(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089673
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】警報システム、中継装置、チャネル決定方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/10 20060101AFI20230621BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20230621BHJP
H04B 7/15 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
G08B25/10 A
G08B17/00 C
H04B7/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204319
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 卓也
(72)【発明者】
【氏名】干場 圭太郎
(72)【発明者】
【氏名】菅原 隆行
(72)【発明者】
【氏名】近藤 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】泉谷 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】花盛 太一
(72)【発明者】
【氏名】山本 倫生
(72)【発明者】
【氏名】吉井 毅
【テーマコード(参考)】
5C087
5G405
5K072
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA42
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD04
5C087DD20
5C087EE07
5C087FF01
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5C087GG08
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5C087GG84
5G405AA03
5G405AB01
5G405AB02
5G405AB03
5G405AB05
5G405AD05
5G405AD09
5G405BA08
5G405CA19
5G405CA23
5G405CA47
5K072AA24
5K072AA29
5K072BB02
5K072BB25
5K072DD16
5K072FF02
5K072FF06
5K072HH01
5K072HH02
(57)【要約】
【課題】チャネルの切替が発生する場合であってもチャネルの管理を簡易にする技術を提供する。
【解決手段】第1中継装置200aは、第1チャネルでビーコン信号を第1火災警報器100a等に送信する。第1火災警報器100a等は、ビーコン信号を受信した場合、第1チャネルで応答信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、第2火災警報器100bからの応答信号を受信しない場合、第2チャネルでビーコン信号を第1火災警報器100a等に送信する。第1火災警報器100a等は、ビーコン信号を受信した場合、第2チャネルで応答信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、第1火災警報器100a等からの応答信号を受信した場合、警報システム1000での第2チャネルの使用を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継装置と、
前記中継装置と通信可能な第1警報器と第2警報器とを備え、
前記中継装置は、第1チャネルでビーコン信号を前記第1警報器と前記第2警報器に送信し、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第1チャネルで前記ビーコン信号を受信した場合、前記第1チャネルで応答信号を前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第1チャネルで受信した場合、警報システムでの前記第1チャネルの使用を決定し、
前記中継装置は、前記第1警報器と前記第2警報器の少なくとも1つからの前記応答信号を前記第1チャネルで受信しない場合、前記第1チャネルとは異なった第2チャネルで前記ビーコン信号を前記第1警報器と前記第2警報器に送信し、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第2チャネルで前記ビーコン信号を受信した場合、前記第2チャネルで前記応答信号を前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第2チャネルで受信した場合、警報システムでの前記第2チャネルの使用を決定する、
警報システム。
【請求項2】
前記中継装置は、前記第1警報器と前記第2警報器の少なくとも1つからの前記応答信号を前記第2チャネルで受信しない場合、前記第1チャネルと前記第2チャネルとは異なった第3チャネルで前記ビーコン信号を前記第1警報器と前記第2警報器に送信し、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第3チャネルで前記ビーコン信号を受信した場合、前記第3チャネルで前記応答信号を前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第3チャネルで受信した場合、警報システムでの前記第3チャネルの使用を決定する、
請求項1に記載の警報システム。
【請求項3】
前記中継装置は、チャネルの変更を要求するためのチャネル変更要求を前記第1チャネルで送信してから、前記第1チャネルを前記第2チャネルに変更し、
前記中継装置は、前記チャネル変更要求を前記第2チャネルで送信せずに、前記第2チャネルを前記第3チャネルに変更する、
請求項2に記載の警報システム。
【請求項4】
前記中継装置は、チャネルの変更を要求するためのチャネル変更要求を前記第1チャネルで送信してから、前記第1チャネルを前記第2チャネルに変更し、
前記中継装置は、前記チャネル変更要求を前記第2チャネルで送信してから、前記第2チャネルを前記第3チャネルに変更する、
請求項2に記載の警報システム。
【請求項5】
前記チャネル変更要求には、変更先のチャネルに関する情報が含まれる、
請求項3または4に記載の警報システム。
【請求項6】
前記中継装置は、前記第2チャネルの使用を決定した場合、決定したチャネルを知らせるためのチャネル確定要求を送信し、
前記中継装置は、前記第3チャネルの使用を決定した場合、前記チャネル確定要求を送信する、
請求項3から5のいずれか1項に記載の警報システム。
【請求項7】
第1警報器と第2警報器と通信可能な通信部と、
前記通信部を制御する制御部とを備え、
前記通信部は、第1チャネルでビーコン信号を前記第1警報器と前記第2警報器に送信し、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第1チャネルで前記ビーコン信号を受信すると、前記第1チャネルで応答信号を送信しており、前記通信部が、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第1チャネルで受信した場合、前記制御部は、警報システムでの前記第1チャネルの使用を決定し、
前記通信部は、前記第1警報器と前記第2警報器の少なくとも1つからの前記応答信号を前記第1チャネルで受信しない場合、前記第1チャネルとは異なった第2チャネルで前記ビーコン信号を前記第1警報器と前記第2警報器に送信し、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第2チャネルで前記ビーコン信号を受信すると、前記第2チャネルで前記応答信号を送信しており、前記通信部が、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第2チャネルで受信した場合、前記制御部は、警報システムでの前記第2チャネルの使用を決定する、
中継装置。
【請求項8】
第1チャネルでビーコン信号を第1警報器と第2警報器に送信するステップと、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第1チャネルで前記ビーコン信号を受信すると、前記第1チャネルで応答信号を送信しており、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第1チャネルで受信した場合、警報システムでの前記第1チャネルの使用を決定するステップと、
前記第1警報器と前記第2警報器の少なくとも1つからの前記応答信号を前記第1チャネルで受信しない場合、前記第1チャネルとは異なった第2チャネルで前記ビーコン信号を前記第1警報器と前記第2警報器に送信するステップと、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第2チャネルで前記ビーコン信号を受信すると、前記第2チャネルで前記応答信号を送信しており、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第2チャネルで受信した場合、警報システムでの前記第2チャネルの使用を決定するステップと、
を備えるチャネル決定方法。
【請求項9】
第1チャネルでビーコン信号を第1警報器と第2警報器に送信するステップと、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第1チャネルで前記ビーコン信号を受信すると、前記第1チャネルで応答信号を送信しており、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第1チャネルで受信した場合、警報システムでの前記第1チャネルの使用を決定するステップと、
前記第1警報器と前記第2警報器の少なくとも1つからの前記応答信号を前記第1チャネルで受信しない場合、前記第1チャネルとは異なった第2チャネルで前記ビーコン信号を前記第1警報器と前記第2警報器に送信するステップと、
前記第1警報器と前記第2警報器は、前記第2チャネルで前記ビーコン信号を受信すると、前記第2チャネルで前記応答信号を送信しており、前記第1警報器と前記第2警報器とからの前記応答信号を前記第2チャネルで受信した場合、警報システムでの前記第2チャネルの使用を決定するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、警報技術に関し、特に複数のチャネルのうちのいずれかを使用する警報システム、中継装置、チャネル決定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅用火災警報器(以下「火災警報器」という)は、住宅における火災を検出して警報を報知する。また、複数の火災警報器が相互に通信することによって、1つの火災警報器の異常情報が他の火災警報器でも報知される。火災警報器の数が増加すると、火災警報器から送信される無線信号の衝突の発生も増加する。衝突を回避するために、TDMA(Time Division Multiple Access)が使用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の火災警報器における無線通信のために複数のチャネルが用意される。通常の状態において中継装置と複数の火災警報器は1つのチャネルを使用して通信を実行する。中継装置といずれかの火災警報器との間で通信異常が発生すると、中継装置と当該火災警報器との間で使用されるチャネルの切替がなされる。一方、中継装置と他の火災警報器との間で使用されるチャネルは切りかえられない。そのため、中継装置と複数の火災警報器との間の通信において複数のチャネルが使用される。その結果、チャネルの管理が煩雑になる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、チャネルの切替が発生する場合であってもチャネルの管理を簡易にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の警報システムは、中継装置と、中継装置と通信可能な第1警報器と第2警報器とを備える。中継装置は、第1チャネルでビーコン信号を第1警報器と第2警報器に送信し、第1警報器と第2警報器は、第1チャネルでビーコン信号を受信した場合、第1チャネルで応答信号を中継装置に送信し、中継装置は、第1警報器と第2警報器とからの応答信号を第1チャネルで受信した場合、警報システムでの第1チャネルの使用を決定し、中継装置は、第1警報器と第2警報器の少なくとも1つからの応答信号を第1チャネルで受信しない場合、第1チャネルとは異なった第2チャネルでビーコン信号を第1警報器と第2警報器に送信し、第1警報器と第2警報器は、第2チャネルでビーコン信号を受信した場合、第2チャネルで応答信号を中継装置に送信し、中継装置は、第1警報器と第2警報器とからの応答信号を第2チャネルで受信した場合、警報システムでの第2チャネルの使用を決定する。
【0007】
本開示の別の態様は、中継装置である。この装置は、第1警報器と第2警報器と通信可能な通信部と、通信部を制御する制御部とを備える。通信部は、第1チャネルでビーコン信号を第1警報器と第2警報器に送信し、第1警報器と第2警報器は、第1チャネルでビーコン信号を受信すると、第1チャネルで応答信号を送信しており、通信部が、第1警報器と第2警報器とからの応答信号を第1チャネルで受信した場合、制御部は、警報システムでの第1チャネルの使用を決定し、通信部は、第1警報器と第2警報器の少なくとも1つからの応答信号を第1チャネルで受信しない場合、第1チャネルとは異なった第2チャネルでビーコン信号を第1警報器と第2警報器に送信し、第1警報器と第2警報器は、第2チャネルでビーコン信号を受信すると、第2チャネルで応答信号を送信しており、通信部が、第1警報器と第2警報器とからの応答信号を第2チャネルで受信した場合、制御部は、警報システムでの第2チャネルの使用を決定する。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、チャネル決定方法である。この方法は、第1チャネルでビーコン信号を第1警報器と第2警報器に送信するステップと、第1警報器と第2警報器は、第1チャネルでビーコン信号を受信すると、第1チャネルで応答信号を送信しており、第1警報器と第2警報器とからの応答信号を第1チャネルで受信した場合、警報システムでの第1チャネルの使用を決定するステップと、第1警報器と第2警報器の少なくとも1つからの応答信号を第1チャネルで受信しない場合、第1チャネルとは異なった第2チャネルでビーコン信号を第1警報器と第2警報器に送信するステップと、第1警報器と第2警報器は、第2チャネルでビーコン信号を受信すると、第2チャネルで応答信号を送信しており、第1警報器と第2警報器とからの応答信号を第2チャネルで受信した場合、警報システムでの第2チャネルの使用を決定するステップと、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、チャネルの切替が発生する場合であってもチャネルの管理を簡易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1に係る警報システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1の火災警報器と中継装置の構成を示す図である。
【
図3】
図1の火災警報器と中継装置との通信の概要を示す図である。
【
図4】
図2の火災警報器と中継装置とにおけるチャネル決定処理の概要を示す図である。
【
図5】
図2の火災警報器と中継装置とにおける別のチャネル決定処理の概要を示す図である。
【
図6】
図5の火災警報器における高速間欠受信処理の概要を示す図である。
【
図7】
図2の中継装置によるチャネル決定手順を示すフローチャートである。
【
図8】実施例2に係る火災警報器と中継装置とにおけるチャネル決定処理の概要を示す図である。
【
図9】実施例2に係る中継装置によるチャネル決定手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例1は、集合住宅、戸建住宅、オフィス、病院等の施設に設置される警報システムに関する。警報システムでは、管理装置に中継装置が接続され、中継装置に複数の火災警報器が接続される。このようなツリー構造において、管理装置が上位側に相当し、火災警報器が下位側に相当する。いずれかの火災警報器は、火災の発生を検知すると検知結果を中継装置に送信する。中継装置は、検知結果の中継により検知結果を管理装置に送信する。管理装置は、検知結果を受信すると、鳴動させる火災警報器を選択する。管理装置は、中継装置を介して、選択した火災警報器に鳴動の指示を送信する。鳴動の指示を受信した火災警報器は警報音を鳴動する。
【0013】
複数の火災警報器から中継装置に信号が送信される場合、火災警報器の数が増加するほど信号が衝突しやすくなる。信号の衝突の発生を抑制するために、中継装置と複数の火災警報器との通信にはTDMAが使用される。TDMAでは、中継装置と複数の火災警報器のそれぞれが互いに異なったタイムスロットに割り当てられるとともに、複数のタイムスロットが時間軸上に並べられる。中継装置は、割り当てられたタイムスロットにおいて信号を送信し、火災警報器は、中継装置に割り当てられたタイムスロットにおいて信号を受信する。各火災警報器は、割り当てられたタイムスロットにおいて信号を送信し、中継装置は、各火災警報器に割り当てられたタイムスロットにおいて信号を受信する。ここで、中継装置から火災警報器に向かう信号のための回線を「下り回線」と呼ぶ場合、火災警報器から中継装置に向かう信号のための回線は「上り回線」と呼ばれる。
【0014】
このような警報システムは、下り回線のための通信用のタイムスロット(以下、「下り通信用タイムスロット」という)が1つと、上り回線のための通信用のタイムスロット(以下、「上り通信用タイムスロット」という)が複数含まれるフレームを規定する。また、複数のフレームが時間軸上に並べられることによってスーパフレームが形成される。さらに、警報システムは、複数のチャネルを使用可能であり、いずれかのチャネルが通信に使用される。例えば、中継装置は、いずれかの火災警報器と通信できなくなった場合にチャネルを切りかえる。チャネルの切替が発生する場合であってもチャネルの管理を簡易にするために、本実施例に係る警報システムは、次の処理を実行する。
【0015】
通信異常が発生した場合、中継装置はすべての火災警報器に対してチャネル変更要求を送信し、すべての火災警報器に対して同一のチャネルに切り替えさせる。中継装置は、チャネル変更要求を送信した後、フレーム毎にチャネルを順次切りかえてビーコン信号を送信する。通信異常の発生していない火災警報器は、チャネル変更要求を受信すると、フレーム毎にチャネルを順次切りかえながらビーコン信号を受信する。一方、通信異常の発生した火災警報器は、すべてのチャネルの高速間欠受信を実行することによって、チャネルが変わっていくビーコン信号を受信する。いずれの火災警報器もビーコン信号を受信すると応答信号(ACK信号)を中継装置に送信する。中継装置は、すべての火災警報器からのACK信号を受信した場合に、そのときのチャネルの使用を決定する。
【0016】
図1は、警報システム1000の構成を示す。警報システム1000は、火災警報器100と総称される第1火災警報器100aから第6火災警報器100f、中継装置200と総称される第1中継装置200a、第2中継装置200b、管理装置300を含む。火災警報器100の数は「6」に限定されず、中継装置200の数は「2」に限定されない。
【0017】
警報システム1000は、住宅、オフィス、商業施設等の施設に適用され、火災を検知し、火災が発生したことを報知するシステムである。複数の火災警報器100は、例えば、住宅用火災警報器であり、火災検知センサを備える。複数の火災警報器100は、例えば、施設の天井等に設置されるが、壁等に設置されてもよい。
【0018】
第1火災警報器100aから第3火災警報器100cは第1中継装置200aとの間で無線通信を実行し、第4火災警報器100dから第6火災警報器100fは第2中継装置200bとの間で無線通信を実行する。つまり、第1中継装置200aおよび第2中継装置200bをネットワークの中心とするスター型のネットワークトポロジーがそれぞれ形成される。また、第1中継装置200aと第2中継装置200bは、有線または無線により管理装置300と通信可能である。
【0019】
管理装置300は、例えば、施設内に設置されるHEMS(Home Energy Management System)のコントローラである。管理装置300は、施設に設けられた複数の機器と通信可能である。複数の機器は、例えば、通信機能を有した空調機器、照明機器、給湯器等を含む。また、管理装置300は、施設に設けられた第1中継装置200aと第2中継装置200bと通信可能である。さらに、管理装置300は、第1中継装置200aと第2中継装置200bを介して、複数の火災警報器100とも通信可能である。
【0020】
図2は、火災警報器100と中継装置200の構成を示す。火災警報器100は、通信部120、処理部122、制御部124、火災検知センサ150、ブザー152を含み、中継装置200は、通信部220、処理部222、制御部224を含む。
図2では、中継装置200における管理装置300との通信機能が省略される。
【0021】
火災警報器100における火災検知センサ150には公知の技術が使用されればよい。例えば、火災検知センサ150は、光学式の煙検知センサであってもよく、光の乱反射を利用して火災の際の煙を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ150は、熱検知センサであってもよく、火災の際の熱を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ150は、一酸化炭素検知センサであってもよく、火災の際の燃焼によって発生する一酸化炭素の濃度を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ150は、赤外線検知センサであってもよく、火災の際の燃焼によって放射される赤外線を検知することで火災を検知してもよい。
【0022】
通信部120は、中継装置200との間の無線通信を実行する。処理部122は、通信部120において受信した信号を処理したり、通信部120から送信すべき信号を生成したりする。制御部124は、通信部120と処理部122の動作を制御する。ブザー152は、ブザー音を鳴動可能である。火災警報器100は、ブザー152を含まず、火災検知センサ150を含む構成、つまり検知機能と通信機能を有する構成であってもよい。このような火災警報器100は、火災の検知を警報可能な感知器であるともいえる。
【0023】
中継装置200における通信部220は、火災警報器100との間の無線通信を実行する。処理部222は、通信部220において受信した信号を処理したり、通信部220から送信すべき信号を生成したりする。制御部224は、通信部220と処理部222の動作を制御する。
【0024】
図3は、火災警報器100と中継装置200との通信の概要を示す。
図2における横軸は時間を示し、「1」、「2」、・・・、「m」は、スロット番号を示す。スロット「1」は下り通信用タイムスロットであり、スロット「2」、・・・「m」は上り通信用タイムスロットを示す。複数のスロットが時間軸上に並べられることによって1つのフレームが形成される。ここでは、フレームを時間順に「第1フレーム」から「第6フレーム」と示す。また、複数のフレームが時間軸上に並べられることによって1つのスーパフレームが形成される。
【0025】
第1中継装置200aは、第1フレームの下り通信用タイムスロット「1」においてビーコン信号を送信する。第1火災警報器100aから第3火災警報器100cは、ビーコン信号を受信することによって、第1中継装置200aと同期したフレーム、スーパフレームを生成する。第1中継装置200aは、ビーコン信号を送信すべき下り通信用タイムスロット以外の下り通信用タイムスロットにおいて、所定の情報が含まれた信号(以下、「通信用信号」ともいう)を送信可能である。下り通信用タイムスロットにおいて、第1火災警報器100aから第3火災警報器100cは、第1中継装置200aからの通信用信号を受信するために動作する。
【0026】
第1火災警報器100aは、上り通信用タイムスロット「2」を割り当てられ、当該上り通信用タイムスロットにおいて通信用信号を送信可能である。第2火災警報器100bは、上り通信用タイムスロット「3」を割り当てられ、当該上り通信用タイムスロットにおいて通信用信号を送信可能である。第3火災警報器100cは、上り通信用タイムスロット「m」を割り当てられ、当該上り通信用タイムスロットにおいて通信用信号を送信可能である。上り通信用タイムスロット「2」から「m」において、第1中継装置200aは、第1火災警報器100aから第3火災警報器100cからの通信用信号を受信するために動作する。
【0027】
例えば、第1火災警報器100aの火災検知センサ150が火災の発生を検知した場合、第1火災警報器100aは、検知結果を第1中継装置200aに無線で送信する。検知結果には送信元になる第1火災警報器100aの識別情報が含まれる。第1中継装置200aは、第1火災警報器100aからの検知結果を受信すると、検知結果を管理装置300に送信する。管理装置300は、検知結果を受信すると、検知結果に含まれた識別情報をもとに、鳴動させる火災警報器100を特定する。識別情報と、鳴動させる火災警報器100の情報との対応関係は管理装置300に予め記憶されている。管理装置300は、特定した火災警報器100を最終的に宛先として鳴動の指示を第1中継装置200aまたは第2中継装置200bに送信する。第1中継装置200aまたは第2中継装置200bは、管理装置300において特定された火災警報器100に鳴動の指示を送信する。火災警報器100は、鳴動の指示を受信すると、ブザー152を鳴動させる。中継装置200が発光装置を有し、発光装置が点滅されてもよい。検知結果と鳴動の指示は、通信用信号の一例である。
【0028】
警報システム1000は、火災警報器100と中継装置200との間の通信のために使用可能な複数のチャネルを規定する。中継装置200は、複数のチャネルのうちから1つのチャネルを選択し、選択したチャネルを使用して複数の火災警報器100との通信を実行する。また、第1中継装置200aと第2中継装置200bは、干渉を低減するために互いに異なったチャネルを選択する。例えば、警報システム1000において、5つのチャネル「1ch」から「5ch」が規定されている場合、第1中継装置200aは「1ch」を選択し、第2中継装置200bは「5ch」を選択する。
【0029】
このような状況下において、中継装置200は、いずれかの火災警報器100との通信ができない場合に、チャネルを切りかえる。チャネルの切替によって通信に使用するチャネルが複数になるとチャネルの管理が複雑になる。そのため、チャネルの切替が発生する場合であってもチャネルの管理を簡易することが望まれる。そのため、本実施例に係る警報システム1000は、以下の処理を実行する。
【0030】
図4は、火災警報器100と中継装置200とにおけるチャネル決定処理の概要を示す。横軸が時間を示す。1つのスーパフレームには「n」のフレームが含まれ、1つのフレームには「m」のスロットが含まれる。ここでは、第1中継装置200aが「1ch」を使用することを前提とするが、第1中継装置200aに使用されるチャネルは「1ch」に限定されない。第1中継装置200aは、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を各火災警報器100に送信する。ビーコン信号の送信には、例えばブロードキャスト送信が使用される。
【0031】
第1火災警報器100aから第3火災警報器100cは、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信する。これに応じて、第1火災警報器100aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第2火災警報器100bは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第2火災警報器100bから受信する。第3火災警報器100cは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。
【0032】
第1中継装置200aの制御部224は、登録されたすべての火災警報器100からのACK信号を「1ch」で受信した場合、すべての火災警報器100と「1ch」で通信可能なことを認識する。制御部224は、それまで使用していた「1ch」の使用継続を決定する。このような処理は、例えば、各フレームでなされてもよいし、各スーパフレームの先頭のフレームにおいてなされてもよい。
図4は、すべての火災警報器100と通信可能であることが確認される正常時の動作であるといえる。
【0033】
図5は、火災警報器100と中継装置200とにおける別のチャネル決定処理の概要を示す。これは、
図4と同様に示される。第1中継装置200aは、
図4と同じく「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を各火災警報器100に送信する。
【0034】
第1火災警報器100aと第3火災警報器100cは、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信する。これに応じて、第1火災警報器100aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第3火災警報器100cは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。しかしながら、第2火災警報器100bは、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信できないので、「1ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を送信しない。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第2火災警報器100bから受信しない。
【0035】
第1中継装置200aの制御部224は、登録された火災警報器100のうちの少なくとも1つからのACK信号を「1ch」で受信しない場合、少なくとも1つの火災警報器100と「1ch」で通信できないことを認識する。制御部224は、「1ch」を別のチャネル、例えば「2ch」に切りかえることを決定する。第1中継装置200aは、「2ch」に切りかえる前に、「1ch」における次のフレームの下り通信用タイムスロット「1」でチャネル変更要求を各火災警報器100に送信する。チャネル変更要求は、チャネルの変更を要求するための信号である。チャネルの変更には、フレーム毎にチャネルを変えていくことも含まれる。
【0036】
第1火災警報器100aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第3火災警報器100cは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。
【0037】
第1中継装置200aの制御部224は、次のフレームでチャネルを「1ch」から「2ch」に切りかえる。第1中継装置200aは、「2ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を各火災警報器100に送信する。
【0038】
第1火災警報器100aと第3火災警報器100cは、「2ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信する。これに応じて、第1火災警報器100aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第3火災警報器100cは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。
【0039】
第2火災警報器100bはチャネル変更要求を受信していないので、第2火災警報器100bの制御部124は、「1ch」以外のチャネルでビーコン信号が送信されていることを認識していない。制御部124は、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信できない場合に、通信部120に高速間欠受信を実行させる。
【0040】
図6は、火災警報器100における高速間欠受信処理の概要を示す。横軸が時間を示す。ビーコン信号は、一定の長さを有する。高速間欠受信処理において、通信部120において待ち受けるチャネルは短期間で切りかえられる。
図6では、ビーコン信号の期間において、「1ch受信」から「5ch受信」への切替が順次なされる。チャネル変更要求を受信していないことによって、ビーコン信号が送信されるチャネルを把握していない場合であっても、高速間欠受信処理を実行することによって、いずれかのチャネルでビーコン信号の一部が受信される。
図5に戻る。
【0041】
第2火災警報器100bは、「2ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信できないので、「2ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を送信しない。第1中継装置200aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第2火災警報器100bから受信しない。
【0042】
第1中継装置200aの制御部224は、登録された火災警報器100のうちの少なくとも1つからのACK信号を「2ch」で受信しない場合、少なくとも1つの火災警報器100と「2ch」で通信できないことを認識する。制御部224は、「2ch」を別のチャネル、例えば「3ch」に切りかえることを決定する。第1中継装置200aは、「3ch」に切りかえる前に、チャネル変更要求を「2ch」で送信しない。第1中継装置200aの制御部224は、次のフレームでチャネルを「2ch」から「3ch」に切りかえる。第1中継装置200aは、「3ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を各火災警報器100に送信する。
【0043】
第1火災警報器100aから第3火災警報器100cは、「3ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信する。これに応じて、第1火災警報器100aは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第2火災警報器100bは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第2火災警報器100bから受信する。第3火災警報器100cは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。
【0044】
第1中継装置200aの制御部224は、登録されたすべての火災警報器100からのACK信号を「3ch」で受信した場合、すべての火災警報器100と「3ch」で通信可能なことを認識する。制御部224は、「3ch」の使用を決定する。第1中継装置200aの制御部224が「3ch」の使用を決定した場合、第1中継装置200aは、「4ch」における次のフレームの下り通信用タイムスロット「1」でチャネル確定要求を各火災警報器100に送信する。チャネル確定要求は、火災警報器100にチャネルの切替を停止させるための信号であり、例えば、ビーコン信号とは異なったパターンを有する。
【0045】
チャネル変更要求を受信していた第1火災警報器100aと第3火災警報器100cがチャネル確定要求を「4ch」で受信すると、これらの制御部124は、「3ch」の使用を決定する。一方、チャネル変更要求を受信していなかった第2火災警報器100bがチャネル確定要求を「4ch」で受信すると、制御部124は、「3ch」の使用を決定する。その後、第1中継装置200a、第1火災警報器100aから第3火災警報器100cは、「3ch」を使用して、
図3のような処理を実行する。
【0046】
第1中継装置200aの制御部224は、登録されたすべての火災警報器100からのACK信号を「2ch」で受信した場合、すべての火災警報器100と「2ch」で通信可能なことを認識する。制御部224は、「2ch」の使用を決定する。これに続く処理は、前述の通りであるので、ここでは説明を省略する。
図5は、少なくとも1つの火災警報器100との間で通信異常が発生してチャネルを切りかえるときの動作であるといえる。
【0047】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0048】
以上の構成による警報システム1000の動作を説明する。
図7は、中継装置200によるチャネル決定手順を示すフローチャートである。通信部220は、ビーコン信号を送信する(S10)。全火災警報器100からACK信号を受信していない場合(S12のN)、通信部220は、チャネル変更要求を送信する(S14)。制御部224はチャネルを切りかえ(S16)、通信部220はビーコン信号を送信する(S18)。全火災警報器100からACK信号を受信していない場合(S20のN)、切替可能なチャネルがあれば(S22のY)、ステップ16に戻る。全火災警報器100からACK信号を受信した場合(S20のY)、または切替可能なチャネルがない場合(S22のN)、制御部224は、使用するチャネルを決定する(S24)。通信部220は、チャネル確定要求を送信する(S26)。全火災警報器100からACK信号を受信した場合(S12のY)、処理は終了される。
【0049】
本実施例によれば、ビーコン信号に対するACK信号を受信しない火災警報器100が存在する場合、すべての火災警報器100からのACK信号を受信するまでチャネルを変えてビーコン信号を送信するので、最適なチャネルを検出できる。また、ビーコン信号に対するACK信号を受信しない火災警報器100が存在しない場合、そのときのチャネルの使用を決定するので、チャネルの切替が発生する場合であってもチャネルの管理を簡易にできる。また、チャネルの変更を要求するためのチャネル変更要求を送信した後、フレーム毎にチャネルを変更するので、チャネルを自動的に変更できる。また、チャネルが自動的に変更されるので、フレームの利用効率の低下を抑制できる。また、チャネルを決定した場合、チャネル確定要求を送信するので、使用すべきチャネルを知らせることができる。
【0050】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の警報システム(1000)は、中継装置(200)と、中継装置(200)と通信可能な第1警報器と第2警報器とを備える。中継装置(200)は、第1チャネルでビーコン信号を第1警報器(100)と第2警報器(100)に送信し、第1警報器(100)と第2警報器(100)は、第1チャネルでビーコン信号を受信した場合、第1チャネルで応答信号を中継装置(200)に送信し、中継装置(200)は、第1警報器(100)と第2警報器(100)とからの応答信号を第1チャネルで受信した場合、警報システム(1000)での第1チャネルの使用を決定し、中継装置(200)は、第1警報器(100)と第2警報器(100)の少なくとも1つからの応答信号を第1チャネルで受信しない場合、第1チャネルとは異なった第2チャネルでビーコン信号を第1警報器(100)と第2警報器(100)に送信し、第1警報器(100)と第2警報器(100)は、第2チャネルでビーコン信号を受信した場合、第2チャネルで応答信号を中継装置(200)に送信し、中継装置(200)は、第1警報器(100)と第2警報器(100)とからの応答信号を第2チャネルで受信した場合、警報システム(1000)での第2チャネルの使用を決定する。
【0051】
中継装置(200)は、第1警報器(100)と第2警報器(100)の少なくとも1つからの応答信号を第2チャネルで受信しない場合、第1チャネルと第2チャネルとは異なった第3チャネルでビーコン信号を第1警報器(100)と第2警報器(100)に送信し、第1警報器(100)と第2警報器(100)は、第3チャネルでビーコン信号を受信した場合、第3チャネルで応答信号を中継装置(200)に送信し、中継装置(200)は、第1警報器(100)と第2警報器(100)とからの応答信号を第3チャネルで受信した場合、警報システム(1000)での第3チャネルの使用を決定する。
【0052】
中継装置(200)は、チャネルの変更を要求するためのチャネル変更要求を第1チャネルで送信してから、第1チャネルを第2チャネルに変更し、中継装置(200)は、チャネル変更要求を第2チャネルで送信せずに、第2チャネルを第3チャネルに変更する。
【0053】
中継装置(200)は、第2チャネルの使用を決定した場合、決定したチャネルを知らせるためのチャネル確定要求を送信し、中継装置(200)は、第3チャネルの使用を決定した場合、チャネル確定要求を送信する。
【0054】
本開示の別の態様は、中継装置(200)である。この装置は、第1警報器(100)と第2警報器(100)と通信可能な通信部(220)と、通信部(220)を制御する制御部(224)とを備える。通信部(220)は、第1チャネルでビーコン信号を第1警報器(100)と第2警報器(100)に送信し、第1警報器(100)と第2警報器(100)は、第1チャネルでビーコン信号を受信すると、第1チャネルで応答信号を送信しており、通信部(220)が、第1警報器(100)と第2警報器(100)とからの応答信号を第1チャネルで受信した場合、制御部(224)は、警報システム(1000)での第1チャネルの使用を決定し、通信部(220)は、第1警報器(100)と第2警報器(100)の少なくとも1つからの応答信号を第1チャネルで受信しない場合、第1チャネルとは異なった第2チャネルでビーコン信号を第1警報器(100)と第2警報器(100)に送信し、第1警報器(100)と第2警報器(100)は、第2チャネルでビーコン信号を受信すると、第2チャネルで応答信号を送信しており、通信部(220)が、第1警報器(100)と第2警報器(100)とからの応答信号を第2チャネルで受信した場合、制御部(224)は、警報システム(1000)での第2チャネルの使用を決定する。
【0055】
本開示のさらに別の態様は、チャネル決定方法である。この方法は、第1チャネルでビーコン信号を第1警報器(100)と第2警報器(100)に送信するステップと、第1警報器(100)と第2警報器(100)は、第1チャネルでビーコン信号を受信すると、第1チャネルで応答信号を送信しており、第1警報器(100)と第2警報器(100)とからの応答信号を第1チャネルで受信した場合、警報システム(1000)での第1チャネルの使用を決定するステップと、第1警報器(100)と第2警報器(100)の少なくとも1つからの応答信号を第1チャネルで受信しない場合、第1チャネルとは異なった第2チャネルでビーコン信号を第1警報器(100)と第2警報器(100)に送信するステップと、第1警報器(100)と第2警報器(100)は、第2チャネルでビーコン信号を受信すると、第2チャネルで応答信号を送信しており、第1警報器(100)と第2警報器(100)とからの応答信号を第2チャネルで受信した場合、警報システム(1000)での第2チャネルの使用を決定するステップと、を備える。
【0056】
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、中継装置に複数の火災警報器とを含む警報システムに関する。実施例1、2は、中継装置と通信できない火災警報器が存在する場合に、中継装置がチャネルを切りかえることに関する。実施例1における火災警報器は、中継装置からのチャネル変更要求を受信すると、フレーム毎にチャネルを自動的に切りかえる。一方、実施例2における火災警報器は、中継装置からのチャネル変更要求を受信する毎に、チャネルを切りかえる。実施例2に係る警報システム1000、火災警報器100、中継装置200は、
図1、
図2と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
【0057】
図8は、火災警報器100と中継装置200とにおけるチャネル決定処理の概要を示す。これは、
図5と同様に示される。第1中継装置200aは、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を各火災警報器100に送信する。
【0058】
第1火災警報器100aと第3火災警報器100cは、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信する。これに応じて、第1火災警報器100aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第3火災警報器100cは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。しかしながら、第2火災警報器100bは、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信できないので、「1ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を送信しない。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第2火災警報器100bから受信しない。
【0059】
第1中継装置200aの制御部224は、登録された火災警報器100のうちの少なくとも1つからのACK信号を「1ch」で受信しない場合、少なくとも1つの火災警報器100と「1ch」で通信できないことを認識する。制御部224は、「1ch」を別のチャネル、例えば「2ch」に切りかえることを決定する。第1中継装置200aは、「2ch」に切りかえる前に、「1ch」における次のフレームの下り通信用タイムスロット「1」でチャネル変更要求を各火災警報器100に送信する。チャネル変更要求は、チャネルの変更を要求するための信号であり、変更先のチャネルに関する情報を含む。ここでは、変更先の「2ch」が示される。
【0060】
第1火災警報器100aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第3火災警報器100cは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「1ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。
【0061】
第1中継装置200aの制御部224は、次のフレームでチャネルを「1ch」から「2ch」に切りかえる。第1中継装置200aは、「2ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を各火災警報器100に送信する。
【0062】
第1火災警報器100aと第3火災警報器100cは、「2ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信する。これに応じて、第1火災警報器100aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第3火災警報器100cは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。
【0063】
第2火災警報器100bはチャネル変更要求を受信していないので、第2火災警報器100bの制御部124は、「1ch」以外のチャネルでビーコン信号が送信されていることを認識していない。そのため、制御部124は、「1ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信できない場合に、通信部120に高速間欠受信を実行させる。第2火災警報器100bは、「2ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信できないので、「2ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を送信しない。第1中継装置200aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第2火災警報器100bから受信しない。
【0064】
第1中継装置200aの制御部224は、登録された火災警報器100のうちの少なくとも1つからのACK信号を「2ch」で受信しない場合、少なくとも1つの火災警報器100と「2ch」で通信できないことを認識する。制御部224は、「2ch」を別のチャネル、例えば「3ch」に切りかえることを決定する。第1中継装置200aは、「3ch」に切りかえる前に、「2ch」における次のフレームの下り通信用タイムスロット「1」でチャネル変更要求を各火災警報器100に送信する。チャネル変更要求では、変更先の「3ch」が示される。
【0065】
第1火災警報器100aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第3火災警報器100cは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「2ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。
【0066】
第1中継装置200aの制御部224は、次のフレームでチャネルを「2ch」から「3ch」に切りかえる。第1中継装置200aは、「3ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を各火災警報器100に送信する。
【0067】
第1火災警報器100aから第3火災警報器100cは、「3ch」の下り通信用タイムスロット「1」でビーコン信号を受信する。これに応じて、第1火災警報器100aは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「2」でACK信号を第1火災警報器100aから受信する。第2火災警報器100bは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「3」でACK信号を第2火災警報器100bから受信する。第3火災警報器100cは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第1中継装置200aに送信する。第1中継装置200aは、「3ch」の上り通信用タイムスロット「m」でACK信号を第3火災警報器100cから受信する。
【0068】
第1中継装置200aの制御部224は、登録されたすべての火災警報器100からのACK信号を「3ch」で受信した場合、すべての火災警報器100と「3ch」で通信可能なことを認識する。制御部224は、「3ch」の使用を決定する。その後、第1中継装置200a、第1火災警報器100aから第3火災警報器100cは、「3ch」を使用して、
図3のような処理を実行する。
【0069】
第1中継装置200aの制御部224は、登録されたすべての火災警報器100からのACK信号を「2ch」で受信した場合、すべての火災警報器100と「2ch」で通信可能なことを認識する。制御部224は、「2ch」の使用を決定する。これに続く処理は、前述の通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0070】
以上の構成による警報システム1000の動作を説明する。
図9は、中継装置200によるチャネル決定手順を示すフローチャートである。通信部220は、ビーコン信号を送信する(S50)。全火災警報器100からACK信号を受信していない場合(S52のN)、通信部220は、チャネル変更要求を送信する(S54)。制御部224はチャネルを切りかえ(S56)、通信部220はビーコン信号を送信する(S58)。全火災警報器100からACK信号を受信していない場合(S60のN)、切替可能なチャネルがあれば(S62のY)、ステップ54に戻る。全火災警報器100からACK信号を受信した場合(S60のY)、または切替可能なチャネルがない場合(S62のN)、制御部224は、使用するチャネルを決定する(S64)。全火災警報器100からACK信号を受信した場合(S52のY)、処理は終了される。
【0071】
本実施例によれば、チャネル変更要求を送信してからチャネルを変更するので、チャネルの変更を確実に実行できる。また、チャネル変更要求には変更先のチャネルに関する情報が含まれるので、変更先のチャネルを確実に知らせることができる。
【0072】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。中継装置(200)は、チャネルの変更を要求するためのチャネル変更要求を第1チャネルで送信してから、第1チャネルを第2チャネルに変更し、中継装置(200)は、チャネル変更要求を第2チャネルで送信してから、第2チャネルを第3チャネルに変更する。
【0073】
チャネル変更要求には、変更先のチャネルに関する情報が含まれる。
【0074】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0075】
実施例1、2において、中継装置200は、火災の検知機能と警報音の発報機能とを兼ね備えた火災警報器100を接続する。しかしながらこれに限らず例えば、火災警報器100は、火災の検知機能のみを有していてもよい。また、火災警報器100の代わりに、火災に限定されず、水害、地震、ガス漏れ、不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)の発生を検知するセンサであってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0076】
100 火災警報器、 120 通信部、 122 処理部、 124 制御部、 150 火災検知センサ、 152 ブザー、 200 中継装置、 220 通信部、 222 処理部、 224 制御部、 300 管理装置、 1000 警報システム。