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特開2023-89640中入れ金型装置、プレスブレーキ、及びプレスブレーキの曲げ加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089640
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】中入れ金型装置、プレスブレーキ、及びプレスブレーキの曲げ加工方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 37/04 20060101AFI20230621BHJP
   B21D 5/02 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
B21D37/04 R
B21D5/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204257
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正昭
【テーマコード(参考)】
4E050
4E063
【Fターム(参考)】
4E050CA02
4E050CB01
4E050CC01
4E050CD01
4E050CD03
4E050CD04
4E063AA01
4E063BA07
4E063CA05
4E063DA14
4E063DA17
4E063DA19
(57)【要約】
【課題】耳部が一体に造形された金型を用いて曲げ加工を行い、ワークの加工品質の向上を図る。
【解決手段】中入れ金型装置6は、複数の上金型13の間に位置するように上部ホルダ32に装着されるスペーサ金型16に対して着脱自在に構成され、スペーサ金型16に装着された状態において複数の上金型13とともにワークWへの前記曲げ加工を行う中入れ金型17と、スペーサ金型16に対して中入れ金型17が装着される装着位置と、中入れ金型17がスペーサ金型16から離間した待避位置との間で中入れ金型17を移動させる金型移動機構60と、を備えている。複数の上金型13は、側方へと張り出した耳部15dが一体に造形された耳金型15を左右両端に含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに密着した複数の金型が、左右方向に延在するテーブルに設けられた金型ホルダに装着され、前記テーブルがワークに対して相対的に下降することで曲げ加工を行うプレスブレーキに搭載される中入れ金型装置において、
前記複数の金型の間に位置するように前記金型ホルダに装着されるスペーサ金型に対して着脱自在に構成され、前記スペーサ金型に装着された状態において前記複数の金型とともに前記ワークへの前記曲げ加工を行う中入れ金型と、
前記スペーサ金型に対して前記中入れ金型が装着される装着位置と、前記中入れ金型が前記スペーサ金型から離間した待避位置との間で前記中入れ金型を移動させる金型移動機構と、を備え、
前記複数の金型は、側方へと張り出した耳部が一体に造形された耳金型を左右両端に含んでいる
中入れ金型装置。
【請求項2】
前記金型移動機構は、
前記中入れ金型と結合されており、前記中入れ金型が前記スペーサ金型に装着されている間は、前記中入れ金型を前記装着位置で保持する
請求項1記載の中入れ金型装置。
【請求項3】
前記金型移動機構は、
前記複数の金型が前記スペーサ金型を中心に密着した第1状態から、前記スペーサ金型の左右に隣接する金型のそれぞれが左右方向にかけて前記スペーサ金型から離間した第2状態へと切り替えられた状態で、前記中入れ金型を前記装着位置へと移動させる
請求項1又は2記載の中入れ金型装置。
【請求項4】
前記中入れ金型は、前記スペーサ金型に対して装着された状態で前記金型ホルダの下方に位置し、
前記金型ホルダのクランプ動作に伴って前記スペーサ金型が上方へと引き上げられると、前記スペーサ金型に装着された前記中入れ金型も上方へと引き上げられて、前記中入れ金型の上面が前記金型ホルダの下面に対して密着する
請求項1から3いずれか一項記載の中入れ金型装置。
【請求項5】
前記金型移動機構は、
前記中入れ金型が固定される固定ブラケットを備え、
前記固定ブラケットは、
前記金型移動機構において上下方向へ移動自在に構成されている
請求項1から4いずれか一項記載の中入れ金型装置。
【請求項6】
前記金型移動機構は、
前記テーブルの後面に上端側が軸支されて下端側が揺動するように構成されており、前記テーブルに沿って垂下した第1姿勢と、前記テーブルに対して所定の角度だけ傾斜した第2姿勢との間で可動する可動アームと、
前記可動アームの下端に、前後方向に沿って移動自在に配置された可動ブロックと、を更に備え、
前記固定ブラケットは、
前記可動ブロックに取り付けられており、前記可動ブロックに対して上下方向へ移動自在に構成されている
請求項5記載の中入れ金型装置。
【請求項7】
前記中入れ金型は、
前記可動アームが前記第1姿勢にあるときに前記スペーサ金型の後方に正対し、前記可動ブロックが前方に向かって進出することで前記装着位置まで到達する
請求項6記載の中入れ金型装置。
【請求項8】
前記金型ホルダは、
左右方向に沿って連続的かつ直線状に延在しており、
前記スペーサ金型及び前記複数の金型は、
前記金型ホルダの左右方向の端部から、前記金型ホルダに対して装着される、又は前記金型ホルダの上下方向の下側から、前記金型ホルダに対して装着される
請求項1から7いずれか一項記載の中入れ金型装置。
【請求項9】
互いに密着した複数の金型が、左右方向に延在するテーブルに設けられた金型ホルダに装着され、前記テーブルが前記ワークに対して相対的に下降することで曲げ加工を行うプレスブレーキ本体と、
請求項1から8いずれか一項記載の中入れ金型装置と、
を備えるプレスブレーキ。
【請求項10】
金型ホルダが左右方向に沿って設けられたテーブルがワークに対して相対的に下降することで曲げ加工を行うプレスブレーキの曲げ加工方法において、
側方へと張り出した耳部が一体に造形された耳金型が左右両端に配置された複数の金型と、前記複数の金型の間に配置されるスペーサ金型とを前記金型ホルダに装着する装着工程と、
前記スペーサ金型よりも左側に配置された金型と、前記スペーサ金型よりも右側に配置された金型とを前記スペーサ金型を中心にそれぞれ移動させる移動工程と、を備え、
前記スペーサ金型は、前記ワークに対して前記曲げ加工を行う中入れ金型が取外自在に装着される被装着部材である
プレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項11】
前記移動工程は、
前記スペーサ金型に対して密着するように、前記スペーサ金型よりも左側に配置された金型と、前記スペーサ金型よりも右側に配置された金型とを、前記スペーサ金型に向けてそれぞれ移動させる第1工程と、
前記スペーサ金型よりも左側に配置された金型と、前記スペーサ金型よりも右側に配置された金型とを前記スペーサ金型から離れる方向にそれぞれ移動させて、前記スペーサ金型の左右側方に前記中入れ金型が進入可能なスペースを形成する第2工程と、を含む
請求項10記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項12】
前記第1工程の後、前記テーブルを前記ワークに対して相対的に下降させ、
前記ワークを加圧する位置よりも所定の距離だけ上方に位置する第1下降位置まで前記テーブルが到達したときに下降を停止させ、その後に前記第2工程を行う
請求項11記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項13】
前記第2工程の後、前記中入れ金型を前記スペーサ金型に対して装着する装着工程をさらに備える
請求項12記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項14】
前記移動工程は、
前記スペーサ金型に対して前記中入れ金型が装着された状態において、前記中入れ金型に対して密着するように、前記中入れ金型よりも左側に配置された金型と、前記中入れ金型よりも右側に配置された金型とを、前記スペーサ金型に向けてそれぞれ移動させる第3工程をさらに含む
請求項10から13いずれか一項記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項15】
前記中入れ金型は、前記スペーサ金型に対して装着された状態で前記金型ホルダの下方に位置し、
前記金型ホルダのクランプ動作に伴って前記スペーサ金型が上方へと引き上げられると、前記スペーサ金型に装着された前記中入れ金型も上方へと引き上げられて、前記中入れ金型の上面が前記金型ホルダの下面に対して密着する
請求項13又は14記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項16】
前記第1下降位置から下死点まで前記テーブルを前記ワークに対して相対的に下降させた後、前記第1下降位置まで前記テーブルを前記ワークに対して相対的に上昇させる曲げ工程と、
前記ワークを後方へと水平移動した後、前記中入れ金型を後方へと移動させて前記中入れ金型を前記スペーサ金型から取り外す取外工程と、をさらに備える
請求項12記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項17】
前記移動工程は、
前記取外工程の後、前記スペーサ金型に対して密着するように、前記スペーサ金型よりも左側に配置された金型と、前記スペーサ金型よりも右側に配置された金型とを、前記スペーサ金型に向けてそれぞれ移動させる第4工程を含み、
前記第4工程の後、前記第1下降位置から前記テーブルを前記ワークに対して相対的に上昇させる
請求項16記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項18】
前記プレスブレーキは、
前記複数の金型及び前記スペーサ金型を保持する金型保持部材を含み、左右方向へ移動可能に前記テーブルに設けられた移動体を備える
請求項10から17いずれか一項記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項19】
前記プレスブレーキは、
前記スペーサ金型に対して前記中入れ金型が装着される装着位置と、前記中入れ金型が前記スペーサ金型から離間した待避位置との間で前記中入れ金型を移動させる中入れ金型装置を、前記テーブルの後方に備える
請求項10から18いずれか一項記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【請求項20】
前記中入れ金型装置は、
前記中入れ金型と結合されており、前記スペーサ金型に対して前記中入れ金型を装着している間は、前記中入れ金型を前記装着位置で保持する
請求項19記載のプレスブレーキの曲げ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中入れ金型装置、プレスブレーキ、及びプレスブレーキの曲げ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、金型本体の側方に可動耳部を備える、ワークの箱曲げ用のパンチ金型が開示されている。金型本体の側方には、ピンを介してリンク部材の一端が揺動可能に支持されている。リンク部材の他端には、ピンを介して可動耳部が取り付けられている。この構成によれば、可動耳部が、金型本体の下方にリンク部材を介してぶら下がっている。パンチ金型が下降し、ダイ上のワークに当接すると、可動耳部が移動して金型本体に対する正規位置へと到達することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-76612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、可動耳部が移動可能に構成されているため、曲げ加工時に可動耳部に不要な挙動が発生する虞がある。そのため、耳部が一体に造形された金型を用いた場合と比較して、ワークの加工品質に影響が及んでしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の中入れ金型装置は、互いに密着した複数の金型が、左右方向に延在するテーブルに設けられた金型ホルダに装着され、テーブルがワークに対して相対的に下降することで曲げ加工を行うプレスブレーキに搭載される中入れ金型装置において、
複数の金型の間に位置するように金型ホルダに装着されるスペーサ金型に対して着脱自在に構成され、スペーサ金型に装着された状態において複数の金型とともにワークへの曲げ加工を行う中入れ金型と、スペーサ金型に対して中入れ金型が装着される装着位置と、中入れ金型がスペーサ金型から離間した待避位置との間で中入れ金型を移動させる金型移動機構と、を備え、複数の金型は、側方へと張り出した耳部が一体に造形された耳金型を左右両端に含んでいる。
【0006】
本発明の一態様の中入れ金型装置によれば、金型ホルダに装着されたスペーサ金型に対して中入れ金型を装着したり、取り外したりすることができる。中入れ金型の装着の有無に応じて、スペーサ金型の左右に配置された金型をそれぞれ移動させることで、金型ホルダに装着される金型の全幅をコントロールすることができる。これにより、耳部が一体に造形された耳金型を利用する場合に、ワークのフランジ部との干渉を抑制しつつ、曲げ加工時における必要な曲げ長さを得ることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、耳部が一体に造形された金型を用いて曲げ加工を行うことができるので、ワークの加工品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る中入れ金型装置の構成を模式的に示す側面図である。
図2図2は、本実施形態に係るプレスブレーキの構成を模式的に示す正面図である。
図3図3は、上部ホルダに沿って配列される金型を説明する図である。
図4図4は、中入れ金型装置の要部を拡大して示す説明図である。
図5図5は、中入れ金型装置の中入れ金型とスペーサ金型との関係を示す説明図である。
図6図6は、上部ホルダに沿って配列される金型を説明する図である。
図7図7は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図8図8は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図9図9は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図10図10は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図11図11は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図12図12は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図13図13は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図14図14は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図15図15は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
図16図16は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本実施形態に係る中入れ金型装置、プレスブレーキ、及びプレスブレーキの曲げ加工方法について説明する。本明細書では、方向の定義として、「左右方向」、「前後方向」、及び「上下方向」を定める。左右方向及び前後方向は、水平方向において直交する2つの方向に対応し、上下方向は鉛直方向に対応する。これらの方向は、中入れ金型装置及びプレスブレーキの構成を説明するために、便宜的に用いられるに過ぎない。また、「幅」とは、左右方向における長さをいう。
【0010】
まず、図1乃至図3を参照し、本実施形態に係る中入れ金型装置の概要を説明する。図1は、本実施形態に係る中入れ金型装置の構成を模式的に示す側面図である。図2は、本実施形態に係るプレスブレーキの構成を模式的に示す正面図である。図3は、上部ホルダに沿って配列される金型を説明する図である。
【0011】
中入れ金型装置6は、互いに密着した複数の上金型13が、左右方向に延在する上部テーブル26に設けられた上部ホルダ32に装着され、上部テーブル26がワークWに対して相対的に下降することで曲げ加工を行うプレスブレーキ1に搭載される。中入れ金型装置6は、複数の上金型13の間に位置するように上部ホルダ32に装着されるスペーサ金型16に対して着脱自在に構成され、スペーサ金型16に装着された状態において複数の上金型13とともにワークWへの前記曲げ加工を行う中入れ金型17と、スペーサ金型16に対して中入れ金型17が装着される装着位置と、中入れ金型17がスペーサ金型16から離間した待避位置との間で中入れ金型17を移動させる金型移動機構60と、を備えている。複数の上金型13は、側方へと張り出した耳部15dが一体に造形された耳金型15を左右両端に含んでいる。
【0012】
図2及び図3を参照し、中入れ金型装置6が搭載されるプレスブレーキ1の詳細について説明する。
【0013】
図2に示すように、プレスブレーキ1は、例えば板金といった板状のワークWに対して曲げ加工を行う曲げ加工機である。プレスブレーキ本体10は、ダイなどの下金型11と、パンチなどの上金型13との協働によりワークWに対して曲げ加工を行う。本実施形態は、ワークWの箱曲げによって、左右のそれぞれに内方へと向かって延出するフランジ部fwを有した箱状の製品を製作するプレスブレーキ1に好適である。
【0014】
プレスブレーキ1は、プレスブレーキ本体10と、左右の下金型交換ユニット40L、40Rと、左右の上金型交換ユニット50L、50Rと、中入れ金型装置6と、制御装置100とを有している。
【0015】
プレスブレーキ本体10は、本体フレーム18を備えている。本体フレーム18は、左右方向に離間して対向した左右のサイドプレート20を有している。本体フレーム18の下部には、左右方向に延在する下部テーブル24が設けられ、本体フレーム18の上部には、左右方向に延在する上部テーブル26が設けられている。上部テーブル26は、上下方向に沿って移動可能に構成されている。各サイドプレート20の上部には、上部テーブル26を上下方向に沿って昇降させるアクチュエータ、例えば油圧シリンダ28が設けられている。なお、上部テーブル26を上下方向に沿って昇降する代わりに、下部テーブル24を上下方向に沿って昇降させてもよい。上下移動用のアクチュエータは、油圧シリンダ28に代えてサーボモータを用いてもよい。
【0016】
下部テーブル24の上側には、下金型11が装着される下部ホルダ30が設けられている。下部ホルダ30は、左右方向に沿って連続的に延在しており、下部テーブル24の全域に亘って直線状に設けられている。下部ホルダ30には、下金型11を装着するためのホルダ溝(図示せず)が左右方向に沿って形成されている。下部ホルダ30は、下金型11を下部テーブル24に対して固定するクランプ動作を行う油圧式のクランプ部(図示せず)を有している。
【0017】
上部テーブル26の下側には、上金型13が装着される上部ホルダ32が設けられている。上部ホルダ32は、左右方向に沿って連続的に延在しており、上部テーブル26の全域に亘って直線状に設けられている。上部ホルダ32には、上金型13を装着するためのホルダ溝(図示せず)が左右方向に沿って形成されている。上部ホルダ32は、上金型13を上部テーブル26に対して固定するクランプ動作を行う油圧式のクランプ部(図示せず)を有している。
【0018】
図3を参照し、上部ホルダ32に沿って配置される金型について説明する。上部ホルダ32には、箱曲げ用に組み合わせられた複数の上金型13が装着される。複数の上金型13は、複数の分割金型14と、左右両端に位置する一組の耳金型15とを含んでいる。上部ホルダ32には、中入れ金型装置6の一部であるスペーサ金型16も装着される。
【0019】
分割金型14は、ワークWの曲げ加工を行うための金型である。分割金型14は、ワークWの加工を行うワーク加工部14zと、上部ホルダ32のホルダ溝に対して着脱自在なシャンク部14aとを備えている。分割金型14のシャンク部14aには、クランプ部によるクランプ動作が解除されている状態でも、ホルダ溝に対して引っかかることで分割金型14がホルダ溝から脱落することを防止する係合片14bが設けられている。また、シャンク部14aには、挿通穴14cが前後方向に貫通して形成されている。挿通穴14cには、左右の上金型交換ユニット50L、50Rの上金型保持部材54L、54Rを挿通することができる。分割金型14の金型幅は、上側から下側にかけてほぼ同じ長さとなるように設定されている。
【0020】
耳金型15は、ワークWの曲げ加工を行うための金型である。耳金型15は、分割金型14の構成と共通しており、ワーク加工部15zと、シャンク部15aと、係合片15bと、挿通穴15cとを備えている。耳金型15の下部には、金型幅方向(左右方向)に沿って側方へと張り出した耳部15dが設けられている。この耳部15dにより、金型中央部における金型幅がワーク加工部15zにおける金型幅よりも小さくなる。金型側方の中央部が窪んだ形状を利用することで、曲げ加工時にワークWのフランジ部fwと耳金型15との干渉を避けることができる。左端に位置する耳金型15は、左側へと張り出した耳部15dを備え、右端に位置する耳金型15は、右側へと張り出した耳部15dを備えている。
【0021】
スペーサ金型16は、後述する中入れ金型17が取外自在に装着される被装着部材であり、ワークWを加工するための実質的な機能(ワーク加工部)を備えていない。スペーサ金型16は、複数の上金型13の間、例えば中央に位置するように上部ホルダ32に装着される。
【0022】
スペーサ金型16は、シャンク部16aと、係合片16bと、挿通穴16cとを備えており、分割金型14と共通している。スペーサ金型16には、中入れ金型17の位置決め、及び中入れ金型17との結合を行うための位置決め穴16dが設けられている。スペーサ金型16の金型幅は、分割金型14の金型幅よりも小さく、かつ、スペーサ金型16の上下方向の長さである金型高さは、分割金型14の金型高さよりも小さく設定されている。
【0023】
スペーサ金型16を隔てて配列される複数の上金型13の全幅Lt1は、ワークWの右側のフランジ部fwの先端から左側のフランジ部fwの先端までの間隔Lw1よりも小さく設定されている。これにより、上部テーブル26の昇降時に、ワークWのフランジ部fwと、左右両端の耳金型15との干渉を抑制することができる。
【0024】
図2に示すように、下部ホルダ30には、下金型11が装着される。下金型11は、例えば複数の分割金型12で構成されている。下金型11と上金型13という点において機能の相違はあるが、分割金型12の構成は分割金型14の構成と対応しているため、詳細な説明は省略する。図3に示すように、複数の分割金型12を含む下金型11の全幅は、ワークWの曲げ長さと対応している。
【0025】
図2に示すように、プレスブレーキ本体10の左右側方の一方には、本実施形態では右側には、金型ラック34が隣接して設けられている。金型ラック34には、複数の下金型11、複数の上金型13、スペーサ金型16が収納されている。
【0026】
左右の上金型交換ユニット50L、50Rは、上部ホルダ32と金型ラック34との間における上金型13の交換、上部ホルダ32に装着された上金型13の移動、位置決めなどを行う。左右の上金型交換ユニット50L、50Rは、上部テーブル26の後面側に設けられている。上部ホルダ32の後面側には、左右方向に延びた上部ガイド38が設けられている。個々の上金型交換ユニット50L、50Rは、左右移動用のアクチュエータ、例えばサーボモータを備えており、上部ガイド38を介して左右方向へ移動することができる。
【0027】
左右の上金型交換ユニット50L、50Rは、上金型13及びスペーサ金型16の挿通穴(図3に示す挿通穴14c、15c、16c)に対して挿入可能な上金型保持部材54L、54Rを有している。個々の上金型保持部材54L、54Rは、前後移動用のアクチュエータ、例えばエアシリンダの駆動より前後方向へ移動したり、上下移動用のアクチュエータ、例えばエアシリンダの駆動より上下方向へ移動したりすることができる。
【0028】
個々の上金型交換ユニット50L、50Rは、上金型保持部材54L、54Rを前進させて、上金型13及びスペーサ金型16の挿通穴に上金型保持部材54L、54Rを挿入することで、上金型13及びスペーサ金型16を保持することができる。上金型保持部材54L、54Rが上金型13及びスペーサ金型16を保持した状態において、上金型交換ユニット50L、50Rが左右方向に移動する。この移動を通じて、上金型13及びスペーサ金型16を左右方向の端部から上部ホルダ32に装着したり、上部ホルダ32に装着された上金型13及びスペーサ金型16を移動させたりすることができる。そして、上金型交換ユニット50L、50Rが所定の位置に停止することで、上金型13及びスペーサ金型16を上部ホルダ32の目標位置に位置決めすることができる。
【0029】
左右の上金型交換ユニット50L、50Rは、上金型13及びスペーサ金型16の移動、位置決めなどをそれぞれ独立して行うことができる。この場合、左右の上金型交換ユニット50L、50Rは、上金型13及びスペーサ金型16を上部ホルダ32の左右方向の端部から上部ホルダ32に対して装着し、そこから目標位置へと位置決めする以外にも、上金型13及びスペーサ金型16を上部ホルダ32の上下方向の下側から上部ホルダ32の目標位置に対して直接装着してもよい。もっとも、左右の上金型交換ユニット50L、50Rは、左右方向に並んだ複数の上金型13及びスペーサ金型16のうち左右両端の上金型13をそれぞれ保持し、左右両端の上金型13の間にある上金型13及びスペーサ金型16を左右両端の上金型13によって挟持することで、複数の上金型13及びスペーサ金型16の移動、位置決めなどを一括で行うこともできる。
【0030】
左右の下金型交換ユニット40L、40Rは、下部ホルダ30と金型ラック34との間で下金型11の交換、下部ホルダ30に装着された下金型11の移動、位置決めなどを行う。左右の下金型交換ユニット40L、40Rの構成は、下金型保持部材44L、44Rなどを備えている点を含め、左右の上金型交換ユニット50L、50Rの構成と対応している。
【0031】
図1に示すように、中入れ金型装置6は、上部ホルダ32に装着された複数の上金型13の間にあるスペーサ金型16に対して中入れ金型17を装着したり、スペーサ金型16から中入れ金型17を取り外したりする装置である。スペーサ金型16に対する着脱を通じて、複数の上金型13の間に中入れ金型17を挿入することで、ワークWの曲げ長さに必要な金型の全幅を確保することができる。また、スペーサ金型16に対する着脱を通じて、複数の上金型13の間から中入れ金型17を抜き取ることで、金型の全幅を短くすることができる。これにより、上部テーブル26の昇降時に、ワークWのフランジ部fwと耳金型15との干渉を抑制することができる。中入れ金型装置6の詳細な説明は後述する。
【0032】
制御装置100は、プレスブレーキ1の動作を制御する装置である。制御装置100は、例えばNC(Numerical Control(数値制御))装置などのコンピュータである。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)などのハードウェアプロセッサと、メモリと、各種のインターフェースとを主体に構成されている。メモリ、各種のインターフェースは、バスを介してハードウェアプロセッサに接続されている。
【0033】
コンピュータには、所定のコンピュータプログラムがインストールされている。ハードウェアプロセッサがコンピュータプログラムを実行することにより、コンピュータは、制御装置100が備える複数の機能を実行する。
【0034】
制御装置100は、加工プログラムに基づいて、プレスブレーキ本体10の動作を制御する。また、制御装置100は、左右の下金型交換ユニット40L、40R、左右の上金型交換ユニット50L、50R、及び中入れ金型装置6の動作をそれぞれ制御する。この制御により、上部テーブル26の昇降、上部ホルダ32への上金型13の装着及び移動、並びに中入れ金型17の着脱などが行われる。
【0035】
以下、図1図4及び図5を参照し、中入れ金型装置6について説明する。図4は、中入れ金型装置の要部を拡大して示す説明図である。図5は、中入れ金型装置の中入れ金型とスペーサ金型との関係を示す説明図である。
【0036】
中入れ金型装置6は、上述したスペーサ金型16と、中入れ金型17と、金型移動機構60とで構成されている。中入れ金型装置6は、上部テーブル26の後面側に設けられている。
【0037】
中入れ金型17は、スペーサ金型16に対して着脱自在に構成されている。中入れ金型17は、上部ホルダ32に装着されたスペーサ金型16に対して装着された状態で、複数の上金型13とともにワークWへの曲げ加工を行う。中入れ金型17は、金型移動機構60と連結されている。
【0038】
図5に示すように、中入れ金型17は、ワークWの曲げ加工を行うワーク加工部17zを備えている。中入れ金型17は、前方に向かって突き出した結合ピン17aを備えている。結合ピン17aは、スペーサ金型16の位置決め穴16dに挿入されることで、スペーサ金型16と中入れ金型17との位置合わせ、及び両者の結合を行う。
【0039】
結合ピン17aの側方には、スペーサ金型16の金型幅に応じて左右方向に離間した左右の固定ブロック17bが設けられている。中入れ金型17がスペーサ金型16に結合された状態において、左右の固定ブロック17bは、スペーサ金型16の左右側方に隣接する。スペーサ金型16が左右側方の固定ブロック17bと密着することで、中入れ金型17とスペーサ金型16との一体性が生まれる。これにより、中入れ金型17のがたつきを抑制することができる。
【0040】
図1に示すように、金型移動機構60は、中入れ金型17を保持し、中入れ金型17の移動を行う。金型移動機構60は、可動アーム62と、固定プレート64と、可動ブロック66と、固定ブラケット68と、揺動駆動部70と、前後駆動部72とを備えている。
【0041】
可動アーム62の上端は、上部テーブル26の後面に設けられた回転軸74によって軸支されている。エアシリンダなどで構成される揺動駆動部70の駆動により、可動アーム62の下端側は回転軸74を中心に揺動する。可動アーム62は、上部テーブル26に沿って垂下した第1姿勢と、上部テーブル26に対して所定の角度だけ傾斜した第2姿勢との間で可動する。
【0042】
可動アーム62の下端には、固定プレート64が取り付けられている。固定プレート64の下面には、前後方向に移動可能に構成された可動ブロック66が設けられている。エアシリンダなどで構成される前後駆動部72の駆動により、可動ブロック66は、前後方向に移動する。可動ブロック66の前端には、固定ブラケット68が取り付けられており、固定ブラケット68に対して中入れ金型17が固定されている。
【0043】
図4に示すように、可動ブロック66に対する固定ブラケット68の取り付けは、可動ブロック66に設けられた軸体76を、固定ブラケット68の貫通穴に挿通することによって行われる。このとき、軸体76の上端にあるフランジ状のストッパ部76aと、固定ブラケット68との間には所要の隙間Gが設けられている。この隙間Gにより、固定ブラケット68は、上下方向へと若干程度だけ移動することができる。
【0044】
図1に示すように、揺動駆動部70の駆動によって可動アーム62が揺動することで、中入れ金型17は、待避位置P1から中間位置P2までの範囲を移動することができる。待避位置P1は、可動アーム62の揺動範囲の中で、中入れ金型17がスペーサ金型16から最も離れる位置をいう。この待避位置P1は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rが左右方向に移動しても、中入れ金型17及び金型移動機構60が左右の上金型交換ユニット50L、50Rと干渉しないような位置に設定されている。一方、中間位置P2は、可動アーム62の揺動範囲の中で、中入れ金型17がスペーサ金型16に対して最も接近する置をいう。中間位置P2にある中入れ金型17は、スペーサ金型16から一定の距離だけ後方においてスペーサ金型16に対して正対する。
【0045】
中入れ金型17が中間位置P2にある状態で、前後駆動部72の駆動によって可動ブロック66が前後に移動することで、中入れ金型17は、中間位置P2から装着位置P3までの範囲を移動することができる。装着位置P3は、中入れ金型17がスペーサ金型16に対して装着される位置である。中入れ金型17が装着位置P3にある場合、中入れ金型17の結合ピン17aがスペーサ金型16の位置決め穴16dへと進入するともに、中入れ金型17における左右の固定ブロック17bの間にスペーサ金型16が進入する。結合ピン17aが位置決め穴16dに進入することで、上下方向及び左右方向への中入れ金型17の移動が規制される。同様に、スペーサ金型16の左右側方には固定ブロック17bが密着するので、左右方向への中入れ金型17の移動が規制されるとともに、結合ピン17aを中心とする中入れ金型17の回動が規制される。これにより、中入れ金型17とスペーサ金型16とが緊密に結合することとなる。なお、金型移動機構60は中入れ金型17と結合されているため、中入れ金型17がスペーサ金型16に装着されている間、金型移動機構60は中入れ金型17を装着位置P3で保持する動作を行う。
【0046】
図6は、上部ホルダに沿って配列される金型を説明する図である。金型移動機構60によって中入れ金型17を装着位置P3へと移動させることで、スペーサ金型16に対して中入れ金型17を装着することができる。中入れ金型17は、スペーサ金型16に装着された状態において、スペーサ金型16の左右側方及び下方を囲繞する。そのため、スペーサ金型16よりも左側に配置された分割金型14及び耳金型15は、図3に示す金型配置と比べて左側へとオフセットした位置に配置される。同様に、スペーサ金型16よりも右側に配置された分割金型14及び耳金型15は、図3に示す金型配置と比べて右側へとオフセットした位置に配置される。
【0047】
中入れ金型17を隔てて配列される複数の上金型13の全幅Lt2は、図3に示す全幅Lt1と比べて、中入れ金型17の金型幅Lt3からスペーサ金型16の金型幅Lt4を減じた長さ分だけ長くなる。これにより、ワークWの曲げ加工に必要な曲げ長さLw2に対応する全幅Lt2を得ることができる。
【0048】
一方で、図3に示す金型配置では、上部テーブル26の昇降時に、ワークWのフランジ部fwと上金型13ステージとの干渉を抑制する必要がある。そのため、中入れ金型17の金型幅Lt3、スペーサ金型16の金型幅Lt4、及び左右の耳金型15における耳部15dの幅Lt5、Lt6は、以下に示す数式の関係を満たしている。
(数式1)
Lt3-Lt4≧Lt5+Lt6
【0049】
なお、本実施形態では、中入れ金型17(スペーサ金型16)と左右の耳金型15との間にそれぞれ5つの分割金型14を配置しているが、分割金型14の個数はこれに限定されない。分割金型14の金型幅、ワークWの曲げ長さLw2などを考慮して、分割金型14の個数を選択することができる。また、中入れ金型17(スペーサ金型16)は、複数の上金型13の中央に配置されているが、中央からずれた位置に配置されていてもよい。すなわち、中入れ金型17(スペーサ金型16)の両側に配置される上金型13の個数はそれぞれ異なっていてもよい。さらに、中入れ金型17(スペーサ金型16)と左右の耳金型15との間に分割金型14を配置しない構成であってもよい。
【0050】
以下、図1図3図7乃至図16を参照し、本実施形態のプレスブレーキ1の曲げ加工方法を説明する。図7乃至図16は、プレスブレーキの曲げ加工方法の工程を説明する図である。この曲げ加工方法に含まれる各工程は、制御装置100がプレスブレーキ1の各部を制御することにより実行される。ただし、曲げ加工方法における任意の工程を作業者が実行してもよい。
【0051】
以下に示す説明では、図7乃至図16に示すように、左右のそれぞれにフランジ部fwを有するワークWを折り曲げる曲げ加工を例示する。初期状態では、下部ホルダ30及び上部ホルダ32には金型が装着されていないものとする。また、中入れ金型装置6の中入れ金型17は、待避位置P1に位置しているものとする。
【0052】
図7に示すように、制御装置100は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rを制御して、上部ホルダ32に対して、必要な上金型13及びスペーサ金型16を装着する。上部ホルダ32には、左側から右側にかけて、左側に耳部15dを有する耳金型15、5つの分割金型14、スペーサ金型16、5つの分割金型14、右側に耳部15dを有する耳金型15が装着される。
【0053】
つぎに、制御装置100は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rを制御して、スペーサ金型16の位置決め穴16dが中入れ金型17の結合ピン17aの位置と一致するように、スペーサ金型16の位置決めを行う。加えて、制御装置100は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rを制御して、寄せ動作を行う。寄せ動作とは、上部ホルダ32に配置された各上金型13間の隙間を無くし、密着させる動作をいう。具体的には、制御装置100は、スペーサ金型16に対して密着するように、スペーサ金型16よりも左側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15と、スペーサ金型16よりも右側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15とを、スペーサ金型16に向けてそれぞれ移動させる(移動工程(第1工程))。図3に示すように、スペーサ金型16を隔てて配列される複数の上金型13の全幅Lt1は間隔Lw1よりも小さくなる。
【0054】
同様に、制御装置100は、左右の下金型交換ユニット40L、40Rを制御して、下部ホルダ30に下金型11を装着する。装着された下金型11の全幅は、ワークWの曲げ長さと対応している。
【0055】
つぎに、制御装置100は、下部ホルダ30及び上部ホルダ32の各クランプ部を制御して、下金型11、上金型13及びスペーサ金型16のクランプ動作を行う。クランプ動作の後、左右にフランジ部fwを備えるワークWが、下金型11上に配置される。
【0056】
図8に示すように、制御装置100は、油圧シリンダ28を駆動して、上部テーブル26を第1下降位置Pd1まで下降させる。第1下降位置Pd1は、ワークWを加圧する位置(下死点)よりも所定の距離だけ上方に位置する。
【0057】
制御装置100は、上部ホルダ32のクランプ部を制御して、上金型13の固定を解除するアンクランプ動作を行う。
【0058】
図9に示すように、制御装置100は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rを制御して、スペーサ金型16よりも右側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15を、スペーサ金型16から離れる方向(右側)へと移動させる(移動工程(第2工程))。これにより、右側の耳金型15の耳部15dが、ワークWの右側のフランジ部fwに対して挿入される。同様に、制御装置100は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rを制御して、スペーサ金型16よりも左側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15を、スペーサ金型16から離れる方向(左側)へと移動させる(移動工程(第2工程))。これにより、左側の耳金型15の耳部15dが、ワークWの左側のフランジ部fwに対して挿入される。
【0059】
スペーサ金型16よりも右側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15、及び、スペーサ金型16よりも左側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15の各移動量は、中入れ金型17の金型幅の半分程度の値となる。これにより、スペーサ金型16の左右側方に、中入れ金型17を挿入するスペースが形成される。
【0060】
図10に示すように、制御装置100は、中入れ金型装置6を制御して、金型間のスペースに中入れ金型17を挿入し、中入れ金型17をスペーサ金型16に対して装着する(装着工程)。具体的には、図1に示すように、制御装置100は、揺動駆動部70を駆動して、中入れ金型17を待避位置P1から中間位置P2まで移動させる。そして、制御装置100は、前後駆動部72を駆動して、中入れ金型17を中間位置P2から装着位置P3まで移動させる。
【0061】
中入れ金型17が中間位置P2から装着位置P3まで移動すると、中入れ金型17の結合ピン17aが、スペーサ金型16の位置決め穴16dに挿入される。これにより、スペーサ金型16と中入れ金型17との位置合わせ、及び両者の結合が行われる。
【0062】
加えて、結合ピン17aの左右にある固定ブロック17bが、スペーサ金型16の左右側方に密着する。中入れ金型17とスペーサ金型16との一体性が生まれ、中入れ金型17のがたつきを抑制することができる。
【0063】
図11に示すように、制御装置100は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rを制御して、寄せ動作を行う。具体的には、制御装置100は、中入れ金型17に対して密着するように、中入れ金型17よりも右側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15を、中入れ金型17側(左側)へと移動させる(移動工程(第3工程))。同様に、制御装置100は、中入れ金型17に対して密着するように、中入れ金型17よりも左側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15を、中入れ金型17側(右側)へと移動させる(移動工程(第3工程))。
【0064】
制御装置100は、上部ホルダ32のクランプ部を制御して、上金型13のクランプ動作を行う。クランプ動作を行うと、上部ホルダ32に装着されている上金型13には、斜め上方へと押し上げる力がクランプ部から作用する。そのため、クランプ動作により、上金型13は上方へと若干だけ移動する。
【0065】
このとき、上部ホルダ32に装着されているスペーサ金型16も上方へと移動する。図4に示したように、中入れ金型17が固定されている固定ブラケット68は、軸体76に沿って上下方向へと若干程度だけ移動することができる。このため、図12に示すように、スペーサ金型16に装着された中入れ金型17は、スペーサ金型16に引きずられて上方へと移動する。この上方移動により、中入れ金型17の上面、すなわち曲げ加工での加圧力を受ける面が、上部ホルダ32の下面に対して密着する。中入れ金型17と上部ホルダ32との一体性が生まれ、中入れ金型17のがたつきを抑制することができる。
【0066】
図13に示すように、制御装置100は、油圧シリンダ28を駆動して、上部テーブル26を第1下降位置Pd1から下死点に対応する第2下降位置Pd2まで下降させる。これにより、複数の上金型13及び中入れ金型17と、下金型11とによって、ワークWに対する加圧が行われる。そして、制御装置100は、油圧シリンダ28を駆動して、上部テーブル26を第2下降位置Pd2から第1下降位置Pd1まで上昇させる(曲げ工程)。
【0067】
図14に示すように、上部テーブル26が第1下降位置Pd1まで上昇すると、ワークWは水平姿勢へと復帰させられる。そして、作業者又はロボットアームなどにより、ワークWが後方へと水平移動させられる。ワークWの後方への移動量は、中入れ金型17が装着位置P3から中間位置P2まで移動するときの移動量よりも大きければよい。
【0068】
つぎに、制御装置100は、上部ホルダ32のクランプ部を制御して、上金型13のアンクランプ動作を行う。また、制御装置100は、前後駆動部72を駆動して、中入れ金型17を装着位置P3から中間位置P2まで移動させる。これにより、中入れ金型17がスペーサ金型16から取り外される(取外工程)。
【0069】
図15に示すように、制御装置100は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rを制御して、寄せ動作を行う。具体的には、制御装置100は、スペーサ金型16に対して密着するように、スペーサ金型16よりも右側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15をスペーサ金型16側(左側)へと移動させる(移動工程(第4工程))。同様に、制御装置100は、スペーサ金型16に対して密着するように、スペーサ金型16よりも左側に配置された5つの分割金型14及び耳金型15をスペーサ金型16側(右側)へと移動させる(移動工程(第4工程))。これにより、上部ホルダ32に配置された上金型13がスペーサ金型16を中心に寄せ集められ、互いに隙間無く配列される。このとき、スペーサ金型16を隔てて配列される複数の上金型13の全幅Lt1は、間隔Lw1よりも小さくなる(図3参照)。
【0070】
そして、制御装置100は、上部ホルダ32のクランプ部を制御して、上金型13及びスペーサ金型16のクランプ動作を行う。
【0071】
図16に示すように、制御装置100は、油圧シリンダ28を駆動して、上部テーブル26を第1下降位置Pd1から上死点に対応する位置まで上昇させる。このとき、左右両端に位置する耳金型15はスペーサ金型16側へと寄せられている。耳部15dとワークWのフランジ部fwとが干渉することなく、上部テーブル26を上昇させることができる。
【0072】
最後に、図1に示すように、制御装置100は、揺動駆動部70を駆動して、中入れ金型17を中間位置P2から待避位置P1まで移動させる。
【0073】
これらの一連の工程により、ワークWの曲げ加工が完了する。
【0074】
このように本実施形態のプレスブレーキ1及び中入れ金型装置6によれば、上部ホルダ32に装着されたスペーサ金型16に対して中入れ金型17を装着したり、取り外したりすることができる。中入れ金型17の装着の有無に応じて、スペーサ金型16の左右に配置された上金型13をそれぞれ移動させることで、上部ホルダ32に装着される金型の全幅Lt1、Lt2をコントロールすることができる。耳部15dが一体に造形された耳金型15を利用する場合に、ワークWのフランジ部fwとの干渉を抑制しつつ、曲げ加工時における必要な曲げ長さを得ることができる。
【0075】
これにより、耳部15dが一体に造形された耳金型15を用いて曲げ加工を行うことができるので、ワークWの加工品質の向上を図ることができる。
【0076】
また、中入れ金型17は、上部ホルダ32に直接装着されるのではなく、スペーサ金型16に装着することで、スペーサ金型16を介して上部ホルダ32に間接的に装着される。このため、上部ホルダ32に既に装着された複数の上金型13の間に中入れ金型17を簡単に配置することができる。
【0077】
本実施形態において、金型移動機構60は、中入れ金型17と結合されており、中入れ金型17がスペーサ金型16に装着されている間は、中入れ金型17を装着位置P3で保持している。
【0078】
この構成によれば、金型移動機構60が中入れ金型17を装着位置P3で保持することで、中入れ金型17がスペーサ金型16に装着された状態を維持することができる。
【0079】
本実施形態において、金型移動機構60は、複数の上金型13がスペーサ金型16を中心に密着した第1状態から、スペーサ金型16の左右に隣接する上金型13のそれぞれが左右方向にかけてスペーサ金型16から離間した第2状態へと切り替えられた状態で、中入れ金型17を装着位置P3へと移動させている。
【0080】
この構成によれば、スペーサ金型16の左右に隣接する上金型13と干渉することなく、中入れ金型17をスペーサ金型16へと装着することができる。
【0081】
本実施形態において、中入れ金型17は、スペーサ金型16に対して装着された状態で上部ホルダ32の下方に位置している。上部ホルダ32のクランプ動作に伴って前記スペーサ金型16が上方へと引き上げられると、スペーサ金型16に装着された中入れ金型17も上方へと引き上げられて、中入れ金型17の上面が上部ホルダ32の下面に対して密着する。
【0082】
この構成によれば、中入れ金型17の上面、すなわち曲げ加工において加圧力を受ける面が、上部ホルダ32の下面に対して密着する。中入れ金型17をスペーサ金型16に装着しただけの状態と比べ、中入れ金型17と上部ホルダ32との一体性が生まれる。これにより、中入れ金型17のがたつきを抑制することができるので、曲げ加工の品質の向上を図ることができる。
【0083】
本実施形態において、金型移動機構60は、中入れ金型17が固定される固定ブラケット68を備えている。固定ブラケット68は、金型移動機構60において上下方向へ移動自在に構成されている。
【0084】
この構成によれば、固定ブラケット68を介して中入れ金型17が上下方向へと移動することができる。これにより、上部ホルダ32のクランプ動作に伴って、中入れ金型17の上面が上部ホルダ32の下面に対して密着する動きを実現することができる。
【0085】
本実施形態において、金型移動機構60は、(a)上部テーブル26の後面に上端側が軸支されて下端側が揺動するように構成されており、上部テーブル26に沿って垂下した第1姿勢と、上部テーブル26に対して所定の角度だけ傾斜した第2姿勢との間で可動する可動アーム62と、(b)可動アーム62の下端に、前後方向に沿って移動自在に配置された可動ブロック66と、を更に備えている。固定ブラケット68は、可動ブロック66に対して取り付けられており、上下方向へ移動自在に構成されている。
【0086】
この構成によれば、装着位置P3と待避位置P1との間で中入れ金型17を適切に移動させることができる。また、可動アーム62が揺動しながら待避位置P1まで後退することで、上部ホルダ32の後方に大きなスペースを作ることができる。これにより、左右の上金型交換ユニット50L、50Rと、中入れ金型17との干渉を抑制することができる。また、中入れ金型17を利用しない曲げ加工時に、待避位置P1にある中入れ金型17がワークWと干渉してしまうといった事態を抑制することができる。
【0087】
本実施形態において、中入れ金型17は、可動アーム62が第1姿勢にあるときにスペーサ金型16の後方に正対し、可動ブロック66が前方に向かって進出することで装着位置P3まで到達する。
【0088】
この構成によれば、可動アーム62の揺動に加え、可動ブロック66の前後移動によって、中入れ金型17が装着位置P3と待避位置P1との間を移動する。前後移動を通じて、中入れ金型17の結合ピン17aをスペーサ金型16の位置決め穴16dへと挿入させることできるので、中入れ金型17をスペーサ金型16に装着したときの両者の位置合わせ、結合を適切に行うことができる。また、中入れ金型17が待避位置P1にあるときに、上部ホルダ32の後方により大きなスペースを作ることができる。
【0089】
本実施形態において、上部ホルダ32は、左右方向に沿って連続的かつ直線状に延在している。スペーサ金型16及び複数の上金型13は、上部ホルダ32の左右方向の端部から、又は上部ホルダ32の上下方向の下側から上部ホルダ32に対して装着される。
【0090】
中入れ金型17は、上部ホルダ32に直接装着されるのでなく、スペーサ金型16に装着されることで、上部ホルダ32に間接的に装着される。このため、上部テーブル26が第1下降位置Pd1にある状態、即ちワークWの左右のフランジ部fw間にスペーサ金型16及び複数の上金型13があり、上部ホルダ32の左右方向の端部や上下方向の下側から上金型13を取り外しできない状況下においても、中入れ金型17を簡単に配置することができる。
【0091】
本実施形態において、プレスブレーキ1の曲げ加工方法は、(a)側方へと張り出した耳部15dが一体に造形された耳金型15が左右両端に配置された複数の上金型13と、複数の上金型13の間に配置されるスペーサ金型16とを上部ホルダ32に装着する装着工程と、(b)スペーサ金型16よりも左側に配置された上金型13と、スペーサ金型16よりも右側に配置された上金型13とをスペーサ金型16を中心にそれぞれ移動させる移動工程と、を備えている。このスペーサ金型16は、ワークWに対して曲げ加工を行う中入れ金型17が取外自在に装着される被装着部材である。
【0092】
この方法によれば、中入れ金型17の装着の有無に応じて、スペーサ金型16の左右に配置された上金型13をそれぞれ移動させることで、上部ホルダ32に装着される金型の全幅Lt1、Lt2をコントロールすることができる。これにより、耳部15dが一体に造形された耳金型15を利用する場合に、ワークWのフランジ部fwとの干渉を抑制しつつ、曲げ加工時における必要な曲げ長さを得ることができる。そして、耳部15dが一体に造形された耳金型15を用いて曲げ加工を行うことができるので、ワークWの加工品質の向上を図ることができる。
【0093】
本実施形態において、移動工程は、スペーサ金型16に対して密着するように、スペーサ金型16よりも左側に配置された上金型13と、スペーサ金型16よりも右側に配置された上金型13とを、スペーサ金型16に向けてそれぞれ移動させる第1工程と、スペーサ金型16よりも左側に配置された上金型13と、スペーサ金型16よりも右側に配置された上金型13とをスペーサ金型16から離れる方向にそれぞれ移動させて、スペーサ金型16の左右側方に中入れ金型17が進入可能なスペースを形成する第2工程と、を含んでいる。
【0094】
この方法によれば、耳部15dが一体に造形された耳金型15を利用する場合に、ワークWのフランジ部fwとの干渉を抑制しつつ、曲げ加工時における必要な曲げ長さを得ることができる。
【0095】
本実施形態のプレスブレーキ1の曲げ加工方法は、第1工程の後、上部テーブル26をワークWに対して相対的に下降させ、第1下降位置Pd1まで上部テーブル26が到達したときに下降を停止させ、その後に第2工程を行っている。
【0096】
この方法によれば、耳部15dが一体に造形された耳金型15を利用する場合でも、上部テーブル26を下降させる際に、耳金型15がワークWのフランジ部fwに干渉することを抑制することができる。
【0097】
本実施形態のプレスブレーキ1の曲げ加工方法は、第2工程の後、中入れ金型17をスペーサ金型16に対して装着する装着工程をさらに備えている。
【0098】
この方法によれば、スペーサ金型16の左右に隣接する上金型13と干渉することなく、中入れ金型17をスペーサ金型16へと装着することができる。
【0099】
本実施形態において、移動工程は、スペーサ金型16に対して中入れ金型17が装着された状態において、中入れ金型17に対して密着するように、中入れ金型17よりも左側に配置された上金型13と、中入れ金型17よりも右側に配置された上金型13とを、スペーサ金型16(中入れ金型17)に向けてそれぞれ移動させる第3工程を、さらに含んでいる。
【0100】
この方法によれば、上部ホルダ32に配列された金型を隙間なくレイアウトすることができる。これにより、曲げ加工を適切に行うことができる。
【0101】
本実施形態において、中入れ金型17は、スペーサ金型16に対して装着された状態で上部ホルダ32の下方に位置し、上部ホルダ32のクランプ動作に伴ってスペーサ金型16が上方へと引き上げられると、スペーサ金型16に装着された中入れ金型17も上方へと引き上げられて、中入れ金型17の上面が上部ホルダ32の下面に対して密着する。
【0102】
本実施形態のプレスブレーキ1の曲げ加工方法は、第1下降位置Pd1から第2下降位置Pd2まで上部テーブル26をワークWに対して相対的に下降させた後、第1下降位置Pd1まで上部テーブル26をワークWに対して相対的に上昇させる曲げ工程と、ワークWを後方へと水平移動した後、中入れ金型17を後方へと移動させて中入れ金型17をスペーサ金型16から取り外す取外工程と、をさらに備えている。
【0103】
この方法によれば、曲げ工程によって曲げが行われたワークWと、後方へと移動する中入れ金型17との干渉を抑制することができる。これにより、中入れ金型17の取り外しを行うことができ、かつ、ワークWの保護を適切に図ることができる。
【0104】
本実施形態において、移動工程は、取外工程の後、スペーサ金型16に対して密着するように、スペーサ金型16よりも左側に配置された上金型13と、スペーサ金型16よりも右側に配置された上金型13とを、スペーサ金型16に向けてそれぞれ移動させる第4工程を含む。そして、第4工程の後、第1下降位置Pd1から上部テーブル26をワークWに対して相対的に上昇させる。
【0105】
この方法によれば、上部テーブル26の上昇に先立ち、上部ホルダ32に装着される金型の全幅Lt1を短くすることができる。これにより、耳部15dが一体に造形された耳金型15と、ワークWのフランジ部fwとの干渉を避けることができる。
【0106】
本実施形態において、プレスブレーキ1は、左右の上金型交換ユニット50L、50Rを移動体として備えている。これにより、移動工程を左右の上金型交換ユニット50L、50Rによって自動で行うことができる。
【0107】
本実施形態において、プレスブレーキ1は、中入れ金型装置6を上部テーブル26の後方に備えている。これにより、スペーサ金型16に対する中入れ金型17の装着を自動で行うことができる。
【0108】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0109】
1 プレスブレーキ
6 中入れ金型装置
10 プレスブレーキ本体
11 下金型
12 分割金型
13 上金型(金型)
14 分割金型
15 耳金型
15d 耳部
16 スペーサ金型
17 中入れ金型
24 下部テーブル
26 上部テーブル(テーブル)
30 下部ホルダ
32 上部ホルダ(金型ホルダ)
34 金型ラック
40L、40R 下金型交換ユニット
44L、44R 下金型保持部材
50L、50R 上金型交換ユニット(移動体)
54L、54R 上金型保持部材(金型保持部材)
60 金型移動機構
62 可動アーム
64 固定プレート
66 可動ブロック
68 固定ブラケット
70 揺動駆動部
72 前後駆動部
74 回転軸
76 軸体
76a ストッパ部
100 制御装置
fw フランジ部
G 隙間
Lt1、Lt2 金型の全幅
Lt3、Lt4 金型幅
Lt5、Lt6 耳部の幅
Lw1 間隔
Lw2 曲げ長さ
P1 待避位置
P2 中間位置
P3 装着位置
Pd1 第1下降位置
Pd2 第2下降位置
W ワーク
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