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特開2023-89921薬液供給ユニットとこれを適用した基板処理システム及び薬液供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089921
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】薬液供給ユニットとこれを適用した基板処理システム及び薬液供給方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230621BHJP
   G01N 21/359 20140101ALI20230621BHJP
   G01N 21/3577 20140101ALI20230621BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 648K
H01L21/304 648F
H01L21/304 647A
G01N21/359
G01N21/3577
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141342
(22)【出願日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0181000
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ソン テ
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ヨン チュン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、キ フン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ムン ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、プ ヨン
【テーマコード(参考)】
2G059
5F157
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059AA05
2G059BB04
2G059DD12
2G059EE01
2G059EE12
2G059HH01
2G059MM01
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157BF22
5F157BF32
5F157BF33
5F157BF34
5F157BF52
5F157BF55
5F157BF56
5F157BF58
5F157BF59
5F157CB14
5F157CD36
5F157CE83
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF34
5F157CF40
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF74
5F157CF99
5F157DB03
5F157DB33
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】薬液供給ユニットとこれを適用した基板処理システム及び薬液供給方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、薬液供給ユニットを介して薬液を供給する際に化学反応により生成される不純物を感知して除去することにより、工程実行の信頼性と安定性を確保することができる技術を開示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を保管する薬液保管部と、
前記薬液が流動する経路を提供する薬液供給ラインと、
前記薬液供給ライン上に流れる薬液に対して、分光検査法を介して、化学反応により生成された不純物を検出する薬液検査手段と、を含むことを特徴とする、薬液供給ユニット。
【請求項2】
前記薬液検査手段は、
フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)又はフーリエ変換近赤外分光器(FT-NIR)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬液供給ユニット。
【請求項3】
前記薬液保管部は、IPAを保管し、
前記薬液供給ラインは、前記薬液保管部に保管されたIPAを供給することを特徴とする、請求項1に記載の薬液供給ユニット。
【請求項4】
前記薬液検査手段は、
前記薬液供給ライン上のIPA誘導体を検出することを特徴とする、請求項3に記載の薬液供給ユニット。
【請求項5】
前記薬液検査手段は、
分光スペクトル上で設定された波数(wave number)のピークの存在に基づいてIPA誘導体を検出することを特徴とする、請求項4に記載の薬液供給ユニット。
【請求項6】
前記薬液検査手段は、
前記薬液供給ライン上に配置され、前記薬液供給ラインに流れる薬液に対して赤外線又は近赤外線を放出し、前記薬液を透過した光を検出する測定プローブと、
前記測定プローブで検出された光から分光スペクトルを取得するフーリエ変換器と、
前記分光スペクトルに基づいて不純物を判断する分析器と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬液供給ユニット。
【請求項7】
前記薬液供給ライン上に配置されたフィルターをさらに含み、
前記測定プローブは、前記薬液供給ライン上の前記フィルターの後段に配置されたことを特徴とする、請求項6に記載の薬液供給ユニット。
【請求項8】
前記薬液供給ライン上に流れる薬液を排出するドレインラインをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬液供給ユニット。
【請求項9】
前記薬液供給ライン上に前記ドレインラインの連結部位の後段に配置され、前記薬液供給ラインを選択的に開閉させる第1バルブと、
前記ドレインラインに配置され、前記ドレインラインを選択的に開閉させる第2バルブと、
前記第1バルブと前記第2バルブを制御する制御部と、をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の薬液供給ユニット。
【請求項10】
前記制御部は、
前記薬液検査手段の検査結果に基づいて、前記第1バルブと前記第2バルブを選択的に制御することを特徴とする、請求項9に記載の薬液供給ユニット。
【請求項11】
請求項1に記載の薬液供給ユニット、及び
前記薬液供給ユニットから薬液の供給を受けて基板を処理する基板処理装置を含むことを特徴とする、基板処理システム。
【請求項12】
薬液保管部に保管された薬液を薬液供給ラインへ供給する薬液供給段階と、
前記薬液供給ライン上に流れる薬液に対して、分光検査法を介して、化学反応により生成された不純物を検出する不純物検出段階と、
不純物検出結果に基づいて基板処理装置へ薬液を供給するか或いは薬液を外部へ排出させる薬液供給判断段階と、を含むことを特徴とする、薬液供給方法。
【請求項13】
前記不純物検出段階は、
フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)又はフーリエ変換近赤外分光器(FT-NIR)を介して前記薬液供給ライン上の不純物を検出することを特徴とする、請求項12に記載の薬液供給方法。
【請求項14】
前記薬液供給段階は、
前記薬液保管部に保管されたIPAを前記薬液供給ラインに供給し、
前記不純物検出段階は、
前記薬液供給ライン上のIPA誘導体を検出することを特徴とする、請求項12に記載の薬液供給方法。
【請求項15】
前記不純物検出段階は、
分光スペクトル上で設定された波数(wavenumber)のピークの存在に基づいてIPA誘導体を検出することを特徴とする、請求項14に記載の薬液供給方法。
【請求項16】
前記薬液供給判断段階は、
不純物検出の際に前記薬液供給ライン上の第1バルブを介して前記薬液供給ラインを閉鎖させる薬液供給ライン閉鎖段階を含むことを特徴とする、請求項12に記載の薬液供給方法。
【請求項17】
前記薬液供給判断段階は、
ドレインライン上の第2バルブを介して、前記薬液供給ラインに流れる薬液を排出させるドレインライン開放段階をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の薬液供給方法。
【請求項18】
前記薬液供給判断段階は、
設定された時間又は設定された容量に基づいて前記ドレインラインを開放させる排出調節段階をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の薬液供給方法。
【請求項19】
前記薬液供給判断段階は、
前記不純物検出段階を再実行し、不純物検出結果に基づいて薬液供給ライン閉鎖段階ないし排出調節段階を実行することを特徴とする、請求項12に記載の薬液供給方法。
【請求項20】
IPA薬液を保管する薬液保管部と、
IPA薬液が流動する経路を提供する薬液供給ラインと、
前記薬液供給ライン上に配置されたフィルターと、
前記薬液供給ライン上に流れる薬液を排出するドレインラインと、
前記薬液供給ライン上に前記ドレインラインの連結部位の後段に配置され、 前記薬液供給ラインを選択的に開閉させる第1バルブと、
前記ドレインラインに配置され、前記ドレインラインを選択的に開閉させる第2バルブと、
前記薬液供給ライン上に配置され、前記薬液供給ラインに流れる薬液に対して赤外線又は近赤外線を放出し、前記薬液を透過した光を検出する測定プローブと、
前記測定プローブで検出された光から分光スペクトルを取得するフーリエ変換器と、
前記分光スペクトルに基づいてIPA誘導体を検出する分析器と、
前記分析器の分析結果に基づいて前記第1バルブと前記第2バルブを制御する制御部と、を含むことを特徴とする、薬液供給ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液供給ユニットとこれを適用した基板処理システム及び薬液供給方法に関し、より詳細には、薬液供給ユニットを介して薬液を供給する際に化学反応により生成される不純物を感知して除去することにより、工程実行の信頼性と安定性を確保することができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な半導体素子製造工程及びフラットパネルディスプレイ製造工程では、様々な種類の薬液が使用できる。例えば、基板を洗浄する工程では、基板の洗浄のための様々な種類の薬液(例えば、IPA)が使用でき、これらの薬液で基板を処理して、基板の表面に残留する異物などを除去することができる。
【0003】
基板処理のために薬液を供給する際に、様々な要因により、供給される薬液が化学反応を起こして不要な不純物に変化することがある。このような不純物により工程収率が低下して不良品を発生させ、さらには工程事故が発生する危険性が高まるという問題点がある。
【0004】
したがって、供給される薬液に対する様々な検査によって不純物を把握する方案が提示されている。
【0005】
しかしながら、これらの従来技術による薬液検査方案は、薬液分析に多くの時間がかかり、実質的に工程の実行中に即時検査を行うことができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、薬液供給の際に化学反応により生成される不純物を分光検査法によってリアルタイムで検査し、その検査結果に応じた即時措置を介して、不純物の含有された薬液が工程処理に流入する問題を解消しようとする。
【0007】
特に、IPA薬液の供給の際に発生するアセトン(Acetone)などのIPA誘導体の発生を監視してIPA誘導体による大量の欠陥(defect)の発生を防止しようとする。
【0008】
また、基板処理のために供給される薬液が様々な要因により化学反応を起こして不要な不純物に変化するため工程収率を低下させ且つ不良品を発生させるという問題を解決しようとする。
【0009】
さらに、薬液の化学反応による不純物により工程事故が発生する危険性を解消しようとする。
【0010】
しかも、薬液分析に多くの時間がかかるので実質的に工程の実行中に即時検査を行うことができないという従来の薬液検査方案の問題を解決しようとする。
【0011】
本発明の目的は、上述したところに限定されず、上述していない本発明の別の目的及び利点は、以降の説明によって理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明による薬液供給ユニットの一実施形態は、薬液を保管する薬液保管部と、前記薬液が流動する経路を提供する薬液供給ラインと、前記薬液供給ライン上に流れる薬液に対して、分光検査法を介して、化学反応により生成された不純物を検出する薬液検査手段と、を含むことができる。
【0013】
好ましくは、前記薬液検査手段は、フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)又はフーリエ変換近赤外分光器(FT-NIR)を含むことができる。
【0014】
一例として、前記薬液保管部は、IPAを保管し、前記薬液供給ラインは、前記薬液保管部に保管されたIPAを供給することができる。
【0015】
さらに、前記薬液検査手段は、前記薬液供給ライン上のIPA誘導体を検出することができる。
【0016】
ここで、前記薬液検査手段は、分光スペクトル上で設定された波数(wavenumber)のピークの存在に基づいてIPA誘導体を検出することができる。
【0017】
一例として、前記薬液検査手段は、前記薬液供給ライン上に配置され、前記薬液供給ラインに流れる薬液に対して赤外線又は近赤外線を放出し、前記薬液を透過した光を検出する測定プローブと、前記測定プローブで検出された光から分光スペクトルを取得するフーリエ変換器と、前記分光スペクトルに基づいて不純物を判断する分析器と、を含むことができる。
【0018】
さらに、前記薬液供給ライン上に配置されたフィルターをさらに含み、前記測定プローブは、前記薬液供給ライン上の前記フィルターの後段に配置されることができる。
【0019】
好ましくは、前記薬液供給ライン上に流れる薬液を排出するドレインラインをさらに含むことができる。
【0020】
さらには、前記薬液供給ライン上に前記ドレインラインの連結部位の後段に配置され、前記薬液供給ラインを選択的に開閉させる第1バルブと、前記ドレインラインに配置され、前記ドレインラインを選択的に開閉させる第2バルブと、前記第1バルブと前記第2バルブを制御する制御部と、をさらに含むことができる。
【0021】
一例として、前記制御部は、前記薬液検査手段の検査結果に基づいて、前記第1バルブと前記第2バルブを選択的に制御することができる。
【0022】
また、本発明による基板処理システムは、前記薬液供給ユニット、及び前記薬液供給ユニットから薬液の供給を受けて基板を処理する基板処理装置を含むことができる。
【0023】
また、本発明による薬液供給方法の一実施形態は、薬液保管部に保管された薬液を液供給ラインに供給する薬液供給段階と、前記薬液供給ライン上に流れる薬液に対して、分光検査法を介して、化学反応により生成された不純物を検出する不純物検出段階と、不純物検出結果に基づいて基板処理装置へ薬液を供給するか或いは薬液を外部へ排出させる薬液供給判断段階と、を含むことができる。
【0024】
好ましくは、前記不純物検出段階は、フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)又はフーリエ変換近赤外分光器(FT-NIR)を介して前記薬液供給ライン上の不純物を検出することができる。
【0025】
一例として、前記薬液供給段階は、前記薬液保管部に保管されたIPAを前記薬液供給ラインに供給し、前記不純物検出段階は、前記薬液供給ライン上のIPA誘導体を検出することができる。
【0026】
ここで、前記不純物検出段階は、分光スペクトル上で設定された波数(wavenumber)のピークの存在に基づいてIPA誘導体を検出することができる。
【0027】
また、前記薬液供給判断段階は、不純物検出の際に前記薬液供給ライン上の第1バルブを介して前記薬液供給ラインを閉鎖させる薬液供給ライン閉鎖段階を含むことができる。
【0028】
さらに、前記薬液供給判断段階は、ドレインライン上の第2バルブを介して前記薬液供給ラインに流れる薬液を排出させるドレインライン開放段階をさらに含むことができる。
【0029】
好ましくは、前記薬液供給判断段階は、設定された時間又は設定された容量に基づいて前記ドレインラインを開放させる排出調節段階をさらに含むことができる。
【0030】
また、前記薬液供給判断段階は、前記不純物検出段階を再実行し、不純物検出結果に基づいて薬液供給ライン閉鎖段階ないし排出調節段階を実行することができる。
【0031】
さらに、本発明による薬液供給ユニットの好適な一実施形態は、IPA薬液を保管する薬液保管部と、IPA薬液が流動する経路を提供する薬液供給ラインと、前記薬液供給ライン上に配置されたフィルターと、前記薬液供給ライン上に流れる薬液を排出するドレインラインと、前記薬液供給ライン上に前記ドレインラインの連結部位の後段に配置され、前記薬液供給ラインを選択的に開閉させる第1バルブと、前記ドレインラインに配置され、前記ドレインラインを選択的に開閉させる第2バルブと、前記薬液供給ライン上に配置され、前記薬液供給ラインに流れる薬液に対して赤外線又は近赤外線を放出し、前記薬液を透過した光を検出する測定プローブと、前記測定プローブで検出された光から分光スペクトルを取得するフーリエ変換器と、前記分光スペクトルに基づいてIPA誘導体を検出する分析器と、前記分析器の分析結果に基づいて前記第1バルブと前記第2バルブを制御する制御部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0032】
このような本発明によれば、薬液供給の際に化学反応により生成される不純物を分光検査法を介してリアルタイムで検査し、その検査結果に応じた即時措置を介して不純物の含有された薬液を外部へ排出させることにより、不純物が工程に及ぼす影響を取り除くことができる。
【0033】
特に、IPA薬液供給の際に発生するIPA誘導体の発生を感知して、アセトン(Acetone)、酢酸(Acetic Acid)、酢酸イソプロピル(Isopropyl Acetate)などの不純物による大量の欠陥(defect)の発生を防止することができる。
【0034】
さらに、基板処理のために供給される薬液が様々な要因により化学反応を起こして不要な不純物に変化することにより工程収率を低下させ且つ不良品を発生させるという問題を解決するとともに、薬液の化学反応による不純物により工程事故が発生する危険性を解消することができる。
【0035】
本発明の効果は、上述したところに限定されず、上述していない別の効果は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明らかに理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明が適用される基板処理システムの一実施形態を示す図である。
図2】本発明による薬液供給ユニットの一実施形態を示す構成図である。
図3】本発明による薬液供給ユニットを介して基板処理装置に薬液を供給する一例を示す図である。
図4】本発明による薬液供給ユニットの薬液検査手段に対する一実施形態の構成図である。
図5】本発明による薬液供給方法に対する一実施形態を示すフローチャートである。
図6】本発明による薬液供給方法を介してIPA誘導体を検出して排出する過程に対する一実施形態を示すフローチャートである。
図7】本発明による薬液供給方法を適用する分光スペクトルの一例を示す図である。
図8】本発明による薬液供給方法を適用する分光スペクトルの一例を示す図である。
図9】本発明による薬液供給方法を適用する分光スペクトルの一例を示す図である。
図10】本発明による薬液供給方法を適用する分光スペクトルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。ところが、本発明はこれらの実施形態によって限定又は制限されるものではない。
【0038】
本発明、本発明の動作上の利点、及び本発明の実施によって達成される目的を説明するために、以下では、本発明の好適な実施形態を例示し、これを参照して考察する。
【0039】
まず、本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含むことができる。また、本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0040】
本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明確にするおそれがあると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
【0041】
本発明は、薬液供給ユニットを介して薬液を供給する際に、化学反応により生成される不純物を感知して除去することにより、工程実行の信頼性と安定性を確保することができる技術を提示する。
【0042】
図1に示すように、本発明が適用される基板処理システム1は、インデックス部10と工程処理部20を含むことができる。インデックス部10と工程処理部20は、一列に配置されることができる。
【0043】
インデックス部10は、ロードポート12及び移送フレーム14を含むことができる。
【0044】
ロードポート12には、基板Wの収納されたキャリア11がセットできる。ロードポート12は、複数個が提供され、一列に配置されることができる。ロードポート12の個数は、基板処理システム1の工程効率及びフットプリント条件などに応じて増加又は減少することもできる。
【0045】
キャリア11としては、前面開放一体型ポッド(Front Opening Unifed Pod、FOUP)が使用できる。キャリア11には、基板を地面に対して水平に配置した状態で収納するための多数のスロットが形成できる。
【0046】
移送フレーム14は、ロードポート12と隣り合って配置されることができ、好ましくは、ロードポート12と工程処理部20のバッファ部30との間に配置されることができる。移送フレーム14は、インデックスレール15及びインデックスロボット17を含むことができる。インデックスレール15上にインデックスロボット17がセットできる。インデックスロボット17は、バッファ部30とキャリア11との間で基板Wを移送することができる。インデックスロボット17は、インデックスレール15に沿って直線移動するか或いは軸を基準に回転することができる。
【0047】
工程処理部20は、インデックス部10に隣り合って基板処理システム1の後側に配置できる。
【0048】
工程処理部20は、バッファ部30、移動通路40、メイン移送ロボット50、及び基板処理装置70を含むことができる。
【0049】
バッファ部30は、工程処理部20の前側に配置されることができ、基板処理装置70とキャリア11との間で基板Wが搬送される前に、基板Wが一時的に収納されて待機する場所となることができる。バッファ部30は、その内部に基板Wが置かれるスロット(図示せず)が提供され、スロット(図示せず)は、相互離隔して複数個が提供されることができる。
【0050】
移動通路40は、バッファ部30と対応して配置されることができる。メイン移送ロボット50が移動する通路を提供することができる。移動通路40の両側には、基板処理装置70が向かい合って配置されることができる。移動通路40には、メイン移送ロボット50が移動し、基板処理装置70の上下層、及びバッファ部30の上下層へ昇降することが可能な移動レールが設置できる。
【0051】
メイン移送ロボット50は、移動通路40に設置され、基板処理装置70及びバッファ部30の間で或いは各基板処理装置70の間で基板Wを移送することができる。メイン移送ロボット50は、移動通路40に沿って直線移動するか或いは軸を基準に回転することができる。
【0052】
基板処理装置70は、複数個が配置でき、移動通路40を中心として両側に配置できる。基板処理装置70の一部は、移動通路40の長さ方向に沿って配置でき、基板処理装置70の一部は、互いに積層されるように配置できる。基板処理装置70の配置位置又は個数は必要に応じて変更できる。一例として、基板処理装置70は、移動通路40の片側にのみ提供されてもよく、基板処理装置70は、移動通路40の片側及び両側に単層として提供されてもよい。
【0053】
基板処理装置70は、基板Wに対して洗浄工程を行うことができる。基板処理装置70は、行う洗浄工程の種類によって異なる構造を持ってもよく、それぞれの基板処理装置70は、同じ構造を持ってもよい。さらに、選択的に、基板処理装置70は複数個のグループに区分され、同じグループに属する基板処理装置70は互いに同一であり、互いに異なるグループに属する基板処理装置70の構造は互いに異なるように提供できる。基板処理装置70は、それぞれ使用されるケミカルの種類や洗浄方式の種類によって区分できる。或いは、それぞれのグループごとに、基板処理装置70は、一つの基板Wに対して順次工程を行うように提供されてもよい。
【0054】
また、基板処理システム1は、基板処理装置70へ当該処理工程に対応する薬液を供給する薬液供給ユニット(図示せず)を含むことができる。
【0055】
本発明では、前記基板処理システム1に後述の薬液供給ユニットを適用して薬液を供給する際に、化学反応により生成できる不純物を検出し、不純物の含有された薬液を外部へ排出させることにより、不純物が工程に及ぼす影響を取り除くことができる基板処理システムを提示する。
【0056】
本発明は、上述した基板処理システム1に備えられた各基板処理装置70へ薬液を供給する薬液供給ユニットを提示する。
【0057】
図2は、本発明による薬液供給ユニットの一実施形態を示す構成図である。
【0058】
薬液供給ユニット100は、薬液を基板処理装置70へ供給することができる。
【0059】
薬液供給ユニット100は、薬液保管部110、薬液供給ライン130、薬液検査手段150、ドレインライン170、制御部190などを含むことができる。
【0060】
薬液保管部110は、基板処理工程に用いられる各種薬液を保管し、必要に応じて、保管された薬液を基板処理装置70へ供給することができる。薬液保管部110は、薬液流入ライン(図示せず)を介して薬液の供給を受けて一時的に保管することができる。
【0061】
薬液供給ライン130は、薬液保管部110に保管された薬液を基板処理装置70へ供給することができる。薬液供給ライン130は、薬液が流動する経路を提供することができる。工程処理条件に合わせて薬液を調節することがきるように、薬液供給ライン130上にはバルブ、ヒーター、ポンプ、流量計、フィルターなどの各種構成が配置され、薬液の供給量、密度、温度などを調節したり不純物を除去したりすることができる。
【0062】
一例として、薬液保管部110は、基板処理工程のための有機溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA:isopropyl alcohol)の供給を受けて保管することができ、薬液供給ライン130は、IPAを基板処理装置70へ供給することができる。
【0063】
薬液保管部110と薬液供給ライン130とは、基板処理工程に応じた供給薬液の種類を考慮してその個数と形態が変形することができる。
【0064】
薬液検査手段150は、薬液供給ライン130上に流れる薬液に含有されている不純物を検出することができる。好ましくは、薬液検査手段150は、分光検査法を介して、化学反応により生成された不純物を検査することができる。
【0065】
一例として、薬液供給ライン130を介してIPAを供給する際にIPA誘導体が発生する可能性があり、このような不要なIPA誘導体により工程処理の際に製品に欠陥(defect)が発生する。本発明では、フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)又はフーリエ変換近赤外分光器(FT-NIR)を適用して、薬液供給ライン130上に流れる薬液の分光スペクトルを取得し、分光スペクトルにおけるIPA誘導体に対応する波数(wavenumber)のピークの存否に基づいてIPA誘導体の含有を判断することができる。
【0066】
ドレインライン170は、薬液供給ライン130の中間に連結され、薬液供給ライン130上に流れる薬液を外部へ排出させることができる。
【0067】
制御部190は、基板処理装置70に対する薬液供給ライン130を介した薬液供給を選択的に調節することができる。制御部190は、薬液検査手段150の検査結果に基づいて、薬液供給ライン130を介した基板処理装置70への薬液供給を中断し、ドレインライン170を介して外部へ排出させることができる。
【0068】
図3は、本発明による薬液供給ユニットを介して基板処理装置へ薬液を供給する一例を示す。
【0069】
図3は、薬液供給ユニット100が基板処理装置70へIPAを供給する一例である。
【0070】
一般的に、洗浄工程は、薬液を基板に供給して基板上の異物を除去するケミカル処理、純水を基板に供給して、基板上に残留するケミカルを除去するリンス処理、及び基板上に残留する純水を除去する乾燥処理などの工程を含むことができる。
【0071】
基板の乾燥処理のために超臨界流体が使用できる。一例として、基板上の純水を有機溶剤で置換した後、基板処理装置70の高圧チャンバー内で超臨界流体を基板の上面に供給して、基板上に残っている有機溶剤を超臨界流体に溶解させることにより、基板から除去することができる。このとき、有機溶剤としてIPAが使用でき、超臨界流体としては、しきい値温度及びしきい値圧力が相対的に低く、IPAがよく溶解する二酸化炭素(CO)が使用できる。
【0072】
薬液保管部110は、薬液を一時的に保管する貯蔵タンクであって、IPAソースからソースライン90を介してIPAの供給を受けて保管することができる。ソースライン90上にはフィルター91、流量計93、バルブ95などが配置されることにより、IPAの供給が調節できる。
【0073】
薬液保管部110に保管されたIPAは、薬液供給ライン130を介して基板処理装置70へ提供できる。
【0074】
薬液供給ライン130にはポンプ131、ダンパー132、ヒーター133、温度計134、フィルター135、流量計137などが配置されることにより、基板処理装置70へ供給されるIPAに対する温度、流量などが調節できる。
【0075】
また、薬液供給ライン130には圧力計138と流量制御バルブ(定圧バルブ139)などが配置されることにより、薬液供給ライン130を介して供給されるIPA圧力などが調節できる。薬液供給ライン130は、フィルター135と流量制御バルブ139との間から基板処理装置70へIPAを供給することができる。薬液供給ライン130が基板処理装置70に連結される前段に、薬液供給ライン130を選択的に開閉させてIPAの供給を調節する第1バルブ161が配置できる。
【0076】
さらに、薬液供給ライン130は循環ラインを含むことができ、循環ラインの末端が薬液保管部110に連結され、その前段に流量制御バルブ139が配置されることにより、基板処理装置70へ供給されていない薬液を薬液保管部110へさらに回収することができる。
【0077】
薬液供給ライン130には薬液検査手段150が配置できる。好ましくは、薬液検査手段150の測定プローブが薬液供給ライン130上に配置できる。
【0078】
薬液検査手段150の測定プローブは、薬液供給ライン130上の適切な位置に配置でき。好ましくは、薬液検査手段150の測定プローブは、薬液供給ライン130上に配置されたフィルター135と流量制御バルブ139との間に配置できる。これは、IPAがフィルター135を通過した後、フィルター135から誘発されるアセトンなどの不純物が相対的に多く含有されるからである。
【0079】
薬液検査手段150は、測定プローブを介して、薬液供給ライン130上に流れるIPAに対する検査を行い、IPA誘導体の含有有無を判断することができる。
【0080】
薬液供給ライン130上の第1バルブ161の前段にドレインライン170が連結できる。
【0081】
ドレインライン170は、薬液供給ライン130に流れるIPAを外部へ排出させることができる。ドレインライン170には、ドレインラインを選択的に開閉させる第2バルブ165、排出流量を精密に調節するニードルバルブ171、及び排出流量を測定する流量計175が配置できる。
【0082】
制御部(図示せず)は、薬液検査手段150の検査結果に基づいて第1バルブ161、第2バルブ165を制御することにより、選択的に基板処理装置70へIPAを供給するか或いはドレインライン170を介してIPAを排出させることができる。
【0083】
このような本発明による薬液供給ユニット100を介してIPAを供給する際にIPA誘導体の含有をリアルタイムで検査し、IPA誘導体を含有した場合には、すぐに薬液供給ライン130上に流れるIPAをドレインライン170を介して排出させることにより、IPA誘導体を含有したIPA供給により工程処理の際に発生する欠陥を除去することができる。
【0084】
本発明において、薬液検査手段150は、フーリエ変換赤外分光方式(FT-IR)を介して、薬液に含有されている不純物を把握することができるが、薬液検査手段150に関連して、図4は、本発明による薬液供給ユニットの薬液検査手段に対する一実施形態の構成図を示す。
【0085】
薬液検査手段150は、フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)又はフーリエ変換近赤外分光器(FT-NIR)を含むことができるが、一例として、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR、Fourier-transform infrared spectroscopy)は、干渉計を介して位相変調した赤外線領域の白色光を用いて赤外分光学の一種であって、試料に赤外線を照射して双極子モーメントが変化する分子骨格の振動と回転に対応するエネルギーの吸収を測定する分析法をいう。
【0086】
薬液検査手段150は、測定プローブ151、フーリエ変換器153、分析器155などを含むことができる。
【0087】
測定プローブ151は、薬液供給ライン130上に配置され、薬液供給ライン130上に流れる薬液に赤外線光又は近赤外線光を照射し、薬液を透過した光を検出することができる。
【0088】
フーリエ変換器153は、測定プローブ151で検出された光から分光スペクトルを取得することができる。つまり、フーリエ変換器153は、検出された光をフーリエ変換を介して周波数領域に変換して、薬液の赤外線又は近赤外線に対するエネルギー吸収分布図に対する分光スペクトルを得ることができる。
【0089】
そして、分析器155は、取得された分光スペクトルに基づいて薬液の不純物を判断することができる。
【0090】
輻射線が固体、液体又は気体層を通過するときに、原子、分子又はイオンを構成している電子が輻射線を吸収する場合、その輻射線の光子エネルギー(Photon Energy)ほど高いエネルギー準位に移行する。これらの電子エネルギー電位差は、各化学種に応じて固有値を持っており、吸収される輻射線の周波数(frequency)を照射して試料中の成分物質を知ることができる。前記周波数は、波動の伝播速度(v)及び波長(λ)によって表現され、分光スペクトルは、波長の逆数である波数によって表現され得る。
【0091】
分析器155は、分光スペクトルにおいて特定の波数に存在するピークを介して当該物質を把握することができる。
【0092】
一例として、IPAを薬液として供給する場合、薬液供給ライン130上に流れるIPAのIPA誘導体の含有有無を分光スペクトルによって把握することができるが、主要IPA誘導体は、CとOの二重結合を有し、この場合、分光スペクトル上で1700~1730cm-1の波数にピークが現れうる。より正確には、1715cm-1付近の波数にピークが現れる。
【0093】
これにより、分析器155は、主要IPA誘導体の含有有無を判断することができる。
【0094】
本発明では、上記の薬液検査手段を適用することにより、薬液を供給しながらリアルタイムで不純物の含有を把握することができる。
【0095】
また、本発明では、上述した本発明による薬液供給ユニットを介して薬液を供給する方法を提示するが、以下では、本発明による薬液供給方法について実施形態を介して説明する。本発明による薬液供給方法は、上述した本発明による薬液供給ユニットを介して実現されるので、前記薬液供給ユニットに対する実施形態を一緒に参照する。
【0096】
図5は、本発明による薬液供給方法に対する一実施形態のフローチャートを示す。
【0097】
薬液保管部110に保管された薬液を薬液供給ライン130を介して供給(S110)しながら、薬液検査手段150を介して分光検査法を適用して、薬液供給ライン130に流れる薬液に対する検査(S130)を行うことができる。
【0098】
薬液検査手段150は、検査結果に基づいて不純物の含有を判断し、薬液検査手段150の検査結果、不純物がない或いは基準値以下で含有された場合、制御部190は、薬液供給ライン130を介して基板処理装置70へ薬液を供給(S170)させることができる。
【0099】
もし、薬液検査手段150の検査結果、不純物が存在するか或いは基準値以上で存在する場合、制御部190は、薬液供給ライン130を介して供給される薬液をドレインライン170へ排出させることができる。
【0100】
ドレインライン170を介した薬液の排出は、設定された時間又は設定された流量で行われることができる。制御部190は、上記の過程を再び行って薬液供給ライン130を介して基板処理装置70へ薬液を供給するか、それともドレインライン170を介して薬液を排出させるかを決定することができる。
【0101】
次に、本発明による薬液供給方法をIPAの供給に適用させてより具体的に説明する。
【0102】
図6は、本発明による薬液供給方法によるIPA誘導体を検出して排出する過程に対する一実施形態のフローチャートを示す。
【0103】
本実施形態を説明するにあたり、前述した薬液供給ユニットを介してIPAを供給する図3の実施形態を一緒に参照する。
【0104】
制御部190は、薬液保管部110に保管されたIPAを薬液供給ライン130へ供給させる。このとき、薬液供給ライン130に流動するIPAがドレインライン170へ排出されないように、制御部190は、薬液供給ライン130の第1バルブ161は開放し、ドレインライン170の第2バルブ165は閉鎖(S211)させる。
【0105】
薬液供給ライン130を介してIPAを供給(S215)しながら、薬液検査手段150の測定プローブ151で、薬液供給ライン130上に流れる薬液に赤外線光又は近赤外線光を放出し、透過光を検出(S221)する。
【0106】
薬液検査手段150のフーリエ変換器153が検出された光をフーリエ変換を介して周波数領域に変換して、薬液の赤外線又は近赤外線に対するエネルギー吸収分布図に対する分光スペクトルを取得(S223)する。
【0107】
そして、薬液検査手段150の分析器155は、取得された分光スペクトル上でピークが存在する波数を把握して分光スペクトルを分析(S225)する。分析器155は、分析結果を介して、IPA誘導体の含有有無を判断(S227)することができる。
【0108】
主要なIPA誘導体は、CとOの二重結合を有し、CとOの二重結合は、分光スペクトル上で1700~1730cm-1の波数にピークが現れうる。より正確には、1715cm-1付近の波数にピークが現れる。
【0109】
一例として、図7は、IPA誘導体を含有していないIPAに対する分光スペクトルを示す。
【0110】
IPAは、分子構造がOH基とCとの間に単結合210を有し、これにより、分光スペクトル220上で1700~1730cm-1の波数221にピークが存在しない。
【0111】
図8はアセトン含有時の分光スペクトルを示す。
【0112】
アセトンの分子構造は、OとCとの間に二重結合230を有し、これにより分光スペクトル240上で1730~1700cm-1の波数241にピークが現れる。
【0113】
図9は酢酸(Acetic Acid)含有時の分光スペクトルを示す。
【0114】
酢酸の分子構造は、OH基とCとの間に単結合を有するが、これに連結されるOとCが二重結合250を有し、これにより分光スペクトル260上で1710cm-1付近の波数261にピークが現れる。
【0115】
図10は酢酸イソプロピル含有時の分光スペクトルを示す。
【0116】
酢酸イソプロピルの分子構造も、OとCとの間に二重結合270を有し、これにより分光スペクトル280上で1720cm-1付近の波数281にピークが現れる。
【0117】
このように主要なIPA誘導体は、分光スペクトルを分析して把握することができる。
【0118】
もし、薬液検査手段150の分析結果、IPA誘導体が検出されないか或いは設定値以下と微小な場合、制御部190は、薬液供給ライン130の第1バルブ161の開放及びドレインライン170の第2バルブ165の閉鎖を維持させ、薬液供給ライン130を介して基板処理装置70へIPAを供給し続ける。
【0119】
これとは逆に、薬液検査手段150の分析結果、IPA誘導体が検出される場合、制御部190は、薬液供給ライン130の第1バルブ161を閉鎖し、ドレインライン170の第2バルブ165を開放(S231)させて薬液供給ライン130を介した基板処理装置70へのIPAの供給を中断しながら、ドレインライン170を介して薬液供給ライン130に流れるIPAを排出(S233)させる。
【0120】
制御部190は、ドレインライン170を介したIPA排出を設定された時間又は設定された流量まで行い、設定時間又は設定流量に達するか否かを判断(S235)する。
【0121】
IPA排出が設定時間又は設定流量に達する場合、再び薬液検査手段150を介して薬液供給ライン130上に流れるIPAに対してIPA誘導体が含有されたか否かを検査し、検査結果に応じて上記の過程を繰り返し行うことができる。
【0122】
上述した本発明によって、薬液供給の際に化学反応により生成される不純物を分光検査法を介してリアルタイムで検査し、その検査結果に応じた即時措置を介して不純物の含有された薬液を外部へ排出させることにより、不純物が工程に及ぼす影響を取り除くことができる。
【0123】
特に、IPA薬液供給の際に発生するIPA誘導体の発生を感知して、アセトン、酢酸、酢酸イソプロピルなどの不純物による大量の欠陥(defect)の発生を防止することができる。
【0124】
さらに、基板処理のために供給される薬液が様々な要因により化学反応を起こして不要な不純物に変化することにより工程収率を低下させ且つ不良品を発生させる問題を解決し、薬液の化学反応による不純物により工程事故が発生する危険性を解消することができる。
【0125】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱することなく多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明に記載されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0126】
10 基板処理システム
70 基板処理装置
100 薬液供給ユニット
110 薬液保管部
130 薬液供給ライン
150 薬液検査手段
170 ドレインライン
190 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10