(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089933
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】光出力信号制御を改善した光リンク
(51)【国際特許分類】
H04B 10/50 20130101AFI20230621BHJP
H01S 5/02251 20210101ALI20230621BHJP
H01S 5/02212 20210101ALI20230621BHJP
H01S 5/024 20060101ALI20230621BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
H04B10/50
H01S5/02251
H01S5/02212
H01S5/024
G02B6/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022182691
(22)【出願日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】63/264,148
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522447255
【氏名又は名称】ペーエムカー メス- ウント コムニカーティオンステヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マイケル メンデ
(72)【発明者】
【氏名】マルク ハイマン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ブーマン
(57)【要約】
【課題】本発明は、試験及び測定アプリケーションにおけるアナログ信号送信のための光リンクに関する。本発明は、また、そのような光リンクを備えるプローブヘッド、電源装置、及びプローブチップに関する。更に、本発明は、そのような光リンクを使用して電気-光送信器の出力を制御するための方法にも関する。
【解決手段】本発明は、電気入力接続部と、光出力接続部と、電気-光送信器と、電気-光送信器を収容する送信器室とを備え、送信器室が温度制御装置を備える、試験及び測定アプリケーションにおけるアナログ信号送信のための光リンクに関する。制御装置は、送信器を一定の所定の温度に保つように構成される。本発明は更に、光リンクと、電源装置と、プローブ先端とを備える、試験及び測定アプリケーションに使用するためのプローブヘッドに関する。更に、本発明は、電気-光送信器の出力電力を制御するための方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験及び測定アプリケーションにおけるアナログ信号送信のための光リンクであって、
a.電気入力接続部と、
b.光出力接続部と
c.電気-光送信器と、
を備えた光リンクにおいて、
電気-光送信器を収容する送信器室であって、前記送信器室は、前記電気-光送信器を一定の所定の温度に保つように構成された温度制御装置を備える、ことを特徴とする光リンク。
【請求項2】
前記送信器室は高い熱伝導率を有する材料を含む、請求項1に記載の光リンク。
【請求項3】
前記材料は高い熱容量を有し、及び/又は前記送信器室は高い熱容量を有する別の材料を更に含む、請求項2に記載の光リンク。
【請求項4】
前記送信器室は、金属、例えば、黄銅、アルミニウム、銅、鋼、及び/又は金属合金で作られた管である、請求項1に記載の光リンク。
【請求項5】
前記送信器室の周りに熱及び電気絶縁材料を更に含む、請求項1に記載の光リンク。
【請求項6】
前記熱及び電気絶縁材料は、発泡ポリスチレン、ポリウレタン(PU)発泡体、ポリイソシアヌレート(PIR)発泡体、及び/又はフェノールスプレー発泡体を含む、請求項5に記載の光リンク。
【請求項7】
前記温度制御装置は前記電気-光送信器に接続される、請求項1に記載の光リンク。
【請求項8】
前記温度制御装置はペルチェ素子を備える、請求項1に記載の光リンク。
【請求項9】
前記温度制御装置は、温度センサと、フィードバックループ温度制御を有する温度制御システムとを備える、請求項1に記載の光リンク。
【請求項10】
前記温度センサは、前記送信器室の内部に配置され、前記電気・光出力送信器に熱的に接続される、請求項9に記載の光リンク。
【請求項11】
前記電気-光送信器はファイバ結合レーザパッケージを備える、請求項1に記載の光リンク。
【請求項12】
前記ファイバ結合レーザパッケージはレーザダイオード部とレーザアライメント部とを備える、請求項11に記載の光リンク。
【請求項13】
前記レーザダイオード部はTO-can型パッケージを備える、ことを特徴とする請求項12に記載の光リンク。
【請求項14】
前記レーザアライメント部は、スリーブと、ガラスキャピラリーと、光ファイバケーブルの端部とを備える、請求項12に記載の光リンク。
【請求項15】
前記ファイバ結合レーザパッケージはヘッダを備える、請求項11に記載の光リンク。
【請求項16】
前記ファイバ結合レーザパッケージは冷却された内部レーザダイオードを含む、請求項11に記載の光リンク。
【請求項17】
前記光出力接続部は光ファイバケーブル及び曲げ制限部を備える、請求項1に記載の光リンク。
【請求項18】
前記光ファイバケーブルはシングルモードファイバである、請求項17に記載の光リンク。
【請求項19】
試験及び測定アプリケーションに使用するためのプローブヘッドであって
a.請求項1による光リンクと、
b.電源装置と、
c.プローブチップと、
を備える、プローブヘッド。
【請求項20】
前記電源装置は、電池収納部と、ねじ込み式電池キャップとを備える、請求項19に記載のプローブヘッド。
【請求項21】
前記電源装置は電池を有する、請求項19に記載のプローブヘッド。
【請求項22】
前記電源装置が電線を有する、請求項19に記載のプローブヘッド。
【請求項23】
前記電源装置は光電力ケーブルを有する、請求項19に記載のプローブヘッド。
【請求項24】
前記プローブヘッドは、前記プローブチップに接続された入力バッファと、前記電気-光送信器の前記電気入力接続部とを備える、請求項19に記載のプローブヘッド。
【請求項25】
前記電気-光送信器は、熱減衰装置を介して前記入力バッファに接続される、請求項24に記載のプローブヘッド。
【請求項26】
前記熱減衰装置は孔及び/又は低熱伝導率を有する材料を含む、請求項25に記載のプローブヘッド。
【請求項27】
請求項1に記載の光リンクを用いて電気-光送信器の出力を制御するステップであって、
a.前記送信器室内で電気-光送信器及び温度センサを組み立て、前記温度制御装置を前記電気-光送信器及び前記温度センサに接続するステップと、
b.前記光入力接続部に電気信号を印加するステップと、
c.電気信号を光信号に変換するステップと、
d.前記送信器室内の温度を一定に保つステップと、
e.一定の電気入力信号に対する一定の光出力を監視するステップと、
を有する、方法。
【請求項28】
電気的信号及び/又は光信号を変調するステップを更に含む、請求項27に記載の方法ステップ。
【請求項29】
温度を一定に保つステップは、
a.現在の温度を取得するステップと、
b.取得された現在の温度を所定の所望の温度と比較することによって偏差を取得するステップと、
c.前記偏差を補正する出力を生成するステップと、
を有する、請求項27に記載の方法ステップ。
【請求項30】
複数の前記ステップを連続的に繰り返すステップを更に含む、請求項27に記載の方法ステップ。
【請求項31】
信号フィルタのステップを更に備える、請求項27に記載の方法ステップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月16日の出願日を有する「光出力信号制御を改善した光リンク」と題する米国特許仮出願第63/264,148号明細書の利益を主張する。
本開示は、試験及び測定アプリケーションにおけるアナログ信号送信のための光リンクに関する。より具体的に、光リンクは、電気入力接続部と、光出力接続部と、電気-光送信器とを備える。本開示は、また、そのような光リンク、電源装置、及びプローブチップを備えるプローブヘッドに関する。更に、本開示は、そのような光リンクを使用して電気-光送信器の出力を制御するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
試験及び測定のアプリケーションの分野では、アナログ信号送信のための光リンクが局所的に取得された電気測定信号をオシロスコープなどの遠隔処理ユニットに変換するために使用される。電気信号は、光信号に変換され、光ファイバケーブルを介して受信者に送信される。取得された測定信号は例えば、電圧測定値を表すことができる。試験及び測定のアプリケーションの大部分には、可能な限り高い品質で信号を送信するという要件が内在しています。理想的なケースでは、信号の変換と送信との間にエラーが発生することはありません。
【0003】
電気-光送信器の出力信号は、変化する環境条件にさらされると変動の影響を受けやすい。一例として、レーザの内部光ダイオードによって生成される波長は、温度に敏感である。
【0004】
光ファイバリンクとも呼ばれる、光リンクを横切る安定かつ正確なアナログ送信を達成することは、独特の一連の課題を有し、数年にわたっていくつかのアプローチが実施されてきた。既知のアプローチは、アナログ電気入力信号をデジタル化すること、デジタル化された信号を光ファイバリンク上でデジタル的に送信すること、送信前に信号のFM又は他の変調方式を適用すること、及び信号の直接振幅変調を行い、次いで、可変ゲイン増幅器及びオフセット追跡アルゴリズムなどを用いて、レーザのスロープ効率(slope-efficiency)などの変動を経時的及び温度的に補償しようとすること、を含む。
【0005】
アナログ信号をデジタル化することや、FM又は他の変調方式は、典型的には測定データ送信に利用可能な帯域幅を損なうことになる固有の帯域幅消費によって制限される。信号の直接振幅変調を適用し、次いで、変動を補償しようとすることは電気-光送信器の全帯域幅能力を利用することを可能にし得るが、しかしながら、電気-光送信器における温度依存変動の補償は完全ではなく、測定された信号のいくらかの残留エラーをもたらす。
【0006】
最新技術から知られている更なるアプローチによれば、レーザの温度感度は、レーザ内部フォトダイオードによってレーザ出力を制御することによって管理することができる。このような制御アプローチは、光ファイバに入射する光の量がフォトダイオードに入射する光の量に対応するという仮定に基づいている。内部フォトダイオードに入射する光とファイバに結合される光との間の差は、レーザの2つの異なる出力の比を意味する前後トラッキング比とも呼ばれる。これは、フォトダイオードによって検出されたレーザ出力変化の検出された変化に基づいてレーザ駆動条件を調整する適切なアルゴリズムを実施することを可能にする。
【0007】
複雑なセンサ及びソフトウェア・インフラストラクチャの必要性に加えて、このアプローチは、温度変動が光リンクに及ぼす多くの効果のうち、ほんの一部しか制御によって考慮されないという欠点を有する。
【0008】
光リンクの分野で知られている別の課題は、レーザ内のバックファセット監視内部フォトダイオードとファイバ出力との間のトラッキングであり、これは、出力ファイバへのレーザ結合、ファイバ出力レベルが温度を超えていることを意味する。内部監視フォトダイオードであるバックファセット監視は一定の出力のためのレーザ出力バイアス点を設定し、安定したDC/LFレーザ出力信号を維持し、フィードバックループを介してLFノイズを低減するために使用される。このトラッキング・ミスマッチ・エラーが温度に対して著しくなると、レーザダイオードの動作点は、制御回路における不正確な読み出しに起因して変化する。更に、DC/LF及びHFゲインは互いから逸脱し、その結果、補償が不十分な波形LF COMPが発生する。このトラッキング/アライメントエラーの主な要因の1つは、温度によって変化する機械的パッケージの端子膨張であり、レーザパッケージ内に光学的アライメント/カップリングエラーが発生する。
【0009】
アナログ信号送信のための光リンクと、このような光リンクを備えるアダプタと、このようなアダプタを備えるシステムと、電気-光送信器の出力を制御するための方法は、上述の1つ又は複数の課題を解決する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
必要とされているのは、エラー信号変調による帯域幅損失を受けることなく、試験及び測定アプリケーションにおいて一定でクリーンな光出力信号を提供する光リンクである。光リンク、プローブヘッド、及び電気-光送信器の出力を制御するための方法は、異なる過渡温度環境において高品質信号を確実に測定することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書で説明される光リンクは試験及び測定アプリケーションにおけるアナログ信号送信のための光リンクであり、電気入力接続部と、光出力接続部と、電気-光送信器と、少なくとも電気-光送信器を収容する送信器室とを備え、送信器室は、電気-光送信器を一定の所定の温度に保つように構成された温度制御装置を備える。
【0012】
送信器室は、高い熱伝導率を有する材料を含むか、又はそれから成ってもよい。送信器室は例えば、金属、例えば、真鍮、アルミニウム、銅、鋼、又は金属合金で作られた管であってもよい。光リンクは、送信器室の周りに熱及び電気絶縁材料を更に含むことができる。電気及び熱絶縁材料は、例えば、発泡ポリスチレン、ポリウレタン(PU)発泡体、ポリイソシアヌレート(PIR)発泡体、フェノールスプレー発泡体などを含んでもよい。ポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体は、特に発泡体セルが主に閉鎖型である場合、特に閉鎖型セルの割合が80%よりも大きいか又は85%よりも大きい場合、特に良好な断熱効率で知られている。
【0013】
温度制御装置は、電気-光送信器に接続されてもよい。温度制御装置は、ペルチェ素子を備えてもよい。温度制御装置は、温度センサと、フィードバックループ温度制御を有する温度制御システムとを備えてもよい。温度センサは、送信器室内に配置されてもよく、電気・光出力送信器に熱的に接続されてもよい。電気-光送信器は、ファイバ結合レーザパッケージを備えることができる。ファイバ結合レーザパッケージは、レーザダイオード部及びレーザアライメント部を備えることができる。レーザダイオード部は、TO-can型パッケージを備えてもよい。レーザアライメント部は、スリーブと、ガラスキャピラリーと、光ファイバケーブルの端部とを備えてもよい。結合レーザパッケージは、冷却された内部レーザダイオードを含むことができる。光出力接続部は、光ファイバケーブル及び曲げ制限部を備えてもよい。光ファイバケーブルは、シングルモードファイバであってもよい。
【0014】
本明細書に記載のプローブヘッドは試験及び測定アプリケーションで使用するためのプローブヘッドであり、本開示による光リンクと、電源装置と、プローブチップとを備える。電源装置は、電池収納部と、ねじ込み式電池キャップとを備えてもよい。代替的に又は追加的に、電源装置は電池を備えてもよい。代替的に又は追加的に、電源装置は電線及び/又は光電力ケーブルを備えてもよい。プローブヘッドは、プローブチップに接続された入力バッファと、電気-光送信器の電気入力接続部とを備えてもよい。電気-光送信器は、熱減衰装置を介して入力バッファに接続されてもよい。熱減衰装置は孔及び/又は低熱伝導率を有する材料を含むことができる。
【0015】
本明細書で説明する方法は、本開示による光リンクを使用して電気-光送信器の出力を制御するための方法である。本方法は、送信器室内に電気-光送信器及び温度センサを組み立てるステップと、温度制御装置を電気-光送信器及び温度センサに接続するステップと、電気信号を光入力接続部に印加するステップと、電気信号を光信号に変換するステップと、送信器室内の一定の温度を維持するステップと、一定の電気入力信号に対する一定の光出力を監視するステップとを含むことができる。本方法は、電気及び/又は光信号変調のステップを更に含むことができる。一定の温度を維持するステップは、現在の温度値を取得するステップと、取得された現在の温度値を所定の所望の温度値と比較することによって偏差を取得するステップと、偏差を補償するための出力を生成するステップとを含むことができる。本方法は、信号フィルタリングのステップを更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示のいくつかの実施形態を示す。説明と共に、それらは、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【
図1】
図1は側面視での光リンクの例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図2】
図2は光リンクの電気-光送信器の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図3】
図3は側面視でのプローブヘッドの例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図4】
図4は側面視でのプローブヘッドの例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図5】
図5はプローブヘッドの例示的な実施形態の斜視図を示す。
【
図9】
図9は光リンクを使用して電気-光送信器を制御するためのフローチャートの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、一般に、電気入力接続部と、光出力接続部と、及び電気-光送信器とを備える、試験及び測定アプリケーションにおけるアナログ信号送信のための光リンク、及び電気-光送信器を収容する送信器室を提供し、送信器室は、送信器を一定の所定の温度に保つように構成された温度制御装置を備える。
【0018】
本発明の基本的な原理は、熱膨張により光リンクに信号エラーを与えるような部品を全て一定温度環境内に配置することである。一定温度環境は、少なくとも電気-光送信器、好ましくは温度センサを含む送信器室によって、送信器室の内側に提供される。
【0019】
電気-光送信器という用語は、電気入力信号を光出力信号に変換するために必須の少なくとも全ての光学構成要素を含むことができる。レーザの場合、電気-光送信器という用語は、レーザダイオード部及びレーザアライメント部を含むことができる。
【0020】
送信器を一定の温度に保つように構成された温度制御装置を備える送信器室を提供することによって、電気-光送信器全体を一定温度の環境に配置することができる。言い換えれば、電気-光送信器全体は、送信器室によって温度変動に対して遮蔽され得る。これは、前述のような複雑な変調、デジタル化、及び前後トラッキング比制御アプローチが無意味になるという利点を有する。これは、システムの複雑さを大幅に低減することができ、測定データ送信に利用可能な帯域幅を最大化することができるという利点を有する。
【0021】
更なる実施形態によれば、光リンクは、送信器室の周囲に熱及び電気絶縁材料を更に備えてもよい。熱及び電気絶縁材料は例えば、発泡ポリスチレン、ポリウレタン(PU)発泡体、ポリイソシアヌレート(PIR)発泡体、フェノールスプレー発泡体などを含むことができる。更に、温度制御装置は温度制御システムを備えてもよい。加えて又は代替として、温度制御装置はペルチェ素子を備えてもよい。更に、温度制御装置は、温度センサ、例えばサーミスタ又は熱電対と、閉ループ又はフィードバックループ温度制御を備える温度制御システムとを備えてもよい。
【0022】
更なる実施形態によれば、電気-光送信器は、ファイバ結合レーザパッケージを備えてもよい。ファイバ結合レーザパッケージは、レーザダイオード部及びレーザアライメント部を備えるか、又はそれらから構成され得る。レーザダイオード部はTO-can型パッケージを備えてもよい。レーザアライメント部は、スリーブと、ガラスキャピラリーと、光ファイバケーブルの近位端とを備えることができる。
【0023】
結合レーザパッケージは、電気入力接続部をレーザダイオードに接続するヘッダを備えることができる。電気-光送信器は冷却された内部レーザダイオードを備えてもよいし、備えなくてもよい。光出力接続部は、光ファイバケーブル及び曲げ制限部を備えてもよい。光ファイバケーブルは、シングルモードファイバを含むことができる。典型的には、曲げ制限部及び光ファイバケーブルの大部分が電気-光送信器の一部ではない。
【0024】
ペルチェ素子(Thermo-Electric Cooler、TECなど)などの温度制御装置を使用して、電気-光送信器は、フィードバックループ温度制御システムを用いて一定温度に維持されてもよい。
【0025】
外部温度の変動は光出力信号に大きな影響を与える可能性がある。一例として、25℃に較正された前後トラッキング比補正を有するシステムは、27℃で動作させたときに2%のエラーを有することが報告されている。言い換えれば、この2%のエラーは、レーザアライメント部の温度膨張に起因する。
【0026】
ファイバアラメント部及び結合光学系を含む電気-光送信器全体が、一定温度の送信器室内にあるので、性能における任意の温度変動を大幅に低減するか、又は完全になくすことができる。電気-光送信器を一定温度に維持することによって、電気-光送信器(すなわち、レーザー)の閾値、Ith、及びスロープ効率(mW/mA、SE)、トラッキングエラー(BFM対Pout)は、装置の外部動作温度域にわたって一定のままである。電気-光送信器室、又は送信器室、温度設定点は通常の外部動作温度条件における温度制御装置の電力要件を最小限に抑え、レーザパラメータを微調整するために、必要に応じて調整することができる。
【0027】
外部温度の変化とは別に、電気-光送信器の内部温度は、自己加熱によって変化し得る。これは、レーザパラメータのドリフトを引き起こし、特に、出力を高めた直後に誤った測定結果をもたらす可能性がある。このようなレーザパラメータのドリフトも、本発明では回避される。
【0028】
このタイプのアナログ電気・光送信システムのゲインはレーザのスロープ効率に依存するので、送信器室温度を制御する追加の利点はレーザの温度を制御することが、スロープ効率を変更する能力を可能にし、したがって、システムの電気・光ゲインを制御する能力を可能にすることである。これは、例えば、システムの他の部分におけるゲイン変化を補償するために、必要に応じてシステムゲインを調整することを可能にする。
【0029】
一定の温度を維持するための特に好適な方法は、電気-光送信器及び温度センサを含む完全なシステム、又は熱的に隔離された送信器室内の電気-光送信器のみを封入することである。
【0030】
電気-光送信器は、電気信号を光出力信号に変換する要素であってもよい。電気-光送信器は例えば、レーザを含むことができる。
【0031】
送信器室、すなわち電気-光送信器室は、高い熱伝導率を有する材料を含むことができる。任意選択で、送信器室は、高い熱伝導率及び高い熱容量を有する材料を備えてもよい。送信器室は、高い熱容量を有する別の原料を更に備えてもよい。送信器室は金属、例えば、黄銅、アルミニウム、銅、鋼、及び/又は金属合金で作られた管であってもよい。送信器室はまた、温度制御装置への熱インターフェースとしての役割を果たすことができる。
【0032】
断熱材料を含む断熱ハウジングを提供することは、過渡温度勾配を平坦化することができ、より均一な温度分布をもたらすという利点を有する。
【0033】
温度センサは、電気-光送信器パッケージの内部制御温度及び/又は温度を測定するために使用されてもよい。温度センサは、外部電源、例えばサーミスタを必要とする受動温度センサを備えてもよい。代替的に又は追加的に、温度センサは外部電源、例えば熱電対を必要としないアクティブ温度センサ、特に、温度検知構成要素としてニッケル-クロム正極を備えるタイプK・熱電対を備えてもよい。
【0034】
温度制御装置は、電気-光送信器及びシステム全体の温度要求に応じて、加熱、冷却、又は加熱及び冷却の両方を行う能力を有する素子であってもよく、又はそれを含んでもよい。この要素は例えば、ペルチェ素子(Thermo-Electric Cooler、TEC)であってもよい。
【0035】
熱及び電気絶縁材料は低熱伝導率の材料であってもよく、外部環境に対する最大の耐熱性を達成するために、送信器室のクラッディングとして使用されてもよい。それは、送信器室を電気的に絶縁することもできる。それは、設計が許す限り、送信器室を最良に取り囲むことができる。
【0036】
温度制御システムは、温度センサを監視し、一定の内部制御温度を維持するように温度制御装置を制御することによって、閉ループ熱フィードバック制御システムを形成する要素であってもよい。レーザのための制御ループは、温度ベースのフィードバックループであってもよい。
【0037】
温度制御システムは、送信器室を目標温度、すなわち設定点に制御することによって外部温度変動が補償されるように構成されてもよい。理想的な場合には、送信器室の温度は設定点に等しく、送信器室の全表面にわたって均一な温度分布を有する。その結果、レーザの環境全体、少なくとも送信器室内に配置された電気-光送信器も、均一な温度分布を有する。
【0038】
設定点は、外部特性であってもよく、設計によって設定されてもよく、技術者によって設定されてもよく、及び/又は別個の制御システムもしくは制御ループによって設定されてもよい。温度制御システムは、設定点が例えば、徐々に、動的に、及び/又は増分的に調整可能であるように更に構成されてもよい。例えば、温度制御システムは、設定点を1度の増分だけ調整するように構成することができる。このような温度制御システムによれば、電気-光送信器において、一定のスロープ効率、一定のバックトラッキング、及び制御されたゲインを達成することができる。
【0039】
設定点を変更することによって、レーザのパラメータを微調整することができる。一例として、温度制御システム内の設定点を増加させることによって、より古いレーザの低下したスロープ効率を補償することができる。
【0040】
内部制御温度は電気-光送信器を一定温度に維持するために、電気-光送信器室内の制御温度であってもよい。
【0041】
外部環境温度は経時的に変動する可能性があり、システムが制御できないシステムの外部温度であってもよい。
【0042】
本明細書では電気入力接続部とも呼ばれる電気-光送信器電気接続部は、電気-光送信器要素への1つ又は複数の電気接続部を含むことができる。これらの接続部は、信号接続部、バイアス接続部、及び監視接続部を含むことができる。更に、これらの接続部は、絶縁材料を越えて、外部環境温度にさらされる領域内に突出してもよい。この端部では、これらの接続部が小さい設計を有し、外部環境温度領域から内部制御温度領域への熱経路を最小限に抑えるために高い熱抵抗を有することができる。
【0043】
光出力接続部は電気-光送信器要素からの光出力であってもよい。
【0044】
以下のセクションでは、本開示の実施例及び方法の詳細な説明が与えられる。好ましい例及び代替例の両方の説明は例示に過ぎず、当業者には、変形、修正、及び変更が明らかであり得ることが理解される。したがって、実施例は、特許請求の範囲によって定義される基礎となる開示の態様の広さを限定しないことを理解されたい。
【0045】
(図面の詳細な説明)
プローブヘッドとも呼ばれるアダプタは、エラー信号変調による帯域幅損失を受けることなく、試験及び測定アプリケーションにおいて一定かつ清浄な光出力信号を提供する。利用者は、温度変化によって生じる帯域幅損失を監視することなく、様々な温度下で、異なる測定キャンペーン強度で、様々な測定アプリケーションのために例示的なプローブヘッドを利用することができる。
【0046】
図1を参照すると、光リンクの例示的な実施形態が、側面図に沿った光リンクの断面で示されている。
【0047】
図1を参照すると、本開示の一実施形態による例示的な光リンクの模式図が示されている。光リンク10は、本明細書では電気入力接続部18とも呼ばれるいくつかの電気-光送信器電気接続部、光出力部50、又は光出力接続部、及び電気-光送信器20を備える。光リンク10は、電気-光送信器室25又は送信器室を更に備える。送信器室は、電気-光送信器20を一定の所定の温度に保つように構成された温度制御装置24を備える。送信器室25は、その内部に電気-光送信器20を完全に組み込んだ円筒管であってもよい。
【0048】
送信器室25は、高い熱伝導率を有する材料を含むことができる。材料はまた、高い熱容量を有する可能性がある。代替的に又は追加的に、送信器室25は、高い熱容量を有する別の原料を含んでもよい。例えば、送信器室25は、真鍮製の円筒管であってもよい。送信器室25の目的は、その高い熱容量及び高い熱伝導率によって達成される、全ての内部構成要素を均一な温度に維持することである。送信器室25は、その全長、その内部領域全体、及び送信器室25内の全ての構成要素にわたって均一な温度を有するように構成されてもよい。これは、電気・光リンク20からの熱膨張駆動機械的応力を保持し、電気-光送信器20のための均一な動作条件を可能にする。
【0049】
使用される寸法及び材料は使用される電気-光送信器20の状況及び種類に依存し、簡単で簡単な実験によって識別することができる。
【0050】
光リンク10は、温度制御装置24に接続され得る温度制御システム40を更に備え得る。温度制御システム40は、フィードバックループ温度制御を含むことができる。温度制御システム40は、アナログ及び/又はデジタル制御システムとすることができる。
【0051】
電気-光送信器20と送信器室25との間の空間は、内部温度制御領域28である。この内部温度制御領域28は内部温度制御領域28を横切る電気-光送信器20からの、又はそれへの熱流束を最小限に抑えるために、絶縁性を有することができる。内部温度制御領域28は、空気、空気以外のガス組成物、又は更には真空を含むことができる。代替実施形態によれば、内部温度制御領域28は、固体又は液体を含むことができる。
【0052】
温度制御装置24は、温度制御システム40によって提供される制御コマンドに応じて、電気-光送信器20を加熱、冷却、又は加熱及び冷却の両方を行うか、又は電気-光送信器20を冷却も加熱もしない能力を有することができる。温度制御装置24は例えば、ペルチェ素子、サーモエレクトリックククーラー、TECを含むか、又はその一部であってもよい。温度制御装置24は、温度センサ26を更に備えることができる。
【0053】
温度センサ26は、電気-光送信器20の内部制御温度及び/又は温度を測定するのに適したサーミスタ又は熱電対であってもよい。温度センサ26はその表面温度を測定することができるように、電気-光送信器20に熱的に接続することができる。温度センサ26はまた、送信器室25の内部に配置されてもよい。
【0054】
電気-光送信器20は、レーザダイオード部21とレーザアライメント部23とを備えるファイバ結合レーザパッケージを備えることができる(
図2参照)。
【0055】
光リンク10は、電気-光送信器20の周りに熱及び電気絶縁材料22を含むことができる。熱及び電気絶縁材料22は、電気-光送信器20のクラッドとして提供されてもよい。この絶縁材料の目的は、最大の熱抵抗を達成することである。熱及び電気絶縁材料は、発泡ポリスチレン、ポリウレタン(PU)発泡体、ポリイソシアヌレート(PIR)発泡体、及び/又はフェノールスプレー発泡体を含むことができる。送信器室25の外側の温度領域は、以下、外部環境温度領域と称される。
【0056】
電気入力接続部18は、いくつかの個別の電気-光送信器電気接続部を備えてもよい。これらの電気入力接続部18は、信号接続部、バイアス接続部、及び監視接続部を含むことができる。これらの電気入力接続部18は熱端部の電気絶縁材料22から外に、これを越えて外部環境温度領域内に延在することができる。熱及び電気絶縁材料を通って延在する電気入力接続部18によって生成される熱経路を最小限に抑えるために、電気入力接続部18は、小さく、高い熱抵抗を有するように設計され得る。
【0057】
図1の実施形態に示すように、光出力接続部又は光出力部50は、光ファイバケーブル、例えばシングルモードファイバを含むことができる。光ファイバケーブルは、クラッド光ファイバケーブルであってもなくてもよい。
【0058】
図1に示される図から分かるように、電気-光送信器20は、電気入力信号を光出力信号に変換するのに必要な全ての構成要素を備える。より具体的には電気入力接続部18及び光出力部50のみが、送信器室25及び熱及び電気絶縁材料22を通って到達する。
【0059】
図2を参照すると、例示的な電気-光送信器20が断面図で示されている。電気-光送信器20は最新技術から知られているように、ファイバ結合レーザパッケージを含むことができる。そのような電気-光送信器20は、本開示による光リンク10と互換性があり得る。左側では、電気-光送信器が電気入力接続部18を備える。右側では、電気-光送信器20が光出力接続部52を備える。電気-光送信器20は、ファイバ結合レーザパッケージ27を備えることができる。左から右に、電気-光送信器20は、電気入力接続部18をレーザダイオード34に接続するヘッダ29を備えてもよく、ファイバ結合レーザパッケージ27はレーザダイオード34からレーザ光36を受け取り、レーザ光3をガラスキャピラリー39に集束させるレンズ37を備え、曲げ制限部54及び光ファイバケーブルを光出力接続部52として備えてもよい。
【0060】
ファイバ結合レーザパッケージ27は、レーザダイオード部21と、レーザアライメント部23とを備えてもよい。レーザダイオード部21及びレーザアライメント部23は
図1に示す送信器室25内に配置される電気-光送信器20の要部と考えることができる。すなわち、レーザダイオード部21及びレーザアライメント部23は、熱的に誘起された膨張又は収縮を受けると、アナログ光出力信号に変動を生じやすい。したがって、少なくともこれらの構成要素は、一定温度環境を提供する送信器室25の内部に配置される。
【0061】
それらの構成に応じて、ヘッダ29、曲げ制限部54、及び光ファイバケーブル52の部分はまた、熱誘起膨張又は収縮を受けるときにアナログ光出力信号の変動を引き起こす傾向がある部品と見なされ得る。この場合、ヘッダ29、光ファイバケーブル52、及び/又は曲げ制限部54は、ファイバ結合レーザパッケージ27の一部であってもよい。
【0062】
レーザダイオード部21は、レーザ内のバックファセット監視内部フォトダイオードを含むことができる。レーザダイオードによって生成されたレーザ光36は、フォトダイオードによって検出されてもよく、その後、レンズ付きカプセル内に設けられたレンズに導かれる。レンズ37から出て、レーザ光36は、スリーブの形態で設けられたレーザアライメント部23によって定位置に保持されたガラスキャピラリー39内に設けられた光ファイバケーブルの近位端に集束される。
【0063】
ファイバ結合レーザパッケージ29の外部又は内部からの温度変化は、レーザダイオード部21及びレーザアライメント部23の熱膨張又は熱収縮につながる。
【0064】
一般に、電気-光送信器20に与えられる任意の温度変化は、少なくとも、電気-光送信器20の内側の個々の構成要素間の互いに対する距離を変化させる。その結果、送信器の光学系が変化し、それに応じて送信器の出力が変動する。これは、電気-光送信器20を一定の所定の温度に保つように構成された送信器室25の内部に電気-光送信器を配置することによって回避される。電気-光送信器20を一定の所定の温度に保つことは、内部又は外部温度の変動にかかわらず、電気-光送信器20において熱膨張が監視されないという利点を有する。
【0065】
例えば、電気-光送信器20が光ファイバレーザパッケージ27を含む場合、レーザダイオード部21及びレーザアライメント部23の少なくとも一方は、熱誘起膨張又は収縮によるアナログ光出力変動を回避するために送信器室25内に配置される必要がある光学部品である。
【0066】
ここで
図3を参照すると、プローブヘッドの例示的な実施形態が、側面から見た断面図で示されている。プローブヘッド100は、電気信号検出のためのプローブヘッドチップ12を備えることができる。プローブヘッドチップ12は、プローブヘッドのハウジング14に取り付けることができる。プローブヘッド100のハウジング14は、アルミニウムを含んでもよい。ハウジング14は、ニッケルめっきアルミニウムハウジングであってもよい。アルミニウムハウジングは、ハウジングの内部と外部との間の過渡温度勾配を緩衝するためのヒートシンクとして機能する。ハウジング14は審美的目的のためだけでなく、ハウジング14の改善された触覚及び人間工学、熱及び/又は電気絶縁のために、プラスチックカバーを更に備えてもよい。
【0067】
ハウジング14の内側では、プローブヘッド100がプローブチップ12に電気的に接続された入力バッファ16、例えばプリント回路基板、PCB、又はPCBAを含むことができる。プローブヘッド10は
図1に示される光リンク10を更に備え得る。したがって、プローブヘッド10は電気-光送信器20の近位端上の電気入力接続部18を介して入力バッファ16に電気的に接続され得る電気-光送信器20を備え得る。電気-光送信器20は、電気-光送信器室25の内側に配置することができる。
【0068】
プローブヘッド100は、電気-光送信器を一定の所定の温度に保つように構成された温度制御装置24を更に備えてもよい。温度制御装置24はハウジング14の内側に取り付けることができ、送信器室25のための支持体として作用することができる。
【0069】
プローブヘッド100は、ハウジング14の専用収容室内に配置され得る、電池又はPOE(power over)ファイバ給電変換器30を更に備え得る。プローブヘッド10は、温度制御装置24のための温度制御システム40を備えることができる。温度制御システム40は、温度制御装置24を制御するための電力を供給するための構成要素を備えることができる。
【0070】
光出力部50は、電気-光送信器20の遠位端に接続されてもよい。プローブヘッド100は、曲げ制限部54を介してハウジング14の外側に接続され得る光出力接続部52を更に備え得る。光出力部50は光出力接続部の内側に導かれてもよい。
【0071】
図4を参照すると、プローブヘッドの別の例示的な実施形態が、側面から見た断面図で示されている。
図4に示される実施形態は、プローブヘッド100が角度付きプローブヘッドであるという点で、
図3に示される実施形態とは異なる。プローブヘッド100のハウジング14は、プローブチップ12及び光出力接続部52が下方に傾斜するように構成される。角度の付いたプローブヘッド100では、空間要件が低減され、屈曲が低減された状態でより短いプローブ先端ケーブルを使用する能力のために、ハンドリング及び測定が更に改善され得る。
図4の図では、ねじ込み式キャップ32がハウジング14から取り外されて示されている。
【0072】
図5を参照すると、例示的なプローブヘッドが斜視図で示されている。図示されたプローブヘッド100は
図4に概略的に示されたプローブヘッドに基づいている。プローブヘッド100が角度の付いたプローブヘッドであり、組み立てられた状態で示されている。ハウジング14は2つの相補的なハーフシェル14A、14Bを備えてもよく、これらは締結手段17、例えばねじにより一緒に保持されてもよい。ねじ込み式キャップ32は、ねじの構成で示されている。
【0073】
次に
図6を参照すると、
図5のプローブヘッド10が側方から見た断面図で示されている。プローブヘッド100は、
図3~
図5に示されるプローブヘッドと、
図1~
図2に開示される光リンク10とに基づく。
図1~
図5の文脈において提供される同じ原理、定義、及び説明は、適用可能な場合、
図6の実施形態にも適用される。
【0074】
図6は、光リンク10の電気-光送信器20が送信器室25に完全に組み込まれ得る方法を示す。送信器室25は、熱及び電気絶縁材料22によって完全に囲まれてもよい。温度制御要素は、図示の断面に対して直角に延びるので、
図6には示されていない。
【0075】
送信器室25は、例えば、送信器室25と入力バッファ16との間の間隙の手段によって、隣り合う入力バッファ16から熱的に分離されてもよい。
【0076】
プローブヘッド100は熱減衰装置33を備えることができる。熱減衰装置33は電気入力接続部18に向かって突出する入力バッファ33の一部であってもよい。
図1に開示されている光リンク10も断面図に示されている。光リンク10の電気-光送信器20は、熱減衰装置33を介して入力バッファに電気的に接続されてもよい。熱減衰装置は電気-光送信器20と入力バッファ16との間の熱絶縁を増加させるために、低い熱伝導特性を有する。例えば、熱減衰装置33は孔35を備えることができる。その結果、電気-光送信器20から入力バッファ16への熱伝導が低減される。熱減衰装置33は、低熱伝導率を有する材料を更に備えてもよく、又はそれからなってもよい。
【0077】
図7を参照すると、
図6のプローブヘッドが、上から見た断面で示されている。この断面図では温度制御装置24が示されている。
図1に開示されている光リンク10も断面図に示されている。温度制御装置24はハウジング14の内面から、熱及び電気絶縁材料22を通って、送信器室25まで延在してもよい。熱及び電気絶縁材料22は送信器室25をほぼ完全に覆い、側方への温度制御要素24、後方への光出力部50、及び前方への入力バッファ16によってのみ中断される。また、
図7から、温度センサ26は、送信器室25の内側に配置されてもよいことが分かる。温度センサ26のワイヤは、温度制御要素24の周りに巻き付けられ、温度制御システム50に導かれてもよい。
【0078】
図8を参照すると、
図6及び
図7のプローブヘッドが、背面から見た断面で示されている。
図1に開示されている光リンク10も断面図に示されている。温度制御装置24はハウジング14の内面から、熱及び電気絶縁材料22を通って、送信器室25まで延在してもよい。
【0079】
図9を参照すると、電気-光送信器の出力電力を制御するための例示的な方法のフローチャートが示されている。本方法は、本開示の光リンクを使用して電気-光送信器の出力を制御するのに適している。代替的に又は追加的に、本方法は、本開示によるプローブヘッドを使用して、電気-光送信器の出力を制御するのに適していてもよい。
【0080】
この方法は、送信器室内に電気-光送信器と温度センサを組み立て、温度制御装置を電気-光送信器と温度センサとに接続するステップS10と、出力入力接続部に電気信号を印加するステップS20と、電気信号を光出力信号に変換するステップS30、送信器室内で一定の温度に維持するステップS40と、一定の電気入力信号に対する一定の光出力を監視するステップS50と、を含むことができる。
【0081】
図9の例示に示されていない更なる発展形態によれば、本方法は、電気的及び/又は光信号変調のステップを更に含むことができる。更に、
図9の例示には示されていない別の発展形態によれば、一定温度を維持するステップは、現在の温度値を取得するステップと、取得された現在の温度値を所定の所望の温度値と比較することによって偏差を取得するステップと、偏差を補償するための出力を生成するステップとを含むことができる。これにより、閉ループ制御を確立することができる。それによって、送信器室内の一定の温度を維持するステップにおいて必要とされる温度を制御するための外部入力は必要とされない。方法ステップは、連続的に繰り返されてもよい。更に、更なる信号フィルタステップが含まれてもよい。
【0082】
電気-光送信器は例えば、ファイバ結合レーザパッケージを含むことができる。この場合、本方法は、レーザ光を生成するステップと、光ファイバケーブルの端部にレーザ光を注入するステップとを更に含むことができる。
【0083】
(結論)
本開示のいくつかの実施形態について説明した。本明細書は多くの具体的な実装の詳細を含むが、これらの詳細は開示の範囲又は特許請求され得るものを制限するものとして解釈されるべきではない。
【0084】
別々の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで組み合わせて実施することもできる。更に、特徴は一定の組み合わせで作用するものとして上述されてもよく、最初にそのように特許請求されたものとしてさえも、特許請求された組み合わせからの1つ又は複数の特徴は場合によってはその組み合わせから切り離されてもよく、特許請求された組み合わせはサブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0085】
同様に、動作が特定の順序で図面に描かれているが、これは所望の結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、又は連続的な順序で実行されること、又は全ての図示された動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク処理及び並列処理が有利であり得る。
【0086】
以上、主題の特定の実施形態について説明した。他の実施形態は、以下の特許請求の技術的範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載された動作が異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。加えて、添付の図面に示されるプロセスは所望の結果を達成するために、必ずしも特定の順序で示されるか、又は連続的な順序を必要としない。いくつかの実装形態では、マルチタスク処理及び並列処理が有利であり得る。それにもかかわらず、特許請求される開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるのであろう。
【符号の説明】
【0087】
10 光リンク
12 電気入力部
14 ハウジング
14A ハウジングの第1のハーフシェル
14B ハウジングの第2のハーフシェル
16 入力バッファ
17 締結手段
18 電気入力接続部
20 電気-光送信器
21 レーザダイオード部
22 熱及び電気絶縁材料
23 レーザアライメント部
24 温度制御装置
25 電気-光送信器室
26 温度センサ
27 ファイバ結合レーザパッケージ
28 内部温度制御領域
29 ヘッダ
30 電池又はPOE(power over)ファイバ給電変換器
32 ねじ込み式キャップ
33 熱減衰装置
34 レーザダイオード
35 熱減衰装置の孔
36 レーザ光
37 レンズ
39 ガラスキャピラリー
40 温度制御システム
50 光出力部
52 光出力接続部
54 曲げ制限部
100 プローブヘッド
S10-S50 方法ステップ
【外国語明細書】