(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089537
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
G01G19/387 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204098
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】菊池 孝平
(72)【発明者】
【氏名】谷口 豪
(72)【発明者】
【氏名】西 竜矢
(72)【発明者】
【氏名】薮田 真尚
(57)【要約】
【課題】滑落する物品の落下速度を制限できると共に、集合ファネルから物品を円滑に排出できる組合せ秤を提供する。
【解決手段】周壁を有するシャッタ21と、該シャッタ21を、集合ファネル10の内方中心部で、昇降及び旋回させるシャッタ駆動機構22,23とを備え、シャッタ駆動機構22は、シャッタ21を降下させて、集合ファネル10の下端開口を前記周壁で囲んで閉止し、シャッタ21を上昇させて、集合ファネル10の下端開口を開放するものであって、シャッタ駆動機構23は、シャッタ21を縦向き支点p周りに旋回させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される物品を放射状に分散搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に配設されて、前記分散フィーダからの物品をそれぞれ搬送する複数のリニアフィーダと、各リニアフィーダを介して供給される物品を保持して排出する複数のホッパと、前記複数のホッパから排出される物品を集合させて排出する集合シュートと、該集合シュートの下方に配置されて、前記集合シュートから排出される前記物品を集合させて下方へ排出する集合ファネルとを備える組合せ秤であって、
周壁を有するシャッタと、該シャッタを、前記集合ファネルの内方中心部で、昇降及び旋回させるシャッタ駆動機構とを備え、
前記シャッタ駆動機構は、前記シャッタを降下させて、前記集合ファネルの下端開口を前記周壁で囲んで閉止し、前記シャッタを上昇させて、前記集合ファネルの前記下端開口を開放するものであって、前記シャッタ駆動機構は、前記シャッタを縦向き支点周りに旋回させる、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
前記シャッタ駆動機構は、前記シャッタを上昇させるのに連動して前記シャッタを旋回させる、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記シャッタ駆動機構は、前記シャッタを昇降させる昇降駆動機構と、前記シャッタを旋回させる旋回駆動機構とを備える、
請求項1または2に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記シャッタは、筒状の前記周壁を有する、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記シャッタは、金属製の支持筒と、該支持筒の外側に装着される弾性材料からなるシャッタ本体とを有する、
請求項4に記載の組合せ秤。
【請求項6】
前記シャッタ本体の少なくとも下部が、前記支持筒より下方に延出している、
請求項5に記載の組合せ秤。
【請求項7】
前記シャッタ駆動機構によって昇降及び旋回されるシャッタ支持部材を備え、前記シャッタは、前記シャッタ支持部材に着脱可能に取り付けられる、
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ秤に関し、更に詳しくは、複数のホッパから排出される物品を集合させて下方へ排出する集合ファネルを備える組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤として、例えば、特許文献1に示されているように、組合せ演算によって所定重量範囲となる適量組合せとして選択された複数のホッパから排出された物品を、集合シュートを介して装置中心下方に滑落案内し、リングシャッタを備えた集合ファネルに集めて一時保持して排出するように構成したものが知られている。
【0003】
この組合せ秤では、円筒状のリングシャッタを昇降することで集合ファネルの下端開口を開閉するようにしており、降下させたリングシャッタによって、集合シュートを滑落する物品を一旦停止させて、物品の落下速度が大きくならないようにして、物品の破損を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、上記のように、円筒状のリングシャッタを昇降させるが、リングシャッタを上昇させて集合ファネルを開放する際に、例えば、長い物品では、その一端がリングシャッタの外周面に、その他端が集合ファネルの内周面にそれぞれ当接して、前記一端が、リングシャッタの上昇に応じて上方へ移動し、物品が立ち上がるようにして、リングシャッタの外周面と集合ファネルの内周面とに亘ってブリッジ状に引っ掛かる場合がある。
【0006】
この場合、引っ掛かった物品が排出されずに集合ファネル内に留まり、集合シュートから滑落してくる次回の物品と共に集合ファネルから排出され、排出される物品の重量が、所定重量範囲から外れることがある。
【0007】
開放時にリングシャッタを、前記物品の前記一端がリングシャッタの外周面に当接できなくなって、ブリッジ状の引っ掛かりが解除される高さ以上に大きく上昇させれば、上記不具合を回避することができるのであるが、これでは、リングシャッタの昇降ストロークが大きくなり、その分、装置が大型化すると共に、開閉作動に要する時間が長くなってしまう。
【0008】
また、引っ掛かった物品が、集合ファネル内に留まるのではなく、リングシャッタの上昇に伴なって引っ掛かりが解除されて、先に落下した他の物品群に遅れて落下し、集合ファネルの下方に配置されている包装装置に遅れて投入され、包装装置で、当該物品の噛み込みによるシール不良が生じることがある。
【0009】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、滑落する物品の落下速度を制限できると共に、集合ファネルから物品を円滑に排出できる組合せ秤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0011】
(1)本発明に係る組合せ秤は、供給される物品を放射状に分散搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの周囲に配設されて、前記分散フィーダからの物品をそれぞれ搬送する複数のリニアフィーダと、各リニアフィーダを介して供給される物品を保持して排出する複数のホッパと、前記複数のホッパから排出される物品を集合させて排出する集合シュートと、該集合シュートの下方に配置されて、前記集合シュートから排出される前記物品を集合させて下方へ排出する集合ファネルとを備える組合せ秤であって、
周壁を有するシャッタと、該シャッタを、前記集合ファネルの内方中心部で、昇降及び旋回させるシャッタ駆動機構とを備え、前記シャッタ駆動機構は、前記シャッタを降下させて、前記集合ファネルの下端開口を前記周壁で囲んで閉止し、前記シャッタを上昇させて、前記集合ファネルの前記下端開口を開放するものであって、前記シャッタ駆動機構は、前記シャッタを縦向き支点周りに旋回させる。
【0012】
本発明に係る組合せ秤によると、シャッタを降下させて閉止状態にした集合ファネルに物品を保持した後、シャッタを上昇させて物品を排出する際に、シャッタの外周面と集合ファネルの内周面とに亘って物品がブリッジ状に引っ掛かりかけても、シャッタを旋回させることによって、引っ掛かりを阻止して物品を、確実に落下排出することができる。
【0013】
したがって、シャッタは、集合ファネルの下端開口を物品排出に足る最小限度の開度で開放する高さまで上昇させればよく、小さいストロークでシャッタを素早く昇降して、物品を円滑、かつ、確実に排出することができる。
【0014】
(2)本発明の一実施態様では、前記シャッタ駆動機構は、前記シャッタを上昇させるのに連動して前記シャッタを旋回させる。
【0015】
この実施態様によると、シャッタを上昇させるのに連動してシャッタを旋回させることによって、物品が、ブリッジ状に引っ掛かることがなく、物品を確実に落下排出することができる。
【0016】
(3)本発明の他の実施態様では、前記シャッタ駆動機構は、前記シャッタを昇降させる昇降駆動機構と、前記シャッタを旋回させる旋回駆動機構とを備える。
【0017】
この実施態様によると、シャッタの旋回タイミングや旋回速度を昇降作動に対して任意に設定、及び、変更することができ、物品のブリッジ状の引っ掛かりを、効果的に阻止することができる。
【0018】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記シャッタは、筒状の前記周壁を有する。
【0019】
この実施態様によると、シャッタは、筒状の周壁を有し、内部は中空であるので、軽量に構成することができ、昇降及び旋回させる駆動機構を小出力のもので済ますことができると共に、高速の作動が可能となる。
【0020】
(5)本発明の一実施態様では、前記シャッタは、金属製の支持筒と、該支持筒の外側に装着される弾性材料からなるシャッタ本体とを有する。
【0021】
この実施態様によると、集合ファネルに流下供給されてくる物品をシャッタ本体で緩衝的に受止めることができ、物品の損傷防止に有効となる。
【0022】
(6)本発明の他の実施態様では、前記シャッタ本体の少なくとも下部が、前記支持筒より下方に延出している。
【0023】
この実施態様によると、集合ファネルに流下供給されてくる物品は、閉止位置に下降したシャッタ本体の下部、すなわち、弾性変形が容易な筒状部位で受止められるので、緩衝効果が一層高いものとなる。
【0024】
また、シャッタを降下させて集合ファネルの下端開口を閉止する際、シャッタ本体の下端が金属製の集合ファネルの内面に高速で当接しても、大きい衝突音が発生することがない。
【0025】
(7)本発明の更に他の実施態様では、前記シャッタ駆動機構によって昇降及び旋回されるシャッタ支持部材を備え、前記シャッタは、前記シャッタ支持部材に着脱可能に取り付けられる。
【0026】
この実施態様によると、シャッタは、シャッタ支持部材に着脱可能であるので、シャッタの洗浄や取り替えを簡単に行うことができ、メンテナンス性に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0027】
このように本発明によれば、シャッタを降下させて閉止状態にした集合ファネルに物品を保持した後、シャッタを上昇させて物品を排出する際に、シャッタの外周面と集合ファネルの内周面とに亘って物品がブリッジ状に引っ掛かりかけても、シャッタを旋回させることによって、引っ掛かりを阻止して物品を、確実に落下排出することができる。
【0028】
これによって、シャッタは、集合ファネルの下端開口を物品排出に足る最小限度の開度で開放する高さまで上昇させればよく、小さいストロークでシャッタを素早く昇降して、物品を円滑、かつ、確実に排出することができる。
【0029】
また、集合シュートを滑落する物品を、シャッタで一旦受止めて、物品の落下速度が大きくならないようにしているので、物品の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図である。
【
図2】
図2はシャッタ装置のシャッタ開放状態を示す一部切欠き正面図である。
【
図3】
図3はシャッタ装置のシャッタ閉止状態を示す正面図である。
【
図4】
図4はシャッタ装置の斜視図であり、(a)はシャッタ開放状態、(b)はシャッタ閉止状態を示す。
【
図5】
図5はシャッタの着脱構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に、本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す縦断正面図が示されている。
【0032】
この実施形態の組合せ秤は、各種の食品などの物品を所定量ずつ計量して排出するものであって、作業者が上り下り可能な櫓状に組み立てられたフレームにおける階上部の床面Fに設置されると共に、計量された物品を階下に設置した包装装置に投入して袋詰めする包装ラインに利用される。
【0033】
床面Fには、中央部が上下に貫通開口された中空の基台1が設置され、その中央上方に、多角短柱状に形成された中空構造のセンター基体2が複数本の脚部3を介して支持されている。
【0034】
センター基体2の中心部上方には、図示されていない供給コンベヤから供給される物品を、振動駆動されるトップコーン4aによって放射状に分散搬送する分散フィーダ4が装備されると共に、この分散フィーダ4を取り囲んで、分散搬送された物品を、振動駆動されるトラフ5aに載置して外方に向けて直進搬送する多数台のリニアフィーダ5が放射状に設けられている。なお、分散フィーダ4への物品の供給経路は、供給ガイド6で囲われ、物品の周囲への飛散が防止されるようになっている。
【0035】
更に、センター基体2の外周壁部には、各リニアフィーダ5で搬送されてきた物品を一旦貯留して排出する供給ホッパ7と、各供給ホッパ7から排出された物品を計量して排出する計量ホッパ8とが装備されている。これらリニアフィーダ5、供給ホッパ7、及び、計量ホッパ8を一連とする多数連の計量ユニットによって物品の組合せ計量及び排出が行われる。
【0036】
各計量ホッパ8下方には、所定の重量範囲となるように組合せ演算によって選択された複数の計量ホッパ8から排出された物品を、装置中央の下方に向けて流下案内する集合シュート9が配備されると共に、集合シュート9の下方には、集合シュート9に沿って流下した物品を装置中心部に集める集合ファネル10が配備されている。更に、集合ファネル10の下方に、集合ファネル10で集められた物品を一旦保持し、包装装置側からの排出要求指令に基づいて排出する集合ホッパ11が配備されている。
【0037】
本実施形態においては、集合シュート9に沿って滑落案内された物品が、集合ファネル10を経て集合ホッパ11に供給される際に、落下速度が増大して物品が損傷するのを防止するために、物品を集合ファネル10で一旦保持するシャッタ装置20が備えられている。以下、このシャッタ装置20の詳細な構造を、
図2~
図6を参照しながら説明する。
【0038】
図2は、シャッタ装置20のシャッタ開放状態を示す一部切欠き正面図であり、
図3は、シャッタ装置20のシャッタ閉止状態を示す正面図であり、
図4はシャッタ装置の斜視図であり、
図5は、シャッタの着脱構造を示す斜視図であり、
図6は、シャッタの分解斜視図である。
【0039】
シャッタ装置20には、周壁を備えた円筒状のシャッタ21、シャッタ21を集合ファネル10内で昇降させる昇降駆動機構としてのエヤーシリンダ22、及び、シャッタ21をその中心の縦向き支点p周りに旋回させる旋回駆動機構としてのエヤーモータ23が備えられている。シャッタ装置20では、シャッタ21を昇降して集合ファネル10の下端開口を開閉すると共に、昇降に連動してシャッタ21を縦向き支点p周りに旋回させるように構成されている。
【0040】
エヤーモータ23は、センター基体2における底板2aの中心部に連結固定され、モータ下面から突出された図示されていない回動軸に、逆L形に屈折した支持ブラケット24が連結されると共に、この支持ブラケット24にエヤーシリンダ22が縦向きに連結支持されている。
【0041】
エヤーシリンダ22の下面から突出されたピストンロッド22aの下端に、横長のシャッタ支持部材25が連結されると共に、ピストンロッド22aの両側において、シャッタ支持部材25から上方に向けて鉛直に立設された一対のガイド軸26が、エヤーシリンダ22のケーシング部に上下スライド可能に挿通されている。
【0042】
シャッタ21は、
図6の分解斜視図に示すように、天板部27aを備えた金属製の支持筒27に、ウレタンゴムなどの弾性材料からなる円筒状のシャッタ本体28を外嵌し、締結バンド29を巻き付けて固定している。なお、この実施形態では、シャッタ本体28の下半部が支持筒27の下端より下方に延出されており、シャッタ閉止状態において、集合ファネル10に集められる物品をシャッタ本体28の下半部で緩衝的に受止めると共に、シャッタ下降時に、シャッタ本体28の下端が集合ファネル10に騒音の発生なく弾性的に当接するようになっている。
【0043】
また、支持筒27の天井部及び周部には、多数の抜き孔30が形成されて、シャッタ21全体の軽量化が図られている。
【0044】
支持筒27における天板部27aの上方には、横長の連結板31が配備され、連結板31の下面に植え込み固定したボルト32を天板部27aに挿通し、ボルト32に装備した上下のロックナット33、34を締め込むことで、シャッタ21に連結板31を連結固定するようになっている。
【0045】
連結板31における両端部の一側辺から、一対の連結片31aが片持ち状に連設されると共に、各連結片31aには、片持ち遊端側に向けて開口する連結溝35がそれぞれ形成されている。
【0046】
図5に示すように、シャッタ支持部材25の両端部近くにはハンドル付きの連結ボルト36が備えられている。連結板31の連結片31aをシャッタ支持部材25の上面に載せ付けながら、連結溝35の奥端まで連結ボルト36に係合し、連結ボルト36を締め込むことで、シャッタ支持部材25にシャッタ21を連結固定することができる。また、連結ボルト36を弛めることで、シャッタ21をシャッタ支持部材25から側方に抜き外すことができる。
【0047】
シャッタ装置20は以上のように構成されており、
図3に示すように、シャッタ本体28の下端が集合ファネル10の内面に当接するまでシャッタ21が下降されることで、集合ファネル10の下端開口がシャッタ21の周壁によって囲まれて閉止され、ここに組合せ演算で選択された計量ホッパ8から排出された物品が集合シュート9を介して流下投入され、所定重量範囲の物品が、シャッタ21の周壁と集合ファネル10の内周面との間に形成された環状空間に一時保持される。
【0048】
この際、シャッタ21の下半部は、ウレタンゴムなどの弾性材料からなるシャッタ本体28のみで形成されているので、流下投入される物品は、シャッタ21の周壁下半部で緩衝的に受止められることになり、物品は損傷することなく集合保持される。
【0049】
シャッタ21が閉止されて、物品が一旦集合保持された後、
図2に示すように、シャッタ21が上昇駆動されて集合ファネル10の下端開口が開放され、集合保持された物品は排出されて集合ホッパ11に送り込まれる。また、シャッタ21の上昇駆動に連動して、シャッタ21が、例えば、90度に亘って旋回駆動される。
【0050】
従って、シャッタ21の上昇によって、物品の一端がシャッタ21の外周面に、他端が集合ファネル10の内周面にそれぞれ当接して、前記一端が、シャッタ21の上昇に応じて上方へ移動し、物品が立ち上がるようにして、シャッタ21の外周面と集合ファネル10の内周面とに亘ってブリッジ状に引っ掛かりかけても、シャッタ21の旋回によって、物品の前記一端とシャッタ21の外周面との当接が解除され、物品は立ち上がることができず、ブリッジ状に引っ掛かることがなく、物品は確実に落下排出される。
【0051】
これによって、例えば、今回排出されるべき物品が、シャッタ21の外周面と集合ファネル10の内周面とに亘ってブリッジ状に引っ掛かって、集合ファネル10内に留まってしまい、次回の物品と共に、集合ファネル10から排出され、所定重量範囲から外れた重量の物品が排出されるといったことがなく、誤計量を防止することができる。
【0052】
更に、シャッタ21の外周面と集合ファネル10の内周面とに亘ってブリッジ状に引っ掛かった物品が、集合ファネル10内に留まるのではなく、先に落下した他の物品群に遅れて落下し、集合ファネルの下方に配置されている包装装置に遅れて投入されて、包装装置で、遅れて投入された物品の噛み込みによるシール不良が生じるといったこともない。
【0053】
なお、この実施形態では、シャッタ21の降下駆動に連動して、シャッタ21は、90度に亘って上昇時とは逆方向へ旋回駆動される。
【0054】
[他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0055】
(1)シャッタ21が上昇して開放作動する際に、シャッタ21が少し旋回するだけでも、シャッタ21の外周面と集合ファネル10の内周面とに亘ってブリッジ状に引っ掛かりかけている物品は落下するので、シャッタ21の旋回角度は90度より小さくてもよい。
【0056】
(2)上記実施形態では、シャッタ21を昇降に連動して所定角度で往復旋回させるように設定しているが、シャッタ21を旋回させる形態は任意に設定することができる。例えば、シャッタ21が降下する際には旋回せず、シャッタ21が上昇作動する時にのみ所定角度で往復旋回するようにしてもよい。また、シャッタ21の上昇作動に連動して、小角度で複数回にわたって往復旋回するようにしてもよい。あるいは、シャッタ21の上昇作動の直前に、旋回させてもよい。
【0057】
(3)シャッタ21を昇降及び旋回させる駆動機構としては、エヤーシリンダやエヤーモータを利用する他、電動シリンダや電動モータを用いることもできる。
【0058】
(4)シャッタ本体28は円筒状に一体成型したものでもよいが、弾性材料からなるシート材を支持筒27に筒状に巻き付けてシャッタ本体28を形成してもよい。
【0059】
(5)シャッタ21は必ずしも中空の円筒状である必要はなく、円柱状のものであってもよい。例えば、発泡樹脂材を円柱状に形成したシャッタ本体を、金属材からなる取付け板の下面に連結する構造とすることでも軽量化を図ると共に、物品を緩衝的に受止めることができる。この場合、円柱状シャッタ本体の外周面を、物品が付着しにくい樹脂材でコーティングした平滑面にしておくことが望ましい。
【0060】
(6)上記実施形態では、計量した物品を集合ファネル10で一時貯留した後、集合ホッパ11に送り込むようにしているが、集合ファネル10から直接に包装装置へ排出する形態で実施することもできる。
【符号の説明】
【0061】
9 集合シュート
10 集合ファネル
20 シャッタ装置
21 シャッタ
22 昇降駆動機構(エヤーシリンダ)
23 旋回駆動機構(エヤーモータ)
27 支持筒
28 シャッタ本体
p 縦向き支点