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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089657
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】製袋包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/20 20120101AFI20230621BHJP
【FI】
B65B9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204291
(22)【出願日】2021-12-16
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】新川 将基
(72)【発明者】
【氏名】村上 陸
(72)【発明者】
【氏名】藤原 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050CA02
3E050CB01
3E050CB03
3E050CC04
3E050DC02
3E050DC08
3E050DD05
3E050DF03
3E050DH09
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050GA01
3E050GA02
3E050GB06
3E050GC02
3E050HB09
(57)【要約】
【課題】下部横シール部位T2を折る動作を行う製袋包装装置において、高い製袋能力を確保する。
【解決手段】製袋包装装置は、商品が内部を落下する筒部材31と、フィルムを筒状に成形するフォーマと、フィルムを下流側に搬送する搬送機構と、縦シール機構と、フィルムに下部横シール部位T2を形成する横シール機構と、横シール部を折る折り部材92と、制御部とを備える。制御部は、第1方向に折り部材92を動かして下部横シール部位T2を折った後に、搬送機構によるフィルムの搬送方向に折り部材92を動かす。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品が包装された袋を製造する製袋包装装置であって、
前記商品が内部を落下する筒部材と、
シート状の包材を筒状に成形するために前記筒部材に前記包材を巻きつかせるフォーマと、
筒状の前記包材を下流側に搬送する搬送機構と、
筒状の前記包材の合わせ目を縦にシールする縦シール機構と、
筒状の前記包材に外側から接して、筒状の前記包材を角筒状に成形する第1部材と、
角筒状の前記包材を横にシールし、前記包材に横シール部を形成する横シール機構と、
前記横シール部を折る第2部材と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、第1方向に前記第2部材を動かして前記横シール部を折った後に、前記搬送機構による前記包材の搬送方向に前記第2部材を動かす、
製袋包装装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記横シール部を折った後、前記包材の搬送方向に前記第2部材を動かすとともに、前記第1方向の反対方向である第2方向に前記第2部材を動かす、
請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送機構による前記包材の搬送を止めた状態で、前記第1方向に前記第2部材を動かして前記横シール部を折り、前記横シール部を折った後、前記包材の搬送方向に前記第2部材を動かし、前記搬送機構による前記包材の搬送を再開させる、
請求項1又は2に記載の製袋包装装置。
【請求項4】
前記横シール機構は、筒状の前記包材を挟んで対向配置される第1シールジョー及び第2シールジョーと、前記第1シールジョー及び前記第2シールジョーを駆動するシールジョー駆動部とを有し、
前記シールジョー駆動部は、前記第1シールジョー及び前記第2シールジョーを前記第1方向に沿って移動させる第1駆動部と、前記第1シールジョー及び前記第2シールジョーを前記包材の搬送方向に沿って移動させる第2駆動部とを有しており、
前記第2駆動部は、さらに、前記第2部材を前記包材の搬送方向に沿って移動させる、
請求項1から3のいずれかに記載の製袋包装装置。
【請求項5】
前記第1駆動部とは別の、前記第1方向に前記第2部材を移動させる第3駆動部、
をさらに備える、請求項4に記載の製袋包装装置。
【請求項6】
前記第1方向は、水平方向に沿った方向であり、
前記搬送機構による前記包材の搬送方向は、鉛直下向きの方向である、
請求項1から5のいずれかに記載の製袋包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1(特許第3922928号公報)に開示されているように、包装袋として角底を有する袋を作る製袋包装装置が知られている。特許文献1の装置では、角底に連なるボトムシール部分を折るプレートが、水平方向に移動して、ボトムシール部分を角底の下面に折り込んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の特許文献1の製袋包装装置のように、横シールされたボトムシール部分(横シール部)を折るプレートは、その後の包材の搬送の邪魔にならないように、なるべく早く元の位置に戻ることが好ましい。
【0004】
しかし、横シール部を折ったプレートの位置から元の位置までプレートを戻す時間をゼロにすることは不可能であり、幾らかの時間を要する。一方、高い製袋能力を確保するため、プレートが包材の搬送の障害になることは、なるべく回避したい。
【0005】
本発明の課題は、横シール部を折る動作を行う製袋包装装置において、高い製袋能力を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の製袋包装装置は、商品が包装された袋を製造する製袋包装装置である。製袋包装装置は、筒部材と、フォーマと、搬送機構と、縦シール機構と、第1部材と、横シール機構と、第2部材と、制御部とを備える。筒部材は、商品が内部を落下する、筒状の部材である。フォーマは、シート状の包材を筒状に成形するための部材である。フォーマによって、包材が筒部材に巻きつく。搬送機構は、筒状の包材を下流側に搬送する。縦シール機構は、筒状の包材の合わせ目を、縦にシールする。第1部材は、筒状の包材に外側から接して、筒状の包材を角筒状に成形する。横シール機構は、角筒状の包材を横にシールして、包材に横シール部を形成する。第2部材は、横シール部を折る部材である。制御部は、第1方向に第2部材を動かして横シール部を折った後に、搬送機構による包材の搬送方向に第2部材を動かす。
【0007】
第1観点の製袋包装装置では、制御部が、第2部材を動かして横シール部を折った後に、包材の搬送方向に第2部材を動かす。これにより、包材の搬送方向に第2部材が動かない従来の製袋包装装置に比べて、第2部材が包材の搬送の邪魔になり難くなり、製袋能力を高くすることができる。
【0008】
第2観点の製袋包装装置は、第1観点の製袋包装装置であって、制御部は、横シール部を折った後、包材の搬送方向に第2部材を動かすとともに、第1方向の反対方向である第2方向に第2部材を動かす。
【0009】
第2観点の製袋包装装置では、制御部が、第2部材を動かして横シール部を折った後に、包材の搬送方向に第2部材を動かすとともに、第2方向に第2部材を動かす。これにより、製袋した袋の搬送方向下流側の空間から第2部材が早い段階で離脱するようになり、製袋能力を更に高くすることができる。
【0010】
第3観点の製袋包装装置は、第1観点又は第2観点の製袋包装装置であって、制御部は、搬送機構による包材の搬送を止めた状態で、第1方向に第2部材を動かして横シール部を折る。また、制御部は、横シール部を折った後、包材の搬送方向に第2部材を動かし、搬送機構による包材の搬送を再開させる。
【0011】
第3観点の製袋包装装置は、いわゆる間欠式の包材の搬送を行う製袋包装装置である。この製袋包装装置では、制御部が、第2部材を動かして横シール部を折った後に、包材の搬送方向に第2部材を動かすとともに、包材の搬送を再開させる。
【0012】
従来の製袋包装装置では、横シール部を折った部材が包材の搬送経路から離脱するまで包材の搬送を休止させ続けていたが、第3観点の製袋包装装置では、横シール部を折った第2部材を包材の搬送方向に動かすことで、包材の搬送を早いタイミングで再開させることができる。
【0013】
第4観点の製袋包装装置は、第1観点から第3観点のいずれかの製袋包装装置であって、横シール機構は、第1シールジョー及び第2シールジョーと、第1シールジョー及び第2シールジョーを駆動するシールジョー駆動部とを有している。第1シールジョー及び第2シールジョーは、筒状の包材を挟んで対向配置されている。シールジョー駆動部は、第1駆動部と、第2駆動部とを有している。第1駆動部は、第1シールジョー及び第2シールジョーを、第1方向に沿って移動させる。第2駆動部は、第1シールジョー及び第2シールジョーを、包材の搬送方向に沿って移動させる。第2駆動部は、さらに、第2部材を、包材の搬送方向に移動させる。
【0014】
第4観点の製袋包装装置では、横シール機構のシールジョー駆動部の第2駆動部が、第1シールジョー及び第2シールジョーを包材の搬送方向に沿って移動させるだけではなく、第2部材を包材の搬送方向に移動させる役割も担う。すなわち、第2駆動部は、第1シールジョー及び第2シールジョーを移動させる役割と、第2部材を移動させる役割との両方を果たす。これにより、製袋包装装置の製造コストが抑えられる。
【0015】
第5観点の製袋包装装置は、第4観点の製袋包装装置であって、第3駆動部をさらに備える。第3駆動部は、第1駆動部とは別に設けられている。第3駆動部は、第1方向に第2部材を移動させる。
【0016】
第5観点の製袋包装装置では、第1シールジョー及び第2シールジョーを第1方向に沿って移動させる第1駆動部と、第2部材を第1方向に移動させる第3駆動部とを、別々に設けている。これにより、横シールを行う第1シールジョー及び第2シールジョーの第1方向の移動動作と、横シール部を折る第2部材の第1方向の移動動作とを、複雑なリンク機構などを用いることなく、それぞれ最適なタイミングで行うことができる。
【0017】
第6観点の製袋包装装置は、第1観点から第5観点のいずれかの製袋包装装置であって、第1方向は、水平方向に沿った方向である。搬送機構による包材の搬送方向は、鉛直下向きの方向である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る製袋包装装置によれば、第2部材が包材の搬送の邪魔になり難く、製袋能力を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ガセット型の袋を示す図。
図2】製袋包装装置の外観斜視図。
図3】製袋包装装置の概略側面図。
図4】製袋包装ユニットの主要部分を示す正面図。
図5】製袋包装ユニットの主要部分を示す側面図。
図6】上下可動架台に搭載される横シール機構および袋底面形成機構の斜視図。
図7】横シール機構および袋底面形成機構の平面図。
図8】横シール機構および袋底面形成機構の主要部品を示す側面図。
図9】筒部材、シールジョーおよび下部ガセット形成部材の斜視図。
図10】筒部材、シールジョーおよび下部ガセット形成部材の正面図。
図11】制御ブロック図。
図12】横シール直後のシールジョーおよび折り部材の位置を示す図。
図13】下部横シール部位を折り部材が折った直後のシールジョーおよび折り部材の位置を示す図。
図14】下部横シール部位を折り部材が折った後、シールジョーおよび折り部材が下降している途中の状態を示す図。
図15】下部横シール部位を折り部材が折り、その後にシールジョーおよび折り部材が下降を終えて且つ角筒状フィルムの下方空間から退避した状態を示す図。
図16】シールジョーおよび折り部材がホームポジションに位置する状態を示す図。
図17】変形例Aの製袋包装装置の連続製袋時のシールジョーおよび角筒状フィルムの横シール動作前の状態を示す図。
図18】変形例Aの製袋包装装置の連続製袋時のシールジョーおよび角筒状フィルムの横シール動作直後の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係る製袋包装装置1について説明する。なお、以下の説明において、製袋包装装置1について「左」「右」とは、正面側から製袋包装装置1を見た場合を基準とする。
【0021】
(1)製袋包装装置の全体構成
図2および図3に、製袋包装装置1の全体図を示す。これらの図に示す製袋包装装置1は、スナック菓子等の商品を袋詰めする機械であり、主として、商品の袋詰めを行う製袋包装ユニット5と、この製袋包装ユニット5に袋となるフィルムFを供給するフィルム供給ユニット6と、制御部100とから構成されている。また、製袋包装ユニット5の前面(一側面)には操作スイッチ類7が配置されており、この操作スイッチ類7を操作するユーザーが視認できる位置に、操作状態を示す液晶ディスプレイ8が配置されている。
【0022】
図1は、製袋包装装置1により製造されるガセット型の袋50を示している。袋50は、4つの側面部51と1つの底面部52とを有しており、底面部52を支持面として自立可能なスタンドパックである。すなわち、スタンドパックとは、袋50のように、支持面となる底面部を有する自立可能な袋を意味する。袋50には、上部ガセット(折り込み)G1と、下部ガセット(折り込み)G2と、4つのヘムシール部位H1~H4と、縦シール部位L1と、上部横シール部位T1と、下部横シール部位T2とが形成されている。
【0023】
袋50は、1枚の矩形形状のシート状のフィルムFから形成される袋であり、当該フィルムFの所定の位置を折り曲げ、さらに、所定の位置を熱シール(熱溶着)することにより形成される。より具体的には、袋50は、主として以下のステップにより形成される。すなわち、シート状のフィルムFを、右側面部、正面部、左側面部および後面部の4つの側面部を有する角筒状に成形する。角筒状のフィルムF(以下、角筒状フィルムFc)の4つの側面部は、後に、それぞれ袋50の4つの側面部51となる。次に、角筒状に成形されたことで重なり合うフィルムFの両縁を縦方向に熱シールすることにより、縦シール部位L1を形成する。次に、角筒状フィルムFcの四隅を縦方向に熱シールすることにより、4つのヘムシール部位H1~H4を形成する。次に、互いに向かい合う角筒状フィルムFcの側面部を角筒状フィルムFcの内側に折り込むことにより、ガセットG1,G2を形成する。下部ガセットG2が形成されることにより、袋50の底面部52が形成されることになる。また、ガセットG1,G2の形成動作と同じタイミングで、角筒状フィルムFcの所定の部位を横方向に熱シールすることにより、2つの横シール部位T1,T2を形成する。上部横シール部位T1は、袋50の上部を規定し、下部横シール部位T2は、袋50の下部を規定する。以上により、袋50が製造される。
【0024】
(2)製袋包装装置の各部の詳細
以下、製袋包装装置1の各部の詳細について説明する。
【0025】
(2-1)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット6は、後述する製袋包装ユニット5の成形機構13に対してシート状のフィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット5に隣接して設けられている。このフィルム供給ユニット6には、フィルムFが巻かれたフィルムロールがセットされており、このフィルムロールからフィルムFが繰り出される。
【0026】
(2-2)製袋包装ユニット
図4および図5は、製袋包装ユニット5の主要部分を示している。
【0027】
製袋包装ユニット5は、主として、成形機構13と、搬送機構14と、ヘム形成機構18と、縦シール機構15と、横シール機構17と、袋底面形成機構19と、上部ガセット形成部材93,93と、これらの機構や部材を支える支持フレーム12と、から構成されている。また、支持フレーム12の周囲には、ケーシング9が取り付けられている。成形機構13は、フィルム供給ユニット6から送られてくるシート状のフィルムFを角筒状に成形する。搬送機構14は、成形機構13によって角筒状に成形された角筒状フィルムFcを下方に搬送する。ヘム形成機構18は、角筒状フィルムFcの四隅にヘムシール部位H1~H4を形成する。縦シール機構15は、角筒状フィルムFcの重なり合う部位を縦方向に熱シールする。横シール機構17は、角筒状フィルムFcの袋50の上下端となる部位を横方向に熱シールすることで袋50を封止する。袋底面形成機構19は、角筒状フィルムFcの袋50の底面部52を形成する機構である。
【0028】
横シール機構17および袋底面形成機構19は、図6に示す上下可動架台20に搭載されている機構であり、ロッド12aを介して、支持フレーム12に対して上下移動が可能となっている。
【0029】
(2-2-1)成形機構
成形機構13は、筒部材31と、フォーマ32とを有している。
【0030】
筒部材31は、上部が円筒状になっている。筒部材31の下部は、正面と、後面と、右側面と、左側面とを有する角筒状になっている。筒部材31は、上端から高さの方向中央部分まで円筒状であり、高さ方向の中央部分から下端に向かって徐々に角筒状に形状が変わる。筒部材31は、縦方向に延びており、上下端が開口している。筒部材31は、支持フレーム12の天板29の中央付近に形成されている開口を上下方向に貫通するように配置され、図示されないブラケットを介してフォーマ32に固定されている。この筒部材31の上端の開口には、製袋包装ユニット5の上方に設けられているコンピュータスケール2から所定量ずつ落下してくる商品が投入される。商品は、筒部材31の内部を落下する。なお、コンピュータスケール2は、フィーダ、プールホッパ、計量ホッパ、集合排出シュート等から構成される組合せ計量装置である。
【0031】
フォーマ32は、筒部材31の上部付近に筒部材31を取り囲むように配置されている。このフォーマ32の形状は、フィルム供給ユニット6から送られてくるシート状のフィルムFがフォーマ32と筒部材31との隙間を通過するときに円筒状に成形され、下端に向けて搬送されるに従って徐々にフィルムFが角筒状に成形されるような形状とされている。言い換えると、フォーマ32は、シート状のフィルムFを筒部材31に巻きつかせて、フィルムFを筒状に成形して角筒状フィルムFcにする部材である。このフォーマ32は、支持フレーム12に支持されている支持部材33の基板33aに固定されている(図4および図5参照)。
【0032】
(2-2-2)ヘム形成機構
ヘム形成機構18は、一対のヘム成形ユニット70,71と、一対のヘムシールユニット80,81とを有している。ヘム成形ユニット70,71は、縦方向に延びる筒部材31を軸として左右対称に配置されており、筒部材31とフォーマ32との接合部分の下方に配置されている。ヘムシールユニット80,81は、縦方向に延びる筒部材31を軸として左右対称に配置されており、それぞれヘム成形ユニット70,71の直下方であって、後述するプルダウンベルト40,41の直上方に配置されている。また、ヘムシールユニット80,81は、それぞれ、一対のヒータブロック82,82と、ヒータブロック用あて板83とを有している。
【0033】
ヘム形成機構18については、例えば特開2008-168931号公報に記載されているように公知であるため、ここでは詳細構成の説明を省略する。
【0034】
製袋包装装置1の駆動時には、角筒状フィルムFcの四隅の部位が所定の隙間を通り抜けて下流側へと搬送されてゆく。これにより、角筒状フィルムFcの四隅に折り目が付けられて、図1に示すヘムシール部位H1~H4が成形される。また、製袋包装装置1の駆動時には、所定のタイミングでヒータブロック82が移動し、ヒータブロック82のシール面が角筒状フィルムのFcのヘムシール部位H1~H4を挟んでヒータブロック用あて板83に押し当てられる。これにより、角筒状フィルムFcのヘムシール部位H1~H4が熱シールされる。
【0035】
(2-2-3)搬送機構
搬送機構14は、角筒状フィルムFcを下流側に搬送する機構であって、一対のプルダウンベルト40,41を有している。プルダウンベルト40,41は、支持フレーム12の天板29から吊り下げられている支持部材(図示されていない)に支持されている。プルダウンベルト40,41は、縦方向に延びる筒部材31を軸として左右対称に配置されており、筒部材31に巻きつけられた状態の角筒状フィルムFcに当接して角筒状フィルムFcを吸着しながら下方に搬送する役割を果たす。
【0036】
(2-2-4)縦シール機構
縦シール機構15は、角筒状フィルムFcの包材の合わせ目を、縦にシールする。縦シール機構15は、支持フレーム12の天板29から吊り下げられている支持部材(図示されない)に支持されている。縦シール機構15は、ヒータおよびヒータにより加熱されるヒータベルト等を有しており、筒部材31の正面に対向し、ヘムシールユニット80,81の4つのヒータブロック82と縦方向に概ね同じ位置を占めている(図4および図5参照)。この縦シール機構15は、筒部材31に巻きつけられている角筒状フィルムFcの縦方向に延びて重なり合う部位(包材の合わせ目)を、一定の加圧力で筒部材31の正面に押しつけながら加熱してシールすることにより、角筒状フィルムFcの正面部に縦シール部位L1を形成する。
【0037】
(2-2-5)横シール機構
図6および図7に、上下可動架台20に搭載された横シール機構17および袋底面形成機構19を示す。図8に、横シール機構17および袋底面形成機構19の主要部品の高さ位置が分かる側面図を示す。
【0038】
横シール機構17は、筒部材31の下方に配置され、支持フレーム12に支持されている。横シール機構17は、主として、一対のシールジョー90,90から構成されている。シールジョー90,90は、図7に示すシールジョー駆動モータ121を動かすことによって、互いに近接したり離反したりするように水平面内を前後方向に往復運動する。より具体的には、シールジョー90,90は、互いに同期を取りながら、下方に搬送される角筒状フィルムFcを軸として前後対称に移動する。そして、シールジョー90,90は、互いに最も近接する状態において角筒状フィルムFcを挟み込む。以下、後述する図16に示す位置を、シールジョー90,90の退避位置と呼び、図12に示す位置をシールジョー90,90の前進位置と呼ぶこととする。
【0039】
各シールジョー90は、内部にヒータを有している。そして、このヒータによって各シールジョー90のシール面(横シール時に対向する面)が加熱され、両シールジョー90,90によって挟み込まれた角筒状フィルムFcの横シールされるべき部位が熱シールされ、上部横シール部位T1および下部横シール部位T2が形成される。シールジョー90,90は、一回の挟み込み動作により、製袋包装装置1により製造される連なる2つの袋50,50のうち、先に製造される袋50の上部横シール部位T1と、その次に製造される袋50の下部横シール部位T2とを同時に形成する。そして、一方のシールジョー90には、図示されないカッターが内蔵されており、一回の挟み込み動作により熱シールされた部位の中央がカッターで横方向に切断される。この切断により、縦方向に延びる角筒状フィルムFcから、袋50が1つ1つ切り離されることになる。
【0040】
(2-2-6)袋底面形成機構
袋底面形成機構19は、主として、左右一対の下部ガセット形成部材91,91と、折り部材92とから構成されている。
【0041】
(2-2-6-1)下部ガセット形成部材
下部ガセット形成部材91,91は、シールジョー90,90の上方に配置されており、平面視において三角形の形状を有する板状部材である。下部ガセット形成部材91,91は、角筒状フィルムFcの右側面部および左側面部に下部ガセットG2を形成する役割を果たす。
【0042】
下部ガセット形成部材91,91は、カム機構や第1エアシリンダ91aなどから成る駆動機構に連結されており、互いに近接したり離反したりするように水平面内を左右方向に往復運動する。特に、カム機構は、下部ガセット形成部材91,91の移動とシールジョー90,90の移動とを同期させる役割を果たす。すなわち、下部ガセット形成部材91,91は、互いに離反した退避位置と、互いに近接した前進位置(図9および図10参照)との間を往復運動することになる。
【0043】
より具体的には、下部ガセット形成部材91,91は、互いに同期を取りながら同周期で往復運動を行い、上下方向に搬送される角筒状フィルムFcを軸として左右対称に移動する。
【0044】
左側の下部ガセット形成部材91は、退避位置から前進位置へと右方向に移動しながら、角筒状フィルムFcの左側面部のうち、下部横シール部位T2となる部位の上方近傍に接触して、その接触部位を角筒状フィルムFcの内側に折り込む。同様に、右側の下部ガセット形成部材91は、退避位置から前進位置へと左方向に移動しながら、角筒状フィルムFcの右側面部のうち、下部横シール部位T2となる部位の上方近傍に接触して、その接触部位を角筒状フィルムFcの内側に折り込む。これにより、角筒状フィルムFcの右側面部および左側面部に下部ガセットG2が形成される。
【0045】
(2-2-6-2)折り部材
折り部材92は、図6および図7に示すような形状の部材であり、袋50の底面部52に連続する下部横シール部位T2に当たる部分が、水平面に沿った板状になっている。この部分が、シールジョー90の上方であって、下部ガセット形成部材91,91の下方の高さ位置に配置されている(図8参照)。折り部材92は、シールジョー90,90により形成された下部横シール部位T2を、下部ガセット形成部材91,91により形成された袋50の底面部52に向けて折り倒す役割を果たす。
【0046】
折り部材92は、第2エアシリンダ92aなどから成る駆動機構に連結されており、水平面内を前後方向に往復運動する。すなわち、折り部材92は、角筒状フィルムFcの正面部から離れた退避位置(図12参照)と、角筒状フィルムFcの正面部に近接した前進位置(図13参照)との間を往復運動することになる。なお、ここでは、水平方向に沿った前後方向のうち一方を第1方向、他方を第2方向と呼ぶ。
【0047】
また、折り部材92は、上下可動架台20の上下移動に伴い、シールジョー90,90や下部ガセット形成部材91,91とともに上下に移動する。
【0048】
折り部材92は、シールジョー90,90がシール動作を終え、カッターにより上部横シール部位T1と下部横シール部位T2とが分離した後(図12参照)、図13に示す前進位置に移動する。そして、折り部材92は、図13に示す前進位置に達するときに、袋50の下部横シール部位T2を、底面部52に向けて折り倒す。この折り部材92による折り倒し動作により、下部横シール部位T2が底面部52と平行になるように折り畳まれることとなり、袋50がスタンドパックとなる。
【0049】
なお、図13に続く、図14図15に示す折り部材92の動きについては、後に詳述する。
【0050】
(2-2-7)上部ガセット形成部材
上部ガセット形成部材93,93は、シールジョー90,90の下方に配置されている。上部ガセット形成部材93,93は、角筒状フィルムFcの右側面部および左側面部にガセットG1を形成する役割を果たす。
【0051】
上部ガセット形成部材93,93は、下部ガセット形成部材91,91を動かす駆動機構に連結されており、互いに近接したり離反したりするように水平面内を左右方向に往復運動する。上部ガセット形成部材93,93と下部ガセット形成部材91,91とは、第1エアシリンダ91aによって一体的に動く。具体的には、上部ガセット形成部材93,93は、互いに同期を取りながら同周期で往復運動を行い、上下方向に搬送される角筒状フィルムFcを軸として左右対称に移動する。
【0052】
各上部ガセット形成部材93は、角筒状フィルムFcの側面部を、角筒状フィルムFcの内側に折り込む。これにより、角筒状フィルムFcの右側面部および左側面部にガセットG1が形成される(図1参照)。
【0053】
(2-2-8)上下可動架台
上下可動架台20は、横シール機構17のシールジョー90,90を上下に動かす役割を果たすとともに、袋底面形成機構19の下部ガセット形成部材91,91や折り部材92を上下に動かす役割を果たす架台である。図6に示すように、上下可動架台20は、2本のロッド12aにスライダー20aを介して上下移動可能に支持されている。ロッド12aの上端および下端は、支持フレーム12に固定されている。
【0054】
上下可動架台20は、リンク・クランク機構(図示せず)および上下駆動モータ122によって、上下に移動する。上下駆動モータ122を、制御部100が制御することによって、上下可動架台20が上下方向に往復移動するとともに、上下可動架台20に搭載されている横シール機構17および袋底面形成機構19も、上下方向に往復移動する。すなわち、上下駆動モータ122やリンク・クランク機構(図示せず)は、横シール機構17の一部として機能するとともに、袋底面形成機構19の一部として機能する。
【0055】
(2-3)制御部
制御部100は、コンピュータにより実現されるものである。制御部100は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。図11は、制御演算装置により実現される各種の機能ブロックを示している。記憶装置は、データベースとして用いることができる。
【0056】
制御部100は、図11に示すように、フィルム供給ユニット6、搬送機構14、ヘム形成機構18、縦シール機構15などのモータやヒータ、横シール機構17および袋底面形成機構19のシールジョー駆動モータ121、第1エアシリンダ91a、第2エアシリンダ92aおよび上下駆動モータ122、などと接続され、各アクチュエータをコントロールする。
【0057】
(3)製袋包装装置の動作
(3-1)全体の概略動作
搬送機構14が駆動されると、フィルム供給ユニット6のフィルムロールからフィルムFが巻き出されて成形機構13へと導かれる。成形機構13では、フィルムロールから巻き出されたシート状のフィルムFがフォーマ32の表面に沿って進み、フォーマ32と筒部材31との隙間を通過するときに円筒状のフォーマ32の上部の外表面に巻きつけられ、下方に搬送されるに従って徐々に角筒状フィルムFcに成形される。
【0058】
続いて、角筒状フィルムFcは、ヘム形成機構18に達する。ヘム成形ユニット70,71では、角筒状フィルムFcに折り目が付けられて4つのヘムシール部位H1~H4が成形される。その後、ヘム成形ユニット70,71において成形されたヘムシール部位H1~H4は、ヘムシールユニット80,81を通過する際に熱シールされる。
【0059】
また、ヘムシールユニット80,81と概ね同じ高さ位置にある縦シール機構15は、ヘムシールユニット80,81が角筒状フィルムFcのヘムシール部位H1~H4を熱シールするのと略同時に、角筒状フィルムFcの縦シール部位L1となる部位に熱シールを施す。
【0060】
続いて、角筒状フィルムFcは、筒部材31を抜けて横シール機構17および袋底面形成機構19の高さ位置へと降りていく。横シール機構17においては、角筒状フィルムFcの所定の部位に横方向に熱シールが施される。このとき、制御部100は、搬送機構14による角筒状フィルムFcの搬送を一旦止める。すなわち、制御部100は、搬送機構14に、間欠式の角筒状フィルムFcの搬送を行わせる。
【0061】
横シール機構17による熱シールの前に、上部ガセット形成部材93,93および下部ガセット形成部材91,91のそれぞれが、それぞれの退避位置からそれぞれの前進位置へと進む。これにより、角筒状フィルムFcの右側面部および左側面部は、角筒状フィルムFcの内側に安定して折り込まれることになる。また、角筒状フィルムFcの右側面部および左側面部は、下部ガセット形成部材91,91との接触により、角筒状フィルムFcの内側に折り込まれる。
【0062】
一方、シールジョー90,90は、前進動作について上部ガセット形成部材93,93および下部ガセット形成部材91,91とカム機構を介して同期を取っているため、上部ガセット形成部材93,93および下部ガセット形成部材91,91が前進位置に達すると同時に、同じく前進位置に達する。シールジョー90,90は、前進位置において、角筒状フィルムFcの所定の部位を挟み込んで熱シールする。このとき、商品の固まりがコンピュータスケール2から筒部材31内を通り抜けて落下し、角筒状フィルムFc内に溜められる。そして、シール動作を終えたシールジョー90,90は、商品が内部に充填されている状態において、熱シールした角筒状フィルムFcの所定の部位を、内蔵されるカッターにより横方向に切断する。これにより、先行する袋50と後続の袋50とが切り離されることになる。なお、シールジョー90,90により熱シールされた部位のうち、上記切断動作により分離された下方側の部位は、先行する袋50の上部横シール部位T1となる。一方、シールジョー90,90により熱シールされた部位のうち、上記切断動作により分離された上方側の部位は、後続の袋50の下部横シール部位T2となる。上部ガセット形成部材93,93および下部ガセット形成部材91,91のそれぞれは、上記折り込み動作が終了すると、それぞれの前進位置からそれぞれの退避位置へと後退する。一方、シールジョー90,90は、上部ガセット形成部材93,93および下部ガセット形成部材91,91とは別に、前進位置から退避位置へと後退する。
【0063】
一方、袋底面形成機構19の折り部材92は、前方のシールジョー90の後退開始直後に、前進位置に移動して、シールジョー90,90により形成された下部横シール部位T2を、下部ガセット形成部材91,91により形成された袋50の底面部52に向けて折り倒す(図13参照)。
【0064】
(3-2)袋底面形成機構の折り部材の動作詳細
図12図16を参照して、横シール動作後の折り部材92による下部横シール部位T2の折り倒し動作およびその後の折り部材の動きについて詳述する。図12図16に示す第1方向および第2方向は、水平方向に沿った前後方向の一方および他方であり、搬送方向は、鉛直下向きの方向である。
【0065】
図12は、横シール動作およびカッターによる切断動作が終わってシールジョー90,90が前進位置から退避位置へと後退し始めるときの状態を示している。折り部材92が図12に示す退避位置から図13に示す前進位置へと第1方向に移動すると、下部横シール部位T2が折り倒されて、下部横シール部位T2が底面部52と平行になる。また、折り部材92は、シールジョー90からの熱を受け、その熱を下部横シール部位T2および底面部52に伝える。これにより、下部横シール部位T2が底面部52に固着され、袋50がスタンドパックとなる。
【0066】
その後、制御部100は、上下可動架台20を下降させることで、シールジョー90,90および折り部材92を下降させるとともに、図14に示すように、シールジョー90,90をシールジョー駆動モータ121によって退避位置に移動させ続け、且つ折り部材92を第2エアシリンダ92aによって退避位置に向けて第2方向に移動させ始める。これにより、底面部52が形成された角筒状フィルムFcの下方空間が空くので、制御部100は、角筒状フィルムFcの搬送方向(下方向)への搬送を再開させる。
【0067】
図15は、シールジョー90,90および折り部材92が退避位置に到達し、角筒状フィルムFcの下方空間が完全に空いた状態を示す。その後、制御部100は、上下可動架台20を上昇させ、シールジョー90,90、下部ガセット形成部材91,91および折り部材92を横シールを行う高さ位置(図16に示すホームポジション)に戻す。そして、横シール機構17、袋底面形成機構19および上部ガセット形成部材93,93は、同じ動作を繰り返して間欠的に袋50を製袋し続ける。
【0068】
(4)筒部材と、下部ガセット形成部材およびシールジョーとの隙間の調整について
ガセット型の袋50の製袋において、筒部材31の下端と、下部ガセット形成部材91,91およびシールジョー90,90との隙間の大きさが、美観に大きな影響を与える。隙間が小さすぎると、フィルムが傷つく、フィルムにピンホールが開く、部品同士が干渉する、といった不具合が生じる。逆に、隙間が大きすぎると、袋の底面が綺麗に形成できず、袋の美観が悪化する。このような不具合を防ぐため、従来においては、シム調整を行って筒部材31の高さ位置を調整することが行われている。
【0069】
しかし、袋サイズが変わり、それに伴って筒部材31をサイズが異なるものに取り替えるたびにシム調整を行うことは、煩雑である。
【0070】
そこで、本実施形態に係る製袋包装装置1では、横シール機構17および袋底面形成機構19が搭載される上下可動架台20を上下に移動させることができることを利用して、図9および図10に示す筒部材31、下部ガセット形成部材91,91およびシールジョー90,90の高さ位置の調整を、上下可動架台20を移動させる上下駆動モータ122によって行っている。図10に示す下部ガセット形成部材91,91とシールジョー90,90との隙間G12は一定であるが、図10に示す筒部材31と下部ガセット形成部材91,91との隙間G11は、上下駆動モータ122を使って寸法を調整することができる。
【0071】
筒部材31を、他のサイズの筒部材31に取り替えたときには、作業者は、操作スイッチ類7あるいはタッチパネル式の液晶ディスプレイ8から高さ調整操作を行う。また、フィルムFを、別の厚み又は硬さのフィルムFに取り替えたときにも、作業者は、同様に高さ調整操作を行い、上下駆動モータ122を使って隙間G11の大きさを調整する。
【0072】
(5)特徴
(5-1)
上記実施形態の製袋包装装置1は、商品が包装された袋50を製造する製袋包装装置1である。製袋包装装置1は、筒部材31と、フォーマ32と、搬送機構14と、縦シール機構15と、ヘム形成機構18と、下部ガセット形成部材91,91および上部ガセット形成部材93,93と、横シール機構17と、折り部材92と、制御部100とを備えている。筒部材31は、商品が内部を落下する、筒状の部材である。フォーマ32は、シート状のフィルムFを筒状に成形するための部材である。フォーマ32によって、フィルムFが筒部材31に巻きつく。搬送機構14は、筒状のフィルムF(角筒状フィルムFc)を下流側に搬送する。縦シール機構15は、角筒状フィルムFcの合わせ目を、縦にシールする。ヘム形成機構18や下部ガセット形成部材91,91は、筒状のフィルムFに外側から接して、筒状のフィルムFを角筒状に成形する。横シール機構17は、角筒状フィルムFcを横にシールして、下部横シール部位T2を形成する。折り部材92は、下部横シール部位T2を折る部材である。制御部100は、図13に示すように、水平方向に沿う第1方向に折り部材92を動かして下部横シール部位T2を折った後に、搬送機構14による角筒状フィルムFcの搬送方向に折り部材92を動かす。
【0073】
この製袋包装装置1では、制御部100が、折り部材92を動かして下部横シール部位T2を折った後に、角筒状フィルムFcの搬送方向に折り部材92を動かしている。これにより、角筒状フィルムFcの搬送方向に折り部材92が動かない従来の製袋包装装置に比べて、折り部材92が角筒状フィルムFcの搬送の邪魔になり難くなっており、製袋能力を高くすることができている。
【0074】
(5-2)
上記実施形態の製袋包装装置1では、制御部100が、折り部材92に下部横シール部位T2に折らせた後、角筒状フィルムFcの搬送方向に折り部材92を移動させるとともに、更に、第1方向の反対方向である第2方向に折り部材92を動かしている(図14および図15を参照)。これにより、角筒状フィルムFcの搬送方向下流側の空間から折り部材92が早い段階で離脱するようになり、製袋能力を更に高くすることができている。
【0075】
(5-3)
上記実施形態の製袋包装装置1は、いわゆる間欠式のフィルム搬送を行う製袋包装装置である。制御部100は、搬送機構14による角筒状フィルムFcの搬送を止めた状態で、第1方向に折り部材92を動かして下部横シール部位T2を折る。また、制御部100は、下部横シール部位T2を折った後、角筒状フィルムFcの搬送方向に折り部材92を動かし、搬送機構14による角筒状フィルムFcの搬送を再開させる。
【0076】
従来の製袋包装装置では、横シール部を折った部材が角筒状フィルムの搬送経路から離脱するまで角筒状フィルムの搬送を休止させ続けていたが、上記実施形態の製袋包装装置1では、下部横シール部位T2を折った折り部材92を、角筒状フィルムFcの搬送方向に動かすことで、角筒状フィルムFcの搬送を早いタイミングで再開させることができている。
【0077】
(5-4)
上記実施形態の製袋包装装置1では、横シール機構17が、一対のシールジョー90,90と、一対のシールジョー90,90を駆動するシールジョー駆動部とを有している。シールジョー駆動部は、上下可動架台20に固定されているシールジョー駆動モータ121と、上下可動架台20を上下に移動させる上下駆動モータ122とを有している。シールジョー駆動モータ121は、一対のシールジョー90,90を、図13図15に示すように第1方向に沿って移動させる。上下駆動モータ122は、一対のシールジョー90,90を、図14図16に示すように、角筒状フィルムFcの搬送方向に沿って移動させる。上下駆動モータ122は、さらに、図14図16に示すように、折り部材92を、角筒状フィルムFcの搬送方向に移動させる。
【0078】
このように、上記実施形態の製袋包装装置1では、上下駆動モータ122が、一対のシールジョー90,90を搬送方向に沿って移動させるだけではなく、折り部材92を搬送方向に移動させる役割も担う。すなわち、上下駆動モータ122は、一対のシールジョー90,90を移動させる役割と、折り部材92を移動させる役割との両方を果たす。これにより、製袋包装装置1の製造コストが抑えられている。
【0079】
(5-5)
上記実施形態の製袋包装装置1では、一対のシールジョー90,90を第1方向に沿って移動させるシールジョー駆動モータ121とは別に、第1方向に折り部材92を往復移動させる第2エアシリンダ92aが設けられている。これにより、一対のシールジョー90,90の第1方向の移動動作と、折り部材92の第1方向の移動動作とを、複雑なリンク機構などを用いることなく、それぞれ最適なタイミングで行うことができている。具体的には、図12図16に示すような各移動動作を行うことができている。
【0080】
(6)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0081】
(6-1)変形例A
上記実施形態の製袋包装装置1は、いわゆる間欠式のフィルム搬送を行う製袋包装装置であるが、本発明は、いわゆる連続式のフィルム搬送を行う製袋包装装置に対しても適用ができる。
【0082】
また、角筒状フィルムFcを連続搬送する場合、袋の底面を平らにするために、連続製袋におけるシールジョー90,90の下降速度を角筒状フィルムFcの搬送速度よりも少し遅くすることが好ましい。
【0083】
従来、ガセット型の袋を作る場合は、袋の底面を平らにする工程がある。この工程では、なるべく筒部材の下端に近い高さ位置において一対のシールジョーを閉じることで、筒部材の下端の形状に沿って袋の底面を平らに形成している。すなわち、筒部材の下端の高さ位置と、シールジョーを水平移動させる高さ位置とを近づけ、両者の隙間を小さくすることで、袋の底面を平らに形成している。しかし、この従来の方法は、一対のシールジョーを閉じるときに角筒状フィルムの搬送が止まっていることが前提となっている。角筒状フィルムを絶え間なく送りながら製袋する連続製袋では、シールジョーとフィルムとの干渉によるフィルムの詰まりの発生を回避するために、一対のシールジョーを閉じるときに、フィルム送りに合わせてシールジョーを搬送方向に移動させる必要がある。すると、結果的に、横シール時のシールジョーの高さ位置が筒部材の下端から離れてしまい、袋の底面を平らに形成できない。
【0084】
このような問題を解消する方法として、連続製袋におけるシールジョー90,90の下降速度を角筒状フィルムFcの搬送速度よりも少し遅くするという方法は有効である。シールジョー90,90の下降速度を、わずかに角筒状フィルムFcの搬送速度よりも遅い速度に設定すれば、図17および図18に示すように、角筒状フィルムFcの底面が一対のシールジョー90,90の上面に押し当てられて角筒状フィルムFcの下部が弛む(図18を参照)。すると、シールジョーの上面に押し当てられている角筒状フィルムFcの下面が、シールジョーから熱を受けて、平らな袋の底面に形成される。このように、シールジョー90,90の下降速度を、わずかに角筒状フィルムFcの搬送速度よりも遅い速度に設定することで、連続製袋においてもガセット型の袋の底面を平らに形成することができる。これにより、ガセット型の袋の製袋能力を上げることができ、生産性の向上が期待できる。
【0085】
(6-2)変形例B
上述の変形例Aの説明において述べたように、従来から、間欠式のフィルム搬送を行う製袋包装装置では、なるべく筒部材の下端に近い高さ位置において一対のシールジョーを閉じることで、筒部材の下端の形状に沿って袋の底面を平らに形成している。
【0086】
また、横シール部位にタックや皺が発生することを避けるため、一対のシールジョーをゆっくりとした速度で閉じる必要がある。
【0087】
しかし、一対のシールジョーを閉じる速度を遅くすると、その分だけ横シール開始時のシールジョーの高さ位置を下げなければ、フィルムを詰まらせてしまう恐れがある。このため、ある程度の速度で一対のシールジョーを閉じなければならず、袋の美観を犠牲にする必要がある。
【0088】
このような、フィルムの詰まりの防止と、袋の美観という相反する要求を両立させるためには、横シール開始時の最適なシールジョーの高さ位置を決める必要がある。これを自動的に算出することが、変形例Bの製袋包装装置の機能である。
【0089】
変形例Bの製袋包装装置では、一対のシールジョーが閉じるまでに要する時間を設定し、フィルム搬送速度、シールジョーが閉じる過程においてフィルムに到達するまでの時間、などを用いて、自動的に、横シール開始時の最適なシールジョーの高さ位置を計算する。すなわち、変形例Bの製袋包装装置では、作業者が一対のシールジョーを閉じるときの速度を調整すると、それに従って、最適な横シール開始時のシールジョーの高さ位置が決まり、その高さ位置で横シールを開始するように自動制御が為される。これにより、変形例Bの製袋包装装置では、フィルムを詰まらせることなく、袋の美観も保つことができるようになる。
【0090】
(6-3)変形例C
上記実施形態では、図11に示すように、上下可動架台20を上下に移動させる上下駆動モータ122やリンク・クランク機構が、横シール機構17のシールジョー90,90を上下に動かす役割を果たすとともに、袋底面形成機構19の下部ガセット形成部材91,91および上部ガセット形成部材93,93や折り部材92を上下に動かす役割を果たしている。
【0091】
しかし、このような構成に代えて、シールジョー90,90や下部ガセット形成部材91,91を上下に動かす上下駆動モータ122等とは別に、搬送方向に折り部材92を移動させるサーボモータあるいはエアシリンダを設けてもよい。
【0092】
(6-4)変形例D
上記実施形態では、ヘム形成機構18、下部ガセット形成部材91,91および上部ガセット形成部材93,93が、筒状のフィルムFに外側から接してフィルムFを角筒状に成形しているが、この角筒状フィルムFcを成形する部材は、これらのうち1つであってもよいし、これらとは違う別部材であってもよい。例えば、ヘム形成機構18の配備を省略してもよい。
【0093】
(6-5)変形例E
上記実施形態では、折り部材92によって下部横シール部位T2が折り倒された後、図14に示すように、制御部100は、シールジョー90,90および折り部材92を下降させるとともに、折り部材92を退避位置に向けて第2方向に移動させ始めている。
【0094】
しかし、角筒状フィルムFcの搬送速度や必要な搬送再開タイミングによっては、折り部材92を直ちに第2方向に移動させ始める必要はない。折り部材92が搭載された上下可動架台20の下降が終わったあとに、折り部材92を第2方向に移動させて退避位置に戻してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 製袋包装装置
14 搬送機構
15 縦シール機構
17 横シール機構
18 ヘム形成機構
31 筒部材
32 フォーマ
90 シールジョー
91 下部ガセット形成部材(第1部材)
91a 第1エアシリンダ
92 折り部材(第2部材)
92a 第2エアシリンダ
93 上部ガセット形成部材(第1部材)
100 制御部
121 シールジョー駆動モータ(第1駆動部)
122 上下駆動モータ(第2駆動部)
T2 下部横シール部位(横シール部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】特許第3922928号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18