(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089848
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】接地抵抗測定システムおよび接地抵抗測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 27/20 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
G01R27/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204604
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三木 昭彦
【テーマコード(参考)】
2G028
【Fターム(参考)】
2G028AA06
2G028BC06
2G028BE08
2G028CG05
2G028DH05
2G028HN10
2G028HN14
2G028KQ07
(57)【要約】
【課題】 接地抵抗測定装置に接続されるクランプセンサとして汎用のクランプセンサを用いることができる。
【解決手段】 接地抵抗測定システム1は、被測定接地極9の接地抵抗を測定する接地抵抗測定装置3と、被測定接地極9の電流を測定するクランプセンサとを有し、クランプセンサは無線通信によって電流のデータを接地抵抗測定装置3に出力し、接地抵抗測定装置3は電流のデータに基づいて被測定接地極9の接地抵抗を算出する。したがって、クランプセンサで検出された電流値が演算に使用されるため、クランプセンサは接地抵抗測定装置3に接続可能な専用機器である必要はない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定接地極の接地抵抗を測定する接地抵抗測定装置と、
前記被測定接地極の電流を測定するクランプセンサとを有し、
前記クランプセンサは無線通信によって前記電流のデータを前記接地抵抗測定装置に出力し、
前記接地抵抗測定装置は前記電流のデータに基づいて前記被測定接地極の接地抵抗を算出する、
ことを特徴とする接地抵抗測定システム。
【請求項2】
前記接地抵抗測定装置は、
信号生成部から被測定接地極に印加された第1の電圧に基づいて、前記被測定接地極と該被測定接地極に隣接する補助接地極との間の第2の電圧を検出する電圧検出部と、
前記信号生成部から前記被測定接地極を含む電流経路を流れる電流を検出する電流検出部とを有し、
前記接地抵抗測定装置は、前記電流検出部で測定された電流と前記第2の電圧に基づいてそれらの位相差を求め、前記クランプセンサから出力された電流の電流値と前記位相差に基づいて接地抵抗を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の接地抵抗測定システム。
【請求項3】
前記クランプセンサには、算出された前記接地抵抗を表示する表示部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の接地抵抗測定システム。
【請求項4】
前記接地抵抗測定装置および前記クランプセンサとネットワークを介して無線通信で接続された携帯端末を有し、
前記携帯端末は、前記電流検出部で測定された電流と前記第2の電圧に基づいてそれらの位相差を求め、前記クランプセンサから出力された電流の電流値と前記位相差に基づいて接地抵抗を算出し、表示する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の接地抵抗測定システム。
【請求項5】
接地抵抗測定装置が被測定接地極の接地抵抗を測定するステップと、
クランプセンサが前記被測定接地極の電流を測定するステップとを有し、
前記クランプセンサが無線通信によって前記電流のデータを前記接地抵抗測定装置に出力するステップと、
前記接地抵抗測定装置が前記電流のデータに基づいて前記被測定接地極の接地抵抗を算出するステップを有する、
ことを特徴とする接地抵抗測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接地抵抗測定システムおよび接地抵抗測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気設備に施される接地工事は、人体への保安および機器の保全のために必要不可欠とされている。接地工事の際には、地面に埋められる被測定接地極の接地抵抗の大きさを測るために、接地抵抗測定システムを用いている(例えば、特許文献1)。例えば、
図3に示すように、接地抵抗測定システム100を用いた接地抵抗の測定においては、接続ケーブルに接続される第1補助接地極および第2補助接地極を用いて被測定接地極の接地抵抗が、3電極法によって繰り返し測定される。
【0003】
以下に、従来の接地抵抗測定方法について説明する。
図3に示すように、被測定接地極109、電位電極として機能する第1補助接地極111、電流電極として機能する第2補助接地極113が大地120に打ち込まれている。被測定接地極109、第1補助接地極111および第2補助接地極113(接地抵抗X5)のそれぞれには接続ケーブル115、接続ケーブル117および接続ケーブル119の一端が接続され、接続ケーブル115、接続ケーブル117および接続ケーブル119のそれぞれの他端は、接地抵抗測定装置103のE端子、P端子、およびC端子に接続されている。また、電流検出部(電流センサとして機能するクランプセンサ)126を有するクランプメータ105が被測定接地極109に装着され、被測定接地極109の電流のデータが取得される。なお、接続ケーブル116は他の被測定接地極(図示せず)に接続するためのものであり、
図4の例だと接地抵抗X2,X3に対応する他の被測定接地極が接続ケーブル116に接続されている。
【0004】
接地抵抗測定装置103は、
図4に示すように信号生成部122、電圧検出部124を有する。信号生成部122は所定の振幅の交流電圧(一例として正弦波電圧)を生成して
被測定接地極109に向けて出力している。
【0005】
電流検出部126は、信号生成部122、被測定接地極109および第2補助接地極113を含む電流経路(測定ループ)を流れる交流電流の電流値を測定する。電圧検出部124は被測定接地極109と第1補助接地極111の間の電圧を測定する。
【0006】
電圧検出部124で得られた電圧と電流検出部126で得られた電流に基づいて被測定接地極109の接地抵抗X1が算出される。なお、接地抵抗X1を算出する際には、電圧と電流の複素成分を求め、複素数の接地抵抗を計算して求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した接地抵抗測定システムでは、接地抵抗測定装置103とクランプメータ105が有線で接続され電流測定も接地抵抗測定装置103内の電流検出部を用いているため、クランプメータ105は接地抵抗測定装置103の仕様(測定範囲等)に合わせた専用機器である必要がある。
【0009】
本発明の課題は、接地抵抗測定装置に接続されるクランプセンサとして汎用のクランプセンサを用いることができる接地抵抗測定システムおよび接地抵抗測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る接地抵抗測定システムの一側面は、被測定接地極の接地抵抗を測定する接地抵抗測定装置と、被測定接地極の電流を測定するクランプセンサとを有し、クランプセンサは無線通信によって電流のデータを接地抵抗測定装置に出力し、接地抵抗測定装置は電流のデータに基づいて被測定接地極の接地抵抗を算出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る接地抵抗測定システムの他の側面は、接地抵抗測定装置は、信号生成部から被測定接地極に印加された第1の電圧に基づいて、被測定接地極と該被測定接地極に隣接する補助接地極との間の第2の電圧を検出する電圧検出部と、信号生成部から被測定接地極を含む電流経路を流れる電流を検出する電流検出部とを有し、接地抵抗測定装置は、電流検出部で測定された電流と前記第2の電圧に基づいてそれらの位相差を求め、クランプセンサから出力された電流の電流値と位相差に基づいて接地抵抗を算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る接地抵抗測定システムの他の側面は、クランプセンサには、算出された前記接地抵抗を表示する表示部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る接地抵抗測定システムの他の側面は、接地抵抗測定装置およびクランプセンサとネットワークを介して無線通信で接続された携帯端末を有し、携帯端末は、電流検出部で測定された電流と第2の電圧に基づいてそれらの位相差を求め、クランプセンサから出力された電流の電流値と位相差に基づいて接地抵抗を算出し、表示することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る接地抵抗測定方法の一側面は、接地抵抗測定装置が被測定接地極の接地抵抗を測定するステップと、クランプセンサが被測定接地極の電流を測定するステップとを有し、クランプセンサが無線通信によって電流のデータを接地抵抗測定装置に出力するステップと、接地抵抗測定装置が電流のデータに基づいて被測定接地極の接地抵抗を算出するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、接地抵抗測定装置に接続されるクランプセンサとして汎用のクランプセンサを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る接地抵抗測定システムの構成を示した図である。
【
図2】本発明の一実施の形態に係る接地抵抗測定システムの動作を説明するための図である。
【
図3】従来の接地抵抗測定システムの構成を示した図である。
【
図4】従来の接地抵抗測定システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<一実施の形態>
以下に、
図1および
図2を参照して本発明の一実施の形態に係る接地抵抗測定システムについて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る接地抵抗測定システムの構成を示した図であり、
図2は、本発明の一実施の形態に係る接地抵抗測定システムの動作を説明するための図である。
【0019】
[接地抵抗測定システム1の構成]
接地抵抗測定システム1は、接地抵抗測定装置3とクランプメータ5を備えている。なお、本実施の形態ではクランプセンサに表示部を設けたものをクランプメータと呼ぶこととするが、クランプメータ5ではなく表示部のない、単体でクランプ電流計として機能するクランプセンサであっても本実施の形態に係る接地抵抗測定システムの後述する効果は得られる。その理由は、後述するように接地抵抗を表示する表示部は接地抵抗測定装置3にも設けられており、また、後述の変形例でも説明しているように別途携帯端末の表示部に表示させることもできるからである。
【0020】
接地抵抗測定装置3とクランプメータ5のデータの送受信は無線通信(例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等)で行われる。なお、携帯端末7については、接地抵抗測定装置3とクランプメータ5と種々のデータを無線通信(例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等)等する機能を有しているが、接地抵抗測定システム1の必須構成要素ではなく追加的構成要素であり、詳細は後述する。被測定接地極9、電位電極として機能する第1補助接地極11、電流電極として機能する第2補助接地極13が大地30に打ち込まれている。被測定接地極9、第1補助接地極11および第2補助接地極13のそれぞれには接続ケーブル15、接続ケーブル17および接続ケーブル19の一端が接続され、接続ケーブル15、接続ケーブル17および接続ケーブル19のそれぞれの他端は、接地抵抗測定装置3のE端子、P端子、およびC端子に接続されている。
【0021】
接地抵抗測定装置3は、
図2に示すように信号生成部(電圧発生回路)20、電流検出部22、電圧検出部24、制御部10、記憶部12および表示部14を有する。信号生成部20は所定の振幅の交流電圧(一例として正弦波電圧)を生成して出力する。電流検出部22は、一端が信号生成部20に接続され他端が被測定接地極9に接続され、信号生成部20から出力される交流電圧にともなって流れる電流Itを検出し、制御部10に出力する。ここで、電流Itは、被測定接地極9および第2補助接地極13を含む電流経路(電流測定ループ)を流れる電流である。電圧検出部24は、制御部10からの検出指示を受けて被測定接地極9と第1補助接地極11の間の電圧V(電圧降下)を検出する。
【0022】
制御部10は、例えば、CPUなどの演算素子、および、内部メモリなどを備えて構成され、操作入力部(図示せず)からユーザの操作入力に対応する信号の入力を受け、電流検出部22から供給される測定電流値、および、電圧検出部24から供給される測定電圧値に基づいて、後述する接地抵抗測定処理を実行する。
【0023】
記憶部12は、例えば、半導体メモリやハードディスクなどで構成され、CPUなどの制御部10の演算素子が実行する動作プログラムなどが予め記憶されている。
【0024】
表示部14は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ装置で構成されて、制御部10が実行した各処理での結果を画面上に表示する。
【0025】
クランプメータ5は電流検出部26を有し、電流検出部26が無線接続により被測定接地極9に流れる電流Icの電流値(後述する数式(1)におけるIcはこの電流値を意味する。)を検出し、その検出された電流値Icの情報を制御部10に出力する。
【0026】
[接地抵抗の算出方法]
クランプメータ5で被測定接地極9をクランプした後にゼロアジャストが実施される。制御部10は、信号生成部20を制御して、被測定接地極9と第2補助接地極13との間に所定の第1の電圧を印加させる。制御部10を構成する演算部(図示せず)は、印加された所定の第1の電圧に基づいて、電圧検出部24で算出された被測定接地極9と第1補助接地極11の間の第2の電圧Vと電流検出部26で得られた電流Itに基づいて電圧と電流の位相差θを算出する。ここで、接地抵抗は実部で計算するため、電流位相を基準にすると電圧の振幅はVcosθと表すことができる。
【0027】
一方、クランプメータ5に実装される電流検出部26は被測定接地極9の接地抵抗X1に流れる電流Icの電流値(Ic)を検出し、検出された電流Icの電流値(Ic)を制御部10に出力する。なお、被測定接地極9の接地抵抗X1は多重接地された接地極の抵抗(
図2の例ではX1、X2、X3)の一つであるため、It≠Icであるが、ItとIcは同位相である。
【0028】
制御部10を構成する演算部は、被測定接地極9と第1補助接地極11の間の電圧(電圧値)Vと位相差θ、および電流(電流値)Icに基づいて、以下の数式(1)の演算を行い、接地抵抗Rx1(
図2ではX1)を算出する。
Rx1=Vcosθ/Ic・・・・・・・・(1)
【0029】
接地抵抗の算出においては、接地抵抗測定装置3を構成する演算部(図示せず)で演算された接地抵抗Rx1は接地抵抗測定装置3の表示部14に表示される。
【0030】
上記した接地抵抗測定システムおよび方法によれば、クランプメータ5の電流検出部26で検出された電流値Icを演算に使用するため、クランプメータ5は接地抵抗測定装置3に接続可能な専用機器である必要はない。換言すれば、従来ではクランプメータの選択は接地抵抗測定装置3に有線接続可能なものに限られており選択の自由度は低かったが、本実施の形態に係る接地抵抗測定システムおよび方法によれば、選択されるクランプメータ5は、接地抵抗測定装置3に接続可能な専用機器に限定されることがないのでクランプメータ5の選択の自由度が向上する。
【0031】
また、接地抵抗測定装置3側で検出電圧Vと検出電流Itの位相差θを求めるため、クランプメータ側の位相特性に関係なく、接地抵抗を求めることができる。また、外部要因によるノイズ(渦電流等)等に基づく電流が流れている場合でも、クランプメータ5のゼロアジャスト機能を実行させてノイズキャンセルすることで、接地抵抗測定の精度を向上させることができる。
【0032】
[変形例]
上記した実施の形態によれば、接地抵抗Rx1の算出は接地抵抗測定装置3の制御部10を構成する演算部で行われ、算出結果は接地抵抗測定装置3の表示部14に表示される。しかしながら、クランプメータ5内に演算部(図示せず)を設けてそこで接地抵抗Rx1の算出を行うようにしてもよいし、携帯端末7(
図1参照)内に演算部(図示せず)を設けてそこで接地抵抗Rx1の算出を行うようにしてもよい。算出結果の表示についてもクランプメータ5の表示部6に表示するようにしてもよいし、携帯端末7(
図1参照)の表示部8に表示するようにしてもよい。
【0033】
上記変形例によれば、算出結果の確認が接地抵抗測定装置3の表示部14以外でも行えるので、確認場所を選ばずに算出結果を迅速に確認することができ、効率よく測定処理を行うことができる。
【0034】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0035】
[効果のまとめ]
本実施の形態に係る接地抵抗測定システム1は、被測定接地極9の接地抵抗Rx1を測定する接地抵抗測定装置3と、被測定接地極9の電流を測定するクランプセンサとを有し、クランプセンサは無線通信によって電流のデータを接地抵抗測定装置3に出力し、接地抵抗測定装置3は電流のデータに基づいて被測定接地極9の接地抵抗Rx1を算出する。
したがって、上記構成によれば、クランプセンサ(クランプメータ5(表示部付のクランプセンサ))の電流検出部26で検出された電流値Icを演算に使用するため、クランプセンサは接地抵抗測定装置3に接続可能な専用機器である必要はない。
【0036】
本実施の形態に係る接地抵抗測定システム1において、接地抵抗測定装置3が、信号生成部20から被測定接地極9に印加された第1の電圧に基づいて、被測定接地極9と該被測定接地極9に隣接する補助接地極(第1補助接地極)11との間の第2の電圧Vを検出する電圧検出部24と、信号生成部20から被測定接地極9を含む電流経路を流れる電流Itを検出する電流検出部22とを有し、接地抵抗測定装置3は、電流検出部22で測定された電流Itと前記第2の電圧Vに基づいてそれらの位相差θを求め、クランプセンサから出力された電流の電流値Icと位相差θに基づいて接地抵抗Rx1を算出する。
上記構成によれば、クランプセンサ(クランプメータ5(表示部付のクランプセンサ))の電流検出部26で検出された電流値Icと位相差θに基づいて接地抵抗Rx1が算出される。したがって、クランプセンサの位相特性に依存することなく接地抵抗Rx1を求めることができる。
【0037】
本実施の形態に係る接地抵抗測定システム1において、クランプセンサには、算出された接地抵抗を表示する表示部6が設けられている
したがって、上記構成によれば、算出された接地抵抗がクランプセンサ(クランプメータ5(表示部付のクランプセンサ))に設けられた表示部6に表示することができるので、迅速な算出結果の確認をすることができる。
【0038】
本実施の形態に係る接地抵抗測定システム1において、接地抵抗測定装置3およびクランプセンサとネットワークを介して無線通信で接続された携帯端末7を有し、携帯端末7は、電流検出部で測定された電流Itと第2の電圧Vに基づいてそれらの位相差を求め、クランプセンサから出力された電流の電流値Icと位相差θに基づいて接地抵抗Rx1を算出し、表示する
したがって、上記構成によれば、算出結果の確認が接地抵抗測定装置3の表示部14以外でも行えるので、確認場所を選ばずに算出結果を迅速に確認することができ、効率よく測定処理を行うことができる。
【0039】
本実施の形態に係る接地抵抗測定方法は、接地抵抗測定装置3が被測定接地極の接地抵抗Rx1を測定するステップと、クランプセンサが被測定接地極の電流を測定するステップとを有し、クランプセンサが無線通信によって電流のデータを接地抵抗測定装置3に出力するステップと、接地抵抗測定装置3が電流のデータに基づいて被測定接地極の接地抵抗Rx1を算出するステップを有する。
したがって、上記構成によれば、クランプセンサ(クランプメータ5(表示部付のクランプセンサ))の電流検出部26で検出された電流値Icを演算に使用するため、クランプセンサは接地抵抗測定装置3に接続可能な専用機器である必要はない。
【符号の説明】
【0040】
1 接地抵抗測定システム
3 接地抵抗測定装置
5 クランプメータ(クランプセンサに表示部が付いたもの)
6 表示部
7 携帯端末
8 表示部
9 被測定接地極
10 制御部
11 第1補助接地極
12 記憶部
13 第2補助接地極
14 表示部
15、17、19 接続ケーブル
20 信号生成部(電圧発生回路)
22 電流検出部
24 電圧検出部
30 大地