(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089846
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】トルソー
(51)【国際特許分類】
A47F 8/00 20060101AFI20230621BHJP
A47F 5/11 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
A47F8/00 Z
A47F5/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204599
(22)【出願日】2021-12-16
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】500367067
【氏名又は名称】株式会社カインズ
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】出口 三千代
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118GA02
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で性別に応じた体型の表現の再現性が高いトルソーを提供する。
【解決手段】腹芯部、腹芯部の上端に連続する胸芯部、および胸芯部の左右端から突出する一対の肩芯部を含み、立体形状を有する支持体3と、支持体3の前部を被覆可能なシート形状を有し、腹芯部の前方に配置される腹面形成部41と、腹面形成部41の上端に連続して形成され胸芯部の前方に配置される胸面形成部42と、胸面形成部42の左右端から突出して肩芯部を覆う肩面形成部43、43と、を有する外装シート4と、を備え、外装シート4は、外縁から肩面形成部43の頂部に向かって胸面形成部42と肩面形成部43、43との境界に沿って形成された一対の肩切込部431、431を有し、肩切込部431に沿って肩面形成部43側の貼付部434a、434bが胸面形成部42側の貼付部の背面に重ねて貼り付けられて肩部11が形成されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹芯部、前記腹芯部の上端に連続する胸芯部、および前記胸芯部の左右端から突出する一対の肩芯部を含み、立体形状を有する段ボール紙製の支持体と、
前記支持体の前部を被覆可能なシート形状を有し、前記腹芯部の少なくとも前方に配置される腹面形成部と、前記腹面形成部の上端に連続して形成され前記胸芯部の前方に配置される胸面形成部と、前記胸面形成部の左右端から左右方向に突出して形成され前記肩芯部を覆う肩面形成部と、を有する外装シートと、
を備え、
前記腹芯部の幅方向の長さは、前記胸芯部の幅方向の長さよりも短く、
前記胸芯部は、外方に突出して形成され、
前記外装シートは、前記外装シートの外縁から前記肩面形成部の頂部に向かって前記胸面形成部と前記肩面形成部との境界に沿って形成された一対の肩切込部を有し、
前記肩切込部に沿って前記肩面形成部側の貼付部が前記胸面形成部側の貼付部の背面に重ねて貼り付けられて肩部が形成され、
前記外装シートは、前記胸面形成部の上端部と、前記胸面形成部と前記腹面形成部との境界部との間において、前記胸芯部の前端部に沿って外方に突出し、
前記腹面形成部は、前記腹芯部の側面を覆って前記腹芯部の背面に貼り付けられることを特徴とする、トルソー。
【請求項2】
腹芯部、前記腹芯部の上方に位置する胸芯部、および前記胸芯部の左右端から突出する一対の肩芯部を含み、立体形状を有する段ボール紙製の支持体と、
前記支持体の前部を被覆可能なシート形状を有し、前記腹芯部の少なくとも前方に配置される腹面形成部と、前記腹面形成部の上端に連続して形成され前記胸芯部の前方に配置される胸面形成部と、前記胸面形成部の左右端から左右方向に突出して形成され前記肩芯部を覆う肩面形成部と、を有する外装シートと、
を備え、
前記支持体は、
前記胸芯部を形成する胸用部品に前記一対の肩芯部を形成する肩用部品を挿入することによって前記胸芯部と前記一対の肩芯部とが形成され、
前記一対の肩芯部は、前記胸芯部の高さ方向の略中間部に前記一対の肩芯部の突出端が位置するように傾斜して形成され、
前記胸面形成部は、高さ方向の略中間部に前方に突出する突部が形成され、
前記腹面形成部および前記胸面形成部の一部は、それぞれ前記腹芯部の側面を覆い、前記腹芯部の背面で両端部を貼り合わせて配置され、
前記肩面形成部は、前記肩面形成部の下端の一部が前記胸面形成部の表面に貼り合わされて肩部が形成されることを特徴とする、トルソー。
【請求項3】
前記支持体には、前記支持体と前記外装シートとの貼り付け位置を示す位置決め切込部が形成され、
前記支持体には、前記外装シートの貼り付け位置を示す位置決め部が印刷され、
前記外装シートには、前記支持体との貼り付け位置または前記腹面形成部および前記胸面形成部の一部の両端部の貼付位置を示すカット部が形成されている、
請求項1または2に記載のトルソー。
【請求項4】
前記外装シートは、ポリプロピレンが混合されたシート材により形成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のトルソー。
【請求項5】
前記腹面形成部には、前記腹面形成部と前記腹芯部または前記腹面形成部同士の少なくともいずれか一方を貼り合わせる腹面貼付タブが形成され、
前記胸面形成部は、前記胸面形成部と前記胸芯部または前記胸面形成部同士の少なくともいずれか一方を貼り合わせる胸面貼付タブが形成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のトルソー。
【請求項6】
前記支持体を起立させて支持する台座を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載のトルソー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルソーに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗で衣類を展示する際、頭、腕および脚を省略した人体模型の一種であるトルソーが用いられる場合がある。例えば、特許文献1には、段ボールで形成された芯部に多面構造からなる複数のパーツを取り付けたマネキン人形が開示されている。特許文献1に記載のマネキン人形では、複数の種類の芯部および各パーツを用意し、各性別の体型の特徴に応じて芯部および各パーツの組み合わせを選択してマネキン人形を形成している。
【0003】
この他、例えば、特許文献2には、1枚のプラスチックシートまたは硬質の硬い厚紙からなるボディ形成用パネル板から型抜きされたパネル板を筒状に折り曲げ、性別、用途に応じてパネル板に配置されたホックおよび係止片を所定の位置で係止させて肩部、胸部、背面部、胴部を形成するボディが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-30644号公報
【特許文献2】特許第3640919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたマネキン人形は、複数のパーツを用いて多面形状を形成しているため、人間の曲線的な身体の特徴に対する再現性が低い。特許文献1に開示されたマネキン人形は、特に、性別に応じた体型のラインの違いを表現することが困難である。
【0006】
上記の特許文献2に開示されたボディは、1枚のプラスチックシートまたは硬質の硬い厚紙からなるボディ形成用パネル板の弾力性、屈曲性により立体形状を保持している。
しかし、特許文献2に開示されたボディは、ボディの内部が空洞であり、支持構造を備えず、ボディのみで自身の形状を保持する構造であるため、重量のある衣服等による負荷が作用した際に形状を維持することが困難となる等、強度に問題がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で性別に応じた体型の表現の再現性が高いトルソーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るトルソーは、腹芯部、前記腹芯部の上端に連続する胸芯部、および前記胸芯部の左右端から突出する一対の肩芯部を含み、立体形状を有する段ボール紙製の支持体と、前記支持体の前部を被覆可能なシート形状を有し、前記腹芯部の少なくとも前方に配置される腹面形成部と、前記腹面形成部の上端に連続して形成され前記胸芯部の前方に配置される胸面形成部と、前記胸面形成部の左右端から左右方向に突出して形成され前記肩芯部を覆う肩面形成部と、を有する外装シートと、を備え、前記腹芯部の幅方向の長さは、前記胸芯部の幅方向の長さよりも短く、前記胸芯部は、外方に突出して形成され、前記外装シートは、前記外装シートの外縁から前記肩面形成部の頂部に向かって前記胸面形成部と前記肩面形成部との境界に沿って形成された一対の肩切込部を有し、前記肩切込部に沿って前記肩面形成部側の貼付部が前記胸面形成部側の貼付部の背面に重ねて貼り付けられて肩部が形成され、前記外装シートは、前記胸面形成部の上端部と、前記胸面形成部と前記腹面形成部との境界部との間において、前記胸芯部の前端部に沿って外方に突出し、前記腹面形成部は、前記腹芯部の側面を覆って前記腹芯部の背面に貼り付けられることを特徴とする。
【0009】
上記の構成により、トルソーは、シート形状の外装シートによって曲面を形成できるため、実際の男性の体型に近い体型のラインを再現性高く表現することができる。トルソーは、全体の骨組に相当する支持体を備えることで強度を高めることができる。トルソーは、支持体を形成する段ボール部材と1枚の外装シートにより形成できるため、少ない部品数で形成できる。
トルソーは、腹芯部の幅方向の長さが胸芯部の幅方向の長さよりも短く形成され、胸芯部が外方に突出して形成される構成により、男性の胸部から腹部にかけての体型をより的確に表現することができる。
トルソーは、肩切込部に沿って肩面形成部側の貼付部が胸面形成部側の貼付部の背面に重ねて貼り付けられて肩部が形成され、外装シートが胸面形成部の上端部と、胸面形成部と腹面形成部との境界部との間において胸芯部の前端部に沿って外方に突出している。この構成により、肩部から脇部および胸部にかけての体側部が外方に向かって張ったような形状である男性の体側部の特徴を再現性高く表現できる。
トルソーは、支持体の胸芯部が外方に突出して形成され、外装シートが胸面形成部の上端部と、胸面形成部と腹面形成部との境界部との間において、胸芯部の前端部に沿って外方に突出していることにより、胸部が前方に張ったような形状となることによって胸板に相当する部位が表現され、男性の胸部の特徴を再現性高く表現できる。
トルソーは、腹芯部の前方に腹面形成部が配置されることで、胸部から腹部にかけてのラインが曲線状に形成され、男性の腹部のラインの特徴を再現性高く表現できる。
トルソーは、外装シートの腹面形成部が腹芯部の前部と側部を被覆して腹芯部の背面に貼り付けられることで、男性の腹部周りの形状の特徴の再現性を高めることができる。
以上より、トルソーは、支持体への外装シートの取り付け方法と、トルソー成型時における上記の支持体および外装シートの形状とによって、男性の体型を高い再現性で表現することができる。
【0010】
本発明に係るトルソーは、腹芯部、前記腹芯部の上方に位置する胸芯部、および前記胸芯部の左右端から突出する一対の肩芯部を含み、立体形状を有する段ボール紙製の支持体と、前記支持体の前部を被覆可能なシート形状を有し、前記腹芯部の少なくとも前方に配置される腹面形成部と、前記腹面形成部の上端に連続して形成され前記胸芯部の前方に配置される胸面形成部と、前記胸面形成部の左右端から左右方向に突出して形成され前記肩芯部を覆う肩面形成部と、を有する外装シートと、を備え、前記支持体は、前記胸芯部を形成する胸用部品に前記一対の肩芯部を形成する肩用部品を挿入することによって前記胸芯部と前記一対の肩芯部とが形成され、前記一対の肩芯部は、前記胸芯部の高さ方向の略中間部に前記一対の肩芯部の突出端が位置するように傾斜して形成され、前記胸面形成部は、高さ方向の略中間部に前方に突出する突部が形成され、前記腹面形成部および前記胸面形成部の一部は、それぞれ前記腹芯部の側面を覆い、前記腹芯部の背面で両端部を貼り合わせて配置され、前記肩面形成部は、前記肩面形成部の下端の一部が前記胸面形成部の表面に貼り合わされて肩部が形成されることを特徴とする。
【0011】
上記の構成により、トルソーは、シート形状の外装シートによって曲面を形成できるため、実際の女性の体型に近い体型のラインを再現性高く表現することができる。トルソーは、全体の骨組に相当する支持体を備えることで強度を高めることができる。トルソーは、支持体を形成する段ボール部材と1枚の外装シートにより形成できるため、少ない部品数で形成できる。
トルソーは、一対の肩芯部が胸芯部の高さ方向の略中間部に一対の肩芯部の突出端が位置するように傾斜して形成されることによって、肩から腕にかけてのラインが下方になだらかに下がるような女性の肩部の特徴を再現性高く表現できる。
トルソーは、胸面形成部の高さ方向の略中間部において、前方に突出する突部が形成されることにより、胸部から腹部にかけてのラインや丸み等の女性の胸部から腹部にかけての体型の特徴を再現性高く表現できる。
トルソーは、外装シートの腹面形成部および胸面形成部の一部が腹芯部の側面を被覆し腹芯部の背面で両端部が貼り合わされる構成によって、女性の腹部周りの形状の特徴の再現性を高めることができる。
トルソーは、肩面形成部の下端の一部が胸面形成部の表面に貼り合わされて肩部が形成される構成により、肩から腕にかけてのラインが下方になだらかに下がり、肩幅が男性と比較して狭い女性の肩部の特徴を再現性高く表現できる。
以上より、女性型トルソーは、トルソー成型時における上記の支持体および外装シートの形状によって女性の体型を高い再現性で表現することができる。
【0012】
本発明に係るトルソーにおいて、前記支持体には、前記支持体と前記外装シートとの貼り付け位置を示す位置決め切込部が形成され、前記支持体には、前記外装シートの貼り付け位置を示す位置決め部が印刷され、前記外装シートには、前記支持体との貼り付け位置または前記腹面形成部および前記胸面形成部の一部の両端部の貼付位置を示すカット部が形成されていてもよい。
【0013】
上記の構成により、トルソーは、支持体に形成された位置決め切込部により、外装シートの支持体へのとの貼り付け位置がずれることなく適正な位置に貼り付けられるため、正確に成型できる。
トルソーは、支持体に印刷された位置決め部に合わせて外装シートの支持体への貼り付けを行うことによって、貼り付け位置がずれることなく支持体と外装シートとを貼り付けられるため、トルソーを正確に成型できる。
トルソーは、外装シートに形成されたカット部により、外装シートの支持体への貼り付けまたは外装シート同士の貼り付けを正確に行えるため、トルソーを正確に成型できる。また、トルソーは、トルソーの前部や側部等の外部から視認しやすい位置において、支持体に外装シートを貼り付ける位置または外装シート同士を貼り合わせる位置にカット部が形成されていても、カット部はトルソーの使用時においても目立ちにくい構成であるため目立ちにくく、トルソーの美観を高められる。
【0014】
本発明に係るトルソーにおいて、前記外装シートは、ポリプロピレンが混合されたシート材により形成されてもよい。
【0015】
上記の構成により、トルソーは、ポリプロピレンが混合されたシートと段ボール紙を組み合わせた構成となるため、取り付けられる衣服の重量等による耐荷重性をより高めることができる。また、男性型トルソーの外装シートは、ポリプロピレンが混合されているため、外装シートの破裂強度をより高めることができる。
【0016】
本発明に係るトルソーにおいて、前記腹面形成部には、前記腹面形成部と前記腹芯部または前記腹面形成部同士の少なくともいずれか一方を貼り合わせる腹面貼付タブが形成され、前記胸面形成部は、前記胸面形成部と前記胸芯部または前記胸面形成部同士の少なくともいずれか一方を貼り合わせる胸面貼付タブが形成されていてもよい。
【0017】
上記の構成により、トルソーは、腹面貼付タブおよび胸面貼付タブにより、外装シートと支持体との貼付位置または外装シート同士の貼付位置が案内されるため、トルソーを所定の形状に容易に組み立てられる。
【0018】
本発明に係るトルソーは、前記支持体を起立させて支持する台座を備えてもよい。
【0019】
上記の構成により、トルソーは、起立状態で安定支持される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡易な構成で性別に応じた体型の表現の再現性が高いトルソーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るトルソー(男性型トルソー)の正面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの背面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの支持体を構成する第一本体パーツの展開図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの支持体を構成する第二本体パーツの展開図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの支持体を構成する第三本体パーツの展開図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの支持体の正面図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの支持体の側面図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの支持体の背面図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの外装シートの展開図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る男性型トルソーの斜視図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係るトルソー(女性型トルソー)の正面図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの背面図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの支持体を構成する第一本体パーツの展開図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの支持体を構成する第二本体パーツの展開図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの支持体を構成する第三本体パーツの展開図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの支持体を構成する第四本体パーツの展開図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの支持体の正面図である。
【
図18】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの支持体の側面図である。
【
図19】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの支持体が起立した状態を示す背面図である。
【
図20】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの外装シートの展開図である。
【
図21】本発明の第2の実施形態に係る女性型トルソーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係るトルソー1について、
図1から
図10に基づいて説明する。トルソー1は、頭、腕および脚を省略した人体模型の一種である。トルソー1は、男性の体型を表現するトルソーである。以下、本実施形態におけるトルソー1を「男性型トルソー1」と記載する。
【0023】
図1および
図2に示すように、男性型トルソー1は、段ボール紙製の支持体3と、シート状の外装シート4と、を備える。男性型トルソー1は、複数の本体パーツを組み合わせて形成された支持体3に外装シート4を貼り付けることで形成される。以下、起立した状態の男性型トルソー1および支持体3の正面視における左右方向を「幅方向X」、正面視における奥行き方向を「前後方向Y」と記載する。幅方向Xおよび前後方向Yに直交する方向を「高さ方向Z」と記載する。
【0024】
支持体3は、腹芯部3aと、胸芯部3bと、一対の肩芯部3c、3cと、台座3dと、を備え、立体形状を有する。腹芯部3aは、台座3dの上端に連続する。胸芯部3bは、腹芯部3aの上端に連続する。一対の肩芯部3c、3cは、胸芯部3bの左右方向の両端部からそれぞれ突出する。支持体3は、
図3から
図5に示す第一本体パーツ31と、第二本体パーツ32と、第三本体パーツ33と、を所定の位置で折り曲げ、各パーツ31、32、33を組み合わせて形成される。
【0025】
図3から
図5および
図9に示す各本体パーツおよび外装シート4の展開図における左右方向を各本体パーツの「左右方向A」、上下方向を各本体パーツの「上下方向B」と記載する。
図3から
図5および
図9において、紙面中央から右側に向かう方向を右方向A1と記載し、紙面中央から左側に向かう方向を左方向A2と記載する。
図3から
図5および
図9において、紙面中央から上側に向かう方向を上方向B1と記載し、紙面中央から下側に向かう方向を下方向B2と記載する。
【0026】
図3に示すように、第一本体パーツ31は、第一形成部31aと、第二形成部31bと、を有する。
第一形成部31aは、左端部31cの上下方向Bの中間部に一定の間隔で左第一差込部311aと、左第二差込部311bと、左第三差込部311cと、が形成されている。第一形成部31aは、第一形成部31aと同様に右端部31dの上下方向Bの中間部に一定の間隔で右第一差込部311dと、右第二差込部311eと、右第三差込部311fと、が形成されている。
【0027】
左第一差込部311aと右第一差込部311dとは、第一本体パーツ31の左右方向Aの中心線を軸に略一致する寸法で対称配置される。左第二差込部311bと右第二差込部311eおよび左第三差込部311cと右第三差込部311fは、それぞれ左右方向Aの中心線を軸に略一致する寸法で対称配置される。
【0028】
左第三差込部311cの左端部は、円弧形状に切り欠かれた円弧部312aが形成されている。円弧部312aは、左第三差込部311cの左右方向Aの中間部から、左端部に向かって、左第三差込部311cの切り込みの上下方向Bの間隔が広くなるような円弧形状を有する。左第三差込部311cの上部の左端部は、切り欠かれた面取り部312bが形成されている。右第三差込部311fは、左右方向Aの中心線を軸に円弧部312aおよび面取り部312bと対称配置された円弧部312cおよび面取り部312dが形成されている。
【0029】
左第一差込部311aの左端は、上下両方向に切り欠かれた面取り部312eが形成され、左第一差込部311aの左端の開口が広げられている。右第一差込部311dは、左右方向Aの中心線を軸に面取り部312eと対称配置された面取り部312fが形成され、右第一差込部311dの端の開口が広げられている。
【0030】
第一形成部31aは、中央部に第四差込部311gが形成されている。第一形成部31aは、第四差込部311gと左右方向Aの両側の各差込部との間にそれぞれ折り曲げ線313a、313bが形成されている。折り曲げ線313a、313bは、第一形成部31aの上端31eから下端31fまで上下方向Bに延びる。
【0031】
第一形成部31aの左上隅部31gは、上端31eの左側端部31hから左第一差込部311aの開口位置までの間で複数の傾斜辺31iにより多角形状を有し、角部31j、31kが形成されている。第一形成部31aの右上隅部31mは、第一形成部31aと同様に上端31eの右側端部31nから右第一差込部311dの開口位置との間で複数の傾斜辺31iにより多角形状を有し、角部31j、31kが形成されている。
【0032】
第一形成部31aの左端部31cは、左第一差込部311aの開口位置から下端31fの左側端部31oに向かって左右方向Aの長さが狭まる方向に傾斜する。第一形成部31aの右端部31dは、右第一差込部311dの開口位置から下端31fの右側端部31pに向かって下端31fの長さが狭まる方向に傾斜する。左端部31cおよび右端部31dの傾斜角度は、例えば、左右方向Aの中心軸線に対して1°以上6°以下である。
【0033】
第一形成部31aにおいて、左方向A2側の折り曲げ線313aより左側の部分である左部314aと、右方向A1側の折り曲げ線313bより右側の部分である右部314bとは、左右の折り曲げ線313a、313b間の部分である中央部314cを挟んで対称形状を有する。
【0034】
第二形成部31bは、第一形成部31aの下端31fに連続する。第二形成部31bは、底面部315aと、台部315bと、差込部315cと、を備える。底面部315aの上端は下端31fに連続し、台部315bの上端部は底面部315aの下端部と連続し、差込部315cの上端部は台部315bの下端部と連続する。
【0035】
第二形成部31bは、第一形成部31aとの連続部31qの左右方向Aの中央部に第一形成部31a側に突出する切込部316aが形成されている。切込部316aは、第一形成部31aの下端部の左右方向Aの中央部で厚さ方向に線状に切り込まれている。
【0036】
連続部31qは、切込部316aと、左右の折り曲げ線313a、313bとの交差部317a、317bとの間にそれぞれ折り曲げ線313c、313dが形成されている。折り曲げ線313c、313dは左右方向Aに延びる。
【0037】
連続部31qは、連続部31qの左側端部317cと交差部317aとの間に切込部316bが形成されている。連続部31qは、連続部31qの右側端部317dと交差部317bとの間に切込部316cが形成されている。
【0038】
第二形成部31bは、左側端部317cおよび右側端部317dと連続する位置に切欠き31r、31rが形成されている。
【0039】
第二形成部31bは、底面部315aと台部315bとの連続部31sに台部315b側に凸状の楕円弧形状に切り込まれた切込部316dが形成されている。切込部316dの左右方向Aの両端部は、第二形成部31bの左右方向Aの両端部から離れている。第二形成部31bは、左右方向Aの両端部と、切込部316dの左右方向Aの両端部との間に左右方向に延びる折り曲げ線313e、313fがそれぞれ形成されている。
【0040】
折り曲げ線313c、313dと折り曲げ線313e、313fとの間の上下方向Bの長さは、左右方向Aにおける下端31fの左側端部31oと交差部317aとの間の左右方向Aの長さと右側端部31pと交差部317bとの間の左右方向Aの長さに略一致する。
【0041】
台部315bの左右方向Aの両端部は、折り曲げ線313eから折り曲げ線313gに向かって端部間の距離が狭まる方向に傾斜する傾斜部312g、312hが形成される。
【0042】
台部315bの上下方向Bの長さは、第一形成部31aの下端31fと左第三差込部311cおよび右第三差込部311fとの間の上下方向Bの長さと略一致する。
【0043】
第二形成部31bは、台部315bと差込部315cとの連続部に折り曲げ線313gが形成される。折り曲げ線313gは、第二形成部31bの左端から右端まで左右方向Aに延びる。
【0044】
差込部315cは、左突出部318aと中突出部318bと、右突出部318cと、を有する。差込部315cは、左突出部318aと中突出部318bとの間に下向きに開口する左第五差込部311hを備え、中突出部318bと右突出部318cとの間に下向きに開口する右第五差込部311iを備える。左第五差込部311hと右第五差込部311iは、左右方向Aの中心線を軸に略一致する寸法で対称配置される。中突出部318bは、左突出部318aおよび右突出部318cよりも多少長く突出する。差込部315cの左突出部318aおよび右突出部318cの外側部318d、318dは
図3における下端部が面取りされている。
【0045】
第一本体パーツ31は、一方の面319において、外装シート4との貼り付け位置を示す複数の位置決め部319aが印刷されている。位置決め部319aは、一方の面319に貼り付け位置を印刷した破線である。位置決め部319aは、一方の面319において第四差込部311gの下方に印刷される。位置決め部319aは、対向する一対のタブ形状の図形が破線で印刷されている。一方の面319は、印刷面である。
【0046】
第一本体パーツ31は、支持体3と外装シート4との貼り付け位置を示す位置決め切込部319bが形成されている。位置決め切込部319bは、十字状の切れ目である。位置決め切込部319bは、台部315bの左右方向Aの中央部の折り曲げ線313gに近接する位置に形成される。
【0047】
第一本体パーツ31は、一方の面319において、支持体3の組立手順を示す複数の第一手順指示部319cが印刷されている。第一手順指示部319cは、第一形成部31aおよび第二形成部31bに形成された各差込部に近接する位置に各差込部への差込順を示す数字を印刷したものである。第一手順指示部319cは、各差込部の差込先が分かるような表現を採用する。本実施形態では、差し込みにより嵌合する差込部同士に同じ番号を印刷している。
【0048】
第一本体パーツ31は、一方の面319において、外装シート4の貼り付け手順を示す複数の第二手順指示部319dが印刷されている。第二手順指示部319dは、外装シート4を支持体3に貼り付ける際の貼り付け手順を示す数字を印刷したものである。第二手順指示部319dは、位置決め部319aおよび位置決め切込部319bに近接する位置にそれぞれ印刷されている。
【0049】
第一手順指示部319cと第二手順指示部319dとは、両者の違いを明確にするデザインを印刷してもよい。本実施形態において、第一手順指示部319cは、丸数字で示し、第二手順指示部319dは、白抜き四角数字で示し、重複しない数字を印刷している。なお、それぞれの手順支持部のデザインは、第一手順指示部319cと第二手順指示部319dとの違いが明確にすることができればよい。例えば、一方をアルファベットで表示し、他方を数字で表現してもよいし、両者の色を変えて表示してもよい。
【0050】
第一本体パーツ31は、一方の面319において第一本体パーツ31であることを示す目印319eが印刷されている。目印319eは、第四差込部311gの上方に配置されている。目印319eは、丸アルファベットで表現されている。なお、目印319eのデザインは、第一本体パーツ31であることを明示できればよい。例えば、第一手順指示部319cおよび第二手順指示部319dと重複しないデザインの図形および数字で示してもよい。
【0051】
第一本体パーツ31は、折り曲げ線313a、313b、313c、313d、313f、313gの位置でいずれも
図3における山折り方向に折り曲げ可能である。
【0052】
図4に示すように、第二本体パーツ32は、左突出部321aと、中突出部321bと、右突出部321cと、を有する。第二本体パーツ32は、左突出部321aと中突出部321bとの間に突出端部側に開口する左差込部322aを備え、中突出部321bと右突出部321cとの間に突出端部側に開口する右差込部322bを備える。左差込部322aと右差込部322bは、中心線を軸に略一致する寸法で対称配置される。中突出部321bは、左突出部321aおよび右突出部321cよりも多少長く突出する。第二本体パーツ32の左突出部321aおよび右突出部321cの外側部321dは、
図4における上端部が面取りされている。
【0053】
第二本体パーツ32は、一方の面323において、左差込部322aおよび右差込部322bに近接する位置に第一手順指示部319cに対応する第一手順指示部323aと、第二本体パーツ32であることを示す目印323bが印刷されている。第一手順指示部323aおよび目印323bは、第一本体パーツ31における第一手順指示部319cおよび目印319eと同様のデザインで表現される。一方の面323は、印刷面である。
【0054】
図5に示すように、第三本体パーツ33は、第一形成部33aと、第二形成部33bと、第三形成部33cと、第四形成部33dと、を有する。
【0055】
第一形成部33aは、左突出部331aと、中突出部331bと、右突出部331cと、を有する。第一形成部33aは、左突出部331aと中突出部331bとの間に突出端部側に開口する左差込部332aを備え、中突出部331bと右突出部331cとの間に突出端部側に開口する右差込部332bを備える。左差込部332aと右差込部332bは、左右方向Aの中心線を軸に略一致する寸法で対称配置されている。中突出部331bは、左突出部331aおよび右突出部331cよりも多少長く突出する。左突出部331aおよび右突出部331cの外側部331dは、
図5における上端部が面取りされている。
【0056】
第二形成部33bは、第一形成部33aの下端部に連続する。第二形成部33bと第一形成部33aとの連続部33eは、左端から右端まで左右方向Aに折り曲げ線333aが形成されている。
【0057】
第二形成部33bは、折り曲げ線333aから下方向B2に離れた位置に、第二形成部33bの左端から右端まで左右方向Aに折り曲げ線333bが形成されている。上下方向Bにおける折り曲げ線333aと折り曲げ線333bとの間の距離は、第一本体パーツ31の左第一差込部311aの開口位置から左部314aの角部31kまでの距離および右第一差込部311dの開口位置から右部314bの角部31kまでの距離に略一致する。
【0058】
第二形成部33bは、折り曲げ線333bから下方向B2に離れた位置に、第二形成部33bの左端から右端まで左右方向Aに折り曲げ線333cが形成されている。上下方向Bにおける折り曲げ線333bと折り曲げ線333cとの間の距離は、第一本体パーツ31の左部314aの角部31kから角部31jまでの距離および右部314bの角部31kから角部31jまでの距離に略一致する。
【0059】
第二形成部33bは、折り曲げ線333bと折り曲げ線333cとの間の左右方向Aの両端部の折り曲げ線333c側において、各端部の中間部から折り曲げ線333cに向かって左右方向Aの幅長が広がる方向に延びる傾斜部334a、334bが形成される。
【0060】
第二形成部33bは、折り曲げ線333cから下方向B2に離れた位置に折り曲げ線333dが形成される。折り曲げ線333dは、第二形成部33bの左端と後述する第三形成部33cの左端との間に左右方向Aに形成されている。第二形成部33bは、第二形成部33bの右端と第三形成部33cの右端との間に左右方向Aに折り曲げ線333eが形成される。上下方向Bにおける折り曲げ線333cと折り曲げ線333d、333eとの間の距離は、第一本体パーツ31の左部314aの角部31jから上端31eの左側端部31hまでの距離および右部314bの角部31jから上端31eの右側端部31nまでの距離に略一致する。
【0061】
第二形成部33bは、突出部33fを備える。突出部33fは、折り曲げ線333cと折り曲げ線333dとの間において、折り曲げ線333c側を底辺に含む略逆三角形状に形成され、両端部が左右方向Aに突出している。突出部33fの左右方向Aの両端部はそれぞれ面取りされている。
【0062】
第二形成部33bと第四形成部33dとの連続部33gは、左端と後述する第三形成部33cの左端との間に左右方向に折り曲げ線333fが形成され、右端と第三形成部33cの右端との間に左右方向Aに折り曲げ線333gが形成されている。
【0063】
第三形成部33cは、連続部33gと折り曲げ線333cとの間に設けられ、連続部33gから第二形成部33b側に角丸長方形状に突出する形状を有する。第三形成部33cは、第四形成部33dとの連続部33hを除いて角丸長方形状に切り取られた切込部335が形成される。切込部335は、突出部33fの上下方向Bの中間部まで延びる。第三形成部33cは、折り曲げ線333d、333eと折り曲げ線333f、333gとの間の折り曲げ線333f、333g寄りの位置の第三形成部33cの左端から右端まで左右方向Aに折り曲げ線333hが形成される。
【0064】
第四形成部33dは、第一背部336aと、第二背部336bと、差込部336cと、を有する。第一背部336aは、連続部33g、33hを介して第二形成部33bおよび第三形成部33cの下端と連続する。第二背部336bは、第一背部336aの下端と連続する。差込部336cは、第二背部336bの下端と連続する。
【0065】
第一背部336aは、連続部33gの左端33iおよび右端33jから第一背部336aの外方に延びる略扇形状で形成されている。第二背部336bは、第一背部336aの円弧部の中央から下向きに延びる略矩形形状で形成され、差込部336c側の左右方向Aの両端が面取りされている。差込部336cは、第二背部336bの下端から下向きに突出するタブ形状を有する。第二背部336bと差込部336cとの境界部は、左右方向Aに折り曲げ線333iが形成されている。
【0066】
第二形成部33bにおいて、折り曲げ線333d、333eと折り曲げ線333g、333hとの間の上下方向Bの距離は、第一本体パーツ31の上端31eの左側端部31hから上端31eと折り曲げ線313aとの交差部317eまでの左右方向Aの距離および上端31eの右側端部31nから上端31eと折り曲げ線313bとの交差部317fまでの左右方向Aの距離に略一致する。
【0067】
連続部33hから第二背部336bの下端までの上下方向Bの長さは、第一本体パーツ31の上端31eから第四差込部311gまでの上下方向Bの長さに略一致する。差込部336cの左右方向Aの最大長さは、第一本体パーツ31の第四差込部311gの左右方向Aの開口長さに略一致する。
【0068】
第三本体パーツ33は、折り曲げ線333a、333b、333c、333d、333f、333g、333h、333iの形成位置でいずれも
図5における山折り方向に折り曲げ可能である。
【0069】
第四形成部33dは、一方の面337において、外装シート4との貼り付け位置を示す位置決め部337aが印刷されている。位置決め部337aは、第一背部336aの略扇形状の傾斜部334c、334dの下部と、第二背部336bの中央部と、にそれぞれ印刷されている。位置決め部337aは、第一本体パーツ31の位置決め部319aに対応する。位置決め部337aは、位置決め部319aと同様のデザインで表現される。一方の面337は、印刷面である。
【0070】
第一形成部33aおよび第四形成部33dは、一方の面337において、第一本体パーツ31および第二本体パーツ32の第一手順指示部319c、323aに対応する第一手順指示部337bが印刷されている。第一手順指示部337bは、第一形成部33aの左突出部331aおよび右突出部331cの先端と、第四形成部33dの差込部336cの中央部にそれぞれ印刷されている。第一手順指示部337bは、第一本体パーツ31および第二本体パーツ32の第一手順指示部319c、323aと同様のデザインで印刷されている。
【0071】
第四形成部33dは、一方の面337において、第一本体パーツ31の第二手順指示部319dに対応する第二手順指示部337cが印刷されている。第二手順指示部337cは、第四形成部33dの各位置決め部337aに近接する位置にそれぞれ印刷されている。第二手順指示部337cは、第一本体パーツ31の第二手順指示部319dと同様のデザインで印刷されている。
【0072】
第四形成部33dは、一方の面337において、中央部に第三本体パーツ33であることを示す目印337dが印刷されている。目印337dは、第一背部336aの中央部に印刷され、第一本体パーツ31および第二本体パーツ32の目印319e、323bと同様のデザインで印刷される。
【0073】
第一本体パーツ31、第二本体パーツ32および第三本体パーツ33は、それぞれ左右方向Aの中心線を軸として対称となるように形成される。第一本体パーツ31、第二本体パーツ32および第三本体パーツ33は、1枚の段ボール紙により形成されている。第一本体パーツ31および第三本体パーツ33に形成される各折り曲げ線のうち、折り曲げ線313a、313bは、公知のミシン線により形成されている。
【0074】
図6から
図8を参照しながら支持体3の組立方法について以下に説明する。支持体3の組立は、各パーツの一方の面319、323、337にそれぞれ印刷された第一手順指示部319c、323a、337bの数字に従って行う。先ず、第一本体パーツ31の一方の面319を下向き(載置面を向く方向)に配置し、左部314aおよび右部314bが中央部314cに対して垂直となる位置まで折り曲げ線313a、313bを山折りとなる方向に折り曲げ、折り曲げ線313a、313bに沿って折り目をつける。折り曲げ線313a、313bに沿って折り目をつけることで左部314aおよび右部314bが中央部314cに対して垂直に起立可能となる。
【0075】
左部314aおよび右部314bを中央部314cに対して垂直に起立させた状態で、第二本体パーツ32を第一本体パーツ31に取り付ける。第二本体パーツ32は、上端31e側に一方の面323が向いた状態に配置し、左差込部322aおよび右差込部322bを右第二差込部311eおよび左第二差込部311bに沿わせて第一本体パーツ31に差し込む。第二本体パーツ32の差し込みは、各差込部の奥端部が当接する深さまで行う。
【0076】
底面部315aを押さえながら第一本体パーツ31を折り曲げ線313c、313dに沿って山折り方向に折り曲げ、第一形成部31aを第二形成部31b側に起こして起立させる。第一形成部31aを起立させた後、第二形成部31bを折り曲げ線313e、313f、313gに沿って山折り方向に順次折り曲げて折り目を付ける。
【0077】
第二形成部31bに折り目をつけた後に、第二形成部31bを折り曲げ線313e、313f、313gに沿って折り曲げ、左第五差込部311hおよび右第五差込部311iを左第三差込部311cおよび右第三差込部311fに沿わせて差込部315cを差し込む。差込部315cの差し込みは、第二本体パーツ32と同様に各差込部の奥端部が当接する深さまで行う。上記の手順により、台座3dが形成される。
【0078】
第一本体パーツ31の左第一差込部311aおよび右第一差込部311dに第三本体パーツ33の第一形成部33aの左差込部332aおよび右差込部332bを一方の面337を下向きに配置した状態で差し込む。第一形成部33aの差し込みは、第二本体パーツ32および差込部315cと同様に各差込部の奥端部が当接する深さまで行う。
【0079】
第一形成部33aを第一本体パーツ31に差し込んだ後、第三本体パーツ33を折り曲げ線333aに沿って山折り方向に折り曲げる。第三本体パーツ33を折り曲げ線333aに沿って折り曲げた後、折り曲げ線333bを左上隅部31gおよび右上隅部31mの角部31j、31jに沿って折り曲げ、角部31j、31j上に当接させる。第三本体パーツ33を折り曲げ線333bに沿って折り曲げた後、折り曲げ線333cを左上隅部31gおよび右上隅部31mの角部31k、31kに沿って折り曲げ、角部31k、31k上に当接させる。第三本体パーツ33を折り曲げ線333cに沿って折り曲げた後、左側端部31hおよび右側端部31n上に配置された折り曲げ線333d、333eに沿って第三本体パーツ33を折り曲げ、折り曲げ線333d、333eと連続部33gを左側端部31hおよび右側端部31n上に当接させる。
【0080】
第三本体パーツ33を折り曲げ線333d、333eに沿って折り曲げた後、折り曲げ線333d、333eと折り曲げ線333f、333gとの間に位置する第二形成部33bを第一本体パーツ31の上端31e上に当接させる。第三本体パーツ33は、折り曲げ線333a、333bと上端31eとの交差部317e、317f上に配置された折り曲げ線333f、333gに沿って山折り方向に折り曲げられる。第三本体パーツ33は、折り曲げ線333f、333gに沿う折り曲げによって、折り曲げ線333f、333gが上端31eに接触した位置で、第四形成部33dが折り曲げ線333f、333gからZ方向下向きに略90度折り曲げられ、第四形成部33dが中央部314c上に当接するように配置される。第三本体パーツ33の第二形成部33bは、第一本体パーツ31の第一形成部31a上に配置され、第三本体パーツ33の第四形成部33dは中央部314c上に配置される。
【0081】
第三形成部33cは、第三本体パーツ33の折り曲げ線333d、333eに沿う折り曲げによって、切込部335から切り抜かれ上端31e上に当接するように配置され、折り曲げ線333f、333gに沿う折り曲げによって、第四形成部33dと折曲がらずに連続し、上端31eに対してZ方向上向きに略90度立ち上がった状態で上方に延設されている。
【0082】
第四形成部33dを中央部314c上に配置した後、第四形成部33dを折り曲げ線333iに沿って山折り方向に折り曲げ、差込部336cを第四差込部311gに差し込む。差込部336cの差し込みは、第二背部336bの差込部336cと連続しない下端部336dが中央部314cに当接するまで行う。
【0083】
差込部336cを第四差込部311gに差し込んだ後、第三形成部33cを折り曲げ線333hに沿って山折り方向に略90度折り曲げる。第三形成部33cは、折り曲げ線333hに沿う折り曲げによって、折り曲げ線333hから先端側の部位を第一本体パーツ31の上端31e上に配置する。
【0084】
上記により、男性型トルソー1の支持体3が形成される。支持体3の腹芯部3aは、第一形成部31aの左端部31cおよび右端部31dにより前部が形成される。腹芯部3aは、第一形成部31aの中央部314cの下端31fと第四差込部311gとの間の部位31tにより背部が形成される。第一形成部31aの中央部314cは、腹芯部3aの背部に沿ってZ方向に延びる。
【0085】
支持体3の胸芯部3bは、第一本体パーツ31の左上隅部31g、右上隅部31m上に配置された第三本体パーツ33の第二形成部33bの折り曲げ線333aから折り曲げ線333d、333eまでの部位33kにより前部が形成される。胸芯部3bは、第三本体パーツ33の第一背部336aと第二背部336bにより背部が形成される。
【0086】
支持体3の一対の肩芯部3c、3cは、それぞれ突出部33fと第一背部336aの幅方向Xの両側に突出する略扇形状の突出部336e、336eにより形成される。
【0087】
支持体3の台座3dは、第一本体パーツ31の第一形成部31aに第二形成部31bを折り込んで差し込むことにより形成される。台座3dは、設置面F上に設置され、支持体3を起立させて台座3dの上方に位置する構成物を支持する。
【0088】
以下の説明において、男性型トルソー1が設置面F上に載置された状態で、腹芯部3a、胸芯部3bおよび肩芯部3cの前部が形成される側を前部3eと記載し、腹芯部3a、胸芯部3b、肩芯部3cの背部が形成される側を背部3fと記載する。
【0089】
台座3dは、前方突出部3gと後方突出部3hを有する。前方突出部3gは、第一本体パーツ31の第二形成部31bの底面部315aと台部315bが切込部316dで離間することによって底面部315aの弧状の下先端が前後方向Yの前部3e側に突出する。後方突出部3hは、第二形成部31bの底面部315aが第一本体パーツ31の第一形成部31aから切込部316aで離間することによって底面部315aの角丸長方形状の上先端が前後方向Yの背部3f側に突出して後方突出部3hが形成される。台座3dは、支持体3を起立させて支持することができれば底面部315aの設置面Fとの接地面積を支持体3の大きさに応じて変更してもよい。
【0090】
台座3dの上端(折り曲げ線313g)の幅方向Xの長さは、腹芯部3a(中央部314c)の幅方向Xの長さよりも長く、腹芯部3aは台座3dに対して垂直に起立するため、台座3dによって、各パーツの支持をより安定させることができる。
【0091】
胸芯部3bの前部は、第一形成部31aの左上隅部31gおよび右上隅部31mの上方に配置される第二形成部33bが角部31j、31kにより外方に突出して形成される。
【0092】
支持体3は、第一本体パーツ31と、第三本体パーツ33の第二形成部33bおよび第一背部336aにより、胸芯部3bの幅方向Xの長さが腹芯部3aの幅方向Xの長さよりも長く形成される。支持体3は、背部3fにおいて、第三本体パーツ33の第一背部336aおよび第二背部336bが第一本体パーツ31の中央部314c上に配置されるため、第一本体パーツ31に対して第三本体パーツ33が前後方向Yの背部3f側に突出している。第一背部336aおよび第二背部336bは、支持体3の突出部336eとなる。
【0093】
支持体3は、段ボール紙製の複数のパーツを各折り曲げ部に沿う折り曲げと各差込部同士の差し込みによって組み合わせることで接着剤等の接続具を要することなく形成される。支持体3は、簡易な構成でありながら、男性の肩部から腹部にかけての体型の特徴を表現する。
【0094】
図9に示すように、外装シート4は、腹面形成部41と、胸面形成部42と、一対の肩面形成部43、43と、を備える。外装シート4は、折り目を付けることなく曲面を形成可能なシート形状を有する。胸面形成部42は腹面形成部41の上端に連続して形成され、一対の肩面形成部43、43は胸面形成部42の左右方向Aの両端からそれぞれ右方向A1、左方向A2に突出して形成される。
【0095】
外装シート4は、ポリプロピレンを混合させた紙材(以下、「PP紙」と記載する。)により形成されている。外装シート4は、曲線や丸みを表現可能な所望の変形性と破れ等の破損に対する耐久性が得られればPP紙に限定されない。PP紙以外の外装シート4の材質としては、例えば布、ゴム、プラスチック、PET樹脂等が挙げられる。
【0096】
腹面形成部41は、被覆部411と第一腹面貼付タブ412aと二対の第二腹面貼付タブ412b、412bと、を有する。第一腹面貼付タブ412aは、被覆部411の下端411aの中央部から下方向B2に突出して形成されている。第二腹面貼付タブ412bは、被覆部411の左端411bおよび右端411cからそれぞれ右方向A1および左方向A2に各対の一方が突出して形成されている。左端411bおよび右端411cにそれぞれ設けられる第二腹面貼付タブ412b、412bは、左端411bおよび右端411cに沿って離れた位置に形成されている。
【0097】
第一腹面貼付タブ412aは、略矩形形状に形成され、下端41aの中央に支持体3と外装シート4との貼り付け位置を示すカット部413が形成されている(以下、カット部413を「切欠部413」と記載する。)。切欠部413は、三角形状の切れ込みで形成されている。
【0098】
被覆部411は、左右方向Aに長い略矩形状に形成される。被覆部411の下端411aは左右方向Aに延びる。被覆部411は胸面形成部42との連続部4aの左右方向Aの両端から左端411bおよび右端411cに向かって下方に傾斜する傾斜部411d、411dを有する。第一腹面貼付タブ412aおよび第二腹面貼付タブ412bは、外装シート4の一方の面4bにおいて、それぞれ両面テープ414が貼付されている。
【0099】
胸面形成部42は、被覆部421と、一対の胸面貼付タブ422a、422aと、を有する。被覆部421は、連続部4aを介して被覆部411と連続し、左右方向Aの両端の連続部4c、4dから一対の肩面形成部43、43が傾斜部411dと略一致する向きで突出している。
【0100】
被覆部421は、連続部4aに向かって左右方向Aの長さが小さくなる方向に傾斜する形状を有する。被覆部421は、連続部4c、4dの下端と傾斜部411d、411dの連続部4a側の端部との間において、外装シート4の中心軸方向に円弧状に突出する湾曲部4e、4eを有する。
【0101】
胸面形成部42は、上端42aの中央部に下向きに湾曲する形状で切り取られた首部挿通部423が形成されている。首部挿通部423の切り取り形状は、第三本体パーツ33の第三形成部33cの切り取り形状に略一致する。
【0102】
一対の胸面貼付タブ422a、422aは、首部挿通部423を挟んで上端42aの左右方向Aの両端から上方向B1に突出して形成される。一対の胸面貼付タブ422a、422aの一方の面4bは、両面テープ424が貼付されている。胸面貼付タブ422aと首部挿通部423との間の距離は、第三本体パーツ33の折り曲げ線333f、333gの左右方向Aの長さに略一致する。
【0103】
一対の肩面形成部43、43は、共通の構成を有する。以下、一方の肩面形成部43の構成について記載する。肩面形成部43は、胸面形成部42の左右方向Aの両端部との境界に沿って肩切込部431が形成される。肩切込部431は、上肩切込部431aおよび下肩切込部431bを有する。上肩切込部431aは、肩面形成部43の外縁43aの上端43bから肩面形成部43の胸面形成部42側の頂部43cに向かって切り込まれている。下肩切込部431bは、外縁43aの下端43dから頂部43cに向かって切り込まれている。上肩切込部431aおよび下肩切込部431bは、肩面形成部43の中央部432の上下方向両側に位置している。上肩切込部431aおよび下肩切込部431bは、頂部43cを挟んで離間し、略対称となる形状を有する。
【0104】
肩面形成部43の上端43bは直線状に形成されている。肩面形成部43は、肩面形成部43と湾曲部4eとの交差部4gから下端43dに向かって下向きに多少突出している。肩面形成部43は、上端43bの傾きと傾斜部411dの傾きが略一致するように形成されている。
【0105】
肩面形成部43は、一方の面4bの反対側の他方の面4fにおいて、肩切込部431に近接する位置に外装シート4との貼り付け位置を示す切れ目であるカット部433が形成されている。以下、カット部433を切目部433と記載する。切目部433は、上肩切込部431aの軌跡と略一致する上切目部433aと下肩切込部431bの軌跡と略一致する下切目部433bを有する。切目部433は、支持体3の位置決め部319aおよび位置決め部337aと同様のデザインで外装シート4に印刷された構成としてもよい。
【0106】
肩面形成部43は、他方の面4fにおいて、上肩切込部431aと上切目部433aとの間の上貼付部434aの上端43bに近接する位置に上両面テープ435aが貼付されている。肩面形成部43は、下肩切込部431bと下切目部433bとの間の下貼付部434bの下端43d近接する位置に下両面テープ435bが貼付されている。
【0107】
図1から
図2および
図9から
図10を参照しながら男性型トルソー1の支持体3への外装シート4の取り付け方法について説明する。外装シート4は、各本体パーツ31、32、33を組み合わせて支持体3を形成した後、支持体3に取り付ける。支持体3への外装シート4の取り付けは、第一本体パーツ31および第三本体パーツ33の一方の面319、337にそれぞれ印刷された第二手順指示部319d、337cの数字に従って行う。
【0108】
先ず、外装シート4を
図9の向きで支持体3の前部3e上に配置させる。外装シート4は、一対の胸面貼付タブ422a、422aを支持体3の背部3f側に配置し、第一背部336aの左右端に印刷されている一対の位置決め部337a、337aにそれぞれの胸面貼付タブ422aの縁部を合わせて両面テープ424で貼り付ける。一対の胸面貼付タブ422a、422aの貼り付け位置は、支持体3の胸芯部3bの背面である。
【0109】
一対の胸面貼付タブ422a、422aを貼り付けた後、外装シート4の切欠部413の位置と支持体3の位置決め切込部319bの位置を合わせる。具体的には、位置決め切込部319bの左右方向の切れ目と第一腹面貼付タブ412aの下端41aを合わせ、位置決め切込部319bの上下方向の切れ目の上端を切欠部413の三角形状の頂部に合わせる。
【0110】
切欠部413の位置と位置決め切込部319bの位置を合わせた後、外装シート4の第一腹面貼付タブ412aを第二形成部31bの台部315bに両面テープ414で貼り付ける。第一腹面貼付タブ412aの貼り付け位置は、支持体3の腹芯部3aの前面である。
【0111】
第一腹面貼付タブ412aを貼り付けた後、腹面形成部41の左部41bと右部41cを支持体3の背部3f側に配置する。外装シート4は、二対の第二腹面貼付タブ412b、412bをそれぞれ第一形成部31aの中央部314cに印刷されている一対の位置決め部319a、319aと、第二背部336bの中央部に印刷されている一対の位置決め部337a、337aに合わせて両面テープ414で貼り付ける。二対の第二腹面貼付タブ412b、412bの貼り付け位置は、支持体3の腹芯部3aの背面である。
【0112】
上記の手順により、支持体3に外装シート4が取り付けられる。外装シート4の一方の面4bは背面4bとなり、他方の面4fは表面4fとなる。二対の第二腹面貼付タブ412b、412bを貼り付けた後、肩面形成部43の上貼付部434aを背面4b側に移動させ、上肩切込部431aと上切目部433aを位置合わせする。上貼付部434aの表面4fと胸面形成部42の背面4bを重ね合わせて上両面テープ435aで貼り付ける。肩面形成部43の下貼付部434bについても同様に背面4b側に移動させ、下肩切込部431bと下切目部433bの位置を合わせ、下貼付部434bの表面4fと胸面形成部42の背面4bを重ね合わせて下両面テープ435bで貼り付ける。上記の作業を一対の肩面形成部43、43の両方において実施する。
【0113】
上記の手順により、胸面形成部42の背面4bと一対の肩面形成部43、43の表面4fとが貼り合わされ、男性型トルソー1の肩部11が形成される。肩部11は、例えば正面視で水平に対して23°以上29°以下下方に傾斜する。
【0114】
第三本体パーツ33の第一背部336aの傾斜部334c、334dの傾斜角度は、傾斜部334c、334dの上方に配置される外装シート4の肩面形成部43の傾斜角度よりも大きい。そのため、男性型トルソー1において、傾斜部334c、334dは肩面形成部43の上端よりも下方に位置する。傾斜部334c、334dは、例えば左右方向Bに対して32°以上38°以下下方に傾斜する。
【0115】
男性型トルソー1は、首部品5を備える。首部品5は一方向の辺5aの長さが第三形成部33cの切込部335の曲線部の全長と略一致する長方形状で形成される。首部品5は、外装シート4と同様にPP紙により形成される。
【0116】
男性型トルソー1は、折り曲げ線333f、333gに沿った第三本体パーツ33の折り曲げによって第三形成部33cの形状に略一致する首部挿通穴3iが形成されている。外装シート4の胸面形成部42に形成される首部挿通部423の形状は、首部挿通穴3iの形状と略一致する。そのため、所望の位置で外装シート4を支持体3に取り付けた男性型トルソー1は、外装シート4の上端に首部挿通穴3iが形成されている。
【0117】
男性型トルソー1は、首部品5を一方向の辺5aが首部挿通穴3iに対向する向きで首部挿通穴3iの縁部の形状に合わせて丸め、首部挿通穴3iに辺5aの他方辺5bを半分程度差し込む。
【0118】
男性型トルソー1は、支持体3の上方に向かって延びる第三形成部33cを首部挿通穴3iに向かって折り曲げ線333hに沿って折り曲げ、首部品5の厚みに略一致する幅を有する首部挿通溝3jが形成される。
【0119】
男性型トルソー1は、折り曲げ線333hに沿って折り曲げた第三形成部33cを押さえながら首部品5を首部品5の曲面から平面に戻る方向の弾性挙動により首部挿通溝3jに取り付けられるまで首部品5を首部挿通溝3jに差し込み、首部1aが形成される。
【0120】
上記の手順により、男性型トルソー1が形成され支持体3の前部3eが被覆される。男性型トルソー1において、外装シート4の腹面形成部41は、左部41bおよび右部41cが支持体3の腹芯部3aの側部を被覆し、中央部41dが腹芯部3aの前方に配置される。胸面形成部42は、支持体3の胸芯部3bの前方に配置される。一対の肩面形成部43、43は、支持体3の一対の肩芯部3c、3cの上方に配置されて肩部11を形成し、一対の肩芯部3c、3cを被覆する。
【0121】
外装シート4は、胸面形成部42の上端42aと胸面形成部42と腹面形成部41との連続部4aとの間において、胸芯部3bの前端面3kに形成される第一本体パーツ31の左上隅部31gおよび右上隅部31mによる突出形状に沿って外方に突出している。
【0122】
次に、上述した本発明の実施形態による男性型トルソー1の作用効果について説明する。
【0123】
男性型トルソー1は、腹芯部3a、胸芯部3bおよび一対の肩芯部3c、3cを有する段ボール紙製の支持体3の前部3eをシート形状の外装シート4が被覆するように外装シート4を取り付けることにより形成される。支持体3の胸芯部3bは、前部が第一形成部31aの左上隅部31gおよび右上隅部31mの上方に配置される第二形成部33bが角部31j、31kにより外方に突出して形成される。支持体3は、第一本体パーツ31と、第三本体パーツ33の第二形成部33bおよび第一背部336aにより、胸芯部3bの幅方向Xの長さが腹芯部3aの幅方向Xの長さよりも長く形成される。
【0124】
外装シート4は、腹面形成部41が支持体3の前方に配置され、支持体3の胸芯部3bの前方に胸面形成部42が配置され、支持体3の一対の肩芯部3c、3cを覆うように一対の肩面形成部43、43が形成されている。外装シート4の腹面形成部41は、左部41bおよび右部41cが腹芯部3aの側部を被覆し、中央部41dが腹芯部3aの前方に配置され、左部41bおよび右部41cの両端が腹芯部3aの背部3f側に貼り付けられる。外装シート4は、胸面形成部42の上端42aと胸面形成部42と腹面形成部41との連続部4aとの間において、胸芯部3bの前端面3kに形成される第一本体パーツ31の左上隅部31gおよび右上隅部31mによる突出形状に沿って外方に突出している。外装シート4は、一対の肩面形成部43、43の両方において、外縁43aの上端43bから肩面形成部43の胸面形成部42側の頂部43cに向かって形成される上肩切込部431aと、外縁43aの下端43dから頂部43cに向かって形成される下肩切込部431bとからなる肩切込部431を備える。男性型トルソー1は、一対の肩面形成部43、43の両方において、上貼付部434a、下貼付部434bを胸面形成部42の背面4b側に移動させ、上肩切込部431aと上切目部433aの位置および下肩切込部431bと下切目部433bの位置をそれぞれ合わせる。その後、上貼付部434a、下貼付部434bの表面4fと胸面形成部42の背面4bを重ね合わせて上両面テープ435a、下両面テープ435bで貼り付けることにより、肩部11が形成される。
【0125】
上記の構成により、男性型トルソー1は、シート形状の外装シート4によって曲面を形成できるため、表面に不要な角部がなく、実際の男性の体型に近い体型のラインを再現性高く表現することができる。男性型トルソー1は、全体の骨組に相当する支持体3を備えることで強度を高めることができる。男性型トルソー1は、支持体3を形成する段ボール部材と1枚の外装シート4により形成できるため、少ない部品数で形成できる。
男性型トルソー1は、胸芯部3bの幅方向Xの長さが腹芯部3aの該長さよりも長く形成される構成により、男性の胸部および腹部を明確に区別し、男性の上半身の体型をより正確に表現できる。
男性型トルソー1は、一対の肩面形成部43、43において、上肩切込部431a、下肩切込部431bに沿って上貼付部434a、下貼付部434bの表面4fと胸面形成部42の背面4bを重ね合わせて貼り付けることによって肩部11が形成される。また、男性型トルソー1は、胸面形成部42が上端42aと連続部4aとの間において、胸芯部3bの前端面3kに沿って外方に突出している。上記の構成により、肩部11の奥行方向の中央部が立ち上がるように形成される。また、胸面形成部42が前方に張ったような形状となるため、男性の胸板に相当する部位が表現され、男性の胸部の特徴を再現性高く表現できる。以上より、肩部の中央部が盛り上がった形状で肩部が奥行き方向に張り、脇部から胸部、腹部にかけての体側部が下向きに狭まる方向に張ったような形状を表現できるため、男性の体側部の肩から腕にかけてのラインの特徴を再現性高く表現できる。
男性型トルソー1は、腹面形成部41により腹芯部3aの前部と側部を被覆することで、男性の腹部周りの形状の特徴を再現性高く形成できる。また、トルソーの展示時において主に視認される部位を曲面で表現できるため、トルソーの美観を向上できる。また、男性型トルソー1は、腹芯部3aの前方に曲面状の腹面形成部41が配置されることで、胸部から腹部にかけてのラインが平面状の凹凸がない形状である腹部の特徴を再現性高く表現できる。
以上より、男性型トルソー1は、支持体3への外装シート4の取り付け方法と、トルソー成型時における上記の支持体3および外装シート4の形状と、によって男性の体型の特徴を再現性高く表現することができる。
【0126】
上記の構成により、男性型トルソー1の外装シート4は、軽量で強度および破れ耐性に優れるPP紙により形成されるため、取り付けられる衣服の重量等による外力に対する強度や外装シート4を破る方向に作用する外力に対する強度をより高めることができる。外装シート4は、加力して曲げることで容易に曲面を形成することが可能であるため、男性型トルソー1は、支持体3に沿って支持体3の前部3eを外装シート4で被覆することで、実際の男性に近い体型を容易に表現できる。男性型トルソー1は、段ボール紙製の骨組となる支持体3とPP紙で形成された外装シート4とを組み合わせた構成とすることで、従来多く用いられる樹脂製トルソーよりも低コストで製作できる。
【0127】
男性型トルソー1は、支持体3の第一本体パーツ31の台部315bに十字状の切れ目の位置決め切込部319bが形成されている。男性型トルソー1は、第一本体パーツ31に位置決め部319aが印刷され、第三本体パーツ33に位置決め部337aが印刷されている。男性型トルソー1は、外装シート4の第一腹面貼付タブ412aの下端41aの中央に三角形状の切れ込みの位置決め切欠部413が形成され、一対の肩面形成部43、43にそれぞれ切目部433、433が形成されている。
【0128】
上記の構成により、男性型トルソー1は、位置決め切込部319bと切欠部413の位置を合わせて支持体3と外装シート4を貼り付けることによって、貼り付け位置がずれることなく支持体3と外装シート4を容易に貼り付けることができる。
男性型トルソー1は、位置決め部319a、337aに沿って支持体3と外装シート4が貼り合わされることにより、支持体3と外装シート4との貼り合わせを行う位置が明確となるため、正確な位置に容易に貼り付けることができる。
男性型トルソー1は、切目部433によって胸面形成部42と肩面形成部43との貼り合わせを正確な位置で行うことができる。
以上より、男性型トルソー1は、各部位における貼り合わせ作業を正確かつ容易に実施できるため、組立作業者に依らず、品質が高い完成品が得られる。また、男性型トルソー1は、トルソーの展示時において外部から視認しやすい前部に設けられている位置決め切込部319b、切欠部413および切目部433が目立ちにくい構成により形成されているため目立ちにくく、トルソーの美観を向上できる。また、簡易な切れ込みや切り欠き、切れ目に従ってトルソーを成型できる。
【0129】
男性型トルソー1は、外装シート4において、支持体3との貼付位置として腹面形成部41の下端に第一腹面貼付タブ412aが形成され、腹面形成部41の左右端に複数の第二腹面貼付タブ412bが形成され、胸面形成部42の上端に胸面貼付タブ422aが形成されている。
【0130】
上記の構成により、男性型トルソー1は、支持体3と外装シート4との貼付位置が明確となるため、外装シート4の貼付位置がずれることなく男性型トルソー1を所定の形状に容易に組み立てられる。男性型トルソー1は、外装シート4の貼付位置が正確な位置となるため、より美観に優れた形状に組み立てられる。
【0131】
男性型トルソー1は、支持体3の第一本体パーツ31の第二形成部31bを折り曲げることで形成される台座3dにより、設置面Fに対して起立して設置され、設置面F上に安定配置される。上記の構成により、男性型トルソー1は、設置面Fに対して起立状態で安定支持される。台座3dは、第二形成部31bを折り曲げることで形成できるため、新たな部品を追加することなく第一本体パーツ31のみで容易に形成できる。
【0132】
男性型トルソー1は、首部品5を首部挿通穴3iに向かって第三本体パーツ33の第三形成部33cを折り曲げ線333hに沿って略直角に折り曲げることで形成される首部挿通溝3jに挿通することにより形成される首部1aを有する。上記の構成により、男性型トルソー1は男性の首部を表現できるため、男性の体型をより詳細に表現できる。男性型トルソー1は、首部1aを有することにより、男性型トルソー1に衣服を着させたときに、着衣位置のずれの発生を防止し、所望の位置で衣服を保持できる。
【0133】
男性型トルソー1は、段ボール紙製の各本体パーツと、シート形状の外装シート4により形成されるため、軽量化でき、容易に運搬や設置行うことができる。男性型トルソー1は、各本体パーツの各差込部への差し込みと各折り曲げ線に沿う折り曲げのみの簡易な作業により支持体3を形成できる。また、外装シート4は両面テープ414、424の貼り付けにより支持体3に取り付けられる。そのため、男性型トルソー1は接着剤等の他の工具を要することなく形成することができる。
【0134】
男性型トルソー1は、支持体3の背部3f等の使用時において外部から視認されない位置に印刷により形成される各位置決め部、各第一手順指示部、各第二手順指示部および各目印が形成される。上記の構成により、男性型トルソー1は、使用時において各位置決め部、各第一手順指示部、各第二手順指示部および各目印が外部から視認されないため、使用時の外観を損なわない。
【0135】
男性型トルソー1は、使用時において視認されない背部3fや台座3dについては、外装シート4で被覆していない構成であるため、上記の部位を被覆する構成を省略することができ、部品数を削減できるため、容易に組み立てられる。
【0136】
男性型トルソー1は、背部3fに二対の腹面貼付タブ412b、412bが貼り付けられることで、背部3fに直接外装シート4が貼り付けられる構成を有するため、胸部や腹部から胸側部、腹側部、腰部に向かうラインを滑らかに表現できる。男性型トルソー1は、腹面形成部41が胸側部、腹側部に巻き付けられる構成であるため、腹部周りが張るような男性の側部の体型の特徴を再現性高く表現できる。
【0137】
男性型トルソー1は、底面部315aの奥行き方向前後に前方突出部3g、後方突出部3hが形成されるため、設置面Fとの接地面積を一方向に拡大できるため、設置面Fとの接地面積を全方向にげることなく台座3dの上方の構成をより安定して支持できる。
【0138】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態に係るトルソー2について、
図11から
図21に基づいて説明する。トルソー2は、女性の体型を表現するトルソーである。以下、本実施形態におけるトルソー2を「女性型トルソー2」と記載する。本実施形態において上述した男性型トルソー1と対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0139】
図11および
図12に示すように、女性型トルソー2は、男性型トルソー1と同様に、段ボール紙製の複数の本体パーツを組み合わせて形成された支持体3と、シート状の外装シート4と、を備え、支持体3に外装シート4を貼り付けることで形成される。支持体3は、
図13から
図16に示す第一本体パーツ31と、第二本体パーツ32と、第三本体パーツ33と、第四本体パーツ34と、を所定の位置で折り曲げ、各パーツ31、32、33、34を組み合わせて形成される。
【0140】
図13に示すように、第一本体パーツ31の第一形成部31aに形成される左第一差込部311aおよび右第一差込部311dは、それぞれ左端部31cおよび右端部31dにおいて、上端31eから下方向B2に離れた位置に形成されている。左第二差込部311bおよび右第二差込部311eは、それぞれ左第一差込部311aおよび右第一差込部311dから下方向B2に離れて形成されている。左第三差込部311cおよび右第三差込部311fは、それぞれ左第二差込部311bおよび右第二差込部311eから下方向B2に離れて形成されている。左第二差込部311bと左第三差込部311cとの間および右第二差込部311eと右第三差込部311fとの間の上下方向Bの距離は、ともに左第一差込部311aと左第二差込部311bとの間および右第一差込部311dと右第二差込部311eとの間の上下方向Bの距離よりも長い。左端部31cに形成される各差込部と右端部31dに形成される各差込部は、左右方向Aの中心線を軸に略一致する寸法で対称配置される。
【0141】
左第一差込部311aの左端の上側は、切り欠かれた面取り部312iが形成されている。左第一差込部311aの左端において、上側の開口端が下側の開口端よりも右方向A1側に位置する。右第一差込部311dは、左右方向Aの中心線を軸に面取り部312iと対称となる面取り部312jが形成されている。右第二差込部311eの右端において、上側の開口端が下側の開口端よりも左方向A2側に位置する。
【0142】
左第二差込部311bの左端は、上下両方向に切り欠かれた面取り部312kが形成され、左第二差込部311bの左端の開口端が広げられている。右第二差込部311eは、左右方向Aの中心線を軸に面取り部312kと対称となる面取り部312mが形成され、右第二差込部311eの右端の開口端が広げられている。
【0143】
第一形成部31aは、交差部317eから左側端部31hに向かって下方に傾斜する傾斜部312nと、交差部317fから右側端部31nに向かって下方に傾斜する傾斜部312oと、を有する。第一形成部31aは、左側端部31hと面取り部312iとの間に傾斜辺31iが形成される。第一形成部31aは、右側端部31nと面取り部312jとの間に傾斜辺31iが形成される。第一形成部31aの上部は、左側端部31hから下方向B2に延びる左第六差込部311jと、右側端部31nから下方向B2に延びる右第六差込部311kとが形成されている。左第六差込部311jと右第六差込部311kとは、左右方向Aの中心線を軸に略一致する寸法で対称配置される。
【0144】
第一形成部31aの左端部31cは、左第一差込部311aと左第二差込部311bとの間の左第一差込部311a寄りの位置に左方向A2に向かって弧状に突出する突出部31uが形成されている。左端部31cは、突出部31uの左第二差込部311b側の端部から下端31fの左側端部31hに向かって左右方向Aの長さが狭まる方向に傾斜している。
【0145】
第一形成部31aの右端部31dは、右第一差込部311dと右第二差込部311eとの間の右第一差込部311d寄りの位置に右方向A1に向かって弧状に突出する突出部31vが形成される。右端部31dは、突出部31vの右第二差込部311e側の端部から下端31fの右側端部31nに向かって左右方向Aの長さが狭まる方向に傾斜している。左端部31cおよび右端部31dの傾斜角度は、例えば、左右方向Aの中心軸線に対して5°以上11°以下であり、男性型トルソー1の該角度よりも大きい角度で形成される。
【0146】
左第三差込部311cと右第三差込部311fとの左右方向Aの距離は、左端部31cおよび右端部31dの傾斜角度により、男性型トルソー1の該距離よりも小さい。左第三差込部311cおよび右第三差込部311fの差し込み長さについても同様に男性型トルソー1の該差込部の差し込み長さよりも短く形成されている。
【0147】
第二形成部31bの差込部315cの左突出部318aおよび右突出部318cの外側部318d、318dは、それぞれ左右方向Aに突出する円弧形状に形成されている。
【0148】
第一本体パーツ31は、第一形成部31aに位置決め部319aが印刷されていない。第一本体パーツ31は、第二形成部31bに位置決め切込部319bが形成されていない。第一本体パーツ31は、第二手順指示部319dが印刷されていない。第一本体パーツ31は、一方の面319において、左第六差込部311jに近接する位置と右第六差込部311kに近接する位置にそれぞれ第一手順指示部319cが印刷されている。中央部314cに印刷されている目印319eは、第四差込部311gの下方に配置されている。
【0149】
図14に示すように、第二本体パーツ32は、左突出部321aおよび右突出部321cの外側部321d、321dは、それぞれ左右方向Aに突出する円弧形状に形成されている。第二本体パーツ32の左差込部322aおよび右差込部322bの差し込み長さは、左第二差込部311bと右第二差込部311eとの間の長さに応じて男性型トルソー1の該差込部の差し込み長さよりも短く形成されている。
【0150】
図15に示すように、第三本体パーツ33は、第一形成部33aと、第二形成部33bと、第三形成部33cと、第四形成部33dと、を有する。
【0151】
第一形成部33aは、第二本体パーツ32と同様に、左突出部331aおよび右突出部331cの外側部331d、331dが、それぞれ左右方向Aに突出する円弧形状に形成されている。第一形成部33aの左差込部332aおよび右差込部332bの差し込み長さは、左第一差込部311aと右第一差込部311dとの間の長さに応じて男性型トルソー1の該差込部の差し込み長さよりも短く形成されている。
【0152】
第二形成部33bは、折り曲げ線333b、333cが形成されていない。第二形成部33bは、折り曲げ線333aと折り曲げ線333d、333eとの間において、左右方向Aの両端が外方に突出する三角形状に形成された突出部33mを有する。突出部33mの左右方向Aの両側の三角形状の頂部33n、33nはそれぞれ面取りされている。突出部33mの上下方向Bの長さは、第一本体パーツ31の左側端部31hから左第一差込部311aまでの長さおよび右側端部31nから右第一差込部311dまでの長さに略一致する。折り曲げ線333d、333eと折り曲げ線333f、333gとの間の上下方向Bの距離は、傾斜部312n、312oの長さと略一致する。
【0153】
第三形成部33cに備えられる切込部335は、折り曲げ線333f、333gと頂部33n、33nとの間まで上方に延びて形成されている。
【0154】
第四形成部33dの第一背部336aは、連続部33g、33hと第二背部336bとの間において、左右方向Aの両端が外方に突出する台形状に形成されている。第一背部336aの左右方向Aの両端の台形形状の頂部336f、336fは第二背部336b寄りに形成されている。第四形成部33dの第二背部336bは、第一背部336aとの連続部から差込部336cに向かって左右方向Aの長さが狭まる方向に傾斜する。第二背部336bは、左右方向Aの辺の長さが男性型トルソー1の対応する辺の長さよりも長く形成され、上下方向Bの辺の長さが男性型トルソー1の対応する辺の長さよりも短く形成される。
【0155】
折り曲げ線333d、333eと折り曲げ線333g、333hとの間の上下方向Bの長さは、第一本体パーツ31の上端31eの傾斜部312n、312oの長さと略一致する。差込部336cの左右方向Aの最大長さは、第一本体パーツ31の第四差込部311gの左右方向Aの長さに略一致する。
【0156】
第四形成部33dの第一背部336aに印刷される位置決め部337a、337aは、折り曲げ線333fと切込部335との交差部付近と、折り曲げ線333gと切込部335との交差部付近からそれぞれ第一背部336aに印刷された目印337dに向かって多少延設され、延設先端からそれぞれ左右両端の頂部336f、336fに向かって延びる形状で印刷されている。第二背部336bは、位置決め部337aおよび第二手順指示部337cが印刷されていない。
【0157】
図16に示すように、第四本体パーツ34は、左突出部341aと中央部341bと右突出部341cとを有する。第四本体パーツ34は、左右方向Aの中心線を軸に対称となる形状に形成される。左突出部341aは、左方向A2に略三角形状に突出する突出部342aと突出部342aの下端から下方向B2に延びる略矩形状の突起343aとを備える。右突出部341cは、右方向A1に略三角形状に突出する突出部342bと突出部342bの下端から下方向B2に延びる略矩形状の突起343bとを備える。突出部342a、342bの左右方向Aの頂部344a、344bは面取りされている。突出部342a、342bは、上下方向Bの頂部に直線部345a、345bが形成されている。
【0158】
中央部341bは、略矩形状に形成され、中央部341bの上部341dと左突出部341aおよび右突出部341cの上下方向Bの中間部が接続されている。中央部341b、突起343aおよび突起343bの下端の高さは略一致する。
【0159】
第四本体パーツ34は、突起343aの下端と中央部341bの下端との間に下向きに開口する左差込部346aと、中央部341bの下端と突起343bの下端との間に下向きに開口する右差込部346bとを備える。左差込部346aと右差込部346bの長さは略一致する。左差込部346aおよび右差込部346bの開口端部は面取りされ左右方向Aに広げられ形成される。
【0160】
第四本体パーツ34は、一方の面347において、左差込部346aおよび右差込部346bに近接する位置に第一手順指示部319cに対応する第一手順指示部347aがそれぞれ印刷され、中央部341bの中央に第四本体パーツ34であることを明示する目印347bが印刷されている。第一手順指示部347aおよび目印347bは、各本体パーツにおける第一手順指示部および明示部と同様のデザインで印刷される。一方の面347は、印刷面である。
【0161】
図17から
図19を参照しながら支持体3の組立方法について以下に説明する。先ず、男性型トルソー1と同様の方法により、第一本体パーツ31を折り曲げて第二本体パーツ32を取り付け、第一形成部31aを垂直に起立させ、第二形成部31bを折り曲げて第一形成部31aに差し込み、台座3dが形成される。
【0162】
台座3dを形成した後、第一本体パーツ31の右第六差込部311kおよび左第六差込部311jに第四本体パーツ34の左差込部346aおよび右差込部346bを一方の面347が傾斜辺31i側に向く方向で差し込む。第四本体パーツ34の差し込みは、第二本体パーツ32および差込部315cと同様に各差込部の奥端部が当接する深さまで行う。第四本体パーツ34は、側面視で面取り部312i、312mと第三本体パーツ33の第四形成部33dとの間の第四形成部33d寄りの位置に配置される。
【0163】
第四本体パーツ34を第一本体パーツ31に差し込んだ後、第三本体パーツ33を折り曲げ線333aに沿って山折り方向に折り曲げる。第三本体パーツ33を折り曲げ線333aに沿って折り曲げた後、突出部33mを傾斜辺31i、31i上に当接配置させる。
【0164】
第三本体パーツ33を折り曲げ線333aに沿って折り曲げた後、左側端部31hおよび右側端部31n上に配置された折り曲げ線333d、333eに沿って第三本体パーツ33を折り曲げ、折り曲げ線333d、333eと折り曲げ線333f、333gとの間に位置する第二形成部33bを傾斜部312n、312o上に配置させる。
【0165】
第三本体パーツ33を折り曲げ線333d、333eに沿って折り曲げた後、男性型トルソー1と同様に、第三本体パーツ33を折り曲げ線333f、333gに沿って折り曲げる。第三本体パーツ33は、折り曲げ線333f、333gが上端31eに接触した位置で、第四形成部33dが折り曲げ線333f、333gからZ方向下向きに略90度折り曲げられ、中央部314c上に当接するように配置される。第四形成部33dを中央部314c上に配置させた後、折り曲げ線333iを折り曲げ、差込部336cを第四差込部311gに差し込む。
【0166】
第三形成部33cは、男性型トルソー1と同様に、第三本体パーツ33の折り曲げ線333d、333eに沿う折り曲げによって、切込部335から切り抜かれ、上端31eに対して略90度上方に延設され配置される。折り曲げ線333gを折り曲げ、上端31eに対して上方に略90度立ち上がった状態で上方に延設され配置される。
【0167】
上記により、女性型トルソー2の支持体3が形成される。支持体3の腹芯部3aの前部は、第一形成部31aの突出部31u、31vにより、腹芯部3aの上端で前後方向Yの前方側に突出する。腹芯部3aの前部は、左端部31cおよび右端部31dの下端31fが狭まる方向の傾斜により、腹芯部3aの上端である突出部31u、31vから腹芯部3aの下端に向かって前後方向Yの長さが狭まる方向に傾斜する。
【0168】
支持体3の胸芯部3bは、第一本体パーツ31の交差部317eから左第一差込部311aおよび交差部317fから右第一差込部311dまでの上部に配置された第三本体パーツ33の第二形成部33bにより前部が形成される。胸芯部3bは、第三本体パーツ33の第一背部336aと第二背部336bにより背部が形成される。
【0169】
支持体3の一対の肩芯部3c、3cは、第四本体パーツ34の頂部344a、344bが、第三本体パーツ33の突出部33mの頂部33n、33nおよび第一背部336aの頂部336f、336fよりも幅方向Xの外方に突出するように形成されている。支持体3は、第四本体パーツ34の突出部342a、342bの上辺342c、342dの傾斜角度が、第三本体パーツ33の突出部33mの三角形状の上辺の傾斜角度および第一背部336aの上方の突出箇所の傾斜角度に相当する台形形状の上側部の傾斜角度よりも小さくなるように形成されている。
【0170】
支持体3の一対の肩芯部3c、3cは、突出部33mと、第一背部336aと、突出部342a、342bとにより形成される。一対の肩芯部3c、3cの頂部33n、33n、頂部336f、336f、および頂部344a、344bは、いずれも胸芯部3bの高さ方向Zの略中間部に位置する。また、一対の肩芯部3c、3cの突出端は第四本体パーツ34の頂部344a、344bとなる。
【0171】
支持体3の台座3dは、男性型トルソー1と同様に、設置面F上に設置され、支持体3を起立させて台座3dの上方に位置する構成物を支持する。台座3dは、男性型トルソー1と同様に、前後方向Yの前部3e側に突出する前方突出部3gと、前後方向Yの背部3f側に突出する後方突出部3hが形成される。台座3dは、支持体3を起立させて支持することができれば底面部315aの設置面Fとの接地面積を支持体3の大きさに応じて変更してもよい。
【0172】
支持体3は、第一本体パーツ31の外側部318d、318dの円弧形状により、差込部315cの幅方向Xの突出長さが男性型トルソー1の対応箇所の長さよりも長く形成されている。支持体3は、第二本体パーツ32の外側部321d、321dの円弧形状により、幅方向Xの突出長さが男性型トルソー1の対応箇所の長さよりも長く形成されている。支持体3は、第三本体パーツ33の外側部331d、331dの円弧形状により、第一形成部33aの幅方向Xの突出長さが男性型トルソー1の対応箇所の長さよりも長く形成されている。
【0173】
胸芯部3bの前部は、第一形成部31aの傾斜辺31i、31iおよび傾斜部312n、312oの上方に配置される第二形成部33bが傾斜辺31i、31iおよび傾斜部312n、312oの形状により平滑に形成される。
【0174】
上記により、支持体3は、段ボール紙製の複数の本体パーツを各折り曲げ線に沿う折り曲げと各差込部同士の差し込みによって組み合わせることで接着剤等の接続具を要することなく形成される。支持体3は、簡易な構成でありながら、女性の肩部から腹部にかけての体型の特徴を表現する。
【0175】
図20に示すように、外装シート4は、男性型トルソー1と同様に、腹面形成部41と、胸面形成部42と、一対の肩面形成部43、43と、を備え、シート形状を有するPP紙で形成される。
【0176】
腹面形成部41は、被覆部411と、腹面貼付タブ412cと、を有する。被覆部411は、左右方向Aに長い略矩形状に形成される。被覆部411の左端411bおよび右端411cは、上端411eから下端411aに向かって被覆部411の左右方向Aの長さが短くなる向きに傾斜する。
【0177】
被覆部411は、左部41bの左端411bに近接する上部と下部にそれぞれカット部415a、415bが形成される。以下、カット部415a、415bを切込部415a、415bと記載する。切込部415a、415bは、腹面貼付タブ412cの被覆部411との連続部の上下方向の角部41e、41eの形状に略一致するカギ型形状に形成される。
【0178】
腹面貼付タブ412cは、被覆部411の右端411cの中央部から右方向A1に突出して形成される。腹面貼付タブ412cは、略矩形形状に形成される。腹面貼付タブ412cは、外装シート4の一方の面4b側に両面テープ414が貼付されている。
【0179】
胸面形成部42は、腹面形成部41の上端と連続する下胸面形成部42bと、下胸面形成部42bの上端と連続し左右端で一対の肩面形成部43、43と連続する上胸面形成部42cと、を備える。
【0180】
下胸面形成部42bは、被覆部425aと、第一胸面貼付タブ422bと、を有する。被覆部411は、左右方向に長い略矩形状に形成される。腹面形成部41と下胸面形成部42bは、中央部4hにおいて連続し、腹面形成部41の左部41bと下胸面形成部42bの左部42dは離間している。同様に、腹面形成部41の右部41cと下胸面形成部42bの右部42eは離間している。
【0181】
下胸面形成部42bは、第一胸面貼付タブ422bを備える。第一胸面貼付タブ422bは、被覆部425aの右端425bの中央部から右方に突出して形成される。第一胸面貼付タブ422bは、略矩形形状に形成される。第一胸面貼付タブ422bは、外装シート4の一方の面4b側に両面テープ424が貼付されている。
【0182】
被覆部425aは、左部42dの左端425cの上部と下部にそれぞれカット部426a、426bが形成されている。以下、カット部426a、426bを切込部426a、426bと記載する。切込部426a、426bは、切込部415a、415bと同様に、第一胸面貼付タブ422bの被覆部425との連続部の上下方向の角部42f、42fの形状に略一致するカギ型形状に形成されている。
【0183】
下胸面形成部42bは、左部42dに左部41bに対して他方の面4f側から重複し、下方に突出する左下突出部42gを有する。下胸面形成部42bは、右部42eに右部41cに対して他方の面4f側から重複し、下方に突出する右下突出部42hを有する。左下突出部42gおよび右下突出部42hは、曲線で形成されている。下胸面形成部42bの上端は上向きに突出する曲線で形成されている。
【0184】
下胸面形成部42bの左部42dおよび右部42eは、腹面形成部41の左部41bおよび右部41cよりもそれぞれ左方および右方に突出するように形成されている。
【0185】
上胸面形成部42cは、被覆部425aと、一対の第二胸面貼付タブ422c、422cと、を有する。一対の第二胸面貼付タブ422c、422cは、首部挿通部423を挟んで上端42aの左右方向Aの両端から外装シート4の左右方向Aに対して13°以上19°以下下方に傾斜しかつ上方に突出して形成されている。
【0186】
一対の第二胸面貼付タブ422c、422cは、一方の面4b側に両面テープ424が貼付されている。第二胸面貼付タブ422cと首部挿通部423との間の長さは、第三本体パーツ33の折り曲げ線333f、333gの左右方向の長さに略一致する。
【0187】
一対の肩面形成部43、43は、共通の構成を有する。以下、一方の肩面形成部43の構成について記載する。肩面形成部43は、近接する第二胸面貼付タブ422cの対向端422dから肩面形成部43の外側先端部436aに向かって左右方向Aの外方に突出する円弧形状の肩袖部437が形成される。
【0188】
肩面形成部43の外縁部は、外側先端部436aから外側先端部436aを通る肩袖部437の円弧形状の接線と略垂直方向に上胸面形成部42c側に位置する内側内端部436bまで延び、下切込部431cにより内側内端部436bと上胸面形成部42cとが離間している。下切込部431cは、内側内端部436bから上胸面形成部42cと肩面形成部43との境界の中央付近まで直線状に形成される。
【0189】
肩面形成部43は、他方の面4f側において、内側内端部436bに近接する位置に両面テープ435cが貼付されている。肩面形成部43は、切目部433が形成されていない。
【0190】
上胸面形成部42cは、下切込部431cの下端に左右方向に近接する位置に、近接する肩面形成部43側に開口するカギ型形状のカット部426c、426dが形成されている。以下、カット部426c、426dを切込部426c、426dと記載する。
【0191】
図11から
図12および
図20から
図21を参照しながら女性型トルソー2の支持体3への外装シート4の取り付け方法について説明する。支持体3への外装シート4の取り付けは、第三本体パーツ33の一方の面337に印刷された第二手順指示部337cの数字に従って行う。
【0192】
先ず、外装シート4を
図20に示す向きで支持体3の前部3e上に配置させる。外装シート4は、一対の第二胸面貼付タブ422c、422cを支持体3の背部3f側に配置し、第一背部336aの左右端に印刷されている一対の位置決め部337a、337aにそれぞれの第二胸面貼付タブ422cの縁部を合わせて両面テープ424で貼り付ける。一対の第二胸面貼付タブ422c、422cの貼り付け位置は、支持体3の胸芯部3bの背面である。上記の手順により、支持体3に外装シート4が取り付けられる。外装シート4の一方の面4bは背面4b、他方の面4fは表面4fである。
【0193】
一対の第二胸面貼付タブ422c、422cを貼り付けた後、腹面形成部41の左部41bと右部41cを支持体3の背部3f側に配置し、切込部415a、415bに角部41e、41eの位置を合わせる。上記の状態で腹面貼付タブ412cを左部41bの表面4f側に両面テープ414で貼り付け、腹芯部3aの外周において腹面形成部41を筒状に形成する。
【0194】
腹面形成部41の左右部を貼り合わせた後、下胸面形成部42bの左部42dと右部42eを支持体3の背部3f側に配置し、切込部426a、426bに角部42f、42fの位置を合わせる。上記の状態で第一胸面貼付タブ422bを左部42dの表面4f側に両面テープ424で貼り付け、腹芯部3aの外周において下胸面形成部42bを筒状に形成する。
【0195】
下胸面形成部42bは、第二胸面貼付タブ422c、422cを第一背部336aに貼り付けた時点において、左下突出部42gおよび右下突出部42hが第一背部336aの下端よりも上方に配置されている。下胸面形成部42bは、左部42dと右部42eを背部3fにおいて第二背部336bと中央部314cとの境界付近の位置で貼り合わせるため、左部42dおよび右部42eが支持体3の両側部において下向きに傾斜して配置される。左部42dおよび右部42eが上記の構成を有することにより、支持体3の前部3eにおいて下胸面形成部42bは、
図20における左下突出部42gの中央部4hに連続する右方向A1側端部と右下突出部42hの中央部4hに連続する左方向A2側端部が前方に突出することで、突部4i、4jが形成される。腹面形成部41は、上端の一部が左下突出部42gと右下突出部42hと展開時において重複しているため、突部4i、4jは、腹面形成部41と下胸面形成部42bとの境界に隙間等が生じることなく形成される。
【0196】
下胸面形成部42bの左右部を貼り合わせた後、肩面形成部43の下切込部431cを表面4f上で上胸面形成部42c側に移動させる。肩面形成部43は、上胸面形成部42c側への移動により、上胸面形成部42cの胸芯部3bに沿う曲面に沿うように中央部が表面4f側に突出して変形する。肩面形成部43は、近接する切込部426cの角部に内側内端部436bの位置を合致させて下切込部431cを切込部426cに合わせ、肩面形成部43の背面4bと上胸面形成部42cの表面4fを重ね合わせて両面テープ435cで上胸面形成部42cに貼り付ける。上記の手順を一対の肩面形成部43の両方において実施し、上胸面形成部42cに一対の肩面形成部43、43を貼り付ける。
【0197】
上記の手順により、胸面形成部42の表面4fと一対の肩面形成部43、43の背面4bが貼り合わされ、女性型トルソー2の肩部11を形成する。肩部11の傾斜角度は、男性型トルソー1の対応箇所の角度よりも大きく、正面視で水平に対して35°以上41°以下下向きに傾斜する。
【0198】
女性型トルソー2は、男性型トルソー1と同様に、首部品5を備え、首部品5を首部挿通穴3iに辺5bの半分程度差し込む。続けて、第三形成部33cを首部挿通穴3iに向かって折り曲げ線333hに沿って折り曲げ、首部挿通溝3jを形成する。続けて、首部品5を首部品5の曲面から平面に戻る方向の弾性挙動により首部挿通溝3jに取り付けられるまで首部品5を首部挿通溝3jに差し込むことで首部2aが形成される。
【0199】
女性型トルソー2は、所望の首部2aの大きさに応じて男性型トルソー1よりも首部挿通穴3iおよび首部挿通部423が小さく形成されている。女性型トルソー2は、上記に応じて首部品5および首部挿通溝3jについても男性型トルソー1よりも小さく形成され、首部2aは首回りが細い特徴が表現される。
【0200】
上記の手順により、女性型トルソー2が形成され支持体3の前部3eが被覆される。女性型トルソー2において、外装シート4の腹面形成部41は、左部41bおよび右部41cが支持体3の腹芯部3aの側部を被覆し、中央部41dが腹芯部3aの前方に配置される。胸面形成部42は、支持体3の胸芯部3bの前方に配置される。一対の肩面形成部43、43は、支持体3の一対の肩芯部3c、3cの上方に配置されて肩部11を形成し、一対の肩芯部3c、3cを被覆する。
【0201】
女性型トルソー2の肩芯部3cは、突出部342a、342bの上辺342c、342dの傾斜角度が、突出部33mおよび第一背部336aの傾斜角度よりも小さくなるように形成されている。そのため、女性型トルソー2の肩部11の頂部は突出部342a、342bに沿って形成され、肩部11の傾斜角度は、突出部33mおよび第一背部336aの傾斜角度よりも小さくなるように形成されている。
【0202】
女性型トルソー2の肩芯部3cは、第四本体パーツ4の突出部342a、342bの上辺342c、342dおよび直線部345a、345bと外装シート4の背面4bが当接し、突出部342a、342bで肩面形成部43、43を支持している。
【0203】
女性型トルソー2は、胸面形成部42の下端部である下胸面形成部42bと腹面形成部41との境界部と肩面形成部43、43の下端との間に胸面形成部42の後端部427a、427bから突部4i、4jに向かって左右方向の寸法が小さくなるように傾斜する側面傾斜部4k、4mを有する。
【0204】
次に、上述した本発明の実施形態による女性型トルソー2の作用効果について説明する。
【0205】
女性型トルソー2は、腹芯部3a、胸芯部3bおよび一対の肩芯部3c、3cを有する段ボール紙製の支持体3の前部3eをシート形状の外装シート4が被覆するように外装シート4を取り付けることにより形成される。
【0206】
支持体3の一対の肩芯部3c、3cは、第三本体パーツ33の突出部33mおよび第一背部336aと、第四本体パーツ34の突出部342a、342bにより形成され、胸芯部3bは第三本体パーツ33の第二形成部33bにより形成される。肩芯部3cにおいて、突出部33mと、第一背部336aと、突出部342a、342bは、いずれも上端が先端に向かって下向きに傾斜する。一対の肩芯部3c、3cの頂部33n、33n、頂部336f、336f、頂部344a、344bは、いずれも胸芯部3bの上下方向の略中間部に位置するように形成される。
【0207】
外装シート4は、腹面形成部41が支持体3の前方に配置され、支持体3の胸芯部3bの前方に胸面形成部42が配置され、支持体3の一対の肩芯部3c、3cを覆うように一対の肩面形成部43、43が形成されている。外装シート4は、腹面形成部41および下胸面形成部42bが支持体3の背部で貼り合わされ、支持体3の前部3eにおいて、下胸面形成部42bの左下突出部42gの左端側と右下突出部42hの右端側が前方に突出することで、胸面形成部42の高さ方向Zの略中間部に突部4i、4jが形成される。外装シート4は、胸面形成部42の切込部426c、426dに一対の肩面形成部43、43の各内側内端部436b、436bを合わせて肩面形成部43、43の背面4b側を上胸面形成部42cの表面4f側に貼り付ける。
【0208】
上記の構成により、女性型トルソー2は、男性型トルソー1と同様に、シート形状の外装シート4によって曲面を形成できるため、表面に不要な角部がない実際の女性の体型に近い体型のラインを再現性高く表現することができる。女性型トルソー2は、全体の骨組に相当する支持体3を備えることで強度を高めることができる。女性型トルソー2は、支持体3を形成する段ボール部材と1枚の外装シート4により形成できるため、少ない部品数で形成できる。
女性型トルソー2は、一対の肩芯部3c、3cが胸芯部3bの高さ方向Zの略中間部に一対の肩芯部の突出端となる第四本体パーツ34の頂部344a、344bが位置するように傾斜して形成されることによって、肩から腕にかけてのラインが下方になだらかに下がるような女性の肩部の特徴を再現性高く表現できる。
女性型トルソー2は、胸面形成部42の前部3eにおいて高さ方向Zの略中間部に位置し、前方に突出する突部4i、4jが形成されることにより、胸部から腹部にかけてのラインや丸み等の女性の胸部から腹部にかけての体型の特徴を再現性高く表現できる。
女性型トルソー2は、外装シートの腹面形成部41および下胸面形成部42bが腹芯部3aの側面を被覆し腹芯部3aの背面でそれぞれ両端部が貼り合わされる構成によって、腹芯部3aの前部と側部を被覆し、女性の腹部周りの形状の特徴の再現性を高めることができる。
女性型トルソー2は、肩面形成部43の内側内端部436bの背面4b側が上胸面形成部42cの表面4f側に貼り合わされて肩部11が形成される構成により、肩から腕にかけてのラインが下方になだらかに下がり、肩幅が男性と比較して狭い女性の肩部の特徴を再現性高く表現できる。
以上より、女性型トルソー2は、トルソー成型時における上記の支持体3および外装シート4の形状によって女性の体型を高い再現性で表現することができる。
【0209】
上記の構成により、女性型トルソー2は、男性型トルソー1と同様に外装シート4がPP紙により形成される。そのため、上記の構成により、女性型トルソー2の外装シート4は、軽量で強度および破れ耐性に優れるPP紙により形成されるため、取り付けられる衣服の重量等による耐荷重性や外装シート4の破裂強度をより高めることができる。外装シート4は、加力して曲げることで容易に曲面を形成することが可能であるため、女性型トルソー2は、支持体3に沿って支持体3の前部3eを外装シート4で被覆することで、実際の女性に近い体型を容易に表現できる。女性型トルソー2は、段ボール製の骨組となる支持体3とPP紙で形成された外装シート4とを組み合わせた構成とすることで、従来多く用いられる樹脂製トルソーよりも低コストで製作できる。
【0210】
女性型トルソー2は、第三本体パーツ33に位置決め部337aが印刷されている。女性型トルソー2は、外装シート4の腹面形成部41に切込部415a、415bが形成され、下胸面形成部42bに切込部426a、426bが形成され、上胸面形成部42cに切込部426c、426dが形成されている。
【0211】
上記の構成により、女性型トルソー2は、位置決め部337aに沿って一対の第二胸面貼付タブ422c、422cを第一背部336aの左右端に貼り付け位置がずれることなく正確な位置で容易に貼り付けることができる。
女性型トルソー2は、切込部415a、415b、426a、426bにより、腹面形成部41および下胸面形成部42bの各端部同士の貼り合わせを正確な位置で容易に行うことができる。
女性型トルソー2は、切込部426c、426dにより、切込部426c、426dに肩面形成部43、43の内側内端部436b、436bの位置を合わせて肩面形成部43、43を上胸面形成部42cに貼り付けることで、貼り付け位置がずれることなく肩面形成部43、43と胸面形成部42を貼り合わせられ、肩部11を正確かつ容易に形成できる。
以上より、女性型トルソー2は、各部位における貼り合わせ作業を正確かつ容易に実施できるため、組立作業者に依らず、品質が高い完成品が得られる。また、女性型トルソー2は、トルソーの展示時において外部から視認しやすい前部に設けられている切込部426c、426dが目立ちにくい構成により形成されているため目立ちにくく、トルソーの美観を向上できる。また、簡易な切れ込みに従ってトルソーを成型できる。
【0212】
女性型トルソー2は、外装シート4において、腹面形成部41の両端同士の貼付位置として腹面形成部41の右端から突出する腹面貼付タブ412cと、下胸面形成部42bの両端同士の貼付位置として下胸面形成部42bの右端から突出する第一胸面貼付タブ422bと、支持体3と外装シート4との貼付位置として上胸面形成部42cの上端に一対の第二胸面貼付タブ422c、422cが形成されている。
【0213】
上記の構成により、女性型トルソー2は、外装シート4の腹面形成部41および下胸面形成部42bそれぞれの端部同士を貼り合わせる位置と、支持体3と外装シート4との貼付位置が明確となるため、貼付位置がずれることなく女性型トルソー2を所定の形状に容易に組み立てられる。女性型トルソー2は、外装シート4の貼付位置および外装シート4の端部同士を貼り合わせる位置が正確な位置となるため、より美観に優れた形状に組み立てられる。
【0214】
女性型トルソー2は、男性型トルソー1と同様に、支持体3が第一本体パーツ31の第二形成部31bを折り曲げることで形成された台座3dにより、設置面Fに対して起立され設置面F上に安定配置される。上記の構成により、女性型トルソー2は、設置面Fに対して起立状態で安定支持される。台座3dは、第二形成部31bを折り曲げることで形成できるため、新たな部品を追加することなく第一本体パーツ31のみで容易に形成できる。
【0215】
女性型トルソー2の外装シート4は、第二胸面貼付タブ422c、422cと第一背部336aとの貼り付けのみにより支持体3に取り付けられ、腹面形成部41および下胸面形成部42bは、腹芯部3aの周囲に沿うように巻き付けられ配置されている。この構成により、女性型トルソー2は、腹面形成部41および下胸面形成部42bが腹芯部3aとの摩擦による腹芯部3aに沿う配置が保持されるため、腹面形成部41および下胸面形成部42bがたるむことなく配置できる。
【0216】
女性型トルソー2の外装シート4は、下胸面形成部42bと腹面形成部41との境界部と肩面形成部43、43の下端との間に胸面形成部42の後端部427a、427bから突部4i、4jに向かって幅方向Xの寸法が小さくなるように傾斜する側面傾斜部4k、4mを有する。
【0217】
上記の構成により、女性型トルソー2は、側胸部および側腹部が脇部から腹部にかけて絞られながら下方になだらかに下がるような女性の側部の体型の特徴を再現性高く表現できる。
【0218】
女性型トルソー2の支持体3は、腹芯部3aの前部における第一本体パーツ31の左端部31cおよび右端部31dの下端31fが狭まる方向の傾斜により、腹芯部3aの上端である突出部31u、31vから腹芯部3aの下端に向かって前後方向Yの長さが短くなる方向に傾斜する。
【0219】
上記の構成により、女性型トルソー2は、腹面形成部41を胸面形成部42との境界から腹面形成部41の下端との間で腹面が膨らむことなく下方に降りるような形状に形成できるため、女性の腹部周りの体型の特徴の再現性を高めることができる。
【0220】
女性型トルソー2は、第四本体パーツ34の突出部342a、342bが外装シート4の肩面形成部43、43に接触し、肩面形成部43、43に対する一点支持部となるため、肩から腕、鎖骨部にかけて下方になだらかに下がるような女性の肩部の体型の特徴をより詳細に表現できる。
【0221】
女性型トルソー2は、腹面形成部41の一部が左下突出部42gと右下突出部42hと展開時において重複しているため、突部4i、4jは下方が閉じられた構成となる。上記の構成により、女性型トルソー2は、左下突出部42gおよび右下突出部42hの下方に開口が形成されることを防止できるため、外部からの視認や美観への影響を防止できる。
【0222】
女性型トルソー2は、首部品5を首部挿通穴3iに向かって第三本体パーツ33の第三形成部33cを折り曲げ線333hに沿って略直角に折り曲げることで形成される首部挿通溝3jに挿通することにより形成される首部2aを有する。上記の構成により、女性型トルソー2は女性の首部を表現できるため、女性の体型をより詳細に表現できる。女性型トルソー2は、首部2aを有することにより、女性型トルソー2に衣服を着させたときに、着衣位置のずれの発生を防止し、所望の位置で衣服を保持できる。
【0223】
女性型トルソー2は、男性型トルソー1と同様に、段ボール製の各本体パーツと、シート形状の外装シート4により形成されるため、軽量化でき、容易に運搬や設置を行うことができる。女性型トルソー2は、各差込部への差し込みと各折り曲げ線に沿う折り曲げのみの簡易な作業により支持体3を形成できる。また、外装用シート4は第二胸面貼付タブ422c、422cの両面テープ424の貼り付けにより支持体3に取り付けられる。そのため、女性型トルソー2は、接着剤等の他の工具を要することなく形成することができる。
【0224】
女性型トルソー2は、男性型トルソー1と同様に、支持体3の背部3f等の組立時において外部から視認されない位置に各第一手順指示部、各第二手順指示部および各目印が形成される。上記の構成により、女性型トルソー2は、使用時、各第一手順指示部、各第二手順指示部および各目印が外部から視認されないため、使用時に外観を損なわない。
【0225】
女性型トルソー2は、使用時において視認されない背部3fや台座3dについては、外装シート4で被覆していない構成であるため、上記の部位を被覆する構成を省略することができ、部品数を削減できるため、容易に組み立てられる。
【0226】
女性型トルソー2は、底面部315aの奥行き方向前後に前方突出部3g、後方突出部3hが形成されるため、設置面Fとの接地面積を一方向に拡大できるため、設置面Fとの接地面積を全方向に広げることなく台座3dの上方の構成をより安定して支持できる。
【0227】
上記の男性型トルソー1および女性型トルソー2により、性別の体型の特徴を表現するために、全体形状、切込み線の形状等の本体パーツおよび外装シート4の形状、本体パーツ数、本体パーツの折り曲げ方等の支持体3の組立方法、支持体3への外装シート4の取付方法を性別によって異ならせることにより、性別に応じた体型を再現性高く表現できる。
【0228】
以上、本発明による男性型トルソーおよび女性型トルソーの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0229】
例えば、上記の男性型トルソーおよび女性型トルソー実施形態では、ともに第一本体パーツ31と第三本体パーツ33が背部3fにおいて側面視で重ね合わされているが、背部3fに配置される本体パーツが1枚となるように支持体3を構成してもよい。
【符号の説明】
【0230】
1 トルソー(男性型トルソー)
2 トルソー(女性型トルソー)
3 支持体
3a 腹芯部
3b 胸芯部
3c 肩芯部
3e 前部
3d 台座
4 外装シート
4b 背面
4f 表面
4i、4j 突部
11 肩部
33 第三本体パーツ(胸用部品)
34 第四本体パーツ(肩用部品)
41 腹面形成部
42 胸面形成部
43 肩面形成部
319a、337a 位置決め部
319b 位置決め切込部
412a 第一腹面貼付タブ(腹面貼付タブ)
412b 第二腹面貼付タブ(腹面貼付タブ)
412c 腹面貼付タブ
413 切欠部(カット部)
415a、415b、426a、426b 426c、426d 切込部(カット部)
422a 胸面貼付タブ
422b 第一胸面貼付タブ(胸面貼付タブ)
422c 第二胸面貼付タブ(胸面貼付タブ)
431 肩切込部
433 切目部(カット部)
434a 上貼付部(貼付部)
434b 下貼付部(貼付部)