(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089679
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】ヘアセット装置
(51)【国際特許分類】
A45D 24/00 20060101AFI20230621BHJP
A45D 24/14 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
A45D24/00 Z
A45D24/00 R
A45D24/14
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204327
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】516268091
【氏名又は名称】株式会社ビーエイチ
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(72)【発明者】
【氏名】名久井 孝久
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヘアセット装置自体の軽量化と調髪剤の浸透促進を図る。
【解決手段】ヘアセット装置は、梳き部3と握り部とを備え、握り部には、超音波を発生させる発振装置6が収容される。発振装置6は、振動子5を通じて超音波を発生させる振動駆動部7と、振動駆動部7の駆動を制御する制御部8と、制御部8に指令信号を送出して動作させ指令状態を表示する操作表示部9とを備えて構成される。梳き部3は、薄板状に形成され、櫛歯部3Aとこの櫛歯部3Aから握り部側に延びる首部3Bとを有している。そして、このヘアセット装置は、振動子5を首部3Bの一側面13Aに取り付けている。使用者が握り部を持ち、操作表示部9を操作して振動子5から超音波を発生させると、梳き部3は、ほぼ1Mhzの超音波を発生させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梳き部と、振動子により超音波を発生させる発振装置を収容する握り部とを備えたヘアセット装置であって、
梳き部を金属により構成するとともに、振動子を金属製梳き部の握り部側に設けたことを特徴とするヘアセット装置。
【請求項2】
発振装置は、振動子を通じて超音波を発生させる振動駆動部と、振動駆動部の駆動を制御する制御部と、制御部に指令信号を送出して動作させ指令状態を表示する操作表示部とを備えて構成されることを特徴とするヘアセット装置。
【請求項3】
梳き部は、薄板状に形成され、櫛歯部とこの櫛歯部から握り部側に延びる首部とを有する梳き体により構成され、首部両面のうち少なくとも一面には、振動子が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のヘアセット装置。
【請求項4】
振動子は、ほぼ1Mhzの超音波を発生させることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1に記載のヘアセット装置。
【請求項5】
握り部には、バッテリと、このバッテリに外部から電力を充電する充電部とが設けられることを特徴とする請求項2ないし4のうちいずれか1に記載のヘアセット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪に振動を与えて調髪剤の浸透を促すヘアセット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、毛髪に振動を与えて調髪剤の浸透を促すヘアセット器やヘアセット装置が知られている。従来、このようなヘアセット器として、ブラシ状または櫛状の梳き部のブリスル列が直立する基体部に超音波ホーンの表面として形成された振動面を設け、この振動面の中央に超音波振動子を配設し、握り部に収納された超音波発生制御回路により超音波振動子を駆動させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のヘアセット器では、ブリスル(梳き部)が合成樹脂で構成されるため、超音波振動子を振動面の中央に配置して振動面全体に均等に超音波を発生させる必要がある。また、振動面全体に均等に超音波を発生させるためには、より強力な駆動力を必要とする超音波振動子が求められる。このため、装置が長大化し、重量化し操作時間が長くなると手に負担がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、装置の小型軽量化と調髪剤の浸透促進を図るとともに、操作性の良好なヘアセット装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るヘアセット装置は、梳き部と、振動子により超音波を発生させる発振装置を収容する握り部とを備えたヘアセット装置であって、梳き部を金属により構成するとともに、振動子を金属製梳き部の握り部側に設けたことを特徴としている。
【0007】
本発明の請求項1に係るヘアセット装置では、梳き部と、振動子により超音波を発生させる発振装置を収容する握り部とを備えたヘアセット装置であって、梳き部を金属により構成するとともに、振動子を金属製梳き部の握り部側に設けたことにより、梳き部が金属製なので、全体に均等に超音波が伝わりやすく、調髪剤の浸透を図ることができる。このため、振動子を小型化することができ、ヘアセット装置自体が軽量化される。このため、操作が容易になり、使用者の負担を軽減することができる。
【0008】
本発明に係るヘアセット装置は、発振装置は、振動子を通じて超音波を発生させる振動駆動部と、振動駆動部の駆動を制御する制御部と、制御部に指令信号を送出して動作させ指令状態を表示する操作表示部とを備えて構成されることが好ましい。係る構成とすることにより、握り部に駆動側装置が収容されるので、操作性が向上する。また、本発明に係るヘアセット装置は、梳き部は、薄板状に形成され、櫛歯部とこの櫛歯部から握り部側に延びる首部とを有する梳き体により構成され、首部両面のうち少なくとも一面には、振動子が設けられることが好ましい。係る構成とすることにより、振動子を梳き部の首部に配置しているので、長大化を避けることができる。さらに、本発明に係るヘアセット装置は、振動子は、ほぼ1Mhzの超音波を発生させることが好ましい。係る構成とすることにより、調髪剤の浸透性の高い周波数帯を選択することができる。また、本発明に係るヘアセット装置は、握り部には、バッテリと、このバッテリに外部から電力を充電する充電部とが設けられることが好ましい。係る構成とすることにより、非使用時にはいつでも充電でき、作業性が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係るヘアセット装置は、梳き部と、振動子により超音波を発生させる発振装置を収容する握り部とを備えたヘアセット装置であって、梳き部を金属により構成するとともに、振動子を金属製梳き部の握り部側に設けたので、装置の小型軽量化と調髪剤の浸透促進を図り、良好な操作性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るヘアセット装置を示す左側面図である。
【
図7】
図7は、
図1のヘアセット装置の構成を模式的に示す説明図である。
【
図8】
図8は、
図1のヘアセット装置の梳き部を示す説明図である。
【
図9】
図9は、
図1のヘアセット装置の充電状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す一実施形態により本発明を説明する。本発明の一実施形態に係るヘアセット装置2は、
図1ないし
図6に示すように、梳き部3と握り部4とを備えて構成される。握り部4には、
図7に示すように、振動子5により超音波を発生させる発振装置6が収容される。
【0012】
発振装置6は、振動子5を通じて超音波を発生させる振動駆動部7と、振動駆動部7の駆動を制御する制御部8と、制御部8に指令信号を送出して動作させ指令状態を表示する操作表示部9とを備え、これらを電気的に接続して構成される。また、発振装置6は、これら各部に電力を供給するバッテリ10と、外部電源によりバッテリ10に充電する充電部11を備え、充電部11に接続される充電コネクタ12が、握り部4の後端面4Aに露出するようになっている。
【0013】
ところで、本実施形態に係るヘアセット装置2は、梳き部3が金属(本実施形態では、ステンレス)により構成される。梳き部3は、薄板状に形成され、櫛歯部3Aとこの櫛歯部3Aから握り部4側に延びる首部3Bとを有している。そして、このヘアセット装置2は、振動子5を首部3Bの一側面13Aに取り付けて構成される。振動子5は、ほぼ1Mhzの超音波を発生させるようになっている。すなわち、振動子5は金属製の梳き部3に直接取り付けられているので、全体に均等に超音波が伝わりやすくなっている。このため、櫛歯部3Aの先端まで確実に超音波が伝わりやすい。しかも、梳き部3が金属製であるため、きわめて高い周波数の超音波(ほぼ1Mhz)を確実に発生させることができるようになっている。なお、図中、符号14は、充電器である。
【0014】
次に、本発明の一実施形態に係るヘアセット装置2の作用について、上記ヘアセット装置2の動作に基づいて説明する。上記実施形態に係るヘアセット装置2は、叙上の如く構成されているので、使用者が握り部4を持ち、操作表示部9を操作して振動子5から超音波を発生させると、梳き部3は、ほぼ1Mhzの超音波を発生させる。このため、ヘアセットする際、毛髪に超音波による振動を与えて調髪剤の浸透を促すことができる。このように、本実施形態に係るヘアセット装置2では、梳き部3が金属製なので、全体に均等に超音波が伝わりやすい。このため、振動子5を小型化することができ、ヘアセット装置2自体が軽量化される。このため、操作が容易になり、使用者の負担を軽減することができる。つまり、装置の小型軽量化を図り、製造の簡素化とコストダウンを図るとともに、良好な作業性を得ることができる。
【0015】
なお、上記実施形態では、振動子5を梳き部3の一側面13Aに設けるようにしているがこれに限られるものではなく、両側面13A、13Bに設けるようにしてもよい。また、上記実施形態では、梳き部3をステンレスで構成しているが、これに限られるものではなく、他の金属であってもよい。さらに、上記実施形態では、梳き体3を櫛歯部3Aを有する櫛としているがこれに限られるものではなく、金属製のブラシを有する梳き体に適用してもよい。その場合、ブラシが直立する基体も金属製とし、その基体に振動子を設ければよい。
【符号の説明】
【0016】
2 ヘアセット装置
3 梳き部
4 握り部
5 振動子
6 発振装置