(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089828
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】袋処理装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20230621BHJP
G01N 21/90 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
B65B57/00 A
G01N21/90 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204573
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】永井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】坂本 卓哉
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA11
2G051AB11
2G051AB13
2G051CA04
2G051CA07
2G051DA08
2G051DA13
2G051EA14
(57)【要約】
【課題】不良の発生の要因を特定するのに有利な技術を提供する。
【解決手段】袋処理装置10は、袋Bに対する処理の不良の発生を検出する不良検出部13と、不良検出部13とは別体として設けられ、不良の発生の要因をもたらす箇所の撮像を行って動画データを取得する撮影部32であって、動画データは不良の発生に関連付けられて保存される、撮影部32と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋に対する処理の不良の発生を検出する不良検出部と、
前記不良検出部とは別体として設けられ、前記不良の発生の要因をもたらす箇所の撮像を行って動画データを取得する撮影部であって、前記動画データは前記不良の発生に関連付けられて保存される、撮影部と、
を備える袋処理装置。
【請求項2】
前記動画データは、前記撮像の時間情報とともに保存され、前記時間情報を介して前記不良の発生に関連付けられる請求項1に記載の袋処理装置。
【請求項3】
前記不良の発生に関連する時間範囲の前記動画データを解析することで、前記不良の発生の要因を特定する画像解析部を備える請求項1又は2に記載の袋処理装置。
【請求項4】
前記動画データは、50fps以上のフレームレートを有する請求項1~3のいずれか一項に記載の袋処理装置。
【請求項5】
前記不良検出部は複数設けられ、
前記撮影部は複数設けられ、
各不良検出部が検出する前記不良の発生の要因をもたらす箇所の前記動画データは、対応の1以上の前記撮影部によって取得される請求項1~4のいずれか一項に記載の袋処理装置。
【請求項6】
前記動画データが前記不良の発生に関連付けられて保存される記憶部を備え、
前記記憶部には、前記処理の際に前記不良が発生した前記袋に関する前記動画データと、前記不良が発生することなく前記処理が行われた前記袋に関する前記動画データと、が保存される請求項1~5のいずれか一項に記載の袋処理装置。
【請求項7】
前記画像解析部は、前記処理の際に前記不良が発生した前記袋に関する前記動画データと、前記不良が発生することなく前記処理が行われた前記袋に関する前記動画データとを比較することで、前記不良の発生の要因を特定する請求項3を引用する請求項6に記載の袋処理装置。
【請求項8】
前記動画データの解析によって特定される前記不良の発生の要因の報知を行う報知部を備える請求項1~7のいずれか一項に記載の袋処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、袋処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1が開示する袋詰め包装機では、包装工程において検出された不良がカウントされ、同一種類の不良のカウント数が予め設定した値に達した時点で異常と判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の袋詰め包装機は、処理不良(例えば給袋処理不良及び袋開口処理不良)の連続性に基づいて異常判定を行うことで、偶発的な不良(例えば袋口部が静電気等により突発的に開口されない不良など)に惑わされず、部品の劣化に起因する異常を判定するのに有利である。
【0005】
しかしながら特許文献1が開示するこのような異常判定は、推測の域を出ない。すなわち特許文献1の異常判定手法は、処理不良の連続性から部品の経年劣化に起因する不良の発生を推測することは可能であるが、不良発生の要因を直接的に検出するものではない。
【0006】
そのような不良発生の要因の直接的な確認は、通常、人の目視によって行われるが、人が目視可能な装置動作の速度には限界がある。そのため不良発生要因の確認の際には、装置の動作速度を目視可能な程度の速度にまで落とす必要がある。また目視可能な速度で装置が動作していても、高速度で動作する装置を観察して不良発生の要因を特定することは容易ではない。そのため不良発生要因を目視により確認する際には、装置の動作速度を通常運転時よりも遅い低速度に調整することがある。
【0007】
しかしながら不良発生要因の確認のために低速度で動作する装置の状態は、通常運転時の高速度で動作する装置の状態と必ずしも一致しない。例えばエアシリンダは、通常は設計に応じた所定速度で動作するため、動作速度を変えること自体が簡単ではなく、動作速度を変えるためにエアシリンダの性能を変更すると通常運転動作とは全く異なる動作を示しうる。その結果、エアシリンダと、カム機構などの他の装置との間の連動状態にズレが生じるなどの新たな不具合が発生し、元々の不良の真の発生要因を特定することが一層難しくなる場合がある。
【0008】
また装置が動かなくなる不良が発生した場合、不良発生後には装置が動作しないため、不良発生後に不良発生要因を特定するには多大な労力及び時間を要しうる。
【0009】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、不良の発生の要因を特定するのに有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、袋に対する処理の不良の発生を検出する不良検出部と、不良検出部とは別体として設けられ、不良の発生の要因をもたらす箇所の撮像を行って動画データを取得する撮影部であって、動画データは不良の発生に関連付けられて保存される、撮影部と、を備える袋処理装置に関する。
【0011】
動画データは、撮像の時間情報とともに保存され、時間情報を介して不良の発生に関連付けられてもよい。
【0012】
袋処理装置は、不良の発生に関連する時間範囲の動画データを解析することで、不良の発生の要因を特定する画像解析部を備えてもよい。
【0013】
動画データは、50fps以上のフレームレートを有してもよい。
【0014】
不良検出部は複数設けられ、撮影部は複数設けられ、各不良検出部が検出する不良の発生の要因をもたらす箇所の動画データは、対応の1以上の撮影部によって取得されてもよい。
【0015】
袋処理装置は、動画データが不良の発生に関連付けられて保存される記憶部を備え、記憶部には、処理の際に不良が発生した袋に関する動画データと、不良が発生することなく処理が行われた袋に関する動画データと、が保存されてもよい。
【0016】
画像解析部は、処理の際に不良が発生した袋に関する動画データと、不良が発生することなく処理が行われた袋に関する動画データとを比較することで、不良の発生の要因を特定してもよい。
【0017】
袋処理装置は、動画データの解析によって特定される不良の発生の要因の報知を行う報知部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、不良の発生の要因を特定するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、包装機(袋処理装置)の一例の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、包装機の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、包装機の機能構成の他の例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、包装機の機能構成の他の例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、包装機における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、不良の発生の要因を特定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、不良発生時間と不良関連時間範囲との関係例を示す図である。
【
図8】
図8は、包装機における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、包装機における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、包装機(袋処理装置)10の一例の概略構成を示す斜視図である。
【0022】
包装機10は、袋Bを搬送する搬送装置80を備える。搬送装置80により搬送される袋Bは、第1ステーションS1~第9ステーションS9を順次巡る。
図1に示す搬送装置80は、円盤状の回転テーブル81と、回転テーブル81に取り付けられる複数組(10組)のグリッパー対82とを有する。
【0023】
回転テーブル81は、円形の平面形状を有し、高さ方向に延びる中心軸線を回転軸線として間欠的に回転する。10組のグリッパー対82は、回転テーブル81の外周部に、回転方向へ等間隔に取り付けられ、回転テーブル81の間欠回転に応じて円軌道に沿って間欠的に移動し、第1ステーションS1~第10ステーションS10において順次間欠的に停止する。
【0024】
各グリッパー対82は2つのグリッパーを有し、袋Bの両側縁部のそれぞれが当該2つのグリッパーによって把持されることで、当該袋Bは吊り下げ状態で支持される。回転テーブル81の間欠回転に応じて、各グリッパー対82により支持される袋Bは円軌道に沿って間欠的に移動し、第1ステーションS1~第9ステーションS9において順次間欠的に停止する。袋Bは、第1ステーションS1~第9ステーションS9の各々に間欠的に停止している間に、各種処理を受ける。
【0025】
第1ステーションS1では、袋供給装置11によってグリッパー対82に袋(空袋)Bが供給され、グリッパー対82は供給された袋Bを吊り下げ支持する(袋供給処理)。
図1に示す袋供給装置11は、袋Bを1枚ずつ送り出す送り出しローラ11aと、送り出しローラ11aにより送り出された袋Bを持ち上げて第1ステーションS1に待機するグリッパー対82に渡す取出吸盤11bと、を有する。
【0026】
また第1ステーションS1には印字装置12が設けられる。印字装置12は、第1ステーションS1においてグリッパー対82により支持される袋B(特に袋側壁面)に各種情報を印刷する(印字処理)。印字装置12は、一例としてレーザを使って袋Bに対する印刷処理を行うことができるが、他の任意の印刷方式を採用することが可能であり、インク(例えばインクジェット)を使って袋Bに各種情報を印刷してもよい。
【0027】
なお印字装置12は、第1ステーションS1と第2ステーションS2との間に設けられてもよい。この場合、印字装置12は、袋Bが第1ステーションS1から第2ステーションS2に向かってグリッパー対82とともに移動している間に、当該袋Bに対する印刷を行ってもよい。
【0028】
第2ステーションS2には印字検査装置13が設けられる。印字検査装置13は、第2ステーションS2においてグリッパー対82とともに配置される袋Bにおける印刷状態の検査を行う(印字検査処理)。印字検査装置13は典型的にはカメラ(撮像装置)を具備するが、印字検査装置13の具体的な構成は限定されない。
【0029】
第3ステーションS3には、開口装置14及び開口維持装置15が設けられる。開口装置14は、吸盤等の開口手段を具備し、第3ステーションS3においてグリッパー対82とともに配置される袋Bの口部を開く(開口処理)。開口維持装置15は、開口装置14によって開かれた袋Bの開口状態を維持しつつ、当該袋Bとともに第3ステーションS3から第4ステーションS4に移動する。
【0030】
第4ステーションS4には内容物投入装置16が設けられる。内容物投入装置16は、ホッパー等の内容物案内手段を具備し、第4ステーションS4においてグリッパー対82とともに配置される袋B内に内容物(例えば固形物)を投入する(第1内容物導入処理)。なお開口維持装置15は、ホッパー等の内容物案内手段が袋Bの内部に進入した後又は内容物が袋B内に投入された後など、袋Bが開口状態を安定的に維持可能な状態に達した後に、袋Bから退避して第4ステーションS4から第3ステーションS3に戻る。
【0031】
第5ステーションS5には内容物注入装置17が設けられる。内容物注入装置17は、ノズル等の内容物案内手段を具備し、第5ステーションS5においてグリッパー対82とともに配置される袋B内に内容物(例えば液状物)を注入する(第2内容物導入処理)。なお第5ステーションS5において内容物注入装置17から袋Bに供給される内容物は、第4ステーションS4において内容物投入装置16から袋Bに供給される内容物と、一部又は全部が同じであってもよいし、全く異なっていてもよい。
【0032】
第6ステーションS6にはスチーム供給装置18が設けられる。スチーム供給装置18は、ノズル等のスチーム案内手段を具備し、第6ステーションS6においてグリッパー対82とともに配置される袋B内に高温スチームを注入する(スチーム注入処理)。このスチーム注入によって、袋B内から空気(酸素を含む)を追い出すことができる。
【0033】
第7ステーションS7及び第8ステーションS8のそれぞれには、第1シール装置19及び第2シール装置20が設けられる。第1シール装置19及び第2シール装置20は、第7ステーションS7及び第8ステーションS8においてグリッパー対82とともに配置される袋Bの口部を挟みつつ加熱シール処理を行う(第1シール処理及び第2シール処理)。
【0034】
なお第1シール装置19及び第2シール装置20は一方のみがシール装置として設けられてもよいし、シール手法として加熱シール以外の手法(例えば超音波シールなど)を採用してもよい。
【0035】
第9ステーションS9にはシール冷却装置21及び放出シュート22が設けられる。シール冷却装置21は、第9ステーションS9においてグリッパー対82とともに配置される袋Bのシール箇所を挟んで冷却し(冷却処理)、袋Bのシール状態を安定化させる。
【0036】
冷却工程が行われた後、袋Bは、第9ステーションS9においてグリッパー対82及びシール冷却装置21から解放されて落下し、放出シュート22により案内されて後段に送られる(放出処理)。シール冷却装置21が単独で袋Bを支持可能な場合、グリッパー対82による袋Bの支持が解放された後に、シール冷却装置21による袋Bの支持が解放されてもよい。或いは、シール冷却装置21による袋Bの支持が解放された後に、グリッパー対82による袋Bの支持が解放されてもよいし、グリッパー対82及びシール冷却装置21による袋Bの支持が同時的に解放されてもよい。
【0037】
第9ステーションS9と第1ステーションS1との間でグリッパー対82が間欠的に停止する第10ステーションS10は、空きステーションであってもよいし、任意の処理が行われる処理ステーションであってもよい。例えば、印字不良又は他の任意の不良を有すると判定される袋Bは、第9ステーションS9では支持が解放されず、第10ステーションS10においてグリッパー対82による支持が解放されてもよい。
【0038】
図1に示す包装機10は、さらに第2ステーションS2、第3ステーションS3及び第7ステーションS7の各々に設けられる撮影部32を備える。各撮影部32は、包装機10及び/又は袋Bの所望箇所の撮像を継続的に行って動画データを取得する。
【0039】
撮影部32は、袋Bに対する処理の不良の要因を特定するために検証される動画データを取得するデバイスである。そのため撮影部32の設置箇所は
図1に示す例には限定されず、袋Bに対する処理の不良の要因が存在しうる箇所の撮影が可能な任意箇所に撮影部32を設置することが可能である。例えば撮影対象の上方、側方或いは下方に、撮影部32は設置可能である。なお撮影部32の詳細については後述する。
【0040】
図2は、包装機10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示す各ブロックは、1又は複数のデバイスによって適宜構成される。
【0041】
図2に示す包装機10は、処理制御部30、不良検出部31、撮影部32、記憶部33、画像解析部34及び報知部35を有する。
【0042】
不良検出部31は、処理制御部30の制御下で、包装機10における袋Bに対する処理の不良の発生を検出し、検出結果を処理制御部30に送る。不良検出部31が検出可能な「処理の不良」の種類は限定されない。上述の
図1に示す包装機10に関しては、例えば上述の袋供給処理、印字処理、印字検査処理、開口処理、第1内容物導入処理、第2内容物導入処理、スチーム注入処理、第1シール処理、第2シール処理、冷却処理及び放出処理のうちのいずれか1以上の処理で発生する不良を、不良検出部31の検出対象としうる。また、これらの包装処理以外の任意の処理に関連して発生しうる不良を、不良検出部31の検出対象としてもよい。
【0043】
したがって不良検出部31は、単一の不良を検出対象としてもよいし、複数種類の不良を検出対象としてもよい。そのため不良検出部31は、単一デバイスのみを含んでもよいし、複数デバイスを含んでもよい。
【0044】
撮影部32は、不良検出部31とは別体として設けられ、処理制御部30の制御下で、不良の発生の要因をもたらす箇所の撮像を行って動画データを取得し、当該動画データを記憶部33に保存する。
【0045】
撮影部32は、不良検出部31に対応するように設けられる。したがって複数の不良検出部31が設けられる場合、複数の撮影部32が設けられてもよく、各不良検出部31が検出する不良の発生の要因をもたらす箇所の動画データが、対応の1以上の撮影部32によって取得される。
【0046】
複数の不良検出部31が設けられる場合、典型的には、それぞれの不良検出部31に対して専用の1以上の撮影部32が設けられるが、2以上の不良検出部31に対して共通の撮影部32が対応付けられてもよい。したがって、そのような共通の撮影部32は、複数種類の不良の発生の要因をもたらしうる1以上の箇所の動画データを取得してもよい。
【0047】
撮影部32の能力(例えば画角など)は限定されず、撮影部32によって取得される動画データのフレームレートも限定されない。ただし、不良の発生の要因を特定するための検証を適切に行う観点からは、撮影部32が取得する動画データは高フレームレートを有することが好ましい。一例として、撮影部32はハイスピードカメラによって構成可能であり、動画データは50fps(フレーム/秒)以上のフレームレートを有してもよいし、100fps以上のフレームレートを有してもよい。特に、人間が視認可能な情報と同等以上の情報を動画データとして記録する観点から、撮影部32は200fps以上の動画データを撮影取得してもよい。
【0048】
記憶部33には、処理制御部30の制御下で、撮影部32が取得した動画データが対応の不良の発生に関連付けられて保存される。具体的には、動画データは、撮像の時間情報とともに記憶部33に保存され、当該時間情報を介して不良の発生に関連付けられる。例えば、不良の発生タイミング(日時)の前後の時間を「不良の発生に関連する時間範囲」とみなし、当該時間範囲に撮像された動画データを、当該不良の発生の要因に関連する動画データとみなしうる。
【0049】
記憶部33における動画データの保存方法は限定されない。例えば、記憶部33が十分な記憶容量を有する場合、不良の発生の有無にかかわらず、撮影部32が取得した全ての動画データを記憶部33に保存してもよい。或いは、「不良の発生に関連する時間範囲」の動画データのみが記憶部33に保存されてもよい。また撮影部32が取得した全ての動画データを一旦記憶部33に保存し、その後に、不要な動画データが記憶部33から適宜削除されたり、不要な動画データを上書きするように新たな動画データが記憶部33に保存されたりしてもよい。
【0050】
したがって記憶部33には、処理の際に不良が発生した袋Bに関する動画データと、不良が発生することなく処理が行われた袋Bに関する動画データと、が保存されてもよい。
【0051】
画像解析部34は、処理制御部30の制御下で、不良の発生に関連する時間範囲の動画データを解析することで、不良の発生の要因を特定する。画像解析部34の具体的な解析手法は限定されない。
【0052】
例えば、画像解析部34は、任意の画像解析アルゴリズムに従って「処理の際に不良が発生した袋Bに関する動画データ」と、「不良が発生することなく処理が行われた袋Bに関する動画データ」とを比較することで、不良の発生の要因を特定することが可能である。画像解析部34は、「処理の際に不良が発生した袋Bに関する動画データ」及び「不良が発生することなく処理が行われた袋Bに関する動画データ」を、例えば記憶部33から読み出して使用してもよい。
【0053】
報知部35は、処理制御部30の制御下で、動画データの解析によって特定される不良の発生の要因の報知を行う。報知部35の具体的な構成は限定されないが、典型的には、報知部35は、ディスプレイ及び音声デバイスを介して不良の発生の要因の報知を行うことができる。
【0054】
処理制御部30は、包装機10が具備する各種装置を制御する。処理制御部30の具体的な装置構成は限定されず、単一デバイスによって処理制御部30が構成されてもよいし、複数デバイスの組み合わせによって処理制御部30が構成されてもよい。例えば処理制御部30は、
図1に示す各種装置が連動して実行する包装処理を制御するデバイス(包装処理制御部)と、不良の発生要因を特定する処理(例えば画像解析部34の解析処理)を制御するデバイス(不良処理制御部)とを、別個に含んでもよい。
【0055】
図3は、包装機10の機能構成の他の例を示すブロック図である。
図3に示すブロック(機能構成)のうち、上述の
図2に示すブロックと同一又は対応のものは、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0056】
上述の
図2に示す包装機10では、画像解析部34によって動画データが解析されて不良の発生の要因が特定されるが、運転管理者が動画データを手動的に解析してもよい。
【0057】
図3に示す包装機10は、処理制御部30と、処理制御部30の制御下で機能する不良検出部31、撮影部32及び記憶部33を有する。記憶部33に保存される情報(撮影部32が取得する動画データを含む)は、包装機10とは別個に設けられる端末装置40(特に画像再生部42)によって読み出される。端末装置40は、包装機10の近くに設置されてもよいし、包装機10から遠く離れた場所に設置されてもよく、例えば包装機10と同じ室内には設けられなくてもよい。
【0058】
運転管理者は、入力装置41を介して画像再生部42を操作し、記憶部33から所望の情報(動画データを含む)を読み出してディスプレイ43上に表示し、ディスプレイを介して不良の発生の要因を視覚的に特定してもよい。典型的には、運転管理者は、ディスプレイ43上で動画データをスロー再生、巻き戻し再生、及び/又は早送り再生することで、不良の発生の要因を視覚的に特定することが可能である。特に、高フレームレートの動画データの場合、運転管理者は、スロー再生によって不良の発生の要因を簡単且つ確実に特定しうる。
【0059】
図4は、包装機10の機能構成の他の例を示すブロック図である。
図4に示すブロック(機能構成)のうち、上述の
図2及び
図3に示すブロックと同一又は対応のものは、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
包装機10は、インターネット等のネットワーク45を介して他の装置に接続されてもよい。
図4に示す例では、処理制御部30、不良検出部31及び撮影部32を有する包装機10に対し、記憶部33、画像解析部34及び報知部35がネットワーク45を介して接続される。
【0061】
例えば撮影部32が取得した動画データを含む各種情報が、処理制御部30の制御下で、ネットワーク45を介して記憶部33に送られ、記憶部33に保存されてもよい。また画像解析部34が、記憶部33に保存されている情報(動画データを含む)をネットワーク45を介して読み出して解析し、不良の発生の要因を特定してもよい。また報知部35が、ネットワーク45を介して他のデバイス(例えば処理制御部30及び/又は画像解析部34)から報知信号を受信し、特定された不良の発生の要因及び他の情報の報知を行ってもよい。
【0062】
このように記憶部33、画像解析部34及び/又は報知部35は、包装機10とは別個に(例えば包装機10から離れた場所に(一例として包装機10が設置される部屋とは別の部屋に))、設置可能である。
【0063】
次に、不良検出部31が検出可能な不良の種類と、不良の発生要因との間の相互関係例について説明する。
【0064】
例えば、不良検出部31は、袋供給装置11からグリッパー対82への袋Bの供給処理(給袋処理)における不良の発生を検出することが可能である。例えば取出吸盤11bの破損、袋Bの破損又は湾曲(折れ曲がりを含む)、及び取出吸盤11bと袋Bとの間の相対位置ズレなどに起因して、給袋処理に不良が発生しうる。不良検出部31は、例えば、取出吸盤11bの吸引圧(真空圧)の変化を測定する圧力ゲージを有してもよく、当該圧力ゲージの測定結果の変化に基づいてそのような給袋処理不良を検出することが可能である。そのため撮影部32は、取出吸盤11b及び/又は袋B(例えば袋供給装置11における袋B及び/又は第1ステーションS1における袋B)を撮影してもよい。この場合、撮影部32が取得した動画データを解析することで取出吸盤11b及び/又は袋Bの状態を確認することができ、不良の発生要因が取出吸盤11b及び/又は袋Bにあるか否かを判定できる。
【0065】
また不良検出部31は、グリッパー対82における袋Bの支持位置のズレに関する不良の発生を検出することが可能である。不良検出部31は、例えば、第1ステーションS1に設置される撮像装置及び/又はセンサ(例えば光センサ)を有してもよく、撮像装置の撮影画像及び/又はセンサの検出結果に基づいて袋Bの支持位置のズレに関する不良の発生を検出することが可能である。このような袋Bの支持位置ズレは、例えば袋供給装置11における袋Bの位置(例えば取出吸盤11bにより取り出される直前の袋Bの位置)に起因して発生しうる。そのため撮影部32は、袋供給装置11における袋B(例えば取出吸盤11bにより取り出される直前の袋B)を撮影してもよい。この場合、撮影部32が取得した動画データを解析することで、袋供給装置11における袋Bの位置及びその他の状態が適切か否かを確認することができ、不良の発生要因が袋供給装置11における袋Bの位置及びその他の状態にあるか否かを判定できる。
【0066】
また印字検査装置13が不良検出部31を構成し、印字不良の発生を検出することが可能である。このような印字不良は、印字対象の袋Bの位置ズレ及び湾曲に起因して発生しうる。そのため撮影部32は、印字装置12による印字処理を受ける直前の袋B及び/又は当該印字処理中の袋Bを撮影してもよい。この場合、撮影部32が取得した動画データを解析することで、印字処理を受ける袋Bの位置及びその他の状態が適切か否かを確認することができ、不良の発生要因がグリッパー対82に把持されている袋Bの姿勢及びその他の状態にあるか否かを判定できる。
【0067】
また不良検出部31は、袋Bの開口処理に関する不良の発生を検出することが可能である。不良検出部31は、開口装置14が具備する吸盤の吸引圧(真空圧)の変化を測定する圧力ゲージを有してもよく、当該圧力ゲージの測定結果の変化に基づいてそのような開口処理不良を検出することが可能である。そのため撮影部32は、開口装置14(特に吸盤)、及び/又は、開口処理を受ける直前の袋B及び/又は当該開口処理中の袋B、を撮影してもよい。この場合、撮影部32が取得した動画データを解析することで開口装置14の吸盤及び/又は袋Bの状態を確認することができ、不良の発生要因が開口装置14の吸盤及び/又は袋Bにあるか否かを判定できる。
【0068】
また不良検出部31は、袋Bのシール処理に関する不良の発生を検出することが可能である。不良検出部31は、例えばシール装置(第1シール装置19及び/又は第2シール装置20)の駆動状態を監視することで、袋Bのシール処理に関する不良の発生を検出することが可能である。具体的には、不良検出部31は、シール装置の熱板の動き(例えば熱板を動かす駆動軸の位置)を検出及び監視する撮像装置又はセンサを有してもよい。当該撮像装置が撮影した画像又は当該センサの検出結果に基づいて、袋Bのシール処理が行われる際の熱板の動き(例えば駆動軸の位置)が適正状態から外れていると認定される場合、袋Bのシール処理に不良が発生していることを検出可能である。
【0069】
このようなシール処理に関する不良は、例えば袋Bのシール予定箇所の内壁面に内容物が付着することに起因して発生しうる。そのため撮影部32は、シール処理を受ける直前の袋Bのシール予定箇所の内壁面を撮影してもよい。この場合、撮影部32が取得した動画データを解析することで、シール予定箇所に内容物が付着しているか否かを確認することができ、不良の発生要因が袋Bのシール予定箇所に対する内容物の付着にあるか否かを判定できる。
【0070】
また袋B内への内容物の導入が適切に行われないことに起因して、袋Bのシール処理に関する不良が発生しうる。そのため撮影部32は、袋B内に内容物を導入する内容物導入装置(すなわち内容物注入装置17及び/又はスチーム供給装置18)を撮影してもよい。また撮影部32は、内容物が導入される直前及び/又は最中の袋Bの状態(例えば開口状態)を撮影してもよい。これらの場合、撮影部32が取得した動画データを解析することで、袋B内への内容物導入が適切な状態で行われたか否かを確認することができ、不良の発生要因が内容物導入処理にあるか否かを判定できる。
【0071】
次に、不良の要因を特定する方法の典型例について説明する。以下に説明する方法(各処理)は、例えば処理制御部30の制御下で、適宜実施可能である。
【0072】
[第1の不良要因特定例]
図5は、包装機10における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
本例では、まず包装機10における包装処理が開始され、不良検出部31による不良検出処理が開始され、撮影部32による不良発生要因の特定のための動画データ取得処理(すなわち要因特定撮影処理)が開始される(
図5のS21)。これらの包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理の開始は、同時的に行われてもよいし、相互間で時間的にズレていてもよい。
【0074】
そして包装機10における包装処理を終了すべきか否かが継続的に判定される(S22)。ここでの「包装処理を終了すべきか否かの判定基準」は限定されない。典型的には、包装処理の予定スケジュールが適切に完了したか否か、及び、運転管理者が包装処理の終了指示を入力装置(図示省略)を介して包装機10に入力したか否かに基づいて、包装機10における包装処理を終了すべきか否かが判定されてもよい。ここでの判定は、例えば処理制御部30によって行われてもよい。
【0075】
包装処理を終了すべきと判定される場合(S22のY)、包装処理が終了され(S26)、不良検出処理及び要因特定撮影処理が終了される(S27)。
【0076】
一方、包装機10における包装処理を終了すべきではないと判定される場合(S22のN)、不良検出部31の検出結果に基づいて、袋Bに対する処理に不良が発生しているか否かが判定される(S23)。ここでの判定は、例えば処理制御部30によって行われてもよい。
【0077】
不良検出部31の検出結果に基づいて袋Bに対する処理に不良が発生していないと判定される場合(S23のN)、包装処理を終了すべきと判定されない限り(S22参照)、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が続行される。
【0078】
一方、不良検出部31の検出結果に基づいて袋Bに対する処理に不良が発生していると判定される場合(S23のY)、不良が発生していると判定される袋B(すなわち不良袋)が包装機10から排出される(S24)。不良袋の排出方法は限定されず、上述のように、不良が発生しているとは判定されない袋B(すなわち正常袋)が包装機10から排出される箇所(例えば
図1の第9ステーションS9)と、不良袋が包装機10から排出される箇所(例えば
図1の第10ステーションS10)と、を異ならせてもよい。
【0079】
そして発生している不良の種類及び程度に基づいて、包装処理の停止が必要か否かが判定される(S25)。ここでの判定は、例えば処理制御部30によって行われてもよい。包装処理の停止が必要ではないと判定される場合(S25のN)、包装処理を終了すべきと判定されない限り(S22参照)、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が続行される。
【0080】
一方、包装処理の停止が必要であると判定される場合(S25のY)、包装処理が終了され(S26)、不良検出処理及び要因特定撮影処理が終了される(S27)。
【0081】
上述のように
図5に示す例では、不良検出部31の検出結果に基づいて(すなわち袋Bに対する処理の不良に基づいて)、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理の続行及び終了が決められる。この場合、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理の続行及び終了の要否の判定とは無関係に、動画データを解析して不良の発生の要因を特定することが可能である。したがって不良の発生の要因を特定する処理は、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が行われている最中に実施されてもよいし、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が終了した後に実施されてもよい。
【0082】
図6は、不良の発生の要因を特定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7は、不良発生時間と不良関連時間範囲との関係例を示す図である。
図6に示す不良の発生の要因を特定する処理の一部又は全部は、装置(例えば画像解析部34(
図2等参照))によって機械的に行われてもよいし、運転管理者によって手動的に行われてもよい。
【0083】
図6に示す例では、まず不良検出タイミングに対応する関連動画範囲が特定される(
図6のS31)。ここで言う「関連動画範囲」は、撮影部32によって取得される動画データのうち、不良検出部31により検出された不良の発生要因が撮影されているデータが含まれていると推測される範囲の動画データである。典型的には、
図7に示すように、不良検出部31が不良を検出したタイミング(すなわち不良発生日時(不良発生時間))を基準に定められる時間範囲(すなわち不良関連時間範囲)の動画データを、関連動画範囲としうる。関連動画範囲を定める不良関連時間範囲において、不良発生時間より前の時間及び不良発生時間より後の時間は、不良発生要因に応じて可変的に定められうる。
【0084】
そして、関連動画範囲の動画データを解析することによって不良の要因が特定される(S32)。
【0085】
このようにして特定された不良の要因は、報知部35を通じて報知される(S33)。
【0086】
[第2の不良要因特定例]
図8は、包装機10における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。本例において、上述の第1の不良要因特定例と同様の処理については、詳細な説明を省略する。
【0087】
本例では、不良の要因に基づいて、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理の続行及び終了の要否が判定される。
【0088】
すなわち包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が開始された後(
図8のS41)、包装処理を終了すべきか否かの判定が継続的に行われ(S42)、包装処理を終了すべきと判定される場合には(S42のY)、包装処理が終了され(S48)、不良検出処理及び要因特定撮影処理が終了される(S49)。
【0089】
一方、包装処理を終了すべきと判定されない場合には(S42のN)、不良検出部31の検出結果に基づいて、袋Bに対する処理に不良が発生しているか否かが判定され(S43)。そして袋Bに対する処理に不良が発生していないと判定される場合には(S43のN)、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が続行される。
【0090】
一方、袋Bに対する処理に不良が発生していると判定される場合には(S43のY)、不良袋が排出され(S44)、不良検出タイミングに対応する関連動画範囲が特定され(S45)、関連動画範囲から不良の要因が特定される(S46)。そして、特定された不良の要因に基づいて、包装処理を停止する必要があるか否かが判定される(S47)。ここでの判定は、例えば処理制御部30によって行われてもよい。そして包装処理を停止する必要があるとは判定されない場合には(S47のN)、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が続行される。
【0091】
一方、包装処理の停止が必要であると判定される場合(S47のY)、包装処理が終了され(S48)、不良検出処理及び要因特定撮影処理が終了される(S49)。
【0092】
[第3の不良要因特定例]
図9は、包装機10における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。本例において、上述の第1の不良要因特定例及び第2の不良要因特定例と同様の処理については、詳細な説明を省略する。
【0093】
本例では、「発生している不良の種類及び程度」及び「不良の要因」の両方に基づいて、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理の続行及び終了の要否が判定される。
【0094】
すなわち包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が開始された後(
図9のS51)、包装処理を終了すべきか否かの判定が継続的に行われ(S52)、包装処理を終了すべきと判定される場合には(S52のY)、包装処理が終了され(S60)、不良検出処理及び要因特定撮影処理が終了される(S61)。
【0095】
一方、包装処理を終了すべきと判定されない場合には(S52のN)、不良検出部31の検出結果に基づいて、袋Bに対する処理に不良が発生しているか否かが判定される(S53)。そして袋Bに対する処理に不良が発生していないと判定される場合には(S53のN)、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が続行される。
【0096】
一方、袋Bに対する処理に不良が発生していると判定される場合には(S53のY)、不良袋が排出され(S54)、発生している不良の種類及び程度に基づいて、包装処理の停止が必要か否かが判定される(S55)。ここで包装処理の停止が必要であると判定される場合には(S55のY)、包装処理が終了され(S60)、不良検出処理及び要因特定撮影処理が終了される(S61)。
【0097】
一方、発生している不良の種類及び程度からは、包装処理の停止が必要ではないと判定される場合には(S55のN)、不良検出タイミングに対応する関連動画範囲が特定され(S56)、関連動画範囲から不良の要因が特定され(S57)、特定された不良の要因が報知される(S58)。そして、特定された不良の要因に基づいて、包装処理を停止する必要があるか否かが判定される(S59)。ここで包装処理を停止する必要があるとは判定されない場合には(S59のN)、包装処理、不良検出処理及び要因特定撮影処理が続行される。
【0098】
一方、不良の要因に基づいて包装処理の停止が必要であると判定される場合(S59のY)、包装処理が終了され(S60)、不良検出処理及び要因特定撮影処理が終了される(S61)。
【0099】
以上説明したように上述の包装機10は、袋Bに対する処理の不良の発生を検出する不良検出部31と、不良検出部31とは別体として設けられ、不良の発生の要因をもたらす箇所の撮像を行って動画データを取得する撮影部32であって、動画データは不良の発生に関連付けられて保存される、撮影部32と、を備える。
【0100】
当該包装機10によれば、不良の発生に関連付けられて保存される動画データを解析することで、不良の発生の要因を簡単に特定することができる。特に、不良発生要因の確認のために包装機10を低速度で動作させる必要がなく、通常運転速度で動作している包装機10の状態を動画データから確認することができるため、不良の発生の要因を高い信頼性を持って特定することができる。また撮影部32が包装機10の動きを動画データとして記録するので、包装機10の動きを確認するために運転管理者が包装機10の各種装置に近づく必要がない。したがって運転管理者は、包装機10から離れた場所で、不良の発生の要因の確認及び特定を行うことが可能である。また運転管理者は、包装機10の通常運転の終了後に、不良の発生の要因の確認及び特定を行うことが可能である。
【0101】
また動画データは、撮像の時間情報とともに保存され、時間情報を介して不良の発生に関連付けられる。
【0102】
これにより、動画データのうち不良の発生に関連するデータ範囲を簡単に特定することができ、不良の発生の要因の確認及び特定に要する処理を簡単化できる。
【0103】
また画像解析部34が、不良の発生に関連する時間範囲の動画データを解析することで、不良の発生の要因を特定する。
【0104】
これにより、不良の発生の要因の確認及び特定のための処理を安定的に精度良く行うことができ、そのような処理の自動化も実現可能である。
【0105】
また動画データは、50fps以上のフレームレートを有する。
【0106】
これにより、不良の発生の要因を適切に動画データに記録することができ、例えば動画データをスロー再生する場合に不良の発生の要因を運転管理者が適切に視認することが可能である。
【0107】
また不良検出部31は複数設けられ、撮影部32は複数設けられ、各不良検出部31が検出する不良の発生の要因をもたらす箇所の動画データは、対応の1以上の撮影部32によって取得される。
【0108】
これにより、複数種類の不良の発生の要因を適切に特定することができる。
【0109】
また動画データが不良の発生に関連付けられて保存される記憶部33が設けられ、記憶部33には、処理の際に不良が発生した袋Bに関する動画データと、不良が発生することなく処理が行われた袋Bに関する動画データと、が保存される。
【0110】
これにより、処理の際に不良が発生した袋Bに関する動画データと、不良が発生することなく処理が行われた袋Bに関する動画データとの比較を、簡単に行うことができ、不良の発生要因の特定を簡単且つ高い信頼性を持って行うことができる。
【0111】
また画像解析部34は、処理の際に不良が発生した袋Bに関する動画データと、不良が発生することなく処理が行われた袋Bに関する動画データとを比較することで、不良の発生の要因を特定する。
【0112】
これにより、不良の発生の要因の確認及び特定のための処理を安定的に精度良く行うことができる。
【0113】
また動画データの解析によって特定される不良の発生の要因の報知を行う報知部35が設けられる。
【0114】
これにより、運転管理者及び他の人間が、不良の発生要因を簡単に認知することができる。
【0115】
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。
【0116】
上述の例では、撮像の時間情報とともに動画データを記憶部33に保存することで、動画データが不良の発生に関連付けられて保存されるが、動画データの保存態様はこれには限定されない。例えば、動画データ(特に不良の発生に関連する時間範囲の動画データ)を、対応の不良を示す不良情報とともに記憶部33に保存することで、動画データが不良の発生に関連付けられて保存されてもよい。
【0117】
上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0118】
10 包装機、11 袋供給装置、11a 送り出しローラ、11b 取出吸盤、12 印字装置、13 印字検査装置、14 開口装置、15 開口維持装置、16 内容物投入装置、17 内容物注入装置、18 スチーム供給装置、19 第1シール装置、20 第2シール装置、21 シール冷却装置、22 放出シュート、30 処理制御部、31 不良検出部、32 撮影部、33 記憶部、34 画像解析部、35 報知部、40 端末装置、41 入力装置、42 画像再生部、43 ディスプレイ、45 ネットワーク、80 搬送装置、81 回転テーブル、82 グリッパー対、B 袋、S1 第1ステーション、S2 第2ステーション、S3 第3ステーション、S4 第4ステーション、S5 第5ステーション、S6 第6ステーション、S7 第7ステーション、S8 第8ステーション、S9 第9ステーション、S10 第10ステーション