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  • 特開-ロールグラブ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089695
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】ロールグラブ
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/36 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
E02F3/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204357
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】596008840
【氏名又は名称】株式会社ウインブルヤマグチ
(74)【代理人】
【識別番号】100165755
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 義隆
【テーマコード(参考)】
2D012
【Fターム(参考)】
2D012DA03
(57)【要約】
【課題】 軽量化するとともに、フロントローダのリフトアームの先端に対して容易に着脱することが可能なロールグラブを提供する。
【解決手段】 ロールグラブ1は、フロントローダ50のリフトアーム51の先端に取付部12を介して固定される本体フレーム10と、本体フレーム10に回動自在に軸支された把持アーム20、20と、リフトアーム51の油圧シリンダ52の伸縮動作と把持アーム20、20の開閉動作とを連動させるリンク機構30と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントローダのリフトアームの先端に取付部を介して固定される本体フレームと、前記本体フレームに回動自在に軸支された把持アームと、リフトアームの油圧シリンダの伸縮動作と前記把持アームの開閉動作とを連動させるリンク機構と、を有することを特徴とするロールグラブ。
【請求項2】
リンク機構は、油圧シリンダの伸縮ロッドが上端に連結され、本体フレームにおける取付部の下方ステーが下端に連結され、伸縮ロッドの伸縮運動に追従して前後方向に揺動運動する第1リンクと、前記第1リンクの上端に連結され、前記第1リンクの揺動運動を前後方向の往復運動に変換する第2リンクと、前記第2リンクと把持アームの基端とに連結される第3リンクと、を有することを特徴とする請求項1記載のロールグラブ。
【請求項3】
第2リンクは、平面方向からみて略T字状に形成され、第1リンクの上端部に連結される後端部と、前端部から左右方向に延長され第3リンクに連結される側端部と、を有することを特徴とする請求項2記載のロールグラブ。
【請求項4】
取付部は、枠体の後方向に突設され、第1リンクを下方から揺動自在に固定する下方ステーと、ロールグラブ全体の姿勢を水平となる状態を維持するためにリフトアームとの間を連結する補助アームを固定する上方ステーと、を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載のロールグラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントローダのリフトアームの先端に装着するアタッチメントであり、刈り取った牧草のロールベールを運搬するためのロールグラブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、刈り取った牧草を巻いて円筒状にしたロールベールの運搬や積み上げ、積み下しの作業を行うためのアタッチメントとして、バケットやフォーク等に用いるフロントローダのリフトアームに装着してロールベールの両側面を把持するロールグラブがある。
【0003】
例えば、このロールグラブは、ロールグラブ本体に設けられた油圧シリンダの駆動力によって把持アームの開閉動作を行うものである(特許文献1―7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭64-71416号公報
【特許文献2】実開平3-18728号公報
【特許文献3】特開平3-87115号公報
【特許文献4】実開平4-12726号公報
【特許文献5】特開2000-170198号公報
【特許文献6】特開2005-117984号公報(特許第4467943号)
【特許文献7】特開2008-308327号公報(特許第4890359号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のロールグラブは、ロールグラブ本体に油圧シリンダが設けられており、ロールグラブ本体の重量が増えてしまい、アームの先端に着脱することや、狭い場所で搬送作業を行う小型のフロントローダに装着して使用することが難しかった。
【0006】
したがって、本発明は、軽量化するとともに、フロントローダのリフトアームの先端に対して容易に着脱することが可能なロールグラブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、フロントローダのリフトアームの先端に取付部を介して固定される本体フレームと、前記本体フレームに回動自在に軸支された把持アームと、リフトアームの油圧シリンダの伸縮動作と前記把持アームの開閉動作とを連動させるリンク機構と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
また、上述した構成に加え、リンク機構は、油圧シリンダの伸縮ロッドが上端に連結され、本体フレームにおける取付部の下方ステーが下端に連結され、伸縮ロッドの伸縮運動に追従して前後方向に揺動運動する第1リンクと、前記第1リンクの上端に連結され、前記第1リンクの揺動運動を前後方向の往復運動に変換する第2リンクと、前記第2リンクと把持アームの基端とに連結される第3リンクと、を有することが好ましい。
【0009】
また、上述した構成に加え、第2リンクは、平面方向からみて略T字状に形成され、第1リンクの上端部に連結される後端部と、前端部から左右方向に延長され第3リンクに連結される側端部と、を有することが好ましい。
【0010】
また、上述した構成に加え、取付部は、枠体の後方向に突設され、第1リンクを下方から揺動自在に固定する下方ステーと、ロールグラブ全体の姿勢を水平となる状態を維持するためにリフトアームとの間を連結する補助アームを固定する上方ステーと、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上述した本発明によれば、把持アームの開閉動作をフロントローダのリフトアームの油圧シリンダの伸縮動作に連動するリンク機構を設けることで、ロールグラブ本体を軽量化することができるとともに装着などの取り回しを容易にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のロールグラブの実施形態の一例を示す斜視図である。
図2図1の平面図である。
図3図1の側面図である。
図4図1のロールグラブをリフトアームの先端に装着した状態を示す側面図である。
図5図1のロールグラブの閉動作におけるリンク機構周辺の(a)平面図、及び、(b)側面図である。
図6図1のロールグラブの開動作におけるリンク機構周辺の(a)平面図、及び、(b)側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
本発明の実施形態であるロールグラブ1の一例について図1-6に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態において、ロールグラブ1は、図1に示すように、把持アーム20、20側を前方向、取付部12側を後方向とする。
【0014】
ロールグラブ1は、フロントローダ50のリフトアーム51の先端に取付部12を介して固定される本体フレーム10と、本体フレーム10に回動自在に軸支された把持アーム20、20と、リフトアーム51の油圧シリンダ52の伸縮動作と把持アーム20、20の開閉動作を連動させるリンク機構30と、を主要部として構成されるものである。
【0015】
本体フレーム10は、横長で略方形状の枠体11と、枠体11の左右の側辺に把持アーム20、20を軸支する軸支部13、13と、を有し、枠体11から後方向に突設された取付部12を介して後述するリンク機構30の第1リンク31及び補助アーム40が固定される。この軸支部13、13は、平面方向から見て、枠体の左右側辺からやや斜め後方の位置に固定される。
【0016】
取付部12は、より具体的には、第1リンク31を下方から前後方向に揺動自在に固定する下方ステー12aと、ロールグラブ1全体の姿勢を水平に維持するためにリフトアーム51との間を連結する補助アーム40を固定する上方ステー12bと、を有する。
【0017】
把持アーム20、20は、後述するリンク機構30の第3リンク33、33と連結するアーム部21と、把持対象物であるロールベールRを側面から押圧する把持部22と、を有する。
【0018】
アーム部21は、平面方向から見て略L字状の角フレームで形成され、屈曲した中間位置に本体フレーム10の軸支部13、13に軸受けされる第1ピン21bと、基端部21a側に第1リンク31に軸受される第2ピン21cと、を有する。
【0019】
把持部22は、側方からみて略方形状であり、平面方向から内側に折れ曲がるように形成された略くの字状の丸パイプ材のフレームからなる。
【0020】
リンク機構30は、リフトアーム51の油圧シリンダ52の伸縮ロッド53が上端に連結され、本体フレーム10における取付部12の下方ステー12aに対して下端に連結され、伸縮ロッド53の伸縮運動に追従して前後方向に揺動運動する第1リンク31と、第1リンク31の上端に連結され、第1リンク31の揺動運動を前後方向の往復運動に変換する第2リンク32と、第2リンク32と把持アーム20の基端とに連結される第3リンク33、33と、を有する。
【0021】
第1リンク31は、リフトアーム51の油圧シリンダ52の伸縮ロッド53に連結される上端部31aと、取付部12の下方ステー12aに揺動自在に連結される下端部31bと、を有する。この第1リンク31は、下端部31bを中心として上端部31a側が前後方向に揺動運動する。また、この上端部31aは、伸縮ロッド53との連結位置と、第2リンク32との連結位置と、がそれぞれ異なる高さで連結するように傾斜して形成されることが好ましい。
【0022】
第2リンク32は、平面方向からみて略T字状に形成され、第1リンク31の上端部31aに連結される後端部32aと、前端部32cから左右方向に延長された第3リンク33に連結される側端部32b、32bと、を有する。この側端部32b、32bは、第3リンク33を回動自在に軸支するピン32dを有する。この第2リンク32は、なくとも本体フレーム10の枠体11よりも前方に突出しない範囲で前後方向に往復運動することが好ましい。
【0023】
第3リンク33、33は、第2リンク32の側端部32b、32bに対して回動自在に連結されるものであり、横長の平板状で両端に軸受穴が形成され、第2リンク32の側端部32b、32bのピン32d、32dと、把持アーム20、20の基端部21a側の第2ピン21cと、に対して回動自在に連結される。
【0024】
次に、ロールベールRを把持するロールグラブの開閉動作について図4-6に基づいて説明する。
【0025】
ロールグラブ1は、図4に示すように、フロントローダ50のリフトアーム51の先端に装着されるものであり、リフトアーム51の油圧シリンダ52の伸縮ロッド53の動作設定は操作席などに設けられたスイッチ等によって操作するものである。
【0026】
例えば、ロールベールRの側面を押圧して把持するために把持アーム20、20の閉動作を行う場合、図5に示すように、作業者がリフトアーム51の油圧シリンダ52の伸縮ロッド53を縮むように設定する。このとき、リンク機構30における第1リンク31が後方向に回動するとともに、第1リンク31に追従して第2リンク32が後退する。そして、第3リンク33、33を介して把持アーム20、20の基端部21a、21a側も追従して後退することで、把持部22、22が内側に回動してロールベールRの側面を押圧することで把持して持ち上げることができる。
【0027】
また、ロールベールRの側面から把持部22、22を離すように把持アーム20、20の開動作を行う場合、図6に示すように、作業者がリフトアーム51の油圧シリンダ52の伸縮ロッド53を伸びるように設定する。このとき、リンク機構30における第1リンク31が前方向に回動するとともに、第1リンク31に追従して第2リンク32が前進する。そして、第3リンク33、33を介してアーム部21の基端部21a側も追従して前進することで、把持部22、22が外側に回動し、ロールベールRの側面から離して下ろすことができる。
【0028】
また、図示しないが、本体フレーム10における取付部12の上方ステー12bとリフトアーム51とに複数のリンク部材からなる補助アーム40を接続することで、平行リンク機構として機能させることで、ロールベールRの積み上げや積み下ろしを行う場合には、ロールグラブ1の水平状態を保つことができる。
【0029】
したがって、上述したロールグラブ1は、バケットやフォーク等に用いるフロントローダ50のリフトアーム51の油圧シリンダ52に連動するリンク機構を備えることで、ロールグラブ1本体を軽量化することができるとともに、着脱を容易にすることが可能である。
【0030】
上記の実施形態では本発明の好ましい実施形態を例示したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で改善や変更が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 ロールグラブ、
10 本体フレーム、11 枠体、 12 取付部、12a 下方ステー、12b 上方ステー、13 軸支部、
20 把持アーム、21 アーム部、21a 基端部、21b 第1ピン、21c 第2ピン、22 把持部、
30 リンク機構、31 第1リンク、31a 上端部、31b 下端部、32 第2リンク、32a 後端部、32b 側端部、32c 前端部、32d ピン、33 第3リンク、
40 補助アーム、
50 フロントローダ、51 リフトアーム、52 油圧シリンダ、53 伸縮ロッド、
R ロールベール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6