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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089708
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 25/02 20060101AFI20230621BHJP
   F16K 1/34 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
F16K25/02
F16K1/34 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204382
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】藤田 智行
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA25
3H052CA03
3H052CB03
3H052EA05
(57)【要約】
【課題】弁装置の大型化を軽減しつつ、開弁状態における流体の流出量を確保する。
【解決手段】弁座3の第1面31に、弁孔32の開口32aの周囲に位置するシート面33が形成される。弁体4の第2面42に、閉弁状態においてシート面33に密着するシール面43が形成される。第1面31及び第2面42のうちの少なくとも一方に、開弁状態において流体の抵抗となる抵抗部50が形成される。抵抗部50は、シート面33及びシール面43のうちの少なくとも一方に形成された第1抵抗部51、並びに第1面31におけるシート面33よりも内側に位置する部分34及び第2面42におけるシール面43よりも内側に位置する部分44のうちの少なくとも一方に形成された第2抵抗部52のうちの少なくとも一方を含んでいる。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁孔が形成された弁座と、
前記弁座に離着座して前記弁孔を開く開弁状態と前記弁孔を閉じる閉弁状態とに切り換えられる弁体とを備え、
前記弁座は、前記弁孔の開口が形成された第1面を有し、
前記第1面に、前記開口の周囲に位置する環状のシート面が形成され、
前記弁体は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第2面に、前記開弁状態において前記シート面から離間し、且つ、前記閉弁状態において前記シート面に密着する環状のシール面が形成され、
前記第1面及び前記第2面のうちの少なくとも一方に、前記開弁状態において前記第1面と前記第2面との間を流れる流体の抵抗となる抵抗部が形成され、
前記抵抗部は、前記シート面及び前記シール面のうちの少なくとも一方に形成された第1抵抗部、並びに前記第1面における前記シート面よりも内側に位置する部分及び前記第2面における前記シール面よりも内側に位置する部分のうちの少なくとも一方に形成された第2抵抗部のうちの少なくとも一方を含んでいる弁装置。
【請求項2】
請求項1に記載の弁装置において、
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部のうちの少なくとも一方は、凹部である弁装置。
【請求項3】
請求項2に記載の弁装置において、
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部のうちの少なくとも一方は、前記弁孔の軸心を囲む環状の溝である弁装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1つに記載の弁装置において、
前記抵抗部は、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の両者を含む弁装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1つに記載の弁装置において、
前記抵抗部は、前記第1面における前記シート面よりも外側の部分及び前記第2面における前記シール面よりも外側の部分のうち少なくとも一方に形成された第3抵抗部をさらに含む弁装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドレントラップが開示されている。このドレントラップは、ドレンを流出させる弁孔が形成された弁座と、弁座に離着座して弁孔を開閉する弁体とを備えている。弁体の弁座に対向する面のうち弁座に密着するシール面よりも外側の部分には、抵抗溝が形成されている。抵抗溝は、弁体が弁座から離座した開弁状態において、弁座と弁体との間を流れるドレンの速度を低減し、開弁状態の弁体が弁座側へ吸い寄せられて流体の流出量が低下することを軽減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-83391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述のドレントラップの構成では、弁体に抵抗溝のような抵抗部を形成するためのスペースを確保するために、弁体が大型化し、ひいてはドレントラップが大型化することが懸念される。このような大型化の問題は、特に、多くの抵抗部が形成される場合に顕著である。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、弁装置の大型化を軽減しつつ、開弁状態における流体の流出量を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された弁装置は、弁孔が形成された弁座と、前記弁座に離着座して前記弁孔を開く開弁状態と前記弁孔を閉じる閉弁状態とに切り換えられる弁体とを備え、前記弁座は、前記弁孔の開口が形成された第1面を有し、前記第1面に、前記開口の周囲に位置する環状のシート面が形成され、前記弁体は、前記第1面に対向する第2面を有し、前記第2面に、前記開弁状態において前記シート面から離間し、且つ、前記閉弁状態において前記シート面に密着する環状のシール面が形成され、前記第1面及び前記第2面のうちの少なくとも一方に、前記開弁状態において前記第1面と前記第2面との間を流れる流体の抵抗となる抵抗部が形成され、前記抵抗部は、前記シート面及び前記シール面のうちの少なくとも一方に形成された第1抵抗部、並びに前記第1面における前記シート面よりも内側に位置する部分及び前記第2面における前記シール面よりも内側に位置する部分のうちの少なくとも一方に形成された第2抵抗部のうちの少なくとも一方を含んでいる。
【発明の効果】
【0007】
前記弁装置は、弁装置の大型化を軽減しつつ、開弁状態における流体の流出量を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、弁装置の断面図である。
図2図2は、開弁状態における熱応動弁の断面図である。
図3図3は、閉弁状態における熱応動弁の断面図である。
図4図4は、図2のIV部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、弁装置の断面図である。この例の弁装置は、蒸気システムの蒸気配管等に設けられ、蒸気の流出を阻止しつつドレンを流出させるドレントラップ100である。ドレントラップ100は、弁孔32が形成された弁座3と、弁座3に離着座して、弁孔32を開く開弁状態と弁孔32を閉じる閉弁状態とに切り換えられる弁体4とを備えている。尚、本開示では、弁孔32の軸心を中心とする径方向の外側を単に「外側」という。弁孔32の軸心を中心とする径方向の内側を単に「内側」という。
【0010】
この例では、ドレントラップ100は、弁座3及び弁体4を有する熱応動弁1を備えている。具体的には、ドレントラップ100は、ドレン又は蒸気等の流体を流通させる流路71が形成されたケーシング7をさらに備えている。熱応動弁1は流路71に設けられている。熱応動弁1は、周囲の流体の温度が高温のときに閉弁して流路71の流通を遮断し、周囲の流体の温度が低温のときに開弁して流路71を開通させる。これにより、ドレントラップ100は、所定の温度未満のドレンを流出させる一方、所定の温度以上の蒸気の流出を阻止する。
【0011】
ケーシング7は、流入口81及び流出口82が形成された本体8と、本体8に取り付けられ、本体8との間に弁室72を形成する蓋9とを有している。本体8には、流入口81と弁室72とを連通させる連通路84がさらに形成されている。この例の流路71は、流入口81、連通路84、弁室72及び流出口82によって形成されている。流体は流入口81から連通路84を介して弁室72に流入し、この後、流出口82からケーシング7の外部に流出し得る。連通路84には、流体に含まれるゴミ等を除去するストレーナ73が設けられている。弁室72には、ホルダ74が設けられている。ホルダ74には、熱応動弁1が収容されている。
【0012】
続いて、熱応動弁1について詳述する。図2は、開弁状態における熱応動弁1の断面図である。図3は、閉弁状態における熱応動弁1の断面図である。この例では、熱応動弁1は、閉弁状態において不具合が発生した場合に、自動的に弁孔32を開放状態とするフェールオープン機能を有している。熱応動弁1は、弁座3及び弁体4に加えて、膨張媒体13と、第1ダイヤフラム11と、第2ダイヤフラム12と、第1プレート21と、第2プレート22と、コンタクト部6とをさらに有している。
【0013】
膨張媒体13は、温度に応じて膨張及び収縮する。例えば、膨張媒体13は、水より沸点が低い液体である。尚、膨張媒体13は、水であってもよく、水より沸点が低い液体と水との混合物であってもよい。
【0014】
第1ダイヤフラム11は、略円盤状に形成されている。第1ダイヤフラム11は、その中央部が第1ダイヤフラム11の中心軸の方向に変位するように変形可能となっている。
【0015】
第2ダイヤフラム12は、略円盤状に形成されている。第2ダイヤフラム12は、第1ダイヤフラム11と略同じ外径を有している。第1ダイヤフラム11及び第2ダイヤフラム12は、互いに対向する状態で、第1プレート21と第2プレート22とに挟み込まれている。第2ダイヤフラム12は、その中央部が第2ダイヤフラム12の中心軸の方向に変位するように変形可能となっている。
【0016】
第1プレート21は、略円盤状に形成されている。第1プレート21は、第1ダイヤフラム11及び第2ダイヤフラム12と略同じ外径を有している。第1プレート21は、第1ダイヤフラム11のうち第2ダイヤフラム12とは反対側の面に対向している。第1プレート21の中央部は、第1ダイヤフラム11とは反対側に向かって膨出している。
【0017】
第2プレート22は、略円盤状に形成されている。第2プレート22は、第1プレート21と略同じ外径を有している。第2プレート22は、第2ダイヤフラム12のうち第1ダイヤフラム11とは反対側の面に対向している。第2プレート22の中央部は、第2ダイヤフラム12とは反対側に向かって膨出している。第1ダイヤフラム11、第2ダイヤフラム12、第1プレート21及び第2プレート22の各周縁部は、互いに重なり合っており、溶接によって固着されている。
【0018】
第1プレート21と第1ダイヤフラム11との間には、膨張媒体13を収容する収容室15が形成されている。すなわち、第1ダイヤフラム11は、収容室15を部分的に区画している。収容室15は、密閉空間である。第1ダイヤフラム11は、膨張媒体13の膨張及び収縮によって変形させられる。具体的には、膨張媒体13が膨張すると、第1ダイヤフラム11の中央部が第1プレート21から離れるように、即ち、収容室15が拡大するように、第1ダイヤフラム11が変形する。一方、膨張媒体13が収縮すると、第1ダイヤフラム11の中央部が第1プレート21に近づくように、即ち、収容室15が縮小するように、第1ダイヤフラム11が変形する。
【0019】
第1プレート21の中央部には、収容室15に膨張媒体13を注入するための開口17が形成されている。開口17は、栓86によって封止されている。栓86は、例えば、溶接によって第1プレート21に固着される。
【0020】
第2ダイヤフラム12には、コンタクト部6及び弁体4が設けられている。コンタクト部6及び弁体4は、第2ダイヤフラム12の中央部を挟み込んだ状態で溶接されている。
【0021】
コンタクト部6は、第2ダイヤフラム12のうち第1ダイヤフラム11と対向する面に設けられている。コンタクト部6は、第1ダイヤフラム11と第2ダイヤフラム12との間の空間19に配置されている。コンタクト部6は、膨張媒体13の膨張時に第1ダイヤフラム11が接触することによって第1ダイヤフラム11の変形を第2ダイヤフラム12に伝える。
【0022】
弁体4は、第2ダイヤフラム12のうち第1ダイヤフラム11とは反対側の面に設けられている。弁体4は、第2ダイヤフラム12の変形に応じて、第2ダイヤフラム12の中央部と一体的に変位する。
【0023】
第2プレート22の中央部には、開口23が形成されている。弁体4の一部は、開口23から第1ダイヤフラム11とは反対側に向かって突出し得る。さらに、第2プレート22には、開口23を囲むように複数の開口24が形成されている。弁室72に流入した流体は、開口23,24を介して、第2プレート22と第2ダイヤフラム12との間の空間に流入し得る。
【0024】
弁座3は、弁体4に対向するように弁室72に設けられている。弁座3は、弁孔32の開口32aが形成された第1面31を有している。第1面31には、開口32aを囲む環状のシート面33が形成されている。一方、弁体4は、第1面31と対向する第2面42を有している。第2面42は、弁体4のうち第2ダイヤフラム12とは反対側の面である。第2面42には、開弁状態においてシート面33から離間し、且つ、閉弁状態においてシート面33に密着する環状のシール面43が形成されている。
【0025】
第2ダイヤフラム12及び弁体4には、第2ダイヤフラム12及び弁体4を貫通する貫通孔18が形成されている。具体的には、第2ダイヤフラム12及び弁体4の各々に孔が形成され、それらの孔が連続的に繋がって貫通孔18を形成している。貫通孔18のうち第2ダイヤフラム12側の開口18aは、第2ダイヤフラム12のうち第1ダイヤフラム11に対向する面に形成されている。貫通孔18のうち第2ダイヤフラム12とは反対側の開口18bは、第2面42に形成されている。弁体4が閉弁状態のとき、貫通孔18は、第1ダイヤフラム11と第2ダイヤフラム12との間の空間19と、弁孔32とを連通させる。
【0026】
コンタクト部6は、貫通孔18の開口18aを囲むように配置されている。コンタクト部6の中央部には、貫通孔18と繋がる孔61が形成されている。さらに、コンタクト部6には、コンタクト部6が第1ダイヤフラム11と接触した状態において、第1ダイヤフラム11と第2ダイヤフラム12との間の空間19のうちのコンタクト部6の周囲の空間と、孔61とを連通させる連絡路63が形成されている。
【0027】
続いて、ドレントラップ100の動作について説明する。弁室72が低温の場合には、図1及び図2に示すように、膨張媒体13の体積(即ち、膨張の度合い)は小さく、第1ダイヤフラム11の中央部が第1プレート21に近づくように、第1ダイヤフラム11が変形している。このとき、シール面43は、シート面33から離れ、弁孔32は開放されている。弁室72に流入した流体は、弁座3の外側から、シート面33とシール面43との間を通過して弁孔32に流入し、この後、流出口82から流出する。ドレントラップ100に流入する流体がドレン又は空気等の低温の流体の場合には、弁体4が開弁した状態が維持され、流出口82からの流体の流出が継続される。
【0028】
一方、ドレントラップ100に流入する流体が蒸気等の高温の流体である場合には、弁室72の温度が上昇し、図3に示すように膨張媒体13が膨張する。膨張媒体13の膨張によって、第1ダイヤフラム11が変形し、第1ダイヤフラム11の中央部が第2ダイヤフラム12の方へ変位する。第1ダイヤフラム11は、コンタクト部6に接触し、コンタクト部6を介して第2ダイヤフラム12の中央部を第1ダイヤフラム11とは反対側に押圧する。弁体4は第2ダイヤフラム12の中央部と共に弁孔32の軸心と略平行に弁座3の方へ変位し、シール面43とシート面33とが密着して、閉弁状態になる。これにより、弁座3と弁体4との間が密閉され、弁孔32からの蒸気の流出が阻止され、流出口82からの蒸気の流出が阻止される。
【0029】
膨張媒体13の温度が放熱等によって低下すると、膨張媒体13は収縮する。第1ダイヤフラム11は、その中央部が第2ダイヤフラム12とは反対側へ変位するように変形する。これにより、第1ダイヤフラム11によるコンタクト部6を介した第2ダイヤフラム12の押圧も解除される。第2ダイヤフラム12は、その中央部が第1ダイヤフラム11の方へ変位するように変形する。弁体4は、第2ダイヤフラム12の中央部と共に弁孔32の軸心と略平行に弁座3とは反対側に移動し、シール面43がシート面33から離れて、開弁状態になる。このように膨張媒体13の温度が低下するときには、弁室72内の蒸気は凝縮してドレンとなっている。つまり、流出口82から流体が流出するが、その流体は、蒸気ではなく、ドレンである。
【0030】
続いて、フェールオープン機能について詳述する。この例のフェールオープン機能は、閉弁状態において第1ダイヤフラム11及び第2ダイヤフラム12のうち少なくとも一方が破損したときに、自動的に弁孔32を開放状態とする機能である。詳しくは、第1ダイヤフラム11が破損した場合(例えば、図3において、第1ダイヤフラム11のA部分が破損した場合)には、膨張媒体13が収容室15から第1ダイヤフラム11と第2ダイヤフラム12との間の空間19に漏出する。空間19に漏出した膨張媒体13は、連絡路63、孔61及び貫通孔18を介して弁孔32に流出する(図中の二点鎖線参照)。第1ダイヤフラム11は、膨張媒体13の漏出によって、その中央部が第2ダイヤフラム12とは反対側へ変位するように変形する。第2ダイヤフラム12は、第1ダイヤフラム11による押圧から解放され、その中央部が第1ダイヤフラム11の方へ変位するように変形する。それに応じて、弁体4は弁座3から離座し、弁孔32が開放される。その結果、熱応動弁1の周囲の高温流体は、弁孔32から流出する。
【0031】
一方、第2ダイヤフラム12が破損した場合(例えば、図3において、第2ダイヤフラム12のB部分が破損した場合)には、弁室72に流入した高温流体が第2ダイヤフラム12を介して、第1ダイヤフラム11と第2ダイヤフラム12との間の空間19に進入する。空間19に進入した高温流体は、連絡路63、孔61及び貫通孔18を介して弁孔32に流出する(図中の破線参照)。
【0032】
このように第1ダイヤフラム11及び第2ダイヤフラム12の何れかが破損した場合、弁孔32は実質的に開放された状態となり、ドレントラップ100内の流路71が開通する。このようなフェールオープン機能により、第1ダイヤフラム11及び第2ダイヤフラム12のうちのいずれかが破損した場合であっても、流体はドレントラップ100を通過するようになる。
【0033】
次に弁座3の第1面31及び弁体4の第2面42について詳述する。この例では、第1面31の外周縁は、第2面42の外周縁よりも外側に位置している。第1面31の内周縁(即ち、弁孔32の開口32aの周縁)は、第2面42の内周縁(即ち、貫通孔18の開口18aの周縁)よりも外側に位置している。
【0034】
図4は、図2のIV部の拡大図である。図2及び図4に示すように、第1面31及び第2面42には、開弁状態において第1面31と第2面42との間を流れる流体の抵抗となる抵抗部50が形成されている。この例では、抵抗部50は、第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53を含んでいる。
【0035】
第1面31は、シート面33に加えて、シート面33よりも内側に位置する部分34(以下、「内側部分34」という)と、シート面33よりも外側に位置する部分35(以下、「外側部分35」という)とをさらに有している。
【0036】
シート面33は、開口32aを囲む円環状の面である。シート面33には、第1抵抗部51が形成されている。この例では、シート面33は、平面33aと、複数(詳しくは2つ)の第1抵抗部51とを含んでいる。平面33aの法線方向は、弁孔32の軸心と略平行である。以下、平面33aの法線方向を、「シート面33の法線方向」という。
【0037】
第1抵抗部51は、平面33aから凹んだ凹部である。詳しくは、第1抵抗部51は、弁孔32を囲む(即ち、弁孔32の軸心を囲む)環状の溝である。より詳しくは、複数の第1抵抗部51は、弁孔32の軸心を中心とする略同心の円環状の溝である。
【0038】
第1抵抗部51の断面形状(即ち、第1抵抗部51の溝の長さ方向と直交する断面の形状)は、略三角形状である。具体的には、第1抵抗部51は、内側に位置する内側面54と、外側に位置する外側面55とを有している。内側面54は、第2面42に近づくほど内側に位置するようにシート面33の法線方向に対して傾斜している。外側面55は、第2面42に近づくほど外側に位置するようにシート面33の法線方向に対して傾斜している。内側面54の平面33aに対する傾斜角度(詳しくは、平面33aを含む仮想平面と内側面54との挟角)と、外側面55のシート面33に対する傾斜角度(詳しくは、平面33aを含む仮想平面と外側面55との挟角)とは、略同じである。
【0039】
内側部分34は、弁孔32を囲む環状(詳しくは円環状)の面である。内側部分34の内周縁は、弁孔32の開口32aに繋がっている。内側部分34の外周縁は、シート面33に繋がっている。内側部分34は、シート面33から凹んでいる。
【0040】
外側部分35は、シート面33を囲む環状(詳しくは、円環状)の面である。外側部分35の内周縁は、シート面33に繋がっている。外側部分35の外周縁は、第1面31の外周縁である。外側部分35は、シート面33から凹んでいる。
【0041】
第2面42は、シール面43に加えて、シール面43よりも内側に位置する部分44(以下、「内側部分44」という)と、シール面43よりも外側に位置する部分45(以下、「外側部分45」という)とをさらに有している。
【0042】
シール面43は、貫通孔18を囲む円環状の面である。シール面43は、シート面33の平面33aと略平行な平面である。
【0043】
内側部分44は、貫通孔18の開口18bを囲む環状(詳しくは円環状)の面である。内側部分44の内周縁は、開口18bに繋がっている。内側部分44の外周縁は、シール面43に繋がっている。
【0044】
内側部分44には、第2抵抗部52が形成されている。この例では、内側部分44は、平面44aと、複数(詳しくは、2つ)の第2抵抗部52とを含んでいる。平面44aは、シール面43と面一で、且つ、シール面43と略平行な面である。第2抵抗部52は、平面44aから凹んだ凹部である。詳しくは、第2抵抗部52は、貫通孔18の開口18bを囲む(即ち、弁孔32の軸心を囲む)環状の溝である。より詳しくは、複数の第2抵抗部52は、弁孔32の軸心を中心とする略同心の円環状の溝である。
【0045】
第2抵抗部52の断面形状(即ち、第2抵抗部52の溝の長さ方向と直交する断面の形状)は、略三角形状である。ただし、第2抵抗部52の断面形状は、第1抵抗部51の断面形状と異なっている。具体的には、第2抵抗部52は、内側に位置する内側面56と、外側に位置する外側面57とを有している。内側面56は、シール面43の法線方向と略平行である。外側面57は、第1面31に近づくほど外側に位置するようにシール面43の法線方向に対して傾斜している。内側面56のシール面43に対する傾斜角度(詳しくは、シール面43を含む仮想平面と内側面56との挟角であり、この例では、略90°)は、外側面57のシール面43に対する傾斜角度(詳しくは、シール面43を含む仮想平面と外側面57との挟角)よりも大きい。内側面56と外側面57とは、断面弧状の面を介して連続している。
【0046】
第2抵抗部52の断面積(詳しくは、第2抵抗部52の溝の長さ方向と直交する断面の面積)は、第1抵抗部51の断面積(詳しくは、第1抵抗部51の溝の長さ方向と直交する断面の面積)よりも大きい。
【0047】
外側部分45は、シール面43を囲む環状(詳しくは、円環状)の面である。外側部分45の内周縁は、シール面43に繋がっている。外側部分45の外周縁は、第2面42の外周縁である。
【0048】
外側部分45には、第3抵抗部53が形成されている。この例では、外側部分45は、平面45aと、複数(詳しくは2つ)の第3抵抗部53とを含んでいる。平面45aは、シール面43と面一で、且つ、シール面43と略平行な面である。第3抵抗部53は、平面45aから凹んだ凹部である。詳しくは、第3抵抗部53は、シール面43を囲む(即ち、弁孔32の軸心を囲む)環状の溝である。より詳しくは、複数の第3抵抗部53は、弁孔32の軸心を中心とする略同心の円環状の溝である。
【0049】
第3抵抗部53の断面形状(即ち、第3抵抗部53の溝の長さ方向と直交する断面の形状)は、第2抵抗部52の断面形状と略同じである。すなわち、第3抵抗部53の断面形状は、略三角形状である。第3抵抗部53は、内側に位置する内側面58と、外側に位置する外側面59とを有している。内側面58は、シール面43の法線方向と略平行である。外側面59は、第1面31に近づくほど外側に位置するようにシール面43の法線方向に対して傾斜している。内側面58のシール面43に対する傾斜角度(詳しくは、シール面43を含む仮想平面と内側面58との挟角であり、この例では、略90°)は、外側面59のシール面43に対する傾斜角度(詳しくは、シール面43を含む仮想平面と外側面59との挟角)よりも大きい。内側面58と外側面59とは、断面弧状の面を介して連続している。第3抵抗部53の断面積(詳しくは、第3抵抗部53の溝の長さ方向と直交する断面の面積)は、第1抵抗部51の断面積よりも大きく、第2抵抗部52の断面積と略同じである。
【0050】
弁体4が開弁状態にあるとき、弁室72に流入した流体は、図4に一点鎖線で示されるように、弁座3の外側から、第1面31と第2面42との間に形成された流路25に流入し、この後、流路25を通過して弁孔32に流入する。流路25の断面積は、弁室72における流路25よりも上流側の流路の断面積よりも小さい。このため、流路25において流体の速度が増加し、流路25における流体の圧力が低下し、弁体4が弁座3の方へ変位する、弁体4の吸い寄せが生じる虞がある。しかし、この例では、第1面31及び第2面42には、流体の抵抗となる抵抗部50が形成される。このため、流路25を流れる流体の速度は、抵抗部50によって低減され、流体の圧力低下に伴う弁体4の吸い寄せが生じ難くなる。したがって、弁体4の吸い寄せによってシート面33とシール面43との間隔が小さくなることを防止でき、弁孔32からの流体の流出量(以下、単に「流出量」という)を確保できる。しかも、抵抗部50のうち第1抵抗部51はシート面33に形成され、第2抵抗部52はシール面43よりも内側の内側部分44に形成される。このため、例えば、この例と同等の流出量を確保するために、抵抗部50の全てが、外側部分35及び外側部分45に形成される第3抵抗部53だけで形成される場合と比較して、外側部分35及び外側部分45に抵抗部50を形成するためのスペースを確保する必要がない。したがって、抵抗部50を形成することに起因する、弁座3及び弁体4の大型化を軽減できる。つまり、弁座3及び弁体4の大型化、ひいてはドレントラップ100の大型化を軽減しつつ、流出量を確保できる。
【0051】
また、この例では、シート面33とシール面43との間の流路断面積は、流路25におけるシート面33よりも上流側の流路断面積及びシート面33よりも下流側の流路断面積よりも小さい。このため、シート面33とシール面43との間を流れる流体の速度は、増加しやすい。しかし、第1抵抗部51は、シート面33に形成される。このため、シート面33とシール面43との間を流れる流体の速度を適切に低減できる。
【0052】
加えて、この例の抵抗部50は、第1抵抗部51及び第2抵抗部52の両者を含む。このため、抵抗部50が第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうち一方のみを含む場合と比較して、流路25を流れる流体の速度を低減できる。
【0053】
また、抵抗部50は、第1抵抗部51及び第2抵抗部52に加えて、第3抵抗部53をさらに含む。このため、流路25を流れる流体の速度を一層低減できる。また、第3抵抗部53は、シール面43よりも外側に位置する外側部分45に形成される。このため、第3抵抗部53は、シート面33とシール面43との間の部分を流れる前の流体の速度を低減できる。よって、シート面33とシール面43との間を流れる流体の速度を適切に低減できる。
【0054】
また、第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々は、凹部である。このため、例えば、弁座3又は弁体4に凹部を形成するだけで、第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々を形成できる。特に第1抵抗部51が凹部であると、第1抵抗部51が凸部である場合と比較して、シート面33とシール面43との密着性を良くすることができる。
【0055】
また、第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々は、弁孔32の軸心を囲む環状の溝であり、弁座3の全周から弁孔32に流入する流体の抵抗になる。このため、流路25を流れる流体の速度を一層低減できる。加えて、流路25を流れる流体の速度は、弁座3の周方向においてばらつき難くなる。このため、流路25を流れる流体の圧力にばらつきが生じ難くなり、弁体4の挙動が安定しやすい。
【0056】
また、第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々の溝の断面形状は略三角形状である。このため、第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々の溝の断面形状が矩形状である場合と比較して、流体が第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53において滞留し難くなる。したがって、第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53には、ゴミ及びスケール等が溜まり難い。
【0057】
また、第1抵抗部51では、内側面54の方が外側面55よりも流体の抵抗として効果的に機能する。第2抵抗部52の内側面56及び第3抵抗部53の内側面58も同様である。これら内側面54,56,58のうち、特に内側面56及び内側面58は、シール面43に対する傾斜角度が大きい。このため、流体の速度は大きく低減する。したがって、流路25を流れる流体の速度を適切に低減することができる。
【0058】
また、第3抵抗部53の断面積は、第1抵抗部51の断面積よりも大きい。このため、シート面33とシール面43との間の部分を流れる前の流体の速度を一層低減できる。
【0059】
尚、この例では、第1抵抗部51は、シート面33に形成されているが、シール面43に形成されてもよい。また、第1抵抗部51は、シート面33とシール面43との両者に形成されてもよい。すなわち、第1抵抗部51は、シート面33及びシール面43のうち少なくとも一方に形成されればよい。また、この例では、第2抵抗部52は、内側部分44に形成されているが、内側部分34に形成されてもよい。すなわち、第2抵抗部52は、内側部分34及び内側部分44のうち少なくとも一方に形成されればよい。また、抵抗部50は、第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうち第1抵抗部51のみを含んでもよいし、第2抵抗部52のみを含んでもよい。すなわち、抵抗部50は、第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうち少なくとも一方を含んでいればよい。また、この例では、第1面31及び第2面42の各々が、第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうち少なくとも一方を含んでいるが、第1面31及び第2面42のうちの一方のみが、第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0060】
以上のように、ドレントラップ(弁装置)100は、弁孔32が形成された弁座3と、弁座3に離着座して弁孔32を開く開弁状態と弁孔32を閉じる閉弁状態とに切り換えられる弁体4とを備え、弁座3は、弁孔32の開口32aが形成された第1面31を有し、第1面31に、開口32aの周囲に位置する環状のシート面33が形成され、弁体4は、第1面31に対向する第2面42を有し、第2面42に、開弁状態においてシート面33から離間し、且つ、閉弁状態においてシート面33に密着する環状のシール面43が形成され、第1面31及び第2面42のうちの少なくとも一方に、開弁状態において第1面31と第2面42との間を流れる流体の抵抗となる抵抗部50が形成され、抵抗部50は、シート面33及びシール面43のうちの少なくとも一方に形成された第1抵抗部51、並びに第1面31におけるシート面33よりも内側に位置する内側部分(部分)34及び第2面42におけるシール面43よりも内側に位置する内側部分(部分)44のうちの少なくとも一方に形成された第2抵抗部52のうちの少なくとも一方を含んでいる。
【0061】
この構成によれば、開弁状態においては、第1抵抗部51及び第2抵抗部52の少なくとも一方によって、第1面31と第2面42との間を流れる流体の速度が低減され、第1面31と第2面42との間の流体の圧力の低下が軽減される。このため、第1面31と第2面42との間隔が小さくなり難く、弁孔32からの流体の流出量を確保できる。しかも、第1抵抗部51はシート面33及びシール面43のうちの少なくとも一方に形成され、第2抵抗部52は内側部分34及び内側部分44のうちの少なくとも一方に形成される。したがって、抵抗部50を形成することに起因する、弁座3及び弁体4の大型化を軽減でき、ひいてはドレントラップ100の大型化を軽減しつつ、流体の流出量を確保できる。尚、ドレントラップ100の大型化を軽減することは、外側部分35及び外側部分45のうちの少なくとも一方に、第3抵抗部53のような抵抗部が形成されることを排除するものではない。例えば、抵抗部50が第3抵抗部53を含む場合でも、抵抗部50が第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうちの少なくとも一方を含んでいれば、全ての抵抗部が外側部分35及び外側部分45に形成される場合と比較して、ドレントラップ100の大型化を軽減できる。
【0062】
また、第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうちの少なくとも一方は、凹部である。
【0063】
この構成によれば、凹部を形成するだけで、第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうち少なくとも一方を形成できる。また、第1抵抗部51が凹部の場合には、第1抵抗部51が凸部である場合と比較して、シート面33とシール面43との密着性を良くすることができる。
【0064】
また、第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうちの少なくとも一方は、弁孔32の軸心を囲む環状の溝である。
【0065】
この構成によれば、第1抵抗部51及び第2抵抗部52のうち少なくとも一方は、弁座3の全周から弁孔32に流入する流体の抵抗になる。このため、第1面31と第2面42との間を流れる流体の速度が一層低減される。加えて、第1面31と第2面42との間を流れる流体の速度は、弁座3の周方向においてばらつき難くなる。このため、第1面31と第2面42との間を流れる流体の圧力にばらつきが生じ難く、弁体4の挙動が安定しやすい。
【0066】
また、抵抗部50は、第1抵抗部51及び第2抵抗部52の両者を含む。
【0067】
この構成によれば、開弁状態においては、第1抵抗部51及び第2抵抗部52の両者によって、第1面31と第2面42との間を流れる流体の速度が低減される。このため、流体の流出量を適切に確保できる。
【0068】
また、抵抗部50は、第1面31におけるシート面33よりも外側に位置する外側部分(部分)35及び第2面42におけるシール面43よりも外側に位置する外側部分(部分)45のうち少なくとも一方に形成された第3抵抗部53をさらに含む。
【0069】
この構成によれば、開弁状態においては、第3抵抗部53によって、シート面33とシール面43との間に流れる前の流体の速度が低減され、シート面33とシール面43との間を流れる流体の速度が適切に低減される。このため、流体の流出量を適切に確保できる。尚、第3抵抗部53は、弁座3又は弁体4に抵抗部を形成するためのスペースが存在する場合に設ければよい。
【0070】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0071】
第1抵抗部51がシート面33及びシール面43の各々に形成される数は、限定されない。例えば、第1抵抗部51は、シート面33に1つだけ形成されてもよいし、3つ以上形成されてもよい。例えば、第1抵抗部51は、シール面43に1つだけ形成されてもよいし、複数形成されてもよい。
【0072】
第2抵抗部52が内側部分34及び内側部分44の各々に形成される数は、限定されない。例えば、第2抵抗部52は、内側部分34に1つだけ形成されてもよいし、3つ以上形成されてもよい。例えば、第2抵抗部52は、内側部分44に1つだけ形成されてもよいし、複数形成されてもよい。
【0073】
第3抵抗部53が外側部分35及び外側部分45の各々に形成される数は、限定されない。例えば、第3抵抗部53は、外側部分45に1つだけ形成されてもよいし、3つ以上形成されてもよい。例えば、第3抵抗部53は、外側部分35に1つだけ形成されてもよいし、複数形成されてもよい。第3抵抗部53は省略可能である。
【0074】
第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々の形状及び大きさは、限定されない。第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々は、環状の溝に限定されず、弧状の溝等であってもよい。第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々は、溝に限定されず、円形、楕円形若しくは多角形の凹部、微細な凹部等であってもよい。第1抵抗部51、第2抵抗部52及び第3抵抗部53の各々は、凹部に限定されず、凸部であってもよい。凸部は、例えば、環状又は弧状の突条、円形、楕円形、多角形等の突起、微細な突起等である。第1抵抗部51の断面形状と第2抵抗部52の断面形状とは、略同じであってもよい。第1抵抗部51の断面形状と第3抵抗部53の断面形状とは、略同じであってもよい。第2抵抗部52の断面形状と第3抵抗部53の断面形状とは、異なってもよい。第1抵抗部51の断面積は、第2抵抗部52の断面積と略同じであってもよいし、第2抵抗部52の断面積よりも大きくてもよい。第1抵抗部51の断面積は、第3抵抗部53の断面積と同じであってもよいし、第3抵抗部53の断面積よりも大きくてもよい。第2抵抗部52の断面積は、第3抵抗部53の断面積よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
【0075】
内側面54の平面33aに対する傾斜角度は、外側面55の平面33aに対する傾斜角度よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。内側面54は、シート面33の法線方向と略平行であってもよい。
【0076】
内側面56のシール面43に対する傾斜角度は、外側面57のシール面43に対する傾斜角度と略同じであってもよいし、外側面57のシール面43に対する傾斜角度よりも小さくてもよい。内側面56は、第1面31に近づくほど内側に位置するようにシール面43に対して傾斜してもよい。
【0077】
内側面58のシール面43に対する傾斜角度は、外側面59のシール面43に対する傾斜角度と略同じであってもよいし、外側面59のシール面43に対する傾斜角度よりも小さくてもよい。内側面58は、第1面31に近づくほど内側に位置するようにシール面43に対して傾斜してもよい。
【0078】
弁座3及び弁体4の各々の形状及び大きさは、限定されない。第1面31の外周縁は、第2面42の外周縁よりも内側に位置してもよい。第1面31は、内側部分34を有さなくてもよい。第1面31は、外側部分35を有さなくてもよい。第2面42は、内側部分44を有さなくてもよい。第2面42は、外側部分45を有さなくてもよい。
【0079】
ドレントラップ100は、フェールオープン機能を有さなくてもよい。例えば、弁体4は、第1ダイヤフラム11に直接設けられてもよい。この場合、ドレントラップは、第2ダイヤフラム12及びコンタクト部6を備えなくてもよい。
【0080】
ドレントラップ100は、蒸気の流出を阻止するスチームトラップに限定されず、空気の流出を阻止するエアトラップ、またはその他のガスの流出を阻止するガストラップ等であってもよい。弁装置は、ドレントラップに限定されず、流体として気体又は液体の流通を制御する他の弁装置であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
100 ドレントラップ
3 弁座
31 第1面
32 弁孔
32a 開口
33 シート面
34 内側部分(部分)
35 外側部分(部分)
4 弁体
42 第2面
43 シール面
44 内側部分(部分)
45 外側部分(部分)
50 抵抗部
51 第1抵抗部
52 第2抵抗部
53 第3抵抗部

図1
図2
図3
図4