搬送据付装置は、以上のような構成であり、次のようにして、クレーンを用いることなく、全周回転掘削機1を作業現場の掘削位置に移動させて据付けることができる。
【0037】
まず、全周回転掘削機1と枠型台車10を、トラックで、作業現場の掘削位置近くまで搬送する。
【0038】
枠型台車10を、トラックで搬送する際には、図13に示すように、4本のフレーム部材13の左右両端の延長フレーム14を取外して、左右の側面フレーム11の幅間隔を拡幅シリンダー15、左右調整シリンダー16によって狭めておくようにする。
【0039】
そして、トラックで作業現場の掘削位置近くまで枠型台車10を搬送し、図11に示すように、トラックの荷台から降ろした枠型台車10の4本のフレーム部材13の左右両端に、延長フレーム14を取付けた後、拡幅シリンダー15、左右調整シリンダー16によって左右の側面フレーム11の間隔を、図12に示すように、4本のフレーム部材13の両端に取付けた延長フレーム14の端部まで押し広げる。
【0040】
次に、図6に示すように、昇降シリンダー17によってゲートフレーム13aを上方に上昇させ、この状態で、枠型台車10の自走車輪12を駆動して、図9に示すように、枠型台車10の前方から左右の側面フレーム11の間に、全周回転掘削機1が入るように、枠型台車10を移動させる。
【0041】
この後、図14に示すように、枠型台車10の制御ユニット19の油圧源を全周回転掘削機1に繋いで、枠型台車10の油圧源によって全周回転掘削機1の昇降駆動装置4を駆動させることにより、掘削機本体3をベースプレート2に対して上昇させ、掘削機本体3の上面に設けた吊り輪9と枠型台車10の吊下げフレーム13b、13cの吊り金具20とを連結する。
【0042】
この後、全周回転掘削機1の昇降駆動装置4によってベースプレート2を引き上げると、図15に示すように、全周回転掘削機1が地面から離れ、全周回転掘削機1が枠型台車10に吊り下げられた状態になる。
【0043】
この状態で、枠型台車10の自走車輪12を駆動し、枠型台車10によって全周回転掘削機1を吊り上げたまま、全周回転掘削機1を作業現場の掘削位置まで移動させる。
【0044】
このようにして、枠型台車10によって全周回転掘削機1を作業現場の掘削位置まで移動させた後、全周回転掘削機1の油圧源に枠型車両10の油圧源を繋いで、全周回転掘削機1の昇降駆動装置4によってベースプレート2と作業現場の掘削位置とを一致させながらベースプレート2を降ろし、ベースプレート2を地面に設置した後、全周回転掘削機1の吊り輪9と枠型台車10の吊り金具20との連結を解除する。
【0045】
このようにして、全周回転掘削機1を作業現場の掘削位置に据付けた後、枠型台車10を移動させて、全周回転掘削機1による掘削作業を開始する。
【0046】
以上のように、この発明に係る搬送据付装置によれば、クレーンを用いることなく、枠型台車10によって全周回転掘削機1を移動させて、全周回転掘削機1を作業現場の掘削位置に据付けることができる。
【0047】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1:全周回転掘削機
2:ベースプレート
3:掘削機本体
4:昇降駆動装置
4a:油圧シリンダー
5:昇降フレーム
6:回転フレーム
7:メインチャック装置
8:回転駆動装置
9:吊り輪
10:枠型台車
11:側面フレーム
11a:上フレーム
11b:垂直フレーム
11c、11d:垂直フレーム
11e:前方垂直フレーム
11f:スライド部材
12:車輪
13:フレーム部材
13a:ゲートフレーム
13b、13c:吊下げフレーム
13d:背面フレーム
14:延長フレーム
15:拡幅シリンダー
16:左右調整シリンダー
17:昇降シリンダー
19:制御ユニット
20:吊り金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15