(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089817
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】製造番号管理装置、製造番号管理方法、および、製造番号管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20230621BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204558
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 博之
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】個別原価要素別のルールに基づいた製造番号の自動採番を行うことができる製造番号管理装置、製造番号管理方法、および、製造番号管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】商品、および、製番区分を設定した入力データを取得し、新規製造、補修、仕損費もしくは部門費を示す製番区分、新規採番もしくは既存番号流用を示す採番区分、ならびに、配置が設定された採番項目を紐付けて設定した製番採番マスタ、および、入力データに基づいて、商品の製造番号を採番する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた製造番号管理装置であって、
前記記憶部は、
新規製造、補修、仕損費もしくは部門費を示す製番区分、新規採番もしくは既存番号流用を示す採番区分、ならびに、配置が設定された採番項目を紐付けて設定した製番採番マスタ、
を備え、
前記制御部は、
商品、および、前記製番区分を設定した入力データを取得する入力取得手段と、
前記製番採番マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記商品の製造番号を採番する採番手段と、
を備えたことを特徴とする製造番号管理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
名称コードと、前記商品の機種もしくは型式、担当者または固定値を示す明細コードと、当該機種、当該型式、当該担当者または当該固定値を示す明細名称と、を紐付けて設定した名称マスタ、
を更に備え、
前記採番項目は、
前記名称コードが設定され、
前記採番手段は、
前記名称マスタ、前記製番採番マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記商品の前記製造番号を採番することを特徴とする請求項1に記載の製造番号管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記商品の品番、前記機種および前記型式を紐付けて設定した品番マスタ、
更に備え、
前記入力取得手段は、
前記商品の前記品番、および、前記新規製造の前記製番区分を設定した前記入力データを取得し、
前記採番手段は、
前記入力データに設定された前記品番に紐づく、前記品番マスタに設定された前記機種および前記型式を特定し、前記名称マスタに基づいて、前記製番採番マスタに設定された採番順に従って、前記製番区分に続けて前記採番項目を配置した前記製造番号を採番することを特徴とする請求項2に記載の製造番号管理装置。
【請求項4】
前記入力取得手段は、
前記商品、前記担当者、および、前記補修の前記製番区分を設定した前記入力データを取得し、
前記採番手段は、
前記入力データ取得時の日付を特定し、当該日付、前記入力データに設定された前記担当者、および、前記名称マスタに基づいて、前記製番採番マスタに設定された採番順に従って、前記製番区分に続けて前記採番項目を配置した前記製造番号を採番することを特徴とする請求項2に記載の製造番号管理装置。
【請求項5】
前記入力取得手段は、
前記商品の品番、および、前記仕損費の前記製番区分を設定した前記入力データを取得し、
前記採番手段は、
前記入力データに基づいて、前記新規製造の前記製番区分を含む前記製造番号を選択可能に表示させ、前記製造番号から選択製造番号が選択された場合、当該選択製造番号、および、前記製番採番マスタに基づいて、前記商品の前記製造番号を採番することを特徴とする請求項1に記載の製造番号管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
前記担当者、および、当該担当者が所属する部門を紐付けて設定した担当者マスタ、
を更に備え、
前記入力取得手段は、
前記商品、前記担当者、および、前記部門費の前記製番区分を設定した前記入力データを取得し、
前記採番手段は、
前記入力データ取得時の日付を特定し、前記担当者マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記担当者が所属する前記部門を特定し、当該日付、当該部門、および、前記名称マスタに基づいて、前記製番採番マスタに設定された採番順に従って、前記製番区分に続けて前記採番項目を配置した前記製造番号を採番することを特徴とする請求項2に記載の製造番号管理装置。
【請求項7】
前記採番項目は、
前記名称マスタに設定された明細コード、年月、ユーザによる入力項目、自動採番項目、および/または、予め設定された初期値が設定されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の製造番号管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記商品の品番、および、前記製造番号を紐付けて設定した製番データを取得する製番取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の製造番号管理装置。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた製造番号管理装置に実行させるための製造番号管理方法であって、
前記記憶部は、
新規製造、補修、仕損費もしくは部門費を示す製番区分、新規採番もしくは既存番号流用を示す採番区分、ならびに、配置が設定された採番項目を紐付けて設定した製番採番マスタ、
を備え、
前記制御部で実行させる、
商品、および、前記製番区分を設定した入力データを取得する入力取得ステップと、
前記製番採番マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記商品の製造番号を採番する採番ステップと、
を含むことを特徴とする製造番号管理方法。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた製造番号管理装置に実行させるための製造番号管理プログラムであって、
前記記憶部は、
新規製造、補修、仕損費もしくは部門費を示す製番区分、新規採番もしくは既存番号流用を示す採番区分、ならびに、配置が設定された採番項目を紐付けて設定した製番採番マスタ、
を備え、
前記制御部において、
商品、および、前記製番区分を設定した入力データを取得する入力取得ステップと、
前記製番採番マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記商品の製造番号を採番する採番ステップと、
を実行させるための製造番号管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造番号管理装置、製造番号管理方法、および、製造番号管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子機器の品名、製造年月、シリアル番号およびバージョン等の製造する装置の属性を製造番号として設定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、マスタ設定を基に製番区分別に定義された命名ルールに合わせた製番の発番を自動的に行うことができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、個別原価要素別のルールに基づいた製造番号の自動採番を行うことができる製造番号管理装置、製造番号管理方法、および、製造番号管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る製造番号管理装置は、記憶部と制御部とを備えた製造番号管理装置であって、前記記憶部は、新規製造、補修、仕損費もしくは部門費を示す製番区分、新規採番もしくは既存番号流用を示す採番区分、ならびに、配置が設定された採番項目を紐付けて設定した製番採番マスタ、を備え、前記制御部は、商品、および、前記製番区分を設定した入力データを取得する入力取得手段と、前記製番採番マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記商品の製造番号を採番する採番手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る製造番号管理装置において、前記記憶部は、名称コードと、前記商品の機種もしくは型式、担当者または固定値を示す明細コードと、当該機種、当該型式、当該担当者または当該固定値を示す明細名称と、を紐付けて設定した名称マスタ、を更に備え、前記採番項目は、前記名称コードが設定され、前記採番手段は、前記名称マスタ、前記製番採番マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記商品の前記製造番号を採番することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る製造番号管理装置において、前記記憶部は、前記商品の品番、前記機種および前記型式を紐付けて設定した品番マスタ、更に備え、前記入力取得手段は、前記商品の前記品番、および、前記新規製造の前記製番区分を設定した前記入力データを取得し、前記採番手段は、前記入力データに設定された前記品番に紐づく、前記品番マスタに設定された前記機種および前記型式を特定し、前記名称マスタに基づいて、前記製番採番マスタに設定された採番順に従って、前記製番区分に続けて前記採番項目を配置した前記製造番号を採番することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る製造番号管理装置において、前記入力取得手段は、前記商品、前記担当者、および、前記補修の前記製番区分を設定した前記入力データを取得し、前記採番手段は、前記入力データ取得時の日付を特定し、当該日付、前記入力データに設定された前記担当者、および、前記名称マスタに基づいて、前記製番採番マスタに設定された採番順に従って、前記製番区分に続けて前記採番項目を配置した前記製造番号を採番することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る製造番号管理装置において、前記入力取得手段は、前記商品の品番、および、前記仕損費の前記製番区分を設定した前記入力データを取得し、前記採番手段は、前記入力データに基づいて、前記新規製造の前記製番区分を含む前記製造番号を選択可能に表示させ、前記製造番号から選択製造番号が選択された場合、当該選択製造番号、および、前記製番採番マスタに基づいて、前記商品の前記製造番号を採番することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る製造番号管理装置において、前記記憶部は、前記担当者、および、当該担当者が所属する部門を紐付けて設定した担当者マスタ、を更に備え、前記入力取得手段は、前記商品、前記担当者、および、前記部門費の前記製番区分を設定した前記入力データを取得し、前記採番手段は、前記入力データ取得時の日付を特定し、前記担当者マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記担当者が所属する前記部門を特定し、当該日付、当該部門、および、前記名称マスタに基づいて、前記製番採番マスタに設定された採番順に従って、前記製番区分に続けて前記採番項目を配置した前記製造番号を採番することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る製造番号管理装置において、前記採番項目は、前記名称マスタに設定された明細コード、年月、ユーザによる入力項目、自動採番項目、および/または、予め設定された初期値が設定されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る製造番号管理装置において、前記制御部は、前記商品の品番、および、前記製造番号を紐付けて設定した製番データを取得する製番取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る製造番号管理方法は、記憶部と制御部とを備えた製造番号管理装置に実行させるための製造番号管理方法であって、前記記憶部は、新規製造、補修、仕損費もしくは部門費を示す製番区分、新規採番もしくは既存番号流用を示す採番区分、ならびに、配置が設定された採番項目を紐付けて設定した製番採番マスタ、を備え、前記制御部で実行させる、商品、および、前記製番区分を設定した入力データを取得する入力取得ステップと、前記製番採番マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記商品の製造番号を採番する採番ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る製造番号管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた製造番号管理装置に実行させるための製造番号管理プログラムであって、前記記憶部は、新規製造、補修、仕損費もしくは部門費を示す製番区分、新規採番もしくは既存番号流用を示す採番区分、ならびに、配置が設定された採番項目を紐付けて設定した製番採番マスタ、を備え、前記制御部において、商品、および、前記製番区分を設定した入力データを取得する入力取得ステップと、前記製番採番マスタ、および、前記入力データに基づいて、前記商品の製造番号を採番する採番ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、製造番号(製番)の自動採番のため、管理負荷を軽減することできるという効果を奏する。また、大型機械や工事業では1台毎に製番を採番して個別管理をし、製造番号の採番に意味(製品用製番、試作用製番、経費用製番等)を持たせる運用が多く、採番ルールも各社独自の運用が多いが、本発明によれば、採番ルールを汎用的に設定できるため、幅広く利用できるという効果を奏する。また、本発明によれば、製番採番ルールの厳密化をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、大型機械や工事業のように1台毎に製番を採番して個別に管理するケースによらず、一般的な製造業における製番発番ルールに沿った発番支援をすることができるという効果を奏する。また、採番ルールは各社独自の運用が多いが、本発明によれば、製番の先頭数ケタを活用して、製番を採番するケースが一般的のため、先頭文字をベースに製番の採番を汎用化することで、システム外(例えば、Excel(登録商標)等)での台帳の撤廃による、統制強化または管理負荷軽減の効果が得られるという効果を奏する。また、本発明によれば、採番時には入力内容に応じてデータの初期セットを行うことで、採番ミスによる内容の不一致を削減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、個別受注製造業にて、機械装置等の生産オーダー毎に生産管理および原価管理を行う単位である製造番号を付与し、製造番号を指定した発注~仕入等にて、発生原価を該当製番に仕掛金額として投入し、個別原価管理を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、製番を該当の機械装置に刻印等を行うことで、トレースの管理にも活用できるという効果を奏する。また、本発明によれば、製番区分(接頭値)毎に、採番条件の設定をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、要素毎に、別マスタより参照登録をするのか、自動採番をするのか、設定することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、初期区分を設定することで、入力内容から初期セットを行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態における製造番号管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における名称マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における製造番号の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における製番採番マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における品番マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における担当者マスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における製造番号管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施形態における製造番号管理処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における製造番号管理処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態における製造番号管理処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における製造番号管理処理の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態における製造番号管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0020】
従来、個別受注製造業および工事業等において、個別原価をとるための番号である製造番号に対して、意味合いを持たせているケース(例えば、製作用製番、仕損費計上用製番、または、部門費集計用製番等)が多かった。
【0021】
そのため、従来、製番について各会社独自の採番ルールをとっており、システム外(例えば、EXCLE(登録商標)台帳等)で管理をしているケースが多かったため、管理が煩雑になっていた。
【0022】
そこで、本実施形態においては、受注製番の発番処理として、営業にて顧客への見積提示・折衝交渉が行われ、注文成約により注文書が受領された場合、受注入力にて案件が登録され、注文内容に対するルールに応じて、(製番発番画面等を使用して)製番を自動で発番し、該当製番にて、各手配部門(設計・購買等)にて設計(BOM作成)および手配を実施する仕組みを提供している。また、本実施形態においては、社内製番の発番処理として、製番基本データ入力にて、用途に対するルールに応じて、(製番発番画面等を使用して)製番を自動で発番し、各部門にて費用計上する仕組みを提供している。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る製造番号管理装置100の構成の一例について、
図1から
図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態における製造番号管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、製造番号管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、製造番号管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0025】
製造番号管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。製造番号管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、製造番号管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、製造番号管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、名称マスタ106aと製番採番マスタ106bと品番マスタ106cと担当者マスタ106dと取引データベース106eとを備えている。
【0029】
名称マスタ106aは、名称コードと、商品の機種もしくは型式、担当者または固定値を示す明細コードと、当該機種、当該型式、当該担当者または当該固定値を示す明細名称と、を紐付けて設定したマスタである。
【0030】
ここで、
図2を参照して、本実施形態における名称マスタ106aの一例について説明する。
図2は、本実施形態における名称マスタ106aの一例を示す図である。
【0031】
図2に示すように、本実施形態における名称マスタ106aにおいては、名称コード、名称、明細コード、および、明細名称が紐付けて設定されている。ここで、本実施形態においては、名称マスタ106aに設定された名称コードを、製番採番マスタ106bに設定することで、製番採番画面(受注入力画面、明細入力画面、および、オーダー採番画面)にて該当のマスタ選択・マスタチェックが可能となる。また、本実施形態における名称マスタ106aに設定された明細コードは、製番採番画面にて選択する項目であってもよい。また、本実施形態における名称マスタ106aは、名称コードおよび明細コードがキーとなるマスタであって、名称コードにて、どのようなマスタの意味合いかを設定可能であってもよい。
【0032】
図1に戻り、製番採番マスタ106bは、新規製造、補修、仕損費もしくは部門費を示す製番区分、新規採番もしくは既存番号流用を示す採番区分、ならびに、配置が設定された採番項目を紐付けて設定したマスタである。ここで、採番項目は、名称コードが設定されていてもよい。また、採番項目は、名称マスタ106aに設定された明細コード、年月、ユーザによる入力項目、自動採番項目、および/または、予め設定された初期値が設定されていてもよい。
【0033】
ここで、
図3および
図4を参照して、本実施形態における製番採番マスタ106bの一例について説明する。
図3は、本実施形態における製造番号の一例を示す図である。
図4は、本実施形態における製番採番マスタ106bの一例を示す図である。
【0034】
本実施形態においては、
図3に示す12桁の製造番号の配置を先頭2桁の製番区分(例えば、新規製造:AA、補修品販売:BB、仕損費:RA、または、部門費:PQ等)に応じて自動採番するために、
図4に示すように、採番区分および桁数に対応させた採番項目を含む製番採番マスタ106bを設定している。ここで、
図4(1)に示すように、本実施形態における製番採番マスタ106bに設定された採番項目は、名称マスタ106aを参照先として「M+任意の数字」にて設定され、名称マスタ106aより選択される。また、
図4(2)に示すように、本実施形態における製番採番マスタ106bに設定された採番項目は、年月(例えば、2021年7月の場合、YYYY:2021、YYYYMM:202107、および、YYMM:2107)が付与される。また、
図4(3)に示すように、本実施形態における製番採番マスタ106bに設定された採番項目は、手動採番について「F+入力桁数」にて設定され、当該入力桁数で制限された連番項目が手動で入力される。また、
図4(4)に示すように、本実施形態における製番採番マスタ106bに設定された採番項目は、連番採番について「R+採番桁数」にて設定され、当該採番桁数で制限され、該当の項目まで自動採番される。また、
図4(5)に示すように、本実施形態における製番採番マスタ106bに設定された採番項目は、初期値が設定される。ここで、初期値:P1は、入力された品番コードより、機種コードが製番採番画面へ初期セットされる。また、初期値:P2は、入力された品番コードより、型式コードが製番採番画面へ初期セットされる。また、初期値:P3は、入力された担当者コードより、担当者コードが製番採番画面へ初期セットされる。また、初期値:P4は、入力された担当者コードより、部門コードが製番採番画面へ初期セットされる。また、その他の初期値は、マスタ設定内容が製番採番画面へ初期セットされる。
【0035】
図1に戻り、品番マスタ106cは、商品の品番、機種および型式を紐付けて設定したマスタである。
【0036】
ここで、
図5を参照して、本実施形態における品番マスタ106cの一例について説明する。
図5は、本実施形態における品番マスタ106cの一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、本実施形態における品番マスタ106cにおいては、品番コード、品番名、機種コード、機種名、型式コード、および、型式名が紐付けて設定されている。
【0038】
図1に戻り、担当者マスタ106dは、担当者、および、当該担当者が所属する部門を紐付けて設定したマスタである。
【0039】
ここで、
図6を参照して、本実施形態における担当者マスタ106dの一例について説明する。
図6は、本実施形態における担当者マスタ106dの一例を示す図である。
【0040】
図6に示すように、本実施形態における担当者マスタ106dにおいては、担当者コード、担当者名、部門コード、および、部門が紐付けて設定されている。
【0041】
図1に戻り、取引データベース106eは、取引データを記憶する。ここで、取引データは、入力データ、製番データ、受注データ、発注データ、請求データ、および/または、仕訳データ等を含んでいてもよい。
【0042】
制御部102は、製造番号管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、入力取得部102aと採番部102bと製番取得部102cとを備えている。
【0043】
入力取得部102aは、商品、および、製番区分を設定した入力データを取得する。ここで、入力取得部102aは、商品の品番、および、新規製造の製番区分を設定した入力データを取得してもよい。また、入力取得部102aは、商品、担当者、および、補修の製番区分を設定した入力データを取得してもよい。また、入力取得部102aは、商品の品番、および、仕損費の製番区分を設定した入力データを取得してもよい。また、入力取得部102aは、商品、担当者、および、部門費の製番区分を設定した入力データを取得してもよい。
【0044】
採番部102bは、商品の製造番号を採番する。ここで、採番部102bは、製番採番マスタ106b、および、入力データに基づいて、商品の製造番号を採番してもよい。また、採番部102bは、名称マスタ106a、製番採番マスタ106b、および、入力データに基づいて、商品の製造番号を採番してもよい。また、採番部102bは、入力データに設定された品番に紐づく、品番マスタ106cに設定された機種および型式を特定し、名称マスタ106aに基づいて、製番採番マスタ106bに設定された採番順に従って、製番区分に続けて採番項目を配置した製造番号を採番してもよい。また、採番部102bは、入力データ取得時の日付を特定し、当該日付、入力データに設定された担当者、および、名称マスタ106aに基づいて、製番採番マスタ106bに設定された採番順に従って、製番区分に続けて採番項目を配置した製造番号を採番してもよい。また、採番部102bは、入力データに基づいて、新規製造の製番区分を含む製造番号を選択可能に表示させ、製造番号から選択製造番号が選択された場合、当該選択製造番号、および、製番採番マスタ106bに基づいて、商品の製造番号を採番してもよい。また、採番部102bは、入力データ取得時の日付を特定し、担当者マスタ106d、および、入力データに基づいて、担当者が所属する部門を特定し、当該日付、当該部門、および、名称マスタ106aに基づいて、製番採番マスタ106bに設定された採番順に従って、製番区分に続けて採番項目を配置した製造番号を採番してもよい。
【0045】
製番取得部102cは、商品の品番、および、製造番号を紐付けて設定した製番データを取得する。ここで、製番取得部102cは、商品の受注番号、および、製造番号を紐付けて設定した受注データを取得してもよい。
【0046】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図7から
図12を参照して説明する。
【0047】
[製造番号管理処理]
ここで、
図7を参照して、本実施形態における製造番号管理処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態における製造番号管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図7に示すように、入力取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して製番採番画面にて商品の品番、および、製番区分を含む入力データが入力された場合、当該入力データに基づいて、商品の品番、および、製番区分を設定した入力データを取得する(ステップSA-1)。
【0049】
そして、採番部102bは、名称マスタ106a、製番採番マスタ106b、品番マスタ106c、担当者マスタ106d、および/または、入力データに基づいて、商品の製造番号を採番する(ステップSA-2)。
【0050】
そして、製番取得部102cは、商品の品番、および、製造番号を紐付けて設定した製番データを取得し(ステップSA-3)、処理を終了する。
【0051】
ここで、
図2から
図6および
図8から
図12を参照して、本実施形態における製造番号管理処理の一例について説明する。
図8から
図12は、本実施形態における製造番号管理処理の一例を示す図である。
【0052】
図8に示すように、本実施形態においては、製品Aの新規製造が受注された際に、ユーザにより明細入力画面にて製品Aの品番コードが設定されオーダーデータボタンが押下された場合、オーダー採番画面が起動される。そして、
図8に示すように、本実施形態においては、ユーザによりオーダー採番画面にて新規製造の製番区分:AAが設定された場合、
図2に示す名称マスタ106aおよび
図4に示す製番採番マスタ106bに基づいて、オーダー採番画面に採番項目の表示領域が設定され、品番マスタ106cに設定された機種および型式の明細コードならびに固定値が表示される。そして、
図8に示すように、本実施形態においては、ユーザによりオーダー採番画面にて手入力項目が設定(入力)され、確定ボタンが押下された場合、明細入力画面に製造番号(製番)が表示され、製番を設定した受注データ、および、製番を設定した製番データが取得される。ここで、本実施形態において、
図8に示す採番オーダーは、今回採番される番号であり、
図8に示す前回オーダーは、採番キーまで(連番以前)の既に採番されている番号であって、「製番区分-機種-型式」での既存製番が表示されている。
【0053】
また、
図9に示すように、本実施形態においては、製品Bの新規製造が受注された際に、ユーザにより明細入力画面にて製品Bの品番コードが設定されオーダーデータボタンが押下された場合、オーダー採番画面が起動される。そして、
図9に示すように、本実施形態においては、ユーザによりオーダー採番画面にて新規製造の製番区分:AAが設定された場合、
図2に示す名称マスタ106aおよび
図4に示す製番採番マスタ106bに基づいて、オーダー採番画面に採番項目の表示領域が設定され、品番マスタ106cに設定された機種および型式の明細コードならびに固定値が表示される。そして、
図9に示すように、本実施形態においては、ユーザによりオーダー採番画面にて手入力項目が設定(入力)され、確定ボタンが押下された場合、明細入力画面に製番が表示され、製番を設定した受注データ、および、製番を設定した製番データが取得される。
【0054】
また、
図10に示すように、本実施形態においては、補修部品が受注された際に、ユーザにより受注入力画面に担当者コードが設定され、明細入力画面にて補修部品の品番コードが設定されオーダーデータボタンが押下された場合、オーダー採番画面が起動される。そして、
図10に示すように、本実施形態においては、ユーザによりオーダー採番画面にて補修の製番区分:BBが設定された場合、
図2に示す名称マスタ106aおよび
図4に示す製番採番マスタ106bに基づいて、オーダー採番画面に採番項目の表示領域が設定され、現在年月および担当者コードが表示され、明細入力画面に製番が表示され、製番を設定した受注データ、および、製番を設定した製番データが取得される。
【0055】
また、
図11に示すように、本実施形態においては、製品Aの仕損品が生じた際に、ユーザにより明細入力画面にて製品Aの品番コードおよび担当者コードが設定されオーダーデータボタンが押下された場合、オーダー採番画面が起動される。そして、
図11に示すように、本実施形態においては、ユーザによりオーダー採番画面にて仕損費の製番区分:RAが設定された場合、製番検索画面が起動されて既存製番が検索可能となる。そして、
図11に示すように、本実施形態においては、ユーザにより製番検索画面にて既存製造番号から選択製造番号が選択された場合、オーダー採番画面に選択製造番号が表示され、選択製造番号および製番採番マスタ106bに基づいて、選択製造番号を流用した新たな製番が採番され、明細入力画面に製番が表示され、製番を設定した製番データが取得される。
【0056】
また、
図12に示すように、本実施形態においては、部門費の集計が必要になった際に、ユーザにより明細入力画面にて部門費の品番コードおよび担当者コードが設定されオーダーデータボタンが押下された場合、
図6に示す担当者マスタ106dに基づいて、明細入力画面に担当者が所属する部門が表示され、オーダー採番画面が起動される。そして、
図12に示すように、本実施形態においては、ユーザによりオーダー採番画面にて部門費の製番区分:PQが設定された場合、
図2に示す名称マスタ106aおよび
図4に示す製番採番マスタ106bに基づいて、オーダー採番画面に採番項目の表示領域が設定され、現在年月、当該部門および伝票作成時にユーザにより選択された部門費区分が表示される。そして、
図12に示すように、本実施形態においては、ユーザによりオーダー採番画面にて手入力項目が設定(入力)された場合、明細入力画面に製番が表示され、製番を設定した製番データが取得される。
【0057】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0060】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0061】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0062】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0063】
また、製造番号管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0064】
例えば、製造番号管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて製造番号管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0065】
また、このコンピュータプログラムは、製造番号管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0066】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0067】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0068】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0069】
また、製造番号管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、製造番号管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0070】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、大型機械製造業、個別受注製造業、または、工事業等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0072】
100 製造番号管理装置
102 制御部
102a 入力取得部
102b 採番部
102c 製番取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 名称マスタ
106b 製番採番マスタ
106c 品番マスタ
106d 担当者マスタ
106e 取引データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク