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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089843
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/72 20060101AFI20230621BHJP
   B60N 2/856 20180101ALI20230621BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
A47C7/72
B60N2/856
A47C7/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204595
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 則明
(72)【発明者】
【氏名】竹内 一貴
(72)【発明者】
【氏名】森下 和樹
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 健
(72)【発明者】
【氏名】刈谷 真
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084DB09
3B084JA04
3B084JD04
3B087AA02
3B087DC07
3B087DC09
(57)【要約】
【課題】シートに取り付けられるディスプレイの角度をより好適に調整する。
【解決手段】シートの上部のヘッドレストよりも後方の位置のシートにディスプレイが取り付けられる車両に備わる情報処理装置であって、ヘッドレストが車両の前方向の所定位置まで倒されていない第一状態である場合には、ディスプレイをチルトさせる範囲を、第一状態のヘッドレストに干渉しない範囲である第一範囲にすることと、ヘッドレストが所定位置まで倒されている第二状態である場合には、ディスプレイをチルトさせる範囲を、第一範囲よりも前方向に広い範囲を含む第二範囲にすることと、を実行する制御部を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの上部のヘッドレストよりも後方の位置の前記シートにディスプレイが取り付けられる車両に備わる情報処理装置であって、
前記ヘッドレストが前記車両の前方向の所定位置まで倒されていない第一状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一状態の前記ヘッドレストに干渉しない範囲である第一範囲にすることと、
前記ヘッドレストが前記所定位置まで倒されている第二状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一範囲よりも前記前方向に広い範囲を含む第二範囲にすることと、
を実行する制御部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第二範囲は、前記ヘッドレストが前記第一状態の場合には、前記ディスプレイが前記ヘッドレストに干渉する範囲である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第二範囲は、前記ディスプレイが水平になるまで前記ディスプレイをチルトさせることができる範囲である、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記ヘッドレストが前記第二状態のとき且つ前記ディスプレイが前記第二範囲までチルトしている状態の場合には、前記ヘッドレストを前記第一状態にすることを禁止する、
請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ヘッドレストが前記第二状態のとき且つ前記ディスプレイが前記第二範囲までチルトしている状態から、前記ヘッドレストを前記第一状態にする要求があった場合に、前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせた後に、前記ヘッドレストを前記第一状態にする、
請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせるときに、前回の前記第一範囲のときの最後のチルトの状態に戻す、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記ヘッドレストが前記第二状態のとき且つ前記ディスプレイが前記第二範囲までチルトしている状態のときに、前記車両のアクセサリ電源のオフが検知された場合に、前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせる、
請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせるときに、前回の前記第一範囲のときの最後のチルトの状態に戻す、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記車両の前記アクセサリ電源のオンが検知された場合において、前記ヘッドレストが
前記第二状態のとき、且つ、前回の前記アクセサリ電源がオンのときの最後のときに前記ディスプレイが前記第二範囲までチルトしていたときに、前記ディスプレイを前記第一範囲から前記第二範囲までチルトさせる、
請求項7または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせる要求があった場合に、前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせた後に、前記ヘッドレストを前記第二状態から前記第一状態にすることを許可する、
請求項1から9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせる要求があったか否かを、前記車両の運転者に対応した入出力部への入力に基づいて判断する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記ディスプレイを前記第二範囲までチルトさせるときには、前記ディスプレイの画面を消す、
請求項1から11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせるときには、前記ディスプレイの画面の状態を、前回の前記ディスプレイが前記第一範囲のときの最後の状態に戻す、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
シートの上部のヘッドレストよりも後方の位置の前記シートにディスプレイが取り付けられる車両に備わるコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記コンピュータが、
前記ヘッドレストが前記車両の前方向の所定位置まで倒されていない第一状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一状態の前記ヘッドレストに干渉しない範囲である第一範囲にすることと、
前記ヘッドレストが前記所定位置まで倒されている第二状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一範囲よりも前記前方向に広い範囲を含む第二範囲にすることと、
を実行する情報処理方法。
【請求項15】
前記第二範囲は、前記ヘッドレストが前記第一状態の場合には、前記ディスプレイが前記ヘッドレストに干渉する範囲である、
請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記第二範囲は、前記ディスプレイが水平になるまで前記ディスプレイをチルトさせることができる範囲である、
請求項14または15に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記コンピュータが、
前記ヘッドレストが前記第二状態のとき且つ前記ディスプレイが前記第二範囲までチルトしている状態の場合には、前記ヘッドレストを前記第一状態にすることを禁止する、
請求項14から16の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記コンピュータが、
前記ヘッドレストが前記第二状態のとき且つ前記ディスプレイが前記第二範囲までチルトしている状態から、前記ヘッドレストを前記第一状態にする要求があった場合に、前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせた後に、前記ヘッドレストを前記第一状態にする、
請求項14から17の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記コンピュータが、
前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせるときに、前回の前記第一範囲のときの最後のチルトの状態に戻す、
請求項18に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記コンピュータが、
前記ヘッドレストが前記第二状態のとき且つ前記ディスプレイが前記第二範囲までチルトしている状態のときに、前記車両のアクセサリ電源のオフが検知された場合に、前記ディスプレイを前記第二範囲から前記第一範囲までチルトさせる、
請求項14から19の何れか1項に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の前席のシートのヘッドレストに、後席の乗員向けのディスプレイを取り付ける技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-099782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、シートに取り付けられるディスプレイの角度をより好適に調整することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
シートの上部のヘッドレストよりも後方の位置の前記シートにディスプレイが取り付けられる車両に備わる情報処理装置であって、
前記ヘッドレストが前記車両の前方向の所定位置まで倒されていない第一状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一状態の前記ヘッドレストに干渉しない範囲である第一範囲にすることと、
前記ヘッドレストが前記所定位置まで倒されている第二状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一範囲よりも前記前方向に広い範囲を含む第二範囲にすることと、
を実行する制御部を備える情報処理装置である。
【0006】
本開示の他の態様の一つは、
シートの上部のヘッドレストよりも後方の位置の前記シートにディスプレイが取り付けられる車両に備わるコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記コンピュータが、
前記ヘッドレストが前記車両の前方向の所定位置まで倒されていない第一状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一状態の前記ヘッドレストに干渉しない範囲である第一範囲にすることと、
前記ヘッドレストが前記所定位置まで倒されている第二状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一範囲よりも前記前方向に広い範囲を含む第二範囲にすることと、
を実行する情報処理方法である。
【0007】
また、本開示の他の態様は、上記の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、そのプログラムを非一時的に記憶した記憶媒体である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、シートに取り付けられるディスプレイの角度をより好適に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るFRシートの概略構成を示す図である。
図2】FRシートを最も前方に移動させ、且つ背もたれ及びヘッドレストを最も前方に倒したときのFRシートの状態を示した図である。
図3】FRシートが最前状態にあるときのRRディスプレイの可動範囲を示した図である。
図4】実施形態に係るシステムの概略構成を例示する図である。
図5】実施形態に係るシステムを構成するFRシート、FRシートECU、リアコントローラ、RRシートECU、FRディスプレイ、RRディスプレイECU、及び、RRディスプレイのそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図6】FRシートECU、リアコントローラ、RRシートECU、FRディスプレイ、RRディスプレイECU、及び、RRディスプレイの機能構成を例示した図である。
図7】後席乗員がRRディスプレイを水平チルト状態にするときのシステムの全体の処理を示すシーケンス図である。
図8】RRディスプレイを水平チルト状態から起こすときのシステムの全体の処理を示すシーケンス図である。
図9】ACC電源がONからOFFにされたときに、RRディスプレイの水平チルト状態を解消するときのシステムの全体の処理を示すシーケンス図である。
図10】ACC電源がONにされたときに、RRディスプレイを水平チルト状態にするときのシステムの全体の処理を示すシーケンス図である。
図11】RRディスプレイを水平チルト状態から起こすときのシステムの全体の処理を示すシーケンス図である。
図12】RRディスプレイを水平チルト状態から起こすときのシステムの全体の処理を示すシーケンス図である。
図13】FRシートが通常状態であるときのシステムの全体の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様の一つである情報処理装置は、シートの上部のヘッドレストよりも後方の位置のシートにディスプレイが取り付けられる車両に備わる情報処理装置である。ディスプレイは、例えば、ディスプレイよりも車両後方側に位置する乗員(以下、後席乗員ともいう。)に対応した情報の入出力装置である。すなわち、後席乗員はディスプレイの画面を見て情報を得たり、ディスプレイの画面から情報を入力したりできる。このディスプレイは、チルトが可能である。チルトの機能によって、例えば、後席乗員がディスプレイを見やすい角度に調整することができる。
【0011】
そこで、制御部は、前記ヘッドレストが前記車両の前方向の所定位置まで倒されていない第一状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一状態の前記ヘッドレストに干渉しない範囲である第一範囲にする。第一範囲内でディスプレイをチルトさせることにより、後席乗員が見やすい角度に調整したり、ディスプレイがヘッドレストと干渉することを抑制したりできる。第一状態は、シートを利用可能な状態としてもよい。
【0012】
一方、後部乗員がディスプレイよりも景色を見たい場合には、ディスプレイを前方の第二範囲まで倒すことができる。このときに、ディスプレイの前方にはヘッドレストが存在するため、そのままディスプレイを前方に倒すと、ヘッドレストに干渉する虞がある。そこで、ヘッドレストが干渉しない状態の場合に限りディスプレイを倒せるようにする。
【0013】
すなわち、制御部は、前記ヘッドレストが前記所定位置まで倒されている第二状態である場合には、前記ディスプレイをチルトさせる範囲を、前記第一範囲よりも前記前方向に
広い範囲を含む第二範囲にする。第二状態は、ヘッドレストを前方に倒している状態であり、シートを利用できない状態である。また、第二範囲は、ディスプレイを前方に倒している状態であり、例えば、ディスプレイを水平まで倒せる範囲としてもよい。ヘッドレストが第二状態である場合には、ディスプレイを前方に倒しても、ディスプレイが干渉しない。したがって、このような場合にディスプレイを倒すことで、ヘッドレストとの干渉を抑制しつつ、後席からの視界をより広くすることができ、後席乗員の満足度を向上させることができる。
【0014】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。また、以下の実施形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るフロントシート1(以下、FRシート1ともいう。)の概略構成を示す図である。FRシート1は、例えば助手席のシートであるがこれに限らず、後述するヘッドレスト4にディスプレイを取り付け可能で且つ運転席以外の座席であればよい。図1に示したFRシート1の状態は、FRシート1にユーザが座ることが可能な状態である。FRシート1は、ユーザが腰を下ろす座面2、ユーザが寄りかかる背もたれ3、ユーザの頭を支えるヘッドレスト4、及び、RRディスプレイ26を備えている。背もたれ3は、下部において座面2に接続され、上部においてヘッドレスト4に接続されている。ディスプレイ26は、背もたれ3の上部であって、ヘッドレスト4よりも後方に取り付けられており、図1のFRシート1の状態では矢印方向にチルトすることが可能である。なお、矢印で示される範囲は、第一範囲の一例であり、図1に示したヘッドレスト4の状態は、第一状態の一例である。FRシート1は、車両に取り付けられており、車両の前後方向(図1の左右方向)に移動させることができる。移動は、座面2が車両の筐体に取り付けられているレール上を移動することで行われる。また、座面2に対して背もたれ3の角度を調整することもできる。背もたれ3は、座面2との接続部を中心にして前後方向に角度を変更することができる。また、ヘッドレスト4は、背もたれ3との接続部を中心にして前後方向に角度を変更することができる。
【0016】
図2は、FRシート1を最も前方に移動させ、且つ背もたれ3及びヘッドレスト4を最も前方に倒したときのFRシート1の状態を示した図である。このFRシート1に乗員は座ることができない。この状態であっても、RRディスプレイ26を矢印方向にチルトすることはできる。なお、図1に示した座面2、背もたれ3、及び、ヘッドレスト4の状態を通常状態といい、図2に示した座面2、背もたれ3、及び、ヘッドレスト4の状態を最前状態という。なお、最前状態には、FRシート1を最も前方に移動させた状態に限らず、その位置から所定範囲に位置する状態も含むことができる。同様に、背もたれ3及びヘッドレスト4を最も前方に倒した状態に限らず、その状態から所定範囲に位置する状態も含むことができる。これらの位置は、例えば、後部座席の乗員がくつろげるように設定された位置であってもよい。すなわち、後部座席のスペースを大きくし得る状態、または、後部座席から前方を見たときに、ヘッドレスト4が視界を遮らないような状態であればよい。
【0017】
本実施形態に係るRRディスプレイ26は、FRシート1が最前状態にあるときに、RRディスプレイ26が水平状態になるまで前方に倒すことができる。図3は、FRシート1が最前状態にあるときのRRディスプレイ26の可動範囲を示した図である。RRディスプレイ26を最も前方に倒したときの状態を図3では260の符号で表している。なお、RRディスプレイ26を水平状態にすることを水平チルトともいう。なお、図3において矢印で示される範囲は、第二範囲の一例であり、図3に示したヘッドレスト4の状態は、第二状態の一例である。例えば、後席の乗員がディスプレイを利用しない場合には、R
Rディスプレイ26が後席乗員の視界を遮ってしまい、後席乗員にとっては邪魔な存在になり得る。一方、RRディスプレイ26の水平チルトにより、後席乗員の視界を確保することが可能となる。なお、RRディスプレイ26は、正確に水平状態になる必要はない。例えば、鉛直方向よりも前方に倒れていれば後席乗員の視界を遮る程度を低減することができる。
【0018】
例えば、後席乗員が所定のボタンを押すことにより、RRディスプレイ26の水平チルト機能が作動して、RRディスプレイ26が水平状態になる。このときに後席乗員が押すボタンを水平チルトボタンという。本実施形態では、水平チルトボタンを1回押せば、水平チルト状態になるまでRRディスプレイ26が回動される。したがって、本実施形態に係る水平チルトボタンをワンタッチ水平チルトボタンともいう。ワンタッチ水平チルトボタンは、物理的なボタンに限らず、タッチパネル表示されたボタンであってもよい。また、ワンタッチ水平チルトボタンは、例えば、リアコントローラ22、FRディスプレイ24、RRディスプレイ26、または、FRシート1に設けることができる。
【0019】
ただし、ヘッドレスト4が前方に倒れていないのにもかかわらず、RRディスプレイ26を水平状態にしようとすると、RRディスプレイ26がヘッドレスト4に干渉する虞がある。そこで、本実施形態では、FRシート1が最前状態の場合に限り、ワンタッチ水平チルトボタンの押下を有効にする。すなわち、ヘッドレスト4が前方に倒れているときに限り、RRディスプレイ26が水平状態になるように操作可能になる。一方、RRディスプレイ26が水平状態にあるときに、ヘッドレスト4を後方に回転させると、ヘッドレスト4がRRディスプレイ26に干渉する虞がある。したがって、本実施形態では、RRディスプレイ26が水平状態にあるときには、ヘッドレスト4を後方へ回転させる(起こす又は起立させるともいう)ことを禁止する。これは、図1または図2に示した状態になることを禁止しているともいえる。すなわち、RRディスプレイ26の角度が、ヘッドレスト4と干渉しない角度になっている場合に限り、ヘッドレスト4を移動させることを許可する。なお、以下では、最前状態でなければ、ヘッドレスト4と水平状態のRRディスプレイ26とが干渉するものとして説明する。また、以下で水平チルト状態でないといった場合には、RRディスプレイ26が図1または図2に示したチルトの状態、すなわち、後席乗員が画面を見ることができる角度になっていることを示している。
【0020】
また、水平状態のRRディスプレイ26に映像が表示されていると、前席の運転者の視界にその映像が入ってしまい、運転の邪魔になる虞がある。また、RRディスプレイ26に映像が表示されていても、後席乗員は見ることが困難である。したがって、RRディスプレイ26を水平状態にした場合には、RRディスプレイ26の表示をオフにする。また、RRディスプレイ26のタッチパネルの操作やリモコンによるRRディスプレイ26の操作を無効にする。
【0021】
ここで、図4は、本実施形態に係るシステム20の概略構成を例示する図である。システム20は、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26を有する。これらは、車内のネットワーク(例えばCAN(登録商標):Controller Area Network)によって接続されている。
【0022】
FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRシートECU25、及び、RRディスプレイ26は、夫々、プロセッサとメモリを有する。プロセッサはメモリ上のコンピュータプログラムを実行し、各機器としての処理を実行する。
【0023】
FRシートECU21は、コンピュータプログラムの処理によりFRシート1の状態を
変更したり、FRシート1の状態を記憶したりする装置である。また、FRシートECU21は、座面2の位置、背もたれ3の角度、ヘッドレスト4の角度などを変更することにより、FRシート1の状態を変更する。また、FRシートECU21は、FRシート1が最前状態になった場合、及び、FRシート1の最前状態が解消された場合に、その旨の通知を車内ネットワークに送信する。また、FRシートECU21は、FRシート1の状態として、FRシート1が最前状態にあるか否かを記憶していてもよい。また、FRシートECU21は、FRシート1の状態として、座面2の位置、背もたれ3の角度、ヘッドレスト4の角度などを記憶していてもよい。
【0024】
リアコントローラ22は、後席乗員の入力に従ったコンピュータプログラムの処理により、RRディスプレイ26の状態を変更する装置である。また、RRシートECU23は、コンピュータプログラムの処理によりリアシートの状態を変更したり、リアシートの状態を記憶したりする装置である。
【0025】
FRディスプレイ24は、ユーザインタフェース画面を提供し、前席乗員とのインタラクションを行う装置である。前席乗員には、運転席に座る乗員および助手席に座る乗員を含む。例えば、前席乗員が、ユーザインタフェース画面を介して、RRディスプレイ26の移動を要請する旨の意思表示をした場合、コンピュータプログラムの処理によりRRディスプレイ26の位置を移動させる指令を車内ネットワークに送信する。
【0026】
RRディスプレイECU25は、コンピュータプログラムの処理によりRRディスプレイ26の状態を変更させたり、RRディスプレイ26の状態を記憶したりしている装置である。また、RRディスプレイ26は、ユーザインタフェース画面を提供し、後席乗員とのインタラクションを行う装置である。後席乗員が、ユーザインタフェース画面を介して、RRディスプレイ26の移動を要請する旨の意思表示をした場合、コンピュータプログラムの処理によりRRディスプレイ26の位置を移動させる(チルトさせる)指令を送信する。
【0027】
次に、FRシート1、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26のハードウェア構成について説明する。図5は、本実施形態に係るシステム20を構成するFRシート1、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0028】
FRシート1には、座面2を車両の前後方向に移動させるアクチュエータ11、座面2に対する背もたれ3の角度を変更するアクチュエータ12、背もたれ3に対するヘッドレスト4の角度を変更するアクチュエータ13、及び、通信部14が設けられている。各アクチュエータ11,12,13は、FRシートECU21からの信号に基づいて作動する。各アクチュエータ11,12,13は、典型的には電動モータである。なお、各アクチュエータ11,12,13によりFRシート1の各部材を動かすことを、FRシート1を作動させるともいう。FRシート1を作動させることには、最前状態にすること、及び、最前状態を解消することを含む。
【0029】
通信部14は、FRシート1を車内ネットワークに接続するためのインタフェースユニットである。本実施形態では、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26を含む複数の車両コンポーネントが、車内ネットワークのバスを介して相互に接続される。車内ネットワークの規格として、例えば、CAN(登録商標:Controller Area Network)を例示することができる。CAN以外の通信規格として、例えば、イーサ
ネット(登録商標)などを例示することができる。
【0030】
また、FRシート1に取り付けられたRRディスプレイ26は、プロセッサ261、メモリ262、入出力部263、通信部264、及び、アクチュエータ265を有する。これらは、バスにより相互に接続される。
【0031】
プロセッサ261は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等である。プロセッサ261は、RRディスプレイ26を制御し、様々な情
報処理の演算を行う。メモリ262は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read
Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ
(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等である。メモリ262には、オ
ペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。メモリ262に格納されたプログラムをプロセッサ261が実行し、このプログラムの実行を通じて各構成部等が制御される。これにより、所定の目的に合致した機能をRRディスプレイ26が実現する。メモリ262は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0032】
入出力部263は、情報の入出力を行う手段である。具体的には、タッチパネルとその制御手段、液晶ディスプレイとその制御手段から構成される。タッチパネル及び液晶ディスプレイは、本実施形態では一つのタッチパネルディスプレイからなる。なお、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、マウス、キーボード、押しボタン、マイク等であってもよい。入出力部263は、例えば、タッチパネルディスプレイにワンタッチ水平チルトボタンを表示させ、ユーザがワンタッチ水平チルトボタンをタップしたことを検知する。これにより、ユーザはワンタッチ水平チルトボタンを押下したことになる。また、通信部264については、FRシート1の通信部14と同等の機能を有するため説明を省略する。アクチュエータ265は、RRディスプレイ26の角度を変更するための装置である。
【0033】
FRシートECU21は、プロセッサ211、メモリ212、及び、通信部213を有する。FRシートECU21のプロセッサ211、メモリ212、及び、通信部213は、RRディスプレイ26のプロセッサ261、メモリ262、及び、通信部264と同等の機能を有するため説明を省略する。
【0034】
リアコントローラ22は、プロセッサ221、メモリ222、入出力部223、及び、通信部224を有する。リアコントローラ22のプロセッサ221、メモリ222、入出力部223、及び、通信部224は、RRディスプレイ26のプロセッサ261、メモリ262、入出力部263、及び、通信部264と同等の機能を有するため説明を省略する。
【0035】
RRシートECU23は、プロセッサ231、メモリ232、及び、通信部233を有する。RRシートECU23のプロセッサ231、メモリ232、及び、通信部233は、RRディスプレイ26のプロセッサ261、メモリ262、及び、通信部264と同等の機能を有するため説明を省略する。
【0036】
FRディスプレイ24は、プロセッサ241、メモリ242、入出力部243、及び、通信部244を有する。FRディスプレイ24のプロセッサ241、メモリ242、入出力部243、及び、通信部244は、RRディスプレイ26のプロセッサ261、メモリ262、入出力部263、及び、通信部264と同等の機能を有するため説明を省略する。
【0037】
RRディスプレイECU25は、プロセッサ251、メモリ252、及び、通信部253を有する。RRディスプレイECU25のプロセッサ251、メモリ252、及び、通信部253は、RRディスプレイ26のプロセッサ261、メモリ262、及び、通信部264と同等の機能を有するため説明を省略する。
【0038】
なお、RRディスプレイ26のプロセッサ261、FRシートECU21のプロセッサ211、リアコントローラ22のプロセッサ221、RRシートECU23のプロセッサ231、FRディスプレイ24のプロセッサ241、または、RRディスプレイECU25のプロセッサ251は、制御部の一例である。
【0039】
次に、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26の機能について説明する。図6は、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26の機能構成を例示した図である。FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26は、機能構成要素として、夫々、制御部21A、22A、23A、24A、25A、及び、26Aを備える。FRシート1、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26の各プロセッサ211、221、231、241、251、及び、261は、メモリ上のコンピュータプログラムにより、制御部21A、22A、23A、24A、25A、及び、26Aの処理を実行する。ただし、各機能構成素のいずれか、またはその処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0040】
各制御部21A、22A、23A、24A、25A、及び、26Aは車内ネットワークを流れる通知や指令を受信した場合に、当該通知や指令を適切な車両コンポーネントに転送する。
【0041】
次に、システム20の全体の処理について説明する。図7は、後席乗員がRRディスプレイ26を水平チルト状態にするときのシステム20の全体の処理を示すシーケンス図である。なお、各装置における処理は、実際には各装置が有する制御部21A、22A、23A、24A、25A、及び、26Aが実行するが、以下の処理では、簡単のため各装置が処理を行うものとして説明する。
【0042】
また、RRシートECU23及びFRディスプレイ24の処理は省略している。実際には、リアコントローラ22からFRディスプレイ24を介してRRディスプレイECU25に信号が送信されるが、図7では、リアコントローラ22からRRディスプレイECU25に信号が送信されるように記載している。同様に、実際には、RRディスプレイECU25からFRディスプレイ24を介してリアコントローラ22に信号が送信されるが、図7では、RRディスプレイECU25からリアコントローラ22に信号が送信されるように記載している。これらの条件は、以下の他のシーケンス図においても同じである。
【0043】
まず、RRディスプレイ26を水平チルト状態にするには、FRシート1が最前状態でなければならない。そこで、FRシートECU21は、FRシート1が最前状態であることを検知した場合(S11の処理)に、最前状態であることをリアコントローラ22、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26に通知する(S12の処理)。このときには、FRシート1が図2に示した状態になっている。
【0044】
なお、FRシートECU21は、ユーザからFRシート1を最前状態にする入力があった場合に、FRシート1を最前状態にするようにFRシート1の各アクチュエータ11,
12,13を制御する。例えば、FRシート1の各アクチュエータ11,12,13が所定の時間作動した場合に、FRシートECU21は、FRシート1が最前状態であると検知してもよい。別法として、FRシート1に最前状態であることを検知するセンサを取り付けることで最前状態を検知してもよい。シートポジション通知は、例えば、CAN(登録商標)の定期通信時に送信してもよい。
【0045】
このように、FRシート1が最前状態であることをFRシートECU21が通知することにより、RRディスプレイ26の水平チルトが許可される。これにより、リアコントローラ22のワンタッチ水平チルトボタンが有効になる。リアコントローラ22においてワンタッチ水平チルトボタンの押下が検知されると(S13の処理)、リアコントローラ22からRRディスプレイECU25に、ワンタッチ水平チルトボタンが押下された旨を示す通知である、水平チルトボタンON通知が送られる(S14の処理)。そして、RRディスプレイECU25からRRディスプレイ26に水平チルト指示が送られる(S15の処理)。この水平チルト指示は、RRディスプレイ26を水平チルト状態にさせるための指示である。なお、FRシート1が最前状態である場合に限り、リアコントローラ22からRRディスプレイECU25に水平チルトボタンON通知が送信されてもよい。別法として、FRシート1が最前状態である場合に限り、RRディスプレイECU25からRRディスプレイ26に水平チルト指示が送信されてもよい。さらに別法として、FRシート1が最前状態である場合に限り、水平チルト指示を受信したRRディスプレイ26がRRディスプレイ26を水平チルト状態にしてもよい。すなわち、最前状態であることの判断、及び、水平チルト状態にすることの判断を、リアコントローラ22、RRディスプレイECU25、及びRRディスプレイ26の何れが行ってもよい。水平チルト指示には、画面をOFFにする指令、タッチパネルを無効にする指令、リモコンからの信号の受信を無効にする指令が含まれていてもよい。
【0046】
RRディスプレイ26は、水平チルト状態にする前に、画面をOFFにする(S16の処理)。この画面のOFFの状態は、水平チルト状態が解消するまで継続する。これにより、水平チルト状態で画面が表示されることを防止する。また、タッチパネルによるRRディスプレイ26の操作を無効にする(S17の処理)。これにより、タッチパネルからRRディスプレイ26の角度、または、画面のONなどが操作されることを防止する。さらに、リモコンからの信号の受信を無効にする(S18の処理)。このリモコンは、RRディスプレイ26を後席乗員がリモートで操作するためのコントローラである。これにより、タッチパネルの場合と同様に、RRディスプレイ26の角度、または、画面のONなどが操作されることを防止する。
【0047】
そして、RRディスプレイ26は、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRディスプレイECU25に、ヘッドレスト起立不可通知を送信する(S19の処理)。ヘッドレスト起立不可通知は、ヘッドレスト4を後方に回転させる(起立させる)ことを禁止するための通知である。この通知は、RRディスプレイ26が水平チルトを実行する前に送信される。この通知が送信された後は、ヘッドレスト4を後方に回転させる操作をユーザが行っても何れかの装置で無効にされる。
【0048】
続いて、RRディスプレイ26では、水平チルト動作が行われる(S20の処理)。これにより、RRディスプレイ26は、水平チルト状態になる。すなわち、図3の260の符号で示した状態になる。水平チルト状態になると、RRディスプレイ26は、ステータス通知及びチルト状態通知をRRディスプレイECU25に送信する(S21及びS22の処理)。ステータス通知は、画面OFF、タッチパネル無効、リモコン無効の各状態を通知するための情報である。また、チルト状態通知は、RRディスプレイ26のチルトの状態を示す情報であり、このときには、水平チルト状態であることを示す情報が送信される。
【0049】
このようにして、FRシート1が最前状態であるときに限り、水平チルト状態にすることができる。これは、FRシート1が最前状態であるときに限り、ワンタッチ水平チルトボタンを有効にするともいえ、又は、水平チルト状態を許可するともいえる。なお、S16の処理において画面をOFFにしているが、別法として、RRディスプレイ26のチルトの角度が所定角度以上になった時点で、画面をOFFにしてもよい。
【0050】
<第2実施形態>
本第2実施形態では、RRディスプレイ26の水平チルト状態を解消する、すなわち、RRディスプレイ26を後方に回転させて起こす処理について説明する。図8は、RRディスプレイ26を水平チルト状態から起こすときのシステム20の全体の処理を示すシーケンス図である。本シーケンス図の開始時には、RRディスプレイ26は水平チルト状態である。すなわち、図3に示した状態である。
【0051】
リアコントローラ22において、ユーザがシート位置変更のボタンを押下すると、シート移動指示がリアコントローラ22からFRシートECU21へ送信される(S31の処理)。なお、シート移動は、例えば、リアコントローラ22、FRシート1、または、FRディスプレイ24から指示を送信することができる。リアコントローラ22、FRシート1、または、FRディスプレイ24には、例えば、最前状態から座面2、背もたれ3、またはヘッドレスト4を移動させるためのボタンが備わる。なお、このボタンは物理的なボタンに限らず、画面に表示されたものであってもよい。このボタンを押下することにより、ユーザが任意にFRシート1の座面2の位置をずらしたり、背もたれ3の角度を調整したり、ヘッドレスト4の角度を調整したりすることができる。
【0052】
FRシートECU21は、FRシート1を移動(作動)させる(S32の処理)。このときには、ユーザの操作にしたがってシートポジションが変更される。このときには、まだRRディスプレイ26が水平チルト状態のため、ヘッドレスト4は起こさない。
【0053】
FRシート1の移動を開始するとFRシートECU21は、リアコントローラ22、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26に、最前状態OFF通知を送信する(S33の処理)。最前状態OFF通知は、FRシート1の最前状態が解除されたことを示す情報である。また最前状態OFF通知を受けたRRディスプレイECU25は、RRディスプレイ26に対して、RRディスプレイの水平チルト状態を解除するための指示である水平チルトOFF指示を送信する(S34の処理)。水平チルトOFF指示は、S12の処理におけるシートポジション通知により最前状態であることがRRディスプレイECU25に通知された後に、最前状態OFF通知をRRディスプレイECU25が受信すると発行される。
【0054】
RRディスプレイ26は、最前状態OFF通知及び水平チルトOFF指示を受信すると、水平チルト状態を解除するための動作を実行する(S35の処理)。このときには、例えば、水平チルト状態になる前の角度に戻される。水平チルト状態になる前のRRディスプレイ26の角度は、RRディスプレイ26のメモリに記憶されている。なお、別法として、水平チルト状態ではない所定の角度になるようにRRディスプレイ26の角度を調整してもよい。
【0055】
水平チルト解消動作が完了すると、RRディスプレイ26は、水平チルトOFF完了通知をRRディスプレイECU25に送信する(S36の処理)。水平チルトOFF完了通知を受信したRRディスプレイECU25は、FRシートECU21、及び、リアコントローラ22に対して、ヘッドレスト起立許可通知を送信する(S37)。ヘッドレスト起立許可通知は、ヘッドレスト4を起こしてもよいことを示す通知である。この通知を受信
すると、FRシートECU21は、ヘッドレスト4を起こすことができる。
【0056】
また、RRディスプレイ26は、画面のON-OFF状態を、水平チルト状態になる前の状態に復帰させる(S38の処理)。すなわち、水平チルト状態になる前に画面がONの状態であったのであれば、水平チルトを解消した後に画面をONにし、水平チルト状態になる前に画面がOFFの状態であったのであれば、水平チルトを解消した後に画面をOFFにする。水平チルト状態になる前の画面のON-OFF状態は、RRディスプレイ26のメモリに記憶されている。
【0057】
さらに、RRディスプレイ26は、タッチパネルの有効または無効の状態を、水平チルト状態になる前の状態に復帰させる(S39の処理)。水平チルト状態になる前のタッチパネルの有効または無効の状態は、RRディスプレイ26のメモリに記憶されている。また、RRディスプレイ26は、水平チルト状態にするときに無効にしたリモコンからの信号の受信を有効にする(S40の処理)。
【0058】
そして、RRディスプレイ26は、ステータス通知及びチルト状態通知をRRディスプレイECU25に送信する(S41及びS42の処理)。
【0059】
なお、この後に、最前状態が検知された場合には、S13のワンタッチ水平チルトボタンの押下が検知されるまでは、RRディスプレイ26は、起きた状態であり水平チルト状態にはならない。すなわち、図2に示した状態が維持される。
【0060】
このようにして、水平チルト状態が解消した後にヘッドレスト4の移動が可能となるため、ヘッドレスト4がRRディスプレイ26に干渉することを抑制できる。
【0061】
<第3実施形態>
本第3実施形態では、ACC電源がONからOFFになったときの処理について説明する。ACC電源は、アクセサリ電源であり、少なくともRRディスプレイ26を作動させることができる電源である。以下では、FRシート1が最前状態のときにACC電源がOFFになったときの処理について説明する。
【0062】
ここで、FRシート1は、ACC電源がOFFの場合であってもユーザのボタン操作により状態を変化させることができる。一方、ACC電源がOFFの場合には、RRディスプレイ26には給電されず、RRディスプレイ26の角度を調整することはできない。そうすると、RRディスプレイ26が水平チルト状態のままACC電源がOFFになると、ユーザはFRシート1の位置の調整ができなくなる、または、FRシート1のヘッドレスト4を起こしたときにRRディスプレイ26に干渉する虞がある。そこで、本実施形態では、RRディスプレイ26が水平チルト状態のときにACC電源がOFFにされた場合には、RRディスプレイ26の水平チルト状態を解消する。このときには、RRディスプレイ26の角度を、水平チルト状態になる前の角度に復帰させている。
【0063】
次に、ACC電源がONからOFFにされたときに、RRディスプレイ26の水平チルト状態を解消する処理について説明する。図9は、ACC電源がONからOFFにされたときに、RRディスプレイ26の水平チルト状態を解消するときのシステム20の全体の処理を示すシーケンス図である。本シーケンス図は、ACC電源がOFFになる直前までFRシート1が最前状態、且つ、RRディスプレイ26は水平チルト状態の場合についての処理を示している。
【0064】
ACC電源がOFFになると、そのことをRRディスプレイECU25が検知する(S51の処理)。次いで、RRディスプレイECU25は、ACC電源がOFFになる直前
のRRディスプレイ26の角度及びFRシート1の状態をメモリに書き込む(S52の処理)。ACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26の角度及びFRシート1の状態は、前回のACC電源がONのときの最後のRRディスプレイ26の角度及びFRシート1の状態である。なお、ACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26の角度及びFRシート1の状態をメモリに書き込むタイミングは、このタイミングに限らず、例えば、ACC電源がONのときに常に更新するようにメモリへの書き込みが行われてもよい。そして、RRディスプレイECU25は、RRディスプレイ26に対して、水平チルト状態となる直前の角度(元の角度)に戻す指示を送信する(S53の処理)。この水平チルト状態となる直前の角度(元の角度)は、RRディスプレイECU25のメモリまたはRRディスプレイ26のメモリに記憶されている。
【0065】
RRディスプレイ26では、元の角度に変更する処理が実行される(S54の処理)。例えば、アクチュエータの作動角度、または、作動時間に基づいてRRディスプレイ26の角度をフィードバック制御してもよいし、センサによりRRディスプレイ26の角度を検出してフィードバック制御してもよい。なお、別法として、元の角度ではなく、水平チルト状態ではない所定の角度になるようにRRディスプレイ26の角度を調整してもよい。そして、RRディスプレイ26の角度を元の角度に戻すと、RRディスプレイ26は、RRディスプレイECU25に変更完了通知を送信する(S55の処理)。変更完了通知は、ディスプレイ26の角度が、水平チルト状態となる直前の角度に変更されたことを示す情報である。
【0066】
その後、RRディスプレイ26をシャットダウンさせるための指示である停止指示をRRディスプレイ26に送信する(S56の処理)。そして、RRディスプレイECU25は、シャットダウンを行う処理である停止処理を実行する(S57の処理)。また、RRディスプレイ26は、停止指示を受信した後、停止処理を実行する(S58の処理)。なお、S54及びS56の処理が完了するまでは、ACC電源がONのときと同じ電力が供給される。これにより、RRディスプレイ26の角度を変更することができる。
【0067】
なお、ACC電源がOFFになる直前に、FRシート1が最前状態、且つ、RRディスプレイ26が水平チルト以外の角度(ユーザが画面を見る角度)の場合には、S54における元の角度は、そのACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26の角度になるため、S54においてRRディスプレイ26の角度の変更は行われない。
【0068】
以上説明したように本実施形態によれば、ACC電源がOFFになったときに、RRディスプレイ26の水平チルト状態を解消するため、ACC電源がOFFのときにユーザがFRシート1を移動させても、ヘッドレスト4がRRディスプレイ26に干渉することを抑制できる。
【0069】
<第4実施形態>
本第4実施形態では、ACC電源がONになったときに、その前のACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26の状態に応じて角度を自動的に調整する。すなわち、ACC電源がONになったときには、第3実施形態で説明したように、FRシート1が最前状態であっても水平チルト状態は解除されている。そのため、ACC電源がONになったときに、FRシート1が最前状態であり、且つ、その前のACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26が水平チルト状態であった場合には、水平チルト状態に戻す動作を行う。一方、ACC電源がONになったときに、FRシート1が最前状態でない場合には、水平チルト状態以外に記憶している最後の角度に調整される。なお、ACC電源がOFFになる直前にRRディスプレイ26が起きていた場合(すなわち、水平チルト状態でない場合)には、その角度をメモリに記憶しておき、ACC電源がONになったときにメモリに記憶されている角度に復帰させる。この場合、FRシート1が最前状態であって
も、RRディスプレイ26を水平チルト状態にはしない。
【0070】
次に、ACC電源がOFFからONにされたときに、RRディスプレイ26を水平チルト状態にする処理について説明する。図10は、ACC電源がONにされたときに、RRディスプレイ26を水平チルト状態にするときのシステム20の全体の処理を示すシーケンス図である。本シーケンス図は、ACC電源がOFFになる直前までFRシート1が最前状態、且つ、RRディスプレイ26は水平チルト状態であり、ACC電源がOFFからONになったときにFRシート1が最前状態の場合についての処理を示している。
【0071】
ACC電源がONになると、そのことをRRディスプレイECU25が検知する(S61の処理)。次いで、RRディスプレイECU25は、起動処理を実行し(S62の処理)、さらにRRディスプレイ26を起動させるための指示である起動指示をRRディスプレイ26に送信する(S63の処理)。さらにRRディスプレイECU25は、ACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26の角度及びFRシート1の状態をメモリ252から読み込む(S64の処理)。
【0072】
また、RRディスプレイ26は、起動指示を受信した後、起動処理を実行し(S65の処理)、さらにACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26の角度をメモリから読み込む(S66の処理)。
【0073】
また、ACC電源がONになった後、FRシートECU21は、FRシート1が最前状態であることを検知した場合(S11の処理)に、最前状態であることをリアコントローラ22、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26に通知する(S12の処理)。
【0074】
また、RRディスプレイECU25は、最前状態である通知を受信し、且つ、ACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26の角度が水平チルト状態であった場合に、RRディスプレイ26に水平チルト指示が送られる(S15の処理)。また、RRディスプレイ26は、FRシートECU21、及び、リアコントローラ22に、ヘッドレスト起立不可通知を送信する(S19の処理)。RRディスプレイ26で行われるS16以降の処理については、図7と同じため説明を省略する。
【0075】
なお、ACC電源がOFFになる直前にRRディスプレイ26が水平チルト状態でない場合には、ACC電源がONになったときにRRディスプレイ26の角度の調整は行わない。また、ACC電源がONになったときにFRシート1の状態が最前状態でない場合にも、ACC電源がONになったときにRRディスプレイ26の角度の調整は行わない。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、ACC電源がONになった場合には、ACC電源がOFFになる直前のRRディスプレイ26に戻されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0077】
<第5実施形態>
本第5実施形態では、ユーザの操作によりRRディスプレイ26の水平チルト状態を解消する、すなわち、RRディスプレイ26を起こす処理について説明する。例えば、RRディスプレイ26が水平チルト状態であると、運転者がサイドミラーを見ようとしたときに、RRディスプレイ26が視界を遮ってサイドミラーが見にくくなる虞がある。このような場合には、ユーザが操作をすることで水平チルト状態を解消できるようにする。
【0078】
図11は、RRディスプレイ26を水平チルト状態から起こすときのシステム20の全体の処理を示すシーケンス図である。本シーケンス図の開始時には、RRディスプレイ2
6は水平チルト状態である。なお、上記のシーケンス図と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。また、本実施形態では、RRディスプレイ26が水平チルト状態のときに、再度ワンタッチ水平チルトボタンが押下された場合に、水平チルト状態が解消されるものとして説明する。
【0079】
リアコントローラ22においてワンタッチ水平チルトボタンの押下が検知されると(S13の処理)、リアコントローラ22からRRディスプレイECU25に、ワンタッチ水平チルトボタンが押された旨を示す通知である、水平チルトボタンON通知が送られる(S14の処理)。なお、ワンタッチ水平チルトボタンは、FRディスプレイ24に設けられていてもよい。そして、RRディスプレイECU25は、RRディスプレイ26が水平チルト状態である場合に、水平チルトボタンON通知を受信すると、RRディスプレイ26に対して、RRディスプレイの水平チルト状態を解消するための指示である水平チルトOFF指示を送信する(S34の処理)。これ以降の処理は、図8と同じため説明を省略する。
【0080】
このようにして、ユーザがワンタッチ水平チルトボタンを押下することにより、自ら水平チルト状態を解消することができる。
【0081】
<第6実施形態>
本第6実施形態では、ユーザがFRシート1を最前状態から元に戻すためのボタン(ワンタッチシート復帰ボタン)を押してRRディスプレイ26の水平チルト状態を解消する処理について説明する。図12は、RRディスプレイ26を水平チルト状態から起こすときのシステム20の全体の処理を示すシーケンス図である。本シーケンス図の開始時には、RRディスプレイ26は水平チルト状態である。上記のシーケンス図と同じ処理には同じ符号を付して説明を省略する。
【0082】
リアコントローラ22において、ユーザがワンタッチシート復帰ボタンを押下すると(S71の処理)、シート復帰信号がリアコントローラ22からFRシートECU21及びRRディスプレイECU25へ送信される(S72の処理)。なお、ワンタッチシート復帰ボタンは、例えば、リアコントローラ22、FRシート1、または、FRディスプレイ24に設けることもでき、この場合、ワンタッチシート復帰ボタンが押下された装置からFRシートECU21及びRRディスプレイECU25にシート復帰信号が送信される。このボタンは物理的なボタンに限らず、画面に表示されたものであってもよい。
【0083】
FRシートECU21は、ヘッドレスト起立可通知を受信するまでは、FRシート1を移動させない。また、シート復帰信号を受信したRRディスプレイECU25は、RRディスプレイ26に対して、RRディスプレイの水平チルト状態を解消するための指示である水平チルトOFF指示を送信する(S34の処理)。以降のS42までの処理は、図8と同じため説明を省略する。
【0084】
そして、シート復帰信号及びヘッドレスト起立可通知を受信したFRシートECU21は、ワンタッチシート復帰処理を実行する(S73の処理)。このときには、最前状態になる前のシートポジションに戻される。最前状態になる前のシートポジションは、FRシートECU21のメモリ212に記憶されている。そして、FRシート1の移動を開始するとFRシートECU21は、リアコントローラ22、RRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26に、最前状態OFF通知を送信する(S33の処理)。
【0085】
以上説明したように本実施形態によれば、ユーザがワンタッチでFRシート1の状態を最前状態から復帰させるときに、水平チルト状態が解消するまではFRシート1を移動させないため、ヘッドレスト4がRRディスプレイ26に干渉することを抑制できる。
【0086】
<第7実施形態>
本第7実施形態では、FRシート1が通常状態であるときのチルト動作について説明する。図13は、FRシート1が通常状態であるときのシステム20の全体の処理を示すシーケンス図である。本シーケンス図の開始時には、FRシート1は、通常状態であり、RRディスプレイ26は起こされた状態である。
【0087】
リアコントローラ22において、ユーザがチルト操作をすると(S80の処理)、リアコントローラ22からRRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26にチルト動作指示が送信される(S81の処理)。チルト動作指示は、RRディスプレイ26をチルトさせる指示である。この指示には、チルトの方向に関する情報が含まれる。また、チルト範囲は、図1に示した範囲に制限される。そして、RRディスプレイ26では、ユーザの操作に従った方向にRRディスプレイ26をチルトさせる動作が実行される(S82の処理)。このときのチルト可能な範囲は、図1に示した範囲であり、第一範囲に相当する範囲である。したがって、RRディスプレイ26がチルトされる範囲は、ヘッドレスト4に干渉しない範囲に制限される。この制限は、最前状態通知(S12を参照)を受信するまで変わらない。
【0088】
また、リアコントローラ22において、ユーザがチルト操作を解除すると(S83の処理)、リアコントローラ22からRRディスプレイECU25、及び、RRディスプレイ26にチルト動作解除指示が送信される(S84の処理)。チルト動作解除指示は、RRディスプレイ26のチルト動作を停止させる指示である。そして、RRディスプレイ26では、RRディスプレイ26をチルトさせる動作を停止させる(S85の処理)。そして、RRディスプレイ26からステータス通知及びチルト状態通知がRRディスプレイECU25に送信される(S86及びS87の処理)。そして、チルト状態通知を受信したRRディスプレイECU25は、FRシートECU21及びリアコントローラ22にヘッドレスト起立可通知を送信する。すなわち、RRディスプレイ26は、図1に示した範囲に制限されているので、ヘッドレスト4を起立させても干渉することはない。
【0089】
以上説明したように、本実施形態によれば、通常状態であってもチルト操作におけるチルト範囲を制限しているため、RRディスプレイ26とヘッドレスト4とが干渉することを抑制できる。
【0090】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0091】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0092】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。例えば、FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRシートECU25、及び、RRディスプレイ26の各機能は、他の装置に含まれていてもよい。FRシートECU21、リアコントローラ22、RRシートECU23、FRディスプレイ24、RRシートECU25、及び、RRディスプレイ26を、全て設ける必要はない。
【0093】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0094】
1 FRシート
2 座面
3 背もたれ
4 ヘッドレスト
20 システム
21 FRシートECU
22 リアコントローラ
23 RRシートECU
24 FRディスプレイ
25 RRディスプレイECU
26 RRディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13