(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089509
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】高圧洗浄車におけるホースガイド具の収納構造
(51)【国際特許分類】
B65H 75/40 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
B65H75/40 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204041
(22)【出願日】2021-12-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和3年3月4日 販売した場所 株式会社桑名環境サービス 三重県桑名市大字上野958ー3
(71)【出願人】
【識別番号】000192073
【氏名又は名称】株式会社モリタホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】田辺 奨悟
(72)【発明者】
【氏名】山田 大二
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA06
3F068BA05
3F068CA02
3F068DA05
3F068EA08
3F068GA01
3F068JA04
(57)【要約】
【課題】ホースガイド具の収納部をシャーシ以外の部位に設けることができると共に、高圧洗浄車による洗浄作業の良好な作業性を確保することができる収納構造を提供する。
【解決手段】基棒10c1を収納する収納部9aは、リール部サブフレーム6aの中空部とタンク部サブフレーム8aの中空部に、基棒10c1の外径よりも若干大きな内径を有する円筒状ホルダ9a1を固定配置することにより構成される。また、延長棒10c2を収納する収納部9bは、リール部サブフレーム6bの中空部とタンク部サブフレーム8bの中空部に、延長棒10c2の外径よりも若干大きな内径を有する円筒状ホルダ9b1を固定配置することにより構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄ホースをガイドするガイドローラが支持棒の先端部に設けられたホースガイド具を高圧洗浄車に収納するための構造において、
前記ホースガイド具を収納する収納部が、前記高圧洗浄車のシャーシフレームに固定されて車両前後方向に延びるサブフレームに設けられ、車両後部から前方に向かって延在することを特徴とする高圧洗浄車におけるホースガイド具の収納構造。
【請求項2】
前記ホースガイド具を収納する収納部は、前記サブフレームに固定され、前記支持棒が挿入される筒状ホルダを備えている請求項1に記載の高圧洗浄車におけるホースガイド具の収納構造。
【請求項3】
前記支持棒は、前記ガイドローラが設けられた基棒と、該基棒に着脱可能に接続される延長棒とで構成され、前記ホースガイド具を収納する収納部は、前記基棒を収納する収納部と、前記延長棒を収納する収納部とを備えている請求項1又は2に記載の高圧洗浄車におけるホースガイド具の収納構造。
【請求項4】
前記延長棒を収納する収納部にストッパが設けられており、
前記ストッパは、前記収納部の後端開口部の周辺部に固定配置されたフレームと、該フレームに固定された支点軸と、該支点軸に回動自在に取り付けられたストッパ部材と、該ストッパ部材を前記フレームに対して回動可能に連結する弾性部材とを備え、
前記ストッパ部材は、前記支点軸に取り付けられる基部と、該基部から側方に延び、その先端部に鉤部を有する係止部とを備え、
前記ストッパ部材は、常時は、前記係止部で前記後端開口部を閉鎖し、前記弾性部材の弾性力に抗して前記支点軸回りに回動すると、前記後端開口部を開放し、
前記ストッパは、前記収納部に収納された前記延長棒が前記係止部に当接したとき、前記支点軸の軸心を中心とする前記鉤部の先端内角部の回動軌跡が、前記延長棒の端部と交差するように構成されている請求項3に記載の高圧洗浄車におけるホースガイド具の収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄ホースをガイドするガイドローラが支持棒の先端部に設けられたホースガイド具を高圧洗浄車に収納するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧洗浄車は、下水管や排水管等の被洗浄管内を洗浄するために用いられている。例えば、高圧洗浄車による下水管の洗浄は下記のような態様で行われる。
【0003】
路面に埋設された下水管マンホールの付近に高圧洗浄車を停車させ、マンホールの蓋を外した後、
図11に示すように、高圧洗浄車の車両後部に搭載されたホースリール21から洗浄用ホース22を繰り出し、洗浄用ホース22の先端の洗浄ノズル22aをマンホール23の路面側開口23aから下水管側開口23bを通して下水管24内に挿入する。そして、高圧洗浄車に搭載された水ポンプを作動させて、高圧水を洗浄用ホース22に供給し、洗浄ノズル22aから下水管24の内面に噴射させながら、洗浄ノズル22aを下水管24内で前進および後退させて洗浄を行う。
【0004】
下水管24内で洗浄ノズル22aを前進および後退させる際、洗浄用ホース22がマンホール23の下水管側開口23bの縁部(角部)に摺接すると、洗浄ホース22が損傷することがあり、また、下水管24内での洗浄ノズル22aの円滑な前進後退移動が妨げられる。そこで、下水管側開口23bの縁部にガイドローラ31を配置し、洗浄ホース22をガイドローラ31でガイドすることにより、洗浄用ホース22が下水管側開口23bの縁部に摺接しないようにしている(下記の特許文献1の第4図~第6図を参照)。ホースガイド具30は、このガイドローラ31を支持棒33付きの支持具32に回転自在に支持することにより構成される。すなわち、ホースガイド具30は、洗浄用ホース22をガイドするガイドローラ31と、ガイドローラ31を回転自在に支持する支持具32と、支持具32に取り付けられた支持棒33とで構成される。支持具32にはフック32aが設けられており、支持具32のフック32aを下水管側開口23bの縁部に掛止することにより、ガイドローラ31を下水管側開口23bの縁部に配置することができる。この作業は、作業者が支持棒33を操作しながら行う。支持棒33は、深いマンホールでの作業にも対応できるように長尺に構成されるが、車両への収納性の点から、先端側(ガイドローラ31側)の基棒33aと後端側の延長棒33bとの接続構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ホースガイド具を高圧洗浄車に収納するために、従来は、支持棒の基棒を挿入して保持する円筒状ホルダと、支持棒の延長棒を挿入して保持する円筒状ホルダを、シャーシフレーム間(シャーシのサイドフレーム間)に取り付けていた。しかし、近年の車両の高機能化に伴う車両部品点数の増加等により、シャーシフレーム間の空きスペースは、年々、少なくなってきており、支持棒を保持する円筒状ホルダをシャーシフレーム間に取り付けることが難しくなってきた。
【0007】
円筒状ホルダをシャーシフレーム間に取り付けることができない場合、円筒状ホルダを水タンクの上部や後面に取り付けることになるが、そうすると、車両後部のホースリールから繰り出される洗浄ホースに対して、ホースガイド具の収納部が遠くなる。そのため、ホースリールによる洗浄ホースの繰り出し時に、ホースガイド具を収納部から取り出し、ガイドローラを所望のガイド位置に配置するまでの作業、また、ホースリールによる洗浄ホースの巻き取り後に、ガイドローラをガイド位置から外し、ホースガイド具を収納部に収納するまでの作業に手間が掛かり、高圧洗浄車による洗浄作業の作業性が低下する。
【0008】
本発明の課題は、ホースガイド具の収納部をシャーシ以外の部位に設けることができると共に、高圧洗浄車による洗浄作業の良好な作業性を確保することができる収納構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、洗浄ホースをガイドするガイドローラが支持棒の先端部に設けられたホースガイド具を高圧洗浄車に収納するための構造において、前記ホースガイド具を収納する収納部が、前記高圧洗浄車のシャーシフレームに固定されて車両前後方向に延びるサブフレームに設けられ、車両後部から前方に向かって延在することを特徴とする高圧洗浄車におけるホースガイド具の収納構造を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ホースガイド具の収納部をシャーシ以外の部位に設けることができると共に、高圧洗浄車による洗浄作業の良好な作業性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係るホースガイド具の収納構造を備えた高圧洗浄車の側面図である 。
【
図2】実施形態に係るホースガイド具の収納構造を備えた高圧洗浄車の後面図であ る。
【
図4】ホースガイド具を収納する収納部及びその周辺部を示す平面図{
図4(a)}、側面図{
図4(b)}、
図4(a)のA部の拡大図{
図4(c)}、
図4(a)のB部の拡大図{
図4(d)}である。
【
図5】ホースガイド具を収納する収納部及びその周辺部を示す後面図{
図5(a)}、
図5(a)のA部の拡大図{
図5(b)}、
図5(a)のB部の拡大図{
図5(c)}である。
【
図6】ホースガイド具を収納部に収納した状態を示す平面図{
図6(a)}、側面図{
図6(b)}である。
【
図8】ストッパ部材の側面図{
図8(a)}、正面図{
図8(b)}である。
【
図9】収納部に収納された延長棒が車軸後方側に移動した状態を示す平面図{
図9(a)}、収納部に延長棒が正しく収納されている状態を示す平面図{
図9(b)}である。
【
図10】基棒と延長棒を収納部から引き出し、また、収納部に収納する態様を示す平面図である。
【
図11】高圧洗浄車により下水管を洗浄する態様を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
【0013】
図1、
図2は、本発明の実施形態に係るホースガイド具の収納構造を備えた高圧洗浄車を示している。高圧洗浄車のシャーシフレーム1上に、サブフレームを介して、水を貯留する水タンク2と、水ポンプを収納するポンプ室3と、先端に洗浄ノズルを取り付けた洗浄ホースが巻き付けられるホースリール4と、ホースリール4の回転駆動による洗浄ホースの繰り出し・巻き取りや、洗浄ホースへの高圧水の供給等を操作する操作盤5が搭載されている。ホースリール4と操作盤5は、車両の後部に配置され、シャーシフレーム1に固定されたリール部サブフレーム6にターンテーブル7を介して取り付けられている。また、水タンク2は、ホースリール4及び操作盤5の前方側に配置され、シャーシフレーム1に固定されたタンク部サブフレーム8に取り付けられている。この実施形態において、後述するホースガイド具10を収納する収納部9(9a、9b)は、車両前後方向に延びる左右のリール部サブフレーム6(6a、6b)及びこれらに隣接する左右のタンク部サブフレーム8(8a、8b)にそれぞれ設けられ、車両左右方向に離隔して位置すると共に、車両後部から前方に向かって延在する。
【0014】
図3は、ホースガイド具10を示している。ホースガイド具10は、洗浄用ホースをガイドする凹面状のガイド面10a1を有するガイドローラ10aと、ガイドローラ10aを回転自在に支持するコ字形の支持具10bと、支持具10bに取り付けられた支持棒10cとで構成される。支持具10bにはフック10b1が設けられており、支持具10bのフック10b1を、
図11に示すような態様で、マンホールの被洗浄管側開口の縁部に掛止することにより、ガイドローラ10aを被洗浄管側開口の縁部に配置することができる。支持棒10cは、例えば丸鋼管材で形成され、ガイドローラ10aが設けられた基棒10c1と、基棒10c1に適宜の接続手段、例えば雄雌ネジ部10c3で着脱可能に接続された延長棒10c2とで構成され、基棒10c1と延長棒10c2との2分割構造になっている。また、基棒10c1の先端側部分と支持具6bの両側部との間に補強部材10dが懸架され、ガイドローラ10aが基棒10c1に対して傾き変位しないように補強されている。この実施形態において、支持棒10cの基棒10c1は車両前方に向かって右側の収納部9aに収納され、支持棒10cの延長棒10c2は車両前方に向かって左側の収納部9bに収納される(
図2を参照)。
【0015】
図4及び
図5は、ホースガイド具10を収納する収納部9(9a、9b)及びその周辺部を示している(ターンテーブル7、ホースリール4及び操作盤5の図示は省略)。
図5(b)及び
図5(c)に示すように、この実施形態において、左右のリール部サブフレーム6a、6bは、それぞれ、角鋼管材で形成される。同様に、左右のタンク部サブフレーム8a、8bも、それぞれ、角鋼管材で形成される。左右の収納部9a、9bは、ぞれぞれ、リール部サブフレーム6a、6bの中空部とタンク部サブフレーム8a、8bの中空部に、支持棒10c(基棒10c1と延長棒10c2)の外径よりも若干大きな内径を有する丸鋼管材で形成された円筒状ホルダ9a1、9b1を固定配置することにより構成される。
図4(c)に示すように、収納部9aにおいて、円筒状ホルダ9a1の後端開口9a11は、リール部サブフレーム6aの後端開口6a1よりも車両前方側(中空部の内部側)に位置する。また、
図4(d)に示すように、収納部9bにおいて、円筒状ホルダ9b1の後端開口9b11は、リール部サブフレーム6bの後端開口6b1よりも車両前方側(中空部の内部側)に位置する。
図4(b)に示すように、円筒状ホルダ9b1の前端開口9b12は、タンク部サブフレーム8bの中空部の中途位置に取り付けられた仕切り8b1によって閉鎖される。
【0016】
図5(b)に示すように、収納部9aが設けられるリール部サブフレーム6aの後端部と、リール部サブフレーム6aが固定されるシャーシフレーム1の後端部には、後述する係止チェーン11のフックを係合する係合具6a2、1aがそれぞれ設けられている。また、
図5(c)に示すように、収納部9bが設けられるリール部サブフレーム6bの後端部には、後述するストッパ12が取り付けられている。
【0017】
図6は、ホースガイド具10を収納部9(9a、9b)に収納した状態を示している。ホースガイド具10の支持棒10cは基棒10c1と延長棒10c2とに分離され、基棒10c1は収納部9aに、延長棒10c2は収納部9bにそれぞれ収納される。
【0018】
図7(a){
図6(a)のA部の拡大図}に示すように、収納部9aにおいて、基棒10c1は、その後端側部分が収納部9aに収納され、補強部材10dを含む基棒10c1の先端側部分と支持具10b及びガイドローラ10aは、収納部9aから車両後部に食み出す。そして、車両後部に食み出したガイドローラ10aのガイド面10a1に係止チェーン11があてがわれ、係止チェーン11の両端のフックがリール部サブフレーム6aの係合具6a2とシャーシフレーム1の係合具1a{
図5(b)を参照}にそれぞれ係合される。これにより、ガイドローラ10aが車両後部に係止され、基棒10c1の後端部分が収納部9a内に保持される。
【0019】
図7(b){
図6(a)のB部の拡大図}に示すように、収納部9bにおいて、延長棒10c2は、その全部分が収納部9bに収納される。延長棒10c2は、収納部9bに収納された状態で、車両後方側への移動は、リール部サブフレーム6bの後端部に取付けられたストッパ12によって規制され、車両前方側への移動は、タンク部サブフレーム8bの仕切り8b1{
図6(b)を参照}によって規制される。
【0020】
図8は、リール部サブフレーム6bの後端部に取付けられるストッパ12を示している。ストッパ12は、フレーム12aと、フレーム12aに固定された支点軸12bと、支点軸12bに回動可能に取り付けられたストッパ部材12cと、ストッパ部材12cをフレーム12aに対して回動可能に連結する弾性部材、例えばキックバネ12dとを主要な要素として構成される。ストッパ部材12cは、支点軸12bに取り付けられる基部12c1と、基部12c1の先端部分から一側方に延びた係止部12c2と、基部12c1の先端部分から他側方に延びた操作部12c3とを備えている。係止部12c2の先端部は屈曲して鉤部12c4を構成する。また、キックバネ12dの巻き部分は支点軸12bに外挿され、キックバネ12dの両端部はストッパ部材12cの基部12c1とフレーム12aにそれぞれ係止される。ストッパ部材12は、常時は、
図8(a)に示す位置に在り、同図で時計方向の回動力を受けると、キックバネ12dの弾性力に抗して、支点軸12b回りに時計方向に回動する。そして、この回動力が解除されると、ストッパ部材12は、キックバネ12dの弾性復元力により半時計方向に回動して、
図8(a)に示す位置に自律復帰する。ストッパ部材12cが支点軸12b回りに回動する際、係止部12c2の鉤部12c4の先端内角部は、支点軸12bの軸心Oを中心とする円弧の回動軌跡tを描く。
【0021】
図7(b)に示すように、ストッパ12は、フレーム12aをリール部サブフレーム6bの後端部に固定することにより、収納部9bの後端開口部(この例では、リール部サブフレーム6bの後端開口6b1)に対応して設けられる。ストッパ部材12は、常時は、
図7(b)に示す位置に在り、収納部9bの後端開口部(6b1)は、ストッパ部材12の係止部12c2で閉鎖される。また、ストッパ部材12cの操作部12c3を握り、ストッパ部材12cを同図で時計方向に回動させると、収納部9bの後端開口部(6b1)が解放される。この状態で、操作部12c3を放すと、キックバネ12dの弾性復元力により、ストッパ部材12cが
図7(b)に示す位置に自律復帰して、収納部9bの後端開口部(6b1)が閉鎖される。
【0022】
図9(a)に示すように、収納部9bに収納された延長棒10c2が、車両走行時の振動や登坂走行時の重力等の影響を受けて車両後方側に移動すると、延長棒10c2の軸端部、この例では、基棒10c1との接続に供される雄雌ネジ部10c3の雄ネジ10c21がストッパ部材12cの係止部12c2の内面に当接して、係止部12c2を車両後方側に押圧する。この係止部12c2に作用する押圧力により、ストッパ部材12cは支点軸12bを中心として、
図9(a)の時計方向に回動しようとするが、支点軸12bの軸心Oを中心とする鉤部12c4の先端内角部の回動軌跡tが雄ネジ10c21と交差するため、鉤部12c4の先端内角部が雄ネジ10c21と当接して、ストッパ部材12cの回動が阻止される。そのため、ストッパ部材12cは
図9(a)に示す位置を維持し、収納部9bの後端開口部(6b1)がストッパ部材12cの係止部12c2で閉鎖された状態が維持される。これにより、延長棒10c2が収納部9bから車両後方側に飛び出す事態が確実に防止される。
【0023】
一方、
図9(b)に示すように、延長棒10c2が収納部9b内の正しい位置に収納されている場合は、支点軸12bの軸心Oを中心とする鉤部12c4の先端内角部の回動軌跡tが雄ネジ10c2から外れるため、ストッパ部材12cを
図9(b)の時計方向に回動させて、収納部9bの後端開口部(6b1)を開放することにより、延長棒10c2を収納部9bから引き出すことができる。
【0024】
図10に示すように、ストッパ12を上記のように操作して、収納部9bの後端開口部(6b1)を開放すると、延長棒10c2を車両後方側から収納部9bに収納し、また、延長棒10c2を収納部9bから車両後方側に引き出すことができる。また、収納部9aにおいては、
図7(a)に示す係止チェーン11を外すと、基棒10c1を車両後方側から収納部9aに収納し、また、基棒10c1を収納部9aから車両後方側に引き出すことができる。そのため、ホースリールによる洗浄ホースの繰り出し時に、ホースガイド具10を収納部9a、9bから取り出し、ガイドローラ10aを所望のガイド位置に配置するまでの作業、また、ホースリールによる洗浄ホースの巻き取り後に、ガイドローラ10aをガイド位置から外し、ホースガイド具10を収納部9a、9bに収納するまでの作業を円滑に行うことができ、高圧洗浄車による洗浄作業の良好な作業性を確保することができる。
【0025】
上記の実施形態において、ホースガイド具10の支持棒10cは、基棒10c1と延長棒10c2との2分割構造を有し、ホースガイド具10を収納する収納部9は、基棒10c1を収納する収納部9aと延長棒10c2を収納する収納部9bとで構成されるが、ホースガイド具10の支持棒10cが3分割以上の分割構造を有する場合、言い換えれば、ホースガイド具10の支持棒10cが、基棒10c1と、2分割以上の分割構造を有する延長棒とで構成される場合、ホースガイド具10を収納する収納部9は、基棒10c1を収納する収納部9aと、延長棒の各分割部分をそれぞれ収納する複数の収納部とで構成することができる。この場合、延長棒を収納する複数の収納部は、車両前後方向に延びるサブフレームに並列状態で設けられ、車両後部から前方に向かって延在する。例えば、延長棒を収納する複数の収納部は、上記の実施形態におけるリール部サブフレーム6bとタンク部サブフレーム8bに対応するサブフレームの中空部に、延長棒の外径よりも若干大きな内径を有する複数の円筒状ホルダを並列状態で固定配置することにより構成される。状況に応じて、延長棒を収納する複数の収納部のうち一部の収納部は、上記の実施形態におけるリール部サブフレーム6aとタンク部サブフレーム8aに対応するサブフレームの中空部に、上記の円筒状ホルダと、基棒10c1を収納する円筒状ホルダ9a1とを並列状態で固定配置することにより構成することもできる。また、延長棒の分割部分の一部が、予備的に設けられており、使用頻度が少ないときは、当該分割部分の一部を収納する部位を、サブフレーム以外の箇所、例えば、水タンクの上部や後面側に設けてもよい。
【0026】
ホースガイド具10の支持棒10cが一体構造を有する場合、ホースガイド具10を収納する収納部9は、上記の実施形態における収納部9a(基棒10c1を収納する収納部)に対応する収納部のみを備えたものとしても良い。あるいは、この収容部に加え、上記の実施形態における収納部9b(延長棒10c2を収納する収納部)に対応する収納部を予備的に設けておいてもよい。この収納部は、未収納の状態にしておいてもよいし、予備の延長棒を収納してもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 シャーシフレーム
6(6a、6b) リール部サブフレーム
8(8a、8b) タンク部サブフレーム
9(9a、9b) 収納部
9a1 円筒状ホルダ
9b1 円筒状ホルダ
10 ホースガイド具
10a ガイドローラ
10c 支持棒
10c1 基棒
10c2 延長棒
12 ストッパ
12a フレーム
12b 支点軸
12c ストッパ部材
12c1 基部
12c2 係止部
12c3 操作部
12c4 鉤部
12d キックバネ
t 鉤部の先端内角部の回動軌跡