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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089714
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】予混合装置
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/62 20060101AFI20230621BHJP
   F23L 13/04 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
F23D14/62
F23L13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204390
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】葛谷 廣太郎
【テーマコード(参考)】
3K017
3K023
【Fターム(参考)】
3K017CA09
3K017CB10
3K017CC01
3K017CE01
3K023PA10
3K023PB13
3K023PB20
3K023PC02
3K023PD03
(57)【要約】
【課題】空気供給路3及びガス供給路4の通気抵抗を切換えるバタフライ弁7及び切換弁8と、バタフライ弁7の開閉に連動して切換弁8を開閉する連動機構9とを備える予混合装置であって、連動機構9は、空気供給路3に対し仕切壁91で仕切られた、ガス供給路4の下流端部に連通するカム室92内のカム93を備え、仕切壁91に形成された軸支孔91aを通してカム室92内に突出するバタフライ弁7の回転軸71の部分にカム93が固定されるものにおいて、空気供給路3の内圧とカム室92の内圧との圧力差に起因して、空気供給路3寄りの回転軸71の部分がグリースの枯渇で軸支孔91aの周面に固着し易くなることを防止する。
【解決手段】軸支孔91aに挿通される回転軸71の部分の外周面に、グリース溜りとなる凹溝71aを軸方向に間隔を存して複数形成する。好ましくは、複数の凹溝71aを螺旋状に繋げる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気に燃料ガスを混合し、混合気をファンを介してバーナに供給する予混合装置であって、
流量調節弁を介設した燃料ガスを供給するガス供給路の下流端がファンの上流側の空気供給路に設けられたガス吸引部に接続され、ガス吸引部より上流側の空気供給路の部分の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段と、流量調節弁よりも下流側のガス供給路の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段とを備え、
空気抵抗切換手段は、ガス吸引部よりも上流側の空気供給路の部分に設けられ、空気供給路の長手方向に平行な開き姿勢と空気供給路の長手方向に直交する閉じ姿勢とに回転軸を中心にして回動されるバタフライ弁で構成され、ガス抵抗切換手段は、ガス供給路内に開閉動作自在に設けられた切換弁で構成され、バタフライ弁の開き姿勢と閉じ姿勢への回動に連動して切換弁を開閉動作させる連動機構を備え、
連動機構は、バタフライ弁が設けられた空気供給路の部分に対し仕切壁で仕切られた、ガス供給路の下流端部に連通するカム室内のカムを備え、バタフライ弁の回転軸が仕切壁に形成された軸支孔を通してカム室内に突出して、カム室内に突出した回転軸の部分にカムが固定され、バタフライ弁の開き姿勢と閉じ姿勢とへの回動による回転軸を介してのカムの回動で切換弁が開閉動作にされるように連動機構が構成されるものにおいて、
軸支孔に挿通される回転軸の部分の外周面に、グリース溜りとなる凹溝が回転軸の軸方向に間隔を存して複数形成されることを特徴とする予混合装置。
【請求項2】
前記複数の凹溝は、螺旋状に繋がっていることを特徴とする請求項1記載の予混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気に燃料ガスを混合し、混合気をファンを介してバーナに供給する予混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の予混合装置として、特許文献1により、流量調節弁を介設した燃料ガスを供給するガス供給路の下流端がファンの上流側の空気供給路に設けられたガス吸引部に接続され、ガス吸引部より上流側の空気供給路の部分の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段と、流量調節弁よりも下流側のガス供給路の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段とを備えるものが知られている。ここで、流量調節弁として比例弁を用いる場合は、要求燃焼量に応じた量の燃料ガスが供給されるように比例弁が制御され、更に、バーナに供給される混合気の空気過剰率が一定になるように、要求燃焼量に応じてファン回転数が制御される。また、流量調節弁を、二次ガス圧を大気圧に維持するゼロガバナとその下流側のオリフィスとで構成することもある。この場合、燃料ガスの供給量は、二次ガス圧である大気圧とガス吸引部に作用する負圧との差圧に応じ、オリフィスで規定される所定の比率で変化する。そして、ガス吸引部に作用する負圧がファン回転数に応じて変化するため、燃料ガスの供給量は、ファン回転数、即ち、空気の供給量に応じて所定の比率で変化する。従って、要求燃焼量に応じてファン回転数を制御することにより、空気過剰率が一定で要求燃焼量に応じた量の混合気がバーナに供給されることになる。
【0003】
ところで、バーナからの燃焼ガスを排気する排気筒への風の侵入で排気不良を生じないようにするため、即ち、耐風性能を確保するため、ファンの下限回転数はあまり低く設定できない。そして、要求燃焼量がファンの下限回転数に対応する所定値以下になった場合には、要求燃焼量に対応する量の空気を供給できなくなる。そこで、特許文献1に記載のものでは、要求燃焼量が上記所定値以下になった場合には、空気抵抗切換手段により空気供給路の通気抵抗を大きくして、ファンの回転数を下限回転数以下にせずに、所定値以下の要求燃焼量に対応する量の混合気を供給できるようにしている。但し、空気供給路の通気抵抗を大きくするだけでは、ガス吸引部に作用する負圧が増加して、燃料ガスの供給量が過大となり、バーナに供給される混合気の空気過剰率が適正値を下回ってしまう。そのため、要求燃焼量が比較的小さな場合には、空気抵抗切換手段により空気供給路の通気抵抗を大きくすると共に、ガス抵抗切換手段によりガス供給路の通気抵抗を大きくした小能力状態として、空気過剰率が適正値で比較的小さな要求燃焼量に対応する量の混合気がバーナに供給されるようにし、要求燃焼量が比較的大きな場合には、空気供給路の通気抵抗を小さくすると共に、ガス供給路の通気抵抗を小さくした大能力状態として、空気過剰率が適正値で比較的大きな要求燃焼量に対応する量の混合気がバーナに供給されるようにしている。
【0004】
また、特許文献1に記載のものにおいて、空気抵抗切換手段は、ガス吸引部よりも上流側の空気供給路の部分に設けられ、空気供給路の長手方向に平行な開き姿勢と空気供給路の長手方向に直交する閉じ姿勢とに回転軸を中心にして回動されるバタフライ弁で構成され、ガス抵抗切換手段は、ガス供給路内に開閉動作自在に設けられた切換弁で構成されている。そして、バタフライ弁の開き姿勢と閉じ姿勢への回動に連動して切換弁を開閉動作させる連動機構を設けている。連動機構は、バタフライ弁が設けられた空気供給路の部分に対し仕切壁で仕切られた、ガス供給路の下流端部に連通するカム室内のカムを備えている。バタフライ弁の回転軸は、仕切壁に形成された軸支孔を通してカム室内に突出して、カム室内に突出した回転軸の部分にカムが固定され、バタフライ弁の開き姿勢と閉じ姿勢とへの回動による回転軸を介してのカムの回動で切換弁が開閉動作にされるように連動機構が構成されている。
【0005】
ところで、特許文献1には開示されていないが、回転軸が軸支孔の周面に固着することを防止するため、一般的に、軸支孔に挿通される回転軸の部分の外周面に、回転軸の軸方向に幅広のグリース溜りとなる凹溝を形成することが考えられる。然し、ガス供給路の下流端部に連通するカム室の内圧は、ガス吸引部に作用する負圧によって、仕切壁でカム室から仕切られる空気供給路の部分の内圧よりも低くなる。そのため、凹溝内のグリースは、空気供給路の内圧とカム室の内圧との圧力差によってカム室側に片寄る。その結果、空気供給路寄りの回転軸の部分がグリースの枯渇で軸支孔の周面に固着し易くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-187177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、回転軸が軸支孔の周面に固着することを防止できるようにした予混合装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、空気に燃料ガスを混合し、混合気をファンを介してバーナに供給する予混合装置であって、流量調節弁を介設した燃料ガスを供給するガス供給路の下流端がファンの上流側の空気供給路に設けられたガス吸引部に接続され、ガス吸引部より上流側の空気供給路の部分の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段と、流量調節弁よりも下流側のガス供給路の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段とを備え、空気抵抗切換手段は、ガス吸引部よりも上流側の空気供給路の部分に設けられ、空気供給路の長手方向に平行な開き姿勢と空気供給路の長手方向に直交する閉じ姿勢とに回転軸を中心にして回動されるバタフライ弁で構成され、ガス抵抗切換手段は、ガス供給路内に開閉動作自在に設けられた切換弁で構成され、バタフライ弁の開き姿勢と閉じ姿勢への回動に連動して切換弁を開閉動作させる連動機構を備え、連動機構は、バタフライ弁が設けられた空気供給路の部分に対し仕切壁で仕切られた、ガス供給路の下流端部に連通するカム室内のカムを備え、バタフライ弁の回転軸は、仕切壁に形成された軸支孔を通してカム室内に突出して、カム室内に突出した回転軸の部分にカムが固定され、バタフライ弁の開き姿勢と閉じ姿勢とへの回動による回転軸を介してのカムの回動で切換弁が開閉動作にされるように連動機構が構成されるものにおいて、軸支孔に挿通される回転軸の部分の外周面に、グリース溜りとなる凹溝が回転軸の軸方向に間隔を存して複数形成されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、グリースが複数の凹溝により軸方向に分散して保持されることになる。そして、各凹溝内でグリースがカム室側に片寄っても、各凹溝と当該凹溝に対し空気供給路側に隣接する凹溝との間の回転軸の部分と軸支孔の周面との摺接部には、空気供給路側に隣接する凹溝からグリースが供給される。従って、回転軸が軸支孔の周面に固着することを防止できる。
【0010】
また、本発明において、複数の凹溝は、螺旋状に繋がっていることが望ましい。これによれば、各凹溝内でカム室側に片寄ったグリースが、回転軸を一方に回転させることでカム室側と反対方向に押し戻されて、軸支孔の周面へのグリースの付着範囲が広がる。その結果、回転軸が軸支孔の周面に固着することを一層効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態の予混合装置を示す切断側面図。
図2図1のII-II線で切断した切断平面図。
図3図1のIII-III線で切断した断面図。
図4】実施形態の予混合装置に設けられるバタフライ弁及び回転軸の斜視図。
図5】(a)(b)実施形態の予混合装置に設けられるバタフライ弁の回転軸の回転に伴うグリースの動きを示す要部の拡大切断側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照して、1は、混合気が噴出して燃焼する燃焼面1aを有する全一次燃焼式バーナ等から成るバーナである。バーナ1にはファン2が接続されている。そして、本発明の実施形態の予混合装置Aにより、空気に燃料ガスを混合して、混合気をファン2を介してバーナ1に供給するようにしている。
【0013】
予混合装置Aは、ファン2の上流側の空気供給路3と、燃料ガスを供給するガス供給路4とを備えている。ガス供給路4の上流部には、図3に示す如く、元弁5と、ゼロガバナ6aとその下流側のオリフィス6bとで構成される流量調節弁6とが介設されている。更に、ガス供給路4の下流端は、空気供給路3に設けられたガス吸引部31に接続されている。
【0014】
また、予混合装置Aは、ガス吸引部31よりも上流側の空気供給路3の部分の通気抵抗を大小に切換える空気抵抗切換手段と、流量調節弁6よりも下流側のガス供給路4の部分の通気抵抗を大小に切換えるガス抵抗切換手段とを備えている。そして、要求燃焼量が所定値以下になったときに、空気抵抗切換手段で空気供給路3の通気抵抗を大きくすると共にガス抵抗切換手段でガス供給路4の通気抵抗を大きくした小能力状態として、所定値以下の要求燃焼量に応じた量の混合気を供給できるようにし、要求燃焼量が所定値を上回ったときに、空気抵抗切換手段で空気供給路3の通気抵抗を小さくすると共にガス抵抗切換手段でガス供給路4の通気抵抗を小さくした大能力状態に復帰させている。
【0015】
ガス吸引部31よりも上流側の空気供給路3の部分には、空気供給路3の周壁面32との間に間隙を存して内筒33が設けられている。そして、空気供給路3の周壁面32と内筒33の外周面との間の間隙により、内筒33内の主通路3aに並列な副通路3bが構成される。内筒33の下流端(図1図2で上端)のフランジ部33aには、副通路3bの出口となる円弧状の透孔33bが複数形成されている。
【0016】
また、内筒33内に、空気供給路3の長手方向に平行な図2に仮想線で示す開き姿勢と空気供給路3の長手方向に直交する図2に実線で示す閉じ姿勢とに回転軸71を中心にして回動されるバタフライ弁7を設け、このバタフライ弁7により空気抵抗切換手段を構成している。バタフライ弁7の回転軸71には、ステッピングモータ等のアクチュエータ72が連結されている。そして、小能力状態への切換時に、アクチュエータ72の作動で、バタフライ弁7を図2で時計回り方向への回動で閉じ姿勢に切換え、大能力状態への切換時に、アクチュエータ72の作動で、バタフライ弁7を図2で反時計回り方向への回動で開き姿勢に切換えるようにしている。バタフライ弁7を閉じ姿勢に切換えると、主通路3aがほぼ閉じられ、空気が流れるのは実質的に副通路3bに制限され、空気供給路3の通気抵抗が大きくなる。
【0017】
ガス吸引部31の上流側に隣接する空気供給路3の部分には、内筒33が配置された空気供給路3の部分よりも小径なベンチュリ部34が設けられている。ベンチュリ部34の下流側に隣接する空気供給路3の部分は、ベンチュリ部34よりも大径の筒部35で囲われている。そして、ベンチュリ部34の下流端部を筒部35の上流端部に環状の間隙を存して挿入し、この間隙によりガス吸引部31が構成されるようにしている。
【0018】
ガス供給路4の下流端には、筒部35を囲うようにして、ガス吸引部31に連通するガス室41が設けられている。また、ガス室41の上流側に隣接するガス供給路4の部分には、ガス室41に常時連通する通路部分42と、この通路部分42に並列の弁室81とが設けられている。そして、弁室81内に、弁室81の下端の弁座82に形成した、通路部分42に連通する弁孔83を開閉する切換弁8を設け、この切換弁8によりガス抵抗切換手段を構成している。切換弁8を弁座82に着座して弁孔83を閉塞する閉じ状態にすると、弁室81を介してのガスの流れが遮断され、ガス供給路4の通気抵抗が大きくなる。
【0019】
切換弁8は、バタフライ弁7の開き姿勢と閉じ姿勢への回動に伴い連動機構9を介して開閉動作される。この連動機構9は、図1図3に示す如く、バタフライ弁7が設けられた空気供給路3の部分に対し仕切壁91で仕切られた、ガス供給路4の下流端部たるガス室41に通路部分42を介して連通するカム室92内のカム93を備えている。バタフライ弁7の回転軸71は、仕切壁91に形成した軸支孔91aを通してカム室92内に突出している。そして、カム室92内に突出した回転軸71の部分にカム93が固定されている。連動機構9は、更に、カム93に下端が当接する、上方にのびて切換弁8に連結されるロッド94を備えている。バタフライ弁7を開き姿勢に回動させると、回転軸71を介してのカム93の回動によりロッド94が押し上げられ、切換弁8が弁バネ84の付勢力に抗して上動、即ち、開動作され、また、バラフライ弁7を閉じ姿勢に回動させると、回転軸71を介してのカム93の回動によりロッド94の押し上げが解除され、切換弁8が弁バネ84の付勢力で下動、即ち、閉動作される。
【0020】
ところで、ガス供給路4の下流端部に連通するカム室92の内圧は、ガス吸引部31に作用する負圧によって、仕切壁91でカム室92から仕切られる空気供給路3の部分の内圧よりも低くなる。そのため、軸支孔91aに挿通した回転軸71の部分の外周面に、グリス溜りとなる軸方向に幅広の単一の凹溝を形成した場合、上述したように、凹溝内のグリースは、空気供給路3の内圧とカム室92の内圧との圧力差によってカム室92側に片寄る。その結果、空気供給路3寄りの回転軸71の部分がグリースの枯渇で軸支孔91aの周面に固着し易くなってしまう。
【0021】
そこで、本実施形態では、軸支孔91aに挿通される回転軸71の部分の外周面に、グリース溜りとなる凹溝71aを回転軸71の軸方向に間隔を存して複数形成している。また、これら複数の凹溝71aは、図4に示す如く、螺旋状に繋がっている。尚、本実施形態において、複数の凹溝71aの繋がりである螺旋は、回転軸71の母線に直交する方向に対し、図2で時計回り方向に向けて空気供給路3側に傾いている。
【0022】
これによれば、グリースが複数の凹溝71aにより回転軸71の軸方向に分散して保持されることになる。そして、図5(a)に示す如く、空気供給路3の内圧とカム室92の内圧との圧力差によって各凹溝71a内でグリースGがカム室92側に片寄っても、各凹溝71aと当該凹溝71aに対し空気供給路3側に隣接する凹溝71aとの間の回転軸71の部分と軸支孔91aの周面との摺接部には、空気供給路3側に隣接する凹溝71aからグリースGが供給される。従って、回転軸71が軸支孔91aの周面に固着することを防止できる。更に、複数の凹溝71aの繋がりである螺旋が側方から見て空気供給路3側に進行する回転方向、即ち、図2で反時計回り方向に回転軸71を回転させて、バタフライ弁7及び切換弁8を閉から開に切換えることで、各凹溝71a内のカム室92側に片寄ったグリースGが、図5(b)に示す如く、カム室92側と反対方向に距離Lだけ押し戻されて、軸支孔91aの周面へのグリースGの付着範囲が広がる。その結果、回転軸71が軸支孔91aの周面に固着することを一層効果的に防止できる。
【0023】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、バタフライ弁7及び切換弁8の開から閉への切換え時と閉から開への切換え時とで、回転軸71の回転方向を反対にしているが、バタフライ弁7及び切換弁8を開から閉への切換え時と閉から開への切換え時との何れにおいても、グリースがカム室92と反対方向に押し戻されるように、回転軸71を図2で反時計回り方向に回転させるようにしてもよい。また、上記実施形態では、複数の凹溝71aの繋がりである螺旋を図2で時計回り方向に向けて空気供給路3側に傾け、回転軸71の回転方向を、バタフライ弁7及び切換弁8の閉から開への切換え時に図2で反時計回り方向、開から閉への切換え時に図2で時計回り方向としているが、閉から開への切換え時に図2で時計回り方向、開から閉への切換え時に図2で反時計回り方向としてもよい。更に、複数の凹溝71aの繋がりである螺旋を図2で反時計回り方向に向けて空気供給路3側に傾けて、バタフライ弁7及び切換弁8の閉から開への切換え時と開から閉への切換え時とで回転軸71の回転方向を上記と同様に反対にし、或いは、閉から開への切換え時と開から閉への切換え時との何れにおいても、回転軸71の回転方向を図2で時計回り方向とすることも可能である。また、複数の凹溝71aを互いに繋がらないように形成することも可能である。更に、上記実施形態では、ガス供給路4に介設する流量調節弁6を、ゼロガバナ6aとその下流側のオリフィス6bとで構成しているが、比例弁で流量調節弁を構成してもよい。
【符号の説明】
【0024】
A…予混合装置、1…バーナ、2…ファン、3…空気供給路、31…ガス吸引部、4…ガス供給路、6…流量調節弁、7…バタフライ弁、71…回転軸、71a…凹溝、8…切換弁、9…連動機構、91…仕切壁、91a…軸支孔、92…カム室、93…カム。
図1
図2
図3
図4
図5