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特開2023-8993固定子ユニット及びこれを備えた発電機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008993
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】固定子ユニット及びこれを備えた発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/46 20060101AFI20230112BHJP
   H02K 21/24 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
H02K3/46 D
H02K21/24 G
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107144
(22)【出願日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0088255
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522266612
【氏名又は名称】ジーアンドシー エネルギー カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】G&C ENERGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】25, Bitgeurin 18-ro, Gwangsan-gu, Gwangju 62405, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン, ヤン ウン
【テーマコード(参考)】
5H604
5H621
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB03
5H604BB10
5H604BB13
5H604CC01
5H604CC04
5H604CC12
5H621BB02
5H621BB06
5H621GB03
(57)【要約】
【課題】巻線コイルを固定子プレートに安定的かつ堅固に固定することによって発電中に回転子に干渉を発生しなくし、回転子により破壊または損傷することを防止して持続的な発電の可能な固定子ユニット及びこれを備える発電機を提供する。
【解決手段】複数の巻線コイルと、円板状に形成され、上面と下面に各々前記巻線コイルを挿設できるように引き込まれ、円周方向に沿って離隔して配される上部挿入溝と下部挿入溝が形成され、中央部に発電機の固定軸が結合される軸着部が設けられる固定子プレートとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の巻線コイルと、
円板状に形成され、上面と下面に各々前記巻線コイルを挿設できるように引き込まれ、円周方向に沿って離隔して配される上部挿入溝と下部挿入溝が形成され、中央部に発電機の固定軸が結合される軸着部が設けられる固定子プレートとを備えることを特徴とする固定子ユニット。
【請求項2】
互いに対応する前記上部挿入溝と前記下部挿入溝との間の前記固定子プレートには前記上部挿入溝と前記下部挿入溝とを互いに連通させるように上下を貫通する連通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の固定子ユニット。
【請求項3】
前記軸着部側に向かう前記巻線コイルの一側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する内側加圧部と、
前記固定子プレートの縁側に向かう前記巻線コイルの他の側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する外側加圧部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の固定子ユニット。
【請求項4】
前記内側加圧部には前記固定子プレートの間に前記巻線コイルを結線できるように前記固定子プレートに向かう一面から引き込まれた結線空間部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の固定子ユニット。
【請求項5】
複数の巻線コイルと、
円板状に形成され、前記巻線コイルを内部に挿設できるように上下を貫通し円周方向に沿って離隔して設けられる複数の埋立孔が形成され、中央部に発電機の固定軸が結合される軸着部が設けられた固定子プレートとを備えることを特徴とする固定子ユニット。
【請求項6】
前記各巻線コイルの中央部に形成されたコイル孔に挿入されて前記巻線コイルの形状を維持させながら前記巻線コイルを固定子プレートに固定させる形状保持部をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の固定子ユニット。
【請求項7】
前記軸着部側に向かう前記巻線コイルの一側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する内側加圧部と、
前記固定子プレートの縁側に向かう前記巻線コイルの他の側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する外側加圧部とをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の固定子ユニット。
【請求項8】
固定軸と、
複数の巻線コイルと、円板状に形成され上面と下面に各々前記巻線コイルが挿入できるように引き込まれ円周方向に沿って離隔して配される上部挿入溝と下部挿入溝が形成され、中央部に前記固定軸が結合される軸着部が設けられた固定子プレートを含む固定子ユニットと、
前記固定軸に相対回転自在に設けられ、内側に空間部が形成された円筒形のハウジングと、
前記ハウジングの上板部と下板部に各々設けられる上部ヨーク部及び下部ヨーク部と、前記固定子プレートに向かう前記上部ヨーク部及び前記下部ヨーク部の一面に各々前記上部ヨーク部及び前記下部ヨーク部の円周方向に沿って設けられる複数の永久磁石を含む回転子ユニットとを備えることを特徴とする発電機。
【請求項9】
互いに対応する前記上部挿入溝と前記下部挿入溝との間の前記固定子プレートには前記上部挿入溝と前記下部挿入溝とを互いに連通させるように上下を貫通する連通孔が形成されることを特徴とする請求項8に記載の発電機。
【請求項10】
前記軸着部側に向かう前記巻線コイルの一側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する内側加圧部と、
前記固定子プレートの縁側に向かう前記巻線コイルの他の側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する外側加圧部とをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の発電機。
【請求項11】
前記内側加圧部には前記固定子プレートとの間に前記巻線コイルを結線できるように前記固定子プレートに向かう一面から引き込まれた結線空間部が形成されることを特徴とする請求項10に記載の発電機。
【請求項12】
固定軸と、
複数の巻線コイルと、該巻線コイルを内部に挿設できるように上下を貫通し円周方向に沿って離隔して配される複数の埋立孔が形成され、中央部に前記固定軸が結合される軸着部が設けられた固定子プレートを含む固定子ユニットと、
前記固定軸に相対回転自在に設けられ、内側に空間部が形成された円筒形のハウジングと、
前記ハウジングの上板部と下板部に各々設けられる上部ヨーク部及び下部ヨーク部と、前記固定子プレートに向かう前記上部ヨーク部及び前記下部ヨーク部の一面に各々前記上部ヨーク部及び前記下部ヨーク部の円周方向に沿って設けられる複数の永久磁石を含む回転子ユニットとを備えることを特徴とする発電機。
【請求項13】
前記各巻線コイルの中央部に形成されたコイル孔に挿入されて前記巻線コイルの形状を維持させながら前記巻線コイルを固定子プレートに固定させる形状保持部をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の発電機。
【請求項14】
前記軸着部側に向かう前記巻線コイルの一側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する内側加圧部と、
前記固定子プレートの縁側に向かう前記巻線コイルの他の側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する外側加圧部とをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固定子ユニット及びこれを備えた発電機に係り、さらに詳しくは巻線コイルを固定子プレートに安定的かつ堅固に固定することによって、発電中に離脱して回転子に干渉することなく、回転子により破壊または損傷することを防いで持続的な発電の可能な固定子ユニット及びこれを備えた発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の風力発電においては、プロペラの回転動作を発電機の固定軸に伝達することによって回転エネルギを電気エネルギに変換している。発電機からの出力は電力系統に接続したり、またはバッテリに集めて必要の際電力として使う。
【0003】
発電機の種類としては多種があるが、界磁(field magnet)用として永久磁石を使用するタイプのうちその構造的な面が異なる2種のタイプの発電機を順番に説明する。
【0004】
まず、円筒形の回転子(rotor)の外縁に固定子(stator)が配列されるラジアルギャップ(radial gap)型の発電機は、複数の永久磁石が回転子の円周を取り囲む方向に配列され、永久磁石の磁極は放射状に向かい、固定子が永久磁石と対向するように配列されている。固定子は回転子に向かう面において多数個の歯状鉄心にコイルが巻かれている。
【0005】
しかし、鉄心の利用はコギングトルク(cogging torque)や鉄心のヒステリシス損失に基づくロストルク(loss torque)を発生させて、イニシャルトルク(initial torque)を大きくする短所がある。鉄心を除去すればその問題点は解決できるが、磁気効率が落ちることからラジアルギャップ型の発電機においては大出力を得られない短所がある。
【0006】
また、ラジアルギャップ型を適用した風力発電機において発電機を収納するナセル(Nacelle)が大きくなれば、それほどプロペラが風を受ける面積が減少してプロペラの回転力が低下する。すなわち、発電機が大型化すればするほど風力発電における効率が落ちる短所がある。
【0007】
もう一つのタイプとしては、円盤形回転子と軸方向に対向するように固定子が配列されるアキシャルギャップ(axial gap)型の発電機がある。
【0008】
アキシャルギャップ型の発電機はケースに鉄板で形成されたヨークが一体化するように取り付けられ、ヨークの表面上に複数の永久磁石が配列され、スペーサを介して固定軸方向に上下配列される。永久磁石はヨークのいずれか一つに配列しても良いが、これらヨークの全ての表面に永久磁石を配列すれば磁気効率がアップする。ヨークの間には電気子が配され、電気子は多数本のコイルが収まるベースに固定されて固定子を構成し、固定軸に軸着される。固定軸はハウジングによりベアリングを介して回転自在に支持される。
【0009】
かかる構造は磁極面を広めて鉄心を用いなくても出力を大きくすることができ、希土類金属の一つであるネオジム(Neodymium)と鉄(Fe)、ボロン(B)の金属化合物であるネオジム磁石(Nd-Fe-B)を用いれば鉄心による磁気飽和の問題がないので、その性能を十分発揮して高出力の回転機械として使える長所がある。
【0010】
しかし、前述したような発電機の固定子は、殆どコアと巻線コイルとから構成され、回転子とヨークに磁石を配列し、永久磁石が作る磁束と電流の相互電磁力を用いて構成することによって、全体として永久磁石型発電機の重さが増え長くなる問題がある。
【0011】
前述した問題点を解決するために、韓国特許第10-1263350号には、巻線コイルを円周方向に配列し、エポキシ樹脂化合物を用いて巻線コイルを固定して巻線コイルと樹脂化合物とを一体型で構成することによって、コアの省かれた構造の軸方向永久磁束型発電機が提案されている。
【0012】
しかし、樹脂化合物を用いて巻線コイルを固定及び一体型で構成した構造は、発電機が高速で回転する際、巻線コイルに熱が発生しつつこの熱により巻線コイルを固定している樹脂化合物が変形及び弱化し、永久磁石から発生する磁気力によって巻線コイルが解けるか、解けた巻線コイルが回転子または回転子ユニットに干渉して破損及び損傷するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国特許第10-1263350号
【特許文献2】韓国特許公開第10-2010-0135615号
【特許文献3】韓国特許公開第10-2016-0091357号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、発電機の固定子プレートに配列及び固定される巻線コイルを形成するにおいて、通常の円形断面を有する銅ワイヤの代わりに一定幅を有する銅ストリップを用いて巻線コイルを形成することによって巻線作業を容易にし、熱硬化性接着剤を用いて巻線コイルのストリップを一体に堅固に固定することによって、熱の発生時巻線コイルのストリップが解けることを防げる固定子ユニットを提供することにある。
【0015】
また、本発明は、固定子プレートに複数の巻線コイルを配列及び熱伝導性接着剤を用いて固定させることによって、発電機が高速で回転する途中に巻線コイルに発生する熱を放出させることから、巻線コイルが固定子プレートから分離されることを防止し、これを通じて回転子が巻線コイルに干渉または衝突することを防止することから、持続的かつ安定的な発電の可能な発電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本発明の実施形態に係る固定子ユニットは、複数の巻線コイルと、円板状に形成され、上面と下面に各々前記巻線コイルを挿設できるように引き込まれ、円周方向に沿って離隔して配される上部挿入溝と下部挿入溝が形成され、中央部に発電機の固定軸が結合される軸着部が設けられる固定子プレートとを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の実施形態にかかる固定子ユニットは、互いに対応する前記上部挿入溝と前記下部挿入溝との間の前記固定子プレートには前記上部挿入溝と前記下部挿入溝とを互いに連通させるように上下を貫通する連通孔が形成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の実施形態にかかる固定子ユニットは、前記軸着部側に向かう前記巻線コイルの一側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する内側加圧部と、前記固定子プレートの縁側に向かう前記巻線コイルの他の側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する外側加圧部をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の実施形態にかかる固定子ユニットの前記内側加圧部には前記固定子プレートの間に前記巻線コイルを結線できるように前記固定子プレートに向かう一面から引き込まれた結線空間部が形成されることを特徴とする。
【0020】
本発明の他の実施形態にかかる固定子ユニットは、複数の巻線コイルと、円板状に形成され、前記巻線コイルを内部に挿設できるように上下を貫通し円周方向に沿って離隔して設けられる複数の埋立孔が形成され、中央部に発電機の固定軸が結合される軸着部が設けられた固定子プレートとを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の他の実施形態にかかる固定子ユニットは、前記各巻線コイルの中央部に形成されたコイル孔に挿入されて前記巻線コイルの形状を維持させながら前記巻線コイルを固定子プレートに固定させる形状保持部をさらに備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の他の実施形態にかかる固定子ユニットは、前記軸着部側に向かう前記巻線コイルの一側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する内側加圧部と、前記固定子プレートの縁側に向かう前記巻線コイルの他の側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する外側加圧部とをさらに備えることを特徴とする。
【0023】
そして、本発明の実施形態にかかる発電機は、固定軸と、複数の巻線コイルと、円板状に形成され上面と下面に各々前記巻線コイルが挿入できるように引き込まれ円周方向に沿って離隔して配される上部挿入溝と下部挿入溝が形成され、中央部に前記固定軸が結合される軸着部が設けられた固定子プレートを含む固定子ユニットと、前記固定軸に相対回転自在に設けられ、内側に空間部が形成された円筒形のハウジングと、前記ハウジングの上板部と下板部に各々設けられる上部ヨーク部及び下部ヨーク部と、前記固定子プレートに向かう前記上部ヨーク部及び前記下部ヨーク部の一面に各々前記上部ヨーク部及び前記下部ヨーク部の円周方向に沿って設けられる複数の永久磁石を含む回転子ユニットとを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の実施形態にかかる発電機は、互いに対応する前記上部挿入溝と前記下部挿入溝との間の前記固定子プレートには前記上部挿入溝と前記下部挿入溝とを互いに連通させるように上下を貫通する連通孔が形成されることを特徴とする。
【0025】
本発明の実施形態にかかる発電機は、前記軸着部側に向かう前記巻線コイルの一側を前記固定子プレートの上部と下部において各々前記固定子プレートに向かって加圧する内側加圧部と、前記固定子プレートの縁側に向かう前記巻線コイルの他の側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する外側加圧部とをさらに備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の実施形態にかかる発電機の前記内側加圧部には、前記固定子プレートの間に前記巻線コイルを結線できるように前記固定子プレートに向かう一面から引き込まれた結線空間部が形成されることを特徴とする。
【0027】
本発明の他の実施形態にかかる発電機は、固定軸と、複数の巻線コイルと、該巻線コイルを内部に挿設できるように上下を貫通し円周方向に沿って離隔して配される複数の埋立孔が形成され、中央部に前記固定軸が結合される軸着部が設けられた固定子プレートを含む固定子ユニットと、前記固定軸に相対回転自在に設けられ、内側に空間部が形成された円筒形のハウジングと、前記ハウジングの上板部と下板部に各々設けられる上部ヨーク部及び下部ヨーク部と、前記固定子プレートに向かう前記上部ヨーク部及び前記下部ヨーク部の一面に各々前記上部ヨーク部及び前記下部ヨーク部の円周方向に沿って設けられる複数の永久磁石を含む回転子ユニットとを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の他の実施形態にかかる発電機は、前記各巻線コイルの中央部に形成されたコイル孔に挿入されて前記巻線コイルの形状を維持させながら前記巻線コイルを固定子プレートに固定させる形状保持部をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
本発明の他の実施形態にかかる発電機は、前記軸着部側に向かう前記巻線コイルの一側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する内側加圧部と、前記固定子プレートの縁側に向かう前記巻線コイルの他の側を前記固定子プレートの上部と下部で各々前記固定子プレートに向かって加圧する外側加圧部とをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように本発明によれば、従来の円形断面を有する銅ワイヤの代わりに一定幅と長さを有し薄い帯状の銅ストリップを用いて巻線コイルを形成することによって巻線コイルの巻線作業を容易にすることができる。
【0031】
また、本発明にかかる固定子ユニットは、固定子プレートの上面と底面に巻線コイルを配することができて固定子プレートに対する単位面積当たりの巻線コイルの集積率をアップすることができ、よって発電量を増進させうる長所がある。
【0032】
そして、本発明にかかる固定子ユニットは、熱硬化性接着剤を用いて巻線コイルのストリップを一体に堅固に固定することによって熱の発生時巻線コイルのストリップが解けることを防止することができる。
【0033】
また、本発明にかかる固定子ユニットは、固定子プレートに複数の巻線コイルを配列及び熱伝導性接着剤を用いて固定させることによって、発電機が高速で回転する途中巻線コイルに発生する熱を迅速に放出することによって巻線コイルが固定子プレートから分離されることを防止でき、よって回転子が巻線コイルに干渉または衝突することを防止することから持続的かつ安定的な発電が可能である。
【0034】
さらには、本発明にかかる固定子ユニットは、熱伝導性接着剤のみならず内側加圧部及び外側加圧部を用いて巻線コイルを固定子プレートに堅固に固定させることができ、巻線コイルから発生する熱を放出して巻線コイルを効率よく冷却させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる固定子ユニットの分離斜視図である。
図2図1に示した固定子ユニットの断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態にかかる固定子ユニットの分離斜視図である。
図4図3に示した固定子ユニットの断面図である。
図5】本発明の第3の実施形態にかかる発電機の分離斜視図である。
図6図5に示した発電機の固定子ユニットを変更した発電機の分離斜視図である。
図7】本発明の第4の実施形態にかかる固定子ユニットの分離斜視図である。
図8図7に示した固定子ユニットを備えた発電機の分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態にかかる固定子ユニット及びこれを備えた発電機について詳述する。
【0037】
[第1の実施形態]
図1及び図2には本発明の第1の実施形態にかかる固定子ユニット100が示されている。同図を参照すれば、本発明の第1の実施形態にかかる固定子ユニット100は複数本の巻線コイル110と、固定子プレート120と、加圧部と、軸固定部140とを備える。
【0038】
巻線コイル110は銅などの金属材で形成され、一定幅と長さを有し薄厚の帯状のストリップを環状に巻いて形成したものであって、ストリップの一面を他の面に接触するように丸く巻いて形成する。
【0039】
本実施形態において巻線コイルは、前述したようなストリップを環状に巻いて形成したものを適用したが、これとは違って断面が円形の導線を環状に巻いて形成することもできることは勿論である。
【0040】
巻線コイル110は熱伝導性接着剤を用いて後述する固定子プレート120に固定させる前に、巻線コイル110が熱により解けることを防止できるように、巻線コイル110の表面に熱硬化性接着剤115を塗布して巻線コイル110のストリップを一体に固定できる。熱硬化性接着剤115により巻線コイル110のストリップは高温発生時にも互いに密着したまま一体に堅固に固定できる。巻線コイル110は、後述する固定子プレート120の上部挿入溝122及び下部挿入溝に塗布される熱伝導性接着剤により上部挿入溝122及び下部挿入溝に各々固定される。
【0041】
固定子プレート120は発電機の固定軸10の直交方向に設けられるものであって、中央部に発電機の固定軸10が結合される軸着部121が設けられ、エンジニアリングプラスチックで形成され、円板状に形成される。
【0042】
固定子プレート120の上面には巻線コイル110を各々一つずつ挿入できるように下方に引き込まれ、巻線コイル110を一定間隔離隔して配置できるように固定子プレート120の円周方向に沿って離隔する複数の上部挿入溝122が形成される。
【0043】
固定子プレート120の下面には巻線コイル110を各々一つずつ挿入できるように上方に引き込まれ、巻線コイル110を一定間隔離隔して配置できるように固定子プレート120の円周方向に沿って離隔する複数の下部挿入溝が形成される。
【0044】
本実施形態においては、上部挿入溝122と下部挿入溝を上下方向に互いに対応する位置に形成したものを適用することができるが、上部挿入溝122と下部挿入溝が互いに食い違う位置に形成されることもできる。この場合、いずれか一つの上部挿入溝122は二つの下部挿入溝と重畳する領域に配置され、いずれか一つの下部挿入溝は二つの上部挿入溝122と重畳する領域に配置される。
【0045】
また、固定子プレート120には上部挿入溝122と下部挿入溝とを連通させるための複数の連通孔124が形成される。各連通孔124は上下方向に互いに対応する位置に形成された一側の上部挿入溝122と一側の下部挿入溝との間の固定子プレート120を貫通するように形成される。連通孔124には巻線コイル110の相互間の結線のために巻線コイル110のストリップを通過させることができ、熱伝導性接着剤を充填することもできる。
【0046】
固定子プレート120の上部挿入溝122と下部挿入溝には巻線コイル110を各々挿着できるように熱伝導性接着剤が塗布される。熱伝導性接着剤は巻線コイル110が上部挿入溝122に完全に挿入される時、巻線コイル110を除いた上部挿入溝122の残り空間部を充填し巻線コイル110の上部を一部覆えるほどの量で塗布するのが好適である。
【0047】
そして、固定子プレート120の上部挿入溝122に塗布される熱伝導性接着剤と、下部挿入溝に塗布される熱伝導性接着剤は上部挿入溝122と下部挿入溝とを互いに連通させる連通孔124によって互いに連結される。熱伝導性接着剤が硬化した後には上部挿入溝122と下部挿入溝に塗布された熱伝導性接着剤が連結された一体化構造であるから、また上部挿入溝122に設けられた巻線コイル110と下部挿入溝に設けられた巻線コイル110も熱硬化性接着剤115によって一体化し、いずれか一側の巻線コイル110が上部挿入溝122や下部挿入溝から分離または離脱することを確かに防止する。
【0048】
加圧部は巻線コイル110を固定子プレート120に安定的かつ堅固に密着固定させるためのものであって、内側加圧部と外側加圧部とを備える。
【0049】
内側加圧部と外側加圧部は強度及び熱伝導のために金属で形成するのが望ましい。
【0050】
内側加圧部は固定子プレート120の軸着部121側に向かう巻線コイル110の一側を固定子プレート120の上部と下部で各々固定子プレート120に向かって加圧するものであって、上部内側加圧部材131と下部内側加圧部材132とを含めて構成される。
【0051】
上部内側加圧部材131は固定子プレート120の上部で固定子プレート120の上部挿入溝122に各々挿着されており、固定子プレート120の円周方向に沿って離隔して配列された複数の巻線コイル110の一側に接触及び干渉できるように平らな円形の環状に形成される。上部内側加圧部材131は外側縁が巻線コイル110に接触して設けられ、固定子プレート120の軸着部121に向かう一側がピースまたはボルトにより固定子プレート120に密着固定される。上部内側加圧部材131はピースまたはボルトにより一側が固定子プレート120に密着及び固定しつつ他の側が巻線コイル110を上部挿入溝122の内側に加圧する。
【0052】
下部内側加圧部材132は上部内側加圧部材131と対応する固定子プレート120の下部で固定子プレート120の下部挿入溝にそれぞれ挿着されており、固定子プレート120の円周方向に沿って離隔して配列された複数の巻線コイル110の一側に接触及び干渉できるように平らな円形の環状に形成される。下部内側加圧部材132は上部内側加圧部材131のように外側縁が巻線コイル110に接触して設けられ、固定子プレート120の軸着部121に向かう一側がピースまたはボルトにより固定子プレート120に密着固定される。下部内側加圧部材132はピースまたはボルトにより一側が固定子プレート120に密着及び固定しつつ他の側が巻線コイル110を下部挿入溝の内側に加圧する。
【0053】
外側加圧部は固定子プレート120の外側縁に向かう巻線コイル110の他の側を固定子プレート120の上部と下部で各々固定子プレート120に向かって加圧するものであって、上部外側加圧部材133と下部外側加圧部材134を含めて構成される。
【0054】
上部外側加圧部材133は固定子プレート120の上部で固定子プレート120の上部挿入溝122に各々挿着されており、固定子プレート120の円周方向に沿って離隔して配列された複数の巻線コイル110の他の側に接触及び干渉できるように平らな円形の環状に形成される。上部外側加圧部材133は固定子プレート120の軸着部121に向かう内側縁が巻線コイル110に接して設けられ、固定子プレート120の外側に向かう外側縁がピースまたはボルトにより固定子プレート120に密着固定される。上部外側加圧部材133はピースまたはボルトにより一側が固定子プレート120に密着及び固定しつつ他の側が巻線コイル110を上部挿入溝122の内側に加圧する。
【0055】
下部外側加圧部材134は上部外側加圧部材133と対応する固定子プレート120の下部で固定子プレート120の下部挿入溝に各々挿着されており、固定子プレート120の円周方向に沿って離隔して配列された複数の巻線コイル110の他の側に接触及び干渉できるように平らな円形の環状に形成される。下部外側加圧部材134は固定子プレート120の軸着部121に向かう内側縁が巻線コイル110に接して設けられ、固定子プレート120の外側に向かう外側縁がピースまたはボルトにより固定子プレート120に密着固定される。上部外側加圧部材133はピースまたはボルトにより一側が固定子プレート120に密着及び固定しつつ他の側が巻線コイル110を上部挿入溝122の内側に加圧する。
【0056】
そして、固定子ユニット100の内側加圧部と巻線コイル110との間と、外側加圧部と巻線コイル110との間には、各々巻線コイル110から発生する熱を内側加圧部と外側加圧部へ伝達できるように熱伝導性接着剤が塗布される。
【0057】
内側加圧部と巻線コイル110との間には熱伝導性接着剤が塗布され、巻線コイル110から発生する熱が熱伝導性接着剤を通じて内側加圧部へ伝わり、内側加圧部は固定軸10に接して結合されて固定軸10に熱を伝達しつつ巻線コイル110の放熱が行われる。
【0058】
外側加圧部と巻線コイル110との間には熱伝導性接着剤が塗布され、巻線コイル110から発生する熱が熱伝導性接着剤を通して外側加圧部へ伝達されながら巻線コイル110の放熱が行われる。
【0059】
前述した内側加圧部及び外側加圧部は巻線コイル110を固定子プレート120に安定的に固定させるための機能を果たすのみならず、巻線コイル110から発生する熱を放出する放熱機能も共に有する。
【0060】
軸固定部140は、固定子ユニット100、さらに詳しくは固定子プレート120を固定軸10に結合及び固定させるものであって、固定軸10が通過できるように中央に各々通過孔が形成され、固定子プレート120の上部でピースまたはボルトにより固定子プレート120の上面に固定される上部固定部141と、固定子プレート120の下部においてピースまたはボルトによって固定子プレート120の下面に固定される下部固定部142とを含めて構成される。
【0061】
上部固定部141及び下部固定部142は上部内側加圧部材131及び下部内側加圧部材132に干渉が発生しないように上部内側加圧部材131及び下部内側加圧部材132の内径より小さい外径を有するように形成される。
【0062】
上部固定部141と下部固定部142にはキーを用いて固定軸10と結合できるようにキー溝が形成され、固定軸10にもキー溝が形成される。
【0063】
[第2の実施形態]
一方、図3及び図4には本発明の第2の実施形態による固定子ユニット100Aが示されている。同図を参照すれば、本実施形態にかかる固定子ユニット100Aは巻線コイル110と、固定子プレート120と、加圧部130Aとを備える。
【0064】
本実施形態にかかる巻線コイル110と固定子プレート120は、図1及び図2を参照して説明した本発明の第1の実施形態にかかる固定子ユニット100と同様な構造を適用したため、重複した説明は省略する。
【0065】
加圧部130Aは内側加圧部と外側加圧部とを含めて構成され、軽量化及び熱伝導性を向上できるようにアルミニウムを適用するのが望ましい。
【0066】
内側加圧部は固定子プレート120の軸着部121側に向かう巻線コイル110の一側を固定子プレート120の上部と下部で各々固定子プレート120に向かって加圧しつつ固定子プレート120を固定軸10に結着させるためのものであって、上部内側加圧部材131Aと下部内側加圧部材132Aを含めて構成される。
【0067】
上部内側加圧部材131Aは、固定子プレート120の上部で固定子プレート120の上部挿入溝122に各々挿設されており、固定子プレート120の円周方向に沿って離隔して配された複数の巻線コイル110の一側に接触及び干渉できるように平らな円板状に形成され、中央部には固定軸10の通過が可能になる穴が形成される。上部内側加圧部材131Aの穴の内周面には固定軸10の外周面が密着され、穴の内周面には固定軸10とキーを用いて結合できるキー溝が形成される。
【0068】
上部内側加圧部材131Aは外側縁が巻線コイル110に接して設けられ、固定子プレート120の軸着部121に向かう一側がピースまたはボルトにより固定子プレート120に密着して固定される。上部内側加圧部材131Aはピースまたはボルトにより一側が固定子プレート120に密着及び固定しつつ他の側が巻線コイル110を上部挿入溝122の内側に加圧する。
【0069】
下部内側加圧部材132Aは、上部内側加圧部材131Aと対応する固定子プレート120の下部で固定子プレート120の下部挿入溝に各々挿着されており、固定子プレート120の円周方向に沿って離隔して配列された複数の巻線コイル110の一側に接触及び干渉できるように上部内側加圧部材131Aと対応する平らな円板状に形成される。
【0070】
下部内側加圧部材132Aは、上部内側加圧部材131Aのように外側縁が巻線コイル110に接して設けられ、固定子プレート120の軸着部121に向かう一側がピースまたはボルトにより固定子プレート120に密着して固定される。下部内側加圧部材132Aはピースまたはボルトにより一側が固定子プレート120に密着及び固定しつつ他の側が巻線コイル110を下部挿入溝の内側に加圧する。
【0071】
外側加圧部は、固定子プレート120の外側縁に向かう巻線コイル110の他の側を固定子プレート120の上部と下部で各々固定子プレート120に向かって加圧するものであって、上部外側加圧部材133と下部外側加圧部材134とを含めて構成され、前述した図1及び図2を参照して説明した本発明の第1の実施形態にかかる固定子ユニット100で説明している加圧部の外側加圧部と同様な構造を適用した。
【0072】
そして、固定子ユニット100Aの内側加圧部と巻線コイル110との間と、外側加圧部と巻線コイル110との間には各々巻線コイル110から発生する熱を内側加圧部と外側加圧部に伝達できるように熱伝導性接着剤が塗布される。
【0073】
内側加圧部と巻線コイル110との間には熱伝導性接着剤が塗布され、巻線コイル110から発生する熱が熱伝導性接着剤を通して内側加圧部に伝わり、内側加圧部は固定軸10に接触して結合されて固定軸10に熱を伝達されながら巻線コイル110の放熱が行われる。
【0074】
外側加圧部と巻線コイル110との間には熱伝導性接着剤が塗布され、巻線コイル110から発生する熱が熱伝導性接着剤を通して外側加圧部に伝達しつつ巻線コイル110の放熱が行われる。
【0075】
そして、内側加圧部には固定子プレート120の間に巻線コイル110を結線できるように固定子プレート120に向かう一面から引き込まれた結線空間部131B、132Bが形成される。
【0076】
上部内側加圧部材131Aには固定子プレート120に向かう底面に上方に一定深さ引き込まれた結線空間部131Bが形成され、下部内側加圧部材132Aには固定子プレート120に向かう上面に下方に一定深さ引き込まれた結線空間部132Bが形成される。
【0077】
上部内側加圧部材131Aに形成された結線空間部131Bには上部挿入溝122に設けられた巻線コイル110の結線が行われ、下部内側加圧部材132Aに形成された結線空間部132Bには下部挿入溝に設けられた巻線コイル110の結線が行われ、上部内側加圧部材131Aまたは下部内側加圧部材132Aのうち少なくともいずれか一側には結線空間部131B、132Bと固定軸10の内部に形成されたメイン孔11及び固定軸と平行方向にメイン孔11と連通するように開けられたサブ孔12を互いに連通させるための延長空間部131Cがさらに形成される。結線空間部131B、132Bで結線された巻線コイル110は電力を引き出すための出力線が連結され、該出力線は延長空間部131C、サブ孔12、メイン孔11を通過するように設けられる。
【0078】
図3及び図4を参照して説明した本発明の第2の実施形態にかかる固定子ユニット100Aは、加圧部130Aが前述したような本発明の第1の実施形態にかかる固定子ユニット100の軸固定部140の機能を兼ねるので、図1及び図2を参照して説明した本発明の第1の実施形態にかかる固定子ユニット100の軸固定部140を省くことができ、軸固定部140を省くことによって固定子ユニット100Aの軽量化も可能になる長所がある。
【0079】
前述したような本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態にかかる固定子ユニット100,100Aは、従来の円形断面を有する銅ワイヤの代わりに、一定幅と長さを有し薄い帯状に形成された銅ストリップを用いて巻線コイル110を形成することによって、巻線コイル110の巻線作業を容易に行うことができる。
【0080】
また、本発明にかかる固定子ユニット100,100Aは、固定子プレート120の上面と底面に巻線コイル110が配置できることから、固定子プレート120に対する単位面積当たりの巻線コイル110の集積率をアップすることができ、よって発電量の増進が可能になる長所がある。
【0081】
本発明にかかる固定子ユニット100,100Aは、熱硬化性接着剤115を用いて巻線コイル110のストリップの相互を堅固に固定することによって、熱による巻線コイル110のストリップが解けることを防止することができる。
【0082】
本発明にかかる固定子ユニット100,100Aは、固定子プレート120に複数の巻線コイル110を配列及び熱伝導性接着剤を用いて固定させることによって、発電機の高速回転中巻線コイル110に発生する熱により熱伝導性接着剤が変形して巻線コイル110が固定子プレート120から分離されることを防ぐことができ、これにより回転子または回転子ユニットが巻線コイル110に干渉または衝突することを防ぐことによって持続的かつ安定的な発電が可能になる。
【0083】
本発明にかかる固定子ユニット100,100Aは熱伝導性接着剤のみならず内側加圧部及び外側加圧部を用いて巻線コイル110を固定子プレート120に堅固に固定することができ、巻線コイル110から発生する熱を放出して巻線コイル110を効率よく冷却させることができる。
【0084】
[第3の実施形態]
以下、前述したような本発明にかかる固定子ユニットを備えた発電機について詳述する。
【0085】
図5及び図6には本発明にかかる発電機1が示されている。図5及び図6を参照すれば、本発明にかかる発電機は、固定軸10と、固定子ユニット100と、ハウジングと、回転子ユニットとを備える。
【0086】
本発明にかかる発電機1を構成する要素のうち固定子ユニット100は、図5に示したように、図1及び図2を参照して説明した本発明の第1の実施形態にかかる固定子ユニット100を適用することができ、図6に示したように図3及び図4を参照して説明した本発明の第2の実施形態にかかる固定子ユニット100Aを適用することもできる。
【0087】
固定軸10はハウジングの中心を上下に貫通するように設けられ、一側には軸固定部140を介して固定子ユニット100が結合される。
【0088】
固定軸10の内部には長手方向に沿って延びるメイン孔11が形成されており、固定子ユニット100の固定子プレート120が設けられる位置と対応する箇所にはメイン孔11と連通するサブ孔12が固定軸10の長手方向と直交する水平方向に形成される。
【0089】
固定軸10のメイン孔11及びサブ孔12には複数の巻線コイル110で生産された電力が出力される出力線が通過及び設けられ、電力線の一端は巻線コイル110が結線された結線部と連結及び接続される。
【0090】
また、固定軸10には軸固定部140との結合のため、上部固定部141及び下部固定部142に形成されたキー溝に対応する位置にキー溝が形成される。
【0091】
ハウジングは固定軸10に相対回転自在に設けられ、内側に固定軸10と固定子ユニット100及び回転子ユニットを収められる空間部を有する円筒形に形成される。
【0092】
ハウジングは上下に結合及び分離可能な上部胴体21と下部胴体22とから構成され、上部胴体21には回転子ユニットの第1回転子210が設けられ、下部胴体22には回転子ユニットの第2回転子220が設けられる。
【0093】
回転子ユニットは第1回転子210と第2回転子220とを含めて構成される。
【0094】
第1回転子210はハウジングの上部胴体21の内周面に上面が取り付けられる上部ヨーク部211と、固定子ユニット100に向かう上部ヨーク部211の底面に上部ヨーク部211の円周方向に沿って離隔して設けられる複数の永久磁石212とを含めて構成される。
【0095】
第2回転子220はハウジングの下部胴体22の内周面に底面が取り付けられる下部ヨーク部221と、固定子ユニット100に向かう下部ヨーク部221の上面に下部ヨーク部221の円周方向に沿って離隔して設けられる複数の永久磁石222とを含めて構成される。
【0096】
上部ヨーク部211と下部ヨーク部221の各々には永久磁石212,222を挿装できる挿装溝が円周方向に沿って複数個形成されることができる。この際、挿装溝は固定子プレート120の上部挿入溝122及び下部挿入溝の位置と対応する箇所に形成されるのが望ましい。
【0097】
[第4の実施形態]
一方、図7には本発明の第4の実施形態にかかる固定子ユニット100Bが示されており、図8には図7に示された固定子ユニット100Bを備えた発電機1Bが示されている。
【0098】
図7及び図8を参照すれば、本発明の第4の実施形態にかかる発電機は固定軸10と、一定幅と長さを有する帯状に形成された金属ストリップの一面と他の面が接触するように前記ストリップを環状に巻いて形成した複数の巻線コイル110と、該巻線コイル110を内部に挿設できるように上下を貫通し円周方向に沿って離隔して配置される複数の埋立孔122Bが形成され、中央部に前記固定軸10が結合される軸着部の設けられる固定子プレートを含む固定子ユニット100Bと、前記固定軸10に相対回転自在に設けられ、内側に空間部が形成された円筒形のハウジングと、前記ハウジングの上板部21と下板部22に各々設けられる上部ヨーク部211及び下部ヨーク部221と、前記固定子プレートに向かう前記上部ヨーク部211及び前記下部ヨーク部221の一面に各々前記上部ヨーク部211及び前記下部ヨーク部221の円周方向に沿って設けられる複数の永久磁石212,222を含む回転子ユニットとを備える。
【0099】
本実施形態にかかる発電機の固定軸10、ハウジング21,22、回転子ユニットは、図5または図6を参照して説明した発電機1と同様なものを適用でき、これに対する説明は省く。
【0100】
固定子ユニット100Bは巻線コイル110と、固定子プレート120Bと、加圧部と形状保持部151とを備える。
【0101】
本実施形態にかかる固定子ユニット100Bの巻線コイル110は、図1及び図2を参照して説明したものと同様なものを適用したため、重複説明は省略する。
【0102】
固定子プレート120は発電機の固定軸10に直交する方向に設けられるものであって、円板状に形成され、巻線コイル110を内部に各々挿設できるように上下を貫通し円周方向に沿って離隔して設けられる複数の埋立孔122Bが形成され、中央部に発電機の固定軸10が結合される軸着部が設けられる。
【0103】
各埋立孔122Bは、巻線コイル110を挿入する際埋立孔122Bの内周面に巻線コイル110の外側縁面がタイトに嵌着できるように巻線コイル110のサイズに対応するサイズを有するように形成される。巻線コイル110の固定のために埋立孔122Bの内周面や巻線コイル110の外周面に前述した熱硬化性接着剤を塗布することもできる。
【0104】
形状保持部151は、巻線コイル110の中央部に形成されたコイル孔に挿入されて巻線コイル110の形状を維持しつつ、巻線コイル110を固定子プレートに固定させるものであって、コイル孔のサイズに応ずるサイズでコイル孔にタイトに挿着できるように形成される。形状保持部151の固定のため、巻線コイル110のコイル孔の内周面や形状保持部151の外周面に前述した熱硬化性接着剤を塗布することができる。形状保持部151は非金属性素材で形成するのが好適である。
【0105】
そして、加圧部は、巻線コイル110と共に形状保持部151を固定子プレート120Bに安定的かつ堅固に密着して固定するためのものであって、内側加圧部と外側加圧部とを含む。
【0106】
内側加圧部と外側加圧部は、強度及び熱伝導のために金属で形成するのが好適である。
【0107】
内側加圧部は、固定子プレート120Bの軸着部121側に向かう巻線コイル110及び形状保持部151の一側を固定子プレート120Bの上部と下部で各々固定子プレート120Bに向かって加圧するものであって、上部内側加圧部材131と下部内側加圧部材132とを含めて構成される。
【0108】
内側加圧部を構成する上部内側加圧部材131と下部内側加圧部材132は、図1及び図2を参照して説明した本発明の第1の実施形態にかかる内側加圧部と同様な構造を有する。
【0109】
外側加圧部は固定子プレート120Bの外側縁に向かう巻線コイル110及び形状保持部151の他の側を固定子プレート120Bの上部と下部で各々固定子プレート120Bに向かって加圧するものであって、上部外側加圧部材133と下部外側加圧部材134を含めて構成される。
【0110】
外側加圧部を構成する上部外側加圧部材133と下部外側加圧部材134は、図1及び図2を参照して説明した本発明の第1の実施形態にかかる外側加圧部と同様な構造を有する。
【0111】
加圧部を通じて巻線コイル110及び巻線コイル110の形状を維持させる形状保持部151を共に固定子プレート120Bに安定的に固定できる。
【0112】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明にかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然の本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0113】
1:発電機
10:固定軸
100,100A:固定子ユニット
110:巻線コイル
120:固定子プレート
121:軸着部
122:上部挿入溝
123:下部挿入溝
131,131A:上部内側加圧部材
131B:結線空間部
132,132A:下部内側加圧部材
132B:結線空間部
133:上部外側加圧部材
134:下部外側加圧部材
140:軸固定部
141:上部固定部
142:下部固定部
210:第1回転子
211:上部ヨーク部
212:永久磁石
220:第2回転子
221:下部ヨーク部
222:永久磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8