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▶ 石山 良子の特許一覧

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  • 特開-マスクケース 図1
  • 特開-マスクケース 図2
  • 特開-マスクケース 図3
  • 特開-マスクケース 図4
  • 特開-マスクケース 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089885
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】マスクケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
A45C11/00 T
A45C11/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021215521
(22)【出願日】2021-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】522007613
【氏名又は名称】石山 良子
(72)【発明者】
【氏名】石山 良子
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045CE06
3B045CE07
3B045DA00
3B045FA01
3B045FC04
3B045FC08
3B045FC10
(57)【要約】
【課題】使用中のマスクを一時保管する度に、ケースを開閉して内部に収納する面倒な手間がなく、着用する際も手間なく取り出せストレスなく使用でき、かつ、デザイン性に優れた見栄えの良いマスクケースを提供する。
【解決手段】多くのマスクケースが使用中のマスクを内部に収納する構造であるが、本発明のマスクケースは、開口部が開いたまま保持され、その空間に使用中のマスクを単に差し入れて一時収入する構造である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長い一枚のシート体を長手方向の中間位置を軸として半分に折り、V字状の本体を形成し、本体の開口部を開いた状態で、その空間に衛生マスクをその長手方向の辺を折らずに挿入し一時保管することを特徴とするマスクケース。
【請求項2】
前記開いた状態でV字の角度を規制する角度規制部を有することを特徴とした、請求項1に記載のマスクケース。
【請求項3】
前記本体の上部の辺に取っ手を設けたことを特徴とした、請求項1又は請求項2に記載のマスクケース。
【請求項4】
前記シート体は、外側生地と内側生地の間に本体が容易に変形しない板状の構造体を挟んだ層構造であり、外側生地、内側生地は水分に強く、容易に除菌シートで拭くことのできる素材からなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマスクケース。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用中の衛生マスク(以下、単に「マスク」と記す)を一時的に外した際、衛生的にかつ容易に挿入することのできるマスクケースに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のコロナウィルス感染拡大防止、また各種ウィルスによる感染予防のため、日常のマスク着用が生活の一部となっており、中でも高い飛沫拡散抑制が認められている不織布製のマスクが推奨されている。そのような生活の中で、飲食時などマスクを脱着する機会が多く、マスクを保管する様々なマスクケースが広く知られている。
【0003】
特許文献1で開示されたマスクケースは、布製で、使用中のマスクを縦に二つ折りにして収納する特徴を持ち、マスクを収納した後に開口部をネオジム磁石で留める構造である。
【0004】
特許文献2で開示されたマスクケースは、多くのパーツを有する構造で、最終的にマスクが4つ折りの状態の小さくコンパクトになる構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3231872号公報
【特許文献2】特許第6863640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のマスクケースは収納する際、使用中のマスクの長手方向の辺の中間位置を折って二つ折りにするため、ノーズフィッターが曲がってしまい、装着時に形を整える手間を要し、それにより汚染されたマスクの表面を必要以上に手指先で触れることになり衛生的でない。また布製であることから、使用後清潔に保つには洗濯しなければならず、外出時の除菌が難しい。また、洗濯頻度による色褪せ、毛羽立ち、シワにより見栄えが悪くなる。さらに布のみの薄い構造のためカバンの中でくしゃくしゃになり易く衛生的でなく、カバンの中から探すのに手間がかかる。さらにネオジム磁石を使用しており、その強力な磁力は電子機器や磁気カードに影響を与える危険性があり、携帯電話やお財布を入れるカバンやポケットに入れて携帯するには問題がある構造である。
【0007】
特許文献2のマスクケースは、マスクを脱着するたびマスクケースのホックを外し、横方向や縦方向に複雑に展開しなければならず、取り出すのに大変手間がかかる。
また、特許文献1同様にノーズフィッターが曲がってしまい、さらに最終的にマスクが4つ折りになることから、装着時にマスクの形を整える手間を要し、それにより汚染されたマスク表面を必要以上に手指先で触れてしまい衛生的でない。また、パーツの多さから都度の除菌が容易ではない構造である。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するために、ノーズフィッターを曲げずに衛生的に、かつ、マスクを出し入れする際の手間がなく、また、外側、内側共に除菌しやすい素材、構造であること、さらにファッション性に優れた見栄えの良いマスクケースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るマスクケースは、長い一枚のシート体を長手方向の中間位置を軸として半分に折り、V字状の本体を形成し、本体の開口部を開いた状態で、その空間に衛生マスクをその長手方向の辺を折らずに挿入することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るマスクケースは、前記開いた状態でV字の角度を規制する角度規制部を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るマスクケースは、前記本体の上部の辺に取っ手を設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るマスクケースは、外側生地と内側生地の間に本体が容易に変形しない板状の構造体を挟んだ層構造であり、外側生地、内側生地は水分に強く、容易に除菌シートで拭くことのできる素材からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載のマスクケースは、長い一枚のシート体を長手方向の中間位置を軸にして半分に折り形成されているため、マスクの短手方向の辺を半分に折り長いまま一時挿入できることから、ノーズフィッターが折れることなく、また、着脱の度に汚染されたマスクの表面を必要以上に触れ形を整える手間がない。
【0014】
請求項2に記載のマスクケースは、V字状の本体の1片面に穴を二つ形成し、その穴にベルトの両端をそれぞれに挿入し、かつ、穴が形成されていない1片面の表面を通るベルトを有し、V字で向かい合う2面を連結させ、さらに、そのベルトによって前記開いた状態のV字の角度を規制する角度規制部を設け、一時保管のため挿入したマスクの挿入側の辺が、V字状に開いている底辺の一番狭い部に入る事でマスクを適度に保持しまた横に倒れ抜落することを防ぐ効果がある。
【0015】
請求項3に記載のマスクケースは、上部に取っ手を設置する事でバック等の持ち手に吊るすことができ、バックの中から探す手間がない。
【0016】
請求項4に記載のマスクケースは、内部に板状の構造体を有した層構造の為容易に変形することがなく、さらに外側、内側共に水分に強い生地を使用し、また、長い一枚のシート体からなる構造のため、多くの複雑なパーツで形成されたマスクケースや布製のマスクケースに比べ、除菌シート等で容易に汚れをふき取ることができ衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のマスクケースの斜視図である。
図2図1におけるA―Aの線断面図である。
図3】マスクケースの上方からみた図である。
図4】本発明のマスクケースの使用方法の図である。
図5】本発明に係るマスクケースの実施の形態2を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
本発明のマスクケースおよびその使用方法について図面を用いて説明する。
図における前後、左右、上下とは、図中に記した交差矢印の表記に従うものとする。
【0019】
本発明のマスクケースは、厚板紙やプラスチックなど軽量な素材からなる板状の構造体7を内部に有する層構造であり、図2に示すように、その板状の構造体を外側生地1で包んで貼り、その包んだ貼り口が見えないように内側生地2を上から貼り、長い一枚のシート体にしたものを図1に示すように、長手方向の中間位置を軸にして半分に折りV字状の本体1面部aと本体2面部bを形成する。また見栄えを美しくするため、外側生地1は板状の構造体7を包んで内側に折り返す際、上下、左右に糊代を設置し、内側生地2は外側生地1の上下、左右の糊代部が数ミリ見える程度の大きさで設置する。
【0020】
図1に示す通り、本体1面部aの表面の上部の辺から下方向へ適当な長さの位置に、上部の辺と平行にベルト3を本体横幅から左右均等の長さが出るよう設置する。また、本体2面部bに本体1面部aに設置したベルトと同じ位置、かつ、本体2面部bの左右それぞれの辺から内側方向の位置にそれぞれに1か所ずつ穴6を設置する。穴6は生地のほつれ、板状の構造体7の露出を防ぐためにハトメで補強する。
【0021】
図1に示す通り、マスクケースをカバンの持ち手等に吊るすことが出来るよう、一方に留め具5を設置した取っ手4を本体2面部bの上部の辺に設置する。その際見栄えをよくするため取っ手4の本体接着部は、外側生地1の上部の糊代と内側生地の間にすることが好ましい。またファッション性に優れた見栄えの良いマスクケースにするため、本体1面部aの表面を通るベルト3の中心部に飾りチャーム9を設置する。
【0022】
ベルト3によって連結させた本体1面部aを手前方向に引くことにより本体上部の辺が開き、本体1面部aの表面を通り、本体2面部bに設置された穴6に張りがあり、かつ、厚みのあるベルト3を通すことにより、本体の開口部が開いた状態のV字の角度を規制する角度規制部となる。
【0023】
本発明に係るマスクケースは、開いた状態で保持された開口部に、口に接した面が内側になるように、かつ、マスクの短手方向の中間地点を軸にして半分に折ることでノーズフィッターが折れない長い状態の不織布製のマスク、また、不織布製の立体3Dマスクを挿入して使用する。
【0024】
本体2面部bの後面から出た2本のベルト3をそれぞれ後方向に引くことにより、開いていた本体開口部を閉じることが出来、さらにベルト3を最大限手前方向に引き、本体上部の辺の開口部を大きくする事で、除菌シート等によるふき取りを容易にすることが出来る。
【0025】
図3に示す通り、本体1面部aの表面に設置したベルト3の両端を、本体2面部bに設置した穴6から本体2面部bの後面方向にそれぞれ通し、本体1面部aと本体2面部bを連結させる。またベルト3の両端が穴6からすり抜ける事を防止する為、穴6に通したベルト3の両端にエンドパーツ8を設置する。
【0026】
(実施の形態2)
実施の形態2では、図5に示すように、マスクケースの本体1面部aと本体2面部bを連結させ、本体の開口部が開いた状態のV字の角度を規制する角度規制部として、角度保持できる折り畳み式ヒンジ等を設置する事もできる。
【0027】
本実施の形態に示すマスクケースの縦、横の寸法は、上記実施の形態に示したものに限らず、また布製のマスク、ウレタン製のマスクを挿入対象とするものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明のマスクケースは、従来のマスクをケースの中に収納するという形ではなく、マスクを衛生的にかつ着脱の際の手間がないように差し込んで置いておく形の新しい発想であり、デザイン性に優れたマスクケースとして利用可能である。
【符号の説明】
【0029】
a 本体1面部
b 本体2面部
c マスク
1 外側生地
2 内側生地
3 ベルト
4 取っ手
5 留め具
6 穴
7 板状の構造体
8 エンドパーツ
9 飾り金具
10 折り畳みヒンジ
図1
図2
図3
図4
図5