(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089532
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20230621BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
E06B9/17 T
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204081
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】グエン・ヴァン・ヒエン
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
2E042DA01
2E042DB01
(57)【要約】
【課題】開閉体の幅方向端部の被取付面に被係止手段が取付けられて構成された開閉体の幅方向端部の変形を抑制できて、開閉体の幅方向端部のガイドレールからの抜け防止効果を向上させた開閉装置を提供する。
【解決手段】開閉装置は、開閉体の左右の幅方向端部に、被係止手段7を備え、被係止手段は、開閉体の幅方向端部の被取付面42aに取付けられた取付部(取付板部7X)と、開閉体の幅方向端縁41sよりも幅方向外側に延長して係止手段に係止可能な被係止部(被係止板部7Y)とを備え、開閉体の幅方向端部の被取付面42aは、開閉方向Vに沿って延長する基準面42cと、当該基準面の開閉方向の両端側より当該基準面と交差する方向に延長するように設けられて互いに対向する各端部側壁面42b,42bとを備え、被係止手段の取付部は、開閉方向に沿った両端部が端部側壁面に取付けられたことを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体と、
前記開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて前記開閉体の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールとを備えた開閉装置において、
前記ガイドレールは、前記ガイド溝内に係止手段を備え、
前記開閉体の左右の幅方向端部は、前記ガイドレールのガイド溝内に設けられた係止手段に係止して当該開閉体の幅方向端部の前記ガイド溝からの抜けを防止する被係止手段を備え、
前記被係止手段は、前記開閉体の幅方向端部の被取付面に取付けられた取付部と、前記開閉体の幅方向端縁よりも幅方向外側に延長して前記係止手段に係止可能な被係止部とを備え、
前記開閉体の幅方向端部の被取付面は、前記開閉方向に沿って延長する基準面と、当該基準面の開閉方向の両端側より当該基準面と交差する方向に延長するように設けられて互いに対向する各端部側壁面とを備え、
前記被係止手段の取付部は、前記開閉方向に沿った両端部が前記端部側壁面に取付けられたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記被係止手段の取付部は、前記被取付面と対向する一方の板面と、当該一方の板面と対向する他方の板面とを有した取付板部により構成され、
前記一方の板面の開閉方向の端縁と前記端部側壁面とが溶接されたか、又は、前記他方の板面の開閉方向の端縁と前記端部側壁面とが溶接されたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
互いに対向する前記被係止手段の前記一方の板面及び前記被取付面の基準面は、少なくとも一部が接触したことを特徴とする請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記被取付面の基準面は、前記開閉方向に沿って湾曲する曲面であり、
前記被係止手段の一方の板面は、前記被取付面の基準面を形成する曲面に沿った疑似曲面であり、当該疑似曲面は、前記開閉方向に沿って延長する基準平面と、当該基準平面の開閉方向の両端側より当該基準平面と交差する方向でかつ互いに離れるように延長する各端部側平面とを備え、
前記一方の板面の基準平面と端部側平面との境界縁と前記被取付面の基準面とが接触して、かつ、当該端部側平面の端縁と前記端部側壁面とが溶接されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の開閉装置。
【請求項5】
前記被取付面の基準面は、前記開閉方向に沿って凹凸を有した凹凸面であり、
前記被係止手段の前記一方の板面及び前記他方の板面は、前記開閉方向に沿って延長する平面であり、
前記被係止手段の前記一方の板面と前記被取付面の基準面の凸部とが接触して、かつ、前記被係止手段の前記他方の板面の端縁と前記端部側壁面とが溶接されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の開閉装置。
【請求項6】
前記被係止手段の前記他方の板面における前記開閉方向に沿った延長長さは、前記被係止手段の前記一方の板面における前記開閉方向に沿った延長長さよりも長く設定されて、かつ、前記一方の板面の端縁と前記端部側壁面との間の隙間が、前記他方の板面の端縁と前記端部側壁面との間の隙間よりも大きい隙間に設定されたとともに、前記他方の板面の端縁と前記端部側壁面との間の隙間が0.5mm以下に設定されて、当該他方の板面の端縁と当該端部側壁面とが溶接されたことを特徴とする請求項5に記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体の幅方向端部のガイドレールからの抜け防止効果を向上させた開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体と、開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて開閉体の幅方向端部を開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールとを備えた開閉装置(シャッター装置)において、ガイドレール内に、当該ガイドレールからの開閉体の脱落を防止するロック機構を備え、ロック機構は、開閉体の幅方向端部(被取付面)に取付けられた板体の一端側により形成された固定部(取付部)と、開閉体の幅方向端縁よりも幅方向外側に延長する板体の他端側が折り曲げられて形成された爪部(被係止部)とを有するロックプレート(被係止手段)と、ガイドレールの内周面に配置され、爪部の表面と対向する当接面を有するロック体(係止手段)と、滑り止め手段と、を備え、爪部は、当該爪部の表面と固定部の表面とのなす角度が鈍角となるように、板体の他端側が、ロック体の存在する側に傾斜するよう折り曲げられて形成され、爪部の表面は、開閉体の幅方向端縁から離間した位置に設けられて、ロック体の当接面から離間した状態、又は、ロック体の当接面と接触して開閉体のガイドレールからの脱落を抑制する状態となるように構成され、滑り止め手段は、ロック体と対向する爪部の表面に形成された複数の凹凸又は複数の溝により構成された開閉装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、例えば
図11に示すように、被係止手段(ロックプレート)70は、開閉体の幅方向端部の被取付面に取付けられた取付部(固定部)70Xと、開閉体の幅方向端縁よりも幅方向外側に延長して図外の係止手段(ロック体)に係止可能な被係止部70Yとを備える。尚、開閉体は、例えば複数のスラット41,41…により構成され、被係止手段70の取付部70Xが、複数のスラット41,41…のうちの1つ以上のスラット41の幅方向端部における被取付面に溶接等により取付けられる。特許文献1においては、被取付面は、スラット41のスラット面板部42の板面(基準面42c)である。
即ち、従来の開閉装置においては、例えば
図11に示すように、被係止手段70の取付部70Xが溶接等により取付けられる被取付面、即ち、スラット面板部42の板面である基準面42cは、開閉体の開閉方向Vに沿って湾曲する曲面に形成されているのに対して、取付部70Xは、開閉体の開閉方向Vに沿った平面に形成された一方の板面70mと、当該一方の板面70mと平行に対向する平面に形成された他方の板面70nとを有した平板により構成されている。
そして、被取付面となる基準面42cと対向する一方の板面70mにおける開閉方向Vの上下両方の端縁と基準面42cとが溶接された構成となっている。即ち、この場合、被係止手段70の一方の板面70mにおける開閉方向Vの上端縁と基準面42cとの接触部位が溶接された上側溶接接合部waと、被係止手段70の一方の板面70mにおける開閉方向Vの下端縁と基準面42cとの接触部位が溶接された下側溶接接合部wbとによって、被係止手段70と開閉体のスラット面板部42とが接合される。
このような被係止手段70と開閉体のスラット面板部42との接合構造においては、被係止手段70からの力がスラット面板部42に加わった場合、取付部70Xの一方の板面70mの開閉方向Vに沿った上下の幅長Lで決まる上側溶接接合部waと下側溶接接合部wbとの間に存在するスラット面板部42で力を受けることになる。
従って、上側溶接接合部waと下側溶接接合部wbとの間に存在するスラット面板部42の上下の幅長L(≒一方の板面70mの上下の幅長L)が短くなるほど、被係止手段70から受ける力に対する強度が小さくなり、スラット面板部42が変形しやすくなる。このように、スラット面板部42が変形すると、被係止手段70がガイドレールの係止手段から外れやすくなり、開閉体の幅方向端部がガイドレールから抜けやすくなるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解消すべく、開閉体の幅方向端部の被取付面に被係止手段が取付けられて構成された開閉体の幅方向端部の変形を抑制できて、開閉体の幅方向端部のガイドレールからの抜け防止効果を向上させた開閉装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る開閉装置は、建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体と、開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて開閉体の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールとを備えた開閉装置において、ガイドレールは、ガイド溝内に係止手段を備え、開閉体の左右の幅方向端部は、ガイドレールのガイド溝内に設けられた係止手段に係止して当該開閉体の幅方向端部のガイド溝からの抜けを防止する被係止手段を備え、被係止手段は、開閉体の幅方向端部の被取付面に取付けられた取付部と、開閉体の幅方向端縁よりも幅方向外側に延長して係止手段に係止可能な被係止部とを備え、開閉体の幅方向端部の被取付面は、開閉方向に沿って延長する基準面と、当該基準面の開閉方向の両端側より当該基準面と交差する方向に延長するように設けられて互いに対向する各端部側壁面とを備え、被係止手段の取付部は、開閉方向に沿った両端部が端部側壁面に取付けられたことを特徴とする。
また、被係止手段の取付部は、被取付面と対向する一方の板面と、当該一方の板面と対向する他方の板面とを有した取付板部により構成され、一方の板面の開閉方向の端縁と端部側壁面とが溶接されたか、又は、他方の板面の開閉方向の端縁と端部側壁面とが溶接されたことを特徴とする。
また、互いに対向する被係止手段の一方の板面及び被取付面の基準面は、少なくとも一部が接触したことを特徴とする。
また、被取付面の基準面は、開閉方向に沿って湾曲する曲面であり、被係止手段の一方の板面は、被取付面の基準面を形成する曲面に沿った疑似曲面であり、当該疑似曲面は、開閉方向に沿って延長する基準平面と、当該基準平面の開閉方向の両端側より当該基準平面と交差する方向でかつ互いに離れるように延長する各端部側平面とを備え、一方の板面の基準平面と端部側平面との境界縁と被取付面の基準面とが接触して、かつ、当該端部側平面の端縁と端部側壁面とが溶接されたことを特徴とする。
また、被取付面の基準面は、開閉方向に沿って凹凸を有した凹凸面であり、被係止手段の一方の板面及び他方の板面は、開閉方向に沿って延長する平面であり、被係止手段の一方の板面と被取付面の基準面の凸部とが接触して、かつ、被係止手段の他方の板面の端縁と端部側壁面とが溶接されたことを特徴とする。
本発明に係る開閉装置によれば、開閉体の幅方向端部の被取付面に被係止手段が取付けられて構成された開閉体の幅方向端部の変形を抑制できて、開閉体の幅方向端部のガイドレールからの抜け防止効果を向上させた開閉装置を提供できる。
また、被係止手段の他方の板面における開閉方向に沿った延長長さは、被係止手段の一方の板面における開閉方向に沿った延長長さよりも長く設定されて、かつ、一方の板面の端縁と端部側壁面との間の隙間が、他方の板面の端縁と端部側壁面との間の隙間よりも大きい隙間に設定されたとともに、他方の板面の端縁と端部側壁面との間の隙間が0.5mm以下に設定されて、当該他方の板面の端縁と当該端部側壁面とが溶接されたことを特徴としたので、他方の板面の端縁と端部側壁面との溶接において良好な溶接接合部を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】幅方向端部に被係止手段が取付けられたスラットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図(実施形態1)。
【
図3】スラット端部の被取付面に取付けられた被係止手段を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図(実施形態1)。
【
図4】被係止手段を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)は側面図(d)は正面図(実施形態1)。
【
図5】係止手段及び被係止手段を示す断面図(実施形態1)。
【
図6】係止手段と被係止手段との係合状態を示す動作説明図(実施形態1)。
【
図7】係止手段と被係止手段との係合状態を示す動作説明図(実施形態1)。
【
図8】(a)は被係止手段を示す拡大断面図、(b)は係止手段の拡大断面図(実施形態1)。
【
図9】スラットの被取付面及び被取付面に取付けられた被係止手段の断面図(実施形態3)。
【
図10】スラット端部の被取付面に取付けられた被係止手段を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図(実施形態4)。
【
図11】スラット端部の被取付面に取付けられた被係止手段を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図(従来例)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
図1に示すように、実施形態1に係る、所謂、シャッター、シャッター装置等と呼称される開閉装置1は、開閉体収容ケース(以下、ケースと略す)2、開閉機構3、開閉体4、ガイドレール5を備える。
尚、本明細書において「建築構造物に形成された開口部13の前後方向」とは、開口部13を開閉する開閉体4の開閉方向(上下方向)V及び開閉体4の幅方向(左右方向)Wと直交する方向である。
また、開口部13の前側は「屋内側及び屋外側のうちのいずれか」、開口部13の後側は「屋内側及び屋外側のうちのいずれか」である。即ち、
図1に示す開口部13の前側が屋外側で開口部13の後側が屋内側となる場合もあるし、開口部13の前側が屋内側で開口部13の後側が屋外側となる場合もある。
図5では、開口部13の後側を屋内側及び屋外側のうちの一方側と定義し、開口部13の前側を屋内側及び屋外側のうちの他方側と定義して、説明している。
また、「建築構造物」とは、一戸建て、マンション、ビル、倉庫、工場などの所謂建物や、車庫、カーポート、門、塀などの外構、トンネルや地下街などの建造物等をいう。
【0009】
開閉機構3は、収納部側であるケース2内に設けられる。
開閉機構3は、開閉体4を巻き取る巻取シャフトや巻取枠等の巻取体20と、巻取体20の回転中心線21を回転中心として当該巻取体20を回転させる図外の開閉駆動手段とを備える。
開閉駆動手段は、電動式シャッター装置の場合は、巻取体20を巻取方向及び繰出方向に回転させる図外の駆動源としての電動機及び電動機の回転力を巻取体20に伝達する歯車伝達機構のような動力伝達機構などにより構成され、手動式シャッター装置の場合は、巻取体20を巻取方向に回転させる図外のバネ及びバネに蓄えられた回転力を巻取体20に伝達するプーリーのような動力伝達手段などにより構成される。
巻取体20は、例えば両端がケース2の左,右のブラケット22,22に設けられた図外の軸受に回転可能に支持され、開閉体4を巻き取る方向、及び、開閉体4を繰り出す方向(巻き出す方向)に回転する。
【0010】
開閉体4は、一端(上端)が収納部側に位置して、例えば図外の吊元を介して巻取体20に連結された開閉体本体4Aと、当該開閉体本体4Aの他端(下端)に設けられた他端部構成部材4Bとを備えた構成である。
開閉体4は、例えばシャッターカーテンと呼称される。
開閉体本体4Aは、例えばスラットカーテンと呼称される。
他端部構成部材4Bは、例えば座板又は水切と呼称される。
【0011】
開閉体本体4Aは、複数のスラット41,41…を連結して構成される。
各スラット41は、一方向、即ち、開閉装置1が設置される建築構造物の開口部13の左右の幅方向W(
図1参照)に沿って長い例えば金属製の長尺部材により形成されて一対の長辺縁に沿って連続するように形成された連結手段を備える。
即ち、各スラット41は、例えば
図2に示すように、短手方向(開閉方向V(
図1参照))に沿って若干湾曲したスラット面を形成するスラット面板部42と、スラット面板部42の短手方向の両端側からスラット面板部42の延長方向と交差する方向に延長して上下で向かい合うように対向する上下の壁板部44,44と、当該上下の壁板部44,44の延長端よりさらに延長するように設けられた連結手段とを備えた形状に形成される。
スラット41とスラット41との連結は、連結対象の一方のスラット41の連結手段と他方のスラット41の連結手段とを互いに連結する。
連結手段は、例えば個々のスラット41の一方の長辺縁と他方の長辺縁に沿って設けられて互いに係合可能な形状に形成されたカール部43,43により構成される。
【0012】
連結対象の一方のスラット41の一方のカール部43の長手方向の一端部と他方のスラット41の他方のカール部43の長手方向の他端部とを係合させた後、両方のスラット41,41における長手方向の一端部同士及び他端部同士が一致するように、一方又は両方のスラット41を長手方向に沿って横移動させることにより、一方のスラット41の一方のカール部43と他方のスラット41の他方のカール部43とをスラット41の長手方向の全幅間で係合させる。これにより、一方のスラット41と他方のスラット41とがカール部43,43を関節部として折曲可能に連結されることになる。
【0013】
以上のように、開閉体本体4Aは、互いに隣り合う一方のスラット41と他方のスラット41とがカール部43,43により接続された複数のスラット41,41…を備えて構成され、当該開閉体本体4Aの他端(下端)に他端部構成部材4Bが設けられることによって、開閉体4が構成される。
尚、開閉体本体4Aを構成する複数の各スラット41,41…の幅方向Wの左右の端部40,40側は、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に入り込むように構成されている。
【0014】
他端部構成部材4Bは、スラット41と同様に、開閉装置1が設置される建築構造物の開口部13の左右の幅方向W(
図1参照)に沿って長い例えば金属製の長尺部材により形成されて、長手方向と直交する断面形状が例えば逆T字形状に形成される。
即ち、他端部構成部材4Bは、断面逆T字の垂直部分を形成する垂直部4aと、断面逆T字の水平部分を形成する水平部4bとを備えた、開口部13の左右の幅方向Wに長い長尺部材により形成される。
他端部構成部材4Bの長手方向の中心位置とスラット41の長手方向の中心位置とを揃えて他端部構成部材4Bの垂直部4aの長辺に沿って形成された図外のカール部のような連結手段と開閉体本体4Aの他端に位置されるスラット41のカール部43とが連結される。
そして、他端部構成部材4Bの水平部4bの下面が開口部13の下方の床面等の着座面に着座することにより、開口部13が開閉体4で閉鎖されることになる。
また、例えば、他端部構成部材4Bの垂直部4a及び水平部4bの幅方向Wの左右の端部40,40側、あるいは、他端部構成部材4Bの垂直部4a及び水平部4bのうちの少なくともいずれか一方の幅方向Wの左右の端部40,40側は、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に入り込むように構成されている。
尚、他端部構成部材4Bの垂直部4a及び水平部4bの幅方向Wの左右の端部40,40側が、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に入り込まないように構成されている場合もある。
【0015】
図外の吊元は、開閉体本体4Aの一端に位置されるスラット41(最上端スラット)の長辺に沿って当該長辺に間欠的に設けられた連結板であり、建築構造物の開口部13の上方に位置する躯体14に固定されたケース2における開閉体4の図外の出口孔を経由して巻取体20に連結される。
【0016】
ケース2は、開閉機構3及び開閉体4を収容するものであり、開閉機構3及び開閉体4の収容空間を形成するように構成された、例えば長手方向と直交する断面形状が例えば四角形状の箱体である。
ケース2は、長手方向の両端部の位置と開口部13の左右の幅方向Wの両端部に設けられたガイドレール5,5の上端位置とが対応するように、開口部13の上方に位置する取付部としての躯体14に固定される。
尚、建築構造物の躯体14は、H形鋼等で構成された鉄骨躯体、コンクリート躯体、鉄筋コンクリート躯体、木製躯体などである。
【0017】
ガイドレール5,5は、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4の左右の幅方向両端側に配置されて開閉体4の左右の幅方向端部40,40を開閉体4の開閉方向V(開口部13の上下方向)に沿ってガイドするために、開口部13の左右の側部にそれぞれ設けられる。
即ち、開閉体4の左右の幅方向端部40,40が開口部13の左右に配置されたガイドレール5,5のガイド溝5a,5aに挿入されて、開閉体4の開閉時に開閉体4の左右の幅方向端部40,40が左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内で開閉方向Vにガイドされる。
即ち、ガイドレール5,5は、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4の左右の幅方向両端側に配置されて開閉体4の左右の幅方向端部40,40を開閉体4の開閉方向Vに沿ってガイドするガイド溝5aを有したガイド手段である。
【0018】
以上のように構成された開閉装置1の開閉体4が巻取体20に巻き取られることで建築構造物の開口部13が開通し、開閉体4が巻取体20から繰り出される(巻き出される)ことで開口部13が閉鎖される。
【0019】
図1乃至
図8に示すように、実施形態1に係る開閉装置1においては、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a内には、係止手段6が設けられるとともに、開閉体4の左右の幅方向端部40,40には、係止手段6に係止して当該開閉体4の幅方向端部40のガイド溝5aからの抜けを防止する被係止手段7が設けられている。
【0020】
例えば
図5乃至
図8に示すように、係止手段6は、開口部13の前後方向と直交する面に沿って(換言すれば、開口部13を閉鎖した開閉体4の面に沿って)当該開口部13の前後方向と直交する面と平行な面に形成されて、開閉体4の開閉方向V(
図8(b)の紙面と直交する方向)に連続して延長する垂直面6Aと、当該垂直面6Aにおいてガイド溝5aの底面側に位置される一方の垂直縁より延長して当該垂直面6Aと直交する垂直面により形成されて開閉体4の開閉方向Vに連続して延長する係止面6Bとを備えて、当該垂直面6Aと係止面6Bとの境界の角が開閉体4の開閉方向Vに連続して延長する係止角6Cに形成された構成である。
【0021】
例えば
図2乃至
図4に示すように、被係止手段7は、開閉体4の幅方向端部40の被取付面42aに取付けられた取付部として機能する取付板部7Xと、開閉体4の幅方向端縁41sよりも幅方向外側に延長して係止手段6に係止可能な被係止部として機能する被係止板部7Yとを備えた板厚数mm程度の鋼板等の板材により構成される。
即ち、被係止手段7は、一端側である取付板部7Xが開閉体4の幅方向端部40の被取付面42aに溶接等によって取付けられたことによって、開閉体4の幅方向端縁41sよりも幅方向外側に延長して突出する他端側が係止手段6に係止する被係止板部7Yとして機能するように構成されている(
図2参照)。
【0022】
被係止手段7の取付部は、被取付面42aと対向する一方の板面7Eと、当該一方の板面7Eと対向する他方の板面7Fとを有した取付板部7Xにより構成される。
そして、開閉体4を構成するスラット41の幅方向端部40の被取付面42aは、開閉方向Vに沿って延長する基準面42cと、当該基準面42cの開閉方向Vの両端側より当該基準面42cと交差する方向に延長するように設けられて互いに対向する各端部側壁面(即ち、開閉方向Vの上下で向かい合う上端部側壁面及び下端部側壁面)42b,42bとを備えて構成される。
尚、
図3(b)に示すように、スラット面板部42を構成する板の両方の板面を示す線をそれぞれ同心円の一部と見做して、当該同心円の中心に近い板面を内側曲面42i、当該同心円の中心から遠い板面を外側曲面42fと定義した場合、上述した基準面42cは、当該スラット面板部42の内側曲面42iにより形成される。
即ち、被取付面42aの基準面42cは、開閉体4の開閉方向Vに沿って湾曲する曲面に形成されている。
また、端部側壁面42bは、スラット41の壁板部44の内側面(上述した同心円の中心に近い板面)により形成される
そして、取付板部7Xの一方の板面7Eの開閉方向Vの上端縁7tと被取付面42aの上端部側壁面42bとが溶接され、かつ、取付板部7Xの一方の板面7Eの開閉方向Vの下端縁7tと被取付面42aの下端部側壁面42bとが溶接されたことによって、被係止手段7と開閉体4のスラット41とが接合される。
【0023】
被係止板部7Yは、取付板部7Xの一方の板面7Eと連続する板面が係止手段6の係止角6C(
図8(b)参照)と接触可能な被係止面7Aに形成され、当該被係止面7Aには、係止手段6の係止角6C及び係止面6Bに係止可能な被係止凹部7a(
図4(a),
図8(b)参照)を備えた構成となっている。
【0024】
即ち、被係止手段7は、一端側が開閉体4の幅方向端部40に取付けられた取付板部7Xに形成され、当該取付板部7Xの一方の板面7Eより延長する他端側には、係止手段6の係止角6Cと接触可能な被係止面7Aと係止手段6の係止角6C及び係止面6Bに係止可能な被係止凹部7aとを有した被係止板部7Yを備えた構成となっている。
【0025】
尚、被係止手段7は、例えば長方形の鋼板の長手方向の他端側を折り曲げて、当該鋼板の長手方向の一端側の板面となる一方の板面7Eにおける後述する基準平面7mと当該基準平面7mより連続するように延長して当該鋼板の長手方向の他端側の板面となる被係止面7Aとのなす角度θ(
図4(c)参照)が例えば135°±10°程度となるように形成されている。
【0026】
被係止手段7は、例えば、左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内に入り込むように構成されている、開閉体本体4Aを構成するすべてのスラット41,41…の端部40,40…側及び他端部構成部材4Bの端部40側に設けられたり、あるいは、開閉体本体4Aを構成するスラット41,41…及び他端部構成部材4Bのうちの任意の部材の端部40側に設けられている。
【0027】
実施形態1においては、例えば
図4,
図8(a)に示すように、被係止凹部7aは、被係止面7Aに設けられた断面三角形状の凹部により形成された構成とした。
即ち、
図4に示すように、当該被係止凹部7aは、一方の板面7Eより延長する被係止面7Aの延長方向の先端側において、当該被係止面7Aに設けられ、かつ、
図3(b)に示すように、開閉体4の開閉方向Vに沿って連続する断面三角形状の凹部により形成された構成とした。
尚、当該被係止凹部7aを備えた被係止手段7は、例えばプレス金型を用いて被係止面7Aをプレス成型することにより形成したり、あるいは、切削加工、その他の手法により形成すればよい。
【0028】
被取付面42aに取付けられた取付板部7Xにおける一方の板面7Eは、上述した基準面42c(スラット面板部42の内側曲面42i)を形成する曲面に沿って当該曲面に対応した非平面に形成されている。
当該基準面42cを形成する曲面に沿って当該曲面に対応した非平面に形成された一方の板面7Eは、具体的には、基準面42cを形成する曲面に沿って当該曲面に対応した疑似曲面7Gに形成されている。
当該一方の板面7Eを形成する疑似曲面7Gは、より具体的には、
図3(b)に示すように、開閉方向Vに沿って延長する基準平面7mと、当該基準平面7mにおける開閉方向Vの上下の両端側より当該基準平面7mと交差する方向でかつ互いに離れるように延長する各端部側平面(即ち、上端部側平面及び下端部側平面)7e,7eとを備えた疑似曲面である。
換言すれば、当該疑似曲面7Gにより形成された一方の板面7Eは、基準面42cを形成する曲面(スラット面板部42の内側曲面42i)に近似するように複数の平面7m,7e,7eで構成された折れ曲がり面に形成されている。
尚、取付板部7Xは、例えば開閉方向Vの上下の両端側を折り曲げて形成され、従って、
他方の板面7Fは、一方の板面7Eを形成する疑似曲面7Gと平行に対向する疑似曲面7Gに形成される。
【0029】
そして、
図3(b)に示すように、取付板部7Xにおける一方の板面7Eの基準平面7mと端部側平面7e,7eとの境界縁BH,BLと被取付面42aの基準面42cとを接触させ、かつ、当該一方の板面7Eの開閉方向Vの上端縁7tと端部側壁面(上端部側壁面)42bとの接触部位が溶接された上側溶接接合部waと、当該一方の板面7Eの開閉方向Vの下端縁7uと端部側壁面(下端部側壁面)42bとの接触部位が溶接された下側溶接接合部wbとによって、被係止手段7と開閉体4のスラット41とが接合される。
即ち、一方の板面7Eの基準平面7mと端部側平面7e,7eとの境界縁BH,BLと被取付面42aの基準面42cとが接触して、かつ、一方の板面7Eの端部側平面7e,7eの端縁と被取付面42aの端部側壁面42b,42bとが溶接されたことによって、被係止手段7と開閉体4のスラット41とが接合される。
【0030】
よって、被係止手段7からの力がスラット41に加わった場合、上側溶接接合部waと下側溶接接合部wbとの間に存在するスラット面板部42と上下の壁板部44,44とで力を受けることになるため、被係止手段7から受ける力に対する強度が大きくなる。
従って、スラット41が変形し難くなるため、被係止手段7がガイドレール5の係止手段6から外れ難くなり、開閉体4の幅方向端部40がガイドレール5から抜け難くなる。
特に、被取付面42aの基準面42cと各端部側壁面42b,42bとを形成するスラット面板部42と上下の壁板部44,44とで構成された板部は、スラット面板部42と壁板部44との境界部分が角部となるように形成された断面コ字形状の強度の大きい板部により構成されているため、スラット41が変形し難くなる。
このように、実施形態1によれば、開閉体4の幅方向端部40の被取付面42aに被係止手段7が取付けられて構成された開閉体4の幅方向端部40の変形を抑制できて、開閉体4の幅方向端部40のガイドレール5からの抜け防止効果を向上させた開閉装置1を提供できるようになる。
また、実施形態1によれば、互いに対向する一方の板面7E及び基準面42cは、境界縁BH,BLと基準面42cとを接触させた構成、即ち、互いに対向する一方の板面7E及び基準面42cの少なくとも一部を接触させた構成としたので、被係止手段7からの力がスラット面板部42に加わった場合の支持力が向上し、スラット面板部42がより変形し難くなる。
【0031】
尚、後述する
図10に示す実施形態4のように、一方の板面7Eと他方の板面7Fとが互いに平行に対向する1つの平面である平板により構成された取付板部7Xを用いて、当該取付板部7Xの開閉方向Vに沿った両端部が端部側壁面42b,42bに取付けられた構成としても良い。
しかしながら、この構成の場合、取付板部7Xの位置が上述した同心円の中心に近付く方向(
図10(b)のスラット面板部42から紙面左側に離れる方向)に移動することになるため、その移動した分だけ、被係止部として機能する被係止板部70Yの係止手段6に対する係止可能長さ(即ち、被係止面7Aの先端とスラット面板部42の外側曲面42fとの間の最短距離)Dが短くなる。例えば、
図10の構成と
図11の構成とを比較して明らかなように、係止可能長さDは、
図10の構成のように、取付板部7Xの上下の幅長Lが長くなるほど、短くなる。
このように、係止可能長さDが短くなると、被係止手段7の被係止板部7Yがガイドレール5の係止手段6から外れやすくなり、被係止板部7Yと係止手段6との係止に基づく耐風性能を十分に発揮できなくなってしまう虞がある。
一方、実施形態1によれば、一方の板面7Eを、基準平面7mと各端部側平面7e,7eとを備えた疑似曲面7Gに形成したことにより、
図10に示す構成と比べた場合に、上述した同心円の中心に近付く方向への取付板部7Xの位置の移動量を少なくでき、被係止板部7Yの係止手段6に対する係止可能長さDが短くなってしまうことを抑制できるようになる。
つまり、実施形態1と後述する実施形態4とでは、被係止板部7Yの大きさ及び形状が同じである場合には、実施形態1の方が、被係止板部7Yの係止手段6に対する係止可能長さDを長くできる。
即ち、実施形態1によれば、一方の板面7Eが、基準平面7mと各端部側平面7e,7eとを備えた疑似曲面7Gにより形成された被係止手段7を用いたことにより、被係止板部7Yの係止手段6に対する係止可能長さDを長くでき、被係止板部7Yが係止手段6から外れ難くなる。
よって、実施形態1に係る被係止手段7によれば、被係止面7Aと係止手段6との係止に基づく耐風性能を十分に発揮できようになる。
【0032】
また、実施形態1に係る被係止手段7は、
図3(a)に示すように、取付板部7Xの開閉方向Vに沿った上下の幅長Lが、被係止板部7Yの開閉方向Vに沿った上下の幅長L1よりも長くなるように構成されている。
換言すれば、被係止板部7Yの開閉方向Vに沿った上下の幅長L1を小さくできて、被係止板部7Yのコンパクト化が図れる。
【0033】
実施形態1の開閉装置1においては、例えば、
図5に示すように、開閉体4に開口部13の前後方向からの力が加わっていない状態から、当該開閉体4に、
図6の矢印F1の方向の力が加わった場合に、被係止手段7の被係止面7Aと係止手段6の係止角6Cとが接触し、さらには、被係止手段7の被係止凹部7aが係止手段6の係止角6C及び係止面6Bに係止する状態となるため、開閉体4の幅方向端部40のガイドレール5からの抜け防止効果が向上する。
また、
図7の矢印F2の方向の力(F1とは逆方向の力)が加わった場合においても同様に、被係止手段7の被係止面7Aと係止手段6の係止角6Cとが接触し、さらには、被係止手段7の被係止凹部7aが係止手段6の係止角6C及び係止面6Bに係止する状態となるため、開閉体4の幅方向端部40のガイドレール5からの抜け防止効果が向上する。
尚、
図5に示すように、開閉体4に開口部13の前後方向からの力が加わっていない状態においては、被係止面7Aと係止手段6とが接触せず、開閉体4の開閉動作がスムーズに行われるように構成されている。
また、
図5乃至
図7は、
図1のガイドレール5の延長方向と直交する断面図である。
【0034】
次に、
図1及び
図5に基づいて、ガイドレール5の一具体例について説明する。
図1に示すように、当該ガイドレール5は、当該ガイドレール5を補強する補強部材8及び取付部材9を介して、例えばH形鋼で構成された躯体14に取付けられることにより、補強部材8で補強された状態で建築構造物に設置されて、強度が確保されることになる。
以下、ガイドレール5、補強部材8、取付部材9について詳説する。
【0035】
図5に示すように、ガイドレール5は、ガイドレール本体5Aと化粧部5Bとを備えて構成される。
図5に示すように、ガイドレール本体5Aは、所定幅の溝入口5bを有した断面略コ字状でかつ一方向(
図5の紙面と直交する方向)に連続するガイド溝5aが形成された一方向に連続する中空状長尺物により構成される。
化粧部5Bは、ガイドレール5を外側からを見た場合に、ガイドレール本体5Aのガイド溝5aの内面及びガイドレール本体5Aの溝入口5b側の側壁50が目視されないように、これらガイドレール本体5Aのガイド溝5aの内面及び側壁50の表面を覆う部材により構成される。
【0036】
ガイドレール本体5Aは、開閉体4の左の幅方向端部40又は開閉体4の右の幅方向端部40を入れるための溝入口5bを有したガイド溝5aが開閉体4の開閉方向V(上下方向(
図5の紙面と直交する方向))に連続するように形成された断面凹状の例えば金属製中空柱状の長物により構成される。
ガイドレール本体5Aは、例えば、2つの部材、即ち、第1レール材51と第2レール材52とを組み合わせて構成される。
第1レール材51及び第2レール材52は、例えば一方向に長尺で一方向と直交する方向に所定幅を有した板厚数mm程度のスチール、ステンレス、アルミ等の金属板(例えば金属平板)を折曲などにて成形して形成される。
【0037】
第1レール材51は、ガイド溝5aの一方側(例えば開口部13の後側)の壁を形成するガイド溝一方側壁部53と、側壁50のうちの一方側の側壁を形成する一方側壁部54とを備える。
ガイド溝一方側壁部53は、溝入口5b側に位置する溝入口側壁部55と、ガイド溝5aの底側に位置する底側壁部56と、溝入口側壁部55と底側壁部56との境界部となる段差壁部により形成された係止壁部57とを備える。
つまり、第1レール材51は、開閉体4の開閉方向(上下方向)に連続して延長する長物であり、一方側(例えば開口部13の後側)に位置する一端側から他方側に所定の長さだけ延長する一方側壁部54と、当該一方側壁部54の延長端から開閉体4の幅方向に所定の長さだけ延長する溝入口側壁部55と、当該溝入口側壁部55の延長端から一方側に所定の長さだけ延長する係止壁部57と、当該係止壁部57の延長端から開閉体4の幅方向でかつ一方側壁部54から離れる方向に所定の長さだけ延長する底側壁部56とを備えた構成である。
尚、一方側壁部54と溝入口側壁部55との境界部によりガイド溝5aの溝入口5bの一方側縁部が形成され、例えば当該一方側壁部54の板面と溝入口側壁部55の板面とが当該一方側壁部54と溝入口側壁部55との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えば溝入口側壁部55の板面と係止壁部57の板面とが当該溝入口側壁部55と係止壁部57との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
さらに、例えば係止壁部57の板面と底側壁部56の板面とが当該係止壁部57と底側壁部56との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0038】
第2レール材52は、ガイド溝5aの他方側(例えば開口部13の前側)の側壁を形成するガイド溝他方側壁部63と、側壁50のうちの他方側の側壁を形成する他方側壁部64と、ガイド溝5aの底面を形成するガイド溝底面部65と、ガイド溝5aの底側に位置する底側壁部66と、係止壁部67とを備える。
つまり、第2レール材52は、開閉体4の開閉方向(上下方向)に連続して延長する長物であり、他方側(例えば開口部13の前側)に位置する一端側から一方側に所定の長さだけ延長する他方側壁部64と、当該他方側壁部64の延長端から開閉体4の幅方向に所定の長さだけ延長するガイド溝他方側壁部63と、当該ガイド溝他方側壁部63の延長端から一方側に所定の長さだけ延長するガイド溝底面部65と、当該ガイド溝底面部65の延長端から開閉体4の幅方向でかつ他方側壁部64に近づく方向に所定の長さだけ延長する底側壁部66と、当該底側壁部66の延長端から他方側に所定の長さだけ延長する係止壁部67とを備えた構成である。
そして、当該係止壁部67の延長方向の先端部が上述した係止手段6として機能するように構成されている。
尚、他方側壁部64とガイド溝他方側壁部63との境界部によりガイド溝5aの溝入口5bの他方側縁部が形成され、例えば当該他方側壁部64の板面とガイド溝他方側壁部63の板面とが当該他方側壁部64とガイド溝他方側壁部63との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えばガイド溝他方側壁部63の板面とガイド溝底面部65の板面とが当該ガイド溝他方側壁部63とガイド溝底面部65との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えばガイド溝底面部65の板面と底側壁部66の板面とが当該ガイド溝底面部65と底側壁部66との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えば底側壁部66の板面と係止壁部67の板面とが当該底側壁部66と係止壁部67との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0039】
化粧部5Bは、内側化粧板71と他方側化粧板72と一方側化粧板73とを備える。
内側化粧板71、他方側化粧板72、一方側化粧板73は、例えば一方向に長尺で一方向と直交する方向に所定幅を有した板厚数mm程度のスチール、ステンレス、アルミ等の金属板(例えば金属平板)を折曲などにて成形して形成される。
尚、内側化粧板71、他方側化粧板72、一方側化粧板73を形成する金属板は、例えば第1レール材51及び第2レール材52を形成する金属板よりも板厚が薄く、かつ、表面に、着色、模様、光沢や非光沢等の化粧処理が施されたもの等を用いればよい。
【0040】
内側化粧板71は、第2レール材52のガイド溝他方側壁部63の内面及びガイド溝底面部65の内面に取付けられて、ガイドレール5のガイド溝5aの溝入口5bを介してガイド溝5aの内側を目視した場合に、第2レール材52のガイド溝他方側壁部63の内面及びガイド溝底面部65の内面が目視されないようにするための化粧板である。
即ち、内側化粧板71は、ガイド溝他方側壁部63の内面を覆うガイド溝他方側覆部74と、ガイド溝底面部65の内面を覆うガイド溝底側覆部75とを備える。
例えばガイド溝他方側覆部74の板面とガイド溝底側覆部75の板面とが当該ガイド溝他方側覆部74とガイド溝底側覆部75との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
尚、ガイドレール5のガイド溝5aの溝入口5bを介してガイド溝5aの内側を目視した場合、ガイド溝底面部65の内面の一方側部分は、第1レール材51の溝入口側壁部55及び第2レール材52の係止壁部67に邪魔されて死角となるので、ガイド溝底面部65の内面において、ガイド溝底側覆部75の一端と底側壁部66との間は非覆部となっている。
【0041】
他方側化粧板72は、第2レール材52の他方側壁部64の表面及びガイド溝他方側壁部63の溝入口5b側の内面に取付けられて、第2レール材52の他方側壁部64の表面及びガイド溝他方側壁部63の溝入口5b側の内面が目視されないようにするための化粧板である。
他方側化粧板72は、第2レール材52の他方側壁部64の表面を覆う他方側壁覆部76と、ガイド溝他方側壁部63の開口側の内面を覆う他方側壁部表面覆部77とを備える。
例えば他方側壁覆部76の板面と他方側壁部表面覆部77の板面とが当該他方側壁覆部76と他方側壁部表面覆部77との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0042】
一方側化粧板73は、第1レール材51の一方側壁部54の表面及び溝入口側壁部55の内面に取付けられて、第1レール材51の一方側壁部54の表面及び溝入口側壁部55の内面が目視されないようにするための化粧板である。
一方側化粧板73は、第1レール材51の一方側壁部54の表面を覆う一方側壁覆部78と、溝入口側壁部55の内面を覆うガイド溝入口一方側覆部79とを備える。
例えば一方側壁覆部78の板面とガイド溝入口一方側覆部79の板面とが当該一方側壁覆部78とガイド溝入口一方側覆部79との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0043】
補強部材8は、例えば板厚数mm程度の板面が略四角形のスチール、ステンレス、アルミ等の金属板(例えば金属平板)の四角形の一辺側から当該金属板を略四角形状に切欠いて形成された切欠き凹部を備えた切欠き板により構成されたものを用いたり、あるいは、アルミダイキャストなどのダイキャストにより成形されたもの等を用いる。
即ち、補強部材8は、開閉体4の幅方向端部40が挿入されるガイド溝5aの外周面5fに沿って当該外周面5fを囲む形状に形成された周縁部80を備えた例えば平板部材により構成される。
例えば、ガイドレール5のガイド溝5aを形成する部位が補強部材8に形成された切欠き凹部に挿入された状態において、補強部材8の切欠き凹部の周縁部80の形状とガイドレール5のガイド溝5aの断面におけるガイド溝5aの外周面5fの形状とが略合致した形状に形成されている。
尚、補強部材8の板厚は、第1レール材51や第2レール材52の板厚よりも厚くすることが好ましく、さらには、第1レール材51の板厚と第2レール材52の板厚とを足した厚さよりも厚くすることが強度上より好ましい。
【0044】
補強部材8の周縁部80は、第1レール材51と第2レール材52とを組み合わせて構成されたガイドレール本体5Aのガイド溝5aの外周面5fとなる板面、即ち、第1レール材51の溝入口側壁部55の一方側となる板面、係止壁部57のガイド溝5aの溝入口5b側となる板面、底側壁部56の一方側となる板面、第2レール材52のガイド溝底面部65における溝入口5bとは反対側の板面、ガイド溝他方側壁部63の他方側となる板面の各板面にそれぞれ対向する各辺縁部により構成される。
つまり、補強部材8の周縁部80は、第1レール材51の溝入口側壁部55の一方側となる板面と対向する溝入口一方側縁部81と、係止壁部57の溝入口5b側となる板面と対向する係止壁側縁部82と、底側壁部56の一方側となる板面と対向する一方底側側壁側縁部83と、第2レール材52のガイド溝底面部65における溝入口5bとは反対側の板面と対向するガイド溝底側縁部84と、ガイド溝他方側壁部63の他方側となる板面と対向する他方ガイド溝側壁側縁部85とで構成される。
また、補強部材8は、溝入口一方側縁部81の一端から一方側に延長して一方側壁部54と平行に対向する一方側縁部86と、他方ガイド溝側壁側縁部85の一端から他方側に延長して他方側壁部64と平行に対向する他方側縁部87と、一方側縁部86の延長端と他方側縁部87の延長端とを繋いで補強部材8の周縁部80の外側を囲む外縁部88とを備える。
換言すれば、補強部材8は、ガイドレール5のガイド溝5aの外周面5fを囲む周縁部80と、一方側縁部86と、他方側縁部87と、外縁部88とで囲まれた平板部材である。
【0045】
そして、補強部材8の周縁部80がガイドレール5のガイド溝5aの外周面5fを囲むように設置されて、当該補強部材8の周縁部80側の少なくとも一部と前記ガイド溝5aの外周面5fとが例えば溶接により連結される。
【0046】
図1に示すように、ガイドレール5には、複数個の補強部材8,8…が、ガイドレール5の上下方向(長手方向、延長方向)、即ち、開閉体4の開閉方向Vに沿って間隔を隔てて連結される。
【0047】
取付部材9は、例えば板厚数mm程度のスチール、ステンレス、アルミ等の金属板(例えば金属平板)を折り曲げて形成されたもの、アングル材を加工したもの、あるいは、アルミダイキャストなどのダイキャストにより成形されたもの等を用いる。
当該取付部材9は、
図1に示すように、補強部材8と溶接等で連結される補強部材連結部91と、躯体14と連結される躯体連結部92とを備える。
躯体連結部92は、例えば長方形状の平板部により構成される。
補強部材連結部91は、躯体連結部92の長方形の一方の長辺縁より延長して、例えば躯体連結部92の板面と直交する板面を有した平板部により形成される。
【0048】
そして、例えばガイドレール5に連結された複数個の補強部材8,8…の躯体14への取付箇所にそれぞれあらかじめ取付部材9,9…を溶接等で取付けておき、ガイドレール5に連結された複数個の補強部材8,8…を、それぞれ、対応する取付部材9,9…に溶接等で取付けることにより、ガイドレール5が、複数個の補強部材8,8…で補強された状態となって躯体14に取付けられるので、ガイドレール5の強度を向上させることができる。
尚、ガイドレール5に連結された複数個の補強部材8,8…を取付部材9,9…を介して躯体14に取付ける構成とした場合、躯体14の取付面の垂直精度が多少狂っていたとしても、ガイドレール5に連結された各補強部材8,8…の取付部材9,9…に対する取付位置を調節することにより、垂直精度の高いガイドレール5を実現できるようになる。
【0049】
補強部材8,8…を用いることにより、ガイドレール5の軽量化、施工性向上、製作性向上が図れるとともに、ガイドレール5の強度を確保できるようになる。
また、軽量化、施工性向上、製作性向上が図れ、かつ、強度も確保できるガイドレール5を提供できるようになった。
また、特に、上述した係止手段6と被係止手段7とを備えた実施形態1に係る開閉装置1において、強度が必要となるガイドレール5を容易に構築できるようになる。
【0050】
実施形態2
実施形態1においては、一方の板面7E及び他方の板面7Fが、基準面42cを形成する曲面に沿って当該曲面に対応した疑似曲面7G,7Gに形成された取付板部7Xを備えた被係止手段7を使用したが、一方の板面7E及び他方の板面7Fを、基準面42cを形成する曲面に沿って当該曲面に対応した真正曲面(図示せず)に形成した被係止手段7を使用するようにしてもよい。
即ち、真正曲面に形成された一方の板面7Eと被取付面42aの基準面42cとを合致させて接触させ、かつ、一方の板面7Eの上下の端縁7t,7uと被取付面42aの端部側壁面42b,42bとが溶接されたことによって、被係止手段7と開閉体4のスラット41とが接合された構成とすればよい。
【0051】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、開閉体4の幅方向端部40の被取付面42aに被係止手段7が取付けられて構成された開閉体4の幅方向端部40の変形を抑制できて、開閉体4の幅方向端部40のガイドレール5からの抜け防止効果を向上させることができるとともに、さらに、真正曲面に形成された一方の板面7Eと被取付面42aの基準面42cとを接触させた構成としたため、一方の板面7Eと基準面42cとの密着性が高まって、スラット41の変形抑制効果をより向上できるようになる。
また、互いに対向する一方の板面7E及び基準面42cとを面接触させた構成とすることができるので、被係止手段7からの力がスラット面板部42に加わった場合の支持力が向上し、スラット面板部42がより変形し難くなる。
【0052】
実施形態3
各実施形態では、被取付面42aの一部を構成する基準面42cが、開閉体4の開閉方向Vに沿って湾曲する曲面に形成されている場合を例示したが、
図9に示すように、基準面は、開閉体4の開閉方向Vに沿って左右に凹凸する凹凸面により形成された基準面42wであっても構わない。
尚、
図9において、実施形態1の
図3(a)で説明した部分と同一又は相当する部分については、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0053】
即ち、被取付面42aの基準面42wが、開閉方向Vに沿って凹凸を有した凹凸面に形成されたスラット面板部42を備えたスラット41を使用するとともに、一方の板面7E及び他方の板面7Fが、開閉方向Vに沿って延長する平面7Pに形成された取付板部7Xを備えた被係止手段7を使用した構成としてもよい。
この場合、例えば、
図9(a)に示すように、取付板部7Xの一方の板面7Eと基準面42wの凸部WCとが接触して、かつ、取付板部7Xの他方の板面7Fの端縁(即ち、上端縁7t,下端縁7u)と端部側壁面(即ち、上端部側壁面42b,下端部側壁面42b)とが溶接されたことにより、被係止手段7とスラット41とが接合される。
【0054】
図9(a)に示した実施形態3によれば、取付板部7Xの一方の板面7Eと基準面42wの凸部WCとが接触して、かつ、取付板部7Xの他方の板面7Fの端縁7t,7uと端部側壁面42b,42bとが溶接された構成としたので、被係止手段7からの力がスラット41に加わった場合、スラット41が変形し難くなる。
特に、被取付面42aの基準面42wと各端部側壁面42b,42bとを形成するスラット面板部42と上下の壁板部44,44とで構成された板部は、スラット面板部42と壁板部44との境界部分、及び、凸部WCが、曲部となるように形成された断面W字形状の強度の大きい板部により構成されているため、スラット41が変形し難くなる。
従って、実施形態3によれば、実施形態1と同様に、開閉体4の幅方向端部40の被取付面42aに被係止手段7が取付けられて構成された開閉体4の幅方向端部40の変形を抑制できて、開閉体4の幅方向端部40のガイドレール5からの抜け防止効果を向上させた開閉装置1を提供できるようになる。
また、互いに対向する一方の板面7E及び基準面42wは、一方の板面7Eを形成する平面7Pと基準面42wの凸部WCとを接触させた構成、即ち、互いに対向する一方の板面7E及び基準面42wの少なくとも一部を接触させた構成としたので、被係止手段7からの力がスラット面板部42に加わった場合の支持力が向上し、スラット面板部42がより変形し難くなる。
【0055】
尚、
図9(a)に示した構成の場合、取付板部7Xの上端面7g及び下端面7gが、一方の板面7E及び他方の板面7Fと直交する平面に形成されている。
この場合、取付板部7Xの一方の板面7Fの上端縁7t及び下端縁7uと上端部側壁面42b及び下端部側壁面42bとが接触することにより、上端部側壁面42b及び下端部側壁面42bが互いに離れる方向に押圧される可能性があり、このように、上端部側壁面42b及び下端部側壁面42bが互いに離れる方向に押圧された場合、取付板部7Xの他方の板面7Fの上端縁7tと上端部側壁面42bとの間の隙間、及び、取付板部7Xの他方の板面7Fの下端縁7uと下端部側壁面42bとの間の隙間が、大きくなる可能性がある。この隙間が大きくなると、取付板部7Xの他方の板面7Fの端縁7t,7uと端部側壁面42b,42bとが溶接された溶接部分の溶接強度が弱くなる可能性がある。また、この隙間が大きくなると、溶接機械の性能によっては、溶接を行えない可能性もある。
【0056】
そこで、
図9(b)に示すように、取付板部7Xの一方の板面7Eの上端縁7t及び下端縁7uと上端部側壁面42b及び下端部側壁面42bとが接触しないように、取付板部7Xの一方の板面7Eの上下の幅長を、取付板部7Xの他方の板面7Fの上下の幅長よりも短くして、取付板部7Xの上端面及び下端面を、上端部側壁面42b及び下端部側壁面42bから離れる方向に傾斜する傾斜面7J,7Jに形成した。
即ち、取付板部7Xの上端面は、取付板部7Xの他方の板面7Fの上端縁7t側から取付板部7Xの一方の板面7Eの上端縁7tに向けて上端部側壁面42bから離れるように傾斜する傾斜面7Jに形成され、かつ、取付板部7Xの下端面は、取付板部7Xの他方の板面7Fの下端縁7u側から取付板部7Xの一方の板面7Eの下端縁7uに向けて下端部側壁面42bから離れるように傾斜する傾斜面7Jに形成された構成とした。
尚、上述した隙間は、0.5mm以下、より好ましくは、0.1mm~0.2mmとすることが望ましい。
図9(b)に示した実施形態3によれば、取付板部7Xの一方の板面7Fの上端縁7t及び下端縁7uと上端部側壁面42b及び下端部側壁面42bとが接触する事によって上述した隙間が大きくなってしまうようなことを抑制でき、取付板部7Xの他方の板面7Fの端縁7t,7uと端部側壁面42b,42bとが溶接された場合に溶接強度が弱くなってしまうことを抑制できるので、良好な溶接接合を実現できるようになる。
【0057】
換言すれば、
図9(b)に示した実施形態3では、被係止手段7の他方の板面7Fにおける開閉方向Vに沿った延長長さは、被係止手段7の一方の板面7Eにおける開閉方向Vに沿った延長長さよりも長く設定されて、かつ、一方の板面7Eの端縁(上端縁7t,下端縁7u)と端部側壁面(上端部側壁面42b,下端部側壁面42b)との間の隙間が、他方の板面7Fの端縁7t,7uと端部側壁面42b,42bとの間の隙間よりも大きい隙間に設定されたとともに、他方の板面7Fの端縁7t,7uと端部側壁面42b,42bとの間の隙間が0.5mm以下に設定されて、当該他方の板面7Fの端縁7t,7uと当該端部側壁面42b,42bとが溶接された構成としたことにより、他方の板面7Fの端縁7t,7uと端部側壁面42b,42bとの溶接において良好な溶接接合部を実現できるようになるという効果が得られる。
【0058】
実施形態4
図10に示すように、一方の板面7Eと他方の板面7Fとが互いに平行に対向する1つの平面である平板により構成された取付板部7Xを用いて、当該取付板部7Xの開閉方向Vに沿った両端部が端部側壁面42b,42bに取付けられた構成としても良い。
この場合、例えば
図10(b)に示すように、取付板部7Xの上端面7K及び下端面7Kを、上端部側壁面42b及び下端部側壁面42bと対向する面に形成したり、あるいは、上述しの
図9(b)に示した傾斜面7J,7Jと同様に、上端部側壁面42b及び下端部側壁面42bから離れる方向に傾斜する傾斜面に形成して、取付板部7Xの他方の板面7Fの端縁7t,7uと端部側壁面42b,42bとを溶接すればよい。
尚、実施形態4において、被係止板部7Yの係止手段6に対する係止可能長さDが短くなってしまう場合には、適宜、被係止板部7Yの延長長さを長くした被係止手段7を用いるようにすればよい。
実施形態4によれば、実施形態1と同様に、開閉体4の幅方向端部40の被取付面42aに被係止手段7が取付けられて構成された開閉体4の幅方向端部40の変形を抑制できて、開閉体4の幅方向端部40のガイドレール5からの抜け防止効果を向上させることができる。
【0059】
実施形態5
一方の板面7Eと基準面42cとの密着性を高めるための構成としては、実施形態2のように、一方の板面7Eを真正曲面に形成する構成の他に、曲面である基準面42cと当該基準面42cと対向する一方の板面7Eの平面との間の隙間に、図外の金属板等の板を設ける構成がある。
【0060】
例えば、
図3(b)に示した構成において、一方の板面7Eの基準平面7mと基準面42cとの間の隙間Gに当該隙間Gを埋める図外の板を設けたり、
図9、
図10(b)に示した構成において、平面7Pである一方の板面7Eと曲面である基準面42cとの間の隙間Gに当該隙間Gを埋める図外の板を設けた構成としてもよい。
この場合、板は、予め、接着剤等を用いて、基準平面7mや一方の板面7Eに取付けておくか、あるいは、基準面42cや基準面42wに取付けておけばよい。
実施形態4によっても、開閉体4の幅方向端部40の被取付面42aに被係止手段7が取付けられて構成された開閉体4の幅方向端部40の変形を抑制できて、開閉体4の幅方向端部40のガイドレール5からの抜け防止効果を向上させることができるようになる。
【0061】
つまり、被係止手段の一方の板面を、基準面42cを形成する曲面に沿って当該曲面に対応した非平面に形成することによって、一方の板面と基準面42cとの密着性を高めるために、例えば、以下のように構成する。
被係止手段の取付部を、開閉方向Vに沿って延長する平面を有したベース板(例えば、
図3(b)に示した取付板部7Xや、
図9、
図10(b)に示した取付板部7X)と、基準面42cを形成する曲面に沿って当該基準面42cを形成する曲面と合致する真正曲面と当該真正曲面と対向する平面とを備えた板(例えば、
図3(b)に示した基準平面7mと基準面42cとの間の隙間Gを埋める断面形状に形成された板や、
図9、
図10(b)に示した一方の板面7Eと基準面42wや基準面42cとの間の隙間Gを埋める断面形状に形成された板)とにより形成して、被係止手段の取付部における一方の板面を、ベース板の平面と板の平面とが面接触して連結されたことにより構成された板の真正曲面にする。
このようにすれば、一方の板面と基準面42cとの密着性を高めることができるので、開閉体4の幅方向端部40の被取付面42aに被係止手段7が取付けられて構成された開閉体4の幅方向端部40の変形を抑制できて、開閉体4の幅方向端部40のガイドレール5からの抜け防止効果を向上させることができるようになる。
【0062】
尚、実施形態1,3では、被係止面7Aに被係止凹部7aを備えた構成の被係止手段7を例示したが、被係止凹部7aは無くてもよい。
【0063】
また、各実施形態では、開閉体の幅方向端部の被取付面の一部を構成する基準面として、曲面や凹凸面を備えた例を示したが、当該基準面は、どのような面であってもかまわない。例えば、開閉方向Vに沿った平面であってもよい。
つまり、本発明では、被係止手段の取付部における開閉方向に沿った両端部が端部側壁面に取付けられた構成であればよい。
【0064】
また、各端部側壁面(即ち、開閉方向Vの上下で向かい合う上端部側壁面及び下端部側壁面)42b,42bは、基準面42c,42wの開閉方向Vの両端側より当該基準面42c,42wと交差する方向に延長するように設けられて上下で互いに対向する壁面に形成されれば良いが、好ましくは、上下で互いに平行に対向する壁面ではなく、
図3(b)、
図9、
図10に示したように、基準面42c,42wの開閉方向Vの両端側より互いに若干離れるように延長する壁面に形成されることが好ましい。
【0065】
また、係止手段6は、断面コ字状のガイドレールの一方の側壁に、開閉体4の開閉方向Vに連続するように設けられたフラットバー等の平板の角部により形成されたものであってもよい。
【0066】
本発明の適用対象となる開閉装置(シャッター装置)の開閉体(シャッターカーテン)の構成態様としては、所謂スラットを開閉方向に複数連設した態様だけではなく、パイプ、パネル、シート状物又はネット状物を単数もしくは複数連設して成る態様の開閉体、あるいは、スラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物を適宜に組み合せた開閉体でもよい。所謂、オーバヘッドタイプの開閉体にも適用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 シャッター装置(開閉装置)、4 開閉体、5 ガイドレール、5a ガイド溝、
6 係止手段、7 被係止手段、7A 被係止面、7E 一方の板面、
7F 一方の板面、7G 疑似曲面、7X 取付板部(取付部)、
7Y 被係止板部(被係止部)、7m 基準平面、7e 端部側平面、
40 開閉体の幅方向端部、41s 開閉体の幅方向端縁、
42a 被取付面、42b 端部側壁面、42c,42w 基準面、
V 開閉体の開閉方向、W 開閉体の幅方向、WC 凸部。